(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0030】
概して本発明の実施形態は、半導体メモリ装置に関係する。本発明の実施形態は、相変化メモリ(PCM)装置およびシステムと、半導体(たとえば、Si)多重層に多数のセルアレイが積層されている関連した3次元装置アーキテクチャとに関係する。
【0031】
一実施形態では、PCMセルは、相変化メモリセルのスイッチング素子としてダイオードを使用する。他の実施形態では、スイッチング素子は、MOSトランジスタとバイポーラトランジスタとである。実施形態では、メモリ装置は、揮発性メモリと不揮発性メモリとである。メモリ装置は、たとえば、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)およびリード・オンリー・メモリ(ROM)のような様々なタイプのメモリを含む。RAMは、たとえば、磁気RAM(MRAM)、抵抗RAM(RRAM)、および強誘電性RAM(FRAM)を含む。
【0032】
図8は、本発明の実施形態が適用されるメモリ装置を示す。
図8を参照すると、メモリ装置は、行デコーダ172と、列デコーダ、センスアンプおよび書き込みドライバ174とを含む周辺回路付きのメモリセルアレイ170を含む。行デコーダ172は、予めデコードされたアドレス情報および制御情報を含む信号176を受信する。列デコーダ、センスアンプおよび書き込みドライバ174は、制御情報を含む信号178を受信する。さらに、列デコーダ、センスアンプおよび書き込みドライバ174は、データ書き込みおよび読み取りのため入力および出力(I/O)回路(図示せず)と通信する。行(ワード線)および列(ビット線)のための制御情報は、メモリ装置制御回路(図示せず)によって供給される。
【0033】
図9Aは、本発明の実施形態による複数のダイオード・ベースの相変化メモリ(PCM)セルを含むメモリ装置を示す。
図9Aを参照すると、装置は、個々のグループがセル1、・・・、セル(n−1)、セルnを備えるセルアレイの複数のグループを有している。特殊な実施例では、n個のメモリセル180−1、・・・、180−(n−1)および180−nは、nが2以上の整数であるとして、1層のセルアレイを形成するために繰り返される。たとえば、nは、64であるが、限定されない。n個のメモリセル180−1、・・・、180−(n−1)および180−nのうちの1つずつは、GST(カルコゲナイド化合物)182と、自己整合底面電極184と、陽極186および陰極188として直列接続されている縦型P−Nダイオードとを用いて構成されている。ヒーター190は、上面電極(図示せず)と共に、GST 182とビット線192との間にあり、低抵抗を用いて構成されている。
【0034】
ヒーター190は、
図2、4A、4Bのヒーター122に対応する。GST 182は、
図2、4A、4Bのカルコゲナイド化合物126に対応する。ヒーター190とビット線192との接点である上面電極と、底面電極184とは、それぞれ、
図2、4A、4Bの第1の電極124と第2の電極128とに対応する。カルコゲナイド化合物は、
図2および4Bに示されるように、プログラム可能ボリューム132を発生する。陽極186および陰極188を有しているダイオードは、
図5に示されたダイオード144に対応し、
図1のスイッチング素子114としての役目を果たす。
【0035】
ビット線192は、1番目の金属層(M1)によって形成されている。ダイオードの陰極188は、P基板198のN+ドープされたベースの中に形成されたワード線194に接続されている。特殊な実施例では、基板198は、P型ドーパントを含む半導体層によって形成されている。ワード線ストラップ196は、ワード線抵抗を低減するために2番目の金属層(M2)を使用する。ワード線ストラップは、n個の相変化メモリ(PCM)セル毎に使用され得る。ワード線194を低抵抗ストラップ196と接続(たとえば、ストラップ)する頻度の選択は、ワード線ドライバ(後述される)と、ストラップ接続から最も離れているメモリセルとの間のワード線抵抗を低下させるために十分にストラッピングすることによって行われる。しかし、ストラッピングは、全体的なメモリアレイサイズを著しく増大させるようには行われない。ワード線194とストラップ196とは、接点199によって接続されている。ビット線192およびワード線194は、それぞれ、
図5に示されたビット線146およびワード線148に対応している。FETベースPCMセルおよびバイポーラ・ベースPCMセルが実施される場合、ビット線192は、
図6および7に示されたビット線156および166の1つずつに対応し、ワード線194は、ワード線158および168の1つずつに対応している。
【0036】
図9Bは、本発明の別の実施形態による3次元メモリ装置を示す。
図9Bに示された特殊な実施例では、3次元メモリ装置は、2個の積層PCM構造体100−1および100−2を含む。PCM構造体100−1は、P基板の1番目のシリコン層198−1を含む。PCM構造体100−2は、単結晶の2番目のシリコン層198−2を含む。層198−1および198−2は、GaAsおよび「III−V族」化合物材料を含む半導体材料を使用し得る。積層PCM構造体100−1および100−2の1つずつは、
図9Aに示されるような同じダイオード・ベースPCMセルの構造を有している複数のPCMセルを有している。PCM構造体100−1および100−2は、それぞれのワード線194−1、194−2およびワード線ストラップ196−1、196−2を含む。
【0037】
1番目の層100−1のPCMセルアレイは、P基板198−1(1番目の半導体層)に製造される。2番目の層100−2のPCMセルアレイは、2番目の半導体層198−2に製造される。PCMセルアレイの付加構造体がPCM構造体100−2の上に形成された層に製造されることがある。当業者は、積層構造体の層数が限定されないことを理解するであろう。
【0038】
図10は、本発明の実施形態によるメモリ装置内に含まれる相変化メモリ(PCM)セルアレイを示す。メモリ装置は、
図9Aおよび9Bに示されるような3次元構造体を有している。
図10に示された特殊な実施例では、メモリセルは、ダイオード・ベースPCMセルである。メモリセルの1つずつは、
図5に示されるような記憶素子としてダイオード144および可変抵抗器142を含む。
【0039】
図9A、9Bおよび10を参照すると、複数(p個)のセルアレイ(PCMセルアレイ1、PCMセルアレイ2、・・・、PCMセルアレイp)は、pが2以上の整数であるとして、1つの半導体層(たとえば、
図9Bの層198−1および198−2の1つずつ)に製造される。たとえば、pは4または8である。PCMセルアレイ同士の回路構造は、互いに同一である。p個のPCMセルアレイ302−1〜302−pの個々のグループは、複数(j本)のビット線(B/L1〜B/Lj)を含む。複数(k本)のワード線「W/L1」〜「W/Lk」、312−1〜312−kは、PCMセルアレイ302−1〜302−pのPCMセルに接続されている。PCMセルアレイのうちの1つずつは、kおよびjがそれぞれ行数および列数を表現し、kおよびjの1つずつが2以上の整数であるとして、複数のメモリセル(k×j個のセル)を含む。たとえば、kは、512であり、jは、256である。メモリセルの1つずつは、たとえば、
図5に示されるように、記憶素子142に接続されたダイオード144を含むダイオード・ベースPCMセルのような記憶素子に接続されたダイオードを含む。当業者は、p、kおよびjが限定されないことを理解するであろう。
【0040】
図10では、記憶素子のうちの1つずつは、(実際には、
図5に示されるように可変抵抗器142である)抵抗器によって表現される。一般に、ワード線およびビット線に接続されたメモリセルは、Kが1層の行の可変数を表現し、Jがp個のグループのうちの1つにおける列の可変数を表現し、1≦K≦k、1≦J≦jであるとして、「304−(K,J)」によって表現される。
図10では、メモリセル304−(1,1)および304−(k,j)が示される。個々のメモリセルは、ビット線およびワード線にこれらの交点で結合されている。メモリセルのうちの1つずつは、第1の端子306および第2の端子310を有している。第1の端子306は、
図2、4A、4Bに示された第1の電極124および
図9Aに示されたビット線192とヒーター190との接続に対応する。しかし、
図10は、メモリセルの可変抵抗器に接続されたヒーターを示さない。第2の端子310は、
図9Aに示されるように陰極188とワード線194との接合部に対応する。
図10に示されるようにメモリセル304−(k、j)の第1の端子306および第2の端子310は、それぞれ、対応するビット線「B/Lj」308−jおよびワード線「W/Lk」312−kに接続されている。ビット線は、「列」と称されることもあり、ワード線は、「行」と称される。1個のセルアレイ内の列の数jは、限定されることがなく、jは、
図9A、9Bに示されるように1個のアレイ内部の行内のPCMセルの個数を表現するnに等しくてもよい。jの実施例は、256である。1個のセルアレイ内の行の数kと、アレイの個数pとは、限定されない。
【0041】
図11は、書き込み動作「WRITE」を記述する目的で
図10に示されたPCMセルアレイのうちの1つ(たとえば、PCMセルアレイ1、302−1)を示す。ワード線およびビット線の選択は、行アドレスおよび列アドレスに従って実行される。
図11に示された特殊な実施例では、ワード線「W/L2」およびビット線「B/Lj」が選択される。
【0042】
図11を参照すると、ワード線「W/L2」312−2は、このワード線のバイアスを0Vに変化させることにより選択され、その間に、ワード線312−1および312−3〜312−kのうちの1つずつは、VDD+2ボルトのバイアスで選択されないままにされる。
