特許第5760393号(P5760393)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5760393
(24)【登録日】2015年6月19日
(45)【発行日】2015年8月12日
(54)【発明の名称】操作検出装置
(51)【国際特許分類】
   G10H 1/00 20060101AFI20150723BHJP
【FI】
   G10H1/00 A
【請求項の数】4
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2010-248085(P2010-248085)
(22)【出願日】2010年11月5日
(65)【公開番号】特開2012-37856(P2012-37856A)
(43)【公開日】2012年2月23日
【審査請求日】2013年9月20日
(31)【優先権主張番号】特願2010-160474(P2010-160474)
(32)【優先日】2010年7月15日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004075
【氏名又は名称】ヤマハ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111763
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 隆
(72)【発明者】
【氏名】高橋 裕史
【審査官】 大野 弘
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−113028(JP,A)
【文献】 特開昭62−246210(JP,A)
【文献】 特開平04−153698(JP,A)
【文献】 特開平02−277099(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10H 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明または半透明な素材からなり、表面に被打叩部が設けられたパッドと、
前記パッドの裏面における前記被打叩部の周縁の裏側の領域において前記被打叩部への打叩を検出する感圧部材を具備するセンサと、
を具備し、
前記センサは、前記被打叩部の下の表示体を露出させる開口を具備し、
前記パッドの裏面における前記被打叩部の周縁の裏側の部分に前記感圧部材に対向する押し子部が設けられている
ことを特徴とする操作検出装置。
【請求項2】
透明または半透明な素材からなり、表面に被打叩部が設けられたパッドと、
前記パッドの裏面における前記被打叩部の周縁の裏側の領域において前記被打叩部への打叩を検出する感圧部材を具備するセンサと、
表示手段と、
前記表示手段の表示面上に前記表示面との間に隙間を空けて支持された透明剛体材と、
を具備し、
前記センサは、前記被打叩部の下の表示手段を露出させる開口を具備し、
前記透明剛体材上に前記感圧部材が設けられ、前記感圧部材上に前記パッドが設けられている
ことを特徴とする操作検出装置。
【請求項3】
前記センサによって前記被打叩部への打叩が検出された場合に、当該被打叩部の下の表示体が示す音を制御するデータを出力する制御手段を具備することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の操作検出装置。
【請求項4】
前記センサによって前記被打叩部への打叩が検出された場合に、当該被打叩部の下の電子機器の表示手段の表示に対応する制御情報を当該電子機器に出力する制御手段を具備し、
前記電子機器は、当該制御情報に応じた処理を実行することを特徴とする請求項1に記載の操作検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、打叩による演奏操作を検出する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
電子楽器の中には、複数個の操作面を持ったパッドを演奏操作子とし、各操作面に異なる音色の音素材を割り当て、操作面への打叩がなされる度にその操作面に割り当ててある音素材を再生するようにしたものがある。この種の電子楽器に係わる技術を開示した文献として、特許文献1がある。この文献1に開示された電子打楽器は、利用者から見て手前に位置する操作面P1〜P6と、それらよりも利用者から離れたところに位置する操作面P7〜P12とからなる合計12個の操作面を有している。これら12個の操作面P1〜P12のうち手前の操作面P1〜P6は、真上方向を向いた姿勢で配列されている。また、操作面P7〜P12は、利用者から見て後方の端部を前方の端部よりも僅かに持ち上げ、利用者側へ僅かに傾いた方向を向いた姿勢で配列されている。そして、この電子打楽器では、バスドラムやスネアドラムなどの各種の打楽器を模擬した音素材を各操作面P1〜P12に割り当て、各操作面P1〜P12への打叩を検出する度に、その操作面P1〜P12に割り当てられている音素材を再生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−113028号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された電子打楽器では、利用者は、演奏をしながら操作面の1つ1つに割り当てられている音素材の種類を確認することができなかった。このため、演奏を開始する前に、各操作面を試し打ちして各操作面に割り当てられている音素材の全てを了解した上で、演奏に臨まねばならなかった。
本発明は、このような背景の下に案出されたものであり、電子楽器の演奏中に、各操作面に割り当てられている音素材を利用者が瞬時に確認できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、透明または半透明な素材からなり、表面に被打叩部が設けられたパッドと、前記パッドの裏面における前記被打叩部の周縁の裏側の領域において前記被打叩部への打叩を検出するセンサとを具備する操作検出装置を提供する。
【0006】
本発明によると、利用者は、パッドの被打叩部の下に透けて見えるものを視認しつつ、被打叩部を打叩することができる。よって、被打叩部の下に当該被打叩部に割り当てられている音素材を示すマークや画像などを配置することにより、利用者に直感的な演奏を行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の第1実施形態である操作検出装置の構成を示す図である。
