(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5759989
(24)【登録日】2015年6月12日
(45)【発行日】2015年8月5日
(54)【発明の名称】ソーシャルネットワークにおける選択的コンテンツアクセス性
(51)【国際特許分類】
G06F 21/62 20130101AFI20150716BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20150716BHJP
【FI】
G06F21/62 318
G06Q50/10 100
【請求項の数】24
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2012-516135(P2012-516135)
(86)(22)【出願日】2010年6月9日
(65)【公表番号】特表2012-530321(P2012-530321A)
(43)【公表日】2012年11月29日
(86)【国際出願番号】US2010038024
(87)【国際公開番号】WO2010147828
(87)【国際公開日】20101223
【審査請求日】2013年6月7日
(31)【優先権主張番号】12/485,856
(32)【優先日】2009年6月16日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】508178054
【氏名又は名称】フェイスブック,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100077539
【弁理士】
【氏名又は名称】飯塚 義仁
(72)【発明者】
【氏名】パールマン,リー
(72)【発明者】
【氏名】メングラジャニ,アロク
(72)【発明者】
【氏名】スリー,マーク
【審査官】
中里 裕正
(56)【参考文献】
【文献】
特表2008−539660(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0104679(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0125521(US,A1)
【文献】
特開2007−052557(JP,A)
【文献】
高井一輝,河口信夫,ACS:多様な人間関係を表現可能なソーシャルネットワーキングシステム,情報処理学会論文誌,2007年 7月15日,第48巻 第7号,p.2328-2339
【文献】
永田周一,安村通晃,Enzin:情報の公開範囲を手軽に変更できるコミュニケーションツール,情報処理学会論文誌,2007年 3月15日,第48巻 第3号,p.1134-1143
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/62
G06Q 50/10
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータによって実行される方法であって、
プロセッサによって、ユーザーに対する表示のために、インターフェースを提供するステップと、前記インターフェースは、1以上のコンテンツ及び各コンテンツ毎の1以上のプライバシー設定をユーザーから受け付けるように構成されており、
前記プロセッサによって、前記インターフェースを介して受け付けた前記ユーザーからのコンテンツを受信するステップと、
前記プロセッサによって、前記受信したコンテンツのためのプライバシー設定の選択を、前記インターフェースを介して前記ユーザーから受信するステップと、選択された該プライバシー設定は、該ユーザーから受信したコンテンツへのアクセスが許可されたソーシャルネットワーキングサービスにおける該ユーザーの1人以上の交流者を識別するものであり、前記プライバシー設定の選択を受信することは、前記ソーシャルネットワークサービス上の前記ユーザーの複数交流者の部分集合を含む少なくとも1つの予め規定されたプライバシー設定の指定を受信することと、少なくとも1人の交流者を該コンテンツへのアクセス許可から除外することからなる該指定されたプライバシー設定の修正を受信することを含み、
前記プロセッサによって、前記ソーシャルネットワークサービスの電子的な通信チャンネルに前記ユーザーから受信したコンテンツを置くステップと、
前記プロセッサによって、前記選択されたプライバシー設定に少なくとも部分的に基づいて、前記電子的な通信チャンネルを介して前記1人以上の交流者が、前記ユーザーから受信したコンテンツにアクセスすることを許可するステップと、
前記コンテンツを視聴するために、該コンテンツにアクセスすることが許可された前記1人以上の交流者に対して、該コンテンツを送り、かつ、該送られたコンテンツと共に表示するために該送られたコンテンツが前記修正されたプライバシー設定を持つことを示す標識を送るステップと
を備える方法。
【請求項2】
前記プロセッサによって、前記選択されたプライバシー設定により識別されない交流者の前記コンテンツへのアクセスを遮断するステップを更に備え、前記選択されたプライバシー設定により識別されない前記交流者には前記除外された前記少なくとも1人の交流者が含まれる、請求項1の方法。
【請求項3】
前記プライバシー設定は、前記コンテンツがインターネット上で検索可能になるようにする、請求項1の方法。
【請求項4】
前記予め規定されたプライバシー設定は、ユーザーが定義した前記複数交流者の前記部分集合のリストを含む、請求項1の方法。
【請求項5】
前記予め規定されたプライバシー設定に含まれる前記複数交流者の前記部分集合は、前記複数交流者を自動グループ化することにより設定されたものである、請求項1の方法。
【請求項6】
前記自動グループ化は前記ユーザーと高い親和性を有する交流者をグループ化することを含む、請求項5の方法。
【請求項7】
前記自動グループ化は共通の特性を前記ユーザーと共有している交流者をグループ化することを含む、請求項5の方法。
【請求項8】
前記予め規定されたプライバシー設定がデフォルト設定に設定される、請求項1の方法。
【請求項9】
前記コンテンツが1人以上の交流者にアクセス可能な或る通信チャンネルに投稿されるのを妨げるという、該コンテンツに関係付けられた或るプライバシー設定の選択の受信に応答して、該1人以上の交流者にアクセス可能な該通信チャンネルから前記コンテンツを削除するステップを更に備える、請求項1の方法。
【請求項10】
前記選択はユーザーにより実行される、請求項9の方法。
【請求項11】
前記選択は、前記1人以上の交流者に対する前記ユーザーの親和性に基づいて動的に選択される、請求項9の方法。
【請求項12】
前記コンテンツは、個別のプライバシー設定を有する或るデータと関係付けられている、請求項1の方法。
【請求項13】
前記個別のプライバシー設定は、前記データへのアクセスが許可されている1人以上の交流者を識別する、請求項12の方法。
【請求項14】
