特許第5760022号(P5760022)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5760022商品情報表示装置及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5760022
(24)【登録日】2015年6月12日
(45)【発行日】2015年8月5日
(54)【発明の名称】商品情報表示装置及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/01 20060101AFI20150716BHJP
   G07G 1/06 20060101ALI20150716BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20150716BHJP
   G07G 1/00 20060101ALI20150716BHJP
【FI】
   G07G1/01 301C
   G07G1/06 B
   G07G1/12 351C
   G07G1/00 311E
   G07G1/00 311Z
【請求項の数】6
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2013-39813(P2013-39813)
(22)【出願日】2013年2月28日
(65)【公開番号】特開2014-167749(P2014-167749A)
(43)【公開日】2014年9月11日
【審査請求日】2014年9月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100088683
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100172580
【弁理士】
【氏名又は名称】赤穂 隆雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100124394
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 立志
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志
(74)【代理人】
【識別番号】100111073
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 美保子
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 茂晃
【審査官】 宮下 浩次
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−264918(JP,A)
【文献】 特開2009−031919(JP,A)
【文献】 特開2012−069092(JP,A)
【文献】 特開2010−198137(JP,A)
【文献】 特開2005−339353(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00 − 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラが撮像した画像データに含まれるコードシンボルを読み取る第1の方法で認識された商品に関する商品情報、及び、前記カメラが撮像した画像データに含まれる商品の外観の特徴に基づいて当該商品を認識する第2の方法で認識された商品に関する商品情報を取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した商品情報を、前記第1の方法にて認識された商品の商品情報と前記第2の方法にて認識された商品の商品情報との間で表示形態を異ならせて店員用ディスプレイに表示する表示制御手段と、
を備えることを特徴とする商品情報表示装置。
【請求項2】
カメラが撮像した画像データに含まれるコードシンボルを読み取る第1の方法で認識された商品に関する商品情報、前記カメラが撮像した画像データに含まれる商品の外観の特徴に基づき当該商品を特定の1種の商品として認識する第の方法で認識された商品に関する商品情報、及び、前記カメラが撮像した画像データに含まれる商品の外観の特徴に基づいて当該商品の1又は複数種の候補を選定し、この候補の中から店員が指定した1種を当該商品として認識する第の方法で認識された商品に関する商品情報を取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した商品情報を、前記第1の方法にて認識された商品の商品情報と前記第2の方法にて認識された商品の商品情報と、前記第3の方法にて認識された商品の商品情報との間で表示形態を異ならせて店員用ディスプレイに表示する表示制御手段と、
を備えることを特徴とする商品情報表示装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、異なる方法で認識された商品の商品情報の色、文字サイズ、或いはフォントを異ならせること、又は、異なる方法で認識された商品の商品情報に異なる修飾を付すことにより前記表示形態を異ならせる、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の商品情報表示装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、複数の方法にて認識された同一商品について、それぞれの方法にて認識された当該商品の数を別個に前記店員用ディスプレイに表示する、
ことを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか1に記載の商品情報表示装置。
【請求項5】
1商取引において前記取得手段が取得した商品情報に係る商品の代金を決済する決済手段と、
前記決済手段が代金を決済した前記商品の商品情報を、当該商品情報が前記取得手段により取得された方法に応じて印刷形態を異ならせて配置したレシートをプリンタに印刷させる印刷制御手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか1に記載の商品情報表示装置。
【請求項6】
コンピュータを、
カメラが撮像した画像データに含まれるコードシンボルを読み取る第1の方法で認識された商品に関する商品情報、及び、前記カメラが撮像した画像データに含まれる商品の外観の特徴に基づいて当該商品を認識する第2の方法で認識された商品に関する商品情報を取得する取得手段、および、
前記取得手段が取得した商品情報を、前記第1の方法にて認識された商品の商品情報と前記第2の方法にて認識された商品の商品情報との間で表示形態を異ならせて店員用ディスプレイに表示する表示制御手段、
として機能させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、商品情報表示装置及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、POS(Point Of Sales)端末などの決済装置は、スキャナ装置によりバーコードを読み取ることで入力された識別子に対応する商品を客が購入する商品として登録している。決済装置やスキャナ装置は、登録された商品の名称や価格などの商品情報をディスプレイに一覧表示する。
【0003】
近年においては、バーコードを読み取る機能に加え、カメラにより商品を撮像して得た画像データに含まれる当該商品の外観の特徴に基づき当該商品を認識するオブジェクト認識機能を備えた決済装置やスキャナ装置もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−34841号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
既存の決済装置やスキャナ装置は、バーコードの読み取りとオブジェクト認識のような複数の方法で商品の登録が可能な場合であっても、いずれの方法で商品が登録されたかを区別することなく商品情報をディスプレイに表示している。したがって、店員や客は、登録済みの商品が如何なる方法で登録されたのかを知る術がない。
【0006】