図2】同検出装置が内蔵されている操作端末とこの端末が接続されたパーソナルコンピュータとを示す図である。
図3】同検出装置における透明パッドフレームをメンブレンシートの側から見た斜視図である。
図4図1(B)における透明パッドフレームのA−A’線断面図である。
図5】同検出装置における可撓性シートの断面図である。
図6】本実施形態の動作を示すフローチャートである。
図7図1(A)及び図1(B)のLCDの表示領域にアイコンが表示された状態を示す図である。
図8】本発明の第2実施形態である操作検出装置10Aとこの操作検出装置10Aが装着されるタブレット型コンピュータの構成例を示す図である。
図9図8の操作検出装置とタブレット型コンピュータとにより行われる演奏処理を示す図である。
図10】本発明の第3実施形態である操作検出装置10Bとこの操作検出装置10Bが装着されるタブレット型コンピュータの構成例を示す図である。
図11】本発明の第4実施形態である操作検出装置10Cとこの操作検出装置10C内に収納されるタブレット型コンピュータの構成例を示す図である。
図12図11の操作検出装置にタブレット型コンピュータを収納した状態を示す図である。
図13】本発明の他の実施形態である操作検出装置の透明パッドフレームの断面図である。
図14】本発明の他の実施形態である操作検出装置の透明パッドフレームの断面図である。
図15】本発明の他の実施形態である操作検出装置の透明パッドフレームの断面図である。
図16】本発明の他の実施形態である操作検出装置の透明パッドフレームの断面図及び裏面図である。
図17】本発明の他の実施形態である操作検出装置のメンブレンシートを示す図である。
図18】本発明の他の実施形態である操作検出装置の打叩検出シートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
(第1実施形態)
図1(A)は、本発明の第1実施形態である操作検出装置10の構成を示す斜視図、図1(B)は、同検出装置10の組立図である。図2は、操作検出装置10が内蔵されている操作端末90と操作端末90が接続されたパーソナルコンピュータ91とを示す図である。操作検出装置10は、パーソナルコンピュータ91からの指示に従って各種の表示を行うとともに、パーソナルコンピュータ91の音源92内に格納されている各種音素材データの選択や選択した音素材データの再生を指示する操作を検出し、検出した操作を示す信号をパーソナルコンピュータ91に供給する装置である。
【0009】
図1(A)及び図1(B)に示すように、操作検出装置10は、横幅W1及び縦幅L1の寸法の表示面11をもった表示手段であるLCD(Liquid Crystal Display)12の一部の表示領域13上にタッチパネル14を積層し、表示領域13を除いた部分の表示領域15上に、透明剛体材18、メンブレンシート17、及び透明パッドフレーム16を積層したものである。図2に示すように、操作検出装置10は、操作端末90における蓋部93とトレイ部94とを嵌合させてなる筐体内に収容されている。そして、操作端末90における蓋部93に設けられた開口99からはタッチパネル14が露出しており、同部93に設けられた開口2−k(k=1〜6)からは透明パッドフレーム16の被打叩部3−k(k=1〜6)が露出している。
【0010】
図1(A)及び図1(B)において、LCD12は、パーソナルコンピュータ91から送信される表示制御信号に従って各種画像を表示する。このLCD12に表示される画像については、後に詳述する。
【0011】
タッチパネル14は、例えば、アナログ抵抗膜式のタッチパネルである。このタッチパネル14は、表示領域13より僅かに大きな横幅W2及び縦幅L2を有している。このタッチパネル14は、利用者の手指が当該タッチパネル14に接触した場合に、その接触点のX座標値(横幅W2方向の座標値)とY座標値(縦幅L2方向の座標値)を検出する。タッチパネル14が検出したX座標値とY座標値は、A/D変換部(不図示)によってアナログ信号からデジタル信号に変換され、接触点を示す座標値データDCOとしてパーソナルコンピュータ91へ送信される。
【0012】
透明パッドフレーム16は、複数個(図示の例では6個)の透明パッドを一体化したフレーム状の部材であり、透明シリコンゴムを素材として形成されている。透明パッドフレーム16は、表示領域15とほぼ同じ横幅W3及び縦幅L3(L3≒L1−L2)を有している。図3は、透明パッドフレーム16をメンブレンシート17の側から見た斜視図である。図4は、図1(B)における透明パッドフレーム16のA−A’線断面図である。透明パッドフレーム16の表面には被打叩部3−k(k=1〜6)がある。図1(B)及び図4に示すように、被打叩部3−k(k=1〜6)における被打叩部3−1〜3−4は、透明パッドフレーム16の表面における蓋部93の開口2−1〜2−4と同寸法の正方形状の領域を、開口2−1〜2−4と同じ厚さか若しくはそれ以上の厚さに隆起させたものである。また、被打叩部3−k(k=1〜6)における被打叩部3−5及び3−6は、透明パッドフレーム16の表面における蓋部93の開口2−5及び2−6と同寸法の長方形状の領域を、開口2−5及び2−6と同じ厚さか若しくはそれ以上の厚さに隆起させたものである。図2に示すように、操作検出装置10が操作端末90内に収容された状態において、被打叩部3−k(k=1〜6)の各々は開口2−k(k=1〜6)の各々に嵌合している。
【0013】
図3及び図4に示すように、透明パッドフレーム16の裏面には、メンブレンシート17に対向する押し子部6F−k(k=1〜6),6B−k(k=1〜6),6L−1〜6L−4,及び6R−1〜6R−4がある。これらのうち押し子部6F−1,6B−1,6L−1,及び6R−1は、透明パッドフレーム16の裏面における被打叩部3−1の周縁の裏側の領域を隆起させたものである。押し子部6F−2,6B−2,6L−2,及び6R−2は、透明パッドフレーム16の裏面における被打叩部3−2の周縁の裏側の領域を隆起させたものである。押し子部6F−3,6B−3,6L−3,及び6R−3は、透明パッドフレーム16の裏面における被打叩部3−3の周縁の裏側の領域を隆起させたものである。押し子部6F−4,6B−4,6L−4,及び6R−4は、透明パッドフレーム16の裏面における被打叩部3−4の周縁の裏側の領域を隆起させたものである。
【0014】