前記データは、前記ユーザーの交流者の内の1人によって投稿された別のコンテンツを含む、請求項12の方法。
【請求項15】
前記データは位置情報を含む、請求項12の方法。
【請求項16】
前記データは前記コンテンツに関するメタデータを含む、請求項12の方法。
【請求項17】
前記プロセッサによって、前記ユーザーから前記コンテンツのための新規プライバシー設定を受信するステップと、ここで、前記新規プライバシー設定は、既に識別されている前記1人以上の交流者とは異なる1人以上の交流者を識別するものであり、
前記プロセッサによって、前記新規プライバシー設定に従って、前記通信チャンネルにおける前記投稿されたコンテンツのアクセス性を修正するステップと
を更に備える、請求項1の方法。
【請求項18】
コンピュータ化されたシステムであって、
ソーシャルネットワークサービスのユーザーのプロフィールを格納するユーザープロフィール格納部と、ここで、各プロフィールは前記プロフィールの交流者のグループ化データを含み、
ウェブサーバーと、
を具備し、該ウェブサーバーは、
プロセッサと、
ユーザーからのコンテンツを受信し、かつ、該コンテンツにアクセスすることが許可された1人以上の交流者を識別する該コンテンツに関係付けられたプライバシー設定を前記ユーザーから受信するための、前記プロセッサによって実行されるコンテンツ生成モジュールと、
前記ソーシャルネットワークサービスの電子的通信チャンネルに前記コンテンツを投稿し、かつ、該コンテンツに関係付けられた前記プライバシー設定に従って、該コンテンツにアクセスすることが許可された前記1人以上の交流者に対して、該電子的通信チャンネルを介して、視聴のために該コンテンツを送るための、前記プロセッサによって実行されるコンテンツ発行モジュールであって、更に、該送られたコンテンツと共に表示するために該送られたコンテンツが或る修正プライバシー設定を持つことを示す標識を送るように構成されている前記コンテンツ発行モジュールと、
前記コンテンツへのアクセスを管理するための、前記プロセッサによって実行されるプライバシーモジュールと、
ユーザーに対する表示のためにインターフェースを送信するための、前記プロセッサによって実行されるインターフェースモジュールであって、前記インターフェースは、前記ユーザーがコンテンツを投稿できるようにし、かつ該インターフェースを介して投稿される各コンテンツ毎のプライバシー設定の選択ができるように構成されている、前記インターフェースモジュールと
を備え、前記インターフェースは、前記プライバシー設定の選択のために、前記ソーシャルネットワークサービス上の前記ユーザーの複数交流者の部分集合を含む少なくとも1つの予め規定されたプライバシー設定を前記ユーザに指定させ、かつ、少なくとも1人の交流者を該コンテンツへのアクセス許可から除外することからなる該指定されたプライバシー設定の修正を前記ユーザに行わせるように構成されており、
前記コンテンツ発行モジュールは、前記ユーザが前記指定されたプライバシー設定の修正を行ったことに応じて、前記送られたコンテンツが前記修正プライバシー設定を持つことを示す前記標識を送るように構成されていることを特徴とするシステム。
【請求項19】
プロセッサによって、ソーシャルネットワークサービスの複数ユーザーのユーザープロフィールの集合および該ユーザープロフィール内の交流者の集合をプロフィールデータベース内で維持するステップと、
前記プロセッサによって、前記ソーシャルネットワークサービスのユーザーのためにインターフェースを提供するステップであって、前記インターフェースは、1以上のコンテンツ及び各コンテンツ毎の1以上のプライバシー設定を受け付けるように構成されており、
前記プロセッサによって、前記インターフェースを介してコンテンツを投稿する複数のユーザーから受信された複数のコンテンツ及び該コンテンツに関係付けられたプライバシー設定をコンテンツデータベース内で維持するステップと、前記ユーザーから受信される前記プライバシー設定は、前記ソーシャルネットワークサービス上の前記ユーザーの複数交流者の部分集合を含む少なくとも1つの予め規定されたプライバシー設定の指定と、少なくとも1人の交流者を該コンテンツへのアクセス許可から除外することからなる該指定されたプライバシー設定の修正とを含み、
前記プロセッサによって、前記ソーシャルネットワークサービスの1人以上の個別ユーザーそれぞれについて、前記コンテンツを投稿した他のユーザーに対する該個別ユーザーの交流に基づき、かつ、該コンテンツに関係付けられた前記プライバシー設定に従って制限された、該個別ユーザー用のコンテンツのストリームを生成するステップと、
前記プロセッサによって、コンテンツの前記ストリームを、コンピュータディスプレイを介して視聴するためにソーシャルネットワークサービスのユーザーに送り、かつ、該送られたコンテンツと共に表示するために該コンテンツが前記修正されたプライバシー設定を持つことを示す標識を送るステップと
を備える方法。
【請求項20】
前記コンテンツデータベースは、ユーザープロフィールの共通特性に従って前記ソーシャルネットワークサービスの複数ユーザーのユーザープロフィールをグループ化したものを維持し、前記予め規定されたプライバシー設定は、前記インターフェースを介して前記グループ化したものの内の1つ以上を選択することにより指定される、請求項19の方法。
【請求項21】
前記コンテンツデータベースは、前記ソーシャルネットワークサービスの複数ユーザーのユーザープロフィールをユーザー定義によりグループ化したものを維持し、前記予め規定されたプライバシー設定は、前記インターフェースを介して前記ユーザー定義によりグループ化したものの内の1つ以上を選択することにより指定される、請求項19の方法。
【請求項22】
前記ユーザーはエンティティを含む、請求項19の方法。
【請求項23】
前記プロセッサによって、前記コンテンツへのアクセスを許可された前記1人以上の交流者に対して、表示のために該コンテンツを送信するステップと、
前記プロセッサによって、表示されるコンテンツと共に該表示されるコンテンツのために選択されたプライバシー設定を示すためのユーザインターフェースを提供するステップと
を更に備える、請求項1の方法。
【請求項24】
前記プロセッサによって、ユーザーに対する表示のために、プライバシー設定の選択を受け付けるためのユーザインターフェースを提供するステップを更に備え、前記ユーザインターフェースは、別のコンテンツのために該ユーザーによって選択された最新のプライバシー設定をデフォルトとして設定する、請求項1の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にソーシャルネットワークサービスに関し、より詳細には、ソーシャルネットワークサービスのユーザーに、アクセス性レベルを変更することによりコンテンツを選択的に指定する能力を提供することに関する。本明細書で使用する場合、「ユーザー」とは個人またはエンティティ(企業または第3者機関の利用等)とすることができる。用語「交流者(connection:つながりを持つ者)」は個人およびエンティティを指し、ソーシャルネットワークサービスのユーザーはその個人およびエンティティにより交流(connection)、交友関係(association)、または親密な関係(relationship)を形成できる。
