特許第5760034号(P5760034)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5760034
(24)【登録日】2015年6月12日
(45)【発行日】2015年8月5日
(54)【発明の名称】モジュラクラスタツール
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20150716BHJP
【FI】
   H01L21/68 A
【請求項の数】7
【外国語出願】
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2013-96861(P2013-96861)
(22)【出願日】2013年5月2日
(62)【分割の表示】特願2009-554791(P2009-554791)の分割
【原出願日】2008年3月24日
(65)【公開番号】特開2013-201438(P2013-201438A)
(43)【公開日】2013年10月3日
【審査請求日】2013年5月2日
(31)【優先権主張番号】60/896,371
(32)【優先日】2007年3月22日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505047094
【氏名又は名称】ブルックス オートメーション インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103609
【弁理士】
【氏名又は名称】井野 砂里
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123607
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 徹
(72)【発明者】
【氏名】ジェイ.ビー. プライス
(72)【発明者】
【氏名】ジェド ケラー
(72)【発明者】
【氏名】ローレンス ダルマージュ
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド アダムス
(72)【発明者】
【氏名】エリック ウィンガー
(72)【発明者】
【氏名】ローレンス ワイズ
【審査官】 谷治 和文
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−214689(JP,A)
【文献】 特開2005−019967(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/67−21/687
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リニアドライブアセンブリであって
テーブルプレートを有する筐体を含み
前記筺体は、前記テーブルプレートより上にある第1の面において半導体ウエハを保持する第1のエンドエフェクタと、前記第1の面より上にある第2の面において半導体ウエハを保持する第2のエンドエフェクタとを有しており、前記第1および第2のエンドエフェクタは、共通の直線状の軸に沿って独立に動くように構成され、
前記第1および第2のエンドエフェクタのうちのそれぞれ1つのエンドエフェクタ
前記共通の直線状の軸に沿って駆動されるように構成された中間ステージと、
前記中間ステージを前記テーブルプレート上で滑らせるために前記中間ステージと前記テーブルプレートの間に配置されたメインリニアベアリングと、
前記中間ステージより上に位置するエンドエフェクタステージと、
前記中間ステージを前記エンドエフェクタステージに対して移動させるために前記中間ステージと前記エンドエフェクタステージの間に配置された二次リニアベアリングと、
前記中間ステージに接続された第1のプーリおよび第2のプーリと、
前記第1のプーリおよび前記第2のプーリの周りに接続されたベルトと、によって規定され、
前記第1のプーリおよび前記第2のプーリは、前記中間ステージが駆動されるときに前記中間ステージと共に動き
前記ベルトに対する第1の接続が前記エンドエフェクタステージに結合され、前記ベルトに対する第2の接続は、前記テーブルプレートに対して固定された取り付け台に結合され、前記ベルトの第1の接続および第2の接続が、前記第1のプーリと前記第2のプーリとの間で行われ
前記中間ステージは、リニアモータによって駆動され、前記リニアモータは、磁石トラックと、モータコイルを含み、前記リニアモータは、前記中間ステージと一緒に動き、
前記共通の直線状の軸に沿った前記中間ステージの動きは、前記エンドエフェクタステージを前記共通の直線状の軸に沿って動かし、
前記第1のプーリおよび前記第2のプーリならびに前記ベルトは、前記エンドエフェクタステージに、前記テーブルプレート上の前記中間ステージの動きに対する前記エンドエフェクタステージの動きを増幅させ、
前記第1のプーリおよび前記第2のプーリならびに前記ベルトは、前記テーブルプレートに対する前記エンドエフェクタステージの動きが、前記テーブルプレート上の前記中間ステージの動きに対して2倍に増幅されるように寸法設定され、
更に、前記第1のエンドエフェクタおよび前記第2のエンドエフェクタをインデックス付けされた位置まで垂直方向に動かすように前記筐体内に延在する部材を含む垂直ドライブと、
前記テーブルプレートに接続され前記第1のエンドエフェクタおよび前記第2のエンドエフェクタが、0度〜180度の間で回転することを可能にする回転ドライブと、
前記第1のエンドエフェクタ、前記第2のエンドエフェクタ、前記回転ドライブおよび前記垂直ドライブの動きを制御する機器コントローラと、を含むリニアドライブアセンブリ。
【請求項2】
前記メインリニアベアリングおよび前記二次リニアベアリング、前記共通の直線状の軸に沿った前記中間ステージおよび前記エンドエフェクタステージのそれぞれの動きを促進する、請求項1に記載のリニアドライブアセンブリ。
【請求項3】
前記第1および第2のエンドエフェクタの動きは、回転運動、垂直の動きおよび直線状の動きを含む、請求項1に記載のリニアドライブアセンブリ。
【請求項4】
リニアドライブアセンブリであって、
エンドエフェクタを備え
前記エンドエフェクタは、テーブルプレートより上にある面で半導体ウエハを保持し、共通の直線状の軸に沿って動くように構成され、
前記エンドエフェクタは、
前記共通の直線状の軸に沿って駆動されるように構成された中間ステージと、
前記中間ステージを前記テーブルプレート上で滑らせるために中間ステージと前記テーブルプレートの間に配置されたメインリニアベアリングと、
前記中間ステージより上に位置するエンドエフェクタステージと、
前記中間ステージを前記エンドエフェクタステージに対して移動させるために前記中間ステージと前記エンドエフェクタステージの間に配置された二次リニアベアリングと、
前記中間ステージに接続された第1のプーリおよび第2のプーリと、
前記第1のプーリおよび前記第2のプーリの周りに接続されたベルトと、によって規定され、
前記第1のプーリおよび前記第2のプーリは、前記中間ステージが駆動されるときに前記中間ステージと共に動き
前記ベルトに対する第1の接続が前記エンドエフェクタステージに結合され、前記ベルトに対する第2の接続は、前記テーブルプレートに対して固定された取り付け台に結合され、前記ベルトの第1の接続および第2の接続が、前記第1のプーリと前記第2のプーリとの間で行われ
前記中間ステージは、リニアモータによって駆動され、前記リニアモータは、磁石トラックと、モータコイルを含み、前記リニアモータは、前記中間ステージと一緒に動き、
前記共通の直線状の軸に沿った前記中間ステージの動きは、前記エンドエフェクタステージを前記共通の直線状の軸に沿って動かし、
前記第1のプーリおよび前記第2のプーリならびに前記ベルトは、前記エンドエフェクタステージに、前記テーブルプレート上の前記中間ステージの動きに対する前記エンドエフェクタステージの動きを増幅させ、
前記第1のプーリおよび前記第2のプーリならびに前記ベルトは、前記テーブルプレートに対する前記エンドエフェクタステージの動きが、前記テーブルプレート上の前記中間ステージの動きに対して2倍に増幅されるように寸法設定され、
