【実施例】
【0044】
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、下記の%は質量%を意味する。
【0045】
〔実施例1〜6および比較例1〜9〕
毛髪化粧料として表1に示すヘアトリートメントを調製し、下記の方法により評価を行った。その結果を表1に示す。なお、クエン酸およびクエン酸ナトリウムによりヘアトリートメントのpHを4.0〜5.0に調整した。
【0046】
(1)毛髪のべたつき
20名の男女(25〜47才)をパネラーとし、洗髪後の濡れた頭髪に各ヘアトリートメント5gを塗布し洗い流して、タオルドライ後2時間乾燥した時の感触について下記の基準で評価した。
2点:毛髪がべたつかないと感じた場合。
1点:毛髪がややべたつくと感じた場合。
0点:毛髪がべたつくと感じた場合。
【0047】
20名の合計点を求めて、下記の基準で評価して表1中に表示した。
◎:合計点が30点以上、かつ、0点がいない:毛髪のべたつき感を感じない化粧料である。
○:合計点が30点以上、かつ、0点が1人又は2人:毛髪のべたつき感をほとんど感じない化粧料である。
△:合計点が20点以上30点未満:毛髪のべたつき感をやや感じる化粧料である。
×:合計点が20点未満:毛髪のべたつき感のある化粧料である。
【0048】
(2)毛髪のハリ・コシ
20名の男女(25〜47才)をパネラーとし、洗髪後の濡れた頭髪に各ヘアトリートメント5gを塗布し洗い流して、タオルドライ後2時間乾燥した時の毛髪のハリ・コシについて下記の基準で評価した。
2点:毛髪にハリ・コシがあると感じる。
1点:毛髪にややハリ・コシがあると感じる。
0点:毛髪にハリ・コシがなく、ボリューム感がないと感じる。
【0049】
20名の合計点を求めて、下記の基準で評価して表1中に表示した。
◎:合計点が30点以上、かつ、0点がいない:毛髪にハリ・コシが非常にある化粧料である。
○:合計点が30点以上、かつ、0点が1人又は2人:毛髪にハリ・コシがある化粧料である。
△:合計点が20点以上30点未満:毛髪にハリ・コシがややある化粧料である。
×:合計点が20点未満:毛髪にハリ・コシがない化粧料である。
【0050】
(3)毛髪のうるおい(しっとり感)
20名の男女(25〜47才)をパネラーとし、洗髪後の濡れた頭髪に各ヘアトリートメント5gを塗布し洗い流して、タオルドライ後2時間乾燥した時の感触について下記の基準で評価した。
2点:毛髪がとてもうるおっていると感じた場合。
1点:毛髪がややうるおっていると感じた場合。
0点:毛髪がばさつき、全くうるおっていないと感じた場合。
【0051】
20名の合計値を求めて、下記の基準で評価して表1中に表示した。
◎:合計点が30点以上、かつ、0点がいない:毛髪のうるおいが非常に良好な化粧料である。
○:合計点が30点以上、かつ、0点が1人又は2人:毛髪のうるおいが良好な化粧料である。
△:合計点が20点以上30点未満:毛髪のうるおいがやや良好な化粧料である。
×:合計点が20点未満:毛髪がばさつき、うるおっていない化粧料である。
【0052】
(4)毛髪の艶
各ヘアトリートメントの10%水溶液に長さ10cmの毛束を30分間浸漬し1Lの溜め水ですすいだ。タオルドライ後、恒温恒湿室(23℃・50RH)に2時間静置して処理毛とした。20名の男女(25〜47才)をパネラーとし、目視により各処理毛束の艶について下記の基準で評価した。
2点:処理毛にとても艶があると感じた場合。
1点:処理毛にやや艶があると感じた場合。
0点:処理毛に全く艶がないと感じた場合。
【0053】
20名の合計点を求めて、下記の基準で評価して表1中に表示した。
◎:合計点が30点以上、かつ、0点がいない:毛髪に艶がとてもある化粧料である。
○:合計点が30点以上、かつ、0点が1人又は2人:毛髪に艶がある化粧料である。
△:合計点が20点以上30点未満:毛髪に艶があまりない化粧料である。
×:合計点が20点未満:毛髪に艶がない化粧料である。
【0054】
(5)毛髪の滑らかさ
20名の男女(25〜47才)をパネラーとし、洗髪後の濡れた頭髪に各ヘアトリートメント5gを塗布し洗い流して、タオルドライ後2時間乾燥した時の感触について下記の基準で評価した。
2点:毛髪の指通りがとても良好で、滑らかであると感じた場合。
1点:毛髪の指通りが良好で、まあまあ滑らかであると感じた場合。
0点:毛髪がきしみ、指通りが悪いと感じた場合。
【0055】
20名の合計点を求めて、下記の基準で評価して表1中に表示した。
