特許第5760140号(P5760140)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5760140
(24)【登録日】2015年6月12日
(45)【発行日】2015年8月5日
(54)【発明の名称】紙葉類取扱装置及び自動取引装置
(51)【国際特許分類】
   G07D 9/00 20060101AFI20150716BHJP
【FI】
   G07D9/00 431Z
   G07D9/00 426A
【請求項の数】8
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-500044(P2014-500044)
(86)(22)【出願日】2012年11月19日
(86)【国際出願番号】JP2012079893
(87)【国際公開番号】WO2013121643
(87)【国際公開日】20130822
【審査請求日】2014年7月18日
(31)【優先権主張番号】特願2012-27972(P2012-27972)
(32)【優先日】2012年2月13日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】504373093
【氏名又は名称】日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100310
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 学
(74)【代理人】
【識別番号】100098660
【弁理士】
【氏名又は名称】戸田 裕二
(74)【代理人】
【識別番号】100091720
【弁理士】
【氏名又は名称】岩崎 重美
(72)【発明者】
【氏名】横井 利典
【審査官】 大谷 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−149474(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07D 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙葉類を鑑別する鑑別部と、
紙葉類を収納し、収納された紙葉類を繰出す還流庫と、
前記鑑別部と前記還流庫とを接続し、紙葉類を搬送する搬送路と、
前記紙葉類に関する情報と、該紙葉類の収納位置とを記憶する記憶部と、
各部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記記憶部に紙葉類に関する情報を記憶する対象となる紙葉類を、予め定められた枚数以上の間隔をあけて抽出し、前記記憶部は、前記抽出された紙葉類に対して、該紙葉類に関する情報を記憶することを特徴とする紙葉類取扱装置。
【請求項2】
請求項1に記載された紙葉類取扱装置であって、
前記制御部は、前記還流庫から繰出され、前記鑑別部で鑑別された紙葉類に関する情報と、前記記憶部に記憶された紙葉類に関する情報と、を照合することを特徴とする紙葉類取扱装置。
【請求項3】
請求項2に記載された紙葉類取扱装置であって、
前記制御部は、前記記憶部に記憶された紙葉類の収納位置を基準として、予め定められた範囲内において、前記鑑別部が該紙葉類に関する情報を鑑別するか判断することを特徴とする紙葉類取扱装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一つに記載された紙葉類取扱装置であって、
前記制御部は、前記記憶部に紙葉類に関する情報を記憶する対象となる紙葉類を所定枚数毎にあるいは無作為に抽出することを特徴とする紙葉類取扱装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一つに記載された紙葉類取扱装置であって、
前記制御部は、前記還流庫に収納された紙葉類の枚数に応じて、前記記憶部に紙葉類に関する情報を記憶する対象となる紙葉類を抽出する間隔を変更することを特徴とする紙葉類取扱装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一つに記載された紙葉類取扱装置であって、
前記制御部は、前記紙葉類の汚れや欠損の程度が所定の範囲内である紙葉類に対して、前記記憶部に紙葉類に関する情報を記憶することを特徴とする紙葉類取扱装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一つに記載の紙葉類取扱装置であって、
