【実施例1】
【0015】
以下、本発明の実施例1について
図1〜
図15に基づいて説明する。
図1,
図2に示すように、このステーションワゴン型の車両Vは、車体後部のリフトゲート1により開閉可能に覆われた後部開口部2と、この後部開口部2の前下側に設けられた荷室3と、この荷室3を前後に仕切ると共に上方を覆うことにより上側荷室3aと前側荷室3bと後側荷室3cとを形成するトノボード4等を備えている。
【0016】
図2に示すように、リフトゲート1は、その上端部を回転ヒンジ5を介して車体後部のリヤヘッダ6に開閉自在に軸支され、このリフトゲート1を上方に開放操作することにより、車内空間を後部開口部2を介して後方に開放するように構成されている。リフトゲート1は、リフトゲートアウタ1aとリフトゲートインナ1bとにより閉断面部を形成している。リフトゲートインナ1bの車室内側に沿って設けられたリフトゲートトリム(図示略)は、平面視にて車幅方向内側程後方位置になるよう略湾曲状に形成されている。リフトゲート1の上部には、後方視界を確保するためにバックウインドガラス(図示略)が装着され、リフトゲート1の左右端部には、1対のダンパ装置7(
図14,
図15参照)が装着されている。
【0017】
図1,
図2に示すように、荷室3は、後部開口部2の前側且つリヤシート8の後側に形成され、荷室フロアパネル9と、リヤシート8のシートバック8aと、後部開口部2より車幅方向外側に設置された左右1対のサイドパネル10(側壁)と、荷室3の後部においてサイドパネル10の後端に連なり上方に延びる1対のリヤピラー11と、リフトゲート1等により区画されている。荷室フロアパネル9の後端は、リフトゲート1と同様に、平面視にて車幅方向内側程後方位置になるよう形成されている。
【0018】
リヤシート8は、車幅方向に2分割され、右側シートに1人、左側シートに2人の乗員が着座可能に構成され、フロアパネル12上に固定されている。リヤシート8は、シートクッション8bと、このシートクッション8bの後端部に取り付けられたシートバック8aを有し、各シートバック8aが独立して前側へ傾倒可能に構成されている。
【0019】
図2,
図4,
図5に示すように、サイドパネル10は、車体側部において前後方向に延びると共に、略上下方向に延設されている。このサイドパネル10の下部には、後輪形状に応じて車室内側に膨出するタイヤハウス10aが形成され、サイドパネル10の中段部且つタイヤハウス10aの上部には、荷室3の前部から途中部に亙って前後方向に延びるトノボード支持部13が車室内側に膨出するように形成されている。トノボード支持部13の前部には、上方から溝状に凹設された軸受部13aが前側程下方へ移行するように形成されている。トノボード支持部13の上側位置には、リヤクォータガラス14が装着されている。この左右1対のトノボード支持部13の上部に、トノボード4の左右端部が載置されている。
【0020】
左右1対のサイドパネル10の車両前後方向途中部且つ荷室フロアパネル9の近傍位置には、車幅方向外側へ凹設されたピン穴15が夫々形成され、各サイドパネル10の車両前後方向途中部においてピン穴15の鉛直上方且つトノボード支持部13の下方近傍位置には、ピン穴15と同様に車幅方向外側へ凹設されたピン穴16が夫々形成されている。左右1対のサイドパネル10の内側面には、合成樹脂製のトランクサイドトリム(図示略)がサイドパネル10の壁面に沿うように取り付けられている。
【0021】
図1に示すように、1対のリヤピラー11は、後方視にて上方程車室内方に傾斜するよう構成され、側面視にて上方程車体前方に傾斜するよう構成されている。リヤピラー11の内側面には、トランクサイドトリムの後端に連なるように一体的に形成された合成樹脂製のリヤピラートリム(図示略)がリヤピラー11に沿って取り付けられている。このリヤピラートリムとルーフトリム等が後部開口部2の縁部を形成している。
【0022】
次に、トノボード4について説明する。
図1〜
図3に示すように、トノボード4は、合成樹脂により形成され、前側ボード20と、後側ボード30と、仕切ボード40等を備えている。このトノボード4は、
図1に示すように、荷室3を上側荷室3aと下側の荷室3b,3cとの2つの荷室空間に仕切る第1積載モードと、