◎:合計点が30点以上、かつ、0点がいない:毛髪がきしまず、指通り性が非常に良好な化粧料である。
○:合計点が30点以上、かつ、0点が1人又は2人:毛髪の指通り性が良好な化粧料である。
△:合計点が20点以上30点未満:毛髪の指通り性がやや良好な化粧料である。
×:合計点が20点未満:毛髪がきしみ、指通り性が悪い化粧料である。
【0056】
(6)毛髪のまとまり性
20名の男女(25〜47才)をパネラーとし、洗髪後の濡れた頭髪に各ヘアトリートメント5gを塗布し洗い流して、タオルドライ後2時間乾燥した時の感触について下記の基準で評価した。
2点:毛髪のまとまり性が良好であると感じた場合。
1点:毛髪のまとまり性がまあまあであると感じた場合。
0点:毛髪のまとまり性が悪いと感じた場合。
【0057】
20名の合計点を求めて、下記の基準で評価して表1中に表示した。
◎:合計点が30点以上、かつ、0点がいない:毛髪のまとまり性が非常に良好な化粧料である。
○:合計点が30点以上、かつ、0点が1人又は2人:毛髪のまとまり性が良好な化粧料である。
△:合計点が20点以上30点未満:毛髪のまとまり性がやや良好な化粧料である。
×:合計点が20点未満:毛髪のまとまり性が悪い化粧料である。
【0058】
【表1】
【0059】
※1:塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム
※2:臭化ステアリルトリメチルアンモニウム
【0060】
【表2】
【0061】
※3:セタノール
※4:ステアリルアルコール
※5:グリコシルトレハロース、表中の数字は「トルナーレ」(株式会社林原生物化学研究所製、登録商標)に含まれるグリコシルトレハロースの含有量を表す。(トルナーレ中約47%)
※6:「WIRBRIDE CP−9」(日油株式会社製)、式2中の基や数値は以下のとおりである。
【0062】
【表3】
【0063】
※7:「Ceracute−G」(日油株式会社製、登録商標)、表中の数字は「Ceracute−G」に含まれる(E)成分の含有量を表す。(Ceracute−G中3.5%)
なお、(E)成分を構成する(e−1)、(e−2)および(e−3)の各式中の基は以下のとおりであり、式3中のR
7およびR
8が下記表4記載の単量体20モル%と、式4中のR
9およびYが下記表4記載の単量体40モル%と、式5中のR
10、LおよびL
1が下記表5記載の単量体40モル%から得られる共重合体である。
【0064】
【表4】
【0065】
【表5】
【0066】
※8:ジラウリン酸PEG−8
【0067】
実施例1〜6より、本発明の毛髪化粧料はいずれも、毛髪に塗布した際に、乾燥後にべたつかず、毛髪にハリ・コシとうるおいを与え、艶のある髪に仕上げ、さらに、きしまず滑らかでまとまり性のある毛髪にすることができるといった効果が得られていた。
【0068】
一方、比較例1〜9では十分な性能が得られていない。すなわち、比較例1では、(D)成分の配合量が本発明規定範囲の下限値より少ないことから、毛髪に艶が出ておらず、また毛髪のハリ・コシとうるおい、滑らかさが不十分であり、比較例2では、(C)成分の配合量が本発明規定の上限値を超えていることから、毛髪にべたつきが生じ、毛髪のハリ・コシや滑らかさ、まとまり性が不十分である。比較例3では、(B)成分の配合量が本発明規定範囲の上限値を超えていることから、滑らかさが悪く、また毛髪にべたつきが生じ、まとまり性が不十分であり、比較例4では、(A)成分の配合量が本発明規定範囲の下限値より少なく、かつ、(E)成分の配合量が本発明規定範囲の上限値を超えていることから、滑らかさとまとまり性が悪く、またうるおいが不十分である。比較例5では、(C)成分が配合されていないことから、毛髪のハリ・コシとうるおいが不十分であり、比較例6では、(A)成分の配合量が本発明規定範囲の上限値を超えており、かつ、(C)成分が他の成分に置き換えられていることから、毛髪にべたつきが生じ、ハリ・コシと艶が不十分である。比較例7では、(D)成分の配合量が本発明規定範囲の上限値を超えていることから、毛髪にべたつきが生じ、滑らかさとまとまり性が悪く、又はリ・コシと艶が不十分であり、比較例8では、(D)成分が他のアルキレンオキシド誘導体に置き換えられていることから、ハリ・コシとうるおい、艶や滑らかさが不十分である。比較例9では、(A)成分と(C)成分、(E)成分の配合量が本発明規定範囲の上限値を超えていることから、毛髪にべたつきが生じ、滑らかさやまとまり性が悪く、ハリ・コシとうるおいが不十分である。