【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意研究を行った。具体的には、絹糸腺特異的に発現する遺伝子の上流をプロモーター領域として用い、これをGAL4遺伝子の上流に挿入した。さらに、組換えカイコ作出用のベクタープラスミドにこの融合遺伝子を挿入した。組換えカイコの作出はTamura ら(2000)の方法によって行った。得られた組換えカイコを、Imamuraら(2003)の方法で作出されたGAL4の標的配列UASの下流にTransferrinと反応するscFv型抗体遺伝子をもつUASFvaTf系統と交配した。交配によって得られた組換えカイコの吐糸期の絹糸腺から抽出したサンプルについて、ウエスタンブロテッティングを行った結果、絹糸腺において抗体が生産されていることが確認された。また、同じように得られた抽出サンプルを抗原と反応させた結果、絹糸腺抽出物の量が増加するに伴って抗原との反応物の量が増加し、抗体としての活性を有していることが分かった。
【0010】
すなわち本発明は、カイコの絹糸線における組換えタンパク質の製造方法に関し、以下の〔1〕〜〔49〕を提供するものである。
〔1〕以下の(a)及び(b)の工程を含む、組換え抗体の製造方法;
(a)シグナル配列を有する組換え抗体をコードするDNAが導入されたトランスジェニックカイコを製造する工程、
(b)製造されたトランスジェニックカイコから、該組換え抗体を回収する工程。
〔2〕以下の(a)及び(b)の工程を含む、組換え抗体の製造方法;
(a)絹糸腺特異的に発現するタンパク質をコードするDNAのプロモーター、及び該プロモーターによって直接的又は間接的に発現制御されるシグナル配列を有する組換え抗体をコードするDNAを有するトランスジェニックカイコであって、該組換え抗体を絹糸腺に分泌するトランスジェニックカイコを製造する工程、
(b)製造されたトランスジェニックカイコから、該組換え抗体を回収する工程。
〔3〕トランスジェニックカイコが、以下の(i)及び(ii)に記載のDNAを有するトランスジェニックカイコである、〔2〕に記載の方法;
(i)絹糸腺特異的に発現するタンパク質をコードするDNAのプロモーターの下流に、機能的に結合した転写制御因子をコードするDNA、
(ii)該転写制御因子の標的プロモーターの下流に、機能的に結合したシグナル配列を有する組換え抗体をコードするDNA。
〔4〕トランスジェニックカイコが、以下の(i)及び(ii)に記載のトランスジェニックカイコを交配させることで製造される、〔2〕に記載の方法;
(i)絹糸腺特異的に発現するタンパク質をコードするDNAのプロモーターの下流に、機能的に結合した転写制御因子をコードするDNAを有するトランスジェニックカイコ、
(ii)該転写制御因子の標的プロモーターの下流に、機能的に結合したシグナル配列を有する組換え抗体をコードするDNAを有するトランスジェニックカイコ。
〔5〕転写制御因子がGAL4であり、標的プロモーターがUASである、〔3〕又は〔4〕に記載の方法。
〔6〕絹糸腺が中部絹糸腺又は後部絹糸腺である〔2〕〜〔5〕のいずれかに記載の方法。
〔7〕絹糸腺特異的に発現するタンパク質をコードするDNAのプロモーターが、セリシン1タンパク質又はセリシン2タンパク質をコードするDNAのプロモーターである、〔6〕に記載の方法。
〔7−1〕セリシン1タンパク質をコードするDNAのプロモーターが、以下の(a)又は(b)である、〔7〕に記載の方法;
(a)配列番号:16に記載の塩基配列を含むDNA、
(b)配列番号:16に記載の塩基配列において1又は複数の塩基が置換、欠失、付加、及び/又は挿入された塩基配列を含むDNA。
〔7−2〕セリシン2タンパク質をコードするDNAのプロモーターが、以下の(a)又は(b)である、〔7〕に記載の方法;
(a)配列番号:17に記載の塩基配列を含むDNA、
(b)配列番号:17に記載の塩基配列において1又は複数の塩基が置換、欠失、付加、及び/又は挿入された塩基配列を含むDNA。
〔8〕絹糸腺特異的に発現するタンパク質をコードするDNAのプロモーターが、フィブロインタンパク質をコードするDNAのプロモーターである、〔6〕に記載の方法。
〔8−1〕フィブロインタンパク質をコードするDNAのプロモーターが、以下の(a)又は(b)である、〔8〕に記載の方法;
(a)配列番号:18に記載の塩基配列を含むDNA、
(b)配列番号:18に記載の塩基配列において1又は複数の塩基が置換、欠失、付加、及び/又は挿入された塩基配列を含むDNA。
〔9〕シグナル配列を有する組換え抗体。
〔9−1〕シグナル配列が動物由来である、〔9〕に記載の抗体。
〔9−2〕シグナル配列が動物抗体由来である、〔9〕に記載の抗体。
〔9−3〕シグナル配列がヒト酸性フォスファターゼのシグナル配列、マウスイムノグロブリンL鎖κのシグナル配列、またはマウスIgG1のシグナル配列である、〔9〕に記載の抗体。