図11に示された特殊な実施例では、VDDの電圧は、1.8ボルトであり、テクノロジーは、最小形状サイズ0.18μmを使用する。しかし、当業者は、他の電圧、プロセス、テクノロジーおよびセル特性が考えられることを理解するであろう。書き込みドライバ(後述される)からの「I_Reset」または「I_Set」の値をもつ書き込み電流は、選択セル304−(2,j)を介して選択ビット線「B/Lj」308−jおよび選択ワード線「W/L2」312−2を流れる。選択されないビット線(たとえば、ビット線308−1、308−2、および、図示されないその他のビット線)は、ビット線電位がビット線の寄生容量によって維持され、高インピーダンス「フローティング」状態のままにされる。選択されていないワード線またはフローティングビット線に接続された非選択セルは、逆方向バイアスをかけられ、よって、電流が非選択セルの中を流れない。選択セル304−(2,j)は、セット電流I_Setによってデータ「1」、または、リセット電流I_Resetによって「0」を書き込むため使用される。
【0043】
図12は、読み出し動作「READ」のためバイアスをかけられた
図10のPCMセルアレイ1、302−1を示す。
図12を参照すると、ワード線「W/L2」312−2は、このワード線のバイアスを0Vに変化させることによって選択され、その間に、選択されていないワード線312−1および312−3〜312−kは、VDD+1ボルトのバイアスで選択されていないままにされる。センスアンプ(後述される)からの読み出し電流「I_Read」は、選択ビット線「B/Lj」308−jと選択セル304−(2,j)とを介して選択ワード線「W/L2」312−2に流れる。選択されていないビット線(たとえば、ビット線308−1、308−2およびその他(図示されず))は、ビット線電位がビット線の寄生容量によって維持され、高インピーダンス「フローティング」状態のままにされる。選択されていないワード線またはフローティングビット線に接続された非選択セルは、逆方向バイアスをかけられ、よって、電流が非選択セルの中を流れない。
【0044】
図10、11および12に示されるようなダイオード・ベースPCM装置の電圧バイアス条件および電流条件の実施例は、表2に要約される(Kwang−Jin Lee外、“A 90nm 1.8V 512Mb Diode−Switch PRAM With 266MB/s Read Throughput”、IEEE J Solid−State Circuits、vol.43、no.1、pp.150−162、Jan. 2008)。すべての電圧値および電流値は、実施形態のための実施例である。当業者は、プロセステクノロジーおよびセル特性と整合性が取れた他の値が可能であることを理解するであろう。
【0045】
:ダイオード・ベースPCMのための電圧および電流条件
【表2】
【0046】
図13Aは、本発明の実施形態による3次元メモリ装置アーキテクチャを表現する。
図13Aを参照すると、3次元積層メモリ装置アーキテクチャ400は、mが2以上の整数であるとして、複数(m層)の層402−1、402−2、・・・、402−mにそれぞれ形成された複数のPCMセルアレイ(セルアレイ層1、セルアレイ層2、・・・、セルアレイ層m)を含む。PMCセルアレイは、半導体層の積層体に接する。複数のPCMセルアレイがこれらの層のうちの1層ずつに形成される。3次元積層メモリ装置アーキテクチャ400は、複数(m行)の行デコーダ404−1、404−2、・・・、404−mと、複数(m個)のローカル列選択器410−1、410−2、・・・、410−mと、を含む。たとえば、mは、4であるが、限定されない。
【0047】
i番目の層402−iのPCMセルアレイは、iが1≦i≦mであるとして、複数の通信路を介して対応する行デコーダ404−iおよび対応するローカル列選択器410−iと通信する。i番目のセルアレイ層402−iからのk本のワード線「W/L1」〜「W/Lk」、312−1(i)〜312−k(i)は、対応する行デコーダ404−iに接続されている。たとえば、1番目の層402−1のセルアレイからのワード線312−1(1)〜312−k(1)は、行デコーダ404−1に接続されている。同様に、m番目の層402−mのk本のワード線312−1(m)〜312−k(m)は、行デコーダ404−mに接続されている。m個の行デコーダ404−1〜404−mは、プレ行デコーダ(図示せず)によって供給された複数のプレ行デコーダ出力「Xq」、「Xr」および「Xs」を共通に受信する。
【0048】
m層の層402−1〜402−mの1番目のワード線「W/L1」312−1(1)〜312−1(m)の1つずつは、行デコーダ404−2〜404−mのうちのそれぞれの1つに接続されている。同様に、m層の層402−1〜402−mのk番目のワード線「W/Lk」、312−k(1)〜312−k(m)の1つずつは、行デコーダ404−k(1)〜404−k(m)のうちのそれぞれの1つに接続されている。ワード線の総数は、(k×m)である。当業者は、積層メモリ装置アーキテクチャの半導体層の数「m」が限定されないことを理解するであろう。
【0049】
図13Aに示された特殊な実施例では、PCMセルアレイ1〜PCMセルアレイp、302−1〜302−pは、層のうちの1層ずつに形成される。
図10および13Aを参照すると、PCMセルアレイ302−1〜302−pのうちの1つずつは、j本のビット線(B/L1〜B/Lj)を含み、よって、個々の層は、c(=j×p)本のビット線を含み、m層の層402−1〜402−mのビット線の総数は、m×c(=m×j×p)である。
【0050】
i番目の層のセルアレイ層402−iからの「ローカル」ビット線308−1〜308−jのp個のグループは、対応するローカル列選択器410−iに接続されている。たとえば、m番目の層のセルアレイ層402−mからのj本のビット線308−1〜308−jのp個のグループは、ローカル列選択器410−mに接続されている。1番目からm番目までの層のセルアレイ層402−1〜402−mからのm本のビット線「B/L1」308−1(1)から308−1(m)は、ローカル列選択器410−1〜410−mに接続されている。同様に、1番目からm番目までの層のセルアレイ層402−1〜402−mからのm本のビット線「B/Lj」、308−j(1)〜308−j(m)は、ローカル列選択器410−1〜410−mに接続されている。
【0051】
3次元積層体アーキテクチャ400では、セルアレイ層402−2〜402−mは、セルアレイ層402−1が形成された半導体層の上に形成されている半導体層に接している。行デコーダ404−2〜404−mおよび対応するローカル列選択器410−2〜410−mは、行デコーダ404−1およびローカル列選択器410−1と同じ層に形成されている。これは、セルアレイ層402−2〜402−mのため使用される半導体層の形成を簡単化する点で有利であり、なぜならば、トランジスタがこれらの層に形成される必要がないからである。
【0052】
ダイオードではなく、電界効果トランジスタまたはバイポーラトランジスタに基づくPCMセルアレイを用いる実施形態では、行デコーダ404−1〜404−mおよびローカル列選択器410−1〜410−mを含む層に必要とされるトランジスタより簡単なトランジスタが形成される。行デコーダ404−1〜404−mおよびローカル列選択器410−1〜410−mは、PCMセルアレイで使用される速度要件および漏れ要件とは異なった速度要件および漏れ要件を有することがある。
【0053】
3次元積層体アーキテクチャ400は、ローカル列選択器410−1、410−2、・・・、410−mと通信する複数(m個)のグローバル列動作回路470−1、470−2、・・・、470−mを有している。m個のグローバル列動作回路470−1、470−2、・・・、470−mのうちの1つずつは、同じ回路構造を有し、グローバル列選択器472と、書き込みドライバ474と、センスアンプ476とを含む。グローバル列動作回路470−1〜470−mのうちの1つずつのグローバル列選択器472は、ローカル列選択器410−1〜410−mのうちのそれぞれの1つずつにさらに接続されている複数(p本)のグローバルビット線「GB/L」に接続されている。たとえば、グローバル列動作回路470−1のグローバル列選択器472は、p本のグローバルビット線450−1〜450−pを介して対応するローカル列選択器410−1と通信する。同様に、グローバル列動作回路470−mのグローバル列選択器472は、p本のグローバルビット線GB/Lを介して対応するローカル列選択器410−mと通信する。
【0054】
m個のグローバル列動作回路470−1、470−2、・・・、470−mのうちの1つずつにおいて、グローバル列選択器472は、p本のグローバル読み出しデータ線「RDL」を介して書き込みドライバ474と通信する。グローバル列選択器472は、p本のグローバル書き込みデータ線「WDL」を介してセンスアンプと通信する。書き込みドライバ474は、PCMセルアレイのメモリセルに書き込まれる入力データ「Data_in」を受信する。センスアンプ476は、センス出力「SAout」または「Data_out」を供給する。
【0055】
図13Bは、
図13Aに示された3次元メモリアーキテクチャ400のためのメモリアドレス制御信号を示す。