更に、前記第1のエンドエフェクタおよび前記第2のエンドエフェクタをインデックス付けされた位置まで垂直方向に動かすように前記筐体内に延在する部材を含む垂直ドライブと、
前記テーブルプレートに接続され前記第1のエンドエフェクタおよび前記第2のエンドエフェクタが、0度〜180度の間で回転することを可能にする回転ドライブと、
前記第1のエンドエフェクタ、前記第2のエンドエフェクタ、前記回転ドライブおよび前記垂直ドライブの動きを制御する機器コントローラと、を含むリニアドライブアセンブリ。
【請求項5】
前記メインリニアベアリングおよび前記二次リニアベアリングは、前記共通の直線状の軸に沿った前記中間ステージおよび前記エンドエフェクタステージのそれぞれの動きを促進する、請求項に記載のリニアドライブアセンブリ。
【請求項6】
更に、前記テーブルプレートに接続され、前記エンドエフェクタよりも垂直方向上に規定された第2のエンドエフェクタを含み前記第2のエンドエフェクタは、前記共通の直線状の軸に沿って動くように構成されており、前記エンドエフェクタおよび前記第2のエンドエフェクタのそれぞれが、前記共通の直線状の軸に沿って互いに対向する方向に動く、請求項に記載のリニアドライブアセンブリ。
【請求項7】
前記エンドエフェクタの前記動きは、回転運動、垂直の動きおよび直線状の水平方向の動きを含む、請求項に記載のリニアドライブアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は概して、半導体製造機器に関し、特に、分散された動きを有するモジュラクラスタツールに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体基板処理は通常、基板を複数の逐次プロセスの下に置いて、デバイス、導体、および絶縁体を基板上に作成することによって実行される。半導体製造プロセスは概して、生産プロセスの単一のステップを実行するように構成されたプロセッシングチャンバにおいて実行される。一連の処理ステップを効率的に完了するために、多くのプロセッシングチャンバが通常、中央移送チャンバに結合され、該中央移送チャンバは、1つの中央に位置するロボットを収容して、プロセッシングチャンバ間の基板の移送を容易にする。この構成を有する半導体プロセッシングプラットフォームは概して、クラスタツールとして公知であり、この例は、Applied Materials,Inc.of Santa Clara、Californiaから入手可能であるCENTURA.RTM.およびENDURA.RTM.プロセッシングプラットフォームのファミリーである。
【0003】
一般的に、クラスタツールは、その中に配置された1つ以上のロボットを有する中央移送チャンバから成る。移送チャンバは通常、1つ以上のプロセッシングチャンバ、および少なくとも1つのロードロックチャンバによって取り囲まれる。プロセッシングチャンバは概して基板の処理のために利用され、例えばエッチング、物理的蒸着、化学的蒸着など、様々な処理ステップを実行する。処理された基板および未処理の基板は、FOUPとしても公知である基板ストレージカセットに収納され、該基板ストレージカセットは、ロードロックチャンバに結合された工場インターフェースに配置される。
【0004】
ロードロックチャンバは、工場インターフェースおよび移送チャンバからスリット弁によって隔離されている。基板は、一度に1つずつロードロックを通って、基板ストレージカセットから移送チャンバに入る。基板は、カセットから取り出された後、最初にロードロックの中に置かれる。ロードロックは次に、基板移送チャンバの動作圧力と整合するように、シールされ、ポンプダウンされる。ロードロックと移送チャンバとの間のスリット弁が次に開かれ、基板移送ロボットがロードロックに置かれた基板にアクセスすることを可能にする。この方法で、基板は、各基板がロードロックまたはプロセッシングチャンバを通過した後に、移送チャンバの真空レベルを繰り返し再確立する必要なく、移送チャンバに出し入れされ得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
(概要)
モジュラクラスタツールが開示される。一実施形態に従って、システムはウエハ移送ステーションを備え、該ウエハ移送ステーションは、複数の半導体ウエハを格納する第1の真空チャンバを含む。システムはまた、機器フロントエンドモジュールインターフェース、および2つ以上のシャトルロックインターフェースを含む。
【0006】
本発明の利点は、以下の記述において一部分述べられ、かつ、一部分は記述から明らかであるか、または本発明の実行によって習得され得る。本発明の目的および利点は、添付された請求項および均等物において特に指摘された要素および組み合わせによって実現され、達成される。
例えば、本発明は、以下の項目を提供する。
(項目1)
システムであって、
複数の半導体ウエハを格納する第1の真空チャンバと、機器フロントエンドモジュールインターフェースと、2つ以上のシャトルロックインターフェースとを含む、ウエハ移送ステーションを備えている、システム。
(項目2)
2つ以上のシャトルロックであって、該2つ以上のシャトルロックの各々は、上記2つ以上のシャトルロックインターフェースを使用して上記ウエハ移送ステーションに接続されたリニアウエハドライブと、垂直ドライブと、回転メカニズムと、プロセッシングチャンバインターフェースと、機器コントローラとを有する、2つ以上のシャトルロックと、
搬送モジュールコントローラであって、上記複数の半導体ウエハを移送するように各機器コントローラを制御する、搬送モジュールコントローラと
をさらに備えている、項目1に記載のシステム。
(項目3)
上記搬送モジュールコントローラは、クラスタツールコントローラからコマンドを受信する、項目1に記載のシステム。
(項目4)
上記プロセスチャンバインターフェースを使用して上記2つ以上のシャトルロックの各シャトルロックに接続されたプロセッシングチャンバをさらに備える項目2に記載のシステムであって、各シャトルロックは、上記ウエハ移送ステーションと該プロセッシングチャンバとの間に位置する、システム。
(項目5)
各プロセッシングチャンバインターフェースおよび上記2つ以上のシャトルロックインターフェースのシャトルロックインターフェースは、ゲート弁を含む、項目2に記載のシステム。
(項目6)
各シャトルロックは、真空ポンプを含む、項目4に記載のシステム。
(項目7)
上記リニアウエハドライブは、2つのエンドエフェクタを含み、該2つのエンドエフェクタの各エンドエフェクタは、独立して共通の直線方向に動く、項目2に記載のシステム。
(項目8)
上記機器コントローラは、上記リニアウエハドライブの動きであって、回転の動き、垂直の動き、および直線の水平の動きを含む、動き、ならびにスロット弁および窒素の流れの制御を制御する、項目2に記載のシステム。
(項目9)
ウエハホルダの2つ以上の層をさらに備える、項目1に記載のシステムであって、該ウエハホルダの各ウエハホルダは3つのウエハを保持する、システム。
(項目10)
複数の空気弁をさらに備えている、項目1に記載のシステム。
(項目11)
上記ウエハ移送ステーション内の圧力を制御するために使用される複数の窒素弁をさらに備える、項目1に記載のシステム。
(項目12)
回転ドライブの周りに強磁性流体シールをさらに備える、項目1に記載のシステムであって、該回転ドライブは、2つ以上の層を指標を付された位置へと動かす、システム。
(項目13)
垂直の支持柱の回りにローリングダイアフラムシールをさらに備えて、垂直軸真空シールを可能にし、かつ指標を付された位置への垂直の動きをもたらす、項目1に記載のシステム。
(項目14)
システムであって、該システムは、
ロボットと移送チャンバインターフェースとを含む機器フロントエンドモジュールと、
該移送チャンバインターフェースを使用して該機器フロントエンドモジュールに接続される移送チャンバであって、シャトルロックインターフェースを含む、移送チャンバと、