より詳細に説明すると、押し子部6F−1〜6F−4と押し子部6B−1〜6B−4は、透明パッドフレーム16の横幅W3方向に延在している。押し子部6F−1〜6F−4と押し子部6B−1〜6B−4は、横幅W3方向の中点において厚さが最大になるように緩やかに凸んでいる。押し子部6F−1〜6F−4の各々と押し子部6B−1〜6B−4の各々との間には距離D1の間隔が空いている。押し子部6L−1〜6L−4と押し子部6R−1〜6R−4は、透明パッドフレーム16の縦幅L3方向に延在している。押し子部6L−1〜6L−4と押し子部6R−1〜6R−4は、縦幅L3方向の中点において厚さが最大になるように緩やかに凸んでいる。押し子部6L−1〜6L−4の各々と押し子部6R−1〜6R−4の各々との間にも距離D1の間隔が空いている。
【0015】
押し子部6F−5及び6B−5は、透明パッドフレーム16の裏面における被打叩部3−5の周縁の縦幅L3方向に対向する2辺の裏側の領域を隆起させたものである。また、押し子部6F−6及び6B−6は、透明パッドフレーム16の裏面における被打叩部3−6の周縁の縦幅L3方向に対向する2辺の裏側の領域を隆起させたものである。
【0016】
より詳細に説明すると、押し子部6F−5,6B−5,6F−6,及び6B−6は、透明パッドフレーム16の横幅W3方向に延在している。押し子部6F−5,6B−5,6F−6,及び6B−6の各々は、横幅W3方向の中点において厚さが最大になるように緩やかに凸んでいる。押し子部6F−5と押し子部6B−5との間には距離D2の間隔が空いている。押し子部6F−6と押し子部6B−6との間にも距離D2の間隔が空いている。
【0017】
図1(B)において、透明パッドフレーム16と表示領域15との間に介挿されているメンブレンシート17は、透明パッドフレーム16の裏面における被打叩部3−kの裏側の領域において、被打叩部3−kへの打叩を検出するセンサである。このメンブレンシート17は、感圧部材としての役割を果たす2枚の可撓性シート19及び20からなる。可撓性シート19及び20は、透明パッドフレーム16よりも僅かに大きな横幅W4及び縦幅L4を有している。可撓性シート19における被打叩部3−k(k=1〜6)の真下を占める領域には、開口4−k(k=1〜6)が設けられている。可撓性シート20における被打叩部3−k(k=1〜6)の真下を占める領域にも、開口5−k(k=1〜6)が設けられている。開口4−k及び5−kの真上の被打叩部3−kは透明な素材から形成されている。このため、LCD12の表示領域15における開口4−k及び開口5−kの真下の位置の表示内容は、開口5−k及び開口4−kと被打叩部3−kを介して外部に露出する。
【0018】
図5の断面図に示すように、可撓性シート19の裏面における開口4−kの周囲には接点電極PUPPがある。この接点電極PUPPは、カーボンペーストをスクリーン印刷するなどにより形成されたものである。可撓性シート20の表面における開口5−kの周囲には接点電極PLOWと配線(不図示)とを含む銅泊パターンがある。そして、可撓性シート19における隣り合う開口4−k間の隙間と可撓性シート20における隣り合う開口5−k間の隙間の間にはスペーサSが介在しており、可撓性シート19の裏面の接点電極PUPPと可撓性シート20の表面の接点電極PLOWとの間にはこのスペーサSの厚さ分の空隙が確保されている。このスペーサSは、隣り合うセンサである各開口4−kの周囲の接点電極PUPPが誤動作により押し込まれるのを防ぐ役割も果たしている。
【0019】
メンブレンシート17における可撓性シート19の裏面に形成されている接点電極PUPPと可撓性シート20の表面に形成されている接点電極PLOWは、被打叩部3−kへの打叩に応じてONになるスイッチとしての役割を果たす。より具体的に説明すると、被打叩部3−k(k=1〜6)のいずれかが打叩された場合、打叩された被打叩部3−k(例えば、被打叩部3−1とする)とその裏側の押し子部6F−1,6B−1,6L−1,6R−1が撓む。そして、撓んだ押し子部6F−1,6B−1,6L−1,6R−1が可撓性シート19における開口4−1の周囲の部分を下方向に押し下げ、その部分を可撓性シート20における開口5−1の周囲の部分に近づける。可撓性シート19における開口4−1の周囲の部分が可撓性シート20の裏面における開口5−1の周囲の部分に近づいて両シート19及び20の接点電極PUPP及びPLOWが接触すると、可撓性シート20の銅泊パターンから得られる出力電圧Vが接点電極PUPP及びPLOWの接触面積に応じて大きくなる。そして、この出力電圧Vは、A/D変換部(不図示)によってアナログ信号からデジタル信号に変換され、被打叩部3−1に対する打叩の強度を示す打叩強度値データDST−1としてパーソナルコンピュータ91へ送信される。
【0020】
図1(A)及び図1(B)において、透明剛体材18は、透明プラスチックを板状に成形してなる部材である。透明剛体材18は、表示領域15よりも僅かに大きな横幅W5及び縦幅L5を有している。この透明剛体材18における横幅W5方向に対向する両側端部及び表示領域13と反対側の側端部には、僅かな幅を持った凸部40が形成されている。この透明剛体材18は、操作端末90におけるトレイ部94の内周壁に固定されている支持部材(不図示)により、表示領域15の上方に同領域15との間に僅かな隙間を空けて支持されている。そして、透明パッドフレーム16と可撓性シート19及び20は、各々の側面を透明剛体材18の凸部40の内側に当接させるようにして、透明剛体材18上における凸部40の内側に保持されている。
以上が、操作検出装置10の構成の詳細である。
【0021】
次に、本実施形態の動作を説明する。まず、パーソナルコンピュータ91のハードディスク(不図示)には、パーソナルコンピュータ91のCPUに次の4つの機能を付与する演奏支援プログラムが格納されている。
a1.音素材検索支援機能
これは、操作検出装置10の表示領域15に音素材データの検索条件を入力するための検索条件入力欄を表示させ、タッチパネル14への操作によって検索条件入力欄内に入力された特徴を持った音素材データを音源92内から検索する機能である。
b1.音素材割当機能
これは、音源92内から検索した各音素材データを、操作検出装置10の被打叩部3−k(k=1〜6)の1つ1つに割り当てる機能である。
c1.アイコン表示機能
これは、操作検出装置10の表示領域15内における各音素材データが割り当てられた被打叩部3−kの真下の位置に、それらの各音素材データを示すアイコンを表示させる機能である。
d1.音素材再生機能
これは、操作検出装置10の被打叩部3−kが打叩される度に、その被打叩部3−kに割り当てられている音素材データを再生する機能である。
【0022】
