(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明のアース端子金具およびそれを用いたアース接続装置の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0031】
[第1の実施形態]
(アース接続装置100の全体構成)
第1の実施形態のアース接続装置100は、
図7〜9に示されるように、第1のアース端子金具1と、第2のアース端子金具2と、第3のアース端子金具3とを備えており、当該第1のアース端子金具1の上下両側に第2のアース端子金具2および第3のアース端子金具3が重ね合わされて配置された構造を有している。この第1実施形態のアース接続装置100では、第1のアース端子金具1は本発明の第1のアース接続器具に対応し、第2のアース端子金具2は本発明の第2のアース接続器具に対応し、第3のアース端子金具3は本発明の第3のアース接続器具に対応している。
【0032】
第1〜3のアース用電線E1〜E3は、接地される対象の特定の回路からそれぞれ引き出された3本の電線であり、導体およびそれを被覆する絶縁被覆によって構成される。これらアース用電線E1〜E3は、アース接続装置100を介して、車両の壁面などに固定された第1のアース部位である第1ボルトB1および第2のアース部位である第2ボルトB2に一括して接続される。
【0033】
第1アース端子金具1は、第1のアース用電線E1を2つのアース部位である第1ボルトB1および第2ボルトB2にそれぞれ接続している。
【0034】
第2アース端子金具2は、第2のアース用電線E2を第1ボルトB1に接続するとともに、第1のアース端子金具1を介して第2ボルトB2に接続している。
【0035】
第3アース端子金具3は、第3のアース用電線E3を第2ボルトB2に接続するとともに、第1のアース端子金具1を介して第1ボルトB1に接続している。
【0036】
つぎに、第1〜3アース端子金具1〜3の各構成についてさらに詳細に説明する。
【0037】
(第1のアース端子金具1の構成)
第1のアース端子金具1は、
図1〜6に示されるように、車両内の壁面上に設けられた複数のアース部位である第1ボルトB1および第2ボルトB2に第1のアース用電線E1を接続するためのアース端子金具である。第1のアース端子金具1は、本発明のアース端子金具からなるアース接続器具に対応する。
【0038】
第1のアース端子金具1は、第1の電線側端子部4と、第1のアース側端子部5とを備えている。第1のアース端子金具1は、導電性材料によって製造される。第1の電線側端子部4は、本発明の第1の電線接続部に対応する。
【0039】
第1の電線側端子部4は、アース用電線E1の端末に装着される。第1の電線側端子部4は、導体バレル4aと、インシュレーションバレル4bとを有している。導体バレル4aは、両端が開いた帯状の部分からなり、第1のアース用電線E1の端末の導体が露出している部分を抱き込んで固定することが可能である。インシュレーションバレル4bは、導体バレル4aと並んで配置され、両端が開いた帯状の部分からなり、第1のアース用電線E1の端末の導体が露出していない絶縁皮膜で覆われた部分を抱き込んで固定することが可能である。
【0040】
第1のアース側端子部5は、段差部5aを有する平板形状を呈しており、第1ボルトB1およびそれに第2ボルトB2のそれぞれが螺合される車両の壁面に形成されたボルト穴を覆うことが可能な大きさを有している。第1のアース側端子部5には、第1ボルトB1および第2ボルトB2のそれぞれが螺合されるボルト穴の配置に対応する位置にそれぞれ、第1ボルトB1に接続可能な接続部分である第1ボルト用接続穴6および第2ボルトB2に接続可能な接続部分である第2ボルト用接続穴7が形成されている。第1ボルト用接続穴6と第2ボルト用接続穴7は、第1ボルトB1および第2ボルトB2に同時に接続可能となるような相対的な位置関係にある。
【0041】
段差部5aは、第1ボルト用接続穴6と第2ボルト用接続穴7との間に形成されている。第1のアース側端子部5のうち第1ボルト用接続穴6が形成されている第1部分5bは、第2ボルト用接続穴7が形成されている第2部分5cよりも高くなっており、第1部分5bと第2部分5cとの間は段差部5aによって連結されている。
【0042】
第1のアース側端子部5は、段差部5aを有することにより、
