(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1から
図9を参照して、骨接合板の組立品の第一実施形態につき説明する。特に
図1および
図2に示すように、骨接合板の組立品は、本実施形態において上側1a、下側1b、短辺側1c、および長辺側1dを有し、長手方向軸線Lに沿う略長方形の形状を有するプレート部材1を含む。複数の第一孔2は上側1aから下側1bまでプレート部材を貫通して延びる。またプレート部材には、例えば第一孔2同士の間に配置され、上側1aから下側1bまで延びる第二孔3が設けられてもよい。しかしながら、第一および第二孔の個数及び配置は、プレート部材1の寸法および形状に応じて変更可能である。プレート部材は、第二孔3を省略可能であり、第一孔2のみ有してもよい。
【0017】
骨接合板の組立品はさらに、第一孔2および/または第二孔3に挿通され、複数の骨接合ねじ4の形状にされた骨接合アンカーを備える。骨接合ねじ4は、先端および頭部42とともにねじ状シャンク41を有する。頭部42は球状の外表面を有し、シャンク41とは反対側にあるその自由端42bに、ねじ回しと係合するための凹部42aを有する。他にも、ピンのような上下方向に延びる骨接合アンカーや、とげを有する(barbed)くぎまたは粗面化されたくぎを用いてもよい。
【0018】
図1および
図2に示すように、ロック要素5は骨接合ねじ4を第一孔2に後述するようにロックするために設けられる。
【0019】
図3および
図4に示す第一孔2を参照して、第一孔2の構造を説明する。第一孔2は下側1bに開口20を有し、ねじ状シャンク41が通過できるように開口20の内径は骨接合ねじのねじ状シャンク41の外径よりも大きい。しかしながら、頭部42が通過できないように開口20の内径は頭部42の最大外径dよりも小さい。開口20に隣接して、頭部42の回転運動を可能にするためにソケット形状にされた空洞の座部21が設けられる。これにより所望の角度で骨接合ねじの挿入を許容する。図示の実施形態で、座部21は球状にされ、その半径は頭部42の球状部分の半径に適合する。頭部が座部に着座すると、頭部の球状部の一部が下側1bから外方へ突出する。座部21の高さhは頭部42の半径よりも小さく、好ましくはその半分よりも小さく、より好ましくは頭部42の半径の四分の一と同じあるいは小さい。座部21と上側1aとの間には、雌ねじ部23を伴った円筒形状のボア穴22が設けられる。
図3に示すように、本発明の一典型例として、この雌ねじは全ねじであって円筒形状のボア穴22の上端まで延びる。ボア穴22の内径は座部21の内径よりも大きく、頭部42の球状部分の外径よりも大きい。換言すると、ボア穴22の内径Dは、頭部42の外径dよりも大きい。これにより、たとえ大きな回転角度であっても、ねじ回しによる頭部42へのアクセスが可能となる。例えば、本発明の一典型例として、ボア穴22の内径Dが、頭部42の最大外径dよりもおよそ1.2から1.7倍大きい。しかしながら、この一典型例は図面のみに示すものであって、本発明の範囲を限定するものではない。雌ねじ部23はいずれのねじ形状であってもよく、例えばメートルねじである。孔におけるプレート部材1の厚みlは、下側1bから上側1aまでの距離を意味し、頭部42の最大外径dよりも小さいあるいは同じである。
【0020】
開口20は、骨接合ねじ4のより大きな回転角度を許容するため、円錐形状部24で下側1bに向かって広がる。
【0021】
図1、
図2、
図4〜
図7を参照してロック要素につき説明する。ロック要素5は略円筒形状であって、上側5aと、下側5bと、プレート部材のボア穴22の雌ねじ部23と協働する雄ねじが形成された外周部51とを有する。ロック要素の高さは、ロック要素5がボア穴22に螺合するときに上側5aがプレート部材の上側1aと略同一面になるように、ボア穴22の深さと略対応する。
【0022】
特に
図4に示すように、ロック要素は部分的にねじが設けられている。非ねじ部51aは、雄ねじ部51の軸線方向長さとおよそ同じあるいはそれより小さな軸線方向長さを有する。またロック要素は全体的にねじを設けられてもよい。
【0023】
