【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る射出成形機は、加圧手段によって上下動する可動側金型と、ターンテーブルと、当該ターンテーブル上に所定ピッチで配された固定側金型と、回転軸に取り付けられて水平方向に回動するアームを有するロボット(A)と、前記ターンテーブル及び前記回転軸を回動させる
1つの駆動手段を備え、前記ターンテーブルと前記ロボット(A)のアームが
機械式に同期して回動する構成とされ、前記ロボット(A)によって成形品が取り出されることを特徴とする。
【0011】
前記駆動手段によって前記ターンテーブルを前記所定ピッチに対応して回動させると、前記可動側金型が複数配置された前記固定側金型のうちの一の固定側金型と対向する位置となり、前記加圧手段によって前記可動側金型が降下して当該一の固定側金型と合わさって型閉じ、型締めし、射出成形する。本発明の射出成形機では、型閉じ・型締め・射出成形の間に、前記ロボット(A)のアームに付設されているチャック等が前記固定側金型のうちの別の固定側金型上の成形品を把持する。そして、前記加圧手段によって前記可動側金型が上昇して型開きし、その後、前記ターンテーブルが回動するのと同期して前記ロボット(A)のアームが回動し、成形品が機外に取り出される。チャック等が成形品を把持する動作は、ターンテーブルが回転していない間であれば可能であるので、型開きの間でも可能である。
【0012】
本発明によれば、前記ターンテーブルを回動させること及び前記ロボット(A)のアームを回動させることを1つの駆動手段で行う構成であるから、シンプルな構造でありながら、射出成形サイクルのさらなる高速化を図ることができる。また、複数の駆動手段を用いる構成に比べて省電力となるうえ、高価な駆動手段のコストも抑えられる。
【0013】
本発明に係る射出成形機は、加圧手段によって上下動する可動側金型と、ターンテーブルと、当該ターンテーブル上に所定ピッチで配された固定側金型と、回転軸に取り付けられて水平方向に回動するアームを有するロボット(B)と、前記ターンテーブル及び前記回転軸を回動させる
1つの駆動手段を備え、前記ターンテーブルと前記ロボット(B)のアームが
機械式に同期して回動する構成とされ、前記ロボット(B)によってインサート部品が供給されることを特徴とする。
【0014】
前記駆動手段によって前記ターンテーブルを前記所定ピッチに対応して回動させると、前記可動側金型が複数配置された前記固定側金型のうちの一の固定側金型と対向する位置となり、前記加圧手段によって前記可動側金型が降下して当該一の固定側金型と合わさって型閉じ、型締めし、射出成形する。本発明の射出成形機では、型閉じ・型締め・射出成形の間に、前記ロボット(B)のアームに付設されているチャック等によって既に把持されているインサート部品を前記固定側金型のうちの別の固定側金型上に供給する。そして、前記加圧手段によって前記可動側金型が上昇して型開きし、その後、前記ターンテーブルが回動するのと同期して前記ロボット(B)のアームが回動し、新しいインサート部品を機外に取りに行く。チャック等がインサート部品を供給する動作は、ターンテーブルが回転していない間であれば可能であるので、型開きの間でも可能である。
【0015】
本発明によれば、前記ターンテーブルを回動させること及び前記ロボット(B)のアームを回動させることを1つの駆動手段で行う構成であるから、シンプルな構造でありながら、射出成形サイクルのさらなる高速化を図ることができる。また、複数の駆動手段を用いる構成に比べて省電力となるうえ、高価な駆動手段のコストも抑えられる。
【0016】
本発明に係る射出成形機は、加圧手段によって上下動する可動側金型と、ターンテーブルと、当該ターンテーブル上に所定ピッチで配された固定側金型と、回転軸に取り付けられて水平方向に回動するアームを有するロボット(C)と、前記ターンテーブル及び前記回転軸を回動させる
1つの駆動手段を備え、前記ターンテーブルと前記ロボット(C)のアームが
機械式に同期して回動する構成とされ、前記ロボット(C)によって成形品が取り出されるとともにインサート部品が供給されることを特徴とする。
【0017】
前記駆動手段によって前記ターンテーブルを前記所定ピッチに対応して回動させると、前記可動側金型が複数配置された前記固定側金型のうちの一の固定側金型と対向する位置となり、前記加圧手段によって前記可動側金型が降下して当該一の固定側金型と合わさって型閉じ、型締めし、射出成形する。本発明の射出成形機では、型閉じ・型締め・射出成形の間に、前記ロボット(C)のアームに付設されているチャック等によって既に把持されているインサート部品を複数配置された前記固定側金型のうちの別の固定側金型上に供給し、尚且つ、そのインサート部品が供給されることになる同じ固定側金型上にある成形品をも前記ロボット(C)のアームに付設されているチャック等によって把持する。そして、前記加圧手段によって前記可動側金型が上昇して型開きし、その後、前記ターンテーブルが回動するのと同期して前記ロボット(C)のアームが回動し、新しいインサート部品を機外に取りに行くとともに成形品が機外に取り出される。つまり、例えば、棒状の前記アームの片側の端部に成形品の取出用とインサート部品のインサート用の2つのチャックを備えている構成とすれば、複数配置された前記固定側金型のうちの別の固定側金型上の成形品を一方のチャックで把持し、アームは回動させずに、チャックを上昇させる等してその固定側金型から成形品を離型させて、その同じ固定側金型上に他方のチャックにて予め把持していたインサート部品を、アームは回動させずに、チャックを下降させる等して供給する。このとき、場合によっては、まずインサート部品を供給し、つぎに成形品を把持するようにしても良いし、インサート部品の供給と成形品の把持を同時に行うようにしても良い。そして、前記加圧手段によって前記可動側金型が上昇して型開きする。その後、前記ターンテーブルが回動するのと同期して前記ロボット(C)のアームが回動し、前記ロボット(C)の一方のチャックによって把持された成形品が機外に取り出され、かつ、前記ロボット(C)の他方のチャックが新しいインサート部品を機外に取りに行く。
