【文献】
クイズマジックアカデミー7 マジックアカデミーガイド,月刊アルカディア,株式会社エンターブレイン,2010年 3月30日,第11巻 第5号,P.004,009-010,特に、P.009の「プレイヤー全員の合計した成績が目標値(ノルマ)を超えていればクリアとなるのだ。」等の記載を参照。
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の実施の形態に係るコンピュータは、記憶部と、課題提示部と、受付部と、行動情報取得部と、付与部とを備える。
上記記憶部は、ユーザの行動に係る複数の課題と、ユーザに付与される1以上の報酬と、を対応付けた課題情報を記憶する。
【0022】
ここで、ユーザの行動とは、センサなどの内部機器及び/又は外部機器により、ユーザの行動の内容を検出し、当該機器でその行動を定量的に測定可能な行動であって、例えば、歩行や走行などの水平方向の移動、スクワットなどの反復運動、階段の昇降などの鉛直(上下)方向の移動、及び睡眠などを含む。
【0023】
そして、ユーザの行動に係る課題とは、上記行動の内容に応じて課せられる課題であって、例えば、ユーザの行動を歩行とした場合の課題であれば「X歩、歩く」、ユーザの行動を走行とした場合の課題であれば「X時間走る」、ユーザの行動をスクワットとした場合の課題であれば「X回スクワットを実行する」、ユーザの行動を睡眠とした場合の課題であれば「X時間睡眠をとる」などの課題を含み、さらに、これらの組み合わせや、時間的要素(所定期間内の実行回数を定めるなどの時間的要素)を加味した課題も含んでよい。
課題は、下記実施の形態においては、ミッションが該当する。
また、課題情報は、下記実施の形態においては、ミッション情報400が該当する。
【0024】
ユーザに付与される報酬とは、対応付けられた課題をユーザが達成することにより当該ユーザに与えられる報酬を示す情報であって、例えば、ゲームを進行させるための情報であったり、ユーザにとって興味のある画像情報であったり、他のゲームをプレイするためのポイントであったりと、ユーザにとってなんらかの形で得になると思われるものであればどのようなものであってもよい。
上記記憶部は、下記実施の形態においては、記憶部120が該当する。
上記課題提示部は、上記記憶部に記憶されている課題情報を参照して、複数の課題を提示するものである。
ここで提示する複数の課題は、課題情報に含まれる二以上の課題であって、ユーザが課題の内容を視認可能なように提示される。
上記提示部は、下記実施の形態においては、提示部131が該当する。
【0025】
上記受付部は、複数の課題のうち、自動的に又はユーザの選択に応じて、達成する課題を受け付ける。ここで、受付部は、上記コンピュータに付属する入力装置に対する入力によって特定される課題を受け付けることとしてもよいし、上記コンピュータと通信可能な他の機器において、ユーザが当該他の機器に対して課題を選択する入力を行い、通信によりその課題に係る情報を受信することによりユーザにより選択された課題を受け付けることとしてもよい。
上記受付部は、下記実施の形態においては、受付部132が該当する。
上記行動情報取得部は、ユーザの行動に係る複数の行動情報をそれぞれ取得する。
【0026】
ここで、ユーザの行動に係る複数の行動情報とは、ユーザの行動により得られる情報であって、行動の内容を特定する情報と、その行動をいつ実行したのかを特定する時間の情報とを含む。行動情報取得部は、例えば、ユーザが各種のセンサを備えたウェアラブル端末を装着し、なんらかの行動をすることにより当該センサにより計測される情報と、その情報を計測した日時情報とを、当該ウェアラブル端末から通信により取得することで実現できる。
行動情報取得部は、下記実施の形態においては、取得部133が該当する。
上記付与部は、複数の行動情報と課題情報とに基づき、受け付けられた課題の達成状況に応じて、当該課題に対応する報酬を付与する。
【0027】
ここで、報酬を付与するとは、ゲームにおけるユーザが保持するデータとして、報酬として示されているデータをユーザが使用(閲覧)可能なように対応づけることとしてもよいし、物品を直接ユーザに与えることであってもよい。
以下、本発明の実施の形態に係るゲームプログラム、コンピュータの制御方法、および、コンピュータについて、図面を参照しながら、詳細に説明する。
<実施の形態>
<概要>
図1は、本実施の形態に係るシステムのシステム構成例を示すシステム図である。
【0028】
本システムは、ユーザの行動情報(以下、主としてユーザの運動に係る情報であるので、運動情報と呼称する)を得て、当該運動情報に基づいて進行を処理するゲームを実行するためのシステムである。
【0029】
本実施の形態においては、サーバ100は、各ユーザにゲームを提供する。ユーザは情報処理装置200を用いてサーバ100にアクセスし、ゲームをプレイする。当該ゲームは、ユーザの運動情報をゲーム進行のためのリソースとして用いるものであって、課題を提示されて当該課題を達成していくミッションクリア型のゲームである。
【0030】
本実施の形態においては、ユーザは、まず、サーバ100から提供されたゲーム画面で、実行するミッションを選択する。そして、ミッションに関連する運動を行ったユーザは、自身の運動情報を、情報処理装置200を用いて、ネットワーク600を介してサーバ100にアップロードする。サーバ100はアップロードされたユーザの運動情報を用いてミッション(課題)が達成できているか否かを判定し、達成できている場合には、ユーザに報酬を付与する。
【0031】
本システムでは、ユーザが実行した運動を特定するために、ユーザが装着するウェアラブル端末300を用いる。ウェアラブル端末300は、ユーザに装着されている場合に、ユーザの運動情報(運動情報はユーザの身体の状態又は身体の周囲状況を示す情報と言え、脈拍、体温、加速度、位置情報、高度情報、気温情報、気圧情報およびそれらの情報を取得した時間に関する情報の一部又は全部を含む)を逐次取得し、内部メモリに記録する機能を有する。近年、このような運動情報を取得できるウェアラブル端末は広範に知られるようになっており、ウェアラブル端末300としてはそれらを利用すればよい。ウェアラブル端末300は、一例として、温度センサや、脈拍センサ、加速度センサなどを備えて、これら各種センサの働きによりユーザの運動情報を得る。
【0032】
本システムに係るゲームにおいては、ミッションとして様々なタイプの運動に係る課題が設定されることで、ユーザに飽きを来さない興趣性の高いゲームを提供することができる。
以下、図面を参照しながら詳細に説明する。
<構成>
本実施の形態においては、サーバ100が各情報処理装置200にゲーム画面を提供するウェブアプリケーションである場合について説明する。
図2は、サーバ100の機能構成例を示すブロック図である。
サーバ100は、下記に示す処理を実行するゲームプログラムを実行可能な情報処理装置である。
図2に示すように、サーバ100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とから構成される。
通信部110は、制御部130からの指示にしたがって、ネットワーク600を介して情報処理装置200と通信を実行する機能を有する。
【0033】
記憶部120は、サーバ100が動作するうえで必要とする各種プログラムやデータを記憶、保持する機能を有する。記憶部120は、ユーザの行動に係る複数の課題と、ユーザに付与される1以上の報酬と、を対応付けた課題情報としてミッション情報400を記憶する。記憶部120は、本実施の形態に係るゲームプログラムおよび当該ゲームプログラムを運用するうえで必要とする各種データ(例えば、表示データや、アイテム情報、ゲームにログインするためのユーザIDおよびパスワード、ユーザに関して対応付けられているゲームに係る各種データなど)、ミッション情報400、ミッション実行情報500を記憶している。ミッション情報400は、ミッションに関する情報を保持するものであり、その詳細については、後述する。ミッション実行情報500は、ユーザが実行しているミッション情報を示すものであり、その詳細については、後述する。
【0034】
記憶部120は、典型的には、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリなど各種の記録媒体により実現される。
【0035】
制御部130は、サーバ100の各部を制御するプロセッサである。制御部130は、記憶部120に記憶されているゲームプログラムを読み出して実行することで、本実施の形態に係るゲームをユーザに提供する。
制御部130は、提示部131と、受付部132と、取得部133と、判定部134と、付与部135と、設定部136とを含む。
【0036】
提示部131は、通信部110を介して情報処理装置200からゲームの開始を受け付けた場合に、ゲームを実行する際の、ミッション選択画面(
図8参照)に係る表示データを生成し、通信部110を介して情報処理装置200に送信する機能を有する。また、提示部131は、ミッションの詳細内容を示すミッション詳細画面(