図13Aおよび13Bを参照すると、m個の行デコーダ404−1〜404−mに共通に印加された複数のプレ行デコーダ出力「Xq」、「Xr」および「Xs」は、Kが1≦K≦kとして、行識別表示Kを表現する。特殊な実施例では、プレ行デコーダ出力は、周辺制御回路(図示せず)に含まれるプレデコーダによって供給される。ローカル列選択信号Y1、Y2、・・・、Yjは、1≦J≦jとして、p列の1つのグループの内部のローカル列識別表示”J”を表現する。グローバル列動作回路470−1〜470−mのうちの1つずつのグローバル列選択器472は、書き込み動作中に複数(p個)の書き込みグローバル列選択信号GYW1〜GYWpを受信し、読み出し動作中に複数(p個)の読み出しグローバル列選択信号GYR1〜GYRpを受信する。書き込みグローバル列選択信号GYW1〜GYWp(および読み出しグローバル列選択信号GYR1〜GYRp)は、1≦P≦pとして、グローバル列のグローバル列識別表示「P」を表現する。グローバル列識別表示「P」と、列識別表示「J」と、行識別表示「K」とは、アクセス(書き込みまたは読み出し)されるメモリセルを識別または選択する。層は、1≦M≦mとして、変数Mによって識別される。
【0056】
図13Aおよび13Bを参照すると、書き込みドライバ474は、書き込み動作フェーズにおいて、識別変数(「J」、「P」、「K」、「M」)によって識別または選択されたメモリセルに書き込まれる入力データ「Data_in」を受信する。読み出し動作フェーズにおいて、センスアンプ476は、識別表示によって選択された選択メモリセルからデータを読み出し、読み出しデータとしてセンス出力「SAout」を供給する。識別表示(「J」、「P」、「K」、「M」)を表現する信号は、メモリ制御回路(図示せず)によって供給される。識別表示に関する情報を有する信号に応答して、周辺回路(
図13に示された行デコーダ、ローカル列選択器、その他)は、3次元PCMアーキテクチャのメモリ装置の動作を制御する。
【0057】
m個のグローバル列動作回路470−1、470−2、・・・、470−mの書き込みドライバ474と、センスアンプ476と、グローバル列選択器472とは、層402−1〜402−mのうちの1つと同じ層に形成される。別の実施形態では、行デコーダ404−1〜404−mおよびローカル列選択器410−1〜410−mは、グローバル列動作回路のグローバル列選択器472、書き込みドライバ474およびセンスアンプ476とは異なった半導体層に形成される。他の実施形態では、行デコーダ404−1〜404−m、ローカル列選択器410−1〜410−m、グローバル列選択器472、書き込みドライバ474およびセンスアンプ476は、層のうちの1つ、たとえば、最後処理層に形成される。
【0058】
別の実施形態では、行デコーダ404−1〜404−mと、ローカル列選択器410−1〜410−mと、グローバル列選択器472と、書き込みドライバ474と、センスアンプ476とは、PCMセルアレイを含まない1つの半導体層に形成されている。これは、様々な回路を形成するために必要とされる面積を削減する点で有利であり、なぜならば、PCMアレイは、同様の面積になり、回路の上に積層されるサイズにすることができるからである。その上、PCMセルアレイのない層は、相変化材料を形成するために必要とされる処理ステップを含む必要がない。
【0059】
図14は、
図13Aに示されたローカル列選択器410−1〜410−mのうちの1つ、たとえば、ローカル列選択器410−1の実施例を示す。
図14を参照すると、ローカル列選択器410−1は、ローカル列選択回路600−1〜600−pのp個のグループを有している。ローカル列選択回路600−1〜600−pは、同じ回路構造を有している。j本のローカルビット線308−1〜308−jのp個のグループは、セルアレイ層1、402−1に形成されたPCMセルに接続されている。列選択回路600−1〜600−pのうちの1つずつは、ビット線放電を実行するj個のNMOSトランジスタ602−1〜602−jを含む。ローカル列選択回路600−1〜600−pのp個のグループのうちのトランジスタ602−1〜602−jのゲートは、ビット線放電信号入力604に共通に接続されている。さらに、列選択回路600−1〜600−pのうちの1つずつは、ローカル列選択を実行するj個のNMOSトランジスタ606−1〜606−jを含み、これらのNMOSトランジスタのソースは、それぞれのローカルビット線308−1〜308−jに接続されている。p個のグループのトランジスタ606−1〜606−jのゲートは、それぞれのローカル列選択入力612−1〜612−jに接続されている。ローカル列選択信号Y1、Y2、・・・、Yjは、ローカル列選択動作を実行するためにp個のグループのローカル列選択入力612−1、612−2、・・・、612−jに共通に供給される。
【0060】
p本のグローバルビット線「GB/L1」〜「GB/Lp」、450−1〜450−pは、ソースがグラウンドに接続されているp個のNMOSトランジスタ620−1〜620−pのドレインに接続されている。すべての列選択回路600−1〜600−pのNMOSトランジスタ620−1〜620−pのゲートは、グローバルビット線放電信号入力622に共通に接続されている。p個のグループの1つずつにおけるj個のトランジスタ606−1〜606−jのドレインは、グローバル列動作回路470−1のグローバル列選択器472に接続されているそれぞれのグローバルビット線「GB/L1」〜「GB/Lp」、450−1〜450−pに共通に接続されている。
【0061】
グローバルビット線放電入力622に供給された共通グローバルビット線放電信号「DISCH_GBL」に応答して、NMOSトランジスタ620−1〜620−pは、p個のローカル列選択回路600−1〜600−pにおいてグローバルビット線放電を実行する。ビット線放電信号入力604に供給されたビット線放電信号「DISCH_BL」に応答して、トランジスタ602−1〜602−jは、ローカル列選択回路600−1〜600−pのp個のグループにおいてビット線放電を実行する。
【0062】
図11、12、13A、13Bおよび14を参照すると、書き込み動作フェーズにおいて、セル304−(2,j)が書き込まれているとき、入力604に供給されたビット線放電信号「DISCH_BL」と、入力622に供給された共通グローバルビット線放電信号「DISCH_GBL」とは、それぞれの放電路(ビット線およびグローバルビット線を含む)を停止状態にするために「低」である。ローカル列選択入力612−1、612−2、・・・、612−jに供給されたローカル列選択信号Y1、Y2、・・・、Yjに応答して、ビット線の選択が実行される。
【0063】
Yjだけが「高」である場合、ローカル列選択回路600−1〜600−pの1つずつにおけるトランジスタ606−1、606−2、・・・のゲートは、「低」であり、その結果、列選択トランジスタ606−1、606−2、・・・は、停止状態であり、ビット線308−1、308−2、・・・は、フローティングである。ローカル列選択回路600−1〜600−pのトランジスタ606−jのゲートは、「高」に維持され、列選択トランジスタ606−jは、作動状態にされる。その結果、グローバルビット線450−1〜450−pの1つずつは、作動状態にされたトランジスタ606−jを介して、書き込まれるメモリセル304−(2,j)と関連付けられたローカルビット線308−jに接続されている。同様に、ローカル列選択信号Y1、Y2、・・・、Yjの異なる論理状態は、書き込まれるメモリセルを選択または識別するために異なるビットラインが選択されることを引き起こす。
【0064】
図15は、
図13Aに示されるようにグローバル列選択器の1つの実施例を示す。
図15を参照すると、1つのグローバル列選択器(たとえば、グローバル列動作回路470−1のグローバル列選択器472)は、p個のグローバル列選択回路700−1〜700−pを含む。p個のグローバル列選択回路700−1〜700−pのうちの1つずつは、ローカル列選択器410−1に接続されているグローバルビット線450−1、450−2、・・・、450−p(「GB/L1」〜「GB/Lp」)のうちのそれぞれの1つのため動作する。p個のグローバル選択回路700−1〜700−pのうちの1つずつは、フルCMOS伝送ゲートと、インバータと、NMOSトランジスタとを含む。
【0065】
グローバル列選択回路700−1では、伝送ゲート702−1は、NMOSトランジスタ703およびPMOSトランジスタ705によって形成され、グローバルビット線「GB/LP」450−1とグローバル書き込みデータ線「WDL1」706−1との間に位置している。NMOSトランジスタ703のゲートは、インバータ701−1を介してPMOSトランジスタ705のゲートに接続されている書き込みグローバル列選択入力708−1に接続されている。NMOSトランジスタ710−1のソースおよびゲートは、それぞれ、グローバルビット線「GB/L1」450−1および読み出しグローバル列選択入力714−1に接続されている。同様に、グローバル列選択回路700−pにおいて、伝送ゲート702−pは、NMOSトランジスタおよびPMOSトランジスタによって形成され、グローバルビット線「GB/Lp」450−pとグローバル書き込みデータ線「WDLp」706−pとの間に位置している。書き込みグローバル列選択入力708−pは、伝送ゲート702−pのNMOSトランジスタに接続され、そして、インバータ701−pを介して、伝送ゲート702−pのPMOSトランジスタに接続されている。NMOSトランジスタ710−pのソースおよびゲートは、それぞれ、グローバルビット線「GB/Lp」450−pおよび読み出しグローバル列選択入力714−pに接続されている。他のグローバル選択回路の1つずつは、グローバル列選択回路700−1の構造と同じ構造を有している。
【0066】
伝送ゲート702−1〜702−pは、グローバル列動作回路470−1の書き込みドライバ474に接続されているグローバル書き込みデータ線「WDL1」〜「WDLp」、706−1〜706〜pに接続されている。トランジスタ710−1〜710−pのドレインは、それぞれ、p個のグローバル読み出しデータ線「RDL1」〜「RDLp」、712−1〜712−pに接続され、これらのグローバル読み出しデータ線は、グローバル列動作回路470−1のセンスアンプ476に接続されている。
【0067】