そこで、店員や客が登録済みの商品が如何なる方法で登録されたのかを把握できるようにすることが望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態に係る商品情報表示装置は、取得手段と、表示制御手段とを備える。上記取得手段は、カメラが撮像した画像データに含まれるコードシンボルを読み取る第1の方法で認識された商品に関する商品情報、及び、上記のカメラが撮像した画像データに含まれる商品の外観の特徴に基づいて当該商品を認識する第2の方法で認識された商品に関する商品情報を取得する。上記表示制御手段は、上記取得手段が取得した商品情報を、上記第1の方法にて認識された商品の商品情報と上記第2の方法にて認識された商品の商品情報との間で表示形態を異ならせて店員用ディスプレイに表示する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態に係るPOSシステムの構成を示すブロック図。
図2】辞書ファイルのデータ構造の一例を示す模式図。
図3】候補バッファのデータ構造の一例を示す模式図。
図4】登録バッファのデータ構造の一例を示す模式図。
図5】スキャナ装置及びPOS端末のCPUが実現する機能のブロック図。
図6】スキャナ装置の主な動作を示すフローチャート。
図7】商品認識処理におけるスキャナ装置の動作を示すフローチャート。
図8】商品確定処理におけるスキャナ装置の動作を示すフローチャート。
図9】第1の登録画面の一例を示す模式図。
図10】第2の登録画面の一例を示す模式図。
図11】表示更新処理におけるスキャナ装置の動作を示すフローチャート。
図12】POS端末の主な動作を示すフローチャート。
図13】POS端末が印刷するレシートの一例を示す模式図。
図14】第1の登録画面の変形例を示す模式図。
図15】クラウドを利用したPOSシステムの構成例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
一実施形態について図面を参照しながら説明する。
本実施形態においては、小売店にて使用されるPOSシステムを開示する。
【0010】
[システム構成]
図1は、本実施形態に係るPOSシステムの構成を示すブロック図である。
POSシステムは、スキャナ装置1及びPOS端末2を含む。スキャナ装置1及びPOS端末2は、いずれも商品情報表示装置の一形態である。
【0011】
スキャナ装置1は、いわゆる載置式スキャナであり、例えば会計場のレジカウンタ上に配置される。スキャナ装置1は、客が購入する商品のJANコードなどの商品コードを入力するための装置である。POS端末2は、上記レジカウンタの近傍に配置される。POS端末2は、スキャナ装置1にて入力された商品コードに基づき、客が購入する商品の代金を決済するための装置である。
【0012】
スキャナ装置1は、CPU(Central Processing Unit)10、ROM(Read Only Memory)11、RAM(Random Access Memory)12、接続I/F(Interface)13、画像I/F14、デバイスI/F15、バスライン16、カメラ100、キーボード101、店員用ディスプレイ102、及び客用ディスプレイ103を備える。
【0013】
バスライン16は、CPU10、ROM11、RAM12、接続I/F13、画像I/F14、及びデバイスI/F15を接続する。画像I/F14は、カメラ100を接続する。デバイスI/F15は、キーボード101、店員用ディスプレイ102、及び客用ディスプレイ103を接続する。
【0014】
CPU10は、スキャナ装置1の主制御手段である。ROM11は、後述の図6図7図8及び図11のフローチャートに示す動作を実現させるためのコンピュータプログラムなどを記憶する。RAM12は、各種のワークメモリエリアを形成する。接続I/F13は、有線或いは無線にて、スキャナ装置1とPOS端末2を通信可能に接続する。
【0015】
カメラ100は、エリアイメージセンサであるCCD(Charge Coupled Device)撮像素子及びその駆動回路と、撮像領域の画像をCCD撮像素子に結像させるためのレンズとを備える。撮像領域とは、スキャナ装置1の筐体に設けられた読取窓からレンズを通してCCD撮像素子のエリアに結像する周辺領域を指す。カメラ100は、レンズを通ってCCD撮像素子に結像した撮像領域の画像データを出力する。画像I/F14は、カメラ100が出力する画像データを取り込む。
【0016】
キーボード101は、テンキーや小計キーなどの各種操作キーを備える。店員用ディスプレイ102は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)パネルである表示パネルと、表示パネルの表示面に対する操作を検出するタッチパネルとを備える。店員用ディスプレイ102は、店員の立ち位置側に表示面を向けてスキャナ装置1の筐体に設けられる。客用ディスプレイ103は、例えばLCDパネルである表示パネルを備える。客用ディスプレイ103は、客の立ち位置側、すなわちレジカウンタを挟んで店員の立ち位置側と反対側の方向に表示面を向けてスキャナ装置1の筐体に設けられる。
【0017】
POS端末2は、CPU20、ROM21、RAM22、通信I/F23、補助記憶装置24、接続I/F25、デバイスI/F26、バスライン27、キーボード200、店員用ディスプレイ201、客用ディスプレイ202、及びプリンタ203を備える。
【0018】
バスライン27は、CPU20、ROM21、RAM22、通信I/F23、補助記憶装置24、接続I/F25、及びデバイスI/F26を接続する。デバイスI/F26は、キーボード200、店員用ディスプレイ201、客用ディスプレイ202、及びプリンタ203を接続する。
【0019】
CPU20は、POS端末2の主制御手段である。ROM21は、後述の図12のフローチャートに示す動作を実現するためのコンピュータプログラムなどを記憶する。RAM22は、各種のワークメモリエリアを形成する。通信I/F23は、有線或いは無線にて、POS端末2とストアコンピュータ3とを通信可能に接続する。ストアコンピュータ3は、店舗の売上、在庫、及び発注などに関するデータを管理する。補助記憶装置24は、例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Device)などの大容量記憶装置である。接続I/F25は、有線或いは無線にて、POS端末2とスキャナ装置1を通信可能に接続する。
【0020】
キーボード200は、テンキー、預り/現計キー、及び信計キーなどの各種操作キーを備える。店員用ディスプレイ201は、例えばLCDパネルである表示パネルと、表示パネルの表示面に対する操作を検出するタッチパネルとを備える。店員用ディスプレイ201は、店員の立ち位置側に表示面を向けてPOS端末2の筐体に設けられる。客用ディスプレイ202は、例えばLCDパネルである表示パネルを備える。客用ディスプレイ202は、客の立ち位置側、すなわちレジカウンタを挟んで店員の立ち位置側と反対側の方向に表示面を向けてPOS端末2の筐体に設けられる。プリンタ203は、例えばレシート及びジャーナルを感熱紙に印刷するサーマルプリンタである。
【0021】
補助記憶装置24は、PLU(Price Look Up)ファイル300及び辞書ファイル301(図2参照)などを記憶する。PLUファイル300は、店舗で販売される商品の商品コードごとに、商品の名称や単価などを含む商品情報を関連付けたファイルである。POS端末2は、PLUファイル300や辞書ファイル301を、例えばこれらのファイルが更新されたときなどのタイミングでストアコンピュータ3からダウンロードし、補助記憶装置24に書き込む。
【0022】
本実施形態のスキャナ装置1は、一般物体認識(generic object recognition)の技術を応用して、カメラ100にて生成された画像データに含まれる商品の外観の特徴から当該商品の種別を認識するオブジェクト認識機能を備える。具体的には、スキャナ装置1は、画像データに含まれる商品の外観特徴量を演算し、辞書ファイル301に登録された基準画像の特徴量データと照合して類似度を算出し、この類似度に基づいて当該商品の種別を認識する。
【0023】
スキャナ装置1のオブジェクト認識機能は、自動確定機能と、選択確定機能とを含む。自動確定機能は、画像データに含まれる商品の外観の特徴から当該商品の種別を自動的に(人の操作を介さずに)確定する機能である。選択確定機能は、画像データに含まれる商品の外観の特徴から当該商品の種別の候補を選定し、この候補の中から人の操作によって指定された商品を当該画像データに含まれる商品の種別として確定する機能である。