前記制御部は、前記紙葉類取扱装置に接続される自動取引装置に通知する通知手段を有することを特徴とする紙葉類取扱装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一つに記載された紙葉類取扱装置と、
前記還流庫から繰出された紙幣であり、前記鑑別部で鑑別された紙葉類に関する情報と、前記記憶部に記憶された紙葉類に関する情報と、を前記紙葉類取扱装置により照合した結果を表示する表示手段と、を有することを特徴とする自動取引装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙葉類を取り扱う紙葉類取扱装置及び当該紙葉類取引装置を搭載した自動取引装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ATM(Automated Teller Machine)などの自動取引装置に搭載される紙葉類取扱装置において、収納庫に収納された全ての紙葉類について、紙葉類の固有情報(紙葉類の記番号など)を管理することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−107923号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
収納庫内の全ての紙葉類を管理することにより、例えば、収納庫に収納される紙葉類及び収納庫から繰出される紙葉類を特定し、収納庫内の紙葉類の枚数又は種類を確定する処理が行われている(紙葉類の精査)。これにより、紙葉類取扱装置の計数処理に係る処理負担の軽減や、盗難された紙葉類の不正利用を防止するという効果がある。
【0005】
しかし、特許文献1の場合、収納庫内の全ての紙葉類に関する情報を記憶するため、大容量の記憶領域が必要となる。また、紙葉類取扱装置で取扱可能な紙葉類の枚数が増加しても、紙葉類に関する情報を確認する処理時間が長期化しないことが求められている。
【0006】
さらに、収納庫内の全ての紙葉類について、収納された順番を管理することは厳格な管理方法であり、紙葉類に関する情報の読取りができなかった場合や、紙葉類を収納庫に収納する際に順番が入れ替わった場合に、装置が異常と判断する可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の問題に鑑み、本発明における紙葉類取扱装置は、紙葉類を鑑別する鑑別部と、紙葉類を収納し、収納された紙葉類を繰出す還流庫と、前記鑑別部と前記還流庫とを接続し、紙葉類を搬送する搬送路と、前記紙葉類に関する情報と、該紙葉類の収納位置とを記憶する記憶部と、各部を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記記憶部に紙葉類に関する情報を記憶する対象となる紙葉類を抽出し、前記記憶部は、前記抽出された紙葉類に対して、該紙葉類に関する情報を記憶することを特徴とする。
【0008】
また、本発明における自動取引装置は、上記特徴を備えた紙葉類取扱装置と、前記還流庫から繰出された紙幣であり、前記鑑別部で鑑別された紙葉類に関する情報と、前記記憶部に記憶された紙葉類に関する情報と、を前記紙葉類取扱装置により照合した結果を表示する表示手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
紙葉類の精査において、紙葉類に関する情報を確認する処理時間が長期化しなくとも、装置の大容量化に対応可能である。また、紙葉類に関する情報の読取りができなかった場合や、紙葉類を収納庫に収納する際に順番が入れ替わった場合に、必ずしも装置異常と判断しないため、装置をダウンさせずに処理を継続することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】現金自動取引装置の外観図である。
図2】現金自動取引装置の機能ブロック図である。
図3】紙葉類取扱装置の内部構成を示す側面図である。
図4】紙葉類取扱装置の機能ブロック図である。
図5】記憶部に記憶されるテーブルを示す図である。
図6】収納庫に収納された紙葉類を示す図である。
図7】係員操作部の表示画面を示す図である。
図8】実施例1における紙葉類の収納処理を示すフローチャートである。
図9】実施例1の紙葉類の収納処理における、紙葉類情報テーブルを示す図である。
図10】実施例1における紙葉類の繰出処理を示すフローチャートである。
図11】実施例1の紙葉類の繰出処理における、紙葉類情報テーブルを示す図である。
図12】実施例2における処理を示すフローチャートである。
図13】実施例2の処理における、紙葉類情報テーブルを示す図である。