図6は、本実施形態の動作を示すフローチャートである。図6において、パーソナルコンピュータ91のCPUは、操作検出装置10の表示領域13に検索条件入力欄を表示させる(S100)。利用者は、所望の検索条件を検索条件入力欄内に入力する。検索条件の入力は、表示領域13内にソフトウェアキーボードを表示させてそのキーボード上の文字を一つずつ選択することにより行うとよい。パーソナルコンピュータ91のCPUは、検索条件入力欄に検索条件が入力されると、その検索条件に最もマッチする音素材データを音源92内から検索する(S110)。
【0023】
パーソナルコンピュータ91のCPUは、音源92内から音素材データを検索した後、被打叩部3−k(k=1〜6)のうち未だ音素材データが割り当てられていない被打叩部3−kを選び、この被打叩部3−kに音源92内から検索した音素材データを割り当てる(S120)。パーソナルコンピュータ91のCPUは、表示領域15内における音素材データを割り当てた被打叩部3−kの真下の位置に、その音素材データを示す表示体であるアイコンを表示させる(S130)。図7は、アイコンが表示された状態の一例を示す図である。この図7の例では、被打叩部3−1の真下の位置に、被打叩部3−1に割り当てられた音素材データがダスティーな音素材のものであることを示す砂地模様のアイコンIDUSTが表示されている。
【0024】
以上のステップS100〜ステップS130の一連の処理は、表示領域15内における全ての被打叩部3−k(k=1〜6)の下の位置へのアイコンの表示が済むまで繰り返される。6つのアイコンが表示し終わると(S140:Yes)、利用者は、演奏を開始する。この演奏では、利用者は、被打叩部3−k(k=1〜6)のうち所望の1つまたは複数の被打叩部3−kを自身の手により打叩する。上述したように、操作検出装置10は、被打叩部3−kが打叩される度に、その被打叩部3−kの打叩強度を示す打叩強度値データDST−kをパーソナルコンピュータ91へ送信する。CPUは、被打叩部3−kの打叩強度を示す打叩強度値データDST−kを操作検出装置10から受信する度に(S150:Yes)、その被打叩部3−kに割り当てられている音素材データを打叩強度値データDST−kが示す打叩強度に応じたベロシティ(音量)の音として再生する(S160)。また、CPUは、演奏の終了を指示する操作が行われると(S170:Yes)、処理を終了する。
【0025】
以上説明した本実施形態によると、次の効果が得られる。
第1に、本実施形態における操作検出装置10では、表示領域15上に、透明剛体材18が設けられている。また、透明剛体材18上にメンブレンシート17が設けられており、メンブレンシート17上に透明パッドフレーム16が設けられている。これらのうち透明剛体材18と透明パッドフレーム16は透明な素材から形成されている。そして、メンブレンシート17における被打叩部3−kの下の部分は開口4−k及び5−kとされ、被打叩部3−kの打叩を検出するセンサである接点電極PUPP及びPLOWが開口4−k及び5−kの周囲に設けられている。このような構造になっていることにより、操作検出装置10では、表示領域15に表示されているアイコンが被打叩部3−kから透けて見える一方、接点電極PUPP及びPLOWはシート17における開口4−k及び5−kの外側の部分に隠れて見えない。よって、利用者は、アイコンを見ながら被打叩部3−kを打叩する、という直感的な演奏を快適に行うことができる。
【0026】
第2に、本実施形態における操作検出装置10では、透明パッドフレーム16の裏面における押し子部6F−1〜6F−4と押し子部6B−1〜6B−4は横幅W3方向の中点において厚さが最大になるように緩やかに凸んでいる。押し子部6L−1〜6L−4と押し子部6R−1〜6R−4は、縦幅L3方向の中点において厚さが最大になるように緩やかに凸んでいる。押し子部6F−5,6B−5,6F−6,及び6B−6は、横幅W3方向の中点において厚さが最大になるように緩やかに凸んでいる。このため、被打叩部3−kを打叩する力が弱い場合は、押し子部6F−k,6B−k,6L−k,6R−kにおける中点の近傍の僅かな部分のみによって可撓性シート19の開口4−kの周囲の部分が押し下げられ、被打叩部3−kを打叩する力が強い場合は、押し子部6F−k,6B−k,6L−k,6R−kにおけるより広い部分によって可撓性シート19の開口4−kの周囲の部分が押し下げられることになる。よって、被打叩部3−kを打叩する力の強弱をその打叩に応じたベロシティへと精度よく変換することができる。
【0027】
第3に、本実施形態における操作検出装置10では、表示領域15上に同領域15との間に僅かな隙間を空けて透明剛体材18が支持されており、この透明剛体材18上にメンブレンシート17と透明パッドフレーム16の層が設けられている。このため、透明パッドフレーム16における被打叩部3−kが打叩されてもLCD12に負荷が加わることがない。よって、LCD12に負荷が加わることによりその劣化が進む、という事態を防止することができる。
【0028】
(第2実施形態)
図8は、本発明の第2実施形態である操作検出装置10Aとこの操作検出装置10Aが装着されるタブレット型コンピュータ97の構成例を示す図である。この例におけるタブレット型コンピュータ97は、横幅W6及び縦幅L6の寸法を有する略直方体状をなしている。タブレット型コンピュータ97の表面98にはその表面98よりも一回り小さな横幅W7及び縦幅L7を有するLEDの表示面99が露出している。表示面99の横幅W7は操作検出装置10Aの横幅W5とほぼ同じであり、表示面99の縦幅L7は操作検出装置10Aの縦幅L5よりも十分に長くなっている。また、タブレット型コンピュータ97における縦幅L6方向の一端面には、オーディオ出力用、ビデオ出力用、USB(Universal Serial Bus)接続用、電源線用、接地用などの複数種類のピンを持ったコネクタCN図8では不図示)が設けられている。
【0029】
操作検出装置10Aは、第1実施形態の操作検出装置10(図1(A)及び図1(B))のものと同じ透明剛体材18、メンブレンシート17(図8では不図示)、及び透明パッドフレーム16(図8では透明パッドフレーム16の被打叩部3−k(k=1〜6)のみ図示)と、これらを上から覆う部材であるカバー101と、タブレット型コンピュータ97のコネクタCNと対をなすコネクタCNと、ゴム製のバンド120と、操作検出装置10Aの制御中枢であるCPU(図8では不図示)と、CPUからコネクタCNに至る信号伝送路をなすケーブル130とを有する。
【0030】