該シャトルロックインターフェースを使用して該移送チャンバに接続されるシャトルロックであって、プロセスチャンバインターフェースとリニアウエハドライブとを含む、シャトルロックと、
プロセッシングチャンバインターフェースを使用して該シャトルロックに接続されるプロセッシングチャンバとを備え、
該リニアウエハドライブは、該移送チャンバと該プロセッシングチャンバとの間でウエハを動かす、
システム。
(項目15)
上記シャトルロックは、垂直ドライブと、回転メカニズムと、機器コントローラとをさらに含む、項目14に記載のシステム。
(項目16)
上記機器コントローラは、上記リニアウエハドライブの動きであって、回転の動き、垂直の動き、および直線の水平の動きを含む、動き、ならびに真空隔離弁、複数のゲート弁、および窒素の流れの制御を制御する、項目15に記載のシステム。
(項目17)
装置であって、
ベースプレートを有する真空筐体と、
第1のエンドエフェクタであって、第1の半導体ウエハを該ベースプレートより上の第1の平面に保持する、第1のエンドエフェクタと、
第2のエンドエフェクタであって、該第2のエンドエフェクタは、第2の半導体ウエハを該第1の平面より上の第2の平面に保持し、該第1のエンドエフェクタおよび該第2のエンドエフェクタは、独立して共通の直線方向に動く、第2のエンドエフェクタと
を備えている、装置。
(項目18)
上記真空筐体の第1の側面に第1のゲート弁と、該真空筐体の第2の側面に第2のゲート弁とをさらに備えている、項目17に記載の装置。
(項目19)
上記第2の側面は、上記第1の側面の反対側にある、項目18に記載の装置。
(項目20)
上記ベースプレートに接続された第1のベアリングレールアセンブリをさらに備える、項目17に記載の装置であって、上記第1のエンドエフェクタは、該第1のベアリングレールアセンブリに接続されて、該第1のエンドエフェクタは、上記直線方向に移動することが可能となり、かつ第1のゲート弁を通して上記第1のウエハを移送することが可能となる、装置。
(項目21)
上記ベースプレートに接続された第2のベアリングレールアセンブリをさらに備える、項目20に記載の装置であって、上記第2のエンドエフェクタは、該第2のベアリングレールアセンブリに接続されて、該第2のエンドエフェクタは、上記直線方向に移動することが可能となり、かつ第1のゲート弁を通して上記第2のウエハを移送することが可能となる、装置。
(項目22)
上記第1のエンドエフェクタおよび上記第2のエンドエフェクタが、ゼロ度と180度との間で回転することを可能にする回転ドライブをさらに備えている、項目20に記載の装置。
(項目23)
垂直ドライブをさらに備える、項目17に記載の装置であって、該垂直ドライブは部材を含み、該部材は、上記真空筐体内に延在して、上記第1のエンドエフェクタおよび上記第2のエンドエフェクタを指標を付された位置へと垂直に動かす、装置。
(項目24)
機器コントローラをさらに備える、項目17に記載の装置であって、該機器コントローラは、上記第1のエンドエフェクタ、上記第2のエンドエフェクタ、回転ドライブ、および垂直ドライブの動きを制御し、該動きは、回転の動き、垂直の動き、および直線の水平の動きを含む、装置。
(項目25)
上記機器コントローラは、スロット弁、窒素弁、第1のゲート弁、および第2のゲート弁をさらに制御する、項目24に記載の装置。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本明細書の一部分として含まれる添付の図面は、本発明の実施形態を示し、上に与えられた一般的な記述および下に与えられた実施形態の詳細な説明と共に、本発明の原理を説明、教示することに役立つ。
図1図1は、一実施形態による、例示的なモジュラ半導体クラスタツールのブロック図を示す。
図2図2は、一実施形態による、モジュラクラスタツールシステムの例示的な階層的アーキテクチャを示す。
図3a図3(a)は、一実施形態による、例示的なリニアウエハドライブのブロック図を示す。
図3b図3(b)は、一実施形態による、例示的なリニアウエハドライブを示す。
図4図4は、一実施形態による、例示的な単一のリニアドライブの概略図を示す。
図5a図5(a)および図5(b)は、一実施形態による、例示的なウエハ移送ステーションを示す。
図5b図5(a)および図5(b)は、一実施形態による、例示的なウエハ移送ステーションを示す。
図6a図6(a)および図6(b)は、一実施形態による、例示的な機器コントローラのブロック図を示す。
図6b図6(a)および図6(b)は、一実施形態による、例示的な機器コントローラのブロック図を示す。
図7図7は、一実施形態による、モジュラクラスタツールシステムを構成するために使用される例示的なサブシステムまたはコンポーネントを示す。
図8図8は、一実施形態による、1つよりも多くのコンポーネントを組み込む例示的なモジュラクラスタツールシステムを示す。
図9図9は、一実施形態による、二重ウエハロードロックおよびリニアウエハドライブを組み込む例示的なモジュラクラスタツールシステムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(詳細な説明)
モジュラクラスタツールが開示される。一実施形態に従って、システムはウエハ移送ステーションを備え、該ウエハ移送ステーションは、複数の半導体ウエハを格納する第1の真空チャンバを含む。システムはまた、機器フロントエンドモジュールインターフェース、および2つ以上のシャトルロックインターフェースを含む。
【0009】
以下の記述において、説明の目的で、特定の専門用語が、本発明の完全な理解を提供するために使用される。しかしながら、これらの特定の詳細は、本発明を実行するためには必要とされないことが当業者には明らかである。
【0010】
以下の詳細な記述の一部分は、コンピュータメモリ内のデータビットでの動作のアルゴリズムおよびシンボリック表現の観点から提示される。これらのアルゴリズム記述および表現は、他の当業者に自分たちの仕事の実質を最も効果的に伝えるために、データ処理分野の当業者によって使用される手段である。アルゴリズムは、本明細書において、かつ一般的に、所望の結果につながる首尾一貫した一連のステップと考えられている。これらのステップは、物理量の物理的な操作を必要とするステップである。必ずしもというわけではないが、通常、これらの量は、格納され、移送され、組み合わされ、比較され、また他の方法で処理されることができる、電気信号または磁気信号の形を取る。主として普通に使用されるという理由で、これらの信号を、ビット、値、要素、記号、文字、用語、数、コマンドなどと称することが、時として便利に行なわれている。
【0011】
しかしながら、これらのおよび同様な用語のすべては、適切な物理量と関連付けられるべきであり、これらの量に適用される単に便利なラベルに過ぎないことが留意されるべきである。以下の論議から明らかなように、特に断りがない限り、記述全体を通して、例えば「処理」、「演算」、「計算」、「決定」、「表示」などの用語を用いる論議は、コンピュータシステム、または同様な電子計算デバイスの作用およびプロセスをさし、該コンピュータシステム、または同様な電子計算デバイスは、コンピュータシステムのレジスタおよびメモリ内で物理(電子)量として表現されたデータを操作し、そしてこれをコンピュータシステムメモリもしくはレジスタまたは他のかかる情報格納、送信もしくは表示デバイス内で同様に物理量として表現される、他のデータに変換することが理解される。
【0012】
本発明はまた、本明細書における動作を実行するための装置に関する。この装置は、必要とされる目的に対して特別に構成され得るか、またはコンピュータに格納されたコンピュータプログラムによって選択的に作動させられるか、または再構成される汎用コンピュータを備え得る。かかるコンピュータプログラムは、これに限定されるものではないが、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、光学ディスク、CD−ROM、磁気光学ディスク、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、磁気カードもしくは光学カードを含む任意のタイプのディスク、または電子インストラクションを格納するために適切な任意のタイプの媒体などのコンピュータ読取可能ストレージ媒体に格納され得、各々は、コンピュータシステムバスに結合される。
