【実施例】
【0058】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。これら例は例示的なものであって限定的なものではない。
【0059】
また、各種物性は高速液体クロマトグラフィー、示差走査型熱量測定装置(DSC)、赤外分光分析装置(IR)、オストワルド型粘度計を用いて測定、環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトンの定量分析は高速液体クロマトグラフィーにて行った。詳細な分析条件は以下の通りである。
【0060】
(高速液体クロマトグラフィー)
装置 :株式会社島津製作所製 LC−10Avpシリーズ
カラム :Mightysil RP−18GP150−4.6
検出器 :フォトダイオードアレイ検出器(UV=270nmを使用)
カラム温度 :40℃
サンプル :0.1重量%THF溶液
移動相 :THF/0.1w%トリフルオロ酢酸水溶液。
【0061】
(示差走査型熱量測定装置)
装置 :セイコーインスツル株式会社製 ロボットDSC。
【0062】
(赤外分光分析装置)
装置 :Perkin Elmer System 2000 FT−IR
サンプル調製:KBr法。
【0063】
[実施例1]
攪拌翼を備えた1Lの反応容器に4,4’−ジフルオロベンゾフェノン10.91g(50mmol)、ヒドロキノン5.51g(50mmol)、炭酸カリウム6.91g(50mmol)、N−メチル−2−ピロリドン500mLを仕込んだ。混合物(ア)中のベンゼン環成分1.0モルに対するN−メチル−2−ピロリドンの量は3.3リットルである。缶内を窒素置換した後、密閉したまま200℃まで昇温し、200℃で5分保持、その後250℃にまで昇温し250℃で2時間保持して反応を行った。反応終了後、室温にまで冷却することにより反応混合物を調製した。
【0064】
得られた反応混合物を約0.2g秤取り、THF約3.5gで希釈、濾過によりTHF不溶成分を分離除去することにより高速液体クロマトグラフィー分析サンプルを調製、反応混合物の分析を行った。結果、繰り返し数m=2〜6の連続する5種類の環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトンの生成を確認、ヒドロキノンに対する環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトン混合物の収率は11.4%であった。
【0065】
このようにして得られた反応混合物50gを分取し、1重量%酢酸水溶液150gを加えた。撹拌してスラリー状にした後、70℃に加熱して30分間撹拌を継続した。スラリーをガラスフィルター(平均孔径10〜16μm)で濾過して固形分を得た。得られた固形分を脱イオン水50gに分散させ70℃で30分間保持して濾過して固形分を得る操作を3回繰り返した。得られた固形分を70℃で一晩真空乾燥に処し、乾燥固体約14.4gを得た。
【0066】
さらに、上記で得られた乾燥固体1.0gをクロロホルム100gを用いて、浴温80℃で5時間ソックスレー抽出を行った。得られた抽出液からエバポレーターを用いてクロロホルムを除去して固形分を得た。この固形分にクロロホルム2gを加えた後、超音波洗浄器を用いて分散液として、メタノール30gに滴下した。これにより生じた析出成分を平均ポアサイズ1μmの濾紙を用いて濾別後、70℃で3時間真空乾燥に処し、白色固体約0.13gを得た。
【0067】
この白色粉末は赤外分光分析における吸収スペクトルよりフェニレンエーテルケトン単位からなる化合物であることを確認、また高速液体クロマトグラフィーにより成分分割したマススペクトル分析(装置;日立製M−1200H)、さらにMALDI−TOF−MS(装置;島津製作所製AXIMA−TOF
2)による分子量情報により、この白色粉末は繰り返し数mが2〜6の連続する5種類の環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトン混合物を主要成分とする環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトン組成物であることが分かった。また、環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトン組成物中における環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトン混合物の重量分率は83.0%であった。なお、環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトン組成物における環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトン以外の成分は線状ポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマーであった。
【0068】
このような環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトン組成物の融点を測定した結果、160℃の融点を有することが分かった。
【0069】
[実施例2]
攪拌翼を備えた1Lの反応容器に4,4’−ジフルオロベンゾフェノン11.02g(50.5mmol)、ヒドロキノン5.51g(50.0mmol)、炭酸カリウム6.91g(50.0mmol)、N−メチル−2−ピロリドン500mLを仕込んだ。混合物(ア)中のベンゼン環成分1.0モルに対するN−メチル−2−ピロリドンの量は3.3リットルである。缶内を窒素置換した後、密閉したまま200℃まで昇温し、200℃で5分保持、その後250℃にまで昇温し250℃で2時間保持して反応を行った。反応終了後、室温にまで冷却して反応混合物を調製した。
【0070】
得られた反応混合物を約0.2g秤取り、THF約3.5gで希釈、濾過によりTHF不溶成分を分離除去することにより高速液体クロマトグラフィー分析サンプルを調製、反応混合物の分析を行った。結果、繰り返し数m=2〜6の連続する5種類の環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトンの生成を確認、ヒドロキノンに対する環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトン混合物の収率は13.5%であった。
【0071】
このようにして得られた上記反応混合物(ア)から、実施例1記載の方法により環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトン組成物の回収を行った結果、環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトン組成物中における環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトン混合物の重量分率は80.3%であった。なお、環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトン組成物における環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトン以外の成分は線状ポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマーであった。
【0072】