【背景技術】
【0002】
従来から、ソーシャルネットワークサービスのユーザーは、他の人が視聴できるコンテンツ、および/または視聴を推奨したいコンテンツを投稿(post)することができる。コンテンツには、幾つか例を挙げると、テキスト、ステータス更新、位置(所在地)情報、写真、ビデオ、グループ、イベント、およびソーシャルネットワーク内の他のページへのリンクはもとより、外部ウェブサイトへのリンクが含まれる。従って、ユーザーが投稿するコンテンツは、ニュースフィードまたはストリーム等のソーシャルネットワーク内の1つ以上の各種通信チャンネルを介して、ユーザーの交流者が利用できるようになる。
【0003】
ソーシャルネットワーク内のストリームにより、コンテンツをユーザーの交流者が効率的に利用できるようにするが、ユーザーは投稿コンテンツのアクセス性の細かさを操作できない。ユーザーは、時間が経つとソーシャルネットワーク上のより多くの人々と交流するようになるので、特定コンテンツを自分の一部の交流者に対象を絞りたいと望むようになるか、またはアップロードしたコンテンツ全てを特定の交流者が視聴するのを特に排除したいと望むようになる。更に、ユーザーは、ユーザーの交流者全員が、無関係な無数のコンテンツに煩わしさを感じるのを避けたいということもある。従来のソーシャルネットワークサービスは、ソーシャルネットワーク上で生成したコンテンツのアクセス性の細かさをユーザーが操作できるコンテンツのアップロードおよび配布のメカニズムを持たない。結果的に、ユーザーは、コンテンツのアクセス性の細かさの操作が出来ないので、ソーシャルネットワークに特定コンテンツを自由にアップロードするのをためらうことになる。
【発明の概要】
【0004】
ソーシャルネットワークにコンテンツを投稿するのをユーザーに推奨するために、本発明の実施の形態は、ユーザーにアップロードコンテンツを発行する方法、およびアクセス性を操作する方法の選択を可能にする。一実施の形態では、ユーザーは、投稿するコンテンツ毎にプライバシー設定を選択できる。プライバシー設定は、投稿されたコンテンツを視聴できる交流者の集合を定義、つまり識別する。投稿コンテンツは、ニュースフィードまたはストリーム等の、ソーシャルネットワーク内の特定の通信チャンネルに置かれ、コンテンツと関係付けられたプライバシー設定によりその視聴を許可されている交流者がそのコンテンツを視聴できる。この方法で、ユーザーは、誰にユーザー投稿コンテンツを視聴させるかに関する大きなフレキシビリティを手にすることができる。
【0005】
プライバシー設定は、ソーシャルネットワーク内の特定の交流者、所定のグループのユーザーの交流者、特定ジャンルの交流者、ユーザーの交流者全員、ユーザーの交流者の交流者全員、ソーシャルネットワーク全体、またはインターネット全体(例えば、投稿したコンテンツをインターネット上でインデックス化し、検索可能にするために)さえも指定する等して、多様な細かさで指定される。ユーザーは、投稿される全てのコンテンツに対して既定のプライバシー設定を選択してもよい。更に、ユーザーは、特定の交流者があるコンテンツまたは特定の種類のコンテンツを視聴するのを特に排除することもできる。
【0006】
一実施の形態では、ユーザーはコンテンツのプライバシー設定を投稿した後で編集することができる。この方法で、ユーザーは、ソーシャルネットワークの通信チャンネルにコンテンツを投稿した後でも、ユーザーが選定した交流者に対してコンテンツアクセス性を制限することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の実施の形態による、ソーシャルネットワーク上のユーザーおよび各種グループ、または小集合の交流者を示す上位概念図である。
【0008】
【
図2】本発明の実施の形態による、ソーシャルネットワーク内でコンテンツアクセス性を操作するためのシステムの上位ブロック図である。
【0009】
【
図3A】本発明の実施の形態による、プライバシー設定をコンテンツに対して指定するプロセスの相互関係図である。
【
図3B】本発明の実施の形態による、プライバシー設定をコンテンツに対して指定するプロセスの相互関係図である。
【0010】
【
図4A】本発明の一実施の形態を示すスクリーンショット図であり、コンテンツアクセス性をソーシャルネットワーク内で操作する方法を示すための図。
【
図4B】本発明の一実施の形態を示すスクリーンショット図であり、コンテンツアクセス性をソーシャルネットワーク内で操作する方法を示すための図。
【
図4C】本発明の一実施の形態を示すスクリーンショット図であり、コンテンツアクセス性をソーシャルネットワーク内で操作する方法を示すための図。
【
図4D】本発明の一実施の形態を示すスクリーンショット図であり、コンテンツアクセス性をソーシャルネットワーク内で操作する方法を示すための図。
【
図4E】本発明の一実施の形態を示すスクリーンショット図であり、コンテンツアクセス性をソーシャルネットワーク内で操作する方法を示すための図。
【
図4F】本発明の一実施の形態を示すスクリーンショット図であり、コンテンツアクセス性をソーシャルネットワーク内で操作する方法を示すための図。
【
図4G】本発明の一実施の形態を示すスクリーンショット図であり、コンテンツアクセス性をソーシャルネットワーク内で操作する方法を示すための図。
【0011】
【
図5】本発明の一実施の形態による、投稿が交流者のニュースフィードに現れる様子を示すスクリーンショットである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図は説明だけを目的として本発明の各種の実施の形態を示す。当該分野の技術者には言うまでもなく、本明細書で説明する構造および方法の代替の実施の形態が、本明細書で説明する本発明の原理から逸脱することなく利用できることは、以下の説明から直ちに理解されよう。
概観
【0013】
ソーシャルネットワークサービスは、そのユーザーに、ソーシャルネットワークの他のユーザーと通信し、相互関係を築く能力を提供する。使用に際しては、ユーザーは、ソーシャルネットワークに加わって、彼らが交流を希望する他のユーザー、個人およびエンティティとの交流を築く。交流者は、例えばユーザーが特定の他のユーザーを友人として選択することで明示的に追加してもよく、またはソーシャルネットワークサイトがユーザーの共通の特性(例えば、同じ教育機関の同窓生であるユーザー)に基づいて自動的に創出してもよい。ソーシャルネットワークの交流は通常双方向であるが、双方向でなくてもよい。例えば、BobとJoeがともにユーザーであって互いに交流を築いている場合、BobとJoeは2ウエイの交流である。一方、BobがSamの投稿コンテンツを視聴するためにSamとの交流を希望するが、SamはBobとの交流を選択しない場合、1ウエイの交流が形成される。ユーザー間の交流は直接の交流でもよいが、ソーシャルネットワークサービスの実施の形態によっては、1つ以上の交流レベルを介して間接的に交流することもできる。