【0013】
本明細書に提示されるアルゴリズムおよび表示は本来的に、何らかの特定のコンピュータまたは他の装置と関連するものではない。様々な汎用システムが、本明細書における教示に従うプログラムと共に使用され得るか、または必要とされる方法ステップを実行するために、さらに専用化された装置を構成することが便利であることが判明し得る。様々なこれらのシステムに対して必要とされる構造は、下記から明らかとなる。さらに、本発明は、何らかの特定のプログラミング言語を参照して記述されていない。本明細書に記述されるように、本発明の教示を実装するために、様々なプログラミング言語が使用され得ることが理解される。
【0014】
図1は、一実施形態による、例示的なモジュラ半導体クラスタツールのブロック図を示す。4つのリニアウエハドライブ111a〜111dおよびEFEM115は、スロット弁122a〜122eを介して、ウエハ移送ステーション101に接続される。各リニアウエハドライブ111a〜111dはまた、スロット弁123を介して、プロセッシングモジュール112に接続される。一実施形態に従って、リニアウエハドライバは、各プロセスモジュールに対して専用とされる。リニアウエハドライブ111は、接続されたプロセッシングモジュール112およびウエハ移送ステーション101の外部にあり、かつこれらから隔離されている。プロセッシングモジュール112は、例えばエッチング、物理的蒸着、化学的蒸着、急速熱処理、および洗浄など、ウエハを処理するために利用される。EFEM115は、ウエハのセットをロードし、それをスロット弁122eを介してウエハ移送ステーション101の中に移送する。ウエハのセットがウエハ移送ステーション101の中にロードされた後に、スロット弁122eは閉じられ、ウエハ移送ステーション101のチャンバ内の空気は、所望の真空レベルに達するように、ポンプで排出される。ウエハ移送ステーション101の真空レベルとは異なる真空レベルにあるリニアウエハドライブ111のスロット弁122は、真空レベルが特定のレベルに達するまで、閉じられたままである。別の実施形態に従って、プロセッシングモジュール122は、異なる真空レベル、処理回数、および処理順序を必要とし得る。一旦、所望の真空レベルに達すると、1つ以上のスロット弁122が開かれて、1つ以上のリニアウエハドライブ111a〜111dの中にウエハを移送する。特定の状況のもとで、ウエハ処理の性質に依存してクロス汚染問題が生じるときには、ただ1つのリニアウエハドライブが開かれて、ウエハ移送ステーション101にアクセスする。ウエハはその後に、プロセッシングモジュールおよびリニアウエハドライブの真空レベルが整合した後に、1つ以上のプロセッシングモジュール112a〜112dに移送される。他の環境条件、例えば温度、湿度、およびダスト濃度も満たされ得る。
【0015】
一旦、ウエハの移送動作が実行されると、スロット弁122および123は閉じられて、プロセッシングモジュール112の動作を開始する。プロセッシングモジュール112が動作している間、リニアウエハドライブ111は、次の処理に対して準備し得るか、またはウエハ移送ステーション101に向かって伸びて、他のウエハをロード/アンロードし得る。
【0016】
一実施形態に従って、リニアウエハドライブ111、スロット弁122および123、ならびにウエハ移送ステーション101は、搬送モジュールコントローラ131によって制御され、その一方では、プロセッシングモジュール112およびEFEM115の動作は、クラスタツールコントローラ116によって制御される。
【0017】
一実施形態に従って、プロセッシングモジュール112bからリニアウエハドライブ111bへウエハ#1を移送するコマンドが、クラスタツールコントローラ116によって開始される。コマンドが、ネットワーク133を介して、搬送モジュールコントローラ131に送達される。コマンドと関連付けられたモーション要求が生成され、搬送モジュールコントローラ131の入コマンド待ち行列の中に置かれる。各入コマンドはコマンド待ち行列に格納され、その重大度および緊急度に依存して、優先順位がつけられる。コマンドの優先順位はまた、クラスタツールの現在の状態に依存し、例えば、プロセッシングモジュール112bおよびリニアウエハドライブ111bの真空レベルが等しくない場合には、真空制御コマンドがモーション要求の前に挿入されて、2つの真空チャンバ間での安全なウエハ移送を保証する。真空レベルがクロスチェックされた場合においても、モーションコマンドは、続行するか、または続行しないことがあり得る。例えば、リニアウエハドライブ111bまたはプロセッシングモジュール112bの真空センサに機能不良が生じることがあり得には、この場合には、モーション要求は結局時間切れとなり、システムエラーが掲示されて、さらなる動作を止め、そしてオペレータに警告する。エラーが回復可能であると特定された場合には、安全チェックが実行され、搬送モジュールコントローラ131は、人の干渉なしでエラーを回復しようと試みる。システムエラーの重大度に依存して、次のモーションコマンドが実行されるか、または実行されないことがあり得る。一実施形態に従って、システム状態が、向上した安全手段のために、搬送モジュールコントローラ131のモーションコマンドからの別個のスレッドでチェックされる。モーション要求が実行された後に、状態は更新され、搬送モジュールコントローラ131からクラスタツールコントローラ116へ中継される。
【0018】
一実施形態に従って、ネットワーク133は、システム100のコンポーネント、すなわち機器コントローラ121、搬送モジュールコントローラ131、EFEM115、およびクラスタツールコントローラ116を接続するイーサネット(登録商標)ネットワークである。別の実施形態に従って、ネットワーク133は、分散型ネットワーク、各ネットワークコンポーネント間の通信を可能にするバスネットワークである。例えば、ネットワーク133は、イーサネット(登録商標)ベースのネットワークなどであり、これは、ネットワークスイッチを使用することによって、ネットワークコンポーネントを接続する。かかるパケットベースのネットワークにおいては、各ネットワークコンポーネントは、指示子とコマンドパケットを送受信するノードとして構成される。指示子が、受信ノードのネットワークノードIDと整合するとき、コマンドは傍受され、そして処理される。指示子が見当らないか、またはパケット内のコマンドが不明の場合には、エラーがネットワークに掲示される。
【0019】
一実施形態に従って、搬送モジュールコントローラ131はブラウザ132を作動させて、システムのオペレータと対話式に通信する。ブラウザ132は、システム100のオペレータが、必要な場合には、システムの状態を構成し、モニタし、かつチェックするように、ユーザインターフェース(UI)を提示する。構成メニューは、リニアドライブの数;リニアドライブに接続されたプロセッシングモジュールのタイプ、I/Oのタイプおよび数;プロセッシングモジュールに対する環境上の拘束、エラーロギング能力;回転ドライブおよびリニアドライブの教示ポイント;モーションプロフィールの加速度、減速度および速度、を構成するために使用され得る。UIはまた、システムコンポーネントおよびセンサの詳細な状態を提供する。
【0020】
図1のクラスタツールシステム100は、中央ロボットを必要としないモジュラであるので、ウエハ移送ステーション101およびリニアウエハドライブ111は、カスタムシステムを構成するためのビルディングブロックとして使用される。システムソフトウエアは、システムソフトウエアによって提供された構成ツールを使用して、システムの拡張または再構成を可能にする。回転ドライブおよびリニアドライブは、ウエハ移送ステーションおよびリニアウエハドライブの中で分離され、その結果として、モーション制御は、ピックアンドプレースコンフリクトを低減することによってより単純になる。さらに、本モジュラ設計は、複数のウエハ待ち行列を有する複数のリニアウエハドライブへ、したがって同時に複数のプロセッシングチャンバへのアクセスを可能にすることによって、システム100のスループットを大きく増加させる。
