特許第5760594号(P5760594)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5760594
(24)【登録日】2015年6月19日
(45)【発行日】2015年8月12日
(54)【発明の名称】パターン部材洗浄方法
(51)【国際特許分類】
   G03F 1/82 20120101AFI20150723BHJP
   B08B 7/00 20060101ALI20150723BHJP
【FI】
   G03F1/82
   B08B7/00
【請求項の数】6
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2011-75615(P2011-75615)
(22)【出願日】2011年3月30日
(65)【公開番号】特開2012-208414(P2012-208414A)
(43)【公開日】2012年10月25日
【審査請求日】2014年2月19日
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成18年度、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「次世代半導体材料・プロセス基盤(MIRAI)プロジェクト」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100159651
【弁理士】
【氏名又は名称】高倉 成男
(74)【代理人】
【識別番号】100091351
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 哲
(74)【代理人】
【識別番号】100088683
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100095441
【弁理士】
【氏名又は名称】白根 俊郎
(74)【代理人】
【識別番号】100084618
【弁理士】
【氏名又は名称】村松 貞男
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100119976
【弁理士】
【氏名又は名称】幸長 保次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100124394
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 立志
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志
(74)【代理人】
【識別番号】100111073
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 美保子
(74)【代理人】
【識別番号】100134290
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 将訓
(72)【発明者】
【氏名】高木 紀明
【審査官】 松岡 智也
(56)【参考文献】
【文献】 特開平03−145130(JP,A)
【文献】 特開平05−107744(JP,A)
【文献】 特開平07−056323(JP,A)
【文献】 特開平11−031673(JP,A)
【文献】 特開2008−159728(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0000547(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/027
G03F 7/20− 7/24、 9/00− 9/02
B08B 7/00−7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上にパターンが形成されたパターン部材に付着した塵を除去するパターン部材洗浄方法であって、
前記パターン部材のパターン形成面に、エチレンカーボネート、ジメチルスルホキシド、スルホランからなる群から選ばれた1種である、冷却により固化可能な液状塵除去材料を付与する工程、
前記液状塵除去材料を冷却し、固体又はゲル状の塵除去層を形成する工程、及び
前記塵除去層を、前記パターン部材に付着した塵とともに除去する工程
を具備することを特徴とするパターン部材洗浄方法。
【請求項2】
前記パターンは遮光膜パターンであり、前記パターン部材はフォトマスクまたはナノインプリントモールドであることを特徴とする請求項1に記載のパターン部材洗浄方法。