図14】実施例3における処理を示すフローチャートである。
図15】実施例3の処理における、紙葉類情報テーブルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態について、図1図15を用いて説明する。なお、下記第1〜第3の実施例は、組み合わせて実施することは可能であるため、共通する構成については、説明を省略する。
【実施例1】
【0012】
(A)現金自動取引装置の構成について
図1は、現金自動取引装置(以下、ATMとする)の外観図である。ATM101は、カード・明細票処理機構102、通帳処理機構103、筐体104、操作・表示部105、紙葉類取扱機構1を備えている。
【0013】
カード・明細票処理機構102は、カード挿入口・明細票発券口102aを介して、取引時に使用されるキャッシュカードなどの挿入及び排出や、取引明細が印字された明細票の排出を実行する。また、カードに付加された磁気ストライプの情報の読取・磁気ストライプへの情報の書込、取引明細の印字を実行する。
【0014】
通帳処理部103は、通帳挿入口103aを介して、取引時に使用される通帳の挿入及び排出を実行する。また、挿入された通帳への印字を実行する。さらに、通帳に貼付された磁気ストライプの情報の読取や、磁気ストライプへの情報の書込を実行する。
【0015】
操作・表示部105は、取引情報を表示すると共に利用者の操作により取引情報の入力を受け付ける。また、操作・表示部105は、金融機関などの係員の利用にも供される物であり、ATM101の運用に関する情報を表示すると共に、係員の操作により入力を受け付ける。なお、係員向けの操作・表示部は、上記操作・表示部105と別途に備えても良い。この場合、係員向けの操作・表示部を筐体104の内部に備えても良い。
【0016】
紙葉類取扱機構1は、紙葉類入出金口2を介して、紙葉類の入出金処理、鑑別処理などを実行する。紙葉類取扱機構1の詳細な構成については、後述する。
【0017】
なお、ATM101は、硬貨の入出金処理、鑑別処理などを実行する硬貨処理部や、視覚障害者、高齢者などの利用に供するハンドセットや、生体認証用の生体情報読取装置などを備えても良い。
【0018】
図2は、ATM101の制御関係を示すブロック図である。ATM101は、カード・明細票処理機構102、通帳処理部103、操作・表示部105、インタフェース部107、係員操作部108、外部記憶装置109を備えている。これらのカード・明細票処理機構102、通帳処理部103、操作・表示部105、インタフェース部107、係員操作部108、外部記憶装置109は、バス110を介して本体制御部106と接続されており、本体制御部106の制御の下に必要な動作を行う。また、上記各機構及び構成部分は、電源部111により電力を供給される。
【0019】
図3は、紙葉類取扱装置1の内部構成を示す側面図である。紙葉類取扱装置1の上部には、その前面側(利用者に面する側:図3の上部右側)には、入出金口2が配置される。また、中央部には、搬送された紙葉類の金種、真偽若しくは状態を鑑別する鑑別部3が配置され、背面側(前面側の反対側:図3の上部左側)の上側には入金された紙葉類を取引成立までの間、一時的に収納する一時保管庫4が配置される。また、一時保管庫4の下側には、出金処理の完了後に、入出金口2に取り忘れられた紙葉類を収納する、取り忘れ回収庫14がある。これらの各機構は、紙葉類を搬送する搬送路5により接続される。また、搬送路5において、紙葉類の通過を検出するための搬送路センサ13a〜13hを備える。
【0020】
ここで、鑑別部3は、前方から後方へ搬送される紙葉類、および後方から前方へ搬送される紙葉類のどちらであっても、金種、真偽若しくは状態を鑑別することが可能である。また、鑑別部3は、各々の紙葉類に固有の情報(例:紙葉類に印刷された記番号など)を読み取ることにより、同一の金種、真偽若しくは状態の紙葉類が複数であっても、別個の紙葉類として認識することが可能である。
【0021】
紙葉類取扱装置1の下部には、その前側から後側に向かって、紙葉類の収納及び放出を行う還流庫7、8、9と、単に紙葉類を収納する入金庫6と、還流庫10とが配置される。
【0022】
還流庫7、8、9は、入金処理時に金種別に紙葉類が収納され、出金処理時に指定された枚数の紙葉類が放出される。また、還流庫10は、還流庫7、8、9に紙葉類を装填・回収する紙葉類装填部としての機能を有する。
【0023】