【0021】
本システムのモジュラ設計は、さらなる利点を提供する。現場でのアップグレードはより容易である。なぜならば、モジュールは、現場において、交換可能かつ再構成可能であるように設計されているからである。したがって、日常のメンテナンス、修理、またはアップグレードの間のシステムダウン時間は、より短くなる。
【0022】
ドライブのモーションプロフィールおよび制御アルゴリズムは、安定性およびロバストネスを犠牲にすることなく、最速のスループットに対して最適化される。コアドライブは、ドライブメカニズム全体を設計し直すことなく交換され得、これは、モーション軸が共に結合されるSCARAロボットまたは任意の他のウエハ取り扱いロボットに対しては不可能である。
【0023】
一実施形態に従って、リニアドライブ111は、隣接する処理の結果をテストし、さらなる分析のための統計データを収集するために、インサイチュ計測テスタを装着され得る。テスト結果は、収量管理システムにフィードバックされ、そこで障害または向上のパターンがモニタ、分析され、必要な場合には、結果は、システムパラメータを微調整して、プロセッシングモジュールの性能を向上させるために使用される。
【0024】
図2は、一実施形態に従った、モジュラクラスタツールシステム100の例示的な階層的アーキテクチャを示す。半導体工場自動化コントローラ201は、クラスタツールを集めたもの、ストッカー、無人搬送車、テスト機器および製造機器を含む製造工場における半導体機器の切れ目のない動作を担当する。半導体工場の自動化規格の大多数は、Semiconductor Equipment Munufacturers Institute(SEMI)によって発行されている。これらの規格は、SEMI SECS/GEM規格として普通に知られている。
【0025】
クラスタツールコントローラ116は、ウエハカセットをロード/アンロードする1つ以上のEFEM115の動作、およびウエハをクラスタツールの中に入れる1つ以上の搬送モジュールコントローラ131の動作を担当する。EFEM115は、様々なプロセッシング機器およびバックエンドシステム、通常はウエハローディング/アンローディングステーションとインターフェースするように設計される。搬送モジュールコントローラ131は、モジュラクラスタツールシステム100の1つ以上の機器コントローラ121の動作を制御する。一実施形態に従って、各機器コントローラ121は、ウエハ移送ステーション101またはリニアウエハドライブ111のいずれかを制御する。
【0026】
本モジュラクラスタツールシステム100は、新しいサブシステムとしてまたは既存のクラスタツールの交換品として、既存の製造工場の中に統合され得る。搬送モジュールコントローラ131は、クラスタツールコントローラ116からスケジューリングコマンドを受信し、そしてネットワーク133を介して接続された複数の機器コントローラ121にコマンドを配分する。機器コントローラ121の各々は、例えばウエハ移送ステーション101またはリニアウエハドライバ111のようなモジュラクラスタツールコンポーネントを制御する。同様な方法で、各機器コントローラ121の状態は、搬送モジュールコントローラ131にもどし報告される。搬送モジュールコントローラ131は、新しく到着したコマンドに照らして、それに接続された機器コントローラの状態を分析、処理し、そしてクラスタツールコントローラ116にまとめて報告する。例えば、未処理ウエハをプロセッシングモジュール112aへ動かすコマンドが到着した場合には、搬送モジュールコントローラ131は、取り付けられたリニアウエハドライバ111aの状態をチェックして、プロセッシングモジュール112aが新しいウエハを処理する準備ができた状態にあることを保証する。スリット弁122aおよび123aの状態と、リニアウエハドライブ111aの真空レベルとがクロスチェックされて、リニアウエハドライブ111aがまた新しいウエハを受け入れる準備ができた状態にあるかどうかを調べる。コマンドが直ちに処理され得ない場合には、リニアウエハドライブ111aの状態は、「進行中」として報告され、コマンドは、後での処理のために待ち行列に入れられる。コマンドを処理して状態を報告するための搬送モジュールコントローラ131の実際のソフトウエア実装は、本発明の範囲から逸脱することなく変化し得ることが留意される。搬送モジュールコントローラ131と、EFEM115およびプロセッシングモジュール112から報告された状態情報とを使用して、クラスタツールコントローラ116は、各個別のモジュラクラスタツールコンポーネントの動作を調べ、そしてシステムレベルからそれらを制御して、モジュラクラスタツールシステム100の全体的性能を高める。
【0027】
一実施形態に従って、搬送モジュールコントローラ131は、クラスタツールコントローラ116が従う工場自動化プロトコルと互換性を有する。新しいクラスタツールシステム100を既存の製造工場の中に統合することは、搬送モジュールコントローラ131を構成することによって助長される。なぜならば、既存のクラスタツールコントローラ116と複数の機器コントローラ121との間の通信はすべて、搬送モジュールコントローラ131を通るからである。このようにして、各機器コントローラ121に存在するファームウエアおよび/またはソフトウエアは、クラスタツールコントローラ116と通信するために構成し直される必要はなく、クラスタツールコントローラ116の通信プロトコルは、製造工場毎にかつ/またはクライアント毎に変化し得る。
【0028】
別の実施形態に従って、物理的な搬送モジュールコントローラ131は存在しない。その代わりに、搬送モジュールコントローラ131の機能性は、クラスタツールコントローラ116または個別機器コントローラ121のいずれかの中に含まれる。さらに別の実施形態に従って、搬送モジュールコントローラ131は、クライアントによって提供され、各機器コントローラ121は、ある程度、搬送モジュールコントローラ131と共に作動するための構成を必要とする。いずれの構成においても統合を容易にするために、搬送モジュールコントローラ131のファームウエア(またはソフトウエア)は、機器コントローラ121またはクラスタツールコントローラ116のファームウエア(またはソフトウエア)と容易に統合され得るフォーマットで提供され得る。例えば、搬送モジュールコントローラ131または機器コントローラ121のソフトウエアは、マイクロソフトウインドウズアプリケーションである。搬送モジュールコントローラ131がない場合、搬送モジュールコントローラ131のファームウエアの一部分またはその全部が、余分のモジュールとして、機器コントローラ121の中にロードされる。あるいは、搬送モジュールコントローラ131のファームウエアの一部分またはその全部が、クラスタツールコントローラ116の中にロードされ得る。
【0029】
リニアウエハドライブ111は、プロセッシングモジュール112およびウエハ移送ステーション101とウエハを同時にやり取りし、それによってシステムのスループットを上げるために、二重の独立したリニアドライブを有する。一実施形態に従って、二重の独立したリニアドライブは、圧電モータである。別の実施形態に従って、二重の独立したリニアドライブは、設計の仕様に依存して、DCリニアモータ、ステップモータ、などである。一部の用途に対しては、圧電超音波モータ(PUM)としても公知である圧電モータが、他のリニアドライブメカニズムよりも有利である。なぜならば、デザインが単純であり、したがって軽量であり、フォームファクタは、コンパクトな設計の中に装着するために十分小さいからである。圧電モータは、高精度の制御を提供しながら、本質的に安定しており、したがってより単純ではあるがロバストなモーション制御スキームが採用され得る。圧電モータは、動いていないときには大きな摩擦力を有し、したがって圧電モータは、供給電圧が閾値電圧より低下すると、自然の機械的ブレーキとしての機能を含む。より単純な減速モーションプロフィールが、モーションサイクルの終端においてモーションを止めるために利用され得る。本実施形態は、特定のタイプのリニアドライブに限定されないことが理解される。