【0014】
他のユーザーとの相互関係に加えて、ソーシャルネットワークサービスは、そのサービスがサポートする各種項目に対応する能力をユーザーに提供する。これらの項目には、サービスのユーザーが所属することが可能なグループまたはネットワーク(本明細書では、「ネットワーク」は物理的な通信ネットワークでなく、人々の社会的ネットワークを指す)、ユーザーが関心を抱くかもしれない行事または予定表事項、ユーザーがそのサービスを介して使用できるコンピューターベースのアプリケーション、ユーザーがそのサービスを介して物品を売買できる取引、およびユーザーがソーシャルネットワーク上で、またはソーシャルネットワークから行う広告とのやりとりが含まれる。これらはユーザーがソーシャルネットワークサービス上で活動する項目の数少ない例に過ぎないが、多くの他の項目が可能である。以下に提供する多くの実施の形態/実施例はソーシャルネットワークサービスを指向しているが、本明細書で説明する発明には、ソーシャルネットワークサービスに限らず、ソーシャルネットワーク、ソーシャルコンテンツ、または他の形式のウェブサイトを含む他の環境が含まれる。
【0015】
ユーザー生成コンテンツは、ソーシャルネットワークサービス上のユーザー経験を豊富にする。「コンテンツ」には、ステータス更新または他のテキストメッセージ、位置情報、写真、ビデオ、広告、およびリンク等のあらゆる形式のメディアコンテンツが含まれる。コンテンツ「項目(item)」は、ソーシャルネットワーク内のオブジェクトとして表されるコンテンツの要素を表す。このようにして、ソーシャルネットワークのユーザーは、多様な通信チャンネルを介して各種のメディアのコンテンツを「投稿」することにより、互いに通信するよう推奨される。通信チャンネルを用いて、ソーシャルネットワークのユーザーは、相互関係を深め、より頻繁にソーシャルネットワークと関わる。通信チャンネルの一形式は「ストリーム」であり、その中でユーザーは、投稿されるか、アップロードされるか、またはそれ以外の方法で1人以上のサービス参加ユーザーからソーシャルネットワークサービスに提供される一連のコンテンツを提示される。ストリームは、ユーザーがそのストリームにコンテンツを追加すると更新される。通信チャンネルについては、全文を引用して本明細書に組み込む、2008年10月16日出願の米国特許出願第12/253,149号に詳細な説明がある。
【0016】
しかし、投稿コンテンツがユーザーの交流者全員に見えることを望まない場合がある。例えば、ユーザーが、会社のプレゼンテーションからのビデオをソーシャルネットワークに投稿したいと考えたとする。このビデオをユーザーの交流者全員、例えば、競合企業に勤務する交流者に共有させるのは不適切なことがある。従って、ユーザーは、このビデオのアクセス性を選択した視聴者だけに制限したいと考えるかもしれない。従来のソーシャルネットワークサービスは、ユーザーがコンテンツを投稿するメカニズムを提供しないし、ユーザー生成コンテンツのアクセス性および対象絞り込みを操作させることもない。
【0017】
一実施の形態では、ソーシャルネットワークにより、ユーザーは、ソーシャルネットワーク内でコンテンツを共有する方法を修正できる。指定されたプライバシー設定をコンテンツに含めることができる。プライバシー設定は、通信チャンネルに投稿されたコンテンツを視聴できるユーザー、またはアクセスできるユーザーの集合を定義する。プライバシー設定は、様々な細かさで指定することができ、ユーザーは特定の交流者がコンテンツを視聴するのを特に排除できる。ユーザーがプライバシー設定を一旦カスタム化すると、一実施の形態では、後続のコンテンツの投稿用にそのカスタム設定を保存できる。
【0018】
これらの設定は、ユーザーがアップロードするコンテンツ毎に、アップロードする時点で修正することができ、投稿コンテンツのアクセス性を操作する際のフレキシビリティを極めて高くできる。代替として、ユーザーは、全てのアップロードコンテンツに対して既定のプライバシー設定を選択できる。このように、プライバシー設定によってユーザーは特定の交流者に対して特定のコンテンツを隠したり、またはコンテンツ配布をユーザーが選定した、交流者の内の識別された個人またはグループに絞り込んで、特定のコンテンツを特定の視聴者を対象にしたりできる。プライバシー設定により識別されない交流者は、視聴を遮断されるか、またはコンテンツへのアクセスを遮断される。プライバシー設定については、全文を引用して本明細書に組み込む、2008年5月27日出願の米国特許出願第12/154,886号にもより一般的な説明がある。一実施の形態では、ユーザーは、投稿後にコンテンツのプライバシー設定を編集できる。この方法では、ユーザーは、一実施の形態において、ソーシャルネットワーク内の通信チャンネルにコンテンツを投稿してしまった後でも、ユーザーが選定した視聴者にコンテンツのアクセス性を制限できる。別の実施の形態では、通信チャンネルに投稿してしまった後、一部のコンテンツのアクセス性は編集することができない。
【0019】
ユーザーは、ソーシャルネットワーク上に多様な交流者を持つことができる。例えば、
図1は、一実施の形態において、ソーシャルネットワーク内のユーザーの交流者が、実社会で共有する交流の種類により分類される様子を示す。ユーザーは、ユーザーが創出した特定の交流者グループの名前、または交流者とユーザーが共有する共通の特性に基づいてソーシャルネットワークが生成する自動グループ化の名前を明示的に指定できる。この自動グループ化には、ソーシャルネットワークが入力情報から判断できるか、またはソーシャルネットワークサービス上でユーザーが取る行動から判断できる仕事仲間、同居者、チームメート、クラスメート、旅行仲間、親密な関係者、親族、ランダムな交流者、または何らかの他のグループが含まれる。この情報には、一実施の形態では、ユーザーが入力するプロフィール情報およびソーシャルネットワークサービス上で実行される行動を含めてもよい。例えば、ユーザーがフランス語と英語を話し、フランス語でコンテンツを投稿したい場合、一実施の形態では、全てのフランス語を話す人のグループが自動的に創出され、それによりユーザーは実際にフランス語を理解する交流者に向けてフランス語のコンテンツを投稿することができる。このように、自動グループ化は、言語スキル、または何か他の共通の関心事またはユーザープロフィール情報で共通する特性に基づいて創出することもでき、または別の方法でシステムが決定できる。
【0020】