【0024】
なお、スキャナ装置1は、カメラ100にて生成された画像データに含まれるシンボルコード、例えばバーコードをデコードして商品の種別を認識するシンボルコード読取機能も備える。
【0025】
図2は、辞書ファイル301のデータ構造を示す模式図である。辞書ファイル301は、オブジェクト認識機能の認識対象とする商品の商品コードごとに設けられたレコードを備える。1つのレコードは、商品コード、この商品コードに対応する商品の商品名、複数の基準画像データ0〜N、及び複数の特徴量データ0〜Nを含む。基準画像データ0〜Nは、対応する商品コードで識別される商品を様々な方向から撮影した画像のデータである。特徴量データ0〜Nは、対応する商品の基準画像データ0〜Nからその商品の外観(輪郭、色合い、模様、凹凸具合等)に関する特徴量を抽出し、この特徴量をパラメータ化したデータである。オブジェクト認識機能による認識対象とする商品は、例えばバーコードが付されていない商品である。ただし、バーコードが付された商品を認識対象に加えてもよい。
【0026】
スキャナ装置1は、接続I/F13,25を介してPOS端末2と通信することにより、PLUファイル300や辞書ファイル301にアクセス可能である。
【0027】
POSシステムが商品の会計に係る処理を行うとき、スキャナ装置1のCPU10は、図3に示すデータ構造の候補バッファ302と、図4に示すデータ構造の登録バッファ303とをRAM12に形成する。
【0028】
候補バッファ302は、オブジェクト認識機能により認識される商品の候補を登録するためのメモリエリアである。候補バッファ302は、順位(図3においては1位〜5位)が割り当てられたレコードを含む。各レコードは、順位、対応する候補の商品コード、商品名、基準画像データ、及び類似度を書き込むためのエリアを含む。
【0029】
登録バッファ303は、コードシンボル読取機能或いはオブジェクト認識機能により認識された各商品に関する情報を登録するためのメモリエリアである。登録バッファ303は、コードシンボル読取機能或いはオブジェクト認識機能により認識された各商品に対応するレコードを含む。各レコードは、対応する商品の商品コード、識別子、商品名、単価、及び購入数量などを書き込むためのエリアを含む。識別子は、対応する商品がコードシンボル読取機能、自動確定機能、或いは選択確定機能のいずれで認識された商品であるかを示す。本実施形態では、コードシンボル読取機能に対する識別子を“F0”、自動確定機能に対する識別子を“F1”、選択確定機能に対する識別子を“F2”とする。なお、図4においては既に商品が登録されてデータが書き込まれた状態の登録バッファ303を示しているが、1人の客に対する会計の開始当初においてはこれらのデータは書き込まれていない。
【0030】
スキャナ装置1のCPU10及びPOS端末2のCPU20が実現する機能につき、図5のブロック図を参照して説明する。
【0031】
CPU10は、ROM11が記憶するコンピュータプログラムを実行することにより、第1の認識部110、第2の認識部111、第3の認識部112、取得部113、及び表示制御部114として機能する。
【0032】
第1の認識部110は、コードシンボル読取機能に係る処理を実行する。すなわち、第1の認識部110は、カメラ100が生成する画像データに含まれる商品に付されたバーコードをデコードして当該バーコードが示す商品コードを得ることにより、当該商品の種別を認識する。
【0033】
第2の認識部111及び第3の認識部112は、オブジェクト認識機能に係る処理を実行する。すなわち、第2の認識部111及び第3の認識部112は、カメラ100が生成する画像データに含まれる商品の外観の特徴に基づき当該商品の種別を認識する。特に、第2の認識部111は、自動確定機能に係る処理を実行する。また、第3の認識部112は、選択確定機能に係る処理を実行する。
【0034】
取得部113は、第1〜第3の認識部110〜112で認識された商品に関する商品情報を取得する。特に本実施形態において、取得部113は、第1〜第3の認識部110〜112で認識された商品の商品コードをPOS端末2に送信し、POS端末2から当該商品コードに対応する商品情報を受信することにより、商品情報を取得する。
【0035】
表示制御部114は、取得部113が取得した商品情報を、第1の方法にて認識された商品の商品情報と第2の方法にて認識された商品の商品情報との間で表示形態を異ならせて店員用ディスプレイ102に表示する。第1の方法は例えばコードシンボル認識機能による商品の認識であり、第2の方法は例えばオブジェクト認識機能による商品の認識である。また他の観点によれば、第1の方法は例えば自動確定機能による商品の認識であり、第2の方法は例えば選択確定機能による商品の認識である。
【0036】
CPU20は、ROM21が記憶するコンピュータプログラムを実行することにより、取得部210、表示制御部211、決済部212、及び印刷制御部213として機能する。
【0037】
取得部210は、第1〜第3の認識部110〜112で認識された商品に関する商品情報を取得する。特に本実施形態において、取得部210は、第1〜第3の認識部110〜112で認識された商品の商品情報が書き込まれた登録バッファ303をスキャナ装置1から受信することにより、商品情報を取得する。
【0038】
表示制御部211は、取得部210が取得した商品情報を、第1の方法にて認識された商品の商品情報と第2の方法にて認識された商品の商品情報との間で表示形態を異ならせて店員用ディスプレイ201に表示する。
【0039】
決済部212は、1商取引において取得部210が取得した商品情報に係る商品の代金を決済する。決済は、現金、クレジットカード、或いは電子マネーなどの如何なるメディアを介して行われてもよい。
【0040】
印刷制御部213は、決済部212が代金を決済した商取引に係る商品の商品情報などが配置されたレシート及びジャーナルをプリンタ203に印刷させる。特に本実施形態において、印刷制御部213は、第1の方法にて認識された商品の商品情報と第2の方法にて認識された商品の商品情報との間で印刷形態を異ならせて商品情報を配置したレシート及びジャーナルを、プリンタに印刷させる。
【0041】
各部110〜114としてのCPU10の動作、及び各部210〜213としてのCPU20の動作は、以降の詳細な説明においてより明らかとなる。
【0042】
[スキャナ装置の動作]
当該POSシステムの稼働状態において、スキャナ装置1のCPU10は、図6のフローチャートに沿って動作する。
【0043】
当該フローチャートにおいて、先ずCPU10は、初期化処理を実行する(ステップS101)。この処理において、CPU10は、RAM12に候補バッファ302、登録バッファ303、及びフラグGを形成する。ここで生成された候補バッファ302及び登録バッファ303には何もデータが書き込まれていない。フラグGの値は、“0”である。
【0044】
ステップS101の後、CPU10は、ROM11が記憶するモード情報を参照し、店員用ディスプレイ102の表示モードが個別モード或いは非個別モードのいずれであるかを判定する(ステップS102)。個別モードは、登録バッファ303の各レコードに対応する情報を、商品がシンボルコード読取機能、自動確定機能、及び選択確定機能のいずれで登録されたかを区別可能な態様にて表示するためのモードである。非個別モードは、登録バッファ303の各レコードに対応する情報を、商品がシンボルコード読取機能、自動確定機能、及び選択確定機能のいずれで登録されたかを特に区別することなく表示するためのモードである。ROM11が記憶するモード情報は、個別モードと非個別モードのいずれか一方を表す。モード情報は、例えばスキャナ装置1のキーボード101の操作などにより、個別モードと非個別モードの間でユーザが任意に切り替えることができる。
【0045】
表示モードが個別モードに設定されている場合(ステップS102の“個別”)、CPU10は、第1の登録画面(図9参照)を店員用ディスプレイ102に表示させる(ステップS103)。一方、表示モードが非個別モードに設定されている場合(ステップS102の“非個別”)、CPU10は、第2の登録画面(図10参照)を店員用ディスプレイ102に表示させる(ステップS104)。