図11に示されるように、第1部分5bの下側に第2のアース端子金具2における第2のアース側端子部22が配置され、第2部分5cの上側に第3のアース端子金具3における第3のアース側端子部32が配置されることが可能になっている。第1部分5bと第2部分5cとの高低差は、第2のアース側端子部22の厚さ程度に設定されている。
【0043】
また、第1のアース側端子部5は、その第1部分5bにおいて、第2のアース端子金具2と連結する第1の連結部8と、当該アース端子金具2を第1の連結部8に圧着させる第1の圧着部9とを有している。
【0044】
第1の連結部8は、当該第1のアース側端子部5の第1ボルト用接続穴6と第2のアース端子金具2における第2のアース側端子部22の第1ボルト用接続穴23(
図7(a)参照)とを第1ボルトB1に同時に接続可能となるように連通させた状態で、第2のアース側端子部22と連結する。
【0045】
具体的には、第1の連結部8は、
図1〜3および
図6に示されるように、当接片8aと、当接片8bとを有している。当接片8a、8bは、第1ボルト用接続穴6の両側(2つの接続穴6、7が並ぶ方向の両側)に配置されている。当接片8a、8bは、水平方向であって段差部5aから離れる方向に向けて突出している。また、当接片8a、8bは、第1のアース側端子部5の第1部分5bの下面5b1(
図3参照)よりも低い位置に配置されている。当接片8a、8bは、後述する第2のアース端子金具2における第2のアース側端子部22の当接片24、25(
図7〜9参照)と係合することが可能である。
【0046】
第1の圧着部9は、第1のアース側端子部5の第1部分5bの下面5b1(
図4参照)から、下方へ突出する部分である。第1の圧着部9は、当接片8bの両側(2つの接続穴6、7が並ぶ方向に直交する方向の両側)に配置されている。第1の圧着部9は、後述する第2のアース端子金具2における第2のアース側端子部22を第1の連結部8の当接片8a、8bへ向けて押圧し、当該第2のアース側端子部22の当接片24、25を当該第1の連結部8の当接片8a、8bへ圧着することが可能である。
【0047】
さらに、第1のアース側端子部5は、その第2部分5cにおいて、第3のアース端子金具3と連結する第2の連結部10と、当該アース端子金具3を第2の連結部10に圧着させる第2の圧着部11とを有している。
【0048】
第2の連結部10は、当該第1のアース側端子部5の第2ボルト用接続穴7と第3のアース端子金具3における第3のアース側端子部32の第2ボルト用接続穴33(
図7(a)参照)とを第2ボルトB2に同時に接続可能となるように連通させた状態で、第3のアース側端子部32と連結する。
【0049】
具体的には、第2の連結部10は、
図1〜3および
図5に示されるように、当接片10aと、当接片10bとを有している。当接片10a、10bは、第2ボルト用接続穴7の両側(2つの接続穴6、7が並ぶ方向の両側)に配置されている。当接片10a、10bは、水平方向であって段差部5aから離れる方向(具体的には、上記の当接片8a、8bの向く方向と反対の方向)に向けて突出している。また、当接片10a、10bは、第1のアース側端子部5の第2部分5cの上面5c1(
図3参照)よりも高い位置に配置されている。当接片10a、10bは、後述する第3のアース端子金具3における第3のアース側端子部32の当接片34、35(
図7〜9参照)と係合することが可能である。
【0050】
第2の圧着部11は、第1のアース側端子部5の第2部分5cの上面5c1(
図4参照)から、上方へ突出する部分である。第2の圧着部11は、当接片10bの両側(2つの接続穴6、7が並ぶ方向に直交する方向の両側)に配置されている。第2の圧着部11は、後述する第3のアース端子金具3における第3のアース側端子部32を第2の連結部10の当接片10a、10bへ向けて押圧し、当該第3のアース側端子部32の当接片34、35を当該第2の連結部10の当接片10a、10bへ圧着することが可能である。
【0051】
また、第1のアース側端子部5の第2部分5cには、第2ボルト用接続穴7から離れた位置において、壁面に形成された穴に嵌合して第1のアース端子金具1のボルトB1、B2回りの回転を規制するための回り止め用の舌片12が形成されている。
【0052】
(第2のアース端子金具2の構成)
第2のアース端子金具2は、
図7〜13に示されるように、第2の電線側端子部21と、第2のアース側端子部22とを備えている。第2のアース端子金具2は、導電性材料によって製造される。第2の電線側端子部21は、本発明の第2の電線接続部に対応する。