入金庫6には、入金された紙葉類のうち、折れなどが生じて出金に適さないと判断された紙葉類(リジェクト紙葉類)が収納される。ここで、リジェクト紙葉類とは、例えば、紙葉類の一部に折れが生じているため、出金処理時に、搬送路5上を搬送させるに適さない紙葉類のことである。なお、リジェクト紙葉類を入金庫6でなく、還流庫7、8、9、10に収納しても良い。
【0024】
図4は、紙葉類取扱装置1の制御関係を示すブロック図である。紙葉類取扱装置1は、入出金口2、鑑別部3、一時保留部4、搬送路5、入金庫6、還流庫7、8、9、10、記憶部11、搬送路センサ13(13a〜13h)を備えている。これらの各機構及び構成部分は、制御部12と接続されており、制御部12の制御の下に必要な動作を行う。制御部12は、搬送路センサ13a〜13hからの紙葉類検出信号を受信する。また、ATM101のバス110を介して、本体制御部106により制御され、本体制御部106からの指令および紙葉類取扱装置1の状態検出に応じて紙葉類取扱装置1の制御を行い、紙葉類取扱装置1の状態を必要に応じて本体制御部106に送る。
【0025】
記憶部11には、鑑別部3が鑑別した紙葉類の固有情報(記番号など)、紙葉類の鑑別情報(紙葉類の金種、真偽又は状態の鑑別結果など)、及び収納位置情報(還流庫内において紙葉類が収納されている位置など)が、テーブル形式(以下、紙葉類情報テーブル)として記憶される。紙葉類情報テーブルは、各々の還流庫に対して設けられる。すなわち、還流庫7に収納される紙葉類に関する情報は、還流庫7に対応する紙葉類情報テーブルに記憶され、その他還流庫(8、9、10)に収納される紙葉類に関する情報は、各々の還流庫に対応した紙葉類情報テーブルに記憶される。なお、各々の紙葉類情報テーブルに記憶される情報は、同一である。
【0026】
図5は、紙葉類情報テーブルを示す図である。紙葉類情報テーブル11aには、テーブルへの記憶対象である紙葉類の通しNo.1101、テーブルへの記憶対象である紙葉類の収納位置1102、金種1103、バージョン1104、損券レベル1105、記番号1106、及びその他の特徴1107が記憶されている。
【0027】
ここで、バージョン1104とは、紙葉類が発行された時期を示すものであり、紙葉類の発行時期に応じて、「D」「E」等のアルファベットからなる記号が記憶される。また、損券レベル1105とは、紙葉類の汚れや欠損の程度を総合的に判定したものを数値化したものであり、数値が大きい程、紙葉類が汚れている(または紙葉類が欠損している)。
【0028】
また、その他の特徴1107には、リジェクト紙葉類を還流庫に収納する場合のリジェクト要因、紙葉類を鑑別した面(表面、裏面)や方向、紙葉類の真偽の程度(真券、偽券、真偽が疑わしい、等)、記番号1106が偽券ブラックリストに含まれているか、等について記憶される。
【0029】
従来では、還流庫に収納する全ての紙葉類について、紙葉類に関する情報を記憶していた一方で、本実施例の紙葉類情報テーブル11aは、特定の紙葉類に対してのみ、上記固有情報、鑑別情報、及び収納位置情報を記憶する。このように、特定の紙葉類に限定することにより、記憶部11の使用量を節約することが可能となる。
【0030】
特定の紙葉類に対してのみ、上記固有情報、鑑別情報、及び収納位置情報を記憶するため、紙葉類が還流庫のどの位置に収納されているか特定しなければならない。そのため、紙葉類情報テーブル11aにおいて、紙葉類の収納位置1102が必要な構成である。
【0031】
また、紙葉類情報テーブル11aへの記憶対象となる紙葉類は、鑑別部3に搬送された紙葉類の中からランダムに選択される。記憶対象を不規則とすることにより、還流庫7、8、9、10内のどの紙葉類が記憶対象となっているか容易に把握できず、より強固に不正を防止することが可能となる。
【0032】
以下、紙葉類情報テーブル11aの更新方法について説明する。還流庫7、8、9、10のいずれかに紙葉類が入金される際に、鑑別部3が鑑別した紙葉類の固有情報、紙葉類の鑑別情報、及び収納位置情報を、対応する紙葉類情報テーブル11aに追加する。また、還流庫7、8、9、10のいずれかから紙葉類を出金して、鑑別部3で鑑別した際に取得した情報が、対応する紙葉類情報テーブル11aに記憶された情報と同じであった場合、鑑別部3が鑑別した紙葉類の固有情報、紙葉類の鑑別情報、及び収納位置情報を、対応する紙葉類情報テーブル11aから削除する。このように、鑑別部3で取得した鑑別情報を、記憶部11に記憶することで、還流庫7、8、9、10に収納された紙葉類の固有情報、紙葉類の鑑別情報、及び収納位置情報を把握することが可能となる。
ATM101の詳細な処理に関しては、「(3)具体的な処理フロー」にて説明する。
【0033】
(B)現金自動取引装置の運用