〔10〕全長抗体または低分子抗体である、〔9〕に記載の抗体。
〔10−1〕低分子化抗体がscFv型抗体である、〔10〕に記載の抗体。
〔10−2〕一本鎖ポリペプチドのN末端側を基点として、シグナル配列、VH、リンカー、VL、又はシグナル配列、VL、リンカー、VHの順に並んでいることを特徴とする、〔10−1〕に記載のscFv型抗体。
〔10−3〕抗原がトランスフェリン、CRP、IgG、IgA、IgM、IgD、IgE、アルブミン、プレアルブミン、補体C3、補体C4、α-1 マイクログロブリン、β-2マイクログロブリン、AFP、CA 19-9、CA15-3、PSA、アポリポプロテイン、腫瘍壊死因子、インターロイキン、インターフェロン、オステオポンチン、HBs抗原、RF、HCG、コラーゲン、Hb、HbA1c、HCV抗体、トロポニン、ミオグロビン、FDP、CEA、c-erbB-2、haptoglobinである、〔10〕に記載のscFv型抗体。
〔10−4〕VH、リンカー、VLがそれぞれ、配列番号:6、9、12に記載のアミノ酸配列を含む、〔10−3〕に記載のscFv型抗体。
〔10−5〕シグナル配列が配列番号:3、21、および29のいずれかに記載のアミノ酸配列を含む、〔10−3〕に記載のscFv型抗体。
〔10−6〕配列番号:15に記載のアミノ酸配列を含む、scFv型抗体。
〔10−7〕シグナル配列として配列番号:3、21、および29のいずれかに記載のアミノ酸配列を有するL鎖、及び、シグナル配列として配列番号:3、21、および29のいずれかに記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体。
〔10−8〕シグナル配列として配列番号:3、21、および29のいずれかに記載のアミノ酸配列、L鎖可変領域として配列番号:23に記載のアミノ酸配列、Jκセグメントとして配列番号:25に記載のアミノ酸配列、κ鎖定常領域として配列番号:27に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、及び、シグナル配列として配列番号:3、21、および29のいずれかに記載のアミノ酸配列、H鎖可変領域として配列番号:31に記載のアミノ酸配列、CH1として配列番号:33に記載のアミノ酸配列、ヒンジ領域として配列番号:35に記載のアミノ酸配列、CH2として配列番号:37に記載のアミノ酸配列、CH3として配列番号:39に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体。
〔10−9〕配列番号:49に記載のアミノ酸配列を有するL鎖、および、配列番号:51に記載のアミノ酸配列を有するH鎖を含む抗体。
〔11〕〔9〕〜〔10−9〕のいずれかに記載の抗体をコードするDNA。
〔11−1〕シグナル配列として配列番号:2、20、および28のいずれかに記載の塩基配列、VHとして配列番号:5に記載の塩基配列、リンカーとして配列番号:8に記載の塩基配列、VLとして配列番号:11に記載の塩基配列を含む、scFv型抗体をコードするDNA。
〔11−2〕シグナル配列として配列番号:1、20、および28のいずれかに記載の塩基配列、VHとして配列番号:4に記載の塩基配列、リンカーとして配列番号:7に記載の塩基配列、VLとして配列番号:10に記載の塩基配列を含む、scFv型抗体をコードするDNA。
〔11−3〕配列番号:14に記載の塩基配列を含む、scFv型抗体をコードするDNA。
〔11−4〕配列番号:13に記載の塩基配列を含む、scFv型抗体をコードするDNA。
〔11−5〕シグナル配列として配列番号:1、2、20、および28のいずれかに記載の塩基配列を有するDNAであって抗体L鎖をコードするDNA、及び、シグナル配列として配列番号:1、2、20、および28のいずれかに記載の塩基配列を有するDNAであって抗体H鎖をコードするDNA、を含むDNA。
〔11−6〕シグナル配列として配列番号:1、2、20、および28のいずれかに記載の塩基配列、L鎖可変領域として配列番号:22に記載の塩基配列、Jκセグメントとして配列番号:24に記載の塩基配列、κ鎖定常領域として配列番号:26に記載の塩基配列を有するDNAであって抗体L鎖をコードするDNA、及び、シグナル配列として配列番号:1、2、20、および28のいずれかに記載の塩基配列、H鎖可変領域として配列番号:30に記載の塩基配列、CH1として配列番号:32に記載の塩基配列、ヒンジ領域として配列番号:34に記載の塩基配列、CH2として配列番号:36に記載の塩基配列列、CH3として配列番号:38に記載の塩基配列を有するDNAであって抗体H鎖をコードするDNA、を含むDNA。
〔11−7〕抗体L鎖として配列番号:48に記載の塩基配列を有するDNA、および、抗体H鎖として配列番号:50に記載の塩基配列を有するDNA、を含むDNA。
〔12〕〔11〕〜〔11−7〕のいずれかに記載のDNAを有するベクター。
〔13〕〔12〕に記載のベクターを保持する細胞。