本システムには、代替の実施の形態では、ユーザーとの親和性が高い友人を含む交流者のカテゴリを含めることもできる。ユーザーに高い親和性を持つことは、ユーザーおよびユーザーの投稿への高いレベルの相互関係および関与を表す。従って、ユーザーは、投稿を無視するであろう交流者とは逆の、コンテンツに実際に関与し、または交流を行う可能性のある交流者が視聴するためにコンテンツの投稿を望むと考えられる。ユーザーが自分自身のグループ化を創出することもできる。他のグループ化には、ユーザーのプロフィール情報に記入されたような地理的ネットワークおよび同窓生ネットワーク等のネットワークレベルのプライバシーを含めることができる。従って、交流者のグループ化または分類とは、ユーザーの交流者の一グループを組織化することを意味するに過ぎない。親和性については、全文を引用して本明細書に組み込む、2006年8月11日出願の米国特許出願第11/503,093号に詳細な説明がある。
【0021】
図1に示すように、ユーザー100は幾つかの交流者グループを有する。グループはオーバーラップしてもよく、交流者が2つ以上の分類に属していてもよい。ランダムな交流者110は、実社会またはソーシャルネットワークサービス上でユーザーがランダムに出会った交流者から成っていてもよい。親密な関係者(relationship)115には、実社会の親密な関係者またはソーシャルネットワークサービス上に存在する他の親密な関係者が含まれていてもよい。親和性の高い友人120は所与の任意の時間で変化してもよいが、これらの交流者は、一実施の形態では、ユーザー、ユーザー投稿コンテンツ、または共有コンテンツとの相互関係に基づくユーザーの高い親和性を示している。クラスメート125にはユーザーと同じ学校に通った交流者を含めることができる。親族130、会社の同僚135、チームメート140、および同居者145は、実際の親族、会社の同僚、チームメート、および同居者のグループを表しているが、但し、実社会の交流者はオプションである。
【0022】
除外者155は、ユーザーがその場その場で指名でき、特定のコンテンツが投稿された時に、それぞれの特定コンテンツの視聴からどの交流者を遮断するかを、ユーザーが指名できる。換言すると、ユーザーは、コンテンツを投稿する度に、特定の交流者が投稿時にそのコンテンツにアクセスするのを排除できる。代替の実施の形態では、除外者155には、全てのコンテンツ投稿から排除されている交流者も含めることができる。除外者155には、個々の交流者またはグループ全体を含めてもよい。例えば、ユーザーは、会社の同僚135が家族の写真を見るのを排除したいと思っても、スポーツイベントの写真を見るのは排除したくないと考えるかもしれない。コンテンツ発行者105を用いて、ユーザー100は、家族の写真(コンテンツ150)にスポーツイベント写真(別のコンテンツ150)と異なるプライバシー設定を指定してもよい。従って、ユーザー100は、個人的な写真(コンテンツ150)を親和性の高い友人120またはどれか他の友人のグループと共有することができる一方、同時に、会社の同僚135および他の特定の除外者155にはこれらの個人的な写真については知らせないことすら確実にできる。
【0023】
別の実施の形態では、コンテンツを各種のデータと関係付けることができる。例えば、秘密のサーフィンスポットの写真に何人かの交流者が写真に写っていることを示すタグを付けてもよく、写真の撮影場所をGPSまたは他の位置把握アプリケーションを用いて写真に添付することもできる。本実施例では、コンテンツには秘密のサーフィンスポットの写真が含まれるが、写真に写っている交流者へのリンクおよび写真の撮影場所を特定する位置情報を含むデータも添付される。この写真を投稿するユーザーは、ソーシャルネットワークサービス上の全ての人とこの写真コンテンツを共有したいと考えるが、同時に、一部の交流者には位置情報を隠すかまたは排除したいと考えるかもしれない。ユーザーのプライバシー設定に基づいて、別の一部の交流者には位置情報および写真コンテンツの視聴を許可してもよい。更に、データには、メタデータまたはコンテンツに関する情報を含めることができる。このメタデータには、例えば、写真が見られた回数、および写真の共有つまり交流者の壁面への写真の掲示、またはコメントとしてのコンテンツ投稿等の、写真との他の交流を含めることができる。このように、秘密のサーフィンスポットの写真のような1つのコンテンツを、別のプライバシー設定でそれぞれ、位置情報、ソーシャルコンテンツ、および写真コンテンツを含む様々なデータと関係付けることができる。
【0024】
交流者をグループ化しなくてもよいということは言うまでもない。
図1は、ユーザー、または自動グループ化によるグループが指定されていない幾つかのグループ化されていない交流者160を示す。
システムアーキテクチャ
【0025】
図2は、一実施の形態における、ソーシャルネットワークサービス上に投稿されるコンテンツのアクセス性を操作する際に関与するシステムアーキテクチャの上位ブロック図を示す。ユーザー装置205には、ソーシャルネットワークサービスのユーザーとソーシャルネットワークサービスの他のユーザーとの交流を可能にする任意の装置を含めることができる。ユーザー装置205はウェブサーバー215と通信して、データを送受信する。ユーザー装置205は、ウェブサーバー215からのコンテンツを含むウェブページをリクエストできる。ウェブページにアクセスしながら、ユーザーは、コンテンツをアップロードすることにより、ユーザー装置205を介してソーシャルネットワークサービスにコンテンツを投稿できる。ユーザープロフィール格納部210は、ウェブサーバー215と通信して、ソーシャルネットワークサービスの各ユーザーにユーザープロフィールオブジェクト220へのアクセスを提供する。ユーザープロフィールオブジェクト220は、ソーシャルネットワークサービスの各ユーザーに交流者の自動グループ化を生成するために使用できるグループ化データ240へのアクセスを提供する。グループ化データ240は、一実施の形態では、ユーザー定義による交流者のグループ化も含む。他の実施の形態では、ユーザー装置205は、ウェブサーバー215と直接インターフェースして、コンテンツのアップロードおよび受信を行う。別の実施の形態では、ソーシャルネットワークサービスは、APIまたは他の通信メカニズムを用いてソーシャルネットワークサービスからの情報にアクセスするクライアント装置(例えば、携帯通信装置)上で実行されるアプリケーションに実装される。
【0026】
ウェブサーバー215は、コンテンツ生成モジュール225、コンテンツ発行モジュール230、およびプライバシーモジュール235を備える。コンテンツ生成モジュール225は、ユーザーがアップロードしたコンテンツを受信し、アップロードされたコンテンツに関係付けられたソーシャルネットワークサービス上のオブジェクトを生成する。コンテンツ発行モジュール230は、アップロードされたコンテンツ用のプライバシー設定を選択するためのユーザー用のインターフェースを提供する。このインターフェースはソーシャルネットワークサービス上のコンテンツのアクセス性を決定する。