【0053】
第2の電線側端子部21は、第2のアース用電線E2の端末に装着される。第2の電線側端子部21は、導体バレル21aと、インシュレーションバレル21bとを有している。導体バレル21aは、両端が開いた帯状の部分からなり、第2のアース用電線E2の端末の導体が露出している部分を抱き込んで固定することが可能である。インシュレーションバレル21bは、導体バレル21aと並んで配置され、両端が開いた帯状の部分からなり、第2のアース用電線E2の端末の導体が露出していない絶縁皮膜で覆われた部分を抱き込んで固定することが可能である。
【0054】
第2のアース側端子部22は、平板形状を呈しており、第1ボルトB1が螺合される車両の壁面に形成されたボルト穴を覆うことが可能な大きさを有している。第2のアース側端子部22には、第1ボルトB1に接続可能な接続部分である第1ボルト用接続穴23が形成されている。
【0055】
また、第2のアース側端子部22は、上記の第1のアース端子金具1における第1の連結部8の当接片8a、8bにそれぞれ係合する当接片24、25を有している。当接片24、25は、第1ボルト用接続穴23の両側に配置されている。当接片24、25は、上記の第1のアース端子金具1における第1の連結部8の当接片8a、8bが向く方向と反対の方向に突出している。また、当接片24、25は、第2のアース側端子部22の上面22a(
図7(a)および
図10参照)よりも高い位置に配置されている。当接片24、25は、前述の第1のアース端子金具1における第1のアース側端子部5の当接片8a、8bの上面に当接しながら係合することが可能である。また、第1の実施形態では、当接片8aおよび当接片25に凸部が設けられ、それらに当接する当接片24および当接片8bに当該凸部と嵌合可能な凹部が形成されているので、これら凸部と凹部を嵌合させることにより、第2のアース用端子金具2が第1のアース用端子金具1からより分離しにくくなっている。
【0056】
さらに、第2のアース側端子部22の上面22a(
図7(a)および
図11参照)には、第3の圧着部26が当該上面22aから上方へ突設されている。第3の圧着部26は、当接片24の両側に配置されている。第3の圧着部26は、第1のアース端子金具1における第1のアース側端子部5を当接片24、25へ向けて押圧し、当該第1のアース側端子部5の当接片8a、8bを当接片24、25へ圧着することが可能である。
【0057】
なお、第1の実施形態では、第2のアース端子金具2の当接片24、25を第1のアース端子金具1の当接片8a、8bにより確実に圧着させるために、第1のアース端子金具1側の第1の圧着部9および第2のアース端子金具2側の第3の圧着部26が設けられているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1のアース端子金具1側の第1の圧着部9の大きさや配置を適宜選定すれば、当該第1の圧着部9のみ設けておき、第2のアース端子金具2側の第3の圧着部26を省略してもよい。または、第2のアース端子金具2側の第3の圧着部26を残して、第1の圧着部9を省略してもよい。
【0058】
また、第2のアース側端子部22には、第1ボルト用接続穴23から離れた位置において、壁面に形成された穴に嵌合して第2のアース端子金具2のボルトB1回りの回転を規制するための回り止め用の舌片27が形成されている。
【0059】
(第3のアース端子金具3の構成)
第3のアース端子金具3は、
図7〜13に示されるように、第3の電線側端子部31と、第3のアース側端子部32とを備えている。第3のアース端子金具3は、導電性材料によって製造される。第3の電線側端子部31は、本発明の第3の電線接続部に対応する。
【0060】
第3の電線側端子部31は、第3のアース用電線E3の端末に装着される。第3の電線側端子部31は、導体バレル31aと、インシュレーションバレル31bとを有している。導体バレル31aは、両端が開いた帯状の部分からなり、第1のアース用電線E3の端末の導体が露出している部分を抱き込んで固定することが可能である。インシュレーションバレル31bは、導体バレル31aと並んで配置され、両端が開いた帯状の部分からなり、第3のアース用電線E3の端末の導体が露出していない絶縁皮膜で覆われた部分を抱き込んで固定することが可能である。
【0061】