〔14〕シグナル配列を有する組換え抗体をコードするDNAを有するカイコ卵を製造する工程を含む、該組換え抗体を分泌するトランスジェニックカイコの製造方法。
〔15〕絹糸腺特異的に発現するタンパク質をコードするDNAのプロモーター、及び該プロモーターによって直接的又は間接的に発現制御されるシグナル配列を有する組換え抗体をコードするDNAを有するカイコ卵を製造する工程を含む、該組換え抗体を絹糸腺に分泌するトランスジェニックカイコの製造方法。
〔16〕トランスジェニックカイコが、以下の(i)及び(ii)に記載のDNAを有するトランスジェニックカイコである、〔15〕に記載の方法;
(i)絹糸腺特異的に発現するタンパク質をコードするDNAのプロモーターの下流に、機能的に結合した転写制御因子をコードするDNA、
(ii)該転写制御因子の標的プロモーターの下流に、機能的に結合したシグナル配列を有する組換え抗体をコードするDNA。
〔17〕トランスジェニックカイコが、以下の(i)及び(ii)に記載のトランスジェニックカイコを交配させることで製造される、〔15〕に記載の方法;
(i)絹糸腺特異的に発現するタンパク質をコードするDNAのプロモーターの下流に、機能的に結合した転写制御因子をコードするDNAを有するトランスジェニックカイコ、
(ii)該転写制御因子の標的プロモーターの下流に、機能的に結合したシグナル配列を有する組換え抗体をコードするDNAを有するトランスジェニックカイコ。
〔18〕転写制御因子がGAL4であり、標的プロモーターがUASである、〔16〕又は〔17〕に記載の方法。
〔19〕絹糸腺が中部絹糸腺又は後部絹糸腺である〔15〕〜〔18〕のいずれかに記載の方法。
〔20〕絹糸腺特異的に発現するタンパク質をコードするDNAのプロモーターが、セリシン1タンパク質又はセリシン2タンパク質をコードするDNAのプロモーターである、〔19〕に記載の方法。
〔20−1〕セリシン1タンパク質をコードするDNAのプロモーターが、以下の(a)又は(b)である、〔20〕に記載の方法;
(a)配列番号:16に記載の塩基配列を含むDNA、
(b)配列番号:16に記載の塩基配列において1又は複数の塩基が置換、欠失、付加、及び/又は挿入された塩基配列を含むDNA。
〔20−2〕セリシン2タンパク質をコードするDNAのプロモーターが、以下の(a)又は(b)である、〔20〕に記載の方法;
(a)配列番号:17に記載の塩基配列を含むDNA、
(b)配列番号:17に記載の塩基配列において1又は複数の塩基が置換、欠失、付加、及び/又は挿入された塩基配列を含むDNA。
〔21〕絹糸腺特異的に発現するタンパク質をコードするDNAのプロモーターが、フィブロインタンパク質をコードするDNAのプロモーターである、〔19〕に記載の方法。
〔21−1〕フィブロインタンパク質をコードするDNAのプロモーターが、以下の(a)又は(b)である、〔21〕に記載の方法;
(a)配列番号:18に記載の塩基配列を含むDNA、
(b)配列番号:18に記載の塩基配列において1又は複数の塩基が置換、欠失、付加、及び/又は挿入された塩基配列を含むDNA。
〔22〕シグナル配列を有する組換え抗体をコードするDNAを有するトランスジェニックカイコであって、該組換え抗体を分泌するトランスジェニックカイコ。
〔23〕絹糸腺特異的に発現するタンパク質をコードするDNAのプロモーター、及び該プロモーターによって直接的又は間接的に発現制御されるシグナル配列を有する組換え抗体をコードするDNAを有するトランスジェニックカイコであって、該組換え抗体を絹糸腺に分泌するトランスジェニックカイコ。
〔24〕以下の(i)及び(ii)に記載のDNAを有する、〔23〕に記載のトランスジェニックカイコ;
(i)絹糸腺特異的に発現するタンパク質をコードするDNAのプロモーターの下流に、機能的に結合した転写制御因子をコードするDNA、
(ii)該転写制御因子の標的プロモーターの下流に、機能的に結合したシグナル配列を有する組換え抗体をコードするDNA。
〔25〕以下の(i)及び(ii)に記載のトランスジェニックカイコを交配させることで製造される、〔23〕に記載のトランスジェニックカイコ;
(i)絹糸腺特異的に発現するタンパク質をコードするDNAのプロモーターの下流に、機能的に結合した転写制御因子をコードするDNAを有するトランスジェニックカイコ、
(ii)該転写制御因子の標的プロモーターの下流に、機能的に結合したシグナル配列を有する組換え抗体をコードするDNAを有するトランスジェニックカイコ。
〔26〕転写制御因子がGAL4であり、標的プロモーターがUASである、〔24〕又は〔25〕に記載のトランスジェニックカイコ。
〔27〕絹糸腺が中部絹糸腺又は後部絹糸腺である〔23〕〜〔26〕のいずれかに記載のトランスジェニックカイコ。
〔28〕絹糸腺特異的に発現するタンパク質をコードするDNAのプロモーターが、セリシン1タンパク質又はセリシン2タンパク質をコードするDNAのプロモーターである、〔27〕に記載のトランスジェニックカイコ。