【0046】
ステップS103或いはステップS104の後、CPU10は、カメラ100が生成する画像データを画像I/F14を介して取り込み、RAM12に書き込む(ステップS105)。
【0047】
ステップS105の後、CPU10は、RAM12に書き込んだ画像データを解析することにより、この画像データから商品画像を検出する(ステップS106)。具体的には、CPU10は、画像データを二値化した画像から輪郭線などを検出する。そしてCPU10は、画像データに映し出されている物体の輪郭抽出を試みる。物体の輪郭が抽出できた場合、CPU10は、その輪郭内を商品画像とみなす。
【0048】
CPU10は、画像データから商品画像が検出できたか否かを判定する(ステップS107)。商品画像を検出できていないと判定した場合(ステップS107のNo)、CPU10は、フラグGの値が“1”であるか否かを判定する(ステップS108)。当該フローチャートに示す動作を開始した当初においては、フラグGの値は“0”である。この場合、CPU10は、フラグGが“1”でないと判定し(ステップS108のNo)、小計指示が入力されているか否かを判定する(ステップS109)。小計指示は、例えばキーボード101に設けられた小計キーをユーザが操作することで入力される。小計指示が入力されていないと判定した場合(ステップS109のNo)、CPU10の動作はステップ105に戻る。なお、当該フローチャートには示していないが、登録バッファ303に何らデータが書き込まれていない状態で小計指示が入力された場合、CPU10は、当該指示をエラーとして扱う。この場合も、CPU10の動作はステップS105に戻る。
【0049】
このように、CPU10は、カメラ100が生成する画像データから商品画像を検出できるまでステップS105〜S109を繰り返す。やがて店員が、客がレジに運んだ商品をカメラ100の撮像領域に翳すと、画像データに商品が映り込む。この場合、CPU10は、ステップS106において商品画像を検出することになる。
【0050】
商品画像が検出できたならば(ステップS107のYes)、CPU10は、この商品画像を解析することにより、商品に付されたバーコードの読み取りを試行する(ステップS110)。具体的には、CPU10は、商品画像からバーコードのバーパターンの検出を試みる。バーパターンを検出できた場合、CPU10は、当該バーパターンのデコードを試みる。バーコードの読み取りは、デコードにより商品コードが得られた場合に成功となる。一方、バーコードの読み取りは、画像データにバーパターンが含まれない場合や、含まれるがデコードできない場合に失敗となる。このように、バーコードを読み取って商品コードを取得することにより商品の種別を認識する処理は、第1の認識部110としての機能に相当する。
【0051】
ステップS110の後、CPU10は、バーコード読み取りの成否を判定する(ステップS111)。バーコードの読み取りが成功したと判定した場合(ステップS111のYes)、CPU10は、当該読み取りにより得られた商品コードと識別子“F0”とをPOS端末2に送信(出力)する(ステップS112)。その後、CPU10の動作は、ステップS113〜S116を経てステップS105に戻る。ステップS113〜S116については、後に説明する。
【0052】
一方、バーコードの読み取りに失敗したと判定した場合(ステップS111のNo)、CPU10は、商品認識処理を実行する(ステップS117)。商品認識処理において、CPU10は、図7のフローチャートに沿って動作する。
【0053】
当該フローチャートにおいて、先ずCPU10は、候補バッファ302をクリアする(ステップS201)。続いて、CPU10は、ステップS106にて検出した商品画像から商品の外観特徴量データを演算する(ステップS202)。外観特徴量データは、商品画像から商品の外観(輪郭、色合い、模様、凹凸具合等)に関する特徴量を抽出し、この特徴量をパラメータ化したデータである。
【0054】
外観特徴量データを演算した後、CPU10は、辞書ファイル301から1商品のレコードを取得する(ステップS203)。具体的には、CPU10は、POS端末2と通信することにより、補助記憶装置24が記憶する辞書ファイル301から1商品のレコード(商品コード,商品名,基準画像データ0〜N,特徴量データ0〜N)を読み込む。ただし、1商品分のレコードの取得方法はこれに限られない。その他、例えばスキャナ装置1が備えるROM11などのメモリに辞書ファイル301を記憶させておき、CPU10がこの辞書ファイル301から1商品分のレコードを読み込むようにしてもよい。
【0055】
1商品分のレコードを取得した後、CPU10は、当該レコードの特徴量データ0〜Nごとに類似度を算出する(ステップS204)。類似度は、特徴量データ0〜NがステップS202にて算出した外観特徴量データとどの程度類似しているかを示す値である。さらに、ステップS204において、CPU10は、特徴量データ0〜Nごとに算出した類似度の最大値を、当該レコードの商品コードで示される商品と、カメラ100で撮像された商品との類似度として決定する。
【0056】
類似度を決定した後、CPU10は、当該類似度が予め定められた閾値Lmin以上であるか否かを判定する(ステップS205)。閾値Lminは、ステップS203で取得したレコードの商品コードに対応する商品を、カメラ100で撮像された商品の候補として残す類似度の下限値である。類似度が閾値Lmin以上である場合(ステップS205のYes)、CPU10は、ステップS203で取得したレコードの商品コード、商品名、基準画像データ、及び当該類似度を、候補バッファ302に書き込む。候補バッファ302に書き込む基準画像データは、例えばステップS204にて算出した類似度のうち、最も大きい類似度に関する特徴量データに対応する基準画像データである。
【0057】
ステップS206の後、CPU10は、辞書ファイル301に未取得のレコードが存在するか否かを判定する(ステップS207)。未取得のレコードが存在すると判定した場合(ステップS207のYes)、CPU10の動作はステップS203に戻る。すなわち、CPU10は、辞書ファイル301から未取得のレコードを1つ取得し、取得したレコードを対象としてステップS204〜S206の動作を繰り返す。なお、ステップS204にて決定した類似度が閾値Lmin未満であると判定した場合(ステップS205のNo)、CPU10の動作はステップS206を経ずにステップS207に進む。
【0058】
このように、ステップS203〜S207が繰り返される過程で、カメラ100により撮像された商品の候補に関するデータが候補バッファ302に書き込まれていく。候補バッファ302にデータを書き込むに当たり、CPU10は、類似度の高いデータほど順位の若いレコードに配置されるように候補バッファ302をソートする。ステップS204にて順次算出される類似度がいずれも低い場合には、候補バッファ302に全くデータが書き込まれないこともある。やがて、辞書ファイル301に未取得のレコードが存在しなくなると(ステップS207のNo)、CPU10は、図7のフローチャートに示す動作を終了する。
【0059】
図6のフローチャートの説明に戻る。商品認識処理の後、CPU10は、フラグGを“1”にセットする(ステップS118)。その後、CPU10の動作はステップS105に戻る。
【0060】
カメラ100が生成する画像データに商品が映り込み、かつバーコードの読み取りが成功しない間、CPU10は、ステップS105〜S107,S110,S111,S117,S118を繰り返す。やがて店員が商品をカメラ100の撮像領域から外したとき、CPU10は、商品画像を検出できなくなる(ステップS107のNo)。この場合、CPU10は、フラグGの値が“1”であると判定し(ステップS108のYes)、商品確定処理を実行する(ステップS119)。商品確定処理において、CPU10は、図8のフローチャートに沿って動作する。
【0061】