第3のアース側端子部32は、平板形状を呈しており、第2ボルトB2が螺合される車両の壁面に形成されたボルト穴を覆うことが可能な大きさを有している。第3のアース側端子部32には、第2ボルトB2に接続可能な接続部分である第2ボルト用接続穴33が形成されている。
【0062】
また、第3のアース側端子部32は、上記の第1のアース端子金具1における第2の連結部10の当接片10a、10bにそれぞれ係合する当接片34、35を有している。当接片34、35は、第2ボルト用接続穴33の両側に配置されている。当接片34、35は、上記の第1のアース端子金具1における第2の連結部10の当接片10a、10bが向く方向と反対の方向に突出している。また、当接片34、35は、第3のアース側端子部32の下面32a(
図7(a)および
図10参照)よりも低い位置に配置されている。当接片34、35は、前述の第1のアース端子金具1における第1のアース側端子部5の当接片10a、10bの下面に当接しながら係合することが可能である。また、第1の実施形態では、当接片10aおよび当接片35に凸部が設けられ、それらに当接する当接片34および当接片10bに当該凸部と嵌合可能な凹部が形成されているので、これら凸部と凹部を嵌合させることにより、第3のアース用端子金具3が第1のアース用端子金具1からより分離しにくくなっている。
【0063】
さらに、第3のアース側端子部32の下面32a(
図7(a)および
図11参照)には、第4の圧着部36が当該下面32aから下方へ突設されている。第4の圧着部36は、当接片34の両側に配置されている。第4の圧着部36は、第1のアース端子金具1における第1のアース側端子部5を当接片34、35へ向けて押圧し、当該第1のアース側端子部5の当接片10a、10bを当接片34、35へ圧着することが可能である。
【0064】
なお、第1の実施形態では、第3のアース端子金具3の当接片34、35を第1のアース端子金具1の当接片10a、10bにより確実に圧着させるために、第1のアース端子金具1側の第1の圧着部9および第3のアース端子金具3側の第4の圧着部36が設けられているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1のアース端子金具1側の第2の圧着部10の大きさや配置を適宜選定すれば、当該第2の圧着部10のみ設けておき、第3のアース端子金具3側の第4の圧着部36を省略してもよい。または、第3のアース端子金具3側の第4の圧着部36を残して、第2の圧着部10を省略してもよい。
【0065】
(第1の実施形態のアース接続装置100の組立方法)
つぎに、
図7〜13を参照しながら、第1の実施形態のアース接続装置100の組立方法について説明する。
【0066】
まず、あらかじめ、第1〜第3アース用電線E1〜E3を、第1〜第3アース端子金具1〜3のそれぞれの電線側端子部4、21、31にそれぞれ接続する。
【0067】
ついで、第2のアース端子金具2を第1アース端子金具1に連結する。具体的には、
図7(a)、(b)に示されるように、第2のアース端子金具2の第2のアース側端子部22を、第1のアース側端子部5のうちの高い方の第1部分5bに下側から重ね合わせる。さらに、第1のアース側端子部5の第1ボルト用接続穴6と第2のアース側端子部22の第1ボルト用接続穴23とを連通させるように、第2のアース側端子部22を第1のアース側端子部5に対して当該第1ボルト用接続穴6から第2ボルト用接続穴7へ向かう方向へスライドさせる。これにより、第2のアース側端子部22の当接片24、25は、第1のアース側端子部5の第1の連結部8における当接片8a、8bの上面に当接しながら係合する。
【0068】
このとき、
図9〜11および
図13に示されるように、第1のアース端子金具1側の第1の圧着部9が第2のアース側端子部22を下方へ押圧し、それとともに、第2のアース端子金具2側の第3の圧着部26が第1のアース側端子部5を上方へ押圧するので、第2のアース端子金具2の当接片24、25は、第1のアース端子金具1の当接片8a、8bにそれぞれ圧着される。
【0069】
つぎに、第3のアース端子金具3を第1アース端子金具1に連結する。具体的には、
