特許第5760104号(P5760104)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ウンソン グローバル コーポレーションの特許一覧 ▶ イ、キ セの特許一覧

<>
  • 特許5760104-皮膚美容装置のチップ構造 図000002
  • 特許5760104-皮膚美容装置のチップ構造 図000003
  • 特許5760104-皮膚美容装置のチップ構造 図000004
  • 特許5760104-皮膚美容装置のチップ構造 図000005
  • 特許5760104-皮膚美容装置のチップ構造 図000006
  • 特許5760104-皮膚美容装置のチップ構造 図000007
  • 特許5760104-皮膚美容装置のチップ構造 図000008
  • 特許5760104-皮膚美容装置のチップ構造 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5760104
(24)【登録日】2015年6月12日
(45)【発行日】2015年8月5日
(54)【発明の名称】皮膚美容装置のチップ構造
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/06 20060101AFI20150716BHJP
   A61N 1/32 20060101ALI20150716BHJP
【FI】
   A61N1/06
   A61N1/32
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-33571(P2014-33571)
(22)【出願日】2014年2月25日
(65)【公開番号】特開2014-184138(P2014-184138A)
(43)【公開日】2014年10月2日
【審査請求日】2014年2月25日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0030892
(32)【優先日】2013年3月22日
(33)【優先権主張国】KR
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514048017
【氏名又は名称】ウンソン グローバル コーポレーション
(73)【特許権者】
【識別番号】514048028
【氏名又は名称】イ、キ セ
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】イ、キ セ
【審査官】 森林 宏和
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/110996(WO,A2)
【文献】 実開昭55−075341(JP,U)
【文献】 実開昭55−025018(JP,U)
【文献】 実開平07−022753(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3119267(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0202048(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0179531(US,A1)
【文献】 特表2014−507224(JP,A)
【文献】 特表2009−539550(JP,A)
【文献】 実開昭60−005613(JP,U)
【文献】 実開昭60−005614(JP,U)
【文献】 特開2003−000731(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 1/00 − 1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁体製のチップケースの先端部位に電極付き基材が取り付けられて、その電極を介して皮膚に高周波エネルギーを供給して皮膚を飾る皮膚美容装置であって、
前記チップケースは前方部の先端部位に、メッキによる一つの第2電極を備え、
前記基材は、前記チップケースの前方部の先端部位に取り付けられた表面が平らであると共に、周縁部を除く領域に一つの第1電極を備え、
前記基材を前記チップケースの先端部に取り付けることによって、前記チップケースの先端部位の周縁部から外側部まで環状の第2電極が延設されると共に、その第2電極の内側に環状の絶縁が配設され、その環状の絶縁の内側に第1電極が配設される
ことを特徴とする皮膚美容装置のチップ構造。
【請求項2】
前記第2電極は、チップケースの全体がメッキされて形成された
請求項1に記載の皮膚美容装置のチップ構造。
【請求項3】
前記第2電極は、チップケースの全体がメッキされた後にチップケースの外周に沿ってメッキ部位をカットしてメッキされた領域を分離させた
請求項1に記載の皮膚美容装置のチップ構造。
【請求項4】
前記基材は、上面に第1電極が配備され、下面は第2電極と電気的に接続されるように構成された
請求項1に記載の皮膚美容装置のチップ構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚美容装置に係り、特に、高周波を皮膚に伝えるチップの胴体に第2電極を形成して限られた空間において第1及び第2電極の広い接触面積を実現できるようにした皮膚美容装置のチップ構造に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚美容と再生の方案として、コラーゲンの再成長を促すことにより効果を得ることが考えられるが、このような方案として、非侵襲法が挙げられる。
【0003】
非侵襲法は、RF高周波を皮膚に照射して真皮層を加熱することにより上昇した真皮層の温度によってコラーゲンの生成が促される方法であり、単極性または両極性の電極を有するチップを用いて皮膚に高周波を照射する。
【0004】
かような従来のチップは、例えば、下記の特許文献1の背景技術の欄に記載されている。同文献の図1に示すように、従来のチップは、プラスチック製のチップの胴体1の前方部の先端面には1枚のプリント回路基板(PCB)の上に多数の(+)電極6が格子状に所定の間隔置きに設けられており、前記(+)電極6の外周に沿って(−)電極2、3、4、5が設けられているような構造を有する。
【0005】
このため、(+)電極6と(−)電極2、3、4、5との間には皮膚を介して高周波が流れて真皮層に高周波を供給することができる。
【0006】
ところが、従来のチップは、その(+)電極6と(−)電極2、3、4が限られた領域の胴体1の先端部に密集して形成されることにより、電極の面が非常に狭くて皮膚に密着できず、一部のみが接触された場合にはその接触された部位に電流の偏り現象が生じて過度な電流が流れるため皮膚組織を損傷させてしまうという問題点が発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】大韓民国登録特許第10−1065651号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は従来のこのような問題点を解決するために案出されたものであり、その目的は、チップケースの先端部位に取り付けられるPCB、フレキシブルプリント回路基板(FPCB)などの基材上または導電体などに第1電極を形成し、チップケースの先端周辺部に第2電極を形成することにより、広い電極面積を提供できるようにした皮膚美容装置のチップ構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するための本発明の皮膚美容装置のチップ構造は、チップケースの先端部位に電極付き基材が取り付けられてその電極を介して皮膚に高周波エネルギーを供給して皮膚を飾る皮膚美容装置において、前記チップケースの前方部の先端部位に取り付けられる基材に第1電極を形成し、前記チップケースの先端部位の周縁部を含む部位には第2電極が形成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