〔28−1〕セリシン1タンパク質をコードするDNAのプロモーターが、以下の(a)又は(b)である、〔28〕に記載のトランスジェニックカイコ;
(a)配列番号:16に記載の塩基配列を含むDNA、
(b)配列番号:16に記載の塩基配列において1又は複数の塩基が置換、欠失、付加、及び/又は挿入された塩基配列を含むDNA。
〔28−2〕セリシン2タンパク質をコードするDNAのプロモーターが、以下の(a)又は(b)である、〔28〕に記載のトランスジェニックカイコ;
(a)配列番号:17に記載の塩基配列を含むDNA、
(b)配列番号:17に記載の塩基配列において1又は複数の塩基が置換、欠失、付加、及び/又は挿入された塩基配列を含むDNA。
〔29〕絹糸腺特異的に発現するタンパク質をコードするDNAのプロモーターが、フィブロインタンパク質をコードするDNAのプロモーターである、〔27〕に記載のトランスジェニックカイコ。
〔29−1〕フィブロインタンパク質をコードするDNAのプロモーターが、以下の(a)又は(b)である、〔29〕に記載のトランスジェニックカイコ;
(a)配列番号:18に記載の塩基配列を含むDNA、
(b)配列番号:18に記載の塩基配列において1又は複数の塩基が置換、欠失、付加、及び/又は挿入された塩基配列を含むDNA。
〔30〕転写制御因子の標的プロモーターの下流に、機能的に結合したシグナル配列を有する組換え抗体をコードするDNAを有するトランスジェニックカイコ。
〔31〕転写制御因子がGAL4であり、標的プロモーターがUASである、〔30〕に記載のトランスジェニックカイコ。
〔32〕以下の(a)及び(b)の工程を含む、組換え抗体の製造方法;
(a)細胞質アクチンタンパク質をコードするDNAのプロモーター、及び該プロモーターによって直接的又は間接的に発現制御されるシグナル配列を有する組換え抗体をコードするDNAを有するトランスジェニックカイコであって、該組換え抗体を脂肪体に分泌するトランスジェニックカイコを製造する工程、
(b)製造されたトランスジェニックカイコから、該組換え抗体を回収する工程。
〔33〕トランスジェニックカイコが、以下の(i)及び(ii)に記載のDNAを有するトランスジェニックカイコである、〔32〕に記載の方法;
(i)細胞質アクチンタンパク質をコードするDNAのプロモーターの下流に、機能的に結合した転写制御因子をコードするDNA、
(ii)該転写制御因子の標的プロモーターの下流に、機能的に結合したシグナル配列を有する組換え抗体をコードするDNA。
〔34〕トランスジェニックカイコが、以下の(i)及び(ii)に記載のトランスジェニックカイコを交配させることで製造される、〔32〕に記載の方法;
(i)細胞質アクチンタンパク質をコードするDNAのプロモーターの下流に、機能的に結合した転写制御因子をコードするDNAを有するトランスジェニックカイコ、
(ii)該転写制御因子の標的プロモーターの下流に、機能的に結合したシグナル配列を有する組換え抗体をコードするDNAを有するトランスジェニックカイコ。
〔35〕転写制御因子がGAL4であり、標的プロモーターがUASである、〔33〕又は〔34〕に記載の方法。
〔35−1〕細胞質アクチンタンパク質をコードするDNAのプロモーターが、以下の(a)又は(b)である、〔35〕に記載の方法;
(a)配列番号:19に記載の塩基配列を含むDNA、
(b)配列番号:19に記載の塩基配列において1又は複数の塩基が置換、欠失、付加、及び/又は挿入された塩基配列を含むDNA。
〔36〕細胞質アクチンタンパク質をコードするDNAのプロモーター、及び該プロモーターによって直接的又は間接的に発現制御されるシグナル配列を有する組換え抗体をコードするDNAを有するカイコ卵を製造する工程を含む、該組換え抗体を脂肪体に分泌するトランスジェニックカイコの製造方法。
〔37〕トランスジェニックカイコが、以下の(i)及び(ii)に記載のDNAを有するトランスジェニックカイコである、〔36〕に記載の方法;
(i)細胞質アクチンタンパク質をコードするDNAのプロモーターの下流に、機能的に結合した転写制御因子をコードするDNA、
(ii)該転写制御因子の標的プロモーターの下流に、機能的に結合したシグナル配列を有する組換え抗体をコードするDNA。
〔38〕トランスジェニックカイコが、以下の(i)及び(ii)に記載のトランスジェニックカイコを交配させることで製造される、〔36〕に記載の方法;
(i)細胞質アクチンタンパク質をコードするDNAのプロモーターの下流に、機能的に結合した転写制御因子をコードするDNAを有するトランスジェニックカイコ、
(ii)該転写制御因子の標的プロモーターの下流に、機能的に結合したシグナル配列を有する組換え抗体をコードするDNAを有するトランスジェニックカイコ。
〔39〕転写制御因子がGAL4であり、標的プロモーターがUASである、〔37〕又は〔38〕に記載の方法。
