【文献】
岡本 敏雄,外2名,直接操作可能なグラフィック・インタフェースを有する幾何論証知的CAIシステム,情報処理学会論文誌,社団法人情報処理学会,1996年 9月15日,第37巻 第9号,pp.1679-1687
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下図面により本発明の実施の形態について説明する。
【0014】
図1は、本発明の図形情報表示装置の実施形態に係るグラフ関数電卓10の外観構成を示す正面図である。
【0015】
この関数電卓10は、その携帯性の必要からユーザが片手で十分把持し片手で操作可能な小型サイズからなり、この関数電卓10の本体正面にはキー入力部11およびカラー表示部16が設けられる。
【0016】
キー入力部11には、数字や数式を入力したり計算の実行を指示したりするための数字・演算記号キー群12、各種の関数を入力するための関数機能キー群13、各種動作モードのメニュー画面を表示させたり動作モードの設定を指示したりするためのモード設定キー群14、カラー表示部16に表示されたカーソルの移動操作やデータ項目の選択操作などを行うためのカーソルキー15、カラー表示部16の下端に沿ってメニュー表示される各種の機能を選択的に指定するためのファンクションキーF1〜F6が備えられる。
【0017】
前記数字・演算記号キー群12としては、「0」〜「9」(数字)キーおよび「+」「−」「×」「÷」(演算記号)キー、「AC」(クリア)キー、「EXE」(実行)キー12aなどが配列される。
【0018】
前記関数機能キー群13としては、「log」(対数)キー、「sin」(サイン)キー、「ab/c」(分数)キーなどが配列される。
【0019】
前記モード設定キー群14としては、「Menu」(メニュー)キー、「SHIFT」(シフト)キー、「OPTN」(オプション)キーなどが配列される。
【0020】
なお、前記数字・演算記号キー群12に配列された各キーおよび前記関数機能キー群13に配列された各キーは、当該各キー上側の本体面の表記に応じて各種の文字(記号)、演算子等を入力するキーとしても機能する。
【0021】
前記カラー表示部16は、ドットマトリクス型のカラー液晶表示ユニットからなり、その表示画面上には、当該画面のタッチ位置を検出するための透明タブレットのタッチパネル16Tが重ねて設けられる。このタッチパネル16Tへの手書き入力に伴う軌跡は、そのカラー表示部16にエコーバックして表示される。
【0022】
同
図1において、カラー表示部16には、図形証明問題回答モードでの図形表示領域16aと文字・式表示領域16bとからなる証明問題表示画面が表示されている。
【0023】
この証明問題表示画面において、等記号e1,e2が付加された辺ABと辺ACとがユーザによりタッチされて選択されると、選択された辺ABと辺ACとが強調されて識別表示h1,h2されると共に、等記号e1,e2に対応した証明式AB=ACが表示される。
【0024】
この際、前記証明式AB=ACには、前記辺ABと辺ACとの長さが等しいとの状態(条件)をユーザによって設定したことを示す識別子(仮定)が付加されて表示される。
【0025】
図2は、前記グラフ関数電卓10の電子回路の構成を示すブロック図である。
【0026】
この関数電卓10は、処理部(CPU)21を備えている。
【0027】
処理部(CPU)21は、記憶部22に予め記憶されているシステムプログラム、あるいはメモリカードなどの外部記憶媒体23から記憶媒体読み取り部24により記憶部22に読み込まれた電卓制御プログラム、あるいはインターネットなど、通信ネットワークN上のWebサーバ(プログラムサーバ)30から通信制御部25を介してダウンロードされ前記記憶部22に読み込まれた電卓制御プログラムに従い、同記憶部22に種々のデータを記憶させ、また読み出しながら回路各部の動作を制御する。
【0028】
そして、前記記憶部22に予め記憶されたシステムプログラムや電卓制御プログラムは、入力部26であるキー入力部11からのキー入力信号やタッチパネル16Tからのタッチ位置検出信号に応じて起動される。
【0029】
このように、前記処理部(CPU)21には、前記記憶部22、記憶媒体読み取り部24、通信制御部25、入力部26が接続される他に、カラー表示部(LCD)16が接続される。
【0030】
前記カラー表示部16は、図形証明問題回答モードにおいて、図形が表示される図形表示領域16aと当該図形中で選択された図形要素がその表記名や証明式に変換されて表示される文字・式表示領域16bとからなる証明問題表示画面(
図1参照)として表示される。
【0031】