より詳細に説明すると、この操作検出装置10Aでは、透明剛体材18、メンブレンシート17、透明パッド16、及びカバー101が積層されている。カバー101は、透明でない素材を透明剛体材18と同じ横幅W5及び縦幅L5を持った直方体状に成形したものである。カバー101における横幅W5方向に延在する両端面の端部とその中点の内側には6つのネジ穴HLが穿設されている。透明剛体材18における横幅W5方向に延在する両端面の端部とその中点の内側にも6つのネジ穴HLが穿設されている。カバー101と透明剛体材18とは、透明パッドフレーム16及びメンブレンシート17とCPUとを間に挟んでネジ穴HLにネジを締結することにより、互いに固定されている。
【0031】
カバー101には、第1実施形態における操作端末90の蓋部93(図2)のものと同様の開口102−k(k=1〜6)が設けられており、この開口102−k(k=1〜6)から透明パッドフレーム16の被打叩部3−k(k=1〜6)が露出している。
【0032】
バンド120は、透明剛体材18の裏面の側からカバー101の側に向かって丸められている。バンド120の両端の各々はカバー101における横幅W5方向に対向する両端面の各々に固定されている。また、カバー101における縦幅L5方向に対向する両端面のうち一方の中点からはケーブル130が引き出され、このケーブル130の先端にコネクタCNが接続されている。
【0033】
この操作検出装置10Aは次のようにしてタブレット型コンピュータ97に装着される。まず、操作検出装置10Aのバンド120を横幅W5方向に拡げ、バンド120と透明剛体材18の裏面とからなる輪の中にタブレット型コンピュータ97を入れてバンド120を縮める。次に、操作検出装置10AのコネクタCNとタブレット型コンピュータ97のコネクタCNとを接続する。その上で、タブレット型コンピュータ97にインストールされている演奏支援プログラムを起動させる。演奏支援プログラムが起動されると、タブレット型コンピュータ97のCPUと操作検出装置10AのCPUは、互いに連携しつつ演奏処理を行う。
【0034】
図9は、演奏処理の処理内容を示す図である。演奏処理では、タブレット型コンピュータ97のCPUは、被打叩部3−k(k=1〜6)と同じ位置関係を持って配列された6つの表示体であるアイコンI−k(k=1〜6)を表示面99における横幅W7方向の中央に表示させる。利用者は、各アイコンI−kがタブレット型コンピュータ97の各被打叩部3−kの下から透けて見えるように同コンピュータ97の装着位置を調整した上で、演奏を開始する。この演奏では、利用者は、被打叩部3−k(k=1〜6)のうち所望の1つまたは複数の被打叩部3−kを自身の手により打叩する。
【0035】
操作検出装置10AのCPUは、メンブレンシート17における被打叩部3−k(k=1〜6)の下の接点電極PUPP及びPLOWの出力電圧Vから被打叩部3−k(k=1〜6)の打叩の有無を検出する。より具体的には、操作検出装置10AのCPUは、メンブレンシート17における各被打叩部3−kの下の接点電極PUPP及びPLOWの出力電圧Vの微分値ΔVを求め、この微分値ΔVが閾値を超えた場合には被打叩部3−kが打叩されたとみなす。
【0036】
操作検出装置10AのCPUは、メンブレンシート17によって被打叩部3−k(k=1〜6)への打叩が検出された場合に、当該被打叩部3−kの下のアイコンI−kが示す音を制御するデータであるMIDI(Musical Instrument Digital Interface)メッセージを出力する。より具体的に説明すると、操作検出装置10AのCPUは、被打叩部3−k(k=1〜6)のうちのうちのいずれかの被打叩部3−kが打叩された場合には、その時点における微分値ΔVをアナログ形式からデジタル形式に変換したデータを打叩強度値データDST−kとし、この打叩強度値データDST−kをMIDIにおける音の強さを示すパラメータであるベロシティVelに変換する。そして、変換したベロシティVelを含むノートオンのMIDIメッセージを生成し、このMIDIメッセージをコネクタCN及びCNを介してタブレット型コンピュータ97へ供給する。タブレット型コンピュータ97のCPUは、操作検出装置10AからMIDIメッセージが供給される度に発音制御処理と表示制御処理の2つの処理を行う。発音制御処理では、CPUは、被打叩部3−k(k=1〜6)に割り当ててある6つのチャネルkCH(k=1〜6)のうち、打叩された被打叩部3−k(例えば、被打叩部3−1とする)のチャネル1Chを選択し、このチャネル1Chの音色の音をMIDIメッセージ内のベロシティVelに応じた音量レベルの音としてスピーカSPから放音させる。表示制御処理では、CPUは、表示面99における6つのアイコンI−k(k=1〜6)のうち、打叩された被打叩部3−1のアイコンI−1を選択し、このアイコンI−1の表示の態様(例えば、表示色の濃度)をMIDIメッセージ内のベロシティVelに応じて変化させる。
【0037】
以上説明した本実施形態では、操作検出装置10Aにおける透明剛体材18、メンブレンシート17、及び透明パッドフレーム16が透明でない素材からなるカバー101によって覆われており、カバー101に開口102−k(k=1〜6)が設けられている。そして、このカバー101の開口102−k(k=1〜6)からは透明パッドフレーム16の被打叩部3−k(k=1〜6)が露出している。このような構成になっていることにより、操作検出装置10Aでは、タブレット型コンピュータ97の表示面99における被打叩部3−kの真下の領域の表示内容が被打叩部3−kから透けて見える一方、メンブレンシート17の接点電極PUPP及びPLOWはカバー101における開口102−kの外側の部分に隠れて見えない。よって、利用者は、第1実施形態と同様に、被打叩部3−k(k=1〜6)の真下の領域に表示させたアイコンI−k(k=1〜6)を見ながら被打叩部3−kを打叩する、という直感的な演奏を快適に行うことができる。
【0038】
(第3実施形態)
図10は、本発明の第3実施形態である操作検出装置10Bとこの操作検出装置10Bが装着されるタブレット型コンピュータ97の構成例を示す図である。この例におけるタブレット型コンピュータ97は、第2実施形態の例のものと同じである。操作検出装置10Bは、第1実施形態の操作検出装置10Aにおけるバンド120を除去し、透明剛体材18の裏面における4隅の内側に4つの吸盤251,252,253,254を設けたものである。この操作検出装置10Bは、吸盤251,252,253,254をタブレット型コンピュータ97の表示面99に向けて押しつけることにより、表示面99上の所望の位置に装着される。本実施形態によっても、第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0039】