図9参照)に係る表示データを生成し、通信部110を介して情報処理装置200に送信する機能を有する。また、提示部131は、ユーザがミッションの実行を選択した場合に、選択したミッションIDと当該ユーザのユーザIDとを対応付けて記憶部120に登録する。また、提示部131は、ユーザが協同ミッションを選択した場合には、協同ミッション管理情報510も記憶部120に登録する。協同ミッション管理情報510の詳細については、後述する。
【0037】
受付部132は、通信部110を介して、ユーザからのゲーム上における選択入力を受け付けて、提示部131に伝達する機能を有する。ここで、選択入力の種別には、ミッション選択画面の表示の選択、ミッション詳細画面の表示の選択、ミッションの実行の選択などが含まれる。また、受付部132は、ユーザからゲームのミッションの報酬となり得る情報を受け付けて、設定部136に伝達する機能も有する。
【0038】
取得部133は、通信部110を介して、ユーザの運動情報を取得する機能を有する。取得部133は、通信部110において情報処理装置200から送信されたユーザの運動情報が受信されると、当該受信された運動情報を取得する。取得部133は、取得した運動情報を判定部134に伝達する。ここで、運動情報は、上述したとおり、ユーザの血圧、体温や、その時のユーザの動作に応じてユーザが装着したウェアラブル端末300が計測した加速度、それぞれの情報を計測した日時情報を含む。
【0039】
判定部134は、記憶部120に記憶されているミッション情報400およびミッション実行情報500を参照して、取得部133から伝達された運動情報を用いてユーザが実行しているミッションの課題をクリアできているか否かを判定する機能を有する。その際に、判定部134は、当該判定のために課題をクリアできているか否かを判定するための閾値と比較するために受信した運動情報を定量化することによって、ミッションの課題をクリアしたか否かを判定する。ここで、定量化とは、ミッションの課題をクリアできているか否かを判定するためにミッションの課題として設定されている閾値と比較できるように運動情報を数値化することをいい、例えば、課題が歩行に関するものであれば、加速度情報の変化等に基づいて歩数を算出することを含む。また例えば、課題が階段の昇降に関するものであれば、加速度情報の及び気圧の変化等に基づいて、昇降した段数を算出することを含む。また例えば、課題が睡眠に関するものであれば、加速度情報の変化、脈拍感覚の変化、及び日時情報等に基づいて睡眠時間を算出することを含む。また例えば、課題が時間的要素を含む場合には、課題に係る運動を実行している期間を特定し、その時間を算出することを含む。判定部134は、ミッションの課題に関連する運動情報の種類を予め記憶しており、ユーザが選択した課題に対応する種類の運動情報を、受信した運動情報の中から特定して、定量化する。そして、判定部134は、定量化して得られた数値と、課題として設定されている閾値とを比較して、数値が当該閾値を上回っている場合に、ミッションの課題をクリアしていると判定する。また、判定部134は、ミッションが後述する「度合型」の場合には、ミッションの課題として設定されている閾値のいずれを超えているかを判定する。
判定部134は、判定の結果を付与部135に通知する。ミッションをクリアできたか否かの判定方法の更なる詳細については後述する。
【0040】
付与部135は、判定部134から伝達された判定結果に応じ、ミッション情報400を参照して、ユーザに報酬を付与する機能を有する。付与部135は、ミッションが「度合型」の場合には、判定部134から伝達された達成できているクリアレベル(閾値)に応じた報酬を付与する。また、付与部135は、ミッションが「度合型」でない場合には、判定部134からミッションをクリアできていると通知された場合にはミッションに対応する報酬を付与する。本実施の形態においては、報酬を付与するとは、ユーザIDに、ミッション情報400の報酬409で示される報酬(データ)を対応付けることをいい、また、報酬が画像情報の場合には、対応付けとともに、当該画像情報をユーザの情報処理装置200に通信部110を介して送信し、表示させることをいう。
【0041】
設定部136は、受付部132からミッションの報酬となり得る情報を受け付けた場合に、受け付けた情報が報酬となり得るかどうかを判定して、なり得ると判定した場合に、受け付けた情報を報酬としてミッションに対応付けて設定する機能を有する。
以上が、サーバ100の構成である。
次に、情報処理装置200の構成を説明する。
図3は、情報処理装置200の機能構成例を示すブロック図である。
【0042】
情報処理装置(コンピュータ)200は、以下で説明する処理を実行可能な情報処理装置であり、具体的には、例えば、携帯端末、スマートフォン、タブレット端末、家庭用ゲーム機、携帯電話、パーソナルコンピュータなどにより実現される。なお、本実施の形態に係るゲームプログラムは、ディスプレイ(表示部)と、タッチ入力を検知可能な入力面と、メモリと、当該メモリに格納された1つ又は複数のプログラムを実行可能な、1つ又は複数のプロセッサとを備えた、マルチファンクションデバイス(例えば、スマートフォンなど)において、特に好適に実行され得る。
【0043】
図3に示すように、情報処理装置200は、入力部210と、通信部220と、記憶部230と、接続部240と、制御部250と、表示部260とから構成される。
入力部210は、ユーザからの入力を受け付けて、制御部250の情報処理部251に伝達する機能を有する。
通信部220は、ネットワーク600を介してサーバ100と通信を実行する機能を有する。
【0044】
記憶部230は、情報処理装置200が動作するうえで必要とする各種プログラム、データを記憶する機能を有する。記憶部230は、典型的には、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリなど各種の記録媒体により実現される。また、記憶部230は、必要に応じて、本実施の形態に係るゲームプログラムに関するデータを記憶してもよい。
【0045】
接続部240は、ウェアラブル端末300を接続する機能を有する接続端子(インターフェース)である。接続部240は、ウェアラブル端末300の接続を検出すると、ウェアラブル端末300が接続されたことを制御部250に通知する。なお、ウェアラブル端末300が接続されたことの検出は従来技術を流用すればよいが、例えば、接続部240の接続端子の電圧変化を検出することにより実行することができる。
【0046】
制御部250は、情報処理装置200の各部を制御する機能を有するプロセッサである。制御部250は、記憶部230に記録されているプログラムを読み出して実行し、記憶部230に記憶されているデータを用いて当該制御を実行する。
制御部250は、情報処理部251と、取得部252と、表示処理部253とを含む。
【0047】
情報処理部251は、入力部210から入力された入力位置に基づいて、ゲーム上で選択された実行すべき内容(ミッション選択画面の表示要求、ミッション詳細画面の表示要求、ミッションの選択など)を、入力部210から伝達された入力位置と表示している表示データの表示位置とから特定し、特定した入力内容を通信部220を介してサーバ100に送信する機能を有する。また、情報処理部251は、取得部252から運動情報を伝達されると、ユーザIDと当該運動情報を通信部220を介してサーバ100に送信する機能も有する。そして、情報処理部251は、サーバ100から伝達された表示データを通信部110から伝達された場合には、当該表示データを表示処理部253に伝達する。
【0048】
取得部252は、接続部240からウェアラブル端末300の接続検出の通知を受け付けると、接続部240を介してウェアラブル端末300が保持している運動情報を読み出して、情報処理部251に伝達する機能を有する。
表示処理部253は、情報処理部251に指示された表示データを表示部260のフレームバッファに書き込む機能を有する。
【0049】
表示部260は、制御部250から伝達された表示データを表示する機能を有するモニターである。表示部260は、表示処理部253により書き込まれたフレームバッファの表示データを表示する。
以上が情報処理装置200の構成である。
ウェアラブル端末300は、備えられている各種センサを用いて、ユーザの運動情報を逐次取得する機能を有する。
【0050】
また、ウェアラブル端末300は、情報処理装置200に接続するための接続端子を有し、当該接続端子を情報処理装置200の接続部240に接続することで、情報処理装置200にユーザの運動情報を送信する。
<データ>
本実施の形態に係るゲームプログラムにおいて利用される各種情報について説明する。
図4は、各ミッションに関するミッション情報のデータ構成例を示すデータ概念図である。
【0051】