〔39−1〕細胞質アクチンタンパク質をコードするDNAのプロモーターが、以下の(a)又は(b)である、〔39〕に記載の方法;
(a)配列番号:19に記載の塩基配列を含むDNA、
(b)配列番号:19に記載の塩基配列において1又は複数の塩基が置換、欠失、付加、及び/又は挿入された塩基配列を含むDNA。
〔40〕細胞質アクチンタンパク質をコードするDNAのプロモーター、及び該プロモーターによって直接的又は間接的に発現制御されるシグナル配列を有する組換え抗体をコードするDNAを有するトランスジェニックカイコであって、該組換え抗体を脂肪体に分泌するトランスジェニックカイコ。
〔41〕以下の(i)及び(ii)に記載のDNAを有する、〔40〕に記載のトランスジェニックカイコ;
(i)細胞質アクチンタンパク質をコードするDNAのプロモーターの下流に、機能的に結合した転写制御因子をコードするDNA、
(ii)該転写制御因子の標的プロモーターの下流に、機能的に結合したシグナル配列を有する組換え抗体をコードするDNA。
〔42〕以下の(i)及び(ii)に記載のトランスジェニックカイコを交配させることで製造される、〔40〕に記載のトランスジェニックカイコ;
(i)細胞質アクチンタンパク質をコードするDNAのプロモーターの下流に、機能的に結合した転写制御因子をコードするDNAを有するトランスジェニックカイコ、
(ii)該転写制御因子の標的プロモーターの下流に、機能的に結合したシグナル配列を有する組換え抗体をコードするDNAを有するトランスジェニックカイコ。
〔43〕転写制御因子がGAL4であり、標的プロモーターがUASである、〔41〕又は〔42〕に記載のトランスジェニックカイコ。
〔43−1〕細胞質アクチンタンパク質をコードするDNAのプロモーターが、以下の(a)又は(b)である、〔43〕に記載の方法;
(a)配列番号:19に記載の塩基配列を含むDNA、
(b)配列番号:19に記載の塩基配列において1又は複数の塩基が置換、欠失、付加、及び/又は挿入された塩基配列を含むDNA。
〔44〕以下の(a)及び(b)の工程を含む、生体中のトランスフェリンの量を測定する方法;
(a)〔9〕〜〔10−9〕のいずれかに記載の抗体、又は、〔1〕〜〔8−1〕、〔32〕〜〔35−1〕、〔50〕〜〔57−1〕もしくは〔76〕〜〔79−1〕のいずれかに記載の方法によって製造された抗体と、被検者由来の生体試料を接触させる工程、
(b)生体試料中のトランスフェリンと抗体の結合を検出する工程。
〔45〕正常である対照と比較してトランスフェリンの量が多いときに、糖尿病性腎症に罹患している、又は罹患リスクが高いと判定されることを特徴とする、以下の(a)及び(b)の工程を含む、糖尿病性腎症を診断する方法;
(a)〔9〕〜〔10−9〕のいずれかに記載の抗体、又は、〔1〕〜〔8−1〕、〔32〕〜〔35−1〕、〔50〕〜〔57−1〕もしくは〔76〕〜〔79−1〕のいずれかに記載の方法によって製造された抗体と、被検者から得た生体試料を接触させる工程、
(b)生体試料中のトランスフェリンと結合した抗体を検出する工程。
〔46〕糖尿病性腎症に罹患していることが明らかな対照と比較してトランスフェリンの量が同程度であるときに、糖尿病性腎症に罹患している、又は罹患リスクが高いと判定されることを特徴とする、以下の(a)及び(b)の工程を含む、糖尿病性腎症を診断する方法;
(a)〔9〕〜〔10−9〕のいずれかに記載の抗体、又は、〔1〕〜〔8−1〕、〔32〕〜〔35−1〕、〔50〕〜〔57−1〕もしくは〔76〕〜〔79−1〕のいずれかに記載の方法によって製造された抗体と、被検者から得た生体試料を接触させる工程、
(b)生体試料中のトランスフェリンと結合した抗体を検出する工程。
〔47〕正常である対照と比較してトランスフェリンの量が少ないときに、栄養障害のリスクが高い、または栄養障害に陥っていると判定されることを特徴とする、以下の(a)及び(b)の工程を含む、栄養状態を評価する方法;
(a)〔9〕〜〔10−9〕のいずれかに記載の抗体、又は、〔1〕〜〔8−1〕、〔32〕〜〔35−1〕、〔50〕〜〔57−1〕もしくは〔76〕〜〔79−1〕のいずれかに記載の方法によって製造された抗体と、被検者から得た生体試料を接触させる工程、
(b)生体試料中のトランスフェリンと結合した抗体を検出する工程。
〔48〕〔9〕〜〔10−9〕のいずれかに記載の抗体、又は、〔1〕〜〔8−1〕、〔32〕〜〔35−1〕、〔50〕〜〔57−1〕もしくは〔76〕〜〔79−1〕のいずれかに記載の方法によって製造された抗体を有効成分として含有する、糖尿病性腎症の診断薬。
〔49〕〔9〕〜〔10−9〕のいずれかに記載の抗体、又は、〔1〕〜〔8−1〕、〔32〕〜〔35−1〕、〔50〕〜〔57−1〕もしくは〔76〕〜〔79−1〕のいずれかに記載の方法によって製造された抗体を有効成分として含有する、栄養状態を評価するための試薬。
〔50〕以下の(a)及び(b)の工程を含む、組換え抗体の製造方法;