(第4実施形態)
図11は、本発明の第4実施形態である操作検出装置10Cとこの操作検出装置10C内に収納されるタブレット型コンピュータ97の構成例を示す図である。図12は、操作検出装置10C内にタブレット型コンピュータ97を収納した状態を示す図である。この実施形態の例におけるタブレット型コンピュータ97は、第2及び第3実施形態の例のものと同じである。操作検出装置10Cは、タブレット型コンピュータ97よりも一回り大きい横幅W8、縦幅L8、及び厚さT8を持った筐体370内にタブレット型コンピュータ97を収容するための収容部371を設けたものである。
【0040】
この操作検出装置10Cの収容部371における厚さT8方向の一方の側は一部分だけが筐体370の表面372によって覆われている。筐体370には、当該筐体370の縦幅L8方向に向い合う側面381及び382のうちの一方の側面381から表面372の収容部371を覆う部分の縁にかけて開口が設けられており、収容部371はこの開口を介して外部に露出している。筐体370の表面372における収容部371を覆う部分の略中央には、矩形状の穴部373が設けられている。この穴部373には、操作検出装置10Aのものと同じ透明剛体材18、メンブレンシート17、透明パッドフレーム16、及びカバー101の積層体が埋め込まれている。筐体370の表面372における収容部371の側方には2つのつまみ374,375が設けられている。また、筐体370における側面382の裏側にある収容部371を向いた面の中央にはコネクタCN図11では不図示)が設けられている。
【0041】
この例におけるタブレット型コンピュータ97は、次のようにして操作検出装置10Cの収容部371内に収容される。まず、タブレット型コンピュータ97を操作検出装置10Cと平行な姿勢にする。次に、タブレット型コンピュータ97のコネクタCNを収容部371に向け、側面381の側から収容部371内に挿入する。そして、タブレット型コンピュータ97を図11の矢印方向に押し込み、タブレット型コンピュータ97のコネクタCNを操作検出装置10CのコネクタCNに接続する。コネクタCNとコネクタCNとが接続されると、タブレット型コンピュータ97内のCPUと操作検出装置10C内のCPUとによる演奏処理が開始される。この演奏処理の処理内容は、第2実施形態における演奏処理の処理内容と同じである。
【0042】
本実施形態では、以上の手順によって操作検出装置10Cにタブレット型コンピュータ97が収納された状態(図12)において、タブレット型コンピュータ97の表示面99における被打叩部3−1〜3−4の真下の領域の表示内容が被打叩部3−1〜3−4から透けて見える。また、この状態(図12)において、メンブレンシートの接点電極PUPP及びPLOWはカバー101における開口102−k(k=1〜6)の外側の部分に隠れて見えない。よって、利用者は、表示面99における被打叩部3−1〜3−4の真下の領域に表示させたアイコンI−1〜I−4を見ながら被打叩部3−kを打叩する、という直感的な演奏を快適に行うことができる。
【0043】
以上、この発明の第1乃至第4実施形態について説明したが、この発明には他にも実施形態があり得る。例えば、以下の通りである。
(1)上記第1実施形態では、透明パッドフレーム16における押し子部6F−k(k=1〜6),6B−k(k=1〜6),6L−1〜6L−4,6R−1〜6R−4は、各々の中点において厚さが最大になるように緩やかに凸んだ略円弧状の面を有していた。しかし、図13の断面図(当該実施形態で図1の操作検出装置10を構成した場合におけるA−A’線断面図)に示すように、押し子部6F−k(k=1〜6),6B−k(k=1〜6),6L−1〜6L−4,6R−1〜6R−4の全部または一部(図13の例では、押し子部6F−1,6F−2,6F−3,6F−4)における可撓性シート19を向いた面を、可撓性シート19と平行なフラットな形状としてもよい。
【0044】
また、図14の断面図(当該実施形態で図1の操作検出装置10を構成した場合におけるA−A’線断面図)に示すように、押し子部6F−k(k=1〜6),6B−k(k=1〜6),6L−1〜6L−4,6R−1〜6R−4の全部または一部(図14の例では、押し子部6F−1,6F−2,6F−3,6F−4)における可撓性シート19を向いた面を、所定ピッチで緩やかな起伏を繰り返す波型状にしてもよい。
【0045】
また、図15の断面図(当該実施形態で図1の操作検出装置10を構成した場合におけるA−A’線断面図)に示すように、押し子部6F−k(k=1〜6),6B−k(k=1〜6),6L−1〜6L−4,6R−1〜6R−4の全部または一部(図15の例では、押し子部6F−1,6F−2,6F−3,6F−4)おける可撓性シート19を向いた面を、所定ピッチで凹凸を繰り返す串歯状にしてもよい。
【0046】
(2)上記第1実施形態において、透明パッドフレーム16における押し子部6F−1〜6F−4,6B−1〜6B−4,6L−1〜6L−4,6R−1〜6R−4内に当該押し子部の芯として透明な剛体(例えば透明プラスチック)を埋め込んでもよい。図16(A)は、この実施形態における透明パッドフレーム16Aの断面図(当該実施形態で図1の操作検出装置10を構成した場合におけるA−A’線断面図)である。また、図16(B)は、この透明パッドフレーム16Aをメンブレンシート17の側から見た裏面図である。
【0047】
図16(A)及び図16(B)に示すように、この実施形態では、押し子部6F−1〜6F−4よりも僅かに短く押し子部6F−1〜6F−4よりも僅かに細い幅を持った芯棒7F−1〜7F−4が押し子部6F−1〜6F−4内に埋め込まれている。また、押し子部6B−1〜6B−4よりも僅かに短く押し子部6B−1〜6B−4よりも僅かに細い幅を持った芯棒7B−1〜7B−4が押し子部6B−1〜6B−4内に埋め込まれている。また、押し子部6L−1〜6L−4よりも僅かに短く押し子部6L−1〜6L−4よりも僅かに細い幅を持った芯棒7L−1〜7L−4が押し子部6L−1〜6L−4内に埋め込まれている。また、押し子部6R−1〜6R−4よりも僅かに短く押し子部6R−1〜6R−4よりも僅かに細い幅を持った芯棒7R−1〜7R−4が押し子部6R−1〜6R−4内に埋め込まれている。
【0048】