データ書き込み動作中に、書き込みグローバル列選択信号GYW1〜GYWpは、データ書き込みのため伝送ゲート702−1〜702−pの動作を制御するためにグローバル列選択回路700−1〜700−pのそれぞれの入力708−1〜708−pに供給される。データ読み出し動作中に、読み出しグローバル列選択信号GYR1〜GYRpは、データ読み出しのためトランジスタ710−1〜710−pの動作を制御するためにグローバル列選択回路700−1〜700−pのそれぞれの入力714−1〜714−pに供給される。
【0068】
グローバル列動作回路のグローバル列選択器472は、
図14に示されたローカル列デコーダ600−1〜600−pのp個のグループのうちの1つを選択するために使用される。グローバル列選択器472は、グローバル書き込みデータ線、たとえば、「WDL1」706−1からの書き込みデータのためのグローバルビット線を選択する動作、または、グローバル読み出しデータ線、たとえば、「RDL1」712−1への読み出しデータのためのグローバルビット線を選択する動作を実行する。書き込みグローバル列選択信号GYW1が「高」である間に、グローバル書き込みデータ線「WDL1」706−1は、PMOSトランジスタおよびNMOSトランジスタの相補型ペア(フルCMOS伝送ゲート702−1)を介して、グローバルビット線「GB/L1」450−1に接続されているので、その結果、フル供給電圧がメモリセル、たとえば、
図12の304−(2,j)に送られる。これは、データが書き込まれるメモリセル内のRESET状態とSET状態との間により広い余裕または分離を確実にする。グローバル読み出しデータ線、たとえば、「RDL1」への読み出し経路は、シングルエンド装置(たとえば、PMOSトランジスタ無しのNMOSトランジスタ)を必要とし、なぜならば、読み出し信号は、2つのプログラムされた状態(すなわち、セット状態「1」およびリセット状態「0」)を読み出すことにより引き起こされるフル供給電圧差無しに感知され得るからである。読み出しグローバル列選択信号GYR1が「高」である間に、NMOSトランジスタ710−1がオンにされ、グローバルビット線「GB/L1」450−1がオン状態のトランジスタ710−1を介してグローバル読み出しデータ線「RDL1」710−1に接続されている。
【0069】
図15に示されるように、p個のグローバル列選択回路700−1〜700−pは、それぞれのグローバル書き込みデータ線WDL1〜WDLpと、それぞれのグローバル読み出しデータ線RDL1〜RDLpに接続されている。したがって、書き込みデータ線と読み出しデータ線とのp対のペアは、1つのグローバル列選択回路472に接続されている。書き込みドライバ474は、メモリセルに書き込まれるp個の入力データ:「Data_in 1」〜「Data_in p」を備える入力データ「Data_in」を受信する。センスアンプ476は、メモリセルから読み出しデータとしてp個のデータ出力:「SAout 1」〜「SAout p」を備えるセンス出力「SAout」または「Data_out」を供給する。
【0070】
図16は、
図13Aに示された書き込みドライバの1つ(たとえば、グローバル列動作回路470−1の書き込みドライバ474)の実施例を示す。
図16を参照すると、書き込みドライバ474は、p個のデータ線駆動回路740−1〜740−pを含む。1個のデータ線駆動回路、たとえば、740−1では、1個のPMOSトランジスタ746と2個のNMOSトランジスタ751および757とは、VPPWDの電圧線743とグラウンドとの間に直列接続されている。VPPWDは、たとえば、VDD+1ボルトである。同様に、1個のPMOSトランジスタ748と2個のNMOSトランジスタ753および759とは、電圧線743とグラウンドとの間に直列接続されている。PMOSトランジスタ746および748のゲートとドレインとは、別のPMOSトランジスタ744のゲートに結合され、接続され、この別のPMOSトランジスタのソースおよびドレインは、それぞれ、電圧線743、および、グローバル書き込みデータ線、たとえば、「WDL−1」706−1に接続されている。NMOSトランジスタ751および753のゲートは、それぞれ、リセット基準信号入力750およびセット基準信号入力752に接続されている。データ入力754は、インバータ755を介して、NMOSトランジスタ757のゲートに接続され、別のインバータ765を介して、NMOSトランジスタ759のゲートにさらに接続されている。他のデータ線駆動回路740−2〜740−pの1つずつは、データ線駆動回路740−1の回路構造と同じ回路構造を有している。データ線駆動回路740−1〜740−pは、それぞれ、グローバル書き込みデータ線「WDL1」〜「WDLp」、706−1〜706−pに接続され、これらのグローバル書き込みデータ線は、次に、
図15に示されるように、対応するグローバル列選択器472に接続されている。
【0071】
図13A、13Bおよび14〜16を参照すると、リセット基準電圧「Vref_reset」は、データ「0」が書き込まれるとき、リセット基準信号入力750に供給される。セット基準電圧「Vref_set」は、データ「1」が書き込まれるとき、セット基準信号入力752に供給される。入力データ「Data_in」(「Data_in 1」〜「Data_in p」)を表現するデータ入力信号は、p個のデータ線駆動回路740〜740−pのうちのそれぞれの1つのデータ入力754に供給される。1つのデータ線駆動回路において、データ入力信号「Data_in」およびリセット基準電圧「Vref_reset」に応答して、電流「I
R」741がNMOSトランジスタ751および757を流れる。データ入力信号「Data_in」およびセット基準電圧「Vref_set」に応答して、電流「I
S」742がNMOSトランジスタ753および759を流れる。「Data_in」信号の「低」状態は、NMOSトランジスタ757をオンにする。「Data_in」信号の「高」状態は、他のNMOSトランジスタ759をオンにする。
【0072】
PMOSトランジスタ746(および748)と744とによって形成されたカレントミラーは、「リセット」書き込み動作中に電流I
R741をグローバル書き込みデータ線「WDL」706−1にミラーする。PMOSトランジスタ748(および746)と744とによって形成されたカレントミラーは、「セット」書き込み動作中に電流I
Sをグローバル書き込みデータ線WDL 706−1にミラーする。グローバル書き込みデータ線からの電流I
R 741またはI
Sは、選択グローバルビット線の中を流れる。電流は、選択ローカルビット線および選択セルの中をさらに流れる(
図11を参照のこと)。
【0073】
書き込みドライバ474は、データ「1」および「0」の書き込み動作中に適切な電流をグローバル書き込みデータ線に供給する。たとえば、データ線駆動回路740−1は、セット基準電圧Vref_setによってセット動作を実行する。セット基準電圧Vref_setが「高」であるとき、トランジスタ753がオンにされる。Data_in 1が「高」(論理「1」)である間に、トランジスタ759がオンにされる。トランジスタ753および759が導通している間に、電流I
S 742がこれらの中を流れる。リセット動作は、Data_in 1における「低」(論理「0」)によって実行され、その間に、トランジスタ751は、リセット基準電圧Vref_resetの「高」状態に応答してオンにできるようにされる。トランジスタ751および757が導通している間に、電流I
S 742は、これらの中を流れる。電流「I
R」741および「I
S」742のミラー電流は、グローバル書き込みデータ線WDL 706−1の中を流れる。トランジスタ751および753は、論理「0」を実現するための電流が論理「1」を実現するための電流とは異なるように異なったサイズを有している。特殊な実施例では、結果として得られるI_SetおよびI_Resetは、それぞれ、たとえば、約0.2mAおよび0.6mAである。しかし、異なった値がセル実施に依存して使用され得ることが明瞭に理解されるべきである。電流I_SetおよびI_Resetのパルス持続期間が、それぞれ、電圧Vref_setおよびVref_resetの幅によって制御される。別の実施例では、異なったパルス持続期間がVref_SetおよびVref_Resetのパルス幅を制御することによって低状態および高状態の間に発生され得る。電圧Vref_setおよびVref_resetは、それぞれ、データ「1」およびデータ「0」のためのデータ書き込みイネーブル信号としての役目を果たす。別の実施例では、異なったパルス持続期間がVref_SetおよびVref_Resetのパルス幅を制御することにより低状態および高状態の間に発生され得る。
【0074】
図17は、
図13Aに示されたセンスアンプの1つ(たとえば、グローバル列動作回路470−1のセンスアンプ476)の実施例を示す。
図17を参照すると、センスアンプ476は、複数(p個)のセンス/比較回路760−1〜760−pを有している。1つのセンス/比較回路、たとえば、センス/比較回路760−1では、グローバル読み出しデータ線「RDL1」712−1は、NMOS放電トランジスタ780のドレインおよびNMOS電圧クランプトランジスタ772のソースに接続されている。トランジスタ772のドレインは、別のNMOS放電トランジスタ776のドレインに接続され、この別のNMOS放電トランジスタのソースは、接地されている。トランジスタ772のゲートは、クランピング電圧VRCMPが供給されるクランピング信号入力773に接続されている。放電トランジスタ780および776のゲートは、放電信号入力778に接続されている。トランジスタ772および776のドレインは、センシングデータ線「SDL」768に接続されている。
【0075】