図4に示すように、ミッション情報400は、ミッションID401と、場所402と、ミッション種別403と、報酬種別404と、提示情報405と、ミッション内容406と、クリア日時407と、クリアレベル408と、報酬409とが対応付けられた情報である。
【0052】
ミッションID401は、サーバ100や情報処理装置200が、各ミッションを区別可能なように付与されたゲーム上の固有の識別情報であって、ミッションを特定するための情報である。ここでは、ミッションIDとして、ミッション番号を用いているが、ミッションに固有のミッション名を付与し、ミッション名をミッションIDとして用いることとしてもよいし、数字以外の文字や記号を用いてもよい。
【0053】
場所402は、ミッションが対応付けられたゲーム上の場所であり、
図4においては地名を表示している。本実施の形態においては、場所402は、現実の場所にも対応する。場所402は、
図4には図示していないが、地名以外に、その位置情報(経度、緯度情報)を含む。各ミッションは場所402で示される場所に関連付けられ、ミッション選択画面(
図8参照)では、場所402で示される場所に対応するミッションが表示されることになる。
【0054】
ミッション種別403は、ミッションを単独ユーザで実行するものか、複数ユーザで実行するのかを識別するためのフラグである。
図4においては、単独ユーザで実行するミッションである場合には、「単独」と記載し、複数ユーザで実行するミッションである場合には、「協同」と記載している。
【0055】
報酬種別404は、ユーザがミッションを実行することによって得られる報酬について、どのような場合に報酬が付与されるのかを特定するための情報である。ここでは、ミッションを達成しきった場合にのみ報酬が付与される「完了型」、ミッションの最低限の基準を満たしたうえで、どれだけそのミッションを達成できたのかの度合によって報酬内容が変化する「度合型」、ミッションに係る運動情報に基づきユーザがミッションをクリアしたタイミング(日時)によって報酬内容が変化する「日時型」を一例として記載している。
【0056】
提示情報405は、ミッション詳細画面(
図9参照)において、ユーザに対して提示されるミッションの報酬に係る情報である。提示情報405は、ミッション詳細画面を表示する際に用いられる。
【0057】
ミッション内容406は、ミッション詳細画面(
図9参照)において、ユーザに対して提示されるミッションにおいて実際に実行すべき内容を示す情報である。ミッションの内容は多岐にわたり、その内容の詳細については、後述する。
【0058】
クリア日時407は、報酬種別404が「日時型」であるミッションにおいて、そのミッションをユーザがクリアしたタイミングを区別するための情報である。ミッションの報酬種別404が、「日時型」である場合に、そのユーザから運動情報に基づきミッションがクリアされた日時を分類するための時間帯が示される。また、ミッションの報酬種別404が「日時型」でない場合には、ミッションとしてクリア日時は関係ないものとしてここでは、「−」を示している。
【0059】
クリアレベル408は、ミッションの報酬種別404が「度合型」である場合に、その達成レベル(クリアレベル)を示す情報と、各レベルに応じて達成すべきミッションの内容に係る情報(ミッション達成のための閾値情報)とを含む。ここで、レベルとはミッションの困難性に応じて設けられて基準であり、数値化が可能なミッションにおいてのみ設定することが可能である。基本的に、各ミッションはレベル1が設定され、「度合型」である場合にのみ、各レベルに応じて困難性が増すごとにレベルの数値が上がるように設定している。また、レベルに応じ達成すべきミッションの内容に係る情報とは、ミッションを何らかの数値で限定できる場合に、その数値を変更して困難性を上げることができる情報であってその数値のことを指す。例えば、ミッションの内容が「X歩、歩こう!」というものであれば、ミッションのレベルが上がるごとにXの数値を増加させていけばよく、例えば、ミッションレベル1を1万歩、レベル2を2万歩、レベル3を3万歩というように設定する。あるいは、「期限内にX回Aという運動を実行しよう!」というミッションであれば、期限内にAという運動を実行する回数Xを増加させていってもよい。例えば、2週間以内に3回をレベル1、5回をレベル2、8回をレベル3、・・・というように設定すればよい。これらの数値は、ゲームを提供するオペレーターが任意に設定する。
報酬409は、そのミッションを達成したときに、ユーザに対して付与される報酬の内容を示す情報である。報酬の内容の詳細については後述する。
【0060】
図4の例では、例えば、ミッションID「M10128」のミッションは、場所として、「高尾山」が設定されており、ミッション選択画面では、高尾山付近に設定されるミッションであることがわかる。また、ミッションM10128は、ユーザ「単独」で実行するタイプのミッションであり、報酬はミッションを「完了」したときに付与される。そして、当該ミッションの提示情報として、「あなたの見たことがない景色が!」との文言がミッション詳細画面で提示され、報酬が高尾山の風景写真ではないか?との推測をユーザに促す文言になっている。そのミッション内容は、「2週間で5回ジョギングをしよう!」となっており、そのミッションが選択されてから、2週間で5回ジョギングを実行しなくてはならないことがわかる。クリア日時としての時間帯は設定されておらず、クリアレベルも1が設定されている。そして、ミッションM10128をクリアすると報酬として、当該ミッションをクリアしたユーザに、「画像A1」が付与される。ここで画像A1は、例えば、ミッションの場所として設定されている高尾山の頂上から撮影された画像である。あるいは、高尾山を撮影した画像であってもよい。このような画像を報酬として設定することで、ユーザが実際にその場所に行かずとも、ユーザはその場に行った臨場感を味わうことができる。
図5は、各ユーザの実行するミッションを示すミッション実行情報500のデータ構成例を示すデータ概念図である。
【0061】
ミッション実行情報500は、ユーザが実行しているミッションをサーバ100で管理するための情報である。
図5(a)に示すように、ミッション実行情報500は、ユーザID501と、ミッションID502とが対応付けられた情報である。
ユーザID501は、ゲームをプレイするユーザを識別するための識別情報である。
【0062】
ミッションID502は、ユーザが実行しているミッションを識別するための識別情報である。このミッションID502は、
図4におけるミッションID401に対応する。
サーバ100は、当該ミッション実行情報500を各ユーザごとに保持することにより、各ユーザが実行しているミッションを管理できる。
【0063】
また、異なるユーザが同じミッションを実行することも当然にあり得るが、
図5(b)に示すように、各ユーザごとに、実行しているミッションIDを対応付けて記憶することにより、誤ることなく管理することができる。
図5(c)は、サーバ100が管理する協同ミッション管理情報510のデータ構成例を示すデータ概念図である。
【0064】
協同ミッション管理情報510は、サーバ100がどのユーザがどの協同ミッションを実行しているのかを管理するための情報である。複数のグループが、同じ協同ミッションを別々に実行することもあり得るため、その状態を管理するためにサーバ100は協同ミッション管理情報510を記憶保持する。
<動作>
ここから、サーバ100の動作について説明する。
【0065】
図6は、ゲームを実行する際のサーバ100の動作例を示すフローチャートであって、あるミッションを実行するユーザがミッションを選択してから達成するまでにサーバ100が実行する処理を示すフローチャートである。
【0066】
図6に示すように、サーバ100の受付部132は、ユーザの情報処理装置200からゲームの開始要求を、通信部110を介して受け付ける。すると、受付部132は、当該要求を提示部131に伝達する。
【0067】
提示部131は、ゲームの開始画面の表示データを情報処理装置200に通信部110を介して送信する。これにより、情報処理装置200の表示処理部253により表示部260においてゲーム開始画面が表示される。
【0068】
通信部110は、ユーザからの入力を受信すると、受付部132に伝達する。受付部132は、伝達された入力内容を提示部131に伝達する。提示部131は、ユーザの情報処理装置200から送信された入力内容を解析して、実行する。
【0069】
ユーザからの入力が、ミッション選択画面(
図8参照)の表示を要求するものである場合には(ステップS601のYES)、提示部131は、記憶部120からミッション選択画面に係る画像データを読み出し、ミッション選択画面を構成する表示データを生成し、通信部110を介して、情報処理装置200に送信する(ステップS602)。これにより、情報処理装置200の表示部260には、ミッション選択画面が表示される。ユーザからミッション選択画面の表示を要求する入力を受け付けていない場合には(ステップS601のNO)、ステップS603に移行する。