この実施形態によると、被打叩部3−kが打叩され場合に、押し子部6F−1〜6F−4,6B−1〜6B−4,6L−1〜6L−4,6R−1〜6R−4における可撓性シート19を向いた面の全面によって、可撓性シート19が押下される。よって、被打叩部3−kを打叩した力が可撓性シート19により伝わりやすくなる。
【0049】
(3)上記第1実施形態における操作検出装置10は、表示手段であるLCD12上に、透明剛体材18、メンブレンシート17、及び透明パッドフレーム16を積層したものであった。しかし、透明剛体材18、メンブレンシート17、及び透明パッドフレーム16からなる操作検出装置10を、透明パッドフレーム16の被打叩部3−k(k=1〜6)に割り当てられている音素材データを示す情報が表示または印刷された他の部材上に載置してもよい。例えば、操作検出装置10を、操作検出装置10の被打叩部3−k(k=1〜6)に割り当てた音素材データを示す6種類のマークが予め印刷された複数種類のシートと組み合わせて利用してもよい。
【0050】
この操作検出装置10は、次のように利用する。まず、複数種類のうち一枚のシートを選択する。次に、操作検出装置10を、被打叩部3−k(k=1〜6)とシート上に記された6種類の表示体である各マークとを重ねるようにしてシート上に載置し、被打叩部3−k(k=1〜6)に各々の下のマークが示す音素材データを割り当てる。そして、パーソナルコンピュータ91は、操作検出装置10の被打叩部3−kの打叩が検出されると、その被打叩部3−kに割り当てられている音素材データを再生する。
【0051】
(4)上記第1実施形態では、透明パッドフレーム16及び透明剛体材18は透明な素材により形成されていた。しかし、これらの両方または一方を半透明な素材により形成してもよい。
【0052】
(5)上記第1実施形態において、表示領域15における被打叩部3−k(k=1〜6)の真下の位置に、被打叩部3−k(k=1〜6)に割り当てた音素材データを示す表示体である文字を表示させてもよい。
【0053】
(6)上記第1実施形態における操作検出装置10の透明パッドフレーム16は、複数個の透明パッドを一体化した部材であった。しかし、透明パッドフレーム16を1つの透明パッドのみにより構成してもよい。
【0054】
(7)上記第1実施形態において、操作検出装置10内に音源と制御部を内蔵し、被打叩部3−kへの打叩強度に応じたベロシティの音を当該操作検出装置10自体が再生するようにしてもよい。この実施形態によると、パーソナルコンピュータ91を用いずに演奏を行うことができる。
【0055】
(8)上記第1実施形態において、メンブレンシート17における開口4−kの周囲に、被打叩部3−kを分割した複数の領域の各々への打叩の強度を検出する複数のスイッチを設けてもよい。この実施形態は、例えば、次のようにして実現する。図17に示すように、可撓性シート19の裏面における開口4−kの周囲の接点電極PUPPを、各々同寸法のL字状をなす接点電極PULUPP,PDLUPP,PURUPP,及びPDRUPPにより構成し、可撓性シート20の表面における開口5−kの周囲の接点電極PLOWを、各々同寸法のL字状をなす接点電極PULLOW,PDLLOW,PURLOW,及びPDRLOWにより構成する。
【0056】
より詳細に説明すると、本実施形態では、開口4−kを当該開口4−kにおける対向する2辺の中点同士を結ぶ線(図17の一点鎖線)によって4等分した矩形状の領域を領域4UL,4DL,4UR,4DRとする。そして、撓性シート19の裏面における領域4ULの外側の2辺を囲むようにして接点電極PULUPPが設けられており、領域4DLの外側の2辺を囲むようにして接点電極PDLUPPが設けられている。また、可撓性シート19の裏面における領域4URの外側の2辺を囲むようにして接点電極PURUPPが設けられており、領域4DRの外側の2辺を囲むようにして接点電極PDRUPPが設けられている。
【0057】
さらに、開口5−kを当該開口5−kにおける対向する2辺の中点同士を結ぶ線(図17の一点鎖線)によって4等分した矩形状の領域を領域5UL,5DL,5UR,5DRとする。そして、撓性シート20の表面における領域5ULの外側の2辺を囲むようにして接点電極PULLOWが設けられており、領域5DLの外側の2辺を囲むようにして接点電極PDLLOWが設けられている。また、可撓性シート19の裏面における領域5URの外側の2辺を囲むようにして接点電極PURLOWが設けられており、領域5DRの外側の2辺を囲むようにして接点電極PDRLOWが設けられている。
【0058】
そして、本実施形態では、被打叩部3−kにおける領域4UL,5ULの真上の部分が打叩された場合、可撓性シート19の接点電極PULUPPが接点電極PULLOWに接触し、接点電極PULUPP及びPULLOWを含む回路から得られる出力電圧V1が接点電極PULUPP及びPULLOWの接触面積に応じて大きくなる。被打叩部3−kにおける領域4DL,5DLの真上の部分が打叩された場合、可撓性シート19の接点電極PDLUPPが接点電極PDLLOWに接触し、接点電極PDLUPP及びPDLLOWを含む回路から得られる出力電圧V2が接点電極PDLUPP及びPDLLOWの接触面積に応じて大きくなる。
【0059】
また、被打叩部3−kにおける領域4UR,5URの真上の部分が打叩された場合、可撓性シート19の接点電極PURUPPが接点電極PURLOWに接触し、接点電極PURUPP及びPURLOWを含む回路から得られる出力電圧V3が接点電極PURUPP及びPURLOWの接触面積に応じて大きくなる。被打叩部3−kにおける領域4DR,5DRの真上の部分が打叩された場合、可撓性シート19の接点電極PDRUPPが接点電極PDRLOWに接触し、接点電極PDRUPP及びPDRLOWを含む回路から得られる出力電圧V4が接点電極PDRUPP及びPDRLOWの接触面積に応じて大きくなる。
【0060】
以上説明した本実施形態によると、出力電圧V1,V2,V3,V4により、被打叩部3−kを4等分した4つの領域への打叩の強度を個別に検出することができる。
【0061】