ロック要素5の下側5bは、頭部42の球状部分に適合する好ましくは球状の凹部52を含む。凹部52の深さは、頭部42の球状部分の半径と同じあるいはそれよりも大きい。これにより、ロック要素5によって頭部42に加わる圧力が、頭部42に円滑に配分される。
【0024】
ロック要素5の上側5aには、リング形状の溝であって、外径領域に置かれる対応する工具との係合に適した形状にされる輪郭を伴う凹部53が設けられる。
図6に示すように、この実施形態における溝の輪郭は星状である。上側5aの中心領域は中実であり、換言すれば凹部を有しない。
【0025】
特に
図4に示すように、凹部53の深さbは上側5aから凹部52の最深部までの距離aよりも大きい。上側5aの外側領域に位置してねじ回しと係合する凹部53によって、
下側5bから延びる球状の凹部52が大きな深さを有することができ、その結果、ロック要素5と頭部42との接触領域を増やすことができる。他方で、骨接合ねじの広範囲の角度形成を許容するよう座部21を小さく維持することができる。
【0026】
さらに、上述したデザインによって、ロック要素の高さが減らされる。その結果、骨接合板の組立品の全体的な高さを小さく保持することができる。
【0027】
頭部の完全なロックあるいは摩擦ロッキングを達成するため、軸線方向長さが異なるロック要素や、深さが異なる球状の凹部を有する異なったロック要素を備えることができる。さらに異なるロック要素は、ねじの抜けのみを防止するロック要素とともに、ねじの自由な回転運動を許容する長さ、あるいは深さが異なる球状の凹部を有してよい。
【0028】
接合板の組立品の全体的な高さは、ねじ部に二条ねじを使用することによってさらに小型化可能である。
【0029】
孔2およびロック要素5のデザインは、上述した特定の実施形態に限定されない。例えば座部21は球形である必要がなく、テーパや、開口20の縁のみによって実現可能な形状といった他の形状であってもよい。座部21からボア穴22への遷移部分における孔の断面は、ねじ頭部の回転運動を提供するものに限定されず、他のものに置換可能である。ボア穴22は図示のように円筒形状である。しかしながら円錐形状のボア穴であってもよい。次にロック要素はかかるボア穴に適合するものである。骨接合ねじの角度位置をロックするために比較的に小さなクランプ力のみが必要であることから、ロック要素と孔との間で、例えばバヨネット式ロック結合といった他の種類の接続を用いてもよい。また縦方向における孔の配向は、表面に垂直であることを必要とせず、最初の角度形成を提供するために、プレート部材の表面に対して一般的な角度を有してもよい。
【0030】
図8および
図9のロック要素5は、
図4で示すロック要素5の場合よりも凹部53を外縁に近づける方法でを僅かに変更したものである。凹部52´は
図4のロック要素の凹部52よりも深く、上側5aの近傍に平坦部を有する。このデザインによって組立品の輪郭はさらに小型化可能である。
【0031】
凹部53は、ねじ回しといった工具のための駆動部分(drive portion)を形成する。それは図示した星状の輪郭に限定されず、例えば多角形や、波形や、花のような輪郭といった他の形状であってもよく、あるいは溝あるいは凹部のみを備えるような妨害物であってもよい。
【0032】
上述したデザインにより、少なくとも60°から70°までの動作範囲で大きな回転角度が達成可能である。
【0033】
次に、
図1、
図10、および
図11を参照して、第二孔3を説明する。第二孔3は長い側が長手方向軸Lを指向する実質的に長孔である。特に
図10に示すように、孔3は、頭部42の外周球状表面部に適合する空洞の球状断面形状を有する上側座部31を有する。さらに、長孔3の反対側短辺には下側1bに隣接して下側座部32が設けられる。下側座部32も球状であり頭部42の外周表面部の形状に適合する。上側座部31と下側座部32との間には、傾斜した球状溝33が長孔の長辺の内壁に沿って延び、そのサイズは頭部42が溝33に沿って案内されるように頭部42の外周表面部に適合する。
【0034】
骨接合板の組立品の要素は、例えばステンレス鋼や、チタンや、例えばニチノールのようなNi−Ti合金といった体に適合する合金のように、体に適合する金属、または例えば医療等級のPEEKやこれとの組み合わせといった体に適合するプラスチック素材のように、体に適合する素材で作られる。