前記記憶部22に記憶される電卓制御プログラムとしては、入力部26によりユーザ入力される任意の数式に応じた演算処理を実行するための演算処理プログラム、同ユーザ入力される任意の数式に応じたグラフ描画処理を実行するためのグラフ描画処理プログラムなど、各種の処理プログラム22aが記憶される。
【0032】
また、前記各種の処理プログラム22aとしては、図形証明問題回答モードの設定に伴い実行され、予め記憶された図形証明問題を呼び出して表示させ、同図形中で選択された図形要素をその設定状態(条件)に応じた表記名の文字列に変換して表示させたり、証明式に変換して表示させたりするための図形証明問題学習プログラムも記憶される。
【0033】
そして、前記記憶部22には、さらに、各種の図形証明問題をそれぞれその描画データとして記憶している描画図形記憶部22bが備えられ、この描画図形記憶部22bには、命題状態情報記憶部22b1、ユーザ設定状態情報記憶部22b2、図形要素記憶部22b3、図形要素名称記憶部22b4が備えられる。
【0034】
命題状態情報記憶部22b1には、描画図形記憶部22bに予め記憶された各種の図形証明問題の各図形に設定されている状態情報(辺の長さ、角度、平行、垂直など)が記憶される。
【0035】
ユーザ設定状態情報記憶部22b2には、描画図形記憶部22bに予め記憶された各種の図形証明問題の各図形について、ユーザ操作に応じて設定された状態情報(辺の長さ、角度、平行、垂直など)が記憶される。
【0036】
図形要素記憶部22b3には、ユーザ操作に応じて描画図形記憶部22bから読み出されて図形表示領域16aに表示された図形について、ユーザのタッチ操作に応じて選択されたところの図形要素が記憶される。
【0037】
図形要素名称記憶部22b4には、前記図形要素記憶部22b3に記憶された図形要素についての前記命題状態情報記憶部22b1やユーザ設定状態情報記憶部22b2に記憶された設定状態に応じた表記名や証明式が記憶される。
【0038】
このように構成されたグラフ関数電卓10は、処理部(CPU)21が前記各種処理プログラム22a(前記演算処理プログラム、グラフ描画処理プログラム、図形証明問題学習プログラムなどを含む)に記述された命令に従い回路各部の動作を制御し、ソフトウエアとハードウエアとが協働して動作することにより、以下の動作説明で述べる機能を実現する。
【0039】
次に、前記構成によるグラフ関数電卓10の図形証明問題回答モードに係る動作について説明する。
【0040】
図3は、前記グラフ関数電卓10の図形証明問題回答モードに係る全体の処理を示すフローチャートである。
【0041】
図4は、前記グラフ関数電卓10の図形証明問題回答モードでの全体処理に伴う図形要素選択処理を示すフローチャートである。
【0042】
図5は、前記グラフ関数電卓10の図形証明問題回答モードでの全体処理に伴う状態設定処理を示すフローチャートである。
【0043】
図6は、前記グラフ関数電卓10の図形証明問題回答モードでの全体処理に伴う設定状態書き出し処理を示すフローチャートである。
【0044】
図7は、前記グラフ関数電卓10の図形証明問題回答モードでの全体処理に伴う図形表示動作(その1)を示す図である。
【0045】
ユーザ操作に応じてカラー表示部16に表示される動作モードのメニュー選択画面(図示せず)に従って、証明問題回答モードが選択されて決定されると(ステップS1)、描画図形記憶部22bに記憶された各種の図形証明問題を選択するための図形選択メニュー(図示せず)が表示される。
【0046】
この図形選択メニューに従い、ユーザ任意の図形証明問題が選択されると、選択された図形証明問題の描画データが読み出され、例えば
図7(A)に示すように、直線l上に直角の頂点Aを置いた直角三角形ABCと当該三角形ABCの他の2頂点B,Cから前記直線l上に各垂線BP,CQを下ろしてなる証明問題の図形が、当該図形を構成する特徴点(A,B,C等)を表す文字を付記してカラー表示部16(証明問題表示画面)の図形表示領域16aに表示される(ステップS2)。
【0047】
この
図7(A)で示す証明問題の図形において、当該図形に設定された辺や角度等の状態は命題状態情報記憶部22b1に記憶されており、これに基づき前記直角三角形ABC、垂線BP,CQそれぞれの直角記号が付加されて表示される。
【0048】
こうして、ユーザ任意の証明問題の図形が選択されて表示されると、
図4における図形要素選択処理へ移行される(ステップSA)。
【0049】
この図形要素選択処理に移行された状態で、
図7(B)に示すように、表示されている図形の中の直角三角形ABCにおける辺ABがペンタッチTされて選択されると(ステップA1(Yes))、当該選択された図形要素の辺ABが強調されて識別表示hされると共に、図形要素記憶部22b3に記憶される(ステップA2)。