(9)上記第1乃至第4実施形態において、メンブレンシート17をなす2枚の可撓性シート19及び20を異なる種類の感圧部材(例えば、フォースセンサやひずみゲージ)により置き換えてもよい。図18は、可撓性シート19及び20の代わりに用いる感圧部材である打叩検出シート500の構成を示す図である。この打叩検出シート500は、メンブレンシート17の可撓性シート19(図1(B))と同寸法の板体501における開口502−k(k=1〜6)の外側の部分にフォースセンサ503−1〜503−4、503L−5、503R−5、503L−6、及び503R−6を設けたものである。より具体的に説明すると、この打叩検出シート500の板体501における開口502−1と開口502−5の間にはフォースセンサ503−1が設けられており、開口502−2と開口502−5の間にはフォースセンサ503−2が設けられている。板体501における開口502−3と開口502−6の間にはフォースセンサ503−3が設けられており、開口502−4と開口502−6の間にはフォースセンサ503−4が設けられている。また、板体501における開口502−5の横幅W4方向の両端部の外側にはフォースセンサ503L−5及び503R−5が設けられている。板体501における開口502−6の横幅W4方向の両端部の外側にはフォースセンサ503L−6及び503R−6が設けられている。
【0062】
打叩検出シート500におけるフォースセンサ503−1〜503−4は、被打叩部3−1〜3−4への打叩に応じてONとなるスイッチとしての役割を果たし、フォースセンサ503L−5、503R−5、503L−6、及び503R−6は、被打叩部3−5及び3−6への打叩に応じてONとなるスイッチとしての役割を果たす。より具体的に説明すると、被打叩部3−1〜3−4のいずれか(例えば、被打叩部3−1とする)が打叩された場合、被打叩部3−1によってフォースセンサ503−1が押され、フォースセンサ503−1に力が加わる。フォースセンサ503−1に力が加わると、その力の大きさに応じて同センサ503−1の出力電圧Vが大きくなる。そして、このフォースセンサ503−1の出力電圧Vは、A/D変換部(不図示)によってアナログ信号からデジタル信号に変換され、被打叩部3−1に対する打叩の強度を示す打叩強度値データDST−1としてパーソナルコンピュータ91またはタブレット型コンピュータ97へ送信される。また、被打叩部3−5及び3−6のいずれか(例えば、被打叩部3−5とする)が打叩された場合、被打叩部3−5によってフォースセンサ503L−5及び503R−5が押され、フォースセンサ503L−5及び503R−5に力が加わる。フォースセンサ503L−5及び503R−5に力が加わると、その力の大きさに応じて同セン503L−5及び503R−5の出力電圧Vが大きくなる。そして、このフォースセンサ503L−5及び503R−5の出力電圧Vは、A/D変換部(不図示)によってアナログ信号からデジタル信号に変換され、被打叩部3−5に対する打叩の強度を示す打叩強度値データDST−5としてパーソナルコンピュータ91またはタブレット型コンピュータ97へ送信される。この実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0063】
(10)上記第2及び第3実施形態において、タブレット型コンピュータ97に装着されている操作検出装置10Aまたは10Bの装着位置に合わせてアイコンI−k(k=1〜6)の表示位置を自動的に調整するようにしてもよい。この実施形態におけるタブレット型コンピュータ97には、同コンピュータ97の表示面99に装着された操作検出装置10Aまたは10Bの横幅W7方向の位置座標Xと縦幅L7方向の位置座標Yとを検出するセンサが搭載されている。タブレット型コンピュータ97は、このセンサの出力信号X及びYから、操作検出装置10Aまたは10Bの各被打叩部3−kの真下の表示位置の横幅W7方向の位置座標XB−k(k=1〜6)と、それらの縦幅L7方向の位置座標YB−k(k=1〜6)を計算する。そして、タブレット型コンピュータ97は、表示面99における各アイコンI−kを位置座標XB−k及びYB−kが示す表示位置と一致させる。
【0064】
(11)上記第3実施形態では、透明剛体材18の裏面に吸盤251,252,253,254を設け、この吸盤251,252,253,254の吸着力によってタブレット型コンピュータ97の表示面99に操作検出装置10Bを装着した。しかし、吸盤251,252,253,254に代えてゲル状のシートやマジックテープ(登録商標)を用いてもよい。マジックテープ(登録商標)を用いる場合は、透明剛体材18の裏面と操作検出装置10Bの表示面99の双方にマジックテープ(登録商標)を設けるようにするとよい。
【0065】
(12)上記第1乃至第4実施形態は、本発明を、被打叩部3−k(k=1〜6)に対する手指の打叩によって演奏を行う為の演奏インターフェースに適用したものであった。しかし、本発明の用途はこれに限らない。例えば、本発明をドラム演奏練習用の電子打楽器として利用してもよい。この態様は、次のようにして実現する。まず、第1実施形態における操作検出装置10の被打叩部3−k(k=1〜6)を打楽器の打撃面を模した真円状とする。そして、表示領域13における各被打叩部3−kの真下の位置に、打叩すべき被打叩部3−kを案内する絵を順に表示させていく。利用者は、手にスティックを握り、被打叩部3−k(k=1〜6)のうち当該被打叩部3−kの下から絵が透けて見えたものをスティックにより順に打叩していくことにより演奏を行う。また、本発明を歩行運動を支援する機能を持ったヘルスメータとして利用してもよい。この態様は、次のようにして実現する。まず、第1実施形態の操作検出装置10をその透明パッドフレーム16の被打叩部3−k(k=1〜6)に人の足を載せられる程度まで大型化する。そして、表示領域13における各被打叩部3−kの真下の位置に、足裏によって踏むべき被打叩部3−kを案内する絵を順に表示させていく。利用者は、被打叩部3−k(k=1〜6)のうち当該被打叩部3−kの下から絵が透けて見えたものを足裏により踏むことにより歩行動作を行う。この場合において、表示領域13における各被打叩部3−kの真下の位置に、絵以外の画像(例えば、利用者の健康状態の推移を示すグラフ)を表示させてもよい。
【0066】
(13)上記第4実施形態における操作検出装置10Cを小型化し、スマートフォンを収納して操作する操作検出装置を構成してもよい。
【符号の説明】
【0067】
2,4,5,99…開口,3…被打叩部、6…押し子部、10…操作検出装置、12…LCD、13,15…表示領域、14…タッチパネル、16…透明パッドフレーム、17…メンブレンシート、18…透明剛体材、19,20…可撓性シート、90…操作端末、91…パーソナルコンピュータ、92…音源、97…タブレット型コンピュータ、99…表示面、101…カバー、120…バンド、130…ケーブル、251,252,253,254…吸盤、370…筐体、374,375…つまみ。
図1
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