センス/比較回路760−1は、2個のPMOSビット線予備充電トランジスタ761および762を含む。トランジスタ761のソースおよびゲートは、それぞれ、電圧線771および予備充電信号入力767に接続されている。トランジスタ762のソースおよびゲートは、それぞれ、電圧線775および別の予備充電信号入力763に接続されている。センス/比較回路760−1は、別のPMOSトランジスタ764を含み、このPMOSトランジスタのソースおよびゲートは、それぞれ、電圧線777およびバイアス信号入力765に接続されている。電圧線771および775は、それぞれ、VDDおよびVPPSAの電圧源(図示せず)に接続されている。VDDは、たとえば、1.8ボルトである。VPPSAは、典型的に、VDDより大きく、たとえば、VDD+2ボルトである。3個のトランジスタ761、762および764のドレインは、センシングデータ線「SDL」768に接続されている。差動電圧増幅器(コンパレータ)766は、センシングデータ線「SDL」768と、基準電圧Vrefが供給される基準入力770とに接続されている2個の入力を有している。
【0076】
図13A、13B、14、15および17を参照すると、p個のセンス/比較回路760−1〜760−pは、グローバル読み出しデータ線「RDL1」〜「RDL−p」、712−1〜712−pを介してグローバル列選択器472(グローバル列選択回路700−1〜700−p)に接続されている。センスアンプ476は、
図13Aに示されたセルアレイ層(たとえば、アレイ層402−1)のPCMセル内のビット線からデータを読み出す。メモリアレイ内のビット線は、ローカル列選択器410−1によって選択され、ローカル列選択器410−1、410−2、・・・、410−mは、グローバル列選択器472によって選択される。データは、グローバル読み出しデータ線「RDL」のうちの選択された1つでPCMセルからセンスアンプ476まで進む。
【0077】
放電電圧「DISCH_R」は、放電信号入力778に供給される。「DISCH_R」電圧が「高」である間に、放電トランジスタ780および776は、オンであり、グローバル読み出しデータ線「RDL1」712−1およびセンシングデータ線「SDL」768は、読み出し動作に備えて放電する。予備充電電圧「PRE1_b」および「PRE2_b」は、それぞれ、予備充電信号入力767および763に供給される。2個の予備充電トランジスタ761および762は、ビット線上により緩やかな予備充電率をもたらす。2スロープ予備充電アプローチがVPPSA電圧を供給するために使用されるチャージポンプへの負担を軽減する点で有利である。VPPSAは、チャージポンプ(図示せず)によってVDDから昇圧される。一実施形態では、VPPSAは、VDD+2Vである。チャージポンプは、所定の面積に対して限定された電流ソーシング能力を有している。2段予備充電スキームは、2個のトランジスタ761および762によって達成される。第1段の予備充電は、VDDから直接的に電流を供給することにより0VからVDDまでセンシングデータ線「SDL」786を上昇させるためにPRE1_bに応答して実行される。その後、第2段の予備充電がPRE2_bに応答して実行され、この予備充電は、VPPSAチャージポンプによって供給された電流を使用して電圧線771のVDDから(電圧線775の)VPPSAまでセンシングデータ線「SDL」768を充電する。センシングデータ線「SDL」768をVPPSAまで予備充電することにより、ダイオード・ベースPCMセルのための適切な読み出し電圧余裕が確保される。
【0078】
バイアス電圧「VBIAS_b」(たとえば、VDD)がバイアス信号入力765に供給される。バイアストランジスタ764は、(
図11の)選択メモリセル304−(2,j)によって引き込まれた電流に等しい負荷電流を供給し、寄生電流を排除して、選択メモリセルから引き出された電流をセンシングデータ線「SDL」768上の電圧に変換する。アンプ766は、その後、センシングデータ線「SDL」768上の発生された電圧を基準入力770に供給された基準電圧「Vref」と比較する。センシングデータ線「SDL」768上の電圧レベルが基準電圧Vrefを上回る場合、アンプ766のセンス出力782−1でのセンスアンプ出力「SAout 1」が「高」に駆動される。SAoutは、読み出しデータを表現するデータ出力「Data_out」である。
【0079】
図4A、4B、11および17を参照すると、メモリセル304−(2,j)がリセット状態にプログラムされたとき、アモルファス材料(プログラム可能なボリューム)132がカルコゲナイド化合物126内に発生される。アモルファス状態は、第1の電極124と第2の電極128との間により高い抵抗を引き起こす。より高抵抗の化合物126の中を流れる電流は、結果として、この化合物の両端により大きい電圧降下を生じる。その結果、より大きい電圧降下がメモリセル304−(2,j)の両端に発生され、より大きい電圧がセンシングデータ線「SDL」768で感知される。カルコゲナイド化合物126(相変化層)のより高い抵抗は、
図4Aに示されたRESET状態「Data 「0」に対応する。抵抗は、SET状態「Data 1」(
図4A)に対応する結晶より大きい。
【0080】
他のセンス/比較回路760−2〜760−pの1つずつは、センス/比較回路760−1と同じ回路構造を有し、同じ動作を実行する。他のセンス/比較回路760−2〜760−pは、それぞれ、グローバル読み出しデータ線「RDL2」〜「RDL−p」、712−2〜712−pを介して読み出しデータを表現する信号を受信する。センス/比較回路760−2〜760−pは、それぞれ、センス出力782−2〜782−pからデータアウト「Data_out」としてSAout 2〜SAout pを供給する。p個のデータ出力「SAout 1」〜「SAout p」は、センス出力「SAout」または「Data_out」を形成する。
【0081】
図18は、
図13Aに示された行デコーダの1つ(たとえば、行デコーダ404−1)の実施例を示す。行デコーダ404−1は、ワード線を介して、
図13Aに示されたセルアレイ層402−1のPCMセルメモリに接続された複数(k個)の復号化回路810−1〜810−kを有している。
図18に示された特殊な復号化回路は、プレ行デコーダ出力に応答してアドレス入力信号を復号化する復号化論理回路と、復号化されたアドレス信号に応答して「選択」電圧または「非選択」電圧をワード線に供給するワード線ドライバとを含む。復号化論理回路は、論理ゲートの組み合わせを含む。
図18には、1個のNANDゲートおよび1個のインバータだけが復号化論理回路を表現するため示される。ワード線ドライバは、MOSトランジスタ・ベース駆動回路を含む。
【0082】
図13A、13Bおよび18を参照すると、復号化回路810−1の1つは、プレ行デコーダ出力「Xq」、「Xr」および「Xs」をそれぞれ受信する3組のプレ復号化信号入力800、802および804を有している。3個のプレ行デコーダ出力Xq、XrおよびXsのうちの1つずつは、アドレス情報(「1」〜「8」)を含み、よって、Xq、XrおよびXsは、(2
2)
2個のアドレス:「001」〜「512」を表現する。復号化回路810−1は、NANDゲート816−1と、NANDゲート816−1の出力に接続されたインバータ826−1を含む復号化論理回路840−1を有している。復号化論理回路840−1は、プレ復号化された信号入力800、802および804に接続された入力を有している。復号化回路810−1は、プルアップPMOSトランジスタ820と、PMOSトランジスタ822およびNMOSトランジスタ824の相補型回路とを含むワード線ドライバ842を有している。インバータ826−1の出力は、クランピングNMOSトランジスタ812を介してPMOSトランジスタ820のドレインと、PMOSトランジスタ822、NMOSトランジスタ824のゲートとに接続されている。PMOSトランジスタ820および822のソースは、電圧VPPWLが供給される電圧線818に接続されている。PMOSトランジスタ822およびNMOSトランジスタ824のドレインは、ワード線「W/L1−1」312−1(1)およびPMOSトランジスタ820のゲートに共通に接続されている。
【0083】
復号化回路810−2〜810−kのうちの1つずつは、復号化回路810−1の回路構造と同様の回路構造を有している。復号化回路810−2は、NANDゲート816−2およびインバータ826−2を含む復号化論理回路840−2を有している。同様に、復号化回路810−kは、復号化論理回路840−kおよびインバータ826−kを有している。復号化回路810−2〜810−kの1つずつは、ワード線ドライバを有している。復号化回路810−2〜810−kは、プレデコーダ出力「Xq」、「Xr」および「Xs」を共通に受信する。復号化回路810−2〜810−kは、それぞれ、ワード線「W/L1」〜「W/Lk」、312−2(1)〜312−k(1)に接続されている。
【0084】
行デコーダ404−1は、プレ行デコーダ出力「Xq」、「Xr」および「Xs」によってイネーブル状態になる。ワード線W/L1が選択されるべき場合、NANDゲート816−1の出力は、「低」であり、インバータ826−1は、「高」を出力する。トランジスタ824は、オンであり、ワード線W/L1−1、312−1(1)は、「低」または「0」に引き下げられる。ワード線W/L1が選択されるべきではない場合、NANDゲート816−1の出力は、「高」であり、インバータ826−1は、「低」を出力する。トランジスタ822は、オンであり、ワード線「W/L1−1」312−1(1)は、「高(VPPWL)」まで引き上げられる。その結果、「0V」または「VPPWL」がアドレス復号化に応答してワード線に供給される。
【0085】
行デコーダ404−1の復号化出力は、対応するワード線に供給される。ワード線における復号化出力は、ワード線に接続されているメモリセルが選択されたとき、0Vに設定される。復号化出力は、非選択メモリセルが接続されているワード線においてVPPWLに設定される。ワード線が選択されていない時点で、選択ワード線に印加された電圧は、電圧線818のVPPWLである。印加電圧は、