ATM101は、金融機関などの紙葉類を取り扱う場所にて使用される。金融機関などの係員は、始業時にATM101の各還流庫7、8、9、10に紙葉類を補充してから運用を行う。利用者により入金された場合は、紙葉類が還流庫7、8、9に収納されるため、これらの還流庫の収納枚数は増加する。一方、利用者により出金された場合は、還流庫7、8、9から紙葉類が繰出されるため、これらの還流庫の収納枚数は減少する。
【0034】
また、係員の指定により、定期的にATM101内の紙葉類の枚数の精査が行われる。ここで、精査とは、各還流庫7、8、9に収納された紙葉類の枚数を再度鑑別して確定する処理である。精査において、還流庫10を空にして、各還流庫7、8、9のいずれか一つに収納された紙葉類を繰出し、鑑別部3にて鑑別後、一旦還流庫10に収納する。一つの還流庫が空になったら、還流庫10から紙葉類を繰出し、鑑別部3で再度鑑別し、再び元の還流庫に収納する。これを還流庫7、8、9に対して行う。すべての還流庫に対して鑑別部3による鑑別が終了した時点で、精査前にATM101の記憶部11に記憶していた枚数と精査後に計数した枚数との一致確認を行う。
【0035】
枚数が不一致となった場合、ATM101は異常を報告する。枚数不一致となる主な原因は、係員による還流庫からの抜取りによる紙葉類の減量と紙葉類取扱装置による還流庫からの2枚繰出しなどによる繰り出し不正により紙葉類を多く繰り出すことによって起こりうる。しかし、枚数が不一致となった原因となる紙葉類を特定するのは困難であり、正確な原因究明には、時間と労力を割くことになる。
【0036】
本実施例では、上記の問題を解決するために、紙葉類情報テーブル11aに記憶された紙葉類が、予想されるタイミングで繰出されるかをチェックする。もし、予想されるタイミングで繰出されなければ、紙葉類取扱装置1は処理を中断し、係員による紙葉類の抜き取りがあった旨を図示せぬ通知部により通知する。
【0037】
ここで、予想されるタイミングとは、紙葉類情報テーブル11aに記憶された紙葉類の収納位置1102を基準に、前後数枚分の幅を持たせたものである。これは、還流庫に紙葉類が収納される際に、収納済の紙葉類と順序が入れ替わる可能性があるためである。紙葉類の繰出のタイミングを厳密にする(前後数枚分の幅を持たせない)場合、収納済の紙葉類と順序が入れ替わっただけで、抜取り異常と誤検知するため、必要以上に障害を増やしてしまい、運用に差し支える可能性がある。
【0038】
図6は、還流庫に収納されている紙葉類の概略図である。ここでは、還流庫7を例に説明するが、他の還流庫でも同様である。紙葉類情報テーブル11aに記憶された紙葉類7aの収納位置が1000枚目である場合、当該紙葉類の繰出タイミング7bを、998枚目から1002枚目とする。すなわち、1000枚目の前後2枚目以内に、当該紙葉類が繰出されれば、還流庫7からの紙葉類の抜取りは無いものとみなし、処理を続行する。一方、998枚目から1002枚目の間に当該紙葉類が繰出されなかった場合、紙葉類取扱装置1は処理を中断する。また、図7に示すような異常発生画面105aを、操作・表示部105に表示し、係員に対して通知を行う。異常発生画面105aには、繰出しの検出に失敗した紙葉類の金種、記番号、及び還流庫(繰出し部)が表示される。
【0039】
(C)具体的な処理フロー
以下、本実施例における処理、すなわち、還流庫10から還流庫7に紙葉類を搬送する際に、紙葉類に関する情報を記憶する処理、及び情報を記憶された紙葉類を還流庫7から繰出して還流庫10に搬送する処理について、図8図9を用いて詳細に説明する。なお、他の還流庫8、9に関しても同様のフローとなるため、説明は省略する。
【0040】
図8は、還流庫7への紙葉類の収納処理を示すフローチャートである。還流庫7への収納処理が開始された場合(201)、初期値として、紙葉類情報テーブル11aの紙葉類の通しNo.1101に相当する値(紙葉類に関する情報を記憶する位置)N7=1、還流庫7の収納枚数S7=0に設定し、記憶部11に記憶する(202)。1枚目の紙葉類が鑑別部3を通過し、鑑別部3の処理が完了すると(203:Yes)、鑑別結果が鑑別部3から制御部12へ報告される。
【0041】
そして、制御部12は、その金種情報から紙葉類の搬送先を決定する。搬送先が還流庫7である場合(204:YES)、還流庫7の収納枚数S7をS7+1に更新する(205)。その後、制御部12は、制御部12自身が事前に抽出された値とS7とが一致するか判定を行う(206)。(206)は、紙葉類に関する情報を紙葉類情報テーブルに記憶するか否かの判定を行う処理であり、記憶する紙葉類が連続しないように適当な間隔(少なくとも、固有情報を記憶した紙葉類から前後数枚分の、繰出しタイミングをチェックする幅分)を空けるものとする。間隔を空けるのは、紙葉類収納時や紙葉類繰出し時に、紙葉類の状態によっては、収納庫内で順番が入れ替わることがあるためである。