図13に示すように、荷室3を上側荷室3aと前側荷室3bと後側荷室3cとの3つの荷室空間に仕切る第2積載モードとに切換え可能に形成されている。第1積載モードでは、前側ボード20と後側ボード30とが水平状態に配置されると共に仕切ボード40が倒伏状態に配置され、第2積載モードでは、前側ボード20と後側ボード30とが水平状態に配置されると共に仕切ボード40が起立状態に配置されている。
【0023】
図3〜
図7に示すように、前側ボード20は、平面視にて略矩形状に形成され、左右1対の前端回動軸21と、左右1対の付勢手段22と、左右1対の被係合部23等を備えている。
図6,
図7に示すように、左右1対の前端回動軸21は、夫々、金属製ブラケット23と一体形成され、前側ボード20下部の左右前端部分にブラケット23を介して固着されている。各前端回動軸21は、車幅方向外側へ向けて延びるよう形成されている。これら前端回動軸21は、トノボード支持部13に形成された軸受部13aに枢支されている。これにより、前端回動軸21は、前側ボード20の姿勢をトノボード支持部13により支持された水平状態から前端回動軸21回りに上方へ回動した開状態に変更され、開状態から車体に対して前端回動軸21回りに下方へ回動した水平状態に変更される。
【0024】
図3,
図5,
図8に示すように、左右1対の付勢手段22は、前側ボード20を前端回動軸21回りに上方へ回動するよう形成され、前側ボード20の上部において左右前端部分に装着されている。
図8に示すように、付勢手段22は、平蝶番22aとスプリング22bとから形成され、平蝶番22aの一側が前側ボード20上部に固着され、平蝶番22aの他側が車体側に装着されている。スプリング22bは、前側ボード20の前端回動軸21回りの回動規制が解除されたとき、前側ボード20を自動的に前端回動軸21回り上方へ回動可能な付勢力に設定されている。
前側ボード20を車体から分離するときは、左右1対の前端回動軸21を軸受部13aから後側上方へ引き抜き、平蝶番22aの他側を車体側固定部から取り外すことにより前側ボード20を荷室3から取り外すことができる。
【0025】
図11(a)に示すように、左右1対の被係合部23は、仕切ボード40が起立状態のとき、仕切ボード40の左右1対の係合部43に夫々係合可能に形成されている。左右1対の被係合部23は、前側ボード20下部の左右後端部分に設置されている。これら被係合部23は、後方へ向けて開口する略フック状に形成され、夫々、回動軸23aとスプリング23bとを備えている。このスプリング23bは、被係合部23を回動軸23aに対して常時左回り(後側)方向に付勢している。
【0026】
図2,
図3,
図5に示すように、後側ボード30は、平面視にて略半円状に形成され、左右1対の紐等の連結手段17と、ヒンジ部31と、左右1対の保持手段32等を備えている。左右1対の連結手段17は、夫々、一端が後側ボード30の左右後部分に連結され、他端がリフトゲートインナ1bの左右端部分に着脱可能に連結されている。これにより、リフトゲート1が開放操作されたとき、後側ボード30はリフトゲート1の開放動作に同期して後側荷室3cの荷室開口を開放する。ヒンジ部31は、前側ボード20の後端部に対して後側ボード30
を開閉自在に連結している。ヒンジ部31は、後側ボード30の前端部に車幅方向に沿って略全域に亙って形成されている。
【0027】
図3,
図8に示すように、左右1対の保持手段32は、前側ボード20の左右後端部分に後側ボード30を前側ボード20に対して側面視にて略直線状に保持するよう形成され、後側ボード30の上部において左右前端部分に装着されている。保持手段32は、付勢手段22と略同様の部材により構成され、平蝶番32aとスプリング32bとから形成されている。保持手段32は、平蝶番32aの一側が後側ボード30の前端上部に固着され、平蝶番22aの他側が前側ボード20の後端上部に固着されている。スプリング32bは、前側ボード20の前端回動軸21回りの回動規制が解除されたとき、前側ボード20と後側ボード30とを相互に付勢し、側面視にて後側ボード30が前側ボード20に対して自動的に略直線状になるような付勢力に設定されている。
【0028】