この環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトン組成物の融点を測定した結果、162℃の融点を有することが分かった。
【0073】
[実施例3]
攪拌翼を備えた1Lの反応容器に4,4’−ジフルオロベンゾフェノン11.13g(51.0mmol)、ヒドロキノン5.51g(50.0mmol)、炭酸カリウム6.91g(50.0mmol)、N−メチル−2−ピロリドン500mLを仕込んだ。混合物(ア)中のベンゼン環成分1.0モルに対するN−メチル−2−ピロリドンの量は3.3リットルである。缶内を窒素置換した後、密閉したまま200℃まで昇温し、200℃で5分保持、その後250℃にまで昇温し250℃で2時間保持して反応を行った。反応終了後、室温にまで冷却して反応混合物を調製した。
【0074】
得られた反応混合物を約0.2g秤取り、THF約3.5gで希釈、濾過によりTHF不溶成分を分離除去することにより高速液体クロマトグラフィー分析サンプルを調製、反応混合物の分析を行った。結果、繰り返し数m=2〜6の連続する5種類の環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトンの生成を確認、ヒドロキノンに対する環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトン混合物の収率は16.0%であった。
【0075】
このようにして得られた上記反応混合物(ア)から、実施例1記載の方法により環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトン組成物の回収を行った結果、環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトン組成物中における環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトン混合物の重量分率は83.0%であった。なお、環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトン組成物における環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトン以外の成分は線状ポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマーであった。
【0076】
この環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトン組成物の融点を測定した結果、160℃の融点を有することが分かった。
【0077】
[実施例4]
攪拌翼を備えた1Lの反応容器に4,4’−ジフルオロベンゾフェノン11.46g(52.5mmol)、ヒドロキノン5.51g(50.0mmol)、炭酸カリウム6.91g(50.0mmol)、N−メチル−2−ピロリドン500mLを仕込んだ。混合物中のベンゼン環成分1.0モルに対するN−メチル−2−ピロリドンの量は3.2リットルである。窒素を通じながら200℃まで昇温し、200℃で5分保持、その後250℃にまで昇温し250℃で2時間保持して反応を行った。反応終了後、室温にまで冷却して反応混合物を調製した。
【0078】
得られた反応混合物を約0.2g秤取り、THF約3.5gで希釈、濾過によりTHF不溶成分を分離除去することにより高速液体クロマトグラフィー分析サンプルを調製、反応混合物の分析を行った。結果、繰り返し数m=2〜6の連続する5種類の環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトンの生成を確認、ヒドロキノンに対する環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトン混合物の収率は13.8%であった。
【0079】
このようにして得られた反応混合物(ア)から、実施例1記載の方法により環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトン組成物の回収を行った結果、環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトン組成物中における環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトン混合物の重量分率は72.1%であった。なお、環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトン組成物における環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトン以外の成分は線状ポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマーであった。
【0080】
この環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトン組成物の融点を測定した結果、161℃の融点を有することが分かった。
【0081】
[実施例5]
攪拌翼を備えた1Lの反応容器に4,4’−ジフルオロベンゾフェノン11.67g(51.0mmol)、ヒドロキノン5.51g(50.0mmol)、炭酸カリウム6.91g(50.0mmol)、N−メチル−2−ピロリドン500mLを仕込んだ。混合物中のベンゼン環成分1.0モルに対するN−メチル−2−ピロリドンの量は3.3リットルである。缶内を窒素置換した後、密閉したまま200℃まで昇温し、200℃で5分保持、その後250℃にまで昇温し250℃で2時間保持して反応を行った。反応終了後、室温にまで冷却して反応混合物を調製した。
【0082】
得られた反応混合物を約0.2g秤取り、THF約3.5gで希釈、濾過によりTHF不溶成分を分離除去することにより高速液体クロマトグラフィー分析サンプルを調製、反応混合物の分析を行った。結果、繰り返し数m=2〜6の連続する5種類の環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトンの生成を確認、ヒドロキノンに対する環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトン混合物の収率は12.8%であった。
【0083】
このようにして得られた反応混合物(ア)から、実施例1記載の方法により環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトン組成物の回収を行った結果、環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトン組成物中における環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトン混合物の重量分率は68.1%であった。なお、環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトン組成物における環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトン以外の成分は線状ポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマーであった。
【0084】
この環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトン組成物の融点を測定した結果、168℃の融点を有することが分かった。
【0085】
[実施例6]