【0042】
紙葉類に関する情報を紙葉類情報テーブル11aに記憶する間隔について、以下詳細に説明する。
(1)間隔は、図9(a)に示すように一定枚数毎(定量的な枚数間隔)としてもよいが、図9(b)に示すように乱数などを用いて無作為に抽出した枚数間隔として不規則な間隔としてもよい。不規則に間隔をあけることで、係員がどの位置の紙葉類の固有情報を記憶しているかを把握しにくくなり、より厳重な不正防止が可能となるからである。
【0043】
(2)還流庫に収納された紙葉類の収納枚数に応じて、間隔を変えるようにしてもよい。特に、収納枚数が少ない場合に間隔を狭くすることにより、還流庫内に収納された紙葉類のうち、一定の割合以上の紙葉類に関する情報を記憶することにより、収納枚数の多少に拘わらず、厳重な不正防止が可能となるからである。
【0044】
(3)記憶部11の記憶容量が大きく、多量の紙葉類について、紙葉類に関する情報を記憶することが可能である場合、紙葉類収納時及び紙葉類繰出し時の順番の入れ替わりを考慮した、数枚程度(5枚程度)の間隔をあけて記憶すればよい。
【0045】
(4)取引で還流庫からの繰出しが予想される枚数は通常、数枚から数十枚程度であるため、少なくともそれ以下の間隔、すなわち、各取引に少なくとも1枚は固有情報を記憶した紙葉類が含まれる程度の間隔をあけて記憶することで、取引毎に不正の有無をチェックすることが可能となる。
【0046】
(5)記憶部11の記憶容量が小さい場合、数十枚から100枚程度の定量的な枚数間隔としたり、より厳重な不正防止を行いたい場合は、無作為な枚数間隔としたり、収納枚数に応じて記憶する間隔を変えるなど、運用方法や紙葉類の収納容量に応じて、間隔を変えるようにしても良い。
【0047】
図8に戻り、S7が事前に抽出された値であり、紙葉類に関する情報を紙葉類情報テーブルに記憶すると判定された場合(206:Yes)、図9(a)または図9(b)に示す紙葉類情報テーブル11aのように、N7の位置に、収納位置、鑑別情報、固有情報を記憶する(207)。その後、N7をN7+1に更新する(208)。(201)〜(208)の処理は、還流庫10に収納された紙葉類を全て繰出し、搬送が完了するまで繰り返し実行される(209)。
【0048】
図10は、還流庫7からの紙葉類の繰出処理を示すフローチャートである。還流庫7からの繰出処理が開始された場合(301)、還流庫7から出た紙葉類の枚数を鑑別部3で鑑別する。鑑別部3の処理が完了すると(302:Yes)、還流庫7の収納枚数S7を減算する(303)。減算する枚数は、通常は1枚であるため、(303)では、S7をS7−1として更新する。なお、還流庫7から2枚重なって繰出されることもあり、その場合は、S7をS7−2として更新する。詳細は、第2の実施例において説明する。
【0049】
次に、鑑別部3で鑑別された紙葉類の枚数と還流庫7の収納枚数の合計枚数(すなわち、繰出し前の還流庫7の収納枚数((303)におけるS7の更新後はS7+1))が、紙葉類情報テーブル11aに記憶された紙葉類の情報のうち、最新の収納位置(通しNo.1101に相当する値がN7−1である紙葉類の収納位置)Xに、ある程度幅を持たせた値(±αした値)の範囲内にあるかどうかをチェックする(304)。
【0050】
上記チェックの結果、範囲内にある場合(304:Yes)、制御部12は、記番号を記憶した紙葉類が繰出されるタイミングと判断し、記番号チェックである旨のフラグをONとし(305)、鑑別した記番号と、通しNo.1101に相当する値がN7−1のである紙葉類の記番号との一致チェックを行う(306)。
【0051】
(306)のチェックの結果、2つの記番号が一致した場合は、記番号チェックである旨のフラグをOFF(チェックを終了)とし(307)、図11に示す紙葉類情報テーブル11aのように、N7−1の位置に記憶された、収納位置、鑑別情報、固有情報を削除する(308)。その後、収納位置、鑑別情報、固有情報が削除された位置を次の記憶位置とすべく、N7をN7−1に更新する(309)。なお、(306)のチェックの結果、2つの記番号が一致しなかった場合は、上記(307)〜(309)の処理はスキップされる。これらの処理は、還流庫7に収納された紙葉類を全て繰出し、搬送が完了するまで繰り返し実行される(310)。
【0052】