【0027】
コンテンツ発行モジュール230は、ユーザー装置205を介してコンテンツをアップロードするユーザーに関係付けられたユーザープロフィールオブジェクト220からグループ化データ240も取り出す。グループ化データ240を用いて、コンテンツ発行モジュール230は、選択可能なグループ化をユーザーに表示する。グループ化は、ソーシャルネットワークサービス内の個々の特定の交流者、ユーザーの交流者の所定のグループ、特定ジャンルの交流者、ユーザの交流者全員、ユーザーの交流者の交流者全員、ソーシャルネットワークサービスの全てのユーザー、またはインターネット全体(例えば、投稿したコンテンツをインターネット上でインデックス化し、検索可能にするために)さえも規定する等して、細かさを変更することができる。更に、ユーザーは、コンテンツ発行モジュール230を用いて、特定の交流者がコンテンツを視聴するのを特に排除することもできる。代替として、ユーザーは、投稿される全てのコンテンツに対して既定のプライバシー設定を選択でき、この既定の設定はユーザープロフィールオブジェクト220上に初期設定(preference)として格納されることになる。
【0028】
プライバシーモジュール235は、通信チャンネルに投稿してしまった後に、コンテンツのプライバシー設定を修正するためのユーザー用のインターフェースを提供する。例えば、ユーザーの既定設定により、ソーシャルネットワークサービスの全てのユーザーは、ユーザーが投稿した全コンテンツを視聴できると仮定する。あるコンテンツを投稿した後で、ユーザーは、プライバシーモジュール235を介してコンテンツのプライバシー設定を修正することにより、投稿したコンテンツへのアクセスを特定の一部の交流者に制限しようと決意してもよい。この方法で、コンテンツのプライバシー設定を容易に変更することができ、ユーザーが選択した交流者にコンテンツのアクセス性を制限できる。プライバシーモジュール235により、ユーザーが投稿したコンテンツのアクセス性をユーザーが任意の時間に修正できる。
【0029】
交流者装置250、255、260、265は、個人、エンティティ、またはその両方で構成されている交流者グループが使用する各種装置を表す。コンテンツ発行モジュール230は、通信チャンネルにコンテンツを配送し、グループ化データ240として格納されている選択したグループ化に基づいて、交流者装置250、255、260、および265によるコンテンツのアクセス性を設定する。例えば、交流者装置250を、ユーザーの親族が使用する装置と関連させ、一方、交流者装置255、260、265を、ユーザーのクラスメート、会社の同僚、および親密な関係者が使用する装置と関連させてもよい。ユーザーが通信チャンネルに投稿したコンテンツのプライバシー設定をどのように設定したかによって、交流者装置250、255、260、265は、投稿されたコンテンツを視聴できる、またはできないことになる。
選択的コンテンツアクセス性
【0030】
図3Aは、ユーザーが、投稿するコンテンツのアクセス性レベルをどのように選択するかを示す相互関係図である。ユーザー装置205は、ウェブサーバー215にウェブページのリクエストを送信する(300)。ウェブサーバー215は、ユーザープロフィール格納部210からのユーザープロフィール情報をリクエストする(305)。ユーザープロフィール格納部210は、リクエストされたユーザーのプロフィール情報を提供する(310)。次いで、ウェブサーバー215は、ユーザーのプロフィール情報とともにロードされたプライバシー設定インターフェースをイネーブルにする(315)。既に説明したように、ユーザーのプロフィール情報は、とりわけ、グループ化データ240を含むユーザープロフィールオブジェクト220として格納される。
【0031】
ウェブサーバー215はユーザー装置205にウェブページを送信する(320)。ウェブサーバー215はユーザー装置205からコンテンツを受信する(325)。この時点では、プライバシー設定インターフェースは現在のプライバシー設定を示している(330)。ユーザーは、現在のプライバシー設定に満足して、ウェブサーバー215に現在のプライバシー設定でコンテンツを投稿するようリクエストする(365)と決意してもよい。一実施の形態では、現在のプライバシー設定は最近使用したプライバシー設定でもよい。別の実施の形態では、現在のプライバシー設定はユーザープロフィールオブジェクト220で指定されるような既定の設定である。
【0032】
ユーザーはプライバシー設定を修正すると決定してもよく、ウェブサーバー215は、プライバシー設定を修正するための選択を受信する(335)。ウェブサーバー215は、取り出したユーザープロフィール情報からグループ化したものを生成する(340)。これらのグループ化したものがユーザーに提示された後、ユーザーはこれを選択することも、選択しないこともできる(345)。ユーザーは、追加の交流者を含めることはもとより、交流者の候補集合から特定の交流者を排除するよう決定してもよい。プライバシー設定のための交流者集合の選定をウェブサーバー215が受信すると(350)、交流者の候補集合が生成される(355)。
【0033】
ウェブサーバー215は、プライバシー設定が修正されたことをウェブページ上に示す(360)。この時点で、ユーザーは決意を変更し、再度プライバシー設定を修正することを選択できる(335)。修正がなければ、リクエストが受信され(365)、コンテンツが投稿される。このコンテンツは、プライバシー設定で指定された修正アクセス性とともに、ウェブサーバー215により通信チャンネルに投稿される。一実施の形態では、ユーザーはコンテンツのプライバシー設定を後で修正してもよい。
【0034】
図3Bは、通信チャンネルに投稿されたコンテンツが、ウェブサーバー215から交流者装置250、255、260、265に配送される様子を示す。ウェブページのリクエストが、様々な交流者装置250、255、260、265のグループからウェブサーバー215へ送信されると(375)、ユーザーが選択したプライバシー設定に依存して、投稿コンテンツを含むウェブページか、または含まないウェブページが送信される。結果的に、例えば親族等の、コンテンツ視聴から排除された交流者に相当するかもしれないので、交流者装置250のグループにはユーザー生成コンテンツのないウェブページが送信される(380)。別の交流者装置265のグループにも、ユーザーが投稿コンテンツにアクセスさせたくない特に排除した交流者に相当するかもしれないので、ユーザー生成コンテンツのないウェブページが送信される(395)。但し、交流者装置255、260に対応する選択した交流者は、ウェブサーバー215から送信される(390、395)ユーザー生成コンテンツを伴うウェブページを受信する。他の実施の形態では、交流者装置250、255、260、265は、ウェブサーバー215と直接インターフェースしてコンテンツを受信する。別の実施の形態では、ソーシャルネットワークサービスは、APIまたは他の通信メカニズムを用いてソーシャルネットワークサービスから情報にアクセスするクライアント装置(例えば、携帯通信装置)で実行されるアプリケーション上に実装される。