図9に示すように、仕切ボード40は、正面視にて略矩形状に形成され、左右1対の下側回転軸41と、ロック機構42と、左右1対の係合部43等を備えている。この仕切ボード40は、後側荷室3cの荷室フロアパネル9上に重ね合わされた倒伏状態と、水平状態の前側ボード20と協働して遮蔽空間(前側荷室3b)を形成する起立状態とに切換え可能に構成されている。水平状態の前側ボード20と仕切ボード40とシートバック8aと前側荷室3bの荷室フロアパネル9は閉塞された遮蔽空間を形成し、この遮蔽空間は車両後方からの視認を防止している。
【0029】
左右1対の下側回転軸41は、起立状態において仕切ボード40の下部の左右端部分から車幅方向外側へ向けて延びるよう形成されている。
図4に示すように、これら下側回転軸41は、サイドパネル10に形成されたピン穴15に枢支され、仕切ボード40を倒伏状態から起立状態まで下側回転軸41回りに回動可能に支持している。本実施例では、前側荷室3bの荷室フロアパネル9の上面と倒伏状態の仕切ボード40の上面とを面一にするため、後側荷室3cに対応した荷室フロアパネル9を前側荷室3bに対応した荷室フロアパネル9よりも下側位置になるよう段落ち形成している。
【0030】
図10に示すように、ロック機構42は、起立状態の仕切ボード40をサイドパネル10に対して位置決め固定可能に構成され、起立状態において仕切ボード40内の上部位置に設置されている。このロック機構42は、プレート部材51と、ハンドル52と、左右1対のワイヤ53と、左右1対の付勢装置54と、左右1対のロッド55等を備えている。プレート部材51は、仕切ボード40内部の上部位置に設置され、仕切ボード40内を車幅方向に延びる金属製板材により形成されている。ロック機構42は、左右対称の構成であるため、以下、左側の構成を主に説明する。
【0031】
ハンドル52は、プレート部材51の車幅方向略中央部分に軸部材を介して回転自在に装着されている。起立状態の仕切ボード40の後側面は、ハンドル52に相当する部分が一部切り欠かれており、車両後方からハンドル52が操作可能に形成されている。ワイヤ53は、一端がハンドル52の外縁端部に連結され、他端が付勢装置54の押圧部材(図示略)の右側部分に連結されている。付勢装置54は、ハンドル52の左側位置においてプレート部材51に固定され、押圧部材と、コイルスプリング(図示略)と、押圧部材とコイルスプリングとを収容した筒状のケースとを備えている。コイルスプリングは、通常押圧部材を車幅方向外側へ付勢している。
【0032】
押圧部材の左側部分には、車幅方向左側へ延びるロッド55が連結されている。このロッド55は、仕切ボード40が起立状態のとき、サイドパネル10に形成されたピン穴16に対して出退可能に形成され、コイルスプリングの付勢力により仕切ボード40の左側端部から突出した状態に維持されている。以上により、ハンドル52を右回りへ回転したとき、ワイヤ53が右方向へ引っ張られ、押圧部材がコイルスプリングを圧縮して右方向へ移動する。この押圧部材の右側移動に同期してロッド55が右側へ退行するため、ロッド55はピン穴16から離脱される。ロック機構42の右側の構成は、前述した左側の構成と左右対称である。
【0033】
図11(a)に示すように、左右1対の係合部43は、仕切ボード40が起立状態のとき、前側ボード20下部の左右1対の被係合部23に夫々係合可能に形成されている。これら係合部43は、仕切ボード40上端の左右端部分に形成され、前方へ向けて開口する略フック状に形成されている。係合部43は、回動軸43aとスプリング43bとを備えている。このスプリング43bは、係合部43を回動軸43aに対して常時右回り(後側)方向に付勢している。
図11(b)に示すように、仕切ボード40が起立状態から倒伏状態に姿勢変更するとき、仕切ボード40の回動に同期して係合部43が傾動し、係合部43と被係合部23との係合が解除される。仕切ボード40が倒伏状態から起立状態に姿勢変更するとき、仕切ボード40の回動に同期して被係合部23が傾動され、係合部43と被係合部23とが係合される。
【0034】
次に、
図1,
図12〜
図15に基づき、トノボード4の使用形態について説明する。
図1に示すように、第1積載モードのとき、荷室3は上側荷室3aと下側の荷室3b,3cとの上下2つの荷室空間に仕切られている。荷物は、前側ボード20と後側ボード30との上に載置することができ、下側の荷室3b,3cの全域に亙り積載することができる。