(a)組換え抗体をコードするDNAが導入されたトランスジェニックカイコを製造する工程、
(b)製造されたトランスジェニックカイコから、該組換え抗体を回収する工程。
〔51〕以下の(a)及び(b)の工程を含む、組換え抗体の製造方法;
(a)絹糸腺特異的に発現するタンパク質をコードするDNAのプロモーター、及び該プロモーターによって直接的又は間接的に発現制御される組換え抗体をコードするDNAを有するトランスジェニックカイコであって、該組換え抗体を絹糸腺に分泌するトランスジェニックカイコを製造する工程、
(b)製造されたトランスジェニックカイコから、該組換え抗体を回収する工程。
〔52〕トランスジェニックカイコが、以下の(i)及び(ii)に記載のDNAを有するトランスジェニックカイコである、〔51〕に記載の方法;
(i)絹糸腺特異的に発現するタンパク質をコードするDNAのプロモーターの下流に、機能的に結合した転写制御因子をコードするDNA、
(ii)該転写制御因子の標的プロモーターの下流に、機能的に結合した組換え抗体をコードするDNA。
〔53〕トランスジェニックカイコが、以下の(i)及び(ii)に記載のトランスジェニックカイコを交配させることで製造される、〔51〕に記載の方法;
(i)絹糸腺特異的に発現するタンパク質をコードするDNAのプロモーターの下流に、機能的に結合した転写制御因子をコードするDNAを有するトランスジェニックカイコ、
(ii)該転写制御因子の標的プロモーターの下流に、機能的に結合した組換え抗体をコードするDNAを有するトランスジェニックカイコ。
〔54〕転写制御因子がGAL4であり、標的プロモーターがUASである、〔52〕又は〔53〕に記載の方法。
〔55〕絹糸腺が中部絹糸腺又は後部絹糸腺である〔51〕〜〔54〕のいずれかに記載の方法。
〔56〕絹糸腺特異的に発現するタンパク質をコードするDNAのプロモーターが、セリシン1タンパク質又はセリシン2タンパク質をコードするDNAのプロモーターである、〔55〕に記載の方法。
〔56−1〕セリシン1タンパク質をコードするDNAのプロモーターが、以下の(a)又は(b)である、〔56〕に記載の方法;
(a)配列番号:16に記載の塩基配列を含むDNA、
(b)配列番号:16に記載の塩基配列において1又は複数の塩基が置換、欠失、付加、及び/又は挿入された塩基配列を含むDNA。
〔56−2〕セリシン2タンパク質をコードするDNAのプロモーターが、以下の(a)又は(b)である、〔56〕に記載の方法;
(a)配列番号:17に記載の塩基配列を含むDNA、
(b)配列番号:17に記載の塩基配列において1又は複数の塩基が置換、欠失、付加、及び/又は挿入された塩基配列を含むDNA。
〔57〕絹糸腺特異的に発現するタンパク質をコードするDNAのプロモーターが、フィブロインタンパク質をコードするDNAのプロモーターである、〔55〕に記載の方法。
〔57−1〕フィブロインタンパク質をコードするDNAのプロモーターが、以下の(a)又は(b)である、〔57〕に記載の方法;
(a)配列番号:18に記載の塩基配列を含むDNA、
(b)配列番号:18に記載の塩基配列において1又は複数の塩基が置換、欠失、付加、及び/又は挿入された塩基配列を含むDNA。
〔58〕組換え抗体をコードするDNAを有するカイコ卵を製造する工程を含む、該組換え抗体を分泌するトランスジェニックカイコの製造方法。
〔59〕絹糸腺特異的に発現するタンパク質をコードするDNAのプロモーター、及び該プロモーターによって直接的又は間接的に発現制御される組換え抗体をコードするDNAを有するカイコ卵を製造する工程を含む、該組換え抗体を絹糸腺に分泌するトランスジェニックカイコの製造方法。
〔60〕トランスジェニックカイコが、以下の(i)及び(ii)に記載のDNAを有するトランスジェニックカイコである、〔59〕に記載の方法;
(i)絹糸腺特異的に発現するタンパク質をコードするDNAのプロモーターの下流に、機能的に結合した転写制御因子をコードするDNA、
(ii)該転写制御因子の標的プロモーターの下流に、機能的に結合した組換え抗体をコードするDNA。
〔61〕トランスジェニックカイコが、以下の(i)及び(ii)に記載のトランスジェニックカイコを交配させることで製造される、〔59〕に記載の方法;
(i)絹糸腺特異的に発現するタンパク質をコードするDNAのプロモーターの下流に、機能的に結合した転写制御因子をコードするDNAを有するトランスジェニックカイコ、
(ii)該転写制御因子の標的プロモーターの下流に、機能的に結合した組換え抗体をコードするDNAを有するトランスジェニックカイコ。
〔62〕転写制御因子がGAL4であり、標的プロモーターがUASである、〔60〕又は〔61〕に記載の方法。
〔63〕絹糸腺が中部絹糸腺又は後部絹糸腺である〔59〕〜〔62〕のいずれかに記載の方法。
〔64〕絹糸腺特異的に発現するタンパク質をコードするDNAのプロモーターが、セリシン1タンパク質又はセリシン2タンパク質をコードするDNAのプロモーターである〔63〕に記載の方法。