【0035】
図4A〜
図4Gは、本発明の一実施の形態のスクリーンショットである。
図4Aはウェブサーバー215が送信する典型的なウェブページを表示する。タイトルバー400は、「Joe Smith」がこの特定のウェブページに関係付けられたソーシャルネットワークサービスのユーザーであることを示す。通信チャンネル415は、ソーシャルネットワークサービス内でユーザーの交流者が投稿したコンテンツを表示する。投稿インターフェース405により、ユーザーは、ソーシャルネットワークサービスの他のユーザーが視聴するためにソーシャルネットワークサービス内の通信チャンネル415にコンテンツをアップロードし、投稿することができる。フィルターインターフェース410により、ユーザーは表示される通信チャンネル415の内容をフィルタ処理できる。別の通信チャンネル420は、ユーザーが関心を持つかもしれない「ハイライト」をユーザーに表示する。両通信チャンネル415、420には、ソーシャルネットワークサービス上でユーザーが生成したコンテンツが含まれる。
【0036】
投稿インターフェース405内には、入力フィールド425およびコンテンツ提出ボタン435が表示される。通信チャンネル415には、ソーシャルネットワークサービス上のユーザーおよびエンティティが投稿するコンテンツが含まれる。例えば、ある交流者がキャプション430付きの写真440を投稿した。別の交流者は通信チャンネル415にステータス更新450を投稿した。更に別の交流者はキャプション付きのビデオ455を投稿した。更に他のエンティティ(交流者でも非交流者でも可)が、通信チャンネル415、または
図4A〜
図4Gに示すような通信チャンネル420に広告495を投稿するかもしれない。「ハイライト」の通信チャンネル420には、写真アルバム445へのリンクも表示されている。
【0037】
図4Bでは、入力フィールド425にコンテンツがアップロードされている。投稿インターフェース405は、リンク、写真、ビデオ、およびメモ書き等の各種コンテンツをアップロードするための様々なリンク465が含まれるように修正されている。
図4Bに逆三角形で表されているドロップダウンメニューリンク465内に他のアプリケーションを含めてもよい。現在のプライバシー設定を示すプライバシー設定ダイアログ460が投稿インターフェース405内に有ってもよい。
図4Bに示すように、現在のプライバシー設定は「友人全員」に設定されている。
【0038】
図4Cでは、プライバシー設定ダイアログ460が修正のために選択されている。一実施の形態では、ドロップダウンメニューは、「全員」、「友人全員」、「親友」、「カスタム」を含む何種類かのプライバシー設定をリストアップする。「全員」設定には、ソーシャルネットワークサービスの全てのユーザーを含めることができるとともにインターネット上の任意の人を含めることもでき、インターネット上の誰もがアップロードコンテンツをインデックス可能、かつ検索可能にすることができる。「友人全員」設定には、ソーシャルネットワークサービス上のユーザーの交流者全員を含めることができる。「親友」設定には、一実施の形態では、ユーザーにとって高い親和性の点数を持つソーシャルネットワークサービス上の交流者を含めることができる。これは、ユーザー、ユーザー投稿コンテンツ、またはソーシャルネットワークサービス上で共有するコンテンツとの一定の相互関係により、これらの交流者がユーザーからの投稿に関心を持つことを意味する。ユーザーは、その時点で「カスタム」設定を決定する。別の実施の形態では、最近使用した「カスタム」設定をユーザーと関係付けられるユーザープロフィールオブジェクトに格納する。更に別の実施の形態では、「カスタム」設定を選択すると、ユーザーは以前創成したカスタムグループ間で選択できる。
【0039】
プライバシー設定ダイアログ460から「カスタム」設定465を選択することにより、アップロードコンテンツのアクセス性をカスタム化するようユーザーが決意すると、カスタムのプライバシー設定ダイアログボックス470が
図4に表示されるようにポップアップする。チェックボックスを持つグループ化のリスト475が、カスタムのプライバシー設定ダイアログボックス470内に表示される。別の実施の形態では、カスタムのプライバシー設定ダイアログボックスには、交流者の新しいリストまたはグループ化を追加する機能が含まれる。更に、除外者480をテキストフィールドに記入して、投稿されているコンテンツの視聴から排除するよう交流者を指定してもよい。
図4Eから分かるように、2つのグループ化「最高の仲間」および「親友」が選択されていて、1人の「Joe Smith, Sr.」が除外されている。ユーザーは、カスタムのプライバシー設定を保存またはキャンセル(485)できる。
【0040】
カスタムのプライバシー設定を保存した後は、
図4Fに示すように、「カスタム」設定されていることをプライバシー設定ダイアログ460が示す。勿論、デザインの観点から、他の表示を用いてカスタムのプライバシー設定を示してもよい。実施例におけるコンテンツは、テキストフィールド425にアップロードされたステータス更新であり、ユーザーは「ドリンクが欲しい」と言っている。このステータス更新を投稿するために、ユーザーは、コンテンツ提出ボタン435を選択しなければならない。コンテンツ提出ボタン435を選択すると、ステータス更新490が通信チャンネル415内に現れる。ステータス更新490は、コンテンツに修正プライバシー設定があることを示す錠のシンボルも持つ。一実施の形態では、錠のシンボルは、修正プライバシー設定を伴うコンテンツを投稿するユーザーにしか表示されない。
【0041】
図5は、
図4A〜
図4Gのユーザーの交流者の典型的なウェブページのスクリーンショットである。タイトルバー500は、このウェブページがユーザー「Jared Jones」と関係していることを示す。
図4Aと同様に、通信チャンネル515は、ソーシャルネットワークサービス内のユーザーの交流者が投稿したコンテンツを表示する。投稿インターフェース505により、ユーザーは、ソーシャルネットワークサービスの他のユーザーが視聴するために、ソーシャルネットワークサービス内の通信チャンネル515にコンテンツをアップロードし、投稿することができる。フィルターインターフェース510により、ユーザーは表示される通信チャンネル515のコンテンツをフィルタ処理できる。別の通信チャンネル520は、ユーザーに関心があるかもしれない「ハイライト」をユーザーに表示する。両通信チャンネル515、520には、ソーシャルネットワークサービス上でユーザーが生成したコンテンツが含まれる。