【請求項3】
前記液状塵除去材料を冷却し、固体又はゲル状の塵除去層を形成する工程は、前記パターン部材のパターン形成面側に冷却体を接触させることからなる請求項1又は2に記載のパターン部材洗浄方法。
【請求項4】
前記冷却体及び前記パターン部材の温度を調整することにより、前記塵除去層の前記パターン部材と接触する部分の硬度を下げ、前記塵除去層の剥離性を向上させることを特徴とする請求項3に記載のパターン部材洗浄方法。
【請求項5】
前記塵除去材料は、有機物を溶解可能であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のパターン部材洗浄方法。
【請求項6】
前記塵除去層を除去する工程の後、前記パターン部材に残留する塵除去層を加熱することにより液状にする工程、及び前記パターン部材のパターン形成面に、前記塵除去材料を溶解可能な液体を供給することにより、前記液状の残留塵除去層を溶解除去する工程を更に具備することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のパターン部材洗浄方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パターン部材洗浄方法及び洗浄装置に係り、特に、集積回路等の製造プロセスで使用されるレチクル又はフォトマスク(以下、フォトマスクとする)を洗浄する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
シリコンウエハに集積回路パターンを描画するフォトリソグラフィ技術においては、高集積化に伴い、より微細な回路パターンを露光するための技術が要求されている。このため、パターン転写に用いるフォトマスクのパターン線幅の微細化も進んでおり、これに伴い、パターンのアスペクト比も大きくなる傾向にある。また、パターン上の塵の許容サイズも小さくなる傾向にある。このため、フォトマスクのパターン上の塵の洗浄には、脆弱なパターンの破壊を抑制しつつ、より微細な除去し難い塵を除去するという相反する性能が求められる。
【0003】
パターン上の塵を除去するための一般的な洗浄方法としては、超音波洗浄や2流体洗浄に代表される衝撃的な物理力による洗浄と、アンモニア過水を用いるようなケミカル洗浄を併用する方法が用いられる。しかし、上述したように、微細パターンの脆弱化と微小な塵の除去困難性が進むと、衝撃的な物理力による洗浄の適用は困難となる。
【0004】
これに対し、特許文献1に示すような、衝撃的な物理力を伴わない洗浄方法も提案されている。この洗浄方法は、塵が付着したフォトマスクのパターン上に液状ポリマーを塗布しベーキングすることによりポリマー膜を形成し、このポリマー膜を温水により溶解除去するか、または物理的に剥がすことにより、塵を除去するものである。
【0005】
しかし、このような特許文献1に示す方法は、液状ポリマーを塗布しベーキングすることによるフィルム化するという不加逆反応を利用してポリマー膜を形成するものであり、ポリマー膜を除去した後、ポリマー膜の一部がパターン上に残留するという問題がある。このポリマー膜の残留物は、新たな固形物の塵となり、完全な除去が困難であるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平5−107744号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、パターン部材上に固形物が残存することのない塵の除去を可能とするパターン部材洗浄方法及び洗浄装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様は、基板上にパターンが形成されたパターン部材に付着した塵を除去するパターン部材洗浄方法であって、前記パターン部材のパターン形成面に、エチレンカーボネート、ジメチルスルホキシド、スルホランからなる群から選ばれた1種である、冷却により固化可能な液状塵除去材料を付与する工程、前記液状塵除去材料を冷却し、固体又はゲル状の塵除去層を形成する工程、及び前記塵除去層を、前記パターン部材に付着した塵とともに除去する工程を具備することを特徴とするパターン部材洗浄方法を提供する。
【0009】
このようなパターン部材洗浄方法において、前記パターンを遮光膜パターンとし、前記パターン部材をフォトマスクおよびナノインプリントモールドとすることが出来る。
【0010】