図7(a)、(b)に示されるように、第3のアース端子金具3の第3のアース側端子部32を、第1のアース側端子部5のうち低い方の第2部分5cに上側から重ね合わせる。さらに、第1のアース側端子部5の第2ボルト用接続穴7と第3のアース側端子部32の第2ボルト用接続穴33とを連通させるように、第3のアース側端子部32を第1のアース側端子部5に対して当該第2ボルト用接続穴7から第1ボルト用接続穴6へ向かう方向へスライドさせる。これにより、第3のアース側端子部32の当接片34、35は、第1のアース側端子部5の第2の連結部10における当接片10a、10bの下面に当接しながら係合する。
【0070】
このとき、
図9〜12に示されるように、第1のアース端子金具1側の第2の圧着部11が第3のアース側端子部32を上方へ押圧し、それとともに、第3のアース端子金具3側の第4の圧着部36が第1のアース側端子部5を下方へ押圧するので、第3のアース端子金具3の当接片34、35は、第1のアース端子金具1の当接片10a、10bにそれぞれ圧着される。
【0071】
組立後のアース接続装置100では、
図11に示されるように、第1のアース側端子部5において第3のアース側端子部32の下側に位置する第2部分5cの下面5c2の高さは、第2のアース側端子部22の下面22bの高さと同じになるので、当該アース接続装置100を車両の壁面などの取付面Pに安定して固定することが可能である。
【0072】
(第1の実施形態の特徴)
(1)
第1の実施形態の第1のアース端子金具1では、第1のアース側端子部5には、第1ボルトB1および第2ボルトB2に接続できるように、第1ボルトB1に接続可能な第1ボルト用接続穴6および第2ボルトB2に接続可能な第2ボルト用接続穴7が形成され、第1ボルト用接続穴6および第2ボルト用接続穴7が複数のアース部位である第1ボルトB1および第2ボルトB2に同時に接続可能となるような相対的な位置関係にあるので、第1ボルトB1および第2ボルトB2の少なくとも一方のアース部位の接続が十分であれば、アース接続が達成される。したがって、単一のアース部位のみに単一のアース接続部分を接続する従来のアース端子と比べ、アース接続の信頼性を高めることが可能である。
【0073】
(2)
第1の実施形態のアース接続装置100は、上記のような第1のアース端子金具1を備えているので、第1ボルトB1および第2ボルトB2の少なくとも一方のアース部位の接続が十分であれば、アース接続が達成され、アース接続の信頼性を高めることが可能である。
【0074】
さらに、第2のアース端子金具2を第1ボルトB1に接続する際に、第1のアース側端子部5の第1ボルト用接続穴6と第2のアース側端子部22の第1ボルト用接続穴23とを連通させて第1ボルトB1に同時に接続可能となるような相対的な位置関係にある状態で、第2のアース端子金具2の第2のアース側端子部22を第1のアース端子金具1の第1のアース側端子部5の第1の連結部8に連結し、かつ、第1の圧着部9により、第2のアース側端子部22を第1の連結部8へ向けて押圧して当該第2のアース側端子部22の当接片24、25を当該第1の連結部8の当接片8a、8bへ圧着することが可能であり、これにより、第2アース端子金具2は、第1のアース端子金具1の第1のアース側端子部5を介して、第2ボルトB2に接続して接地することが可能になる。そのため、2つのアース端子金具1、2の各々を2つのアース部位であるボルトB1、B2に接続して確実に接地することが可能になる。
【0075】
(3)
また、第1の実施形態のアース接続装置100では、さらに、第3のアース端子金具3を第2ボルトB2に接続する際に、第1のアース側端子部5の第2ボルト用接続穴7と第3のアース側端子部32の第2ボルト用接続穴33とを連通させて第2ボルトB2に同時に接続可能となるような相対的な位置関係にある状態で、第2のアース端子金具2の第2のアース側端子部22を第1のアース端子金具1の第1のアース側端子部5の第2の連結部10に連結し、かつ、第2の圧着部11により、第3のアース側端子部32を第2の連結部10へ向けて押圧して当該第3のアース側端子部32の当接片34、35を当該第2の連結部10の当接片10a、10bへ圧着することが可能であり、これにより、第3アース端子金具3は、第1のアース端子金具1の第1のアース側端子部5を介して、第1ボルトB1に接続して接地することが可能になる。そのため、第1〜第3のアース端子金具1〜3の各々を2つのアース部位であるボルトB1、B2に接続して確実に接地することが可能になる。
【0076】
(4)