【0035】
今から、第一実施形態に基づく骨接合板の組立品の使用につき説明する。第一に、骨部分または骨片の安定化に必要な骨接合ねじの本数を決定する。ここで、骨接合板に設けられたすべての孔を使用する必要はない。骨接合ねじのために使用されない孔は、後述するプラグ部材によって塞がれてもよい。必要な部材およびねじのタイプが決定されると、それらのねじは第一孔2および/または第二孔3に挿入される。骨折箇所に骨接合板を置いた後、ねじが所望の角度で骨部分に挿入される。骨接合ねじはかかる所望の角度で孔に挿入され、球状の座はねじの頭部がかかる角度で設置されることを許容する。骨接合ねじを全体的に挿入した後、第一孔2に挿入された各骨接合ねじの頭部は孔2の座部21に隣接する。この状態で少なくとも2本の骨接合ねじが挿入されると、骨接合ねじとプレート部材との角度はすでに固定される。骨接合ねじとプレートとの接続のさらなる安定化のため、頭部を選択された角度位置にロックするようボア穴に挿入および締め付けられるロック要素5を用いることができる。完全なロック、摩擦ロック、あるいは、上述したねじの抜け出しのみを防止してロック要素による自由な角度形成を提供するために、必要であれば、異なるねじに対して異なるロック要素を適用することができる。
【0036】
孔3は自己圧縮効果の提供のために用いられる。長孔3に挿入される骨接合ねじ4は、プレート部材に関して略垂直に指向する。ねじ頭部42は最初に上側座部31に着座し、下側座部32で静止するまで傾斜した溝33に沿って下方へ摺動する。好ましくは、第二孔は、下側座部32がプレート部材の中央側に来るよう配置される。ねじ頭部42がねじ山を有するシャンク41に固定されるように接続し、シャンク41は骨に螺合することから、頭部42の溝33に沿った動きは、プレートに対する骨部分あるいは骨片の動きを惹起し、この結果として骨部分同士およびプレート部材に対する骨部分の圧縮をもたらす。
【0037】
図12から
図14を参照して第二の実施形態について述べる。以前の実施形態との共通部分については同じ符号で表示し、その説明を繰り返さない。
図12に示すように、プレート部材1´は外形に密着した形状を有する。上面からみた外側の輪郭は、丸みを帯びた角を有するいささか台形状であって、その中間が幅広である。さらに骨との接触面積を減らすために球状に形成された凹部7が下側1bに設けられる。骨表面の損傷および血管の圧縮を防止するためプレート部材と骨表面の最小接触面積が必要となる場合がある。
【0038】
また凹部7を設けた結果、プレート部材の厚みは一部に置いて異なるものとなる。プレートは、その厚みがより薄い部分で曲げられることが可能となり、骨接合板の組立品は力学的圧縮板として用いられる。
【0039】
この実施形態において、短辺1cに2個の孔が設けられ、プレートの長手方向中央に3個の孔が設けられる。孔2は長手方向軸からオフセットしてもよい。個数は変更可能である。短辺1c近傍の複数の孔2および中央にある複数の孔2との間には自己圧縮のために孔3を設けてもよい。
【0040】
骨接合板の組立品によって固定化される小さな骨片の場合、骨接合ねじによってすべての孔が使用されなくてもよい。例えば
図12および
図13に示すように、プレート部材中央部の第一孔2はねじために使用されない。それらの孔は
図14に示すプラグ要素8によって塞がれる。プラグ要素8は上側8aおよび下側8bを有する略円筒状である。第一部81は、ボア穴22の雌ねじ部23と協働する雄ねじ部82を有する。上側表面8aがプレート部材1´の上側表面1aと略同一面となるよう第一部81はボア穴22に適合する。ロック要素5としてのプラグ部材の上側表面8aには、およそ星形の凹部53が設けられる。
【0041】
プラグ部材8は、円筒部81に隣接して、孔2の座部21に適合する球状の突起83を有し、これによりプラグ部材8の挿入後孔2は塞がれる。下側8bはプレート部材の下側1bと同一面であってよい。
【0042】
他の例として、上述したロック要素はプラグ部材として使用可能である。
【0043】
さらに他の実施形態として、骨接合板の組立品は、
図15a)、