図11に示されるように、セット書き込みであるか、または、読み出し書き込みであるかどうかを問わずに、書き込み動作中にVDD+2Vである。印加電圧は、
図12に示されるように、読み出し動作中にVDD+1Vである。このような電圧は、上記表2に記載される。
【0086】
電圧VDD+2VおよびVDD+1Vがメモリコントローラ(図示せず)によって供給された動作フェーズ信号832に応答して高電圧チャージポンプ830によってVPPWLとして供給される。動作フェーズ信号832は、書き込み動作フェーズまたは読み出し動作フェーズを指示する。高電圧チャージポンプ830の回路は、たとえば、既知のチャージポンプであるため、これの詳細は、省かれる。
【0087】
ワード線「W/L2」312−2が
図11および12に示されるように選択される場合、ワード線「W/L2−1」312−2(1)に接続された行デコーダ404−1内の復号化回路810−2は、復号化された出力(0V)を出力する。非選択ワード線に接続された復号化回路は、電圧VPPWLを出力する。電圧VPPWLは、動作フェーズ信号832に応じて高電圧チャージポンプ830によって供給されたVDD+2VまたはVDD+1Vである。
【0088】
クランピングトランジスタ812は、電圧線818での電圧VPPWLが過剰な電圧を元の復号化論理回路840−1に供給することを妨げるために、線814に供給された電圧によって制御される。プルアップトランジスタ820は、「W/L1−1」312−1が「低」であるとき、作動状態にされる。これは、読み出される行(たとえば、
図12における312−2)上のメモリセル304−(2,j)、または、書き込まれる行(たとえば、
図11におけるワード線312−2)上のメモリセル304−(2,j)を選択するために使用される「W/L1」312−1での「低」レベルが隣接するワード線(たとえば、ワード線「W/L1−1」312−1(1)および「W/L2−1」312−3(1))からのノイズカップリングの影響をより受け難くなることを確実にする。
【0089】
図19Aは、発明の実施形態による3次元メモリの書き込み動作を実行する回路を示す。書き込まれるメモリ304−(K,J)は、セルアレイ層1、402−1のPCMセルアレイ1、302−1の1番目のグループ内のメモリセル304−(2,j)である、と仮定される。セルを識別する変数は、以下の通りである。
(i)層の識別表示Mは、「1」である。
(ii)ローカル列の識別表示Jは、「j」である。
(iii)グローバル列の識別表示Pは、「1」である。
(iV)行の識別表示Kは、「2」である。
【0090】
このようにして、ローカル列選択信号Yjは、「高」である。書き込みグローバル列選択信号GYW1は、「高」である。プレ行デコーダ出力「Xq」、「Xr」および「Xs」によって識別された行アドレスは、「002」である。3次元メモリの書き込み動作を実行する回路は、
図19Aに示されるように形成される。
【0091】
図10、11、13A、13B、14、15、16、18および19Aを参照すると、グローバルビット線「GB/L1」450−1、ローカルビット線「B/Lj」308−j、およびワード線「W/L2−1」312−2(1)は、識別表示の変数(M,J,P,K)によって選択される。これらの選択は、グローバル列選択器472の伝送ゲート702−1と、ローカル列選択器410−1のNMOS列選択トランジスタ606−jとをオンに入れ、導通させる。行デコーダ404−1のワード線ドライバ842は、0Vを選択ワード線「W/L2−1」312−2(1)に供給する。
【0092】
VPPWDが供給された書き込みドライバ474のPMOSトランジスタ744は、データ「1」または「0」である入力データ「Data_in 1」に応答して、I
SまたはI
Rのミラー電流をグローバル書き込みデータ線「WDL1」706−1に供給する。電流は、導通伝送ゲート702−1と、グローバルビット線「GB/L1」450−1と、導通列選択トランジスタ606−jと、ローカルビット線「B/L1」308−jと、選択メモリセル304−(2,j)と、選択ワード線「W/L2−1」312−2(1)との中を流れる。I
SおよびI
Rのミラー電流は、それぞれ、
図11に示されるように、電流I_SetおよびI_Resetを生じる。これらの電流は、メモリセル304−(2,j)の抵抗器の両端にデータ「1」または「0」を記憶するために異なった電圧を発生させる。
【0093】
図19Bは、発明の実施形態による3次元メモリの読み出し動作を実行する回路を示す。データが読み出されるメモリ304−(K,J)は、セルアレイ層1、402−1のPCMセルアレイ1、302−1の1番目のグループ内のメモリセル304−(2,j)である、と仮定される。このようにして、ローカル列選択信号Yjは、「高」である。読み出しグローバル列選択信号GYR1は、「高」である。プレ行デコーダ出力「Xq」、「Xr」および「Xs」によって識別された行アドレスは、「002」である。3次元メモリの読み出し動作を実行する回路は、
図19Bに示されるように形成される。
【0094】
図10、12、13A、13B,14、15、16、18および19Bを参照すると、グローバルビット線「GB/L1」450−1と、ローカルビット線「B/Lj」308−jと、ワード線「W/L2−1」312−2(1)とが選択される。これらの選択は、グローバル列選択器472のNMOSトランジスタ710−1と、ローカル列選択器410−1のNMOS列選択トランジスタ606−jとをオンに入れ、導通させる。
【0095】
NMOS電圧クランプトランジスタ772は、クランピング電圧VRCMPによってオンにされ、2ステップ予備充電動作が、それぞれ、予備充電信号PRE1_b 761およびPRE2_b 763を用いて2個の予備充電PMOSトランジスタ761および762によって実行される。その後、PMOSトランジスタ764が(0Vをもつ)バイアス電圧「VBIAS_b」に応答してオンにされ、電圧線777の電圧VDDがオン状態のトランジスタ764を介してSDR 768に供給され、この中に電流を流す。電流は、オン状態のトランジスタ772と、グローバル読み出しデータ線「RDL1」712−1と、グローバル列選択器472のオン状態のNMOSトランジスタ710−1と、グローバルビット線「BL/L1」450−1と、ローカル列選択器410−1のオン状態のNMOS列選択トランジスタ606−jとを流れる。その結果、電流I_Readは、
図12に示されるように、ローカルビット線「B/Lj」308−jと、選択メモリセル304−(2,j)と、選択ワード線「W/L2−1」312−2(1)とを流れることになる。メモリセル304−(2,j)内の抵抗器の抵抗は、データ「1」および「0」が書き込まれた条件の間で異なる。データ「1」条件と「0」条件との間で異なった電圧が抵抗器と直列接続されているSDR 768に発生される。発生された電圧と基準電圧Vrefとを比較して、アンプ766は、データ「1」または「0」を表現するセンス出力「SAout 1」を供給する。
【0096】
図20Aは、発明の実施形態による3次元メモリの書き込み動作を示す。書き込み動作は、4つのフェーズ、すなわち、「放電」910と、「書き込みセットアップ」920と、「セル書き込み」930と、「書き込み回復」940とを含む。
【0097】
図面を参照すると、放電フェーズ910中に、ローカルビット線B/L1〜B/Ljとグローバルビット線GB/L1〜GB/Lpとは、0Vまで放電される。これは、ビット線放電信号入力604に供給されたビット線放電信号「DISCH_BL」と、グローバルビット線放電信号入力622に供給された共通グローバルビット線放電信号「DISCH_GBL」とをVDD+2Vまで上昇させることによって達成される。DISCH_BLおよびDISCH_GBLをVDDまでより大きい電圧まで上昇させることは、ビット線およびグローバルビット線をそれぞれ放電するためにより多くの駆動電流を供給する。別の実施形態では、DISCH_BLおよびDISCH_GBLは、VDDまで上昇させられるだけであり、放電フェーズ910は、より長い放電時間まで延長される。放電フェーズ910中に、ワード線(たとえば、ワード線312−1および312−3)は、VDD+2Vを印加することにより選択解除される。
【0098】
ワード線は、メモリセルが導通することを妨げるために、おおよそビット線(たとえば、ビット線308−j)電位を上回るあるダイオード閾値まで上昇させられる必要があるが、ワード線をVDD+2Vまで上昇させることは、ビット線が放電されている間にメモリセルが電流を伝導させないことを確実にする。
【0099】
書き込みセットアップフェーズ920中に、ローカルビット線およびグローバルビット線は、ビット線放電信号「DISCH_BL」および共通グローバルビット線放電信号「DISCH_GBL」を停止状態にすることによって「フロート」することが許容される。フローティングビット線は、ビット線電位が低インピーダンス源(たとえば、ドライバ)によって駆動されるのではなく、ビット線の寄生容量と共に前の電位を顕著に維持できることを意味する。
図16に示されたグローバル書き込みデータ線WDL 706−1は、ローカル列選択信号Yjおよび書き込みグローバル列選択信号GYW1を作動状態にすることによって、書き込まれることが意図されているメモリセル304−(2,j)に接続されたビット線308−jに供給される。その上、選択ワード線312−2は、メモリセル304−(2,j)が書き込まれることを許容するために0Vまでバイアスをかけられる。セル書き込みフェーズ930中に、セルは、それぞれ、高速クエンチングによってリセット状態に、または、低速クエンチングによってセット状態に書き込まれる。書き込みドライバは、