【0030】
図3(a)は、一実施形態に従った、例示的なリニアウエハドライブ111のブロック図を示す。一実施形態に従って、リニアウエハドライブ111は、シャトルロック内に存在し得る。リニアウエハドライブ111は、チャンバ301を有し、チャンバ301は、上部延長310および下部延長311、Zドライブ312、回転ドライブ313ならびに真空隔離ユニット314を収納する。リニアドライブチャンバ301は、例えばプロセッシングモジュールまたはウエハ移送ステーションのような取り付けられたモジュールとの間で、スロット弁122および123を通してウエハ302をやり取りする間に、真空状態を提供する。上部延長310および下部延長311は、2つの独立した線型自由度を提供する。上部延長310および下部延長311は独立的に制御され、かつ作動させられるので、リニアドライブ111は、ウエハ302bの位置および動作によって影響されることなくウエハ302aを移送し得、この逆も同じである。それらは、Zドライブ312および回転ドライブ313のアセンブリの上に載せられ、これによって、180°の回転自由度のみならず、Z方向の動きが提供される。取り付けられたモジュール上のウエハ302に対するインターフェースは、様々な高さに固定され得るので、Zドライブ312は、ウエハ302にアクセスするとき、二重の延長310および311の高さを調節することが必要とされる。一実施形態に従って、上部延長310および下部延長311は、腕を一方向にのみ延ばし、したがって、一側面からのみウエハにアクセスし得る。他方の側面でウエハにアクセスするときには、回転ドライブ313は、二重延長310および311を180度だけ回転させ、ウエハへのアクセスを提供する。一実施形態に従って、二重延長310および311は、ウエハ302に到達するために、取り付けられたモジュールとの間で、様々なストローク長さおよび/またはアクセス高さを必要とし得る。既に記述されたシステムの構成の間に、構成に依存するセットアップの微調節がなされる。例えば、モーションの経路における教示(またはインデックス)ポイント、臨界点は、リニアドライブ111のこの構成プロセスの間に、教示される必要がある。教示ポイントは通常、モーションの開始と終わりを画定するリニアストロークにおける終端点と、例えば旋回点、推移点のような正確な位置制御を必要とする複雑なモーションを画定、制御するための一部の中間点とを含む。機器コントローラ121は、一実施形態に従って、4つの軸までを、すなわち上部延長310、下部延長311、Zドライブ312および回転ドライブ313を制御し得る。リニアドライブチャンバ301は真空チャンバである。チャンバ301内の真空状態は、機器コントローラ121によって制御される真空隔離弁314によって制御される。
【0031】
回転軸およびZ軸は、機械的に互いから分離されているので、各軸に対するモーション制御は、回転ドライブとZドライブの両方を組み合わせる従来のウエハ取り扱いロボットと比較して比較的単純である。一実施形態に従って、Zドライブ312および回転ドライブ313は、リニアドライブチャンバ301の外側に配置される。強磁性流体シールまたは任意の他のタイプのシールが、リニアドライブチャンバ301を大気圧ならびに取り付けられたプロセッシングモジュール112およびウエハ移送ステーション101から隔離するために、Zドライブ312の垂直軸の周りに使用され得る。Zドライブ312および回転ドライブ313をリニアドライブチャンバ301の外側に配置することは、リニアドライブチャンバ301がより小さくなり、その結果として、チャンバ301の圧力を調整する時間が短縮され、かつより少ない粒子がチャンバ内で生成される、など多くの点で有利である。リニアドライブチャンバ301の寸法は低減されるので、リニアウエハドライブ111を構築する費用の面で、利点が達成される。
【0032】
図3(b)は、一実施形態による、例示的なリニアウエハドライブを示す。二重ウエハ延長310および311は、リニアドライブチャンバ301の内側に位置し、その一方で、Zドライブ312および回転ドライブ313は、上に論議された理由のために、リニアドライブチャンバ301の外側に配置される。リニアドライブチャンバ301は、リニアドライブチャンバ301の内側へのアクセスを容易にするために、チャンバカバー320によってシールされた開口部を上側に有する。上側開口部は、リニアドライブチャンバ301に対する真空シールを閉じるために、蓋(図示されず)によって覆われる。
【0033】
図4は、一実施形態による、例示的な単一のリニアドライブの概略図である。リニアドライブ111の上部延長310および下部延長311は、単一のリニアドライブ400を利用し得るが、これに限定されない。単一のリニアドライブ400は連接型メカニズムであり、それによって、エンドエフェクタステージ411のモーションは、中間ステージ410のモーションの2倍に増幅される。増幅は、2つのプーリ424と425との間に張られたベルト420を介して、中間ステージ410を動かすことによって達成される。この連接運動設計は、それぞれXおよびR座標で表される中間ステージ410およびエンドエフェクタステージ411のモーション間で、1:2の比率を保証する。一実施形態に従って、中間ステージ410は、マグネットトラック421およびモータコイル422で表されるリニアモータによって駆動される。リニアモータは、中間ステージ410の上に載せられ、したがってそれと共に動く。中間ステージ410は、メインリニアベアリング401により、テーブルプレート423の上を滑るように動く。二次リニアベアリング402は、エンドエフェクタステージ411に連接モーションを与え、エンドエフェクタステージ411は、二次ベアリングレールに乗る2つのベアリングブロックのセットに取り付けられる。リニアエンコーダ(図示されず)が、モーション制御に対する位置フィードバックを提供するために、中間ステージ410に取り付けられる。補助エンコーダが、より高い分解能の適用のために、エンドエフェクタステージ411に取り付けられ得る。
【0034】
一実施形態に従って、ウエハ移送ステーション101は、ロードロックとして、またウエハバッファとして機能する。ウエハ移送ステーション101は、複数のウエハを同時に保持し、複数のリニアウエハドライブ111および/または別のウエハ移送ステーションとやり取りする。図5(a)および図5(b)は、一実施形態に従って、例示的なウエハ移送ステーションを示す。例示的なウエハ移送ステーション101は、4つのリニアウエハドライブ111および1つのEFEMとインターフェースするチャンバを有する。図示の目的のために、ウエハ移送ステーション101は、回転ドライブメカニズムの上に6つまでのウエハを保持する。6つのウエハは、ウエハトレイ501の2つの層の上に積み重ねられ、各ウエハトレイ501は、3つのウエハを保持し、その結果として、3つのウエハ、すなわちウエハ#1、ウエハ#2、およびウエハ#3を含む上層だけが視認される。一実施形態に従って、システム構成および要件に依存して、より多くの層におけるより多くのウエハ(例えば、3つの層における4つのウエハトレイ)が考えられ得る。例えば、取り付けられたプロセッシングモジュール112の、リニアウエハドライブ111を介するウエハ移送ステーション101への処理時間は、最適のウエハの数およびウエハの層を決定する。処理時間が比較的長いときには、システムのスループットを上げるために、より多くのウエハおよび層が、ウエハ移送ステーション101内に積み重ねられ得、待ち行列に入れられ得る。ウエハ移送ステーション101はまた、401を介してEFEMとインターフェースし、ウエハカセットに格納されたウエハをロード、アンロードする。ウエハ移送ステーション101はまた、複数のスロット弁122と、真空隔離弁511とを含み、チャンバの真空レベルを制御する。