当該フローチャートにおいて、先ずCPU10は、候補バッファ302に商品の候補に関するデータが書き込まれたレコードが存在するか否かを判定する(ステップS301)。データが書き込まれたレコードが1つでも存在する場合(ステップS301のYes)、CPU10は、これらレコードに書き込まれた類似度のうち最も値が大きい類似度、すなわち順位1位のレコードに書き込まれた類似度が、予め定められた閾値Lmax(Lmax>Lmin)以上となるか否かを判定する(ステップS302)。閾値Lmaxは、カメラ100にて撮像された商品を、当該レコードに書き込まれた商品コードが示す商品として確定できる類似度の下限値である。
【0062】
順位1位のレコードに書き込まれた類似度が閾値Lmax以上となると判定した場合(ステップS302のYes)、CPU10は、当該レコードに書き込まれた商品コードにて示される商品を、カメラ100にて撮像された商品であると認識することになる。この場合、CPU10は、当該レコードに書き込まれた商品コードと識別子“F1”とをPOS端末2に送信(出力)する(ステップS303)。このように、候補バッファ302に書き込まれた商品コードにて示される商品から店員の操作を介さずに商品の種別を確定することによりカメラ100にて撮像された商品の種別を認識する処理は、第2の認識部111としての機能(自動確定機能)に相当する。
【0063】
一方、順位1位のレコードに書き込まれた類似度が閾値Lmax以上でないと判定した場合(ステップS302のNo)、CPU10は、店員用ディスプレイ102に商品選択画面を表示する(ステップS304)。商品選択画面は、店員に商品を選択させるためのGUI(Graphical User Interface)を含む。このGUIは、例えば候補バッファ302の各レコードに書き込まれた基準画像データのそれぞれに対応する画像とすることができる。商品選択画面を表示した状態で、CPU10は、商品の選択を待ち受ける(ステップS305のNo)。やがて店員が商品選択画面に配置されたGUIのいずれかをタッチパネルを介して操作したとき(ステップS305のYes)、CPU10は、当該操作されたGUIに対応する商品コードで示される商品を、カメラ100にて撮像された商品であると認識することになる。この場合、CPU10は、当該商品コードと識別子“F2”とをPOS端末2に送信(出力)する(ステップS306)。このように、候補バッファ302に書き込まれた商品コードにて示される商品から、店員の操作により商品を確定することによりカメラ100にて撮像された商品の種別を認識する処理は、第3の認識部112としての機能(選択確定機能)に相当する。
【0064】
ステップS303或いはステップS306の後、CPU10は、図8のフローチャートに示す動作を終了する。なお、候補バッファ302にデータが書き込まれたレコードが1つも存在しない場合(ステップS301のNo)、CPU10は、店員用ディスプレイ102に候補商品が無い旨のメッセージを表示する(ステップS307)。さらに、CPU10は、フラグGの値を“0”にセットする(ステップS308)。その後、CPU10の動作はステップS105に移る。
【0065】
このように、CPU10の動作がステップS112、S303、S306のいずれかを経ることにより、スキャナ装置1からPOS端末2に商品コードが送信される。POS端末2のCPU20は、商品コードを受信したとき、補助記憶装置24が記憶するPLUファイル300から当該コードに関連付けられた商品情報をスキャナ装置1に返信する。スキャナ装置1のCPU10は、POS端末2から返信される商品情報を受信することにより、画像データから認識した商品に対応する商品情報を取得する(ステップS113)。なお、商品情報の取得方法はここで説明した方法に限られない。その他に、例えばスキャナ装置1のROM11などにPLUファイル300を保存しておき、CPU10がこのPLUファイル300から商品情報を取得する方法でもよい。このように、画像データから認識した商品の商品情報を取得する処理は、取得部113としての機能に相当する。
【0066】
ステップS113の後、CPU10は、取得した商品情報を登録バッファ303に登録する(ステップS114)。この処理において、CPU10は、登録バッファ303に当該商品情報を書き込むためのレコードを生成する。CPU10は、ステップS112、S303、あるいはS306にてPOS端末2に送信した商品コードと識別子、ステップS113にて取得した商品情報、及び、当該商品の購入数量などを生成したレコードに書き込む。購入数量は、デフォルトで“1”であり、キーボード101の操作などにより店員が2以上の数値を入力した場合にはその数値である。さらにCPU10は、当該レコードにおける単価と数量を乗算した値を、当該レコードにおける“合計価格”として書き込む。
【0067】
ステップS114の後、CPU10は、表示更新処理を実行する(ステップS115)。表示更新処理は、ステップS103或いはステップS104にて店員用ディスプレイ102に表示させた登録画面を、現在の登録バッファ303の内容に応じて更新するための処理である。
【0068】
ステップS115の後、CPU10は、フラグGの値を“0”にセットする(ステップS116)。その後、CPU10の動作はステップS105に戻る。
【0069】
店員は、客が購入する全ての商品を登録し終えたならば、キーボード101に設けられた小計キーを操作する。このとき、CPU10は、ステップS109において小計指示が入力されたと判定し(ステップS109のYes)、POS端末2に小計コマンドと登録バッファ303に書き込まれたデータ(取引データと称す)とを送信する(ステップS120)。取引データは、登録バッファ303の各レコードと同じレコードを含む。ステップS120を以って、CPU10は、図6のフローチャートに示す動作を終了する。
【0070】
ここで、上述の第1の登録画面及び第2の登録画面について説明する。
図9は、第1の登録画面の一例である登録画面400を示す模式図である。登録画面400は、登録バッファ303に商品コードが書き込まれた商品ごとに設けられる商品エリア(上から第1〜5行目のそれぞれに相当)と、合計エリア(最下段の行に相当)とを含む。各商品エリアは、商品名、単価、購入数量X、購入数量Y、購入数量Z、及び価格を表示するためのエリアを含む。購入数量Xは、商品エリアに対応する商品について、シンボルコード読取機能により認識された購入数量である。購入数量Yは、商品エリアに対応する商品について、自動確定機能により認識された購入数量である。購入数量Zは、商品エリアに対応する商品について、選択確定機能により認識された購入数量である。価格は、単価に購入数量X,Y,Zの合計数量を乗じた金額である。合計エリアは、各商品エリアの購入数量X,Y,Zそれぞれの合計数量、及び各商品エリアの価格の合計金額を表示するためのエリアを含む。なお、図9においては既に各商品エリア及び合計エリアに情報が表示された状態を示しているが、ステップS103にて表示された当初は登録画面400の各エリアに情報は表示されていない。
【0071】
図10は、第2の登録画面の一例である登録画面500を示す模式図である。登録画面500は、登録バッファ303に商品コードが書き込まれた商品ごとに設けられる商品エリア(上から第1〜5行目のそれぞれに相当)と、合計エリア(最下段の行に相当)とを含む。各商品エリアは、商品名、単価、購入数量P、及び価格を表示するためのエリアを含む。購入数量Pは、コードシンボル読取機能、自動確定機能、及び選択確定機能のそれぞれにおいて商品エリアに対応する商品が認識された全購入数量を示す(P=X+Y+Z)。価格は、単価に数量Pの合計数量を乗じた金額である。合計エリアは、各商品エリアの購入数量Pの合計数量、及び各商品エリアの価格の合計金額を表示するためのエリアを含む。なお、図10においては既に各商品エリア及び合計エリアに情報が表示された状態を示しているが、ステップS104にて表示された当初は登録画面500の各エリアに情報は表示されていない。
【0072】
ステップS115の表示更新処理について詳細に説明する。この説明においては、第1の登録画面として登録画面400が表示され、第2の登録画面として登録画面500が表示される場合を想定する。表示更新処理において、CPU10は、図11のフローチャートに沿って動作する。
【0073】