【0070】
ユーザからの入力が、ミッション詳細画面(
図9参照)の表示を要求するものである場合には(ステップS603のYES)、提示部131は、記憶部120からミッション情報400とミッション詳細画面に係る画像データとを読み出し、ミッション詳細画面を構成する表示データを生成し、通信部110を介して、情報処理装置200に送信する(ステップS604)。これにより、情報処理装置200の表示部260には、ミッション詳細画面が表示される。ユーザからミッション詳細画面の表示を要求する入力を受け付けていない場合には(ステップS603のNO)、ステップS605に移行する。
【0071】
ユーザからの入力が、ミッション詳細画面において、ミッションの受諾入力である場合(
図9において、ボタン904へのタッチ入力又は入力デバイスを用いたカーソル移動による入力に対応)には(ステップS605のYES)、提示部131は、当該ユーザと選択したミッションとを対応付けたミッション実行情報(
図5参照)を生成し、記憶部120に記録する(ステップS606)。ユーザからミッションの受諾入力を受け付けていない場合には(ステップS605のNO)、ステップS601に移行する。
【0072】
その後に、サーバ100の通信部110は、ユーザの情報処理装置200から、ウェアラブル端末300に保持されていたユーザの運動情報を受信しているか否かを判断する(ステップS607)。
【0073】
通信部110は、運動情報を受信すると(ステップS607のYES)、取得部133は、通信部110から当該運動情報を取得し、判定部134に伝達する。運動情報を受信していない場合には(ステップS607のNO)、待機する。
【0074】
判定部134は、運動情報を送信したユーザに対応付けて登録されているミッションを特定し、その課題に対応する運動情報を特定する。そして、判定部134は、特定した運動情報を定量化する。判定部134は、定量化された運動情報と、課題として設定されている閾値と比較し、運動情報が当該閾値を超えているか否かを判定する。閾値が複数設定されている場合には、どの閾値を超えているかを特定する。当該判定により、判定部134は、ユーザがミッションの課題を達成(クリア)できているか否かを判定する(ステップS608)。
【0075】
ミッションを達成できている場合には(ステップS608のYES)、達成したミッションに対応付けられている報酬を、ミッションを実行したユーザに付与して(ステップS609)、終了する。
【0076】
ミッションを達成できていない場合には(ステップS608のNO)、提示部131は、情報処理装置200から通信部110がミッション解除の通知を受けているか否かを判定する(ステップS610)。ここで、ミッション解除は、ユーザがミッションの達成(クリア)を諦めたことを意味する。
【0077】
ユーザからミッション解除の通知を受け付けている場合には(ステップS610のYES)、提示部131は、ユーザに対応するミッション実行情報を削除することで、当該ユーザについてのミッションの登録を解除し、終了する。
ミッション解除の通知を受け付けていない場合には(ステップS610のNO)、ステップS607に戻る。
以上が、ミッションに係るサーバ100の動作である。
図7は、サーバ100がユーザから報酬となり得るデータを受信した場合の動作例を示すフローチャートである。
図7に示すように、サーバ100の通信部110は、ユーザからゲームの報酬となり得るデータとして、撮影場所を示す位置情報を付与された写真のデータを受信する(ステップS701)。
【0078】
写真のデータを受信すると通信部110は、当該写真のデータを受付部132に伝達する。受付部132は、ユーザの操作入力ではなく、写真のデータを伝達されたので、当該データを設定部136に伝達する。
設定部136は、伝達された写真のデータから位置情報を抽出する(ステップS702)。
【0079】
設定部136は、抽出した位置情報から所定範囲内に、ミッション情報400の場所402に示される場所のいずれかが含まれるか否かを判定する(ステップS703)。
【0080】
設定部136は、抽出した位置情報から所定範囲内に、ミッション情報400の場所402のいずれかが含まれると判定した場合には(ステップS703のYES)、その場所が複数あるか否かを判定する(ステップS704)。
複数ある場合には(ステップS704のYES)、抽出した位置情報に最も近い場所を特定する(ステップS705)。複数ない場合には(ステップS704のNO)、ステップS706に移行する。
【0081】
そして、設定部136は、ステップS704、S704において特定された場所に対応するミッションの報酬409として、ユーザから受け付けた写真データを追加登録する(ステップS706)。
抽出した位置情報から所定範囲内に、ミッション情報400の場所402のいずれも含まれないと判定した場合には(ステップS703のNO)、受け付けた写真はミッションの報酬として適格ではないことになるため、処理を終了する。
【0082】
これにより、ミッションに対する報酬が増加することになり、ミッションを繰り返し実行するためのユーザのモチベーションの向上という効果を奏することができる。
<画面例>
図8は、ゲームを実行する際に表示されるミッション選択画面800の表示画面例である。
【0083】
図8に示されるように、ミッション選択画面800には、ゲームにおいて用いられるゲームフィールドを示す地図が表示され、各場所に対応付けられたミッションを選択できる場所のサムネイル画像が表示される。
【0084】
そして、情報処理装置200の表示部に表示されたミッション選択画面のサムネイル画像のいずれかにユーザがタッチした場合に、その場所のミッション詳細画面が表示される。
図9は、そのミッション詳細画面900の一画面例である。
【0085】
図9に示すようにミッション詳細画面900では、サムネイル画像表示領域901に、ミッションとして選択された場所のサムネイル画像が表示され、ミッション内容表示領域902にミッションとして実行すべき情報が表示される。当該実行すべき情報は、
図4に示したミッション内容406に基づく。実行問い合わせ表示領域903には、ユーザに対して、表示しているミッションの問い合わせを行う文章が表示される。これに対して、ユーザは、ミッションを実行する場合には、ボタン904をタッチし、実行しない場合には、ボタン905をタッチする。ボタン904をタッチ、すなわち、ミッション実行を選択した場合には、提示部131によりミッション実行情報が生成、登録され、そこから、運動情報に基づく、ミッションを実行したか否かの判定を行うことになる。ボタン905をタッチ、すなわち、ミッションを実行しないことを選択した場合には、ミッション選択画面800に戻る。
【0086】
また、報酬ヒント表示領域906には、ミッションの報酬に関する情報(どのような報酬が得られるかの情報)が表示される。報酬ヒント表示領域906には、
図4における提示情報405の文言が用いられる。
<ミッション例と各ミッションにおけるクリアの判定について>
【0087】
ここで、ミッションの課題として有り得るいくつかの態様と、その場合の運動情報を用いたミッションをユーザがクリアしたか否かの判定手法について説明する。
(I)歩く
【0088】
ミッションの一態様としては、「歩く」ことを課題としてよい。ミッションの課題が「歩く」である場合に、ミッションの判定対象となるのは、歩数や歩行時間が有り得る。例えば、「X歩、歩く」や「X分、歩く」というようにミッションを設定することができ、この場合、判定部134は、ユーザの運動情報で特定される歩数や歩行時間が当該Xを満たしているか否かをミッションの成否の判定に用いる。すなわち、ここではXが閾値となる。
【0089】
なお、運動情報に基づいて歩行を実行したかどうかの判定には、従来の歩数計や歩数計などと呼称される機器と同様の手法を用いればよい。具体的には運動情報に含まれる加速度の時間的変化から歩行を実行しているか否かを判定する。
【0090】
当該判定を実現するために、記憶部120は、歩行の際の加速度の時間的変化に関する関数を予め保持している。当該関数は、複数人が実際に歩行した際の加速度の時間的変化を計測して得られる関数を、そのまま基準関数として記憶することとしてもよいし、得られた複数人分の関数の平均関数を算出し、当該平均関数を基準関数として記憶しておくこととしてもよい。判定部134は、ユーザが情報処理装置200を用いてアップロードした運動情報に含まれる加速度から、その時間的変化を示すユーザ関数を生成する。そして、判定部134は、基準関数とユーザ関数の相関値を算出する。当該相関値が予め定めた閾値よりも高い場合にユーザは歩行を実行していると判定する。歩行運動は、一定の繰り返し運動になっており、その繰り返しの周期を歩数としてカウント(定量化)することができ、また、当該繰り返し運動を実行している間を歩行期間としての時間を算出することができる。判定部134は、このようにして歩数をカウント、または、歩行時間を算出し、算出した歩数または時間がミッションの課題を満たしているか否かを判定する。