一方、(304)におけるチェックの結果、範囲内にない場合であり(304:No)、記番号チェックである旨のフラグがONであるときは(311)、チェック範囲内で記番号を検出できなかったと判断し、異常をアラートとし(312)、処理を終了する。
【0053】
以上の説明では、還流庫10から還流庫7への紙葉類の搬送、及び還流庫7から還流庫10への紙葉類の搬送の場合を説明したが、還流庫10から還流庫8、9への紙葉類の搬送、及び還流庫8、9から還流庫10への紙葉類の搬送についても同様であるため、説明を省略する。また、還流庫10を紙葉類装填部としての機能を有する還流庫として説明したが、還流庫7、8、9の代わりに用いても良い。
【実施例2】
【0054】
上述の通り、還流庫7(あるいは8、9、10)から紙葉類を繰出す際に、2枚重なって繰出されることがある。紙葉類の重なり(及び重なっている紙葉類の枚数)は、鑑別部3で、紙葉類の厚み、面積及び体積を計測することにより判定することが可能である。
【0055】
このとき、紙葉類情報テーブルに記憶された情報を、鑑別部3で読み取ることができない場合がある。しかし、2枚繰出しにより、鑑別部3で読み取ることができなかった可能性があるため(すなわち、還流庫から紙葉類が抜き取られていない可能性があるため)、異常をアラートするには厳格過ぎる。
【0056】
そこで、第2の実施例として、2枚繰出しが発生した場合は、第1の実施例の(304)に加えて、通しNo.1101に相当する値がN7−2である紙葉類の収納位置についても、ある程度幅を持たせた値(±αした値)の範囲内であるかチェックを行うものとする。
【0057】
図12は、還流庫7からの紙葉類の繰出処理を示すフローチャートである。還流庫7からの繰出処理が開始された場合(401)、紙葉類の収納位置のチェックのリトライ回数Rの初期値として、R=0に設定し、記憶部11に記憶する(402)。その後、還流庫7から出た紙葉類の枚数を鑑別部3で鑑別する。鑑別部3の処理が完了すると(403:Yes)、還流庫7の収納枚数S7を減算する(404)。このとき、還流庫7から2枚(Y枚)重なって繰出された場合は、S7をS7−2(S7−Y)として更新する。
【0058】
2枚(Y枚)重なって繰出された場合は、検知される予定であった記番号が検知さえない可能性がある。しかし、前述の通り、還流庫から紙葉類が抜き取られていない可能性があるため、異常をアラートすると厳格すぎる運用となる可能性がある。そこで、2枚(Y枚))重なって繰出された場合は、リトライを1回行うために、リトライ回数をR=1に設定する(406)。
【0059】
次に、鑑別部3で鑑別された紙葉類の枚数と還流庫7の収納枚数の合計枚数(すなわち、繰出し前の還流庫7の収納枚数((404)におけるS7の更新後はS7+Y))が、紙葉類情報テーブル11aに記憶された紙葉類の情報のうち、最新の収納位置(通しNo.1101に相当する値がN7−1である紙葉類の収納位置)Xに、ある程度幅を持たせた値(±αした値)の範囲内にあるかどうかをチェックする(407)。
【0060】
上記チェックの結果、範囲内にある場合(407:Yes)、制御部12は、記番号を記憶した紙葉類が繰出されるタイミングと判断し、記番号チェックである旨のフラグをONとし(408)、鑑別した記番号と、通しNo.1101に相当する値がN7−1のである紙葉類の記番号との一致チェックを行う(409)。
【0061】
(409)のチェックの結果、2つの記番号が一致した場合は、記番号チェックである旨のフラグをOFF(チェックを終了)とし(410)、図13に示す紙葉類情報テーブル11aのように、N7−1の位置に記憶された、収納位置、鑑別情報、固有情報を削除する(411)。なお、図13の場合、収納位置、鑑別情報、固有情報を2回削除したものであるため、処理前のN7−2の位置がN7となっている点に留意すべきである。その後、収納位置、鑑別情報、固有情報が削除された位置を次の記憶位置とすべく、N7をN7−1に更新する(412)。なお、(409)のチェックの結果、2つの記番号が一致しなかった場合は、上記(410)〜(412)の処理はスキップされる。これらの処理は、還流庫7に収納された紙葉類を全て繰出し、搬送が完了するまで繰り返し実行される(413)。
【0062】
一方、(407)におけるチェックの結果、範囲内にない場合であり(407:No)、記番号チェックである旨のフラグがONであるときは(414)、リトライ回数R=1であれば(415:Yes)、異常をアラートさせず、通しNo.1101に相当する値がN7−2である紙葉類の収納位置についてもチェックを行うために、N7をN7−1に更新する(416)。また、リトライ回数をR=0に更新し(417)、記番号チェックである旨のフラグをOFF(チェックを終了)とする(418)。