当該フローチャートにおいて、先ずCPU10は、直前のステップS114にて登録された商品(以下、表示対象商品と称す)が、同一の商取引において既に登録されていた商品であるか否かを判定する(ステップS401)。CPU10は、表示対象商品の商品コードを有するレコードが、直前のステップS114以前に登録バッファ303に存在していなかった場合には、表示対象商品が未だ登録されていなかった商品であると判定する。一方、CPU10は、表示対象商品の商品コードを有するレコードが、直前のステップS114以前に登録バッファ303に存在していた場合には、表示対象商品が既に登録されていた商品であると判定する。
【0074】
表示対象商品が未だ登録されていなかった商品であると判定した場合(ステップS401のNo)、CPU10は、登録バッファ303における表示対象商品のレコードの商品名及び単価を、登録画面400,500のうち店員用ディスプレイ102に表示中の一方の商品エリアに追加表示する(ステップS402)。このとき、当該商品エリアの購入数量X,Y,Z或いは購入数量P及び価格は“0”である。
【0075】
ステップS402の後、あるいはステップS401において表示対象商品が既に登録されていた商品であると判定した場合(ステップS401のYes)、CPU10は、ROM11が記憶するモード情報を参照し、店員用ディスプレイ102の表示モードが個別モードあるいは非個別モードのいずれであるかを判定する(ステップS403)。
【0076】
本例において、個別モードである場合には、店員用ディスプレイ102は登録画面400を表示している。一方、非個別モードである場合には、店員用ディスプレイ102は登録画面500を表示している。
【0077】
個別モードであると判定した場合(ステップS403の“個別”)、CPU10は、登録バッファ303における表示対象商品のレコードの識別子が“F0”であるか否かを判定する(ステップS404)。識別子が“F0”であると判定した場合(ステップS404のYes)、CPU10は、登録画面400における表示対象商品の商品エリアの購入数量Xを、登録バッファ303における表示対象商品のレコードの購入数量(α)だけ増加させる(ステップS405)。
【0078】
一方、識別子が“F0”でないと判定した場合(ステップS404のNo)、CPU10は、識別子が“F1”であるか否かを判定する(ステップS406)。識別子が“F1”であると判定した場合(ステップS406のYes)、CPU10は、登録画面400における表示対象商品の商品エリアの購入数量Yを、登録バッファ303における表示対象商品のレコードの購入数量(α)だけ増加させる(ステップS407)。
【0079】
一方、識別子が“F1”でないと判定した場合(ステップS406のNo)、CPU10は、登録画面400における表示対象商品の商品エリアの購入数量Zを、登録バッファ303における表示対象商品のレコードの購入数量(α)だけ増加させる(ステップS408)。
【0080】
ステップS405,S407或いはS408の後、CPU10は、登録画面400における表示対象商品の商品エリアの価格と合計エリアとを更新する(ステップS409)。
【0081】
ステップS409の後、CPU10は、登録画面400における表示対象商品の表示エリアの購入数量Xが“0”でなく、かつ同エリアの購入数量Y,Zがいずれも“0”(X≠0かつY=Z=0)であるか否かを判定する(ステップS410)。X≠0かつY=Z=0であると判定した場合(ステップS410のYes)、CPU10は、登録画面400における表示対象商品の表示エリアの表示形態を第1の表示形態に設定する(ステップS411)。第1の表示形態は、表示対象商品がコードシンボル読取機能のみによって認識された場合の表示形態である。
【0082】
ステップS410においてX≠0かつY=Z=0でないと判定した場合(ステップS410のNo)、CPU10は、登録画面400における表示対象商品の表示エリアの購入数量Xが“0”(X=0)であるか否かを判定する(ステップS412)。X=0でないと判定した場合(ステップS412のNo)、CPU10は、登録画面400における表示対象商品の表示エリアの表示形態を第2の表示形態に設定する(ステップS413)。第2の表示形態は、表示対象商品がコードシンボル読取機能及びオブジェクト認識機能の双方によって認識された場合の表示形態である。
【0083】
ステップS412においてX=0であると判定した場合(ステップS412のYes)、CPU10は、登録画面400における表示対象商品の表示エリアの購入数量Yが“0”でなく、かつ同エリアの購入数量Zが“0”でない(Y≠0かつZ≠0)か否かを判定する(ステップS414)。Y≠0かつZ≠0であると判定した場合(ステップS414のYes)、CPU10は、登録画面400における表示対象商品の表示エリアの表示形態を第3の表示形態に設定する(ステップS415)。第3の表示形態は、表示対象商品がコードシンボル読取機能により読み取られず、かつ自動確定機能及び選択確定機能の双方によって認識された場合の表示形態である。
【0084】
ステップS414においてY≠0かつZ≠0でないと判定した場合(ステップS412のNo)、CPU10は、登録画面400における表示対象商品の表示エリアの購入数量Yが“0”(Y=0)であるか否かを判定する(ステップS416)。Y=0でないと判定した場合(ステップS416のNo)、CPU10は、登録画面400における表示対象商品の表示エリアの表示形態を第4の表示形態に設定する(ステップS417)。第4の表示形態は、表示対象商品が自動確定機能のみによって認識された場合の表示形態である。
【0085】
ステップS416においてY=0であると判定した場合(ステップS416のYes)、CPU10は、登録画面400における表示対象商品の表示エリアの表示形態を第5の表示形態に設定する(ステップS418)。第5の表示形態は、表示対象商品が選択確定機能のみによって認識された場合の表示形態である。
【0086】
なお、ステップS403において表示モードが非個別モードであると判定した場合(ステップS403の“非個別”)、CPU10は、登録画面500における表示対象商品の商品エリアの購入数量Pを、登録バッファ303における表示対象商品のレコードの購入数量(α)だけ増加させる(ステップS419)。
【0087】
ステップS411,S413,S415,S417,S418,S419のいずれかを実行した後、CPU10は図11のフローチャートに示す動作を終了する。
【0088】
上述の第1の表示形態、第2の表示形態、第3の表示形態、第4の表示形態、及び第5の実施形態は、互いに異なる表示形態とする。具体的には、表示対象商品の商品エリア内の商品情報(商品名、単価、購入数量X,Y,Z及び価格の全て又は一部)の色、文字サイズ、或いはフォントを異ならせること、又は、商品情報に異なる修飾を付すことなどにより、各表示形態を異ならせればよい。上記修飾としては、例えば表示対象商品の商品エリア内の色を異ならせたり、当該商品エリアに異なる記号や図形を配置したりする方法を採用できる。
なお、表示更新処理は、表示制御部114としての機能に相当する。
【0089】
図4及び図9を参照し、表示モードが個別モードである場合の表示更新処理の具体例について説明する。
図4に示す登録バッファ303のナンバ“1”のレコードのように、商取引において先ず店員が商品コード“コードC1”に対応する商品“りんごA”を、コードシンボル読取機能により5つ登録したとする。この場合、CPU10は、図9に示すように、登録画面400の最上段の商品エリアに“りんごA”の商品情報を表示させる。登録バッファ303における当該レコードの識別子は“F0”であり、購入数量は“5”である。したがって、CPU10は、登録画面の当該商品エリアの購入数量Xを“5”とする。このとき、当該表示エリアにおいてはX≠0かつY=Z=0であるため、CPU10は、当該表示エリアを第1の表示形態に設定する(ステップS411)。
【0090】
続いて、図4に示す登録バッファ303のナンバ“2”のレコードのように、店員が商品コード“コードC1”に対応する商品“りんごA”を、今度は選択確定機能により1つ登録したとする。この場合、CPU10は、図9に示すように、登録画面400の“りんごA”の表示エリアの購入数量Zを“1”とする。このとき、当該表示エリアにおいてはX≠0かつY=0かつZ≠0となるため、CPU10は、当該表示エリアの表示形態を第1の表示形態から第2の表示形態に変更する(ステップS413)。
【0091】