また、第1の実施形態のアース接続装置100では、第1のアース側端子部5の下側に第2のアース側端子部22を連結し、当該第1のアース側端子部5の上側に第3のアース側端子部32を連結することによって、第2のアース側端子部22および第3のアース側端子部32を第1のアース側端子部5の上下両側に分散して配置することが可能になる。これにより、第2のアース側端子部22および第3のアース側端子部32を第1のアース側端子部5にそれぞれ連結する際に互いに干渉することなく連結作業を容易かつ円滑に行うことが可能である。
【0077】
(5)
さらに、第1の実施形態のアース接続装置100では、第2のアース側端子部22および第3のアース側端子部32を第1のアース側端子部5に連結した状態では、第1のアース側端子部5において第3のアース側端子部32の下側に位置する第2部分5cの下面5c2が、第2のアース側端子部22の下面22bと面一になるので、アース接続装置100を車両の壁面などに固定する際に、第1のアース側端子部5および第2のアース側端子部22のそれぞれの下面を当該壁面に当接した状態でアース接続用のボルトB1、B2などで安定して固定することが可能である。
【0078】
(第1実施形態の変形例)
(A)
上記第1の実施形態では、第1のアース端子金具1は、第2のアース端子金具2および第3のアース端子金具3が接続された状態で2つのアース部位であるボルトB1、B2に接続されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1のアース端子金具1を単体で使用した場合であっても、第1ボルトB1および第2ボルトB2の少なくとも一方のアース部位の接続が十分であれば、アース接続が達成され、アース接続の信頼性を高めることが可能である。
【0079】
(B)
上記第1の実施形態の第1のアース端子金具1およびそれを用いたアース接続装置100では、2つのアース部位である第1ボルトB1および第2ボルトB2に接続できるように、2つの接続穴6、7を有する構造が示されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、複数のアース部位の数や配置に応じて複数のアース用接続穴を適宜設ければよい。その場合も上記第1の実施形態と同様に、第1ボルトB1および第2ボルトB2の少なくとも一方のアース部位の接続が十分であれば、アース接続が達成され、アース接続の信頼性を高めることが可能である。
【0080】
また、2つの接続穴6、7を形成する代わりに、2つのアース部位である第1ボルトB1および第2ボルトB2が同時に挿通可能な長孔またはスリットを形成してもよい。
【0081】
(C)
また、上記第1の実施形態では、第1のアース側端子部5の下側に第2のアース側端子部22を連結し、当該第1のアース側端子部5の上側に第3のアース側端子部32を連結した構造が示されているが、本発明はこの構造に限定されるものではなく、その反対の配置を有する構造、すなわち、第1のアース側端子部5の上側に第2のアース側端子部22を連結し、当該第1のアース側端子部5の下側に第3のアース側端子部32を連結した構造でもよく、その場合でも、上記第1の実施形態と同様に、第2のアース側端子部22および第3のアース側端子部32を第1のアース側端子部5の上下両側に分散して配置することが可能になる。
【0082】
(D)
また、上記第1の実施形態では、第1のアース側端子部5において第3のアース側端子部32の下側に位置する第2部分5cの下面5c2が、第2のアース側端子部22の下面22bと同じ高さに位置して互いに面一になっている構造が示されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、上記変形例(B)のように、第1のアース側端子部5の上側に第2のアース側端子部22を連結し、当該第1のアース側端子部5の下側に第3のアース側端子部32を連結した構造の場合には、第3のアース側端子部32の下面を第1のアース側端子部5の下面と同じ高さになるようにすればよい。その場合も、上記第1の実施形態と同様に、アース接続装置100を車両の壁面などに固定する際に、第1のアース側端子部5および第3のアース側端子部32のそれぞれの下面を当該壁面に当接した状態でアース接続用のボルトB1、B2などで安定して固定することが可能である。
【0083】
上記の第1の実施形態に係るアース接続装置100は、