図15b)に示すように変更されたロック要素を含む。ロック要素5´は、ねじ回しに供されるロック要素の上側5aの凹部53´´´の形状において前述の実施形態のロック要素と異なる。さらに同心状貫通孔54が設けられる。ロック要素における他のすべての特徴は、前述した実施形態のロック要素と同一あるいは同様の方法で表される。同心状貫通孔54は上側5aからロック要素を通って延び凹部52と接続する。同心状貫通孔の直径が構成される。これにより、貫通孔の直径をねじ頭部42の自由端42bの直径よりも大きくすることができる。この構成は、ねじ頭部42が少なくとも部分的に貫通孔54内へ延びることを可能にする。
図15b)に示すようにねじが角度を有する位置にされるときねじの頭部が部分的に同心状貫通孔の内部を延びることから、同心状貫通孔54はプレート部材およびロック要素の厚みをさらに減少することを許容する。
【0044】
この実施形態において、ロック要素5´を締め付けるのに用いられるねじ回しのための凹部は、ポケット53´´´を形成しロック要素の中心軸線周りに間隔を開いて周方向配置される複数の凹部からなる。
【0045】
ねじ頭部42が座部21で静止するときポケットがねじ頭部の自由端42bよりも下方へ延びるようにポケット53´´´の深さを構成する。換言すると、上側1aからポケット53´´´の最深部までの距離bは、前述の実施形態における上側1aから凹部52の最深部までよりも大きい。凹部53´´´がねじ頭部周辺の領域でロック要素の体内へ延びるため、ロック要素は小さな厚みを有する。これにより目立たない多軸ロック要素が設けられる。変更された実施形態において、凹部はロック要素を貫通してもよい。
【0046】
図16に示すさらなる変更例で、ロック要素5´´は上側5aに環状のリム55を有する。
【0047】
図17a)から
図17e)は、多軸骨接合ねじおよびロック要素とともに骨接合板の組立品の一部を模式的に示す断面図であり、ねじ回しのための凹部と骨接合ねじの頭部との寸法関係を表す。
図17a)に示すロック要素において、頭部のための凹部52は上側5aに接続して延び、これにより貫通孔54が形成される。ねじ頭部の最大直径dに対応する直径を有しねじ頭部周りに描かれる円の最高点は、第一レベルL1を規定する。ねじ頭部42の最大直径dは骨接合板の下側の開口20の上方に位置する。ねじ回しのための凹部53´´´の底部は第二レベルL2を規定する。
図17a)に示すように、第二レベルL2はL1の下方にある。この関係を伴って骨接合板の組立品は目立たなくされる。同時にねじの広範囲な角度形成が達成される。
【0048】
図17b)のロック要素は、
図16に表されるロック要素と似ており、上側に環状リム55を有する。またこの場合において、ねじ頭部の最大直径dの位置から突出する円の最高点はレベルL1を規定し、凹部53´´´の底部はL1の下方にレベルL2を規定する。
【0049】
図17c)は、レベルL1にあってねじ頭部42の最大直径dの位置から突出する円の最高点が、ねじ回しのための凹部53´´´の底部になるL2と同じレベルに位置するロック要素を示す。これによっても目立たなくすることができる。
【0050】
図17d)で、ロック要素の上側表面5aは閉じている。円の最高点は閉じた上側表面の上方に位置する。この場合においてもレベルL2はL1の下方にある。
【0051】
図17e)は、多軸骨接合ねじ4の頭部42と接触する円錐状の凹部52´を有するロック要素を示す。この場合においてもレベルL2はレベルL1と同じあるいはL1の下方にある。
【0052】
ねじ頭部42と凹部52との接触領域は球状表面に限定されず、線状接触であってもよいし、他の形状であってもよい。したがって、ねじ頭部のための凹部52は球状あるいは円錐状に限定されず、様々な形状が可能である。
【0053】
ねじ頭部は完全な球状である必要はない。球状の表面部分を有すれば十分である。座で回転可能である限り他の形状にされてもよい。
【0054】
図18から
図20はロック要素および骨接合板の組立品に使用される工具を示す。工具60は、ロック要素に係合するための係合部62を伴うねじ回し61と、ハンドル63とを含む。ねじ回し61の係合部62は、
図15および
図16のロック要素5´のポケット53´´´あるいは
図1から