【0050】
すると、前記ペンタッチTされた図形要素の辺AB上で、当該ペンタッチTの移動方向が入力されたか否か判断される(ステップA3)。
【0051】
ここで、前記辺AB上でのペンタッチTの移動方向なしと判断された場合は(ステップA3(No))、選択された辺ABの表記名が、当該辺ABに対応付けられた文字「A」「B」の配列順序(アルファベット順)に応じた並びの表記名「AB」として図形要素名称記憶部22b4に記憶される(ステップA4b)。
【0052】
一方、前記ペンタッチTされた図形要素の辺AB上で、
図7(C)の矢印xで示すように、点B側から点A側へ向けたペンタッチTの移動方向「B→A」が入力されたと判断された場合は(ステップA3(Yes))、選択された辺ABの表記名が、当該辺ABに対して入力された方向に応じた順序の表記名「BA」として図形要素名称記憶部22b4に記憶される(ステップA4a)。
【0053】
そして、
図7(D)に示すように、カラー表示部16(証明問題表示画面)において<<証明用スペース>>と表記された文字・式表示領域16bがペンタッチTされることにより書き出し操作されたと判断されると(ステップA5(Yes))、前記図形要素名称記憶部22b4に一時記憶された前記図形要素(辺AB)の表記名「BA」が読み出され、
図7(E)に示すように、前記<<証明用スペース>>である文字・式表示領域16bに表示される(ステップA6)。
【0054】
この後、前記カラー表示部16(証明問題表示画面)に表示中の図形において、他の図形要素が選択されたと判断された場合は(ステップA7(Yes))、前記ステップA2以降の処理に戻り、当該選択された図形要素が識別表示hされる(ステップA2)。
【0055】
したがって、前記構成のグラフ関数電卓10の図形証明問題回答モードにおける図形要素選択機能によれば、カラー表示部16(証明問題表示画面)に表示されたユーザ任意の図形において、同図形の中の任意の図形要素がペンタッチTされて選択され識別表示hされると、当該選択された図形要素の表記名が、同図形要素に付記された各文字の文字種に従った所定の配列順序か又はペンタッチTに伴う移動方向に応じた各文字の順序で前記図形と共に表示される。
【0056】
これにより、表示中の図形の各図形要素に対し、直接ペンタッチTして選択するだけで、選択された図形要素をその選択の仕方に応じた表記名の文字列に直ちに変換して表示させることができる。
【0057】
図8は、前記グラフ関数電卓10の図形証明問題回答モードでの全体処理に伴う図形表示動作(その2)を示す図である。
【0058】
図8(A)に示すように、描画図形記憶部22bから呼び出したユーザ任意の証明問題の図形(
図7(A)と同じ)を、カラー表示部16の図形表示領域16aに表示させ(ステップS1,S2)、
図4における図形要素選択処理(ステップSA)に従い、
図8(B)に示すように、直角三角形ABCの辺ABと辺ACとをペンタッチT1,T2して識別表示h1,h2させる(ステップA1,A2)。
【0059】
ここで、前記直角三角形ABCの辺ABと辺ACに沿った各ペンタッチT1,T2の方向の入力が判断されない場合は(ステップA3(No))、選択された図形要素である辺ABと辺ACの表記名は、当該各辺に付記された文字種に応じた配列順序通りの「AB」「AC」として図形要素名称記憶部22b4に記憶される(ステップA4b)。
【0060】
この後、前記選択された図形要素の表記名の書き出し操作および他の図形要素の選択操作を行うことなく(ステップA5(No)→A7(No))、
図5における状態設定処理へ移行されると(ステップSB)、前記選択された図形要素として識別表示h1,h2されている直角三角形ABCの辺「AB」と辺「AC」とについて、
図8(C)に示すように、当該2辺の関係を設定するための状態設定ウインドウWJが図形表示領域16a上に重ねて表示される(ステップB1)。
【0061】
この状態設定ウインドウ(2辺の関係)WJにおいて、例えば項目「長さが等しい」が選択されてカーソルCuにより指示されると(ステップB1(Yes))、当該選択項目にて設定された2辺の状態(条件)「長さが等しい」が、前記識別表示h1,h2された図形要素の2つの辺「AB」「AC」に対応付けられてユーザ設定状態情報記憶部22b2に記憶される。そして、
図8(D)に示すように、前記識別表示h1,h2されている2つの辺「AB」「AC」に対して、前記設定状態(条件)「長さが等しい」が反映され、等記号e1,e2が付加されて表示が更新される(ステップB2)。