図7〜9に示されるように、3つのアース端子金具1〜3が合体された構造、すなわち、第1のアース端子金具1の上下両側に第2のアース端子金具2および第3のアース端子金具3が配置された構造を有しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、3つのアース端子金具のうちのいずれか1つまたは全部を、複数のアース用電線を一括してアース部位に接続可能なアース用ジョイントコネクタに置き換えても良い。
【0084】
以下の第2〜4の実施形態では、3つのアース端子金具1〜3のいずれか1つまたは3つ全てをアース用ジョイントコネクタに置き換えた態様をそれぞれ示す。
【0085】
[第2の実施形態]
第2実施形態では、上記の第1の実施形態のアース接続装置100のうち、第2のアース端子金具2の代わりに、
図14〜20に示されるような1つのアース部位(ここでは、第1ボルトB1)に接続可能な1穴タイプのアース用ジョイントコネクタ201を第1のアース端子金具1に接続してアース接続装置200を構成しても良い。
【0086】
すなわち、
図14〜18に示されるアース接続装置200は、第1のアース端子金具1と、1穴タイプのアース用ジョイントコネクタ201(以下、ジョイントコネクタ201という)と、第3のアース端子金具3とを備えており、当該第1のアース端子金具1の上下両側にジョイントコネクタ201および第3のアース端子金具3が重ね合わされて配置された構造を有している。この第2実施形態のアース接続装置200では、第1のアース端子金具1は本発明の第1のアース接続器具に対応し、ジョイントコネクタ201は本発明の第2のアース接続器具に対応し、第3のアース端子金具3は本発明の第3のアース接続器具に対応している。
【0087】
第1のアース用電線E1および第3のアース用電線E3は、上記第1の実施形態と同様に、アース接続装置200を介して、車両の壁面などに固定された第1のアース部位である第1ボルトB1および第2のアース部位である第2ボルトB2に一括して接続される。
【0088】
複数のアース用電線231の集合体であるハーネス本体E20は、ジョイントコネクタ201の電線接続部221に接続されて1つのワイヤハーネスWHを構成している。ジョイントコネクタ201は、ハーネス本体E20の各アース用配線231(
図19参照)を第1ボルトB1に接続するとともに、第1のアース端子金具1を介して第2ボルトB2に接続している。
【0089】
つぎに、アース接続装置200のうちジョイントコネクタ201の構成について説明する。なお、第1のアース端子金具1および第3アース端子金具3は、上記第1実施形態のアース接続装置100における第1のアース端子金具1および第3アース端子金具3と共通しているので、説明を省略する。
【0090】
ジョイントコネクタ201は、
図14〜20に示されるように、主要な構成部品として、アース側端子部222を有するアース用導体250(
図19〜20参照)と、コネクタハウジング243と、コネクタハウジング243内部の電線用端子234(
図19〜20参照)とから構成されている。電線用端子234、アース用導体250の電線側端子部240(
図19〜20参照)、およびコネクタハウジング243は、本発明の電線接続部221を構成する。また、アース側端子部222は、本発明のアース側端子部に対応する。つまり、ジョイントコネクタ201は、機能的に見れば、電線接続部221およびアース側端子部222を備えていることになる。
【0091】
本実施形態では、電線側端子部240、アース側端子部222、段差部242、および連結部241が一体に結合することにより、1つのアース用導体250を構成している。
【0092】
電線接続部221には、
図14に示されるように、複数本(図例では12本)のアース用電線231からなるワイヤハーネス本体E20が接続される。各アース用電線231は、
図19〜20に示される導体232とこれを被覆する絶縁被覆233とで構成され、ジョイントコネクタ201を介して車両のアース部位である第1ボルトB1に一括して接続されるとともに、当該ジョイントコネクタ201および第1のアース端子金具1を介して第2ボルトB2にも一括して接続される。
【0093】
本実施形態の電線接続部221は、
図19〜20に示されるように複数の電線用端子234と、これら電線用端子234とそれぞれ嵌合する電線側端子部240と、コネクタハウジング243と、段差部242と、連結部241と、を備えている。
【0094】
電線用端子234は、