【0035】
ウエハ移送ステーション101は、Zドライブおよび回転ドライブ(両方とも図示されず)を含み、回転自由度とZ方向とにおいて、指標付きの位置決めを提供する。Zドライブおよび回転ドライブを使用して、ウエハ移送ステーション101は、それに取り付けられた任意のリニアウエハドライブ111とインターフェースするように各ウエハを配置し得る。一実施形態に従って、Zドライブおよび回転ドライブは、ウエハ移送ステーション101の外側に配置され、アセンブリを作るように結合される。強磁性流体シールまたは任意の他のタイプのシールが、ウエハ移送ステーション101のチャンバを大気圧および取り付けられたリニアウエハドライブ111から隔離するために、アセンブリの垂直軸の周りに使用され得る。Zドライブおよび回転ドライブをウエハ移送ステーション101の外側に配置することは、ウエハ移送ステーション101のチャンバが小さくなり、その結果として、チャンバの圧力を調整する時間が短縮される、およびより少ない粒子がチャンバ内で生成される、など多くの点で有利である。
【0036】
ウエハ移送ステーション101の設計は、SCARAロボットによって駆動される従来のウエハ移送メカニズムと比較して、システムのスループットを有意に向上させる。従来のウエハ移送ステーションは、1つ以上のSCARAロボットを装備し、ウエハをEFEMとやり取りする。SCARAロボットは、一度にただ1つのウエハのみを移送し得るアームを有するので、クラスタツールのスループットは、クラスタツールの他の改善にも関わらず、かかる制限のために低迷したままである。これとは対照的に、ウエハ移送ステーション101は、リニアドライブおよび回転ドライブの独立した動作により、複数のリニアウエハドライブに同時にアクセスし得、それによって、クラスタツールのスループットを向上させ得る。
【0037】
一実施形態に従って、ウエハ移送ステーション101は、複数のサブモジュール、すなわち、フレームアセンブリ521、チャンバアセンブリ522、回転メカニズム、ウエハハブアセンブリ、N分配システム523、クリアドライエア(clear dry air)(CDA)分配システム、電力分配システム511、真空分配システム、および機器コントローラ121を含む制御システムからなる。
【0038】
一実施形態に従って、フレームアセンブリは、設備インターフェース、ならびに他のサブモジュールのアセンブリを助長する構造的支持および取り付け機能を備える、溶接され粉体塗装された管状のスチールフレームからなる。真空チャンバは、ウエハを移送するために、半径方向の5つの位置においてトンネル形状を有する、機械加工されたアルミニウムブロックである。丸い耐圧カバーが、上部表面の開口部をシールし、内側のメカニズムへのサービスアクセスを提供する。さらに、回転メカニズム、感圧ユニット、および真空分配システムのために底部に開口部がある。チャンバの一側面には、2つのウエハ存在センサのための光フィードスルーポートがある。回転メカニズムおよびウエハハブアセンブリは、2層×3列アレイのウエハ格納場所を有するシータ回転バッファリングステーションを提供する。N分配システムは、ウエハ移送ステーション101、および任意のリニアウエハドライブ111に対する専用の窒素通気ガスを提供する別個のマニホルドに通気するための、窒素ガスの制御された流れを提供し、これらは接続され得る。CDA分配システムは、ウエハ移送ステーション101とリニアウエハドライブ111の両方において使用される空気制御式弁を操作するための、圧縮空気の供給および制御を提供する。電力分配システム511は、工場電気入力電圧(例えば、208VAC、380VAC)を、ウエハ移送ステーション101、リニアウエハドライブ111、およびクラスタツールの他の電気コンポーネントのために制御されたDC電圧(例えば、12VDC、24VDC)に変換する。真空分配システムは、ウエハ移送ステーション101と、任意の接続されたリニアウエハドライブ111の両方に対する真空への制御されたアクセスを提供する。ウエハ移送ステーション101およびリニアウエハドライブ111への真空ラインは、最適な動作のため、およびクロスカップリングの回避のために、相互に隔離される。制御システムは、機器コントローラ121eおよび搬送モジュールコントローラ131からなり、それは、取り付けられたリニアウエハドライブ111を制御する他の機器コントローラの動作を制御する。
【0039】
一実施形態に従って、ウエハ移送ステーション101は、四角形の形状である。しかしながら、ウエハ移送ステーションの構成は、かかる構成に限定されず、三角形、長方形、六角形の形状などが可能であり、本実施形態は限定されないことが理解される。
【0040】
図6(a)および図6(b)は、一実施形態による、例示的な機器コントローラのブロック図を示す。一実施形態に従って、ウエハ移送ステーション101またはリニアウエハドライブ111を制御する機器コントローラ121は、コスト節約および向上した保全性のために、設計において同一である。機器コントローラ121は、構成ソフトウエアまたはDIPスイッチによって容易に構成され得、所望のとおり機能し得る。
【0041】
図6(a)は、例示的な機器コントローラ121を示し、例示的な機器コントローラ121は、シングルボードコンピュータ501と、I/Oインターフェースボード502と、モータインターフェース503とを含む。シングルボードコンピュータ501は、マイクロプロセッサと、メモリ510およびストレージ511に対するスロットとを含む。ストレージ511は、SDカード、マイクロSDカード、コンパクトフラッシュ(登録商標)カード、メモリスティック、マイクロハードドライブ、または任意の他のタイプのストレージ媒体であり得る。ストレージ511は、ブートローダ、ブートアップで自動的に作動するリーンソフトウエアプログラム、ブートローダの別の画像、システムに特有のレシピ、プロプライエタリ(proprietary)システム構成データ、ライセンス、診断用のユーティリティ、または製造者もしくはシステムユーザによって提供されるユーザ側で編集可能なプログラムを格納し得る。元のブートローダが汚染されているか、または損傷を受けている場合には、ブートローダの別の画像は、工場リセットを提供する。I/Oインターフェースボード502は、数多くの通信プロトコルを介して、様々なタイプの入力デバイスおよび出力デバイスを接続する。例えば空気I/O520、アナログI/O521、およびデジタルI/O522のようなI/Oインターフェースがまた、シングルボードコンピュータ501で作動するメインプログラムによって制御される。例えばIEEE1394ファイアワイア523、JTAG524、イーサネット(登録商標)525、RS232 526、USB527、およびシリアルポート528のような様々な通信ポートが支持される。IEEE1149.1スタンダードとしても知られているJTAG524は、機器コントローラ121のデバッギングおよび診断を実行するときには、特に有用である。機器コントローラ121は、一実施形態に従って、イーサネット(登録商標)525を介して搬送モジュールコントローラ131に接続する。キーボード/モニタインターフェース529は、開発サイクルの間にデバッギングするとき、および現場においてシステムを診断するときには、特に有用である。シングルボードコンピュータ510は、I/Oインターフェースボード502に接続して、I/Oおよび通信デバイスにアクセスするか、または、シングルボードコンピュータ501の設計次第では、内部構成によってI/Oおよび通信デバイスに直接的にアクセスし得る。モータインターフェースボード503は、機器コントローラ121に取り付けられた軸の4つまでを制御する。モータ550〜553は、内部エンコーダまたは外部エンコーダを装備され得る。モータ550〜553からのエンコーダ信号は、モータインターフェースボード531にフィードバックされ、次に、メインプログラムにフィードバックされて、モータのフィードバック制御を提供する。増幅器540は、充分なトルクを生成するために必要とされる電流をモータ550〜553に提供する。安全メカニズムが、モータインターフェースボードの中に統合され得るか、またはシングルボードコンピュータ501で作動するメイン制御プログラムによって制御される。