【0062】
この後、
図6における設定状態書き出し処理に移行されると(ステップSC)、
図8(E)に示すように、前記設定状態(条件)「長さが等しい」が等記号e1,e2により反映されて識別表示h1,h2されている図形要素(辺「AB」「AC」)の証明式(解)を書き出すための証明吐出しウインドウWDが、図形表示領域16a上に重ねて表示される(ステップC1)。
【0063】
この証明吐出しウインドウWDにおいて、証明式(解)の書き出しを指示する項目「Yes」が選択されてカーソルCuにより指示されると(ステップC1(Yes))、前記図形要素名称記憶部22b4に記憶された図形要素(辺「AB」「AC」)の表記名「AB」「AC」に対して、当該図形要素(辺「AB」「AC」)に対応付けられて前記ユーザ設定状態情報記憶部22b2に記憶された設定状態(条件)「長さが等しい」を反映させた証明式(解)「AB=AC」が生成される。そして、
図8(F)に示すように、カラー表示部16(証明問題表示画面)において<<証明用スペース>>と表記された文字・式表示領域16bに前記生成された証明式(解)「AB=AC」が表示される(ステップC2)。
【0064】
この際、前記証明式(解)「AB=AC」に反映させた設定状態(条件)「長さが等しい」がユーザによる設定である、つまり、前記ユーザ設定状態情報記憶部22b2に記憶された設定状態(条件)であると判断された場合は(ステップC3(Yes))、当該証明式(解)「AB=AC」に、ユーザ設定であることを表記するメッセージ(仮定)が付記されて表示される(ステップC4)。
【0065】
一方、前記証明式(解)「AB=AC」に反映させた設定状態(条件)「長さが等しい」がユーザによる設定ではない、つまり、前記ユーザ設定状態情報記憶部22b2に記憶された設定状態(条件)でではなく、前記命題状態情報記憶部22b1に現在表示中の証明問題の図形に対応付けられて予め記憶された設定状態(条件)であると判断された場合は(ステップC3(No))、前記ユーザ設定であることを表記するメッセージ(仮定)は付記されない(RETURN)。
【0066】
したがって、前記構成のグラフ関数電卓10の図形証明問題回答モードにおける図形要素選択機能、状態設定機能、設定状態書き出し機能によれば、カラー表示部16(証明問題表示画面)に表示されたユーザ任意の図形において、同図形の中の任意の図形要素(辺「AB」「AC」)をペンタッチT1,T2により選択して識別表示h1,h2させ、当該選択された図形要素(辺「AB」「AC」)の状態(条件)を、状態設定ウインドウ(2辺の関係)WJに基づくユーザ操作に応じて例えば[長さが等しい]として設定できる。すると、前記表示中の図形の選択された図形要素(辺「AB」「AC」)に設定された状態(条件)[長さが等しい]を反映させた等記号e1,e2が付記表示され、さらにその証明式(解)「AB=AC」が書き出されて表示される。
【0067】
そして、前記選択された図形要素(辺「AB」「AC」)に設定された状態(条件)[長さが等しい]がユーザにより設定された状態(条件)である場合は、前記証明式(解)「AB=AC」にその旨を表記するメッセージ(仮定)が付記表示される。
【0068】
これにより、表示中の図形の各図形要素に対し、直接ペンタッチTして選択するだけで、選択された図形要素について、辺の長さや角度等に関するユーザ任意の状態(条件)を簡単に設定して表示更新できるばかりか、当該図形要素に設定された状態(条件)を反映させた同図形要素の表記名や証明式等の文字列に直ちに変換して表示させることもできる。
【0069】
よって、図形に設定された状態(条件)を文字情報として簡単に書き出すことが可能になり、図形の学習をより効果的に実施することができる。
【0070】
なお、前記実施形態では、選択された図形要素に設定される状態として、辺の長さや角度等に関し、例えば2辺の長さが等しい状態(「AB=AC」)を設定して説明したが、角度が等しい、図形の合同・相似等、他の設定状態に関しても同様に機能する事は言うまでもない。
【0071】
なお、前記各実施形態において記載したグラフ関数電卓10の動作手法、すなわち、
図3のフローチャートに示す図形証明問題回答モードに係る全体の処理、および
図4、
図5、