【0018】
上記以外の構成例としては、例えば、棒状の前記アームの片側の端部にチャック等が1つ付設されていて、複数配置された前記固定側金型のうちの別の固定側金型上に予めチャックに把持されていたインサート部品を供給した後、その同じ固定側金型上の成形品を同じチャックで今度は把持し、そして、前記加圧手段によって前記可動側金型が上昇して型開きして、前記ターンテーブルが回動するのと同期して前記ロボットのアームが回動し、前記ロボットによって、当該チャックで把持した成形品が機外に取り出され、当該チャックがその成形品を機外の回収ボックス等に入れた後、当該チャックが新しいインサート部品を把持するようにしても良い。チャック等がインサート部品を供給する動作、成形品を把持する動作、または、成形品を離型する動作は、ターンテーブルが回転していない間であれば可能であるので、型開きの間でも可能である。
【0019】
本発明によれば、前記ターンテーブルを回動させること及び前記ロボット(C)のアームを回動させることを1つの駆動手段で行う構成であるから、シンプルな構造でありながら、射出成形サイクルのさらなる高速化を図ることができる。また、複数の駆動手段を用いる構成に比べて省電力となるうえ、高価な駆動手段のコストも抑えられる。
【0020】
前記加圧手段としては、油圧シリンダ、電動モータ、油圧モータ等が挙げられる。前記可動側金型の上方には射出装置が配されており、射出シリンダが下向きで配されている。
【0021】
前記駆動手段と前記ターンテーブルとの連結構成としては、例えば、伝動ベルトを用いた構成、ギヤを用いた構成、チェーンを用いた構成等が挙げられる。なお、前記駆動手段と前記回転軸とを直結することも可能である。
【0022】
前記駆動手段としては、電動モータや油圧モータ等が挙げられる。前記駆動手段は、射出成形機の駆動手段を共用する場合と、ロボットの駆動手段を共用する場合がある。換言すれば、前記駆動手段は、前記ターンテーブル側に配されている場合と、前記ロボット側に配されている場合がある。
【0023】
本発明は、前記駆動手段が前記ターンテーブル側に配されており、伝動ベルトによって前記回転軸と連結されていることを特徴とする。
【0024】
本発明によれば、既存の射出成形機にロボットと伝動機構を付設するなどして本発明の射出成形機とすることが容易である。また、伝動ベルトは、伝動ギヤや伝動チェーンと比べて高速動作の際にも振動が少なく静音となる。
【0025】
本発明は、前記ターンテーブルの外周が歯車形状となっており、歯付きベルトを介して前記駆動手段と連結されていることを特徴とする。
【0026】
本発明によれば、前記ターンテーブルを所定の回動位置で再現性よく回動させることが容易となる。また、歯付きベルトは、伝動ギヤや伝動チェーンと比べて高速動作の際にも振動が少なく静音となる。
【0027】
本発明は、前記アームには把持部材が複数配されており、前記成形品または前記インサート部品を把持することを特徴とする。
【0028】
本発明によれば、効率よく前記成形品を把持することとなる。
【0029】
例えば、前記ターンテーブル上に所定ピッチで前記固定側金型を2つ配しておき、前記ターンテーブルを180度回動させると前記回転軸が180度回動する構成とし、前記ロボット(A)または前記ロボット(B)または前記ロボット(C)のアームの両端にそれぞれ前記把持部材を配しておけば、これら前記把持部材によって交互に成形品が把持されて取り出されるか、または、把持されたインサート部品が交互に供給されることとなる。また、例えば、前記ターンテーブル上に所定ピッチで前記固定側金型を3つ配しておき、前記ターンテーブルを120度回動させると前記回転軸が120度回動する構成とし、前記ロボット(A)または前記ロボット(B)または前記ロボット(C)に備わった3つのアームにそれぞれ前記把持部材を配しておけば、これら前記把持部材によって交互に成形品が把持されて取り出されるか、または、把持されたインサート部品が交互に供給されることとなる。
【0030】
本発明は、前記ロボットが複数配されており、これら前記ロボットによってインサート部品が供給され、かつ、成形品が取り出されることを特徴とする。
【0031】
本発明によれば、効率よくインサート成形することとなる。
【0032】
例えば、前記ターンテーブル上に所定ピッチで前記固定側金型を3つ配しておき、かつ、所定位置にインサート部品を供給するロボット(B)と成形品を取り出すロボット(A)をそれぞれ配しておき、前記ターンテーブルを120度回動させるとロボット(B)の回転軸(B)とロボット(A)の回転軸(A)がそれぞれ180度回動する構成とすれば、ロボット(B)によってインサート部品が供給され、かつ、ロボット(A)によって成形品が取り出されることとなる。例えば、前記ターンテーブル上に所定ピッチで前記固定側金型を3つ配しておき、かつ、所定位置にインサート部品を供給するロボット(B)と成形品を取り出すロボット(A)をそれぞれ配しておき、前記ターンテーブルを120度回動させるとロボット(B)の回転軸(B)とロボット(A)の回転軸(A)がそれぞれ120度回動する構成としてもよい。