図9のロック要素5の溝53のような係合構造に係合するよう構成される。ねじ回し61は係合部62を伴い管状のホルダ64に沿って延び、軸線方向に移動可能であり、その中で回転可能である。ホルダ64は、ハンドル63とは反対側の自由端から少し離れた位置に、ロック要素5が通過するよう構成された径方向スロット65を有する。さらに、カウンターホルダ64はその自由端に、ロック要素5の雄ねじ部51と協働する雌ねじ部66を有する。
【0055】
ロック要素の工具60への取付手順を
図21a)から
図21d)に模式的に示す。
図15および
図16のロック要素を代表的に示す。第一ステップで、ねじ回し61を引き込み、スロット65の位置でホルダ64を自由にする。次のステップで、
図21b)に示すように、スロット65を通じてホルダ64内にロック要素5´を導入する。ロック要素の下側5bは、頭部のための凹部52を有し、ホルダ64の雌ねじ部66と対面する。次に
図21c)に示すように、ねじ回し61がホルダ64を通過するように移動してポケット53´´´と係合し、ロック要素5´はホルダ64の雌ねじ部66に螺合される。次に
図21d)に示すように、ねじ回し61を引き込みロック要素を孔2内へ置くことができる。最終的に前述の
図20に示すように、ねじ回し61は再び前進して、ロック要素をさらに孔2に螺合させるためにロック要素のポケット53´´´と係合する。必要であれば、骨接合ねじの角度位置を固定するため、頭部を押圧するようにロック要素は締め付けられる。
【0056】
ロック要素は工具に安全に取り付けられてホルダ内に保持される。さらにロック要素は孔に安全に置かれて挿入される。
【0057】
ロック要素を再び参照すると、ロック要素は略円筒形状であって、骨接合アンカーの頭部(42)と対面する下側(5b)と、下側(5b)と反対になる上側(5a)と、雄ねじが形成された表面部とを有し、多軸の骨接合アンカーとともに使用されるよう構成される。ロック要素は少なくとも頭部(42)の一部を受け入れるための第一凹部(52,52´)を下側に有し、ねじ回しと係合するための第二凹部(53,53´,53´´´)を上側(5a)に有し、第二凹部は上側(5a)の中心の外側に位置する。頭部(42)は、最大直径(d)を伴う部分を有し、最大直径が頭部周りに描く円の最高点は第一レベルL1を規定し、第二凹部(53,53´,53´´´)の底部は第二レベルL2を規定し、L2はL1よりも高くないレベルである。
【0058】
ロック要素は同心状の貫通孔(54)を含んでよい。頭部に接触する第一凹部(52)の接触領域は円錐形状接触、線状接触、および/または球状接触であってよい。第二凹部(53,53´´,53´´)は実質的に上側(5a)の径方向外側領域に位置してよい。第二凹部(53,53´)はねじ回しとの係合に適合する形状を構成する輪郭を伴うリング形状の溝を含んでよい。輪郭は星状の輪郭、多角形の輪郭、および花のような輪郭からなる少なくとも1つのグループから選択された形状であってもよい。第二凹部は複数のポケット(53´´´)を含んでよい。ポケットはロック要素を貫通して下側(5b)に延びるよう構成されてよい。上側(5a)から測定される第一凹部(52)の最深部の距離(a)は、上側(1a)から測定される第二凹部(53,53´,53´´)の深さ(b)よりも小さい。またロック要素は雄ねじを伴う部分(51)を含んでよい。ロック要素(5)は全体的にねじが形成されて、ロック要素(5)はロック要素(5)全体に亘る雄ねじを伴う部分を含んでよく、および/またはロック要素(5)は、下側(5b)に隣接する非ねじ状部(51a)を有し、ロック要素(5)全体に亘らない雄ねじを伴う部分を含んでもよい。非ねじ状部(51a)の軸線方向長さは雄ねじ部(51)のうちのねじ状部分の軸線方向長さと略同じあるいはそれよりも小さい。
【0059】