攪拌翼を備えた1Lの反応容器に4,4’−ジフルオロベンゾフェノン12.00g(55.0mmol)、ヒドロキノン5.51g(50.0mmol)、炭酸カリウム6.91g(50.0mmol)、N−メチル−2−ピロリドン500mLを仕込んだ。混合物中のベンゼン環成分1.0モルに対するN−メチル−2−ピロリドンの量は3.1リットルである。窒素を通じながら200℃まで昇温し、200℃で5分保持、その後250℃にまで昇温し250℃で2時間保持して反応を行った。反応終了後、室温にまで冷却して反応混合物を調製した。
【0086】
得られた反応混合物を約0.2g秤取り、THF約3.5gで希釈、濾過によりTHF不溶成分を分離除去することにより高速液体クロマトグラフィー分析サンプルを調製、反応混合物の分析を行った。結果、繰り返し数m=2〜6の連続する5種類の環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトンの生成を確認、ヒドロキノンに対する環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトン混合物の収率は11.6%であった。
【0087】
このようにして得られた反応混合物(ア)から、実施例1記載の方法により環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトン組成物の回収を行った結果、環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトン組成物中における環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトン混合物の重量分率は65.2%であった。なお、環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトン組成物における環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトン以外の成分は線状ポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマーであった。
【0088】
この環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトン組成物の融点を測定した結果、169℃の融点を有することが分かった。
【0089】
[実施例7]
攪拌翼を備えた1Lの反応容器に4,4’−ジフルオロベンゾフェノン11.13g(51.0mmol)、ヒドロキノン5.51g(50.0mmol)、炭酸カリウム6.91g(50.0mmol)、N−メチル−2−ピロリドン200mLを仕込んだ。混合物中のベンゼン環成分1.0モルに対するN−メチル−2−ピロリドンの量は1.3リットルである。窒素を通じながら200℃まで昇温し、200℃で5分保持、その後250℃にまで昇温し250℃で5時間保持して反応を行った。反応終了後、室温にまで冷却して反応混合物を調製した。
【0090】
得られた反応混合物を約0.2g秤取り、THF約3.5gで希釈、濾過によりTHF不溶成分を分離除去することにより高速液体クロマトグラフィー分析サンプルを調製、反応混合物の分析を行った。結果、繰り返し数m=2〜6の連続する5種類の環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトンの生成を確認、ヒドロキノンに対する環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトン混合物の収率は8.3%であった。
【0091】
このようにして得られた反応混合物(ア)から、実施例1記載の方法により環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトン組成物の回収を行った結果、環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトン組成物中における環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトン混合物の重量分率は70.5%であった。なお、環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトン組成物における環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトン以外の成分は線状ポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマーであった。
【0092】
この環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトン組成物の融点を測定した結果、165℃の融点を有することが分かった。
【0093】
[実施例8]
攪拌翼を備えた1Lの反応容器に4,4’−ジフルオロベンゾフェノン5.56g(25.5mmol)、ヒドロキノン2.75g(25.0mmol)、炭酸カリウム3.46g(25.0mmol)、N−メチル−2−ピロリドン375mLを仕込んだ。混合物中のベンゼン環成分1.0モルに対するN−メチル−2−ピロリドンの量は5.0リットルである。窒素を通じながら200℃まで昇温し、200℃で5分保持、その後250℃にまで昇温し250℃で4時間保持して反応を行った。反応終了後、室温にまで冷却して反応混合物を調製した。
【0094】
得られた反応混合物を約0.2g秤取り、THF約3.5gで希釈、濾過によりTHF不溶成分を分離除去することにより高速液体クロマトグラフィー分析サンプルを調製、反応混合物の分析を行った。結果、繰り返し数m=2〜6の連続する5種類の環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトンの生成を確認、ヒドロキノンに対する環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトン混合物の収率は15.9%であった。
【0095】
このようにして得られた反応混合物(ア)から、実施例1記載の方法により環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトン組成物の回収を行った結果、環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトン組成物中における環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトン混合物の重量分率は80.7%であった。なお、環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトン組成物における環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトン以外の成分は線状ポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマーであった。
【0096】
この環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトン組成物の融点を測定した結果、160℃の融点を有することが分かった。
【0097】
[実施例9]