同様に、図4に示す登録バッファ303のナンバ“3”〜“7”のレコードのように店員が商品を登録した場合、登録画面400は図9に示す第2〜5行目の商品エリアの通り情報を表示する。なお、図9においては、商品エリアに第1〜第5の表示形態に応じて異なるパターンを付すことにより、第1〜第5の表示形態を表現している。
【0092】
なお、表示モードが非個別モードである場合において、図4に示す登録バッファ303の通り商品が登録されたならば、登録画面500は図10に示す通りとなる。
【0093】
[POS端末の動作]
次に、POS端末2の動作について説明する。
POS端末2のCPU20は、小計コマンドとともにスキャナ装置1から送信される取引データを受信したとき、この取引データをRAM22に書き込む。このように、取引データを受信することにより、スキャナ装置1が認識した商品の商品情報を取得する処理は、取得部210としての機能に相当する。
【0094】
当該取引データに係る商取引の会計順が到来したならば、CPU20は、当該取引データを対象として、図12のフローチャートに沿って動作する。
【0095】
当該フローチャートにおいて、先ずCPU20は、ROM21が記憶するモード情報を参照し、店員用ディスプレイ201の表示モードが個別モードあるいは非個別モードのいずれであるかを判定する(ステップS501)。ROM21が記憶するモード情報は、個別モードと非個別モードのいずれか一方を表す。モード情報は、例えばPOS端末2のキーボード200の操作などにより、個別モードと非個別モードの間でユーザが任意に切り替えることができる。
【0096】
表示モードが個別モードに設定されていると判定した場合(ステップS501の“個別”)、CPU20は、第1の登録画面を店員用ディスプレイ201に表示させる(ステップS502)。第1の登録画面は、例えば図9に示したものと同様である。ステップS502は、表示制御部211としての機能に相当する。
【0097】
一方、表示モードが非個別モードに設定されていると判定した場合(ステップS501の“非個別”)、CPU20は、第2の登録画面を店員用ディスプレイ201に表示させる(ステップS503)。第2の登録画面は、例えば図10に示したものと同様である。
【0098】
ステップS502あるいはステップS503の後、CPU20は、決済処理を実行する(ステップS504)。決済処理において、CPU20は、店員がキーボード200の操作などで指定した現金、クレジットカード、或いは電子マネーなどの支払い方法に対応する手順で、商取引の代金を決済するための処理を実行する。ステップS504は、決済部212としての機能に相当する。
【0099】
決済処理の後、CPU20は、プリンタ203に当該商取引のレシート及びジャーナルを印刷させる(ステップS505)。ジャーナルは、紙媒体に印刷するのではなく、電子データとして補助記憶装置24やストアコンピュータ3などが記憶するデータベースに保存されてもよい。ステップS505は、印刷制御部213としての機能に相当する。
【0100】
ステップS505を以って、CPU20は、図12のフローチャートに示す動作を終了する。
【0101】
図13は、ステップS505にてプリンタが印刷するレシートの一例であるレシート600を示す模式図である。レシート600は、取引データに含まれる各レコードに対応する商品情報(商品名、購入数量、価格)と、合計数量及び合計価格とを含む。
【0102】
レシート600は、対応するレコードに識別子“F1”が書き込まれた商品情報の左隣りに識別文字“o”を含む。レシート600は、対応するレコードに識別子“F2”が書き込まれた商品情報の左隣りに識別文字“c”を含む。このように、レシート600に配置される商品情報は、識別文字を付すか否かにより、コードシンボル読取機能により認識された商品の商品情報と、オブジェクト認識機能により認識された商品の商品情報との間で印刷形態を異ならせてある。さらに、レシート600に配置される商品情報は、識別文字を異ならせることにより、自動確定機能により認識された商品の商品情報と、選択確定機能により認識された商品の商品情報との間で印刷形態を異ならせてある。
【0103】
これらの識別文字に代えて、他の文字や記号あるいは下線などの修飾を付したり、文字のフォントやサイズを変更したりすることにより、各機能で認識された商品情報の印刷形態を異ならせてもよい。なお、プリンタ203が印刷するジャーナルは、レシート600と同様の印刷形態で配置された商品情報を含む。
【0104】
以上説明したように、本実施形態に係るスキャナ装置1及びPOS端末2は、第1の登録画面を表示する。第1の登録画面に表示される商品情報は、コードシンボル読取機能で認識された商品の商品情報とオブジェクト認識機能で認識された商品の商品情報との間で表示形態が異なる。したがって、店員は、第1の登録画面を見ることで、登録済みの商品がコードシンボル読取機能及びオブジェクト認識機能のいずれで認識されたものであるかを容易に知ることができる。
【0105】
本実施形態の他の観点によれば、第1の登録画面に表示される商品情報は、自動確定機能で認識された商品の商品情報と、選択確定機能で認識された商品の商品情報との間で表示形態が異なる。したがって、店員は、第1の登録画面を見ることで、登録済みの商品が自動確定機能及び選択確定機能のいずれで認識されたものであるかを容易に知ることができる。
【0106】
登録済みの商品がどのような方法で認識されたかを知ることができれば、商品の誤登録を防止する効果が期待できる。例えば客が、バーコードが付された5個のりんごA、バーコードが付されていない5個のりんごB、バーコードが付されていない5個のりんごCをレジに運び、店員がこれらを1つずつカメラ100の撮像領域に翳して登録する場合を想定する。さらにこの場合において、各りんごが以下の(a)〜(d)の通り登録されたとする。
【0107】
(a)りんごAは5個がコードシンボル読取機能により登録された。
【0108】
(b)りんごB及びりんごCはいずれも4個が自動確定機能により登録された。
【0109】
(c)りんごCは1個が選択確定機能により登録された。
【0110】
(d)りんごBは1個が選択確定機能により登録されたが、このとき候補としてりんごAとりんごBが表示され、店員が誤ってりんごAを選択した。
【0111】
(a)〜(d)を経た場合、登録画面400は図9の第1〜3行目のようになる。店員は、商品エリアの表示態様の相違や購入数量X,Y,Zにより、コードシンボル読取機能とオブジェクト認識機能の双方で登録された商品があることを知る。このように同一商品であるにも関わらずコードシンボル読取機能とオブジェクト認識機能の双方で登録された商品が存在するならば、バーコードが付されていない他の商品を当該商品と間違えて登録した可能性がある。そこで、店員は、りんごA,B,Cの現物を見てこれらの数量を確認し、りんごBを誤って登録したことに気付く。また、本例ではりんごCの登録に誤りはないが、自動確定機能と選択確定機能の双方で登録された商品についても、現物を見てその数量を確認することで店員は誤登録に気付くことができる。
【0112】
その他にも、第1の登録画面により、同一商品の二重登録の防止、商品の登録漏れの防止、誤登録が発生した場合の原因究明の容易化などの効果が期待できる。
【0113】
プリンタ203が印刷するレシートに配置された商品情報は、コードシンボル読取機能で認識された商品の商品情報とオブジェクト認識機能で認識された商品の商品情報との間で印刷形態が異なる。したがって、店員や客は、レシートを見ることで、販売された商品がコードシンボル読取機能及びオブジェクト認識機能のいずれで認識されたものであるかを容易に知ることができる。さらに、プリンタ203が印刷するレシートに配置された商品情報は、自動確定機能で認識された商品の商品情報と選択確定機能で認識された商品の商品情報との間で印刷形態が異なる。したがって、店員や客は、レシートを見ることで、販売された商品が自動確定機能及び選択確定機能のいずれで認識されたものであるかを容易に知ることができる。
その他にも、本実施形態にて開示した構成からは、種々の好適な効果が得られる。
【0114】
[変形例]
上記実施形態においては、店員の操作により会計を進行するPOSシステムを開示した。しかしながら、スキャナ装置1やPOS端末2が実行するとした処理を、客の操作により会計を進行するセルフタイプのPOSシステムに適用してもよい。
【0115】
スキャナ装置1やPOS端末2は、1つの筐体に一体的に設けられてもよい。