このような構成を有する本発明は、チップケースに第2電極を形成し、チップケースの先端に第1電極付き基材を取り付けることにより、従来のチップの大きさと同じであっても広い電極面積が形成され、これにより皮膚接触面積が増大されて電流の偏り現象なしに円滑に高周波を印加することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】従来の皮膚美容装置のチップ構造を示す斜視図
図2】本発明によるチップ構造を示す斜視図
図3】チップケースの形状を示す斜視図
図4】チップケースの第2電極が形成された状態を示す斜視図
図5】本発明の他の実施形態を示す斜視図
図6】本発明のさらに他の実施形態を示す斜視図
図7】本発明のさらに他の実施形態を示す正面図
図8】本発明のさらに他の実施形態を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面に基づき、本発明による皮膚美容装置のチップ構造について詳細に説明する。
【0013】
図2は、本発明によるチップの外観構造を示す図であり、プラスチックなどの絶縁体製のチップケース100の先端部に第1電極210付き基材200が取り付けられ、前記チップケース100の先端部位の外周、すなわち、基材200を載置するチップケース100の周縁部にはメッキによって第2電極110が形成される。
【0014】
このとき、基材200としては、PCB、FPCBなどを用いることができ、第1電極210は基材200の周縁部を除く領域に設けられて、チップケース100に配備された第2電極110から離れて形成されることにより、基材200の周縁部によって絶縁された状態である。
【0015】
このような第2電極110はチップケース100の前方部の外側部位まで延設されることにより、広くて安定した接触面積を有することができる。
【0016】
図3は、基材200が取り付けられておらず、且つ、まだメッキが行われていない状態のチップケース100を示す図であり、プラスチック射出物から形成され、基材200が取り付けられる前に、図4に示すように、チップケース100の前方部位、すなわち、第2電極110を形成する部位をメッキ液に浸漬して先端部位、内側、外側にメッキを施すことにより第2電極110を形成する。
【0017】
次いで、第2電極110付きチップケース110に、図2に示すように、第1電極210付き基材200を載置して固定することにより、皮膚美容装置のチップが完成される。
【0018】
このとき、前記基材200は板状を呈し、上面に第1電極210が形成され、下面には接続端子が配備されてチップケース100に形成された第2電極110と電気的に接続されることにより、一つの基材によって第1電極210と第2電極110がそれぞれの端子と接続される構造を有する。
【0019】
一方、図5は、本発明の他の実施形態を示す図であり、チップケース100のメッキ液に完全に浸漬して内側及び外側の両方にメッキを施した場合を示す図であり、この場合にも同様に、第2電極110がチップケース100の全体に形成されて広くて安定した接触面積を有することになる。
【0020】
図6は、本発明のさらに他の実施形態を示す図であり、図5でのようにチップケース100の全体にメッキを行った後、第2電極110として用いる前方部位と第2電極として用いない後方部位130とに画成したものであり、第2電極110として用いる前方部位と第2電極として用いない後方部位130との間に境界部位120を形成して互いに絶縁させることにより電気的に接続されないようにする。
【0021】
境界部位120は、レーザーまたは機械的加工によって境界部位120のメッキを除去することにょり形成される。
【0022】
他の方案として、チップケース100を二重射出によって形成することも考えられるが、第2電極110が形成される部位はメッキ用レジンによって射出成形し、後方部位130は非メッキ用レジンによって射出成形することにより、前記第2電極110が形成される部位のみをメッキによって伝導性を有するように形成することができる。
【0023】
この場合、境界部位120の前方部位のみを第2電極110として用いて第1電極210と対応する面積を形成することにより、安定的に高周波を供給することができ、後方部位130はたとえ第2電極として用いないが、チップの外観にメッキが施されることによりプラスチック射出物がそのまま露出された場合よりも優れた見栄えを有することができる。
【0024】
図7及び図8は、本発明のさらに他の実施形態を示す図であり、上下部が開放された筒体状のチップケース300の先端部位の外周縁部を含む外側部にメッキによって第2電極310が形成され、前記チップケース300には円柱状の胴体を有し、且つ、上面がドームまたは突出した曲面状に形成された硬質の第1電極320が取り付けられるが、前記チップケース300の内周に沿っては段付部330が形成され、第1電極320の外周に沿っては外側に突出した突出部321が形成されて第1電極320がチップケース300の上部から内側に嵌まり込みながら突出部321が段付部330に引っ掛かって載置される。
【0025】
このとき、第1電極320はそのドームまたは突出した曲面状の上面がチップケース300の先端よりも突出するように載置され、第1電極320のその外周がチップケース300の内周とは間隙340を生じるような大きさを有し、その間隙340は段付部330によって維持される。
【0026】
すなわち、前記突出部321の突出した幅よりも段付部330の突出した幅の方が広幅に形成されることにより、第1電極320とチップケース300の第2電極310付き部位が互いに間隙340によって離隔されて絶縁状態を維持し、必要に応じては、その間隙340に絶縁物質を充填してもよい。
【0027】
そして、第2電極320は、導電性を有する金属材であってもよく、あるいは、プラスチック製の基材の外側にメッキによって導電性を有する電極を形成してもよい。
【0028】
また、第1電極320は、上面の表面にはビニールや樹脂などによってコーティング層が形成されることにより、第1電極320が皮膚と直接的に接触することなくコーティング層を介して間接的に皮膚と接触することにより、皮膚が保護される。
【0029】
さらに、前記第2電極310は、上述した本発明の様々な実施形態として形成可能である。
【符号の説明】
【0030】
100:チップケース
110:第2電極
120:境界部位
130:後方部位
200:PCB
210:第1電極
図1
図2
図4
図8
図3
図5
図6
図7