【0042】
投稿インターフェース505内には、テキスト入力フィールド525およびコンテンツ提出ボタン535が表示される。通信チャンネル515には、ソーシャルネットワークサービスのユーザーが投稿するコンテンツが含まれる。例えば、ユーザー「Jared」はキャプション530付きの写真540を投稿した。別の交流者はステータス更新550を通信チャンネル515内に投稿した。「ハイライト」通信チャンネル520では、写真アルバム545へのリンクが表示される。
【0043】
但し、通信チャンネル515には、「Joe」により投稿されたステータス更新490が現れる。これは、カスタムのプライバシー設定ダイアログボックス470内でJoeが選択したグループ化の内の1つに「Jared Jones」が含まれていたためである。ステータス更新490は、それが「全員」より狭いプライバシー設定を有するので、その隣に錠アイコンが表示される。
選択的コンテンツアクセス性の実装
【0044】
選択的コンテンツアクセス性の結果として、対象をより絞った方法で投稿するコンテンツをユーザーが指向できるので、ソーシャルネットワークサービス上の通信チャンネルには、より関連性が高いコンテンツが含まれるようにできる。更に、ユーザーは、他人によるコンテンツアクセス性に対する強化された操作法により、通信チャンネルにコンテンツを投稿するのに一層積極的になる。投稿の「エチケット」の問題がソーシャルネットワークサービス上で浮上する可能性があり、それは、ユーザーは、自分のコンテンツの配信を、コンテンツに関連性および妥当性を見出す交流者層に絞り込む権限を与えられることを意味する。
【0045】
コンテンツ項目が検索可能、またはインデックス可能になると、ユーザーは、オブジェクト毎にコンテンツを視聴する交流者に対する全面的な支配権を保有することになる。一実施の形態では、コンテンツのプライバシー設定は、不変となりコンテンツとともに持続される。従って、「オブジェクト毎のプライバシー」は、ソーシャルネットワークサービスのユーザーに多大なフレキシビリティおよび操作性を提供する。
【0046】
コンテンツには、ソーシャルネットワークサービス上の通信チャンネルに配送されるユーザーが取る行動も含めてもよい。例えば、第3者機関のウェブサイト上で映画を貸し出すユーザーは、あら筋がソーシャルネットワークサービス上の通信チャンネルに投稿されることを承認する。そのあら筋は、ユーザーの関心を伝えるが、ユーザーはあら筋のプライバシー設定を修正して、彼が特別な映画を堪能したことを親友にしか知らせないと考えるかもしれない。広告とのやりとり、またはソーシャルネットワークサービス上で新しい交流者を作ったりすること等のユーザーが取る他の行動を、関係付けられるプライバシー設定とともに、通信チャンネルに投稿されるコンテンツとなるストーリーに変換することができる。ユーザーは、同様に、これらのコンテンツのプライバシー設定を修正でき、従って、ソーシャルネットワークサービス上で創成するあらゆるコンテンツのアクセス性を選択的に操作することができる。
【0047】
ユーザーが関心を持つコミュニティにオプトインしてから関連するコンテンツを消費するよう要求される従来のソーシャルネットワークサービスと異なり、各種の通信チャンネルと、プライバシー設定を用いるコンテンツアクセス性操作との組合せにより、ソーシャルネットワークサービスのユーザーは、公式に定義されたグループを探し出したり、オプトインしたりせずに、関連性の高いコンテンツを得ることができる。逆に、オブジェクト毎のプライバシーは、ソーシャルネットワークサービス内で、極めてフレキシブルなユーザー定義の交流者グループに対する共有コンテンツを狙いながら、コンテンツを通信チャンネルに投稿する際にユーザーに一層オープンになるよう仕向ける。
【0048】
更に、新しい通信チャンネルがソーシャルネットワークサービス上に実装されるにつれて、オブジェクト毎のプライバシーは、これらの通信チャンネルに投稿されるユーザー生成コンテンツのプライバシーを効率化、および確実にするのに役立つ。
まとめ
【0049】
説明を目的として、本発明の実施の形態についての上記説明を提示してきたが、網羅的であること、つまり開示される正確な形に本発明を制限する意図はない。関連技術に習熟する技術者には言うまでもなく、上記開示を踏まえれば多くの修正および改変が可能である。
【0050】
本記載の幾つかの部分は、情報に関する操作のアルゴリズム的表現および記号的表現の観点から本発明の実施の形態を説明している。これらのアルゴリズム的説明および表現は、データ処理技術の技術者により当該技術の他の技術者に彼らの業務内容を効率的に伝達するために共通して用いられている。これらの操作を機能的、計算機的、または論理的に説明したが、言うまでもなく、コンピュータープログラムまたは相当の電気回路、マイクロコード等で実装される。更に、これら操作の編成をモジュールと称することは、一般性を失うことなく、時に便利であることが証明されている。説明した操作およびそれらが関係するモジュールは、ソフトウエア、ファームウエア、ハードウエア、またはそれらの任意の組合せで具体化することができる。
【0051】
本明細書で説明したステップ、操作またはプロセスの何れも、1つ以上のハードウエアまたはソフトウエアのモジュール単独で、または他の装置と組み合せて実行または実装することができる。一実施の形態では、ソフトウエアモジュールは、コンピュータープログラムコードを含むコンピュータで読取り可能な媒体を含むコンピュータープログラム製品で実装され、説明したステップ、操作、またはプロセスの何れかまたは全てを実行するためのコンピュータープロセッサにより実行することができる。
【0052】
本発明の実施の形態は、本明細書の操作を実行するための装置にも関連する。この装置は、要求される目的のためだけに構築することができ、および/またはコンピュータ内に格納されるコンピュータープログラムで選択的に作動または再構成される汎用計算装置によって構成してもよい。このようなコンピュータープログラムは、コンピュータで読取り可能な有形格納媒体、または電子的命令を格納するのに適した任意の形式の媒体に格納でき、コンピューターシステムバスに接続することができる。更に、本明細書で参照されるどの計算システムも単一のプロセッサで構成することができ、または計算能力を高くするためにマルチプロセッサ設計を利用するアーキテクチャとしてもよい。
【0053】
最後に、本明細書で用いられている言語は基本的に可読性および説明のために選択されていて、本発明の主題を詳述したり制限するために選択したものではない。従って、意図していることは、本発明の範囲が詳細な本説明によっては制限されず、本発明に基づく応用に関して公表される何れかのクレームにより制限されるということである。従って、本発明の実施の形態の開示は、本発明の範囲の説明を意図するものであって制限を意図するものではなく、本発明の範囲は以下のクレームに記載されている。