〔64−1〕セリシン1タンパク質をコードするDNAのプロモーターが、以下の(a)又は(b)である、〔64〕に記載の方法;
(a)配列番号:16に記載の塩基配列を含むDNA、
(b)配列番号:16に記載の塩基配列において1又は複数の塩基が置換、欠失、付加、及び/又は挿入された塩基配列を含むDNA。
〔64−2〕セリシン2タンパク質をコードするDNAのプロモーターが、以下の(a)又は(b)である、〔64〕に記載の方法;
(a)配列番号:17に記載の塩基配列を含むDNA、
(b)配列番号:17に記載の塩基配列において1又は複数の塩基が置換、欠失、付加、及び/又は挿入された塩基配列を含むDNA。
〔65〕絹糸腺特異的に発現するタンパク質をコードするDNAのプロモーターが、フィブロインタンパク質をコードするDNAのプロモーターである、〔63〕に記載の方法。
〔65−1〕フィブロインタンパク質をコードするDNAのプロモーターが、以下の(a)又は(b)である、〔65〕に記載の方法;
(a)配列番号:18に記載の塩基配列を含むDNA、
(b)配列番号:18に記載の塩基配列において1又は複数の塩基が置換、欠失、付加、及び/又は挿入された塩基配列を含むDNA。
〔66〕組換え抗体をコードするDNAを有するトランスジェニックカイコであって、該組換え抗体を分泌するトランスジェニックカイコ。
〔67〕絹糸腺特異的に発現するタンパク質をコードするDNAのプロモーター、及び該プロモーターによって直接的又は間接的に発現制御される組換え抗体をコードするDNAを有するトランスジェニックカイコであって、該組換え抗体を絹糸腺に分泌するトランスジェニックカイコ。
〔68〕以下の(i)及び(ii)に記載のDNAを有する、〔67〕に記載のトランスジェニックカイコ;
(i)絹糸腺特異的に発現するタンパク質をコードするDNAのプロモーターの下流に、機能的に結合した転写制御因子をコードするDNA、
(ii)該転写制御因子の標的プロモーターの下流に、機能的に結合した組換え抗体をコードするDNA。
〔69〕以下の(i)及び(ii)に記載のトランスジェニックカイコを交配させることで製造される、〔67〕に記載のトランスジェニックカイコ;
(i)絹糸腺特異的に発現するタンパク質をコードするDNAのプロモーターの下流に、機能的に結合した転写制御因子をコードするDNAを有するトランスジェニックカイコ、
(ii)該転写制御因子の標的プロモーターの下流に、機能的に結合した組換え抗体をコードするDNAを有するトランスジェニックカイコ。
〔70〕転写制御因子がGAL4であり、標的プロモーターがUASである、〔68〕又は〔69〕に記載のトランスジェニックカイコ。
〔71〕絹糸腺が中部絹糸腺又は後部絹糸腺である〔67〕〜〔70〕のいずれかに記載のトランスジェニックカイコ。
〔72〕絹糸腺特異的に発現するタンパク質をコードするDNAのプロモーターが、セリシン1タンパク質又はセリシン2タンパク質をコードするDNAのプロモーターである、〔71〕に記載のトランスジェニックカイコ。
〔72−1〕セリシン1タンパク質をコードするDNAのプロモーターが、以下の(a)又は(b)である、〔72〕に記載のトランスジェニックカイコ;
(a)配列番号:16に記載の塩基配列を含むDNA、
(b)配列番号:16に記載の塩基配列において1又は複数の塩基が置換、欠失、付加、及び/又は挿入された塩基配列を含むDNA。
〔72−2〕セリシン2タンパク質をコードするDNAのプロモーターが、以下の(a)又は(b)である、〔72〕に記載のトランスジェニックカイコ;
(a)配列番号:17に記載の塩基配列を含むDNA、
(b)配列番号:17に記載の塩基配列において1又は複数の塩基が置換、欠失、付加、及び/又は挿入された塩基配列を含むDNA。
〔73〕絹糸腺特異的に発現するタンパク質をコードするDNAのプロモーターが、フィブロインタンパク質をコードするDNAのプロモーターである、〔71〕に記載のトランスジェニックカイコ。
〔73−1〕フィブロインタンパク質をコードするDNAのプロモーターが、以下の(a)又は(b)である、〔73〕に記載のトランスジェニックカイコ;
(a)配列番号:18に記載の塩基配列を含むDNA、
(b)配列番号:18に記載の塩基配列において1又は複数の塩基が置換、欠失、付加、及び/又は挿入された塩基配列を含むDNA。
〔74〕転写制御因子の標的プロモーターの下流に、機能的に結合した組換え抗体をコードするDNAを有するトランスジェニックカイコ。
〔75〕転写制御因子がGAL4であり、標的プロモーターがUASである、〔74〕に記載のトランスジェニックカイコ。
〔76〕以下の(a)及び(b)の工程を含む、組換え抗体の製造方法;
(a)細胞質アクチンタンパク質をコードするDNAのプロモーター、及び該プロモーターによって直接的又は間接的に発現制御される組換え抗体をコードするDNAを有するトランスジェニックカイコであって、該組換え抗体を脂肪体に分泌するトランスジェニックカイコを製造する工程、