図12に示すように、第1積載モードにおいてリフトゲート1が開放操作されたとき、連結手段17を介してリフトゲート1と後側ボード30とが連結されているため、リフトゲート1の開放動作に同期して前側ボード20と後側ボード30とが開状態にされ、下側の荷室3b,3cが全開放される。この時、保持手段32が側面視にて後側ボード30を前側ボード20に対して自動的に略直線状になるように付勢している。これにより、後側ボード30後方の荷室開口を拡大し、下側の荷室3b,3cに対する荷物の出し入れ性や積載効率を確保している。
【0035】
図13に示すように、第2積載モードのとき、荷室3は上側荷室3aと下側の前側荷室3bと下側の後側荷室3cとの上下3つの荷室空間に仕切られている。荷物は、前側ボード20と後側ボード30との上に載置することができ、下側の荷室3b,3cに夫々区分けして積載することができる。
図14に示すように、リフトゲート1が開放操作されたとき、連結手段17を介してリフトゲート1と後側ボード30とが連結されているため、リフトゲート1の開放動作に同期して後側ボード30が開状態にされ、後側荷室3cの部分開放が行われる。これにより、後側荷室3cに対する荷物の出し入れ性を確保している。
この時、仕切ボード40はロック機構42によりサイドパネル10に位置決め固定され且つ仕切ボード40の係合部43が前側ボード20の被係合部23に係合しているため、前側ボード20は、後側ボード30の開動作にも拘わらず、前端回動軸21回りの回動が規制されて水平状態を維持し、前側荷室3bを外部から仕切られた遮蔽空間にしている。それ故、リフトゲート1を開放操作した場合でも、前側荷室3bに格納した荷物が車両後方から視認されることを防止できる。
【0036】
図15に示すように、遮蔽空間に形成された前側荷室3bから荷物を出し入れする場合、ロック機構42のハンドル52を右回りに回転操作し、ロッド55をピン穴16から退行させる。これにより、仕切ボード40を下側回転軸41回りに後方へ回動することができ、起立状態から荷室フロアパネル9上に重ね合わせた倒伏状態に姿勢変更することができる。この仕切ボード40の姿勢変更に同期して、係合部43と被係合部23との係合が解除されるため、前側ボード20の前端回動軸21回りの回動規制が解除され、付勢手段22の付勢力により前側ボード20が自動的に前端回動軸21回り上方へ回動する。この結果、
図12に示すように、下側の荷室3b,3cを全開放状態にすることができる。
前側荷室3bに荷物を積載した後、前側荷室3bを遮蔽する場合、仕切ボード40を下側回転軸41回りに前方へ回動させて倒伏状態から起立状態に姿勢変更し、ロック機構42のロッド55をピン穴16に挿通して仕切ボード40を位置決め固定する。仕切ボード40の位置決め固定後、リフトゲート1を閉操作する。この時、前側ボード20の後端に後側ボード30の重量が作用しているため、前側ボード20は前端回動軸21回り下方へ回動し、係合部43が被係合部23に係合する。(
図13参照)
【0037】
次に、実施例1に係る後部荷室構造の作用・効果について説明する。
この後部荷室構造は、遮蔽空間である前側荷室3bへの荷物の出し入れ状況を仕切ボード40の姿勢に連動でき、この仕切ボードの姿勢に基づいて前側ボード20の前端回動軸21回りの回動を制限している。つまり、前側荷室3bへの荷物の出し入れを行わない場合、所謂仕切ボード40が起立状態のとき、リフトゲート1を開放操作しても、前側ボード20は遮蔽空間の状態を維持できる。一方、前側荷室3bへの荷物の出し入れを行う場合、所謂仕切ボード40が倒伏状態のとき、前側ボード20は前端回動軸21回り上方へ回動して前側荷室3bを荷室開口が拡大された開放状態にすることができる。それ故、リフトゲート1を開放操作したときの荷室3内の外観美を維持しつつ荷物の出し入れ性と荷室3の積載効率を高めることができる。
【0038】
仕切ボード40は、仕切ボード40が起立状態のとき、前側ボード20と係合可能な係合部43を備えているため、簡単な構造で、仕切ボード40の倒伏動作に同期して前側ボード20を前端回動軸21回り上方へ回動でき、前側荷室3bを荷室開口が拡大された開放状態にすることができる。
前側ボード20の後端部分に後側ボード30を前側ボード20に対して側面視にて略直線状になるよう保持する保持手段32を設けているため、後側ボード30の開放動作に連動して前側ボード20を開放動作することができ、前側荷室3bの荷室開口を早期に拡大することができる。