【0063】
その後、再度(415)以降の処理が実行された場合であって、リトライ回数R=0であるとき(415:No)、チェック範囲内で記番号を検出できなかったと判断し、異常をアラートとし(419)、処理を終了する。
【0064】
なお、還流庫7から2枚(Y枚)重なった繰出が複数回発生した場合、発生の度にリトライ回数R=1に設定し(406)、以降の処理を行う。
【0065】
以上の説明では、還流庫10から還流庫7への紙葉類の搬送、及び還流庫7から還流庫10への紙葉類の搬送の場合を説明したが、還流庫10から還流庫8、9への紙葉類の搬送、及び還流庫8、9から還流庫10への紙葉類の搬送についても同様であるため、説明を省略する。また、還流庫10を紙葉類装填部としての機能を有する還流庫として説明したが、還流庫7、8、9の代わりに用いても良い。
【実施例3】
【0066】
鑑別部3での読み取りが可能な紙葉類だけでなく、鑑別部3での読み取りが不可能な紙葉類も還流庫7(あるいは8、9、10)に収納する場合がある。そこで、第3の実施例として、記憶部11の紙葉類情報テーブル11aに、鑑別部3での読み取りが可能な紙葉類のみ記憶することで、繰出し時の紙葉類の情報の読み取りができないリスクを軽減することが可能となる。
【0067】
図14は、還流庫7への紙葉類の収納処理を示すフローチャートである。還流庫7への収納処理が開始された場合(501)、初期値として、紙葉類情報テーブル11aの紙葉類の通しNo.1101に相当する値(紙葉類に関する情報を記憶する位置)N7=1、還流庫7の収納枚数S7=0に設定する(502)。1枚目の紙葉類が鑑別部3を通過し、鑑別部3の処理が完了すると(503:Yes)、鑑別結果が鑑別部3から制御部12へ報告される。
【0068】
そして、制御部12は、その金種情報から紙葉類の搬送先を決定する。搬送先が還流庫7である場合(504:Yes)、還流庫7の収納枚数S7をS7+1に更新する(505)。
【0069】
このとき、紙葉類の鑑別結果が、鑑別結果が損券の場合(506:Yes)、紙葉類情報テーブル11aへの記憶は行わない。すなわち、後述する(507)〜(509)の処理はスキップされる。
【0070】
(506)において、鑑別結果が損券であるか否かについては、損券レベル1105の高さで判断する。損券レベル1105が高い場合(例:損券レベルが「2」以上)、紙葉類の状態は悪いものであり、紙葉類に関する情報を紙葉類情報テーブル11aには記憶しない。一方、損券レベル1105が低い場合、紙葉類の状態は良いものであり、紙葉類に関する情報を紙葉類情報テーブル11aには記憶する。このように、紙葉類の状態は悪いものについて、紙葉類情報テーブル11aの記憶対象から外すことにより、繰出し時の紙葉類の情報の読み取りができないリスクを軽減する。
【0071】
図14に戻り、制御部12は、制御部12自身が事前に抽出された値とS7とが一致するか判定を行う(507)。S7が事前に抽出された値であり、葉類に関する情報を紙葉類情報テーブルに記憶すると判定された場合(507:Yes)、図15に示す紙葉類情報テーブル11aのように、N7の位置に、収納位置、鑑別情報、固有情報を記憶する(508)。その後、N7をN7+1に更新する(509)。(501)〜(509)の処理は、還流庫10に収納された紙葉類を全て繰出し、搬送が完了するまで繰り返し実行される(510)。
【0072】
以上の説明では、還流庫10から還流庫7への紙葉類の搬送、及び還流庫7から還流庫10への紙葉類の搬送の場合を説明したが、還流庫10から還流庫8、9への紙葉類の搬送、及び還流庫8、9から還流庫10への紙葉類の搬送についても同様であるため、説明を省略する。また、還流庫10を紙葉類装填部としての機能を有する還流庫として説明したが、還流庫7、8、9の代わりに用いても良い。
【符号の説明】
【0073】
1:紙葉類取扱装置、2:入出金口、3:鑑別部、4:一時保留部、5:搬送路、6:入金庫、7〜10:還流庫、11:記憶部、12:制御部、13a〜13h:搬送路センサ、14:取り忘れ回収庫、101:現金自動取引装置、102:カード/明細票処理機構、103:通帳処理機構、104:筐体、105:操作/表示部、106:本体制御部、107:インタフェース部、108:係員操作部、109:外部記憶装置、110:バス、111:電源部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15