(b)製造されたトランスジェニックカイコから、該組換え抗体を回収する工程。
〔77〕トランスジェニックカイコが、以下の(i)及び(ii)に記載のDNAを有するトランスジェニックカイコである、〔76〕に記載の方法;
(i)細胞質アクチンタンパク質をコードするDNAのプロモーターの下流に、機能的に結合した転写制御因子をコードするDNA、
(ii)該転写制御因子の標的プロモーターの下流に、機能的に結合した組換え抗体をコードするDNA。
〔78〕トランスジェニックカイコが、以下の(i)及び(ii)に記載のトランスジェニックカイコを交配させることで製造される、〔76〕に記載の方法;
(i)細胞質アクチンタンパク質をコードするDNAのプロモーターの下流に、機能的に結合した転写制御因子をコードするDNAを有するトランスジェニックカイコ、
(ii)該転写制御因子の標的プロモーターの下流に、機能的に結合した組換え抗体をコードするDNAを有するトランスジェニックカイコ。
〔79〕転写制御因子がGAL4であり、標的プロモーターがUASである、〔77〕又は〔78〕に記載の方法。
〔79−1〕細胞質アクチンタンパク質をコードするDNAのプロモーターが、以下の(a)又は(b)である、〔79〕に記載の方法;
(a)配列番号:19に記載の塩基配列を含むDNA、
(b)配列番号:19に記載の塩基配列において1又は複数の塩基が置換、欠失、付加、及び/又は挿入された塩基配列を含むDNA。
〔80〕細胞質アクチンタンパク質をコードするDNAのプロモーター、及び該プロモーターによって直接的又は間接的に発現制御される組換え抗体をコードするDNAを有するカイコ卵を製造する工程を含む、該組換え抗体を脂肪体に分泌するトランスジェニックカイコの製造方法。
〔81〕トランスジェニックカイコが、以下の(i)及び(ii)に記載のDNAを有するトランスジェニックカイコである、〔80〕に記載の方法;
(i)細胞質アクチンタンパク質をコードするDNAのプロモーターの下流に、機能的に結合した転写制御因子をコードするDNA、
(ii)該転写制御因子の標的プロモーターの下流に、機能的に結合した組換え抗体をコードするDNA。
〔82〕トランスジェニックカイコが、以下の(i)及び(ii)に記載のトランスジェニックカイコを交配させることで製造される、〔80〕に記載の方法;
(i)細胞質アクチンタンパク質をコードするDNAのプロモーターの下流に、機能的に結合した転写制御因子をコードするDNAを有するトランスジェニックカイコ、
(ii)該転写制御因子の標的プロモーターの下流に、機能的に結合した組換え抗体をコードするDNAを有するトランスジェニックカイコ。
〔83〕転写制御因子がGAL4であり、標的プロモーターがUASである、〔81〕又は〔82〕に記載の方法。
〔83−1〕細胞質アクチンタンパク質をコードするDNAのプロモーターが、以下の(a)又は(b)である、〔83〕に記載の方法;
(a)配列番号:19に記載の塩基配列を含むDNA、
(b)配列番号:19に記載の塩基配列において1又は複数の塩基が置換、欠失、付加、及び/又は挿入された塩基配列を含むDNA。
〔84〕細胞質アクチンタンパク質をコードするDNAのプロモーター、及び該プロモーターによって直接的又は間接的に発現制御される組換え抗体をコードするDNAを有するトランスジェニックカイコであって、該組換え抗体を脂肪体に分泌するトランスジェニックカイコ。
〔85〕以下の(i)及び(ii)に記載のDNAを有する、〔84〕に記載のトランスジェニックカイコ;
(i)細胞質アクチンタンパク質をコードするDNAのプロモーターの下流に、機能的に結合した転写制御因子をコードするDNA、
(ii)該転写制御因子の標的プロモーターの下流に、機能的に結合した組換え抗体をコードするDNA。
〔86〕以下の(i)及び(ii)に記載のトランスジェニックカイコを交配させることで製造される、〔84〕に記載のトランスジェニックカイコ;
(i)細胞質アクチンタンパク質をコードするDNAのプロモーターの下流に、機能的に結合した転写制御因子をコードするDNAを有するトランスジェニックカイコ、
(ii)該転写制御因子の標的プロモーターの下流に、機能的に結合した組換え抗体をコードするDNAを有するトランスジェニックカイコ。
〔87〕転写制御因子がGAL4であり、標的プロモーターがUASである、〔85〕又は〔86〕に記載のトランスジェニックカイコ。
〔87−1〕細胞質アクチンタンパク質をコードするDNAのプロモーターが、以下の(a)又は(b)である、〔87〕に記載の方法;
(a)配列番号:19に記載の塩基配列を含むDNA、
(b)配列番号:19に記載の塩基配列において1又は複数の塩基が置換、欠失、付加、及び/又は挿入された塩基配列を含むDNA。
〔88〕〔1〕〜〔8−1〕、〔32〕〜〔35−1〕、〔50〕〜〔57−1〕もしくは〔76〕〜〔87−1〕のいずれかに記載の方法によって製造された抗体。