また、前記液状塵除去材料を冷却し、固体又はゲル状の塵除去層を形成する工程は、前記パターン部材のパターン形成面に冷却体を接触させることとすることが出来る。
【0011】
前記冷却体及び前記パターン部材の温度を調整することにより、前記塵除去層の前記パターン部材と接触する部分の硬度を下げ、前記塵除去層の剥離性を向上させることが出来る。
【0012】
前記塵除去材料として、有機物を溶解可能であるものを用いることが出来る。
【0013】
前記塵除去層を除去する工程の後、前記パターン部材に残留する塵除去層を加熱することにより液状にする工程、及び前記パターン部材のパターン形成面に、前記塵除去材料を溶解可能な液体を供給することにより、前記液状の残留塵除去層を溶解除去する工程を更に具備することが出来る。
【発明の効果】
【0020】
本発明によると、パターン部材のパターンに衝撃力を加えることなく、従ってパターンを損傷させることなく、容易にパターン部材から塵を除去することが可能である。また、塵除去材料として固化した後、容易に液化可能な材料を使用することにより、パターン部材の表面に固形物が残留することがなく、しかも洗浄工程において新たな塵がパターン部材の表面に付着する可能性がない、優れた洗浄が可能である。
【0021】
ができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施形態に係るフォトマスク洗浄方法を工程順に示す断面図である。
図2】本発明の一実施形態に係るフォトマスク洗浄方法を工程順に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0024】
図1及び図2は、本発明をフォトマスクの洗浄に適用した、本発明の一実施形態に係るフォトマスク洗浄方法を工程順に示す断面図である。
【0025】
図1(a)は、本実施形態に係るフォトマスク洗浄方法の対象であるフォトマスクを示し、このフォトマスク1は、ガラス基板2上に遮光膜パターン3が形成されたものであり、表面に塵4が付着している。なお、ガラス基板2としては、石英ガラスやソーダライムガラスが用いられ、遮光膜パターン3としては、クロム、酸化クロム、モリブデンシリサイド、シリコン等が用いられる。ナノインプリントモールドでは、遮光帯パターン3はガラス基板2と同様の材質となる。
【0026】
まず、図1(b)に示すように、塵除去材料供給ノズル5から液状塵除去材料6を、フォトマスク1の表面に供給する。フォトマスク1はスピンチャック(図示せず)に固定されており、スピンチャックの回転によりフォトマスク1上に液状塵除去材料6がスピンコートされる。
【0027】
液状塵除去材料6がフォトマスク1の表面を完全に覆った状態となった後、塵除去材料供給ノズル5からの液状塵除去材料6の供給が停止され、次いで、スピンチャックの回転を停止する。これにより、均一な液状塵除去材料6の層が形成される。液状塵除去材料6は表面張力によりフォトマスク1の表面に付着される。図1(c)は、フォトマスク1上に液状塵除去材料6が塗布された状態を示す。
【0028】
液状塵除去材料6の塗布方法は、図示するようなスピンコートに限定されないが、スピンコートを採用することにより、液状塵除去材料6をフォトマスク1上に均一に塗布することが出来る。
【0029】
塵除去材料6は、フォトマスク1上で液状であって、冷却により固体又はゲル状となるもの、また遮光膜パターン3と反応しないものである必要がある。常温で液状のものに限定されないが、常温で固体のものでは、加熱して液状にして塗布する必要があるので、常温で液状のものが好ましい。塵除去材料6の融点は、5〜50℃であるのが好ましい。また、後述するように、塵除去材料層の剥離後もフォトマスク1表面に残留する塵除去材料を溶解除去することが出来るように、塵除去材料6は、水溶性であることが望ましい。
【0030】
塵除去材料6の具体例としては、エチレンカーボネート(融点:36.0℃)、ジメチルスルホキシド(融点:18.5℃)、スルホラン(融点:27.6℃)等を挙げることができる。
【0031】
なお、塵除去材料6として有機物を溶解し得るものを用いることにより、塵の表面が有機物で覆われていたり、塵自体が有機物からなる場合に、フォトマスク1表面への塵除去材料6の塗布により有機物が溶解され、塵の除去を容易に行うことができる。有機物を溶解し得る塵除去材料6としては、上述したエチレンカーボネートを挙げることが出来る。
【0032】