図6のフローチャートに示す前記全体の処理に伴う図形要素選択処理、状態設定処理、設定状態書き出し処理などの各手法は、コンピュータに実行させることができるプログラムとして、メモリカード(ROMカード、RAMカード等)、磁気ディスク(フロッピディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリ等の外部記憶媒体(23)に格納して配布することができる。そして、電子式計算機(10)のコンピュータ(21)は、この外部記憶媒体(23)に記憶されたプログラムを記憶装置(22)に読み込み、この読み込んだプログラムによって動作が制御されることにより、前記各実施形態において説明した表示中の図形における図形要素の選択/状態設定/設定状態書き出し機能を実現し、前述した手法による同様の処理を実行することができる。
【0072】
また、前記手法を実現するためのプログラムのデータは、プログラムコードの形態として通信ネットワーク(公衆回線)N上を伝送させることができ、この通信ネットワークNに接続された通信装置(25)によって、前記プログラムデータを、電子式計算機(10)のコンピュータ(21)に取り込み、前述した表示中の図形における図形要素の選択/状態設定/設定状態書き出し機能を実現することもできる。
【0073】
なお、本願発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さらに、前記各実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、各実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されたり、幾つかの構成要件が異なる形態にして組み合わされても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除されたり組み合わされた構成が発明として抽出され得るものである。
【0074】
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0075】
[1]
図形を表示部に表示させる図形表示手段と、
この図形表示手段により表示された図形に含まれる図形要素をユーザ操作に応じて選択する図形要素選択手段と、
この図形要素選択手段により選択された図形要素に設定された状態に応じた文字情報を書き出す図形対応文字書き出し手段と、
を備えたことを特徴とする図形情報表示装置。
【0076】
[2]
前記図形要素選択手段により選択された図形要素に対して、ユーザ操作に応じて新たな状態を設定する状態設定手段と、
この状態設定手段により前記選択された図形要素に対し設定された状態に応じて、前記図形表示手段により表示された図形を更新して表示させる図形更新表示手段とを備え、
前記図形対応文字書き出し手段は、前記図形要素選択手段により選択された図形要素に設定された状態が前記状態設定手段によりユーザ操作に応じて設定された状態である場合は、同図形要素に設定された状態に応じた文字情報にユーザによる設定状態であることを付記して書き出す、
ことを特徴とする[1]に記載の図形情報表示装置。
【0077】
[3]
前記図形表示手段は、図形を当該図形を構成する特徴点を表す文字を付記して表示部に表示させ、
前記図形対応文字書き出し手段は、前記図形要素選択手段により選択された図形要素に設定された状態に応じた文字情報を同図形要素に付記された文字の配列順序に応じた文字列情報として書き出す、
ことを特徴とする[1]又は[2]に記載の図形情報表示装置。
【0078】
[4]
前記図形要素選択手段によりユーザ操作に応じて選択された図形要素について、当該ユーザ操作の方向が入力されたか否かを判断する方向入力判断手段を備え、
前記図形対応文字書き出し手段は、前記図形要素選択手段により選択された図形要素について、前記方向入力判断手段によりユーザ操作の方向が入力されたと判断された場合は、当該図形要素に設定された状態に応じた文字情報を同図形要素に付記された文字の前記ユーザ操作の方向に応じた順序の文字列情報として書き出す、
ことを特徴とする[3]に記載の図形情報表示装置。
【0079】
[5]
前記図形表示手段により表示される図形は、当該図形に含まれる図形要素の状態が予め設定された証明問題の図形として与えられ、
前記図形対応文字書き出し手段は、前記図形要素選択手段により選択された図形要素に設定された状態に応じた文字情報を前記証明問題の解として書き出す、
ことを特徴とする[4]に記載の図形情報表示装置。
【0080】
[6]
表示部を備えた電子式計算機のコンピュータを制御するためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
図形を前記表示部に表示させる図形表示手段、
この図形表示手段により表示された図形に含まれる図形要素をユーザ操作に応じて選択する図形要素選択手段、
この図形要素選択手段により選択された図形要素に設定された状態に応じた文字情報を書き出す図形対応文字書き出し手段、
として機能させるためのプログラム。