(II)走る
【0091】
ミッションの別の一態様としては、「走る」ことを課題としてよい。ミッションの課題が「走る」である場合に、ミッションの判定対象となるのは、歩数や走行時間が有り得る。例えば、「X歩、走る」や「X分、走る」というようにミッションを設定することができ、この場合、判定部134は、ユーザの運動情報で特定される歩数や走行時間が当該Xを満たしているか否かをミッションの成否の判定に用いる。すなわち、ここではXが閾値となる。
【0092】
走行の判定については、歩行の場合と同様の手法を用いることができる。すなわち、記憶部120に予め走行の基準関数を記憶しておく。そして、判定部134は、ユーザ関数と当該走行の基準関数との相関値を算出することで、走行したかどうか、そして走行している場合の歩数や、走行時間を算出することができる。それにより、ミッションの課題を満たしているか否かの判定を実行できる。
なお、歩行と走行とをさらに区別するには、単位時間当たりの移動距離を用いて、歩行か走行かを判定すればよい。
(III)スクワット
【0093】
ミッションの別の一態様としては、「スクワット」を課題としてよい。ミッションの課題が「スクワット」である場合に、ミッションの判定対象となるのは、歩数や走行時間が有り得る。例えば、「X回、スクワットを行う」や「X分、スクワットを行う」というようにミッションを設定することができ、この場合、判定部134は、ユーザの運動情報で特定される歩数や走行時間が当該Xを満たしているか否かをミッションの成否の判定に用いる。すなわち、ここではXが閾値となる。
【0094】
スクワットの判定については、歩行の場合と同様の手法を用いることができる。すなわち、記憶部120に予めスクワットの基準関数を記憶しておく。そして、判定部134は、ユーザ関数と当該スクワットの基準関数との相関値を算出することで、スクワットを実行したかどうか、そしてスクワットを実行している場合の回数、実行時間を算出することができる。それにより、ミッションの課題を満たしているか否かの判定を実行できる。スクワットも、反復運動の一種であるため、加速度の時間的変化から実行回数をカウントしやすい運動である。
(IV)階段を昇り降りする
【0095】
ミッションの別の一態様としては、「階段を昇る(降りる)」ことを課題としてよい。ミッションの課題が「階段の昇降」である場合に、ミッションの判定対象となるのは、昇り降りした段数や昇り降りに要した時間が有り得る。例えば、「X段、階段を昇る」、「X段、階段を降りる」や「X分、階段を昇り降りする」というようにミッションを設定することができ、この場合、判定部134は、ユーザの運動情報で特定される歩数や走行時間が当該Xを満たしているか否かをミッションの成否の判定に用いる。すなわち、ここではXが閾値となる。
【0096】
階段の昇降の判定については、歩行の場合と同様の手法を用いることができる。すなわち、記憶部120に予め階段の昇降に関する基準関数を記憶しておく。そして、判定部134は、ユーザ関数と当該階段の昇降の基準関数との相関値を算出することで、階段を昇降したかどうか、そして階段を昇降している場合の段数、実行時間を算出することができる。それにより、ミッションの課題を満たしているか否かの判定を実行できる。階段の昇降も、反復運動の一種であるため、加速度の時間的変化から昇り降りした段数もカウント(定量化)しやすい運動である。
【0097】
なお、階段の昇降については、更に、ウェアラブル端末300に高度計を備えて、運動情報に高度計から得られる高度情報を含ませることで、サーバ100は、当該高度情報を用いてユーザが実際に昇り降りしたかの検証に用いてもよい。
(V)カロリー消費
【0098】
ミッションの別の一態様としては、「カロリー消費」を課題としてよい。カロリー消費は厳密には運動ではないが、運動を行うことで、カロリーを消費することは一般に知られている。そこで、ミッションとして、「Xカロリー消費する」ことを課題としてもよい。すなわち、ここではXが閾値となる。
【0099】
ミッションの課題が「カロリー消費」である場合には、判定部134は、ユーザの運動情報に基づき、ユーザが実行した運動の種類を特定する。記憶部120は、予め各運動について、加速度の時間的変化を示す基準関数と、各運動を実行した場合の単位時間当たりのカロリー消費量を記憶する。そして、ユーザの運動情報に基づく加速度の時間的変化を示すユーザ関数と、各基準関数との相関をとる。そして、もっとも相関値の高い基準関数に対応する運動をユーザは実行したと判定する。判定部134は、当該運動を実行していた時間を運動情報に含まれる日時情報から特定し、これに特定した運動に対して対応付けて記憶されている単位時間当たりのカロリー消費量を乗じることによって、カロリー消費量の推定値を算出する。判定部134は、算出して得られたカロリー消費量の推定値が、ミッションの課題で設定されたXを満たしているか否かをミッションの成否の判定に用いる。
(VI)睡眠
【0100】
ミッションの別の一態様としては、「睡眠」を課題としてよい。人として運動を行うことは重要であるが、それと同様に睡眠をとることも重要であり、また、ウェアラブル端末300の脈拍センサを用いれば、睡眠を検出できることから、ミッションの一態様として、「睡眠」を取り入れてよい。ミッションの課題が「睡眠」である場合に、ミッションの判定対象となるのは、睡眠時間である。例えば、「X時間、睡眠をとる」というようにミッションを設定することができ、この場合、判定部134は、ユーザの運動情報の脈拍センサの計測値で特定される睡眠時間が当該Xを満たしているか否かをミッションの成否の判定に用いる。すなわち、ここではXが閾値となる。
【0101】
また、レム睡眠やノンレム睡眠を用いたミッションを設定することとしてもよい。近年の研究により、レム睡眠時とノンレム睡眠時では、人の挙動が異なることから、例えば、加速度情報を用いて、睡眠の状態がレム睡眠とノンレム睡眠とのいずれかであるかを特定し、ミッションに利用することとしてもよい。
(VII)移動距離
【0102】
ミッションの別の一態様としては、「移動距離」を課題としてよい。ミッションの課題が「移動距離」である場合に、ミッションの判定対象となるのは、ユーザがミッションを受領してから移動した距離が有り得る。例えば、「Xkm移動する」というようにミッションを設定することができ、この場合、判定部134は、ユーザの運動情報で特定される位置情報に基づき、移動距離を算出して、算出した移動距離が当該Xを満たしているか否かをミッションの成否の判定に用いる。すなわち、ここではXが閾値となる。
【0103】
なお、ここに挙げたミッションの具体例は一例に過ぎない。ユーザの運動情報から特定できる他の運動があれば、その運動を絡めたミッションを本ゲームに係るミッションとして用いてもよいことは言うまでもない。そのほかの運動としては例えば、懸垂、反復横跳び、ダンベルの上げ下げなどが考えられる。
【0104】
また、ミッションはその課題を実行できる期間の制約を含んでもよい。すなわち、X時間(日、月でもよい)内にYを実行するというような時間的制約を含むミッションであってもよい。例えば、「2週間以内に、スクワット50回を1セットとして、10セット実行する」というようなミッションであってもよい。
【0105】
また、上記ミッションの難易度を高めるために、複数のミッション内容を含むものを1つのミッションとしてもよい。例えば、「X時間寝て、Y分走る」というようなミッションを設定してもよい。
<協同ミッションの課題とその判定について>
ここで、協同ミッションについての課題のクリアの判定方法について説明する。
【0106】
協同ミッションの課題(協同課題)としては、当該協同ミッションを実行する各ユーザが、上述の一人のユーザが単独で実行する課題(個別課題)を達成することであってもよい。例えば、各ユーザが同じ内容の個別課題を達成することを協同課題としてもよいし、各ユーザが異なる個別課題を達成することを協同課題としてもよいし、協同ミッションを実行する複数のユーザ間でグループ分けを行い、同一のグループに属するユーザは共通内容の個別課題を達成しつつ、グループ間で異なる内容の個別課題を達成することを協同課題としてもよい。また協同ミッションの場合の各ユーザのミッションクリアレベル(達成すべき課題として設定されている閾値)は同じであってもよいし、異なってもよい。更には、協同ミッションの課題の内容が共通する場合には、協同ミッションのミッションクリアレベルを一つとし、各ユーザの実行した課題の回数または時間の合計または平均を判断基準としてもよい。例えば、協同ミッションを実行するユーザが3人であって、個別課題の内容がそれぞれ「X歩、歩く」である場合、協同課題の内容は「各ユーザがX歩、歩く」又は「3人合わせて、3X歩、歩く」等であってもよい。複数のユーザ間で、個別課題の内容が共通しない場合、各ユーザ間でゲーム内のチャット等で相談のうえ、各ユーザが実行する個別課題を決定することとしてもよい。