図16に示された入力データに応じて書き込み電流を供給する。たとえば、「Data_in 1」が「0」であることに応答して、リセット状態を書き込むために、より狭いパルス(たとえば、
図3に示されるようなパルス132)が
図20Aにおけるグローバル書き込みデータ線WDL 706−1に供給される。同様に、「Data_in 2」が「1」であることに応答して、セット状態を書き込むために、より広いパルス(たとえば、
図3に示されるようなパルス134)が
図20Aにおけるグローバル書き込みデータ線706−2に供給される。
【0100】
書き込み回復フェーズ940中に、
図4Aおよび4Bにおけるカルコゲナイド化合物248は、結晶化および冷却のための付加時間が与えられる。書き込み回復フェーズ940の後に続いて、選択ワード線312−2およびグローバルビット線放電信号「DISCH_GBL」は、VDD+2Vまで戻る。ローカル列選択信号Yiおよびグローバル列選択信号GYW1は、オフにされる。
【0101】
図20Bは、発明の実施形態による3次元メモリの読み出し動作を示す。読み出し動作は、4つのフェーズ:「放電」950と、「B/L予備充電」960と、「セルデータ発生」970と、「データセンス」980とを含む。
【0102】
図面を参照すると、放電フェーズ950中に、ローカルビット線およびグローバルビット線は、書き込み動作と同様に、ビット線放電信号「DISCH_BL」および共通グローバルビット線放電信号「DISCH_GBL」によって放電される。その上、グローバル読み出しデータ線「RDL」712およびセンシングデータ線「SDL」768は、VDD+2Vを印加することにより放電電圧DISCH_Rまで放電される。
【0103】
ビット線予備充電フェーズ960中に、ローカル列選択器およびグローバル列選択器のトランジスタが、それぞれ、選択された列選択信号Yj 612−jおよびグローバル列選択線GYW1 708−1によってオンにされる。クランピング信号入力773に印加されたクランピング電圧VRCMPは、電圧レベル「Vrcmp」に設定され、この電圧レベルは、クランピングトランジスタ772にグローバル読み出しデータ線RDL 712からセンシングデータ線「SDL」768まで通過させられ得る電圧を制限させるので、その結果、アンプ766は、飽和し、回復時間を制限することが妨げられる。一実施形態では、Vrcmpは、VDD+3ボルトに設定されるので、その結果、クランピングトランジスタ772の閾値未満である電圧VDD+3Vは、グローバル読み出しデータ線「RD」712からセンシングデータ線「SDL」768まで進む。
【0104】
センシングデータ線「SDL」768は、2ステップ予備充電動作を用いてVDD+2Vまで、すなわち、トランジスタ761および763それぞれに供給された予備充電信号PRE1_bおよびPRE2_bによって、最初にVDD(たとえば、1.8V)まで、その後、VDD+2Vまで予備充電される。セル発生フェーズ970中に、選択ワード線は、0Vまでバイアスをかけられる。センシングデータ線「SDL」768のためのバイアストランジスタ764は、イネーブル状態にされる。この期間中に、選択セル(たとえば、304−(2,j))は、このセル内のプログラムされた状態に応じて、電流を引き出し、センシングデータ線「SDL」768に電位を変化させることになる。
【0105】
データセンスフェーズ980中に、センスアンプは、センシングデータ線「SDL」768で電圧を感知し、センシングデータ線「SDL」768での電圧が基準電圧Vrefを上回る場合に、SAout 782を高に変える。一実施形態では、アンプ766は、付加制御ピンによって制御されたSAout 782の状態をラッチする。別の実施形態では、アンプ766は、ヒステリシスを含むので、センシングデータ線「SDL」768がセルデータ発生フェーズ970中にVref 770に等しいとき、SAout 782は、切り替わらないことになる。
【0106】
図21は、本発明の別の実施形態による3次元メモリアーキテクチャを示す。
図21に示された3次元メモリアーキテクチャ500は、グローバル列動作回路を除いて、
図13Aの3次元メモリアーキテクチャと同じである。
図21を参照すると、3次元メモリアーキテクチャ500は、1つずつがグローバル列選択器と、書き込みドライバと、センスアンプとを有しているm個のグローバル列動作回路670−1、670−2、・・・、670−mを含む。m個のグローバル列動作回路670−1、670−2、・・・、670−mの1つずつにおいて、グローバル列選択器は、共通グローバル書き込みデータ線「CWDL」を介して書き込みドライバと通信する。グローバル列選択器は、共通グローバル読み出しデータ線「CRDL」を介してセンスアンプと通信する。書き込みドライバは、PCMセルアレイのメモリセルに書き込まれる入力データ「Data_in」を受信する。センスアンプは、PCMセルアレイのメモリセルから読み出された出力データを「Data_out」として供給する。たとえば、グローバル列動作回路670−1は、グローバル列選択器672−1と、書き込みドライバ674−1と、センスアンプ676−1とを有している。書き込みドライバ674−1は、PCMセルアレイのメモリセルに書き込まれる入力データ「Data_in」を受信する。センスアンプ676−1は、センス出力「SAout」または「Data_out」を供給する。
図13Aに示された3次元メモリアーキテクチャ400の他の回路の詳細は、
図21の3次元メモリアーキテクチャ500に適用できる。
【0107】
図22は、グローバル列選択器の実施例を示す。
図22に示されたグローバル列選択器は、
図21に示された3次元メモリアーキテクチャ500で使用される。
【0108】
図21および22を参照すると、グローバル列動作回路670−1〜670−mのm個のグローバル列選択器672−1〜672−mは、同じ回路構造を有し、グローバル書き込みデータ線およびグローバル読み出しデータ線を共有する。m個のグローバル列選択器672−1〜672−mは、p本のグローバルビット線「GB/L1」〜「GB/L−p」、450−1〜450−pのそれぞれのグループを介して、ローカル列選択器410−1〜410−mにそれぞれ接続されている。グローバル列選択器672−1〜672−mのうちの1つずつは、データ書き込みのためのフルCMOS伝送ゲート回路とデータ読み出しのためのNMOSトランジスタとのp個のグループを含む。たとえば、グローバル列選択器672−1は、p個のCMOS伝送ゲート回路722−1〜722−pと、p個のNMOSトランジスタ730−1〜730−pと、を有している。同様に、グローバル列選択器672−mは、p個のCMOS伝送ゲート回路722−1〜722−pと、p個のNMOSトランジスタ730〜730−pと、を有している。個々のグローバル列選択器のうちのCMOS伝送ゲート回路722−1〜722−pの1つずつは、
図15に示されるように、NMOSトランジスタおよびPMOSトランジスタと、制御入力付きのインバータとを含む。
【0109】
グローバル列選択器672−1〜672−mの1つずつにおいて、NMOSトランジスタ730−1〜730−pのソースと、CMOSトランジスタゲート回路722−1〜722−pの端子の1つとは、それぞれ、グローバルビット線450−1〜450−pに接続されている。個々のグローバル列選択器のグローバルビット線「GB/L1」450−1〜「GB/Lp」450−pは、それぞれのローカル列選択器に接続されている。m個のグローバル列選択器672−1〜672−mのCMOS伝送ゲート回路722−1の他の端子は、共通グローバル書き込みデータ線「CWDL1」726−1に接続されている。同様に、m個のグローバル列選択器672−1〜672−mのCMOS伝送ゲート回路722−pの他の端子は、共通グローバル書き込みデータ線「CWDLp」726−pに接続されている。m個のグローバル列選択器672−1〜672−mのNMOSトランジスタ730−1のドレインは、共通グローバル読み出しデータ線「CRDL1」732−1に接続されている。同様に、m個のグローバル列選択器672−1〜672−mのNMOSトランジスタ730−pのドレインは、共通グローバル読み出しデータ線「CRDLp」732−pに接続されている。共通グローバル書き込みデータ線「CWDL1」〜「CWDLp」、726−1〜726−pは、m個の書き込みドライバ674−1〜674−mに共通に接続されている。共通グローバル読み出しデータ線「CRDL1」〜「CRDLp」、732−1〜732−pは、m個のセンスアンプ676−1〜676−mに共通に接続されている。
【0110】
グローバル列選択器672−1と、書き込みドライバ674−1と、センスアンプ676−1とは、グローバル列動作回路670−1の中に含まれている。同様に、グローバル列選択器672−mと、書き込みドライバ674−mと、センスアンプ676−mとは、
図21に示されるように、グローバル列動作回路670−mの中に含まれる。
図21に示された3次元メモリアーキテクチャ500では、共通グローバル書き込みデータ線「CWDL1」〜「CWDLp」、726−1〜726−pと共通グローバル読み出しデータ線「CRDL1」〜「CRDLp」、732−1〜732−pとは、書き込みドライバおよびセンスアンプのペアによって共有される。書き込みドライバ674−1とセンスアンプ676−1とは、グローバル列選択器672−1以外のグローバル列選択器、たとえば、ローカル列選択器410−mと関連付けられたグローバル列選択器672−mと通信できる。したがって、書き込みドライバ674−1は、