次に、図1(d)に示すように、液状塵除去材料6の上方から、液状塵除去材料6の融点以下の温度にある冷却体7を降下させ、液状塵除去材料6の表面に接触させる。冷却体7は、接触前には液状塵除去材料6の融点以上の温度であってもよく、その場合には、接触時または接触後に融点以下の温度に下げればよい。このように、冷却体7との接触により、液状塵除去材料6は液状から固体又はゲル状に変換され、固体又はゲル状の塵除去材料層8が形成される。この場合、液状塵除去材料6は、フォトマスク1表面の塵4を保持した状態で固化する。
【0033】
冷却体7の温度を制御する方法としては、冷却体7の内部に管を配置するか又は空間を設けておき、それら管又は空間内に冷却水又は温水を流す方法が挙げられる。冷却体7を構成する材料としては、ステンレス、アルミニウム等を挙げることができる。
【0034】
なお、冷却体7の塵除去材料6(塵除去材料層8)との接触面に、他の材質の膜を被着してもよい。例えば、数ミリ程度の膜厚のガラス層を形成してもよく、また、このガラス層上に、クロム等の金属膜をスパッタリング等により設けてもよい。また、ガラス層上に限らず、冷却体7の他の面にもクロム等の金属膜をスパッタリング等により設けてもよい。
【0035】
更に、冷却体7の塵除去材料6(塵除去材料層8)との接触面に、或いはガラス層や金属層上に、塵除去材料層8との接着性を強化する材料、例えばシランカップリング剤等を塗布することも可能である。冷却体7と塵除去材料層8との接着性を強化することにより、後述するように、冷却体7を上昇させてフォトマスク1から塵除去材料層8を剥離する際に、塵除去材料層8の一部がフォトマスク1に残留することが防止される。シランカップリング剤以外に、冷却体7と塵除去材料層8との接着性を強化する材料としては、シリコーン系粘着剤等を挙げることが出来る。
【0036】
このように、冷却体7と塵除去材料層8とが接触した状態で、冷却体7を上昇させると、図2(a)に示すように、塵除去材料層8は表面に塵4を保持したまま、冷却体7とともに上昇し、フォトマスク1から剥離される。その結果、フォトマスク1の表面から塵4が除去される。
【0037】
このような塵除去材料層8の剥離工程において、塵除去材料層8及び冷却体7の温度は塵除去材料の融点以下であるが、フォトマスク1の温度は、塵除去材料の融点以下であっても融点以上であってもよい。即ち、冷却体7の温度を塵除去材料の融点以下とし、フォトマスク1の温度を塵除去材料の融点より数℃高く、例えば2℃程度高くしてもよい。そうすることにより、塵除去材料層8のフォトマスク1との接触部が軟化した状態となり、塵除去材料層8のフォトマスク1からの剥離を容易に行うことが出来る。
【0038】
以上のようなフォトマスク1の表面からの塵4の除去方法によると、除去工程中に微量な塵が冷却体7の表面から塵除去材料層8中に混入したとしても、あるいはまた微量な塵がもともと塵除去材料層8中に存在していたとしても、塵除去材料層8中に保持されたままフォトマスク1から剥離されるため、フォトマスク1に付着することはない。
【0039】
以上で、本実施形態に係るフォトマスク洗浄工程は完了するが、場合によっては、図2(a)に示すように、塵除去材料層8の微小な部分9がわずかにフォトマスク1の表面に残留することが考えられる。なお、図中、参照符号10は、微小な部分9がフォトマスク1の表面に残留することにより生じた塵除去材料層8の欠損部を示す。このような場合、フォトマスク1の全体を塵除去材料の融点以上の温度に加熱することにより、フォトマスク1の表面に残留する塵除去材料の微小な部分9を液化して、微小な液状部分11とすることが出来る。
【0040】
最後に、塵除去材料を溶解可能な液体12をフォトマスク1の表面に施すことにより、微小な液状部分11をフォトマスク1の表面から完全に除去することが出来る。この場合、塵除去材料を溶解可能な液体12をフォトマスク1の表面に万遍なく行き渡らせるためには、フォトマスク1を回転させることが望ましい。
【0041】
なお、塵除去材料としてエチレンカーボネートを用いた場合には、エチレンカーボネートは水に可溶であることから、塵除去材料を溶解可能な液体として、取り扱い及び入手が容易な純水を用いることができる。なお、塵除去材料を溶解可能な液体12としては、使用される塵除去材料の種類に応じて、種々の溶媒を用いることが出来る。
【0042】
このようにして微小な液状部分11をフォトマスク1の表面から完全に除去した後、フォトマスク1の表面に残留する水等の液体12は、フォトマスク1を高速回転することにより、容易にフォトマスク1の表面から除去することが出来る。
【0043】