攪拌翼を備えた1Lの反応容器に4,4’−ジフルオロベンゾフェノン3.71g(17.0mmol)、ヒドロキノン1.84g(16.7mmol)、炭酸カリウム2.31g(16.7mmol)、N−メチル−2−ピロリドン500mLを仕込んだ。混合物中のベンゼン環成分1.0モルに対するN−メチル−2−ピロリドンの量は9.9リットルである。窒素を通じながら200℃まで昇温し、200℃で5分保持、その後250℃にまで昇温し250℃で6時間保持して反応を行った。反応終了後、室温にまで冷却して反応混合物を調製した。
【0098】
得られた反応混合物を約0.2g秤取り、THF約3.5gで希釈、濾過によりTHF不溶成分を分離除去することにより高速液体クロマトグラフィー分析サンプルを調製、反応混合物の分析を行った。結果、繰り返し数m=2〜6の連続する5種類の環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトンの生成を確認、ヒドロキノンに対する環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトン混合物の収率は18.8%であった。
【0099】
このようにして得られた反応混合物(ア)から、実施例1記載の方法により環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトン組成物の回収を行った結果、環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトン組成物中における環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトン混合物の重量分率は72.3%であった。なお、環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトン組成物における環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトン以外の成分は線状ポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマーであった。
【0100】
この環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトン組成物の融点を測定した結果、165℃の融点を有することが分かった。
【0101】
[比較例1]
攪拌翼を備えた1Lの反応容器に4,4’−ジフルオロベンゾフェノン10.36g(47.5mmol)、ヒドロキノン5.51g(50.0mmol)、炭酸カリウム6.91g(50.0mmol)、N−メチル−2−ピロリドン500mLを仕込んだ。混合物中のベンゼン環成分1.0モルに対するN−メチル−2−ピロリドンの量は3.4リットルである。窒素を通じながら200℃まで昇温し、200℃で5分保持、その後250℃にまで昇温し250℃で2時間保持して反応を行った。反応終了後、室温にまで冷却して反応混合物を調製した。
【0102】
得られた反応混合物を約0.2g秤取り、THF約3.5gで希釈、濾過によりTHF不溶成分を分離除去することにより高速液体クロマトグラフィー分析サンプルを調製、反応混合物の分析を行った。結果、繰り返し数m=2〜6の連続する5種類の環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトンの生成を確認、ヒドロキノンに対する環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトン混合物の収率は5.1%であった。
【0103】
このようにして得られた反応混合物(ア)から、実施例1記載の方法により環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトン組成物の回収を行った結果、環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトン組成物中における環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトン混合物の重量分率は58.8%であった。なお、環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトン組成物における環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトン以外の成分は線状ポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマーであった。
【0104】
このような環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトン組成物の融点を測定した結果、175℃の融点を有することが分かった。
【0105】
[比較例2]
攪拌翼を備えた1Lの反応容器に4,4’−ジフルオロベンゾフェノン12.22g(56.0mmol)、ヒドロキノン5.51g(50.0mmol)、炭酸カリウム6.91g(50.0mmol)、N−メチル−2−ピロリドン500mLを仕込んだ。混合物中のベンゼン環成分1.0モルに対するN−メチル−2−ピロリドンの量は3.1リットルである。窒素を通じながら200℃まで昇温し、200℃で5分保持、その後250℃にまで昇温し250℃で2時間保持して反応を行った。反応終了後、室温にまで冷却して反応混合物を調製した。
【0106】
得られた反応混合物を約0.2g秤取り、THF約3.5gで希釈、濾過によりTHF不溶成分を分離除去することにより高速液体クロマトグラフィー分析サンプルを調製、反応混合物の分析を行った。結果、繰り返し数m=2〜6の連続する5種類の環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトンの生成を確認、ヒドロキノンに対する環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトン混合物の収率は6.2%であった。
【0107】
このようにして得られた反応混合物(ア)から、実施例1記載の方法により環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトン組成物の回収を行った結果、環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトン組成物中における環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトン混合物の重量分率は52.7%であった。なお、環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトン組成物における環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトン以外の成分は線状ポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマーであった。
【0108】
この環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトン組成物の融点を測定した結果、173℃の融点を有することが分かった。
【0109】
【表1】
【0110】
実施例1〜6と比較例1、2との比較より、環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトンを製造するに際し、混合物(ア)中の(a)と(b)を本発明のモル比率範囲で用いることにより、環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトンを高純度に、かつ高収率に得ることが可能であることが明らかである。