図21に示されたセルアレイ層m、402−mに形成されたPCMセルアレイのメモリセルにデータを書き込むことができる。さらに、センスアンプ676−1は、セルアレイ層m、402−mのPCMセルアレイのメモリセルからデータを読み出すことができる。同様に、書き込みドライバ674−mおよびセンスアンプ676−mは、ローカル列選択器410−1と関連付けられたグローバル列選択器672−1と通信することができる。その結果、書き込みドライバ674−mおよびセンスアンプ676−mは、セルアレイ層1、402−1に形成されたPCMセルアレイのメモリセルにアクセスすることができる。
【0111】
m個のグローバル列選択器672−1〜672−mのCMOS伝送ゲート回路722−1〜722−pの制御入力は、書き込み動作中に書き込みグローバル列選択信号「GYW1」〜「GYWp」を受信する。m個のグローバル列選択器672−1〜672−mのNMOSトランジスタ730−1〜730−pのゲートは、読み出し動作中に読み出しグローバル列選択信号「GYR1」〜「GYRp」を受信する。
図22に示されたグローバル列選択器672は、列グローバル書き込みデータ線「CWDL」726−1〜726−pと共通読み出しデータ線「CRDL」732−1〜732−pとがm個のグローバル列選択器672−1〜672−mによって共有されるので、有利である。グローバル列選択器672−1〜672−mは、共通グローバル読み出しデータ線「CRDL」を介して書き込みドライバ674−1〜674−mのうちのいずれか1つと通信し、グローバル列動作回路670−1〜670−mの中および間の共通グローバル読み出しデータ線「CRDL」を介してセンスアンプ676−1〜676−mのうちのいずれか1つと通信する。
【0112】
図23は、
図21に示されたグローバル列動作回路で用いられる書き込みドライバの実施例を示す。
図23を参照すると、書き込みドライバ674−1は、それぞれの共通グローバル書き込みデータ線「CWDL1」〜「CWDLp」、726−1〜726−pに接続されているp個のデータ線駆動回路740−1〜740−pを有している。p個のデータ線駆動回路740−1〜740−pは、入力データ「Data_in 1」〜「Data_in p」を受信し、電流をそれぞれの共通グローバル書き込みデータ線「CWDL1」〜「CWDLp」に供給する。書き込みドライバ674−1の動作は、
図16に示された書き込みドライバ474の動作と類似している。
【0113】
図24は、
図21に示されたグローバル列動作回路で用いられるセンスアンプの実施例を示す。
図24を参照すると、センスアンプ674−1は、それぞれの共通グローバル読み出しデータ線「CRDL1」〜「CRDLp」、732〜732−pに接続されたp個のセンス/比較回路760−1〜760−pを有している。センス/比較回路760−1〜760−pは、共通グローバル読み出しデータ線「CRDL1」〜「RDL−p」、732−1〜732−pを介して読み出しデータを表現する信号を受信し、データアウト「Data_out」としてセンス出力782−1〜782−pからそれぞれSAout 1〜SAout pを供給する。センスアンプ676−1の動作は、
図17に示されたセンスアンプ476の動作と類似している。
【0114】
図25Aは、本発明の別の実施形態による3次元相変化メモリ(PCM)アーキテクチャを示す。
図25Aを参照すると、3次元メモリアーキテクチャ900は、m層のセグメント化セルアレイ(サブアレイ1、2、・・・、q)を含む。サブアレイの1つずつは、複数のセルアレイを含む。サブアレイ510−1は、m層のうちのそれぞれの層に形成されたセルアレイ520−1、520−2、・・・、520−mを含む。同様に、サブアレイ510−2は、m層のうちのそれぞれの層に形成されたセルアレイ540−1、540−2、・・・、540−mを含む。サブアレイ510−qは、m層のうちのそれぞれの層に形成されたセルアレイ560−1、560−2、・・・、560−mを含む。3次元メモリアーキテクチャ900では、行デコーダ522−1、522−2、・・・、522−qは、それぞれ、サブアレイ510−1、510−2、・・・、510−qと関連付けられている。同様に、ローカル列選択器524−1、524−2、・・・、524−qは、それぞれ、サブアレイ510−1、510−2、・・・、510−qと関連付けられている。さらに、3次元メモリアーキテクチャ900は、ローカル列選択器524−1〜524−qと通信する複数(m個)のグローバル列動作回路570−1、570−2、・・・、570−mを含む。m個のグローバル列動作回路570−1、570−2、・・・、570−mの1つずつは、グローバル列選択器572と、書き込みドライバ574と、センスアンプ576とを有している。グローバル列動作回路570−1、570−2、・・・、570−mのうちの1つずつのグローバル列選択器572は、グローバルビット線(B/L)550−1〜550−pを介して対応するローカル列選択器524−1、524−2、・・・、524−qと接続されている。3次元メモリアーキテクチャ900の動作を制御するために、
図13Aに示された3次元積層メモリ装置アーキテクチャ400のアドレス信号と同じアドレス信号が供給される。
【0115】
図25Bは、
図25Aに示された3次元メモリアーキテクチャのためのメモリアドレス制御信号を示す。3次元メモリアーキテクチャ900では、個々の層のセルアレイは、q個のサブアレイ510−1〜510−qにq分割される。その結果、選択サブアレイの識別表示「Q」(1≦Q≦q)を表現する信号が識別表示(「J」、「P」、「K」、「M」)を表現する信号に加えて使用される。
【0116】
行デコーダ522−1、522−2、・・・、522−qは、グローバル列選択器572、書き込みドライバ574およびセンスアンプ576に加えて、ローカル列選択器524−1、524−2、・・・・、524−qと同じ半導体層に形成される。グローバルビット線(B/L)550−1〜550−pは、q個のサブアレイ510a〜510−qの上を通る。たとえば、グローバルビット線(B/L)550−1〜550−pは、ワード線およびビット線の導電性層以外の導電性(金属)層の中に実施される。グローバルビット線は、
図25Aに示されるように個々のサブアレイと共に使用されるローカル列選択器およびグローバル列選択器を接続する。
図13Aに示された3次元積層メモリ装置アーキテクチャ400と同様に、行デコーダ522−1、522−2、・・・、522−qのすべてと、ローカル列選択器524−1、524−2、・・・、524−qと、グローバル列選択器572と、書き込みドライバ574と、センスアンプ576とは、同じ半導体層に形成される。これらの一部分は、異なった層に形成されてもよい。
【0117】
一実施形態では、行デコーダ522−1〜522−qのすべてが同じ層に隣接して形成される。この行デコーダの配置は、個々の行デコーダが類似した高さをもつので、レイアウト密度を最適化する点で有利である。一実施形態では、ローカル列選択器524−1、524−2、・・・、524−qのすべてが同じ層に横並びで形成される。このローカル列選択器の配置は、個々のローカル列選択器が類似した高さをもつので、レイアウト密度を最適化する点で有利である。
【0118】
信号に応答して、周辺回路は、3次元PCMアーキテクチャのメモリ装置の動作を制御する。メモリ制御回路(図示せず)は、本発明の実施形態による3次元PCMアーキテクチャにおいて特定のPCMセルを識別または選択するため識別信号を供給する。
【0119】
前述された実施形態および実施例のメモリセルにおいて、実施されているのは、
図5に示されるようなダイオード・ベースPCMセルである。ダイオードは、2次元スイッチング素子である。
図6に示されたFETベースPCMセルおよび
図7に示されたバイポーラトランジスタ・ベースPCMセルのPMCセルが実施可能である。FETベースPCMセルおよびバイポーラ・ベースPCMセルのような実施は、接地されているバイポーラトランジスタのエミッタおよびベースと、PチャネルFETのドレインおよびゲートと、バイポーラトランジスタのコレクタと、FETのソースとを形成するために、
図9Aに示された陽極186および陰極188として縦型P−Nダイオードを置換することが必要である。バイポーラトランジスタおよびFETは、3次元スイッチング素子であるので、バイポーラ・ベースPCMセルおよびFETベースPCMセルを制御する回路構造体は、ダイオード・ベースPCMセルを制御する回路構造体とは異なることがある。
【0120】
図26Aおよび26Bは、本発明の実施形態によるメモリ装置に適用されるPCMセルアレイの他の実施例を示す。
図26Aに示されたメモリセルアレイは、スイッチング素子としてFETを含んでいる複数のPCMセルを含む。
図26Bに示されたメモリセルアレイは、スイッチング素子としてバイポーラトランジスタを含んでいる複数のPCMセルを含む。
【0121】
本発明の実施形態によれば、3次元相変化メモリ装置と、制御された回路を共有する3次元多重積層メモリセルアレイのための相変化メモリ装置アーキテクチャと、3次元多重積層メモリセルアレイを有している相変化メモリ装置のための設計技術とが提供される。実施形態では、特定の回路、装置および素子が実施例として使用される。様々な変形が実施され得る。たとえば、装置および電圧の極性は、変更されることがあり、逆極性を有するバイポーラトランジスタおよびFETが使用されることがある。
【0122】
前述の実施形態では、装置素子および回路は、簡単にするために図面に示されるように互いに接続されている。本発明の実際のアプリケーションでは、素子、回路などは、互いに直接的に接続されることがある。同様に、素子、回路などは、装置および設備の動作のため必要な他の素子、回路などを介して、互いに間接的に接続されることがある。このように、実際の構成では、回路素子および回路は、互いに直接的もしくは間接的に結合または接続されている。
【0123】
前述の本発明の実施形態は、単なる実施例であることが意図されている。代替、変更および変形は、添付の請求の範囲だけによって定義された発明の範囲から逸脱することなく、当業者によって特殊な実施形態に行われることがある。