骨接合板の組立品を再び参照して、組立品は上側(1a)および下側(1b)を有する長尺なプレート部材(1,1´)と、上側から下側まで延びる少なくとも2個の孔(2,2,3)と、少なくとも2本の骨接合アンカー(4)とを含んでよく、各骨接合アンカーはアンカーを骨に貫入させるよう構成されたシャンク(41)と、最大直径(d)を伴う部分を有する頭部を含み、シャンクは孔を通って延びることができる。少なくとも1個の孔(2)は、下側(1b)で頭部(42)を回転可能に受け入れるのに適した座部(21)を規定するよう構成されるとよく、少なくとも1個の孔(2)は、軸線を伴ったボア穴(22)を上側(1a)に含み、その内径(D)は少なくとも頭部(42)の最大直径(d)と同じである。ロック要素(5,5´,5´´,5´´´)は、ボア穴の軸線と同心の中心軸線と、頭部と対面する下側(5b)と、頭部と反対側を向く上側(5a)とを有し、ボア穴(22)に挿入されるよう構成されるとよい。ロック要素は、下側で少なくとも頭部の一部を覆うための第一凹部(52,52´)と、上側(5a)でねじ回しと係合するための第二凹部(53,53´,53´´´)を有してよく、第二凹部は上側(5a)の中心の外側に位置する。頭部周りに描かれる最大直径(d)の円の最高点は第一レベルL1を規定してよく、第二凹部(53,53´,53´´´)の底部はL1よりも高くない第二レベルL2を規定してよい。
【0060】
骨接合板の組立品は複数のロック要素を含んでよく、これらのロック要素は頭部の回転運動を許容する一方で、頭部をロックし、および/または骨接合アンカー要素および/または骨接合板の組立品が緩くなることを妨げるよう構成されるとよい。
【0061】
骨接合板の組立品を再び参照して、組立品は上側(1a)および下側(1b)を有する長尺なプレート部材(1,1´)と、上側から下側まで延びる少なくとも2個の孔(2,2,3)と、少なくとも2本の骨接合アンカー(4)とを含んでよく、各骨接合アンカーはアンカーを骨に貫入させるよう構成されたシャンク(41)と、上側(42a)および最大外側直径(d)を伴う部分を有する頭部(42)とを含んでよく、シャンクは孔を通って延びることができる。少なくとも1個の孔(2)は、下側(1b)で頭部(42)を回転可能に受け入れるのに適した座部(21)を規定するよう構成されるとよく、少なくとも1個の孔(2)は、上側(1a)に軸線を伴ったボア穴(22)を含み、その内径(D)は少なくとも頭部(42)の最大直径(d)と同じである。例えば骨接合アンカーが骨接合板の組立品に挿入されるとき、頭部は回転可能に受け入れられると当業者によって理解されるべきである。しかしながら、例えば骨接合アンカーを骨に挿入する際、回転が規制されてもよい。ロック要素(5,5´)は、ボア穴に挿入され、ボア穴の軸線と同心になる中心軸線を有し、下側(5b)は頭部と対面し、上側(5a)は頭部と反対側を向くよう構成され、上側(5a)の凹部(53,53´,53´´´)がねじ回しと係合するよう構成され、凹部は上側(5a)の中心の外側に位置し、ねじ頭部(42)が座部(21)に位置するとき凹部はねじ頭部(42)の上端(42a)よりも下方まで延びる深さを有する。
【0062】
ボア穴は雌ねじを伴う部分(23)を有してよく、ロック要素(5)はボア穴の雌ねじと協働するようにされた雄ねじを伴う部分(51)を有してよい。雌ねじおよび雄ねじの少なくとも一方は二条ねじを含んでもよい。さらに、他のロック要素が骨接合板の組立品に含まれてもよく、ロック要素および他のロック要素は異なる軸線方向長さを有してもよい。第一凹部(52)は球形であって下側(5b)からの深さが頭部の直径(d)の半分と略同じあるいはそれよりもわずかに大きいものであってもよい。また骨接合板の組立品は、骨接合アンカーを使用しない場合に孔を塞ぐためのプラグ要素(8)を含んでもよい。
【0063】
ここで述べた骨接合板の組立品に使用される工具を参照すると、工具は、ロック要素に係合するよう構成される係合部(62)を伴うねじ回し(61)と、管状のホルダ(64)とを含んでよい。ねじ回しは係合部(62)を伴い管状のホルダ(64)を通って延びるよう構成されてよく、ホルダ内を軸線方向に移動可能および回転可能であってよい。ホルダはロック要素の挿入に適した径方向スロット(65)を有してよい。ホルダはロック要素の雄ねじ(51)と協働する雌ねじ(66)を有する部分を含んでよい。
【0064】
プレート部材の形状は、図示された実施形態に限定されない。他の形状も考えられる。骨接合アンカーはねじ状のシャンクを有する骨接合ねじに限定されない。円滑なものや、とげを有する(barbed)あるいは粗面にされた(roughened)ピンも考えられる。さらに既知の骨接合ねじを使用してもよい。加えて、他の骨接合アンカーを使用してもよい。