【0039】
前側ボード20の前端部分に前側ボード20を前端回動軸21回りに上方へ回動するよう付勢する付勢手段22を設けているため、仕切ボード40の倒伏動作に同期して前側ボード20を前端回動軸21回り上方へ自動的に回動でき、前側荷室3bを早期に開放状態にすることができる。
【実施例4】
【0046】
次に、実施例4の後部荷室構造について
図19,
図20に基づいて説明する。
図19に示すように、前側ボード20Aと仕切ボード40Cとの係合機構は、板ばね部材24と、ピン部62とから形成されている。
図20に示すように、板ばね部材24は、弾性を備えた金属板材により形成され、取付部24aと、本体部24bと、誘導部24cとにより一体形成されている。取付部24aは、前側ボード20Aの後端の車幅方向中央下部に固着されている。本体部24bは、取付部24aの端部から下側へ屈曲され、前側ボード20Aが水平状態において、鉛直下方に延びるよう形成されている。本体部24bの中央部分には、前後方向に貫通可能な円状の係合穴24dが形成されている。誘導部24cは、前側ボード20Aが水平状態のとき、本体部24bの下端から前側程下方に移行するように形成されている。ピン部62は、仕切ボード40Cが起立状態のとき、仕切ボード40Cの上端の車幅方向中央部に前方へ延びるように固着されている。
【0047】
遮蔽空間に形成された前側荷室3bから荷物を出し入れする場合、仕切ボード40Cのロック機構42を解除し、仕切ボード40Cを下側回転軸41回りに後方へ回動する。
このとき、仕切ボード40Cの姿勢変更に同期して、ピン部62が板ばね部材24の係合穴24dから退行し、前側ボード20Aと仕切ボード40Cとの係合が解除される。この結果、下側の荷室3b,3cを全開放状態にすることができる。
前側荷室3bに荷物を積載した後、前側荷室3bを遮蔽する場合、仕切ボード40Cを下側回転軸41回りに前方へ回動させて倒伏状態から起立状態に姿勢変更する。
このとき、仕切ボード40Cの姿勢変更に同期して、ピン部62の先端が誘導部24cの後面を摺動しながら係合穴24dに接近し、ピン部62の先端が係合穴24dに対向したとき、ピン部62が係合穴24dに挿通し、前側ボード20Aと仕切ボード40Cが係合される。
【0048】
次に、前記実施例を部分的に変更した変形例について説明する。
1〕前記実施例においては、荷室空間を前側ボードと後側ボードとの2つのボードで上下に仕切る例を説明したが、荷室空間を3つ以上のボードで上下に仕切るように構成しても良い。
【0049】
2〕前記実施例においては、仕切ボードを起立状態から倒伏状態に姿勢変更するとき、仕切ボードを下側回転軸回りに後方へ回動させる例を説明したが、仕切ボードを起立状態から倒伏状態に姿勢変更するとき、仕切ボードを下側回転軸回りに前方へ回動し、仕切ボードを倒伏状態から起立状態に姿勢変更するとき、仕切ボードを下側回転軸回りに後方へ回動しても良く、また、仕切ボードを下側回転軸回りに前後回動自在に形成することも可能である。
【0050】
3〕前記実施例においては、仕切ボードの姿勢に基づいて前側ボードの前端回動軸回りの回動を制限する手段として、仕切ボードが起立状態のとき、前側ボードと係合可能な係合部を仕切ボードに設けた例を説明したが、係合部を車両側に形成することも可能である。この場合、仕切ボードの姿勢を検出する検出手段を設け、この検出信号に基づき仕切ボードが起立状態のとき前側ボードを回動規制し、仕切ボードが姿勢変更状態及び倒伏状態のとき前側ボードの回動規制を解除する回転規制手段を設置する。
【0051】
4〕前記実施例においては、1枚の仕切ボードの例を説明したが、車幅方向に左右2分割し、夫々の仕切ボードを独立して下側回動軸回りに回動自在に構成することで、片側の仕切ボードのみを倒伏状態にすることができる。また、仕切ボードを車幅方向に3つ以上の複数分割にすることもできる。これにより、遮蔽空間に収容された荷物等が小さいとき、一部の仕切ボードのみを倒伏状態にすることで、荷物等にアクセスすることができる。
5〕その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施例に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態も包含するものである。