【0116】
コードシンボル読取機能により読み取るコードシンボルは、バーコードに限られず、QRコード(登録商標)などの二次元コードであってもよい。
【0117】
第1の登録画面は、図9に示した登録画面400の形式に限られない。第1の登録画面の他の例である登録画面401を図14に示す。図9に示す登録画面400は、1行の商品エリアにコードシンボル読取機能、自動確定機能、及び選択確定機能により登録された商品の購入数量を含む。これに対し、図14に示す登録画面401は、同一商品であっても、商品の認識方法ごと(コードシンボル読取機能、自動確定機能、及び選択確定機能ごと)の商品エリアを含む。登録画面401の商品エリアは、商品の認識方法として、コードシンボル読取機能を表す“バーコード”、自動確定機能を表す“自動確定”、及び選択確定機能を表す“キャッシャ選択”のいずれかを含む。このような登録画面401によっても、画面内の各商品情報がコードシンボル読取機能、自動確定機能、及び選択確定機能のいずれで登録された商品に関するものであるかが区別可能となる。
【0118】
第1の登録画面やレシートにおいて区別可能とする認識方法として、コードシンボル読取機能、自動確定機能、及び選択確定機能による認識以外の他の方法を取り入れることも可能である。他の方法としては、商品が割り当てられたプリセットキーの操作、商品に付されたRFID(Radio Frequency IDentification)タグの読み取り、テンキー等の操作による商品コードの直接入力などがある。
【0119】
上記実施形態では、図6図7図8及び図11のフローチャートに示す動作に関る処理を実現させるためのコンピュータプログラムをスキャナ装置1のROM11が予め記憶し、図12のフローチャートに示す動作に関る処理を実現させるためのコンピュータプログラムをPOS端末2のROM21が予め記憶するとした。しかしこれに限らず、同様のプログラムがネットワークからスキャナ装置1及びPOS端末2にダウンロードされてもよい。或いは、記録媒体に記録された同様のプログラムが、スキャナ装置1及びPOS端末2にインストールされてもよい。記録媒体は、CD−ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。また、プログラムのインストールやダウンロードにより得る機能は、スキャナ装置1及びPOS端末2のOS(オペレーティング・システム)等と協働してその機能を実現させるものであってもよい。
【0120】
また、スキャナ装置1及びPOS端末2が実行するとした処理を実現する機能や、スキャナ装置1及びPOS端末2が備えるとした構成の一部を、スキャナ装置1及びPOS端末2に通信接続されたサーバ装置に設けてもよい。このようにしてシステムを構築する場合、例えばクラウドコンピューティングを利用できる。より具体的には、SaaS(software as a service)と称されるソフトウェア提供形態が適する。
【0121】
図15は、クラウドシステムを利用するPOSシステム700の構成図である。このPOSシステム700は、クラウド701、複数の端末装置702及び複数の通信ネットワーク703、及び、互いに通信接続された複数のサーバ装置704を有する。なお、端末装置702、通信ネットワーク703、及び、サーバ装置704は、それぞれ1つのみでもよい。
【0122】
端末装置702は、通信ネットワーク703を介してクラウド701と通信可能である。端末装置702としては、上記実施形態にて説明したスキャナ装置1及びPOS端末2や、デスクトップタイプやノートブックタイプなどの種々のコンピュータ、携帯電話装置、携帯情報端末(PDA)、或いはスマートフォンなどを適宜に利用できる。
【0123】
通信ネットワーク703としては、インターネット、プライベートネットワーク、次世代ネットワーク(NGN)、或いはモバイルネットワークなど種々のネットワークを適宜に利用できる。
【0124】
このような構成のPOSシステム700において、例えば、図6図7図8図11及び図12のフローチャートにおける各ステップを実現する機能の一部をサーバ装置704に設ける。さらに、店員用ディスプレイ102,201やプリンタ203などのハードウェアと、図6図7図8図11及び図12のフローチャートにおける各ステップを実現する機能の残りとを端末装置702に設ける。端末装置702とサーバ装置704とが適宜通信しながら、上記実施形態にて開示した各処理を実現する。このPOSシステム700によっても、上記実施形態にて説明した効果が得られる。
【0125】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] コードシンボルを読み取る第1の方法で認識された商品に関する商品情報、及び、カメラが撮像した画像データに含まれる商品の外観の特徴に基づいて当該商品を認識する第2の方法で認識された商品に関する商品情報を取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した商品情報を、前記第1の方法にて認識された商品の商品情報と前記第2の方法にて認識された商品の商品情報との間で表示形態を異ならせてディスプレイに表示する表示制御手段と、
を備えることを特徴とする商品情報表示装置。
[2] カメラが撮像した画像データに含まれる商品の外観の特徴に基づき当該商品を特定の1種の商品として認識する第1の方法で認識された商品に関する商品情報、及び、カメラが撮像した画像データに含まれる商品の外観の特徴に基づいて当該商品の1又は複数種の候補を選定し、この候補の中からユーザが指定した1種を当該商品として認識する第2の方法で認識された商品に関する商品情報を取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した商品情報を、前記第1の方法にて認識された商品の商品情報と前記第2の方法にて認識された商品の商品情報との間で表示形態を異ならせてディスプレイに表示する表示制御手段と、
を備えることを特徴とする商品情報表示装置。
[3] 前記表示制御手段は、前記第1の方法で認識された商品の商品情報と前記第2の方法で認識された商品の商品情報の色、文字サイズ、或いはフォントを異ならせること、又は、前記第1の方法で認識された商品の商品情報と前記第2の方法で認識された商品の商品情報とに異なる修飾を付すことにより前記表示形態を異ならせる、
ことを特徴とする[1]又は[2]に記載の商品情報表示装置。
[4] 前記表示制御手段は、前記第1の方法及び前記第2の方法の双方にて認識された同一商品について、前記第1の方法にて認識された当該商品の数と、前記第2の方法にて認識された当該商品の数とを別個に前記ディスプレイに表示する、
ことを特徴とする[1]乃至[3]のうちいずれか1に記載の商品情報表示装置。
[5] 1商取引において前記取得手段が取得した商品情報に係る商品の代金を決済する決済手段と、
前記決済手段が代金を決済した商取引において前記第1の方法及び前記第2の方法にて認識された商品の商品情報を、前記第1の方法にて認識された商品の商品情報と前記第2の方法にて認識された商品の商品情報との間で印刷形態を異ならせて配置したレシートをプリンタに印刷させる印刷制御手段と、
をさらに備えることを特徴とする[1]乃至[4]のうちいずれか1に記載の商品情報表示装置。
[6] コンピュータを、
コードシンボルを読み取る第1の方法で認識された商品に関する商品情報、及び、カメラが撮像した画像データに含まれる商品の外観の特徴に基づいて当該商品を認識する第2の方法で認識された商品に関する商品情報を取得する取得手段、および、
前記取得手段が取得した商品情報を、前記第1の方法にて認識された商品の商品情報と前記第2の方法にて認識された商品の商品情報との間で表示形態を異ならせてディスプレイに表示する表示制御手段、
として機能させるためのコンピュータプログラム。
【符号の説明】
【0126】
1…スキャナ装置、2…POS端末、10,20…CPU、100…カメラ、102,201…店員用ディスプレイ、203…プリンタ、300…PLUファイル、301…辞書ファイル、302…候補バッファ、303…登録バッファ、400…第1の登録画面、500…第2の登録画面、600…レシート。
図1
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図15