以上のように、本実施形態によると、フォトマスク1の塵4が付着した面に液状塵除去材料を塗布し、固化し、次いで剥離することにより、遮光膜パターン3に衝撃力を加えることなく、従って遮光膜パターン3を損傷させることなく、容易にフォトマスク1から塵4を除去することが可能である。また、塵除去材料として、固化した後に容易に液化可能な材料を使用していることから、フォトマスク1の表面に固形物が残留することがなく、しかも洗浄工程において新たな塵がフォトマスク1の表面に付着する可能性がない、優れた洗浄が可能である。
【0044】
以上、本発明をフォトマスクの洗浄に適用した実施形態について説明したが、本発明はフォトマスクの洗浄に限らず、ナノインプリントモールド等の、基板上にパターンが形成された様々なパターン部材の洗浄に適用することが可能である。
以下に、当初の特許請求の範囲に記載していた発明を付記する。
[1]
基板上にパターンが形成されたパターン部材に付着した塵を除去するパターン部材洗浄方法であって、
前記パターン部材のパターン形成面に、冷却により固化可能な液状塵除去材料を付与する工程、
前記液状塵除去材料を冷却し、固体又はゲル状の塵除去層を形成する工程、及び
前記塵除去層を、前記パターン部材に付着した塵とともに除去する工程
を具備することを特徴とするパターン部材洗浄方法。
[2]
前記パターンは遮光膜パターンであり、前記パターン部材はフォトマスクまたはナノインプリントモールドであることを特徴とする[1]に記載のパターン部材洗浄方法。
[3]
前記液状塵除去材料を冷却し、固体又はゲル状の塵除去層を形成する工程は、前記パターン部材のパターン形成面側に冷却体を接触させることからなる[1]又は[2]に記載のパターン部材洗浄方法。
[4]
前記冷却体及び前記パターン部材の温度を調整することにより、前記塵除去層の前記パターン部材と接触する部分の硬度を下げ、前記塵除去層の剥離性を向上させることを特徴とする[3]に記載のパターン部材洗浄方法。
[5]
前記塵除去材料は、有機物を溶解可能であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載のパターン部材洗浄方法。
[6]
前記塵除去層を除去する工程の後、前記パターン部材に残留する塵除去層を加熱することにより液状にする工程、及び前記パターン部材のパターン形成面に、前記塵除去材料を溶解可能な液体を供給することにより、前記液状の残留塵除去層を溶解除去する工程を更に具備することを特徴とする[1]〜[5]のいずれかに記載のパターン部材洗浄方法。
[7]
前記塵除去材料は、エチレンカーボネート、ジメチルスルホキシド、スルホランからなる群から選ばれた1種であることを特徴とする[1]〜[4]及び[6]のいずれかに記載のフォトマスク洗浄方法。
[8]
基板上にパターンが形成されたパターン部材に付着した塵を除去するパターン部材洗浄装置であって、
前記パターン部材のパターン形成面に、冷却により固化可能な液状塵除去材料を付与する手段、
固体又はゲル状の塵除去層を形成するために前記液状塵除去材料を冷却する手段、及び
前記塵除去層を、前記パターン部材に付着した塵とともに除去する手段
を具備することを特徴とするパターン部材洗浄装置。
[9]
前記パターンは遮光膜パターンであり、前記パターン部材はフォトマスクであることを特徴とする[8]に記載のパターン部材洗浄装置。
[10]
固体又はゲル状の塵除去層を形成するために前記液状塵除去材料を冷却する手段は、前記パターン部材のパターン形成面側に接触する冷却体を備えることを特徴とする[8]又は[9]に記載のパターン部材洗浄装置。
[11]
前記塵除去層の前記パターン部材と接触する部分の硬度を下げ、前記塵除去層の剥離性を向上させるために、前記冷却体及び前記パターン部材の温度を調整する手段を更に具備することを特徴とする[10]に記載のパターン部材洗浄装置。
[12]
前記塵除去層を除去した後、前記パターン部材に残留する塵除去層を液状にするために加熱する手段、及び前記液状の残留塵除去層を溶解除去するために、前記パターン部材のパターン形成面に前記塵除去材料を溶解可能な液体を供給する手段を更に具備することを特徴とする[8]〜[11]のいずれかに記載のパターン部材洗浄装置。
【符号の説明】
【0045】
1…フォトマスク、2…ガラス基板、3…遮光膜パターン、4…塵、5…塵除去材料供給ノズル、6…液状塵除去材料、7…冷却体、8…塵除去材料層、9…残留する塵除去材料の微小な部分、10…塵除去材料層の欠損部、11…微小な液状部分、12…塵除去材料を溶解可能な液体。
図1
図2