【0042】
I/Oおよび通信ポート/デバイスの数のタイプが、例示の目的だけのために示され、したがって、機器コントローラ121の実際の設計は、設計次第で、これらのデバイスを含むか、または含まないことがあり得る。それでもなお、I/Oおよび通信デバイスのタイプならびに数は、構成可能である。
【0043】
図6(b)は、一実施形態に従った、別の例示的な機器コントローラ121を示す。シングルボードコンピュータ501は、モーションコントローラ502とインターフェースし、モーションコントローラ502は多くの機能、例えば、モータインターフェースボード503による多軸モーション制御と、I/Oインターリンク504およびI/Oインターフェース502を組み込む。開発コストの節約および設計の拡張性のために、モーションコントローラ502は、商業的に入手可能なモーションコントローラ、例えば、Performance Motion Device、Inc.of Lincoln、Massachusettsによって製造されているPMDプロディジィー(Prodigy)であり得る。
【0044】
図7は、一実施形態に従って、モジュラクラスタツールシステム100、800または900を構成するために使用される例示的なサブシステムまたはコンポーネントを示す。リニアウエハドライブ111およびウエハ搬送ステーション101は、ウエハを搬送するそれらの能力により、能動コンポーネントとしての特徴を有する。二重ウエハロードロック701およびマルチウエハバッファ702は、1つ以上の能動コンポーネントを接続するために使用される受動コンポーネントである。受動コンポーネントは、能動ウエハ搬送メカニズムを含まないことを特徴とするが、しかし、例えばロードロックまたはウエハバッファのような、ウエハ搬送メカニズムを必要としない機能を実行することができる。二重ウエハロードロック701は、構成においてリニアウエハドライブ111に類似するが、ウエハドライブメカニズムを有する能動コンポーネントに結合され、その結果として、ウエハは、二重ウエハロードロック701に出し入れされ得る。例えば図7に示されるサブシステムのような有限の数のサブシステムを使用して、モジュラクラスタツールシステムは、システムの要求および要件を満たすように容易に再構成され得る。
【0045】
図8は、一実施形態に従った、1つよりも多くのコンポーネントを組み込む例示的なモジュラクラスタツールシステム800を示す。FOUP803の中のウエハは、EFEM115を介してモジュラクラスタツールシステム800の中にロードされる。ウエハはその後、マルチウエハバッファ702に入る前に、トラックロボット801を介して大気プロセスモジュール802へ搬送され、処理される。大気プロセスが、モジュラクラスタツールシステム800に統合されていない場合には、トラックロボット801は、ウエハ移送ステーション101aまたは101bによって置換され得る。マルチウエハバッファ702は、その中に複数のウエハを積み重ねるロードロックである。ウエハが、マルチウエハバッファ702の中に積み重ねられた後に、スリット弁804は閉じられ、マルチウエハバッファ702のチャンバは、所望の真空レベルにポンプダウンされる。所望の真空レベルに到達した後に、マルチウエハバッファ702は、スリット弁804bを開いて、ウエハを3つの隣接するリニアウエハドライブ111に移送する。隣接するリニアウエハドライブ111における真空レベルは、リニアウエハドライブ111とウエハプロセッシングモジュール112との間に位置するスリット弁805を開く前に、さらに制御され得る。
【0046】
モジュラクラスタツールシステム800は、従来のクラスタツールよりも有利である。なぜならば、複数のウエハの搬送が、複数のウエハドライブメカニズムによって分散されているからである。たとえ1つのリニアウエハドライブ111が故障した場合でも、他のリニアウエハドライブ111がなおも動作して、それに接続されたプロセッシングモジュール112へウエハを搬送する。これとは対照的に、中央ロボットが、クラスタツールシステムに入るウエハすべてを分配するために使用される場合には、中央ロボットの故障は、その中にあるウエハの搬送を完全に止める。さらに、クラスタツールシステムの中に統合されるプロセッシングモジュール112が多ければ多いほど、クラスタツールシステムのスループットは、不相応な影響を受ける。なぜならば、中央ロボットは、所与の時間に限られた数のウエハしか取り扱うことができないからである。これとは対照的に、モジュラクラスタツールシステム800は、複数のリニアウエハドライブ111にウエハ搬送のロードを分散し、このようにして、スループットは、より多くのプロセッシングモジュールに比例して増加する。一実施形態において、各リニアウエハドライブ111は、各プロセッシングモジュール112に結合される。プロセッシングモジュール112の中へのウエハの搬送は、結合されたリニアウエハドライブ111に依存する。既に説明されたように、二重のリニアウエハドライブメカニズム310により、スループットはさらに増加する。モジュラクラスタツールシステム800の例示的な構成は、複数のプロセッシングモジュール112の独立した動作を達成し、その結果として、システムの全体的なスループットを増加させる。例えば、リニアウエハドライブ111bが故障した場合には、ウエハは、プロセッシングモジュール112bにおいて処理され得ないが、なおも他のプロセッシングモジュール112aおよび112cにおいて処理され得る。
【0047】
図9は、一実施形態に従った、二重のウエハロードロックおよびリニアウエハドライブを組み込む例示的なモジュラクラスタツールシステム900を示す。例示的なモジュラクラスタツールシステム900は、1つ以上の能動コンポーネントに接続された受動コンポーネントの使用を示す。EFEMの中のウエハ取り扱いロボット901、およびリニアウエハドライブ802は、各側面で二重ウエハロードロック701に接続される。ウエハは最初に、ウエハ取り扱いロボット901から二重ウエハロードロック701の中に搬送され、二重ウエハロードロック701のチャンバは、所望の真空レベルにポンプダウンされる。次に、二重ウエハロードロック701とリニアウエハドライブ111とを接続するスリット弁902が開き、リニアウエハドライブ111のリニア延長が、二重ウエハロードロック701の内側に到達し、ウエハを把持して、それをプロセッシングチャンバ112の中に搬送する。例えば二重ウエハロードロック701のようなモジュラクラスタツールシステム900の受動コンポーネントは、その中にウエハドライブメカニズムを組み込まないが、しかし、例えばリニアウエハドライブ111またはウエハ取り扱いロボット901のような1つ以上の能動コンポーネントを接続するために有用である。
【0048】
モジュラクラスタツールシステム900は、半導体処理の開発のために使用され得る。通常の処理開発システムは、半導体生産ラインにおいて使用される本格的な半導体クラスタツールシステムを必要としない。その代わりに、図7に示されるような再構成可能なサブシステムが、プロセッサ開発業者の要求に応じて調整されたカスタム処理開発システムを構成するために使用され得る。再構成可能なサブシステムによってモジュラクラスタツールを構築し、そして要求に基いてモジュラクラスタツールを再構成することによって、半導体処理開発に対するコスト節約が期待される。
【0049】
モジュラクラスタツールコンポーネントの様々な設計または構成が、本主題の範囲から逸脱することなく考えられ得ることが留意される。本方法およびシステムは、能動コンポーネントと受動コンポーネントの両方を含むモジュラクラスタツールコンポーネントを提供して、様々な構成および設計でモジュラクラスタツールを構築する。
図1
図2
図3a
図3b
図4
図5a
図6a
図6b
図5b
図7
図8
図9