【0107】
このような協同ミッションについて協同課題をクリアしたか否かの判定については、例えば以下の構成のいずれかを用いればよい。
【0108】
(1)複数のユーザについて、個別課題に係る内容が共通の場合、複数のユーザ各々の運動情報の定量化を行い、定量化された運動情報の総和を求め、その総和が協同課題として設定されている閾値を超えているか否かによって協同課題をクリアしているか否かを判定する。
【0109】
(2)複数のユーザについて、個別課題に係る内容が共通の場合、複数のユーザ各々の運動情報の定量化を行い、定量化された運動情報の平均値を求め、その平均値が協同課題として設定されている閾値を超えているか否かによって協同課題をクリアしているか否かを判定する。
【0110】
(3)複数のユーザについて、個別課題に係る内容が異なる場合、複数のユーザ各々の個別課題に係る運動情報の定量化を行い、それぞれの定量化された運動情報が、それぞれのユーザに対して設定された個別課題の閾値を超えているか否かによって協同課題をクリアしているか否かを判定する。
<報酬例>
ここから、ゲームにおいて付与される報酬について説明する。
図10、
図11は報酬の一例である。
【0111】
ここで、報酬として設定されているものとしては、ミッションの場所に対応する場所を、または、場所で撮影した写真画像もしくは、ミッションを達成したことを示すゲーム上の称号であるバッジがある。バッジはミッションをクリアしたことを示す画像情報である。
図10は、「度合型」のミッションにおける報酬の例を示す図である。
【0112】
図10(a)は、ミッションレベル1の場合の報酬の例であり、
図10(b)は、同じ場所に設定されているミッションのミッションレベル2の場合の報酬の例である。
【0113】
「度合型」のミッションの場合、報酬は、ミッションのクリアレベルが高い方が良い報酬を得られる。その一例として、クリアレベルの低いときに得られる
図10(a)の画像データ、そしてそれよりも高いクリアレベルでミッションをクリアしたときに得られる
図10(b)の画像データが設定される。
図10(a)と
図10(b)と比較すればわかるように、クリアレベルが高い方が、より良い報酬として、撮影範囲が広い画像(パノラマ写真)を得られる。
【0114】
また、ミッションレベルの差異に基づく報酬としては、撮影範囲の広さの差異で報酬の差異を設ける手法以外では、画像の解像度による差異を設けたり、バッジに複数種類を設けて、クリアレベルに応じた種類のバッジ(例えば、銅バッジ、銀バッジ、金バッジというような種類のバッジ)をユーザに付与したりしてもよい(ユーザのゲームにおけるユーザIDに利用可能なデータとして対応付ける)。
図11は、「日時型」のミッションにおける報酬の例を示す図である。
【0115】
図11(a)は、朝に撮影した画像データ、
図11(b)は、
図11(a)と同じ場所を昼に撮影した画像データ、
図11(c)は、
図11(a)と同じ場所を夕方に撮影した画像データ、
図11(d)は、
図11(a)と同じ場所を夜に撮影した画像データである。
一例として、
図11(a)〜
図11(d)の報酬は、それぞれ、
図4のミッション情報における画像D1〜D4に対応する。
【0116】
このように、いろんな時間帯の写真を報酬として用いることとしてよい。なお、「日時型」のミッションにおいても、時間帯対応のバッジを設けて、各時間帯に応じたバッジをユーザに付与することとしてもよい。
【0117】
「度合型」、「日時型」のように同じミッションにおいて、複数の報酬を用意することで、ユーザが繰り返しミッションを実行するためのモチベーションを維持することができる。
【0118】
なお、ここでは、報酬の例として、場所に関連した画像、その場所のミッションを達成したことを示すゲーム上のバッジ(称号)を示したが、報酬は、これに限られるものではないことは勿論である。報酬の形態はこれ以外にも、ユーザのゲームをプレイするモチベーションを維持、向上させることができるものであれば、その他のものであってもよい。例えば、上述では、報酬はその場所を撮影した写真の画像であるとしたが、これは、その場所を描画した絵画であっても良い。また、例えば、当該ゲームが何らかのストーリーと絡めたストーリー性の強いゲームとして作成されている場合に、そのストーリーを進行させるために必要となるアイテムが報酬であってもよい。あるいは、実際にゲームをプレイするための遊戯ポイントであってもよい。あるいは、他のゲームをプレイするための遊戯ポイントであってもよい。
<変形例>
【0119】
上記実施形態に本発明に係る発明の一実施態様を説明したが、本発明に係る思想がこれに限られないことは言うまでもない。以下、本発明に係る思想として含まれる各種変形例について説明する。
【0120】
(1)上記実施の形態においては、特に記載していないが、協同ミッションは、実行する人数が定められていても良い。その場合に、ユーザは協同ミッションを実行するためのメンバーを集める必要があるため、このゲームをプレイするユーザ間での交流を促すことができる。
【0121】
また、人数を定めない場合には、協同ミッションに参加した人数に応じて、ミッションの難易度を変化させることとしてもよい。例えば、ミッションが歩くことである場合に、協同ミッションに参加する人数が3人に対して設定される歩数が3万歩、4人に対しては4万5千歩、5人に対しては5万歩というように、クリアすべき目標を変更することとしてもよい。
【0122】
(2)上記実施の形態においては、各ミッションには1つの報酬が設定されている例(ミッションが「度合型」の場合にはクリアレベルにつき1つ、ミッションが「日時型」の場合には、時間帯につき1つ)を示している。しかし、上記実施の形態においてユーザが報酬をアップロードする形態において、その報酬に関連付けられた場所の報酬が追加される例に示されるように、これはその限りではない。すなわち、同じミッションに報酬は最初から複数設定されていてもよい。
【0123】
この場合、ユーザに付与される報酬は、サーバ100により完全にランダムに選択されてもよいし、ユーザにそれまでに付与されていない報酬の中からランダムあるいは一定基準(例えば、報酬として登録された日時順)にしたがって選択されてもよいし、一度ミッションをクリアした場合には、設定されている報酬全て(ミッションが「度合型」の場合には、クリアしたクリアレベルに設定されている報酬全てであり、ミッションが「日時型」の場合には、クリアした時間帯に設定されている報酬全て)がユーザに付与されることとしてもよい。
【0124】
(3)上記実施の形態においては、ミッションが「日時型」の場合には、運動情報からミッションをクリアしたと特定されるタイミングに応じてミッションのクリアタイミングの時間帯を判定することとしたが、これはその限りではない。例えば、ユーザが運動情報をアップロードし、そのときにミッションをクリアしていると判定された場合には、そのアップロードした時間によって、時間帯を分類することとしてもよい。
【0125】
(4)上記実施の形態においては、ミッション選択画面において表示される地図として日本の一部を表示する例を示したが、ゲームフィールドは日本の一部に限られないのは言うまでもない。日本のその他の地域であってもよいし、世界のその他の地域であってもよい。あるいは、月や火星など地球上でなくともよいし、仮想世界の場所であってもよい。
【0126】
(5)上記実施の形態において、ミッションの場所として設定される箇所は、通常人がいけないような場所であってもよい。例えば、深海や火山の火口、月面などであってもよい。
【0127】
(6)上記実施の形態においては、特に記載していないが、サーバ100の制御部130は、ミッションを自動で生成するミッション生成部を備えていてもよい。この場合、記憶部120は、上記実施の形態において説明したミッション例に示されるようなミッションについてのリストを記憶しておく。記憶部120は、各ミッションについて、達成の判定の対象となる部分を変数として記憶しておく。そして、ミッション生成部は、リストの中から、ランダムにミッションを選択し、そのミッションに設定されている変数部分の数値をランダムに決定する。当該変数は、予め定められた範囲内からランダムに選択することとしてもよい。このようにして、サーバ100は、ミッションの自動生成機能を実現することとしてもよい。
【0128】
当該構成は、ユーザが報酬としての写真データをアップロードした場合であって、写真データに付与されている位置情報に近いミッションの場所がなかったときに有効である。すなわち、このときには新たにミッションを生成し、その報酬としてユーザからアップロードされた写真データを設定できるようになる。
【0129】
(7)上記実施の形態においては、判定部134が運動情報を定量化することとしている。しかし、判定部134は、定量化した運動情報を判定に用いることができればよく、判定部134が定量化された運動情報を受け取れるのであれば、判定部134以外の構成が定量化を実行することとしてもよい。例えば、ウェアラブル端末300が定量化を実行するためのプロセッサを備え、定量化した運動情報を情報処理装置200に送信することとしてもよい。
【0130】
(8)上記実施の形態においては、ミッション選択画面においてミッションを選択すると、ミッション詳細画面に移行して、そこでそのミッションを実行するか否かを選択する構成としたが、これはその限りではない。ミッション選択画面において、各場所において課題の内容を示し、その場所を選択することでミッションを選択し、ユーザのミッション登録のトリガとすることとしてもよい。
【0131】
(9)上記実施の形態においては、実施の形態に係るゲームプログラムをユーザが情報処理装置200を用いて、サーバ100にアクセスしてゲームをプレイするウェブアプリとして説明したが、当該ゲームプログラムの実施態様はウェブアプリに限るものではない。サーバ100が保持していた機能を情報処理装置200が保持し、ネイティブアプリとして実現することとしてもよい。
【0132】
その場合に、情報処理装置200は、基本的にユーザ一人分の情報を保持すればよいが、協同ミッションを実行する場合には、他のユーザの情報処理装置200から運動情報を獲得する必要がある。また、ユーザが報酬をアップロードする態様においても、他のユーザの情報処理装置200から送信された報酬を受信して、報酬の登録処理をする必要がある。
【0133】
さらに、本実施の形態に係るゲームプログラムは、サーバ100と情報処理装置200とで、それぞれ処理の一部を分担することによって実現されるハイブリッドゲームとして実現することとしてもよい。
【0134】
例えば、上記実施の形態においては、ユーザがミッションをクリアしたか否かの判定は情報処理装置200が行うこととして、報酬の付与についてはサーバ100が実行するという形態をとってもよい。
【0135】
(10)本発明の一実施態様に係るゲームプログラムは、ゲームの進行を処理するゲームプログラムであって、コンピュータに、記憶機能と、課題提示機能と、受付機能と、行動情報取得機能と、付与機能とを実現させる。
上記記憶機能は、ユーザの行動に係る複数の課題と、ユーザに付与される1以上の報酬と、を対応付けた課題情報を記憶部に記憶する。
【0136】
ここで、ユーザの行動とは、センサなどの機器により、ユーザの行動の内容を検出し、当該機器でその行動を定量的に測定可能な行動であって、例えば、歩行や走行などの移動、スクワットなどの反復運動、睡眠、階段の昇降などの鉛直(上下)方向の移動などを含む。
【0137】
そして、ユーザの行動に係る課題とは、上記行動の内容に応じて課せられる課題であって、例えば、ユーザの行動を歩行とした場合の課題であれば「X歩、歩く」、ユーザの行動を走行とした場合の課題であれば「X時間走る」、ユーザの行動をスクワットとした場合の課題であれば「X回スクワットを実行する」、ユーザの行動を睡眠とした場合の課題であれば「X時間睡眠をとる」などの課題を含み、さらに、これらの組み合わせや、時間的要素(所定期間内の実行回数を定めるなどの時間的要素)を加味した課題も含んでよい。
課題は、上記実施の形態においては、ミッションに相当する。
また、課題情報は、上記実施の形態においては、ミッション情報400に相当する。
【0138】
ユーザに付与される報酬とは、対応付けられた課題をユーザが達成することにより当該ユーザに与えられる報酬を示す情報であって、例えば、ゲームを進行させるための情報であったり、ユーザにとって興味のある画像情報であったり、他のゲームをプレイするためのポイントであったりと、ユーザにとってなんらかの形で得になると思われるものであればどのようなものであってもよい。
上記記憶部は、上記実施の形態においては、記憶部120に相当する。
上記課題提示機能は、上記記憶部に記憶されている課題情報を参照して、複数の課題を提示するものである。
ここで提示する複数の課題は、課題情報に含まれる二以上の課題であって、ユーザが課題の内容が視認可能なように提示される。
上記提示機能は、上記実施の形態においては、提示部131が相当する。
【0139】
上記受付機能は、複数の課題のうち、ユーザの選択に応じて達成する課題を受け付ける。ここで、受付機能は、上記コンピュータに付属する入力装置に対する入力によって特定される課題を受け付けることとしてもよいし、上記コンピュータと通信可能な他の機器において、ユーザが当該他の機器に対して課題を選択する入力を行い、通信によりその課題に係る情報を受信することによりユーザにより選択された課題を受け付けることとしてもよい。
上記受付機能は、上記実施の形態においては、受付部132に相当する。
上記行動情報取得機能は、ユーザの行動に係る複数の行動情報をそれぞれ取得する。
【0140】
ここで、ユーザの行動に係る複数の行動情報とは、ユーザの行動により得られる情報であって、行動の内容を特定する情報と、その行動をいつ実行したのかを特定する時間の情報とを含む。行動情報取得機能は、例えば、ユーザが各種のセンサを備えたウェアラブル端末を装着し、なんらかの行動をすることにより当該センサにより計測される情報と、その情報を計測した日時情報とを、当該ウェアラブル端末から通信により取得することで実現できる。
行動情報取得機能は、上記実施の形態においては、取得部133に相当する。
上記付与機能は、複数の行動情報と課題情報とに基づき、受け付けられた課題の達成状況に応じて、当該課題に対応する報酬を付与する。
【0141】
ここで、報酬を付与するとは、ゲームにおけるユーザが保持するデータとして、報酬として示されているデータをユーザが使用(閲覧)可能なように対応づけることとしてもよいし、物品を直接ユーザに与えることであってもよい。
付与機能は、上記実施の形態においては、付与部135に相当する。
【0142】
(11)サーバ100の各機能部は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。後者の場合、情報処理装置200またはサーバ100は、各機能を実現するソフトウェアであるゲームプログラムの命令を実行するCPU、上記ゲームプログラムおよび各種データがコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記ゲームプログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が上記ゲームプログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記ゲームプログラムは、当該ゲームプログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。本発明は、上記ゲームプログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0143】
なお、上記ゲームプログラムは、例えば、ActionScript、JavaScript(登録商標)などのスクリプト言語、Objective-C、Java(登録商標)などのオブジェクト指向プログラミング言語、HTML5などのマークアップ言語などを用いて実装できる。また、上記ゲームプログラムによって実現される各機能を実現する各部を備えた情報処理端末(例えば、情報処理装置200)と、上記各機能とは異なる残りの機能を実現する各部を備えたサーバとを含むゲームシステムも、本発明の範疇に入る。
【0144】
(12)本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各手段、各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段やステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
(13)上記実施の形態および各種変形例に示す構成を適宜組み合わせることとしてもよい。
<補足>
ここで、本発明に係るゲームプログラム、コンピュータの制御方法および情報処理装置について、その一実施態様と、当該態様により奏する効果を説明する。
【0145】
(a)本発明の一実施態様に係るゲームプログラムは、ゲームの進行を処理するゲームプログラムであって、コンピュータに、ユーザの行動に係る複数の課題と、ユーザに付与される1以上の報酬と、を対応付けた課題情報を記憶部に記憶する記憶機能と、前記課題情報を参照して前記複数の課題をユーザに提示する課題提示機能と、前記複数の課題のうち、ユーザの選択に応じて1以上の課題を受け付ける受付機能と、前記ユーザの行動に係る複数の行動情報をそれぞれ取得する行動情報取得機能と、前記複数の行動情報と前記課題情報とに基づき、受け付けられた課題の達成状況に応じて、当該課題に対応する報酬を付与する付与機能とを実現させる。
【0146】
また、本発明の一実施態様に係るコンピュータの制御方法は、ゲームの進行を処理するコンピュータの制御方法であって、ユーザの行動に係る複数の課題と、ユーザに付与される1以上の報酬と、を対応付けた課題情報を記憶部に記憶する記憶ステップと、前記課題情報を参照して前記複数の課題をユーザに提示する課題提示ステップと、前記複数の課題のうち、ユーザの選択に応じて1以上の課題を受け付ける受付ステップと、前記ユーザの行動に係る複数の行動情報をそれぞれ取得する行動情報取得ステップと、前記複数の行動情報と前記課題情報とに基づき、受け付けられた課題の達成状況に応じて、当該課題に対応する報酬を付与する付与ステップとを含む。
【0147】
また、本発明の一実施態様に係るコンピュータは、ゲームの進行を処理するコンピュータであって、ユーザの行動に係る複数の課題と、ユーザに付与される1以上の報酬と、を対応付けた課題情報を記憶する記憶部と、前記課題情報を参照して前記複数の課題をユーザに提示する課題提示部と、前記複数の課題のうち、ユーザの選択に応じて1以上の課題を受け付ける受付部と、前記ユーザの行動に係る複数の行動情報をそれぞれ取得する行動情報取得部と、前記複数の行動情報と前記課題情報とに基づき、受け付けられた課題の達成状況に応じて、当該課題に対応する報酬を付与する付与部とを備える。
【0148】
これらの構成により、ユーザの行動に係る複数の行動情報を取得するので、様々な行動を特定することができる。したがって、課題として様々な種類の行動についての課題を設定できるので、ゲームとしての多様性を増すことができる。したがって、ゲームが単調にならないので、ユーザに飽きを来しにくいゲームを提供することができる。
【0149】
(b)上記(a)に係るゲームプログラムにおいて、前記課題情報は、更に、前記達成状況を判定するための1以上の閾値、および、当該閾値に応じた報酬を前記課題に対応付けており、前記ゲームプログラムは、前記コンピュータに、更に、前記複数の行動情報各々を定量化した行動値を算出する行動値算出機能と、前記達成状況として、前記行動値と前記1以上の閾値とを比較していずれの閾値を超えているかを判定する判定機能とを実現させ、前記付与機能は、前記判定機能の判定結果に基づく報酬を付与することとしてもよい。
【0150】
ここで判定機能は、上記実施の形態においては、判定部134が該当する。また、閾値は、クリアレベル408として各ミッションについて設定されている数値に該当する。
【0151】
これにより、ユーザの行動情報を定量化することができるので、各課題についての達成の可否が容易に判断できるとともに、複数の閾値を設けることで、課題をどれだけ達成したによって報酬を異ならせて付与することができる。したがって、上記ゲームプログラムは、ユーザが課題達成のために尽力すれば別の報酬を獲得できる可能性があるので、ユーザが繰り返しゲームをプレイするモチベーションの維持向上に寄与する。
【0152】
(c)上記(b)に係るゲームプログラムにおいて、前記複数の課題には、複数のユーザの行動に係る協同課題が含まれ、前記行動情報取得機能は、前記複数のユーザ各々の複数の行動情報を取得し、前記付与機能は、前記複数のユーザの複数の行動情報と前記課題情報とに基づき、前記協同課題の達成状況に応じた報酬を付与することとしてもよい。
ここで協同課題は、上記実施の形態においては、ミッションID「M10129」の課題が該当する。
【0153】
協同課題は、複数のユーザにより達成する課題であることから、当該複数のユーザ間での連帯感、仲間意識が向上する可能性がある。したがって、上記ゲームプログラムは、ユーザのゲームを継続してプレイするモチベーションの維持向上に寄与することができる。
【0154】
(d)上記(c)に係るゲームプログラムにおいて、前記行動値算出機能は、前記複数のユーザ各々の行動情報から、それぞれの行動値を算出し、前記判定機能は、前記複数のユーザ各々の行動値の総和と前記1以上の閾値とを比較していずれの閾値を超えているかを判定し、前記付与機能は、前記複数のユーザに、前記判定機能の判定結果に基づく報酬を付与することとしてもよい。
【0155】
これにより、複数のユーザの行動値の総和を課題達成判断のための情報として用いることで、ユーザに対して、よりユーザ間で協調しあっている感触を与えることができる。また、課題に係る行動があるユーザにとっては苦手な行動であっても、他のユーザの助力を受けて課題をクリアすることができるので、ユーザが課題に行き詰ってゲームに飽きるという可能性を低減することができる。
【0156】
(e)上記(c)に係るゲームプログラムにおいて、前記行動値算出機能は、前記複数のユーザ各々の行動情報から、それぞれの行動値を算出し、前記判定機能は、前記複数のユーザ各々の行動値の平均値と前記1以上の閾値とを比較していずれの閾値を超えているかを判定し、前記付与機能は、前記複数のユーザに、前記判定機能の判定結果に基づく報酬を付与することとしてもよい。
【0157】
これにより、複数のユーザの行動値の平均値を課題達成判断のための情報として用いることで、ユーザに対して、よりユーザ間で協調しあっている感触を与えることができる。また、行動値が平均値よりも低いユーザは次回同じ課題を実行する際にはより良い結果が得られるように課題に励むモチベーションにつながる。さらには、課題に係る行動があるユーザにとっては苦手な行動であっても、他のユーザの助力を受けて課題をクリアすることができるので、ユーザが課題に行き詰ってゲームに飽きるという可能性を低減することができる。
【0158】
(f)上記(a)〜(e)に係るいずれかに記載のゲームプログラムにおいて、前記ゲームプログラムは、更に、前記コンピュータに、前記ユーザが前記課題を達成した時間を示す時間情報を取得する時間取得機能を実現させ、前記付与機能は、更に、前記時間情報に応じた報酬を付与し、前記報酬は、現実の場所を撮影した画像情報であって、前記時間情報で示される時間を含む所定時間内に撮影された画像情報であることとしてもよい。時間情報は、課題を達成した際の日時情報であってもよく、課題の達成後にウェアラブル端末300からサーバ100又は情報処理装置200が運動情報を取得した日時を示す情報であってもよい。
ここでの報酬は、上記実施の形態においては、画像D1〜D4が該当する。
【0159】
これにより、課題を達成したタイミングに応じた報酬を付与することで、同じ課題であっても、違う時間にクリアすれば他の報酬を獲得できることから、ユーザが何度も同じ課題に挑戦するためのモチベーションの維持向上に寄与する。
【0160】
(g)上記(a)〜(f)に係るいずれかに記載のゲームプログラムにおいて、前記課題情報は、さらに、現実の場所を示す第1位置情報を前記課題に対応付けており、前記ゲームプログラムは、更に、前記コンピュータに、ユーザにより撮影された撮影画像、および、当該撮影画像の撮影された場所を示す第2位置情報を少なくとも含む撮影画像情報を受け付ける画像情報受付機能と、前記第1位置情報に対応する課題の報酬として、前記第1位置情報に関連する第2位置情報を含む前記撮影画像情報を設定する設定機能とを実現させることとしてもよい。
ここで画像情報受付機能は、上記実施の形態においては、受付部132が該当し、設定機能は、設定部136が該当する。
【0161】
これにより、ユーザ側もゲームの発展に寄与することができることから、ゲームに対する愛着が増すので、ユーザに飽きを来す可能性を低減することができる。また、当該構成によって、報酬が追加されていくことから、同じ課題を繰り返しクリアするモチベーションの維持向上に寄与することができる。
【0162】
(h)上記(a)〜(g)に係るいずれか1項に記載のゲームプログラムにおいて、前記複数の課題には、前記ユーザによる上下方向の移動を含む行動に係る課題が含まれることとしてもよい。
ここで、上下方向の移動を含む行動に係る課題とは、上記実施の形態においては、ミッションID「M10130」の課題が該当する。
【0163】
これにより、従来においては、歩くという平面的な行動に基づく課題しかなかったために、単調になりがちであったところを、課題の内容により多様性を持たせることができる。したがって、ゲームとして達成すべき課題に幅がでることから、ユーザに飽きを来しにくいゲームを提供することができる。
【0164】
(i)上記(a)〜(h)に係るいずれか1項に記載のゲームプログラムにおいて、前記複数の課題には、前記ユーザにより実行される行動の種類が互いに異なる課題が含まれることとしてもよい。
【0165】
これにより、行動の内容の異なる課題があるゲームを提供することができるので、行動が単調化することがないため、ユーザに飽きを来さないゲームを提供することができる。
【解決手段】ゲームプログラムは、ゲームの進行を処理するゲームプログラムであって、コンピュータに、ユーザの行動に係る複数の課題と、ユーザに付与される1以上の報酬と、を対応付けた課題情報を記憶部に記憶する記憶機能120と、課題情報を参照して複数の課題をユーザに提示する課題提示機能131と、複数の課題のうち、ユーザの選択に応じて1以上の課題を受け付ける受付機能132と、ユーザの行動に係る複数の行動情報をそれぞれ取得する行動情報取得機能133と、複数の行動情報と課題情報とに基づき、受け付けられた課題の達成状況に応じて、課題に対応する報酬を付与する付与機能135とを持つ。