図19〜20に示されるように、それぞれ、各アース用電線231の端末に設けられるもので、雌型の電気接触部235と、電線圧着部を構成する導体バレル236及びインシュレーションバレル237とを前後に有する。
【0095】
電気接触部235は、中空角筒状の本体と、この本体内で撓み可能に設けられる接触ばね片239とを有する。この電気接触部235の天壁には、前記コネクタハウジング243側に係止されるための被係止用孔238が穿設されている。
【0096】
前記電線圧着部は、対応するアース用電線231の端末に圧着される。当該アース用電線231の端末には、予め、その絶縁被覆233を除去して導体232を露出させる処理が施されており、前記電線圧着部の各バレル236、237がそれぞれ前記導体232の端末及びその近傍の絶縁被覆233をそれぞれ抱き込むように曲げ加工されることにより、アース用電線231の端末に圧着されてその導体に電気的に接続される。
【0097】
複数本の電線側端子部240は、連結部241によって互いに連結されている。段差部242は、連結部241とアース側端子部222との間に介在する。各電線側端子部240は、連結部241および段差部242を介して共通のアース側端子部222につながっている。本実施形態では、複数の電線側端子部240は、上下2段にそれぞれ6本ずつ配置されており、これらの電線側端子部240は、上下2段にわたって略U字状に延びる連結部241によって、互いに接続されている。連結部241は、段差部242に連結されている。
【0098】
各電線側端子部240は、ジョイントコネクタ201の後側(電線側)に向かって突出し、前記各電線用端子234の雌型の電気接触部235に対して所定の端子嵌合方向(アース用電線231の軸方向X2(
図20参照))に嵌入可能な雄型の嵌合部(タブ)を構成し、その嵌合状態で前記電気接触部235の接触ばね片239及び天壁と圧接することにより、当該電気接触部235と電気的に導通する。これらの電線側端子部240は、その幅方向と平行な方向(前記端子嵌合方向と直交する方向であって前記壁面と平行な方向に上下2段で配列されている。
【0099】
段差部242は、複数の電線側端子部240を連結する連結部241とアース側端子部222とを両者が異なる高さに位置するように連結する。段差部242は、コネクタハウジング243の下面243gとアース側端子部222との間に所定の段差を与えた状態で、各電線側端子部240とアース側端子部222との間の電気的接続を可能にしている。
【0100】
また、段差部242によって電線側端子部240とアース側端子部222との間に段差が与えられることにより、
図14および
図16に示されるように、コネクタハウジング243を第1のアース端子金具1の第1の電線側端子部4および第3のアース端子金具3の第3の電線側端子部31から離間した位置に配置することが可能になり、ハーネス本体E20とアース用電線E1、E3と干渉するおそれを低減することが可能である。
【0101】
コネクタハウジング243は、各電線側端子部240を収容した状態でアース側端子部222を外部に突出された状態で保持する。コネクタハウジング243は、各電線側端子部240の配列方向と直交する方向に偏平な形状をなす。前記コネクタハウジング243は、合成樹脂等の絶縁材料により全体が一体に成型される。
【0102】
図19に示されるように、コネクタハウジング243の前面243d、後面243eおよび上面243fには、それぞれ挿入口243a、243b、243cが開口している。すなわち、コネクタハウジング243の前面243dには、アース用導体250を構成する複数の電線側端子部240が挿入可能な形状を有するアース用導体挿入口243aが開口している。また、コネクタハウジング243の後面243eには、複数の電線用端子234および電線231が挿入可能な形状を有する電線用端子挿入口243bが開口している。さらに、コネクタハウジング243の上面243fには、リテーナ247が挿入可能な形状を有するリテーナ挿入口243cが開口している。
【0103】
このコネクタハウジング243は、アース側端子部222が壁面に固定されたときに当該壁面と対向する下面243gと、その反対側の上面243fとを有し、この実施の形態では両面243f,243gがともに前記車両壁面と略平行な平面となっている。
【0104】
前記コネクタハウジング243の前側部(アース側部)は導体保持部244を構成し、後側部(電線側部)は複数(図例では12室)の端子収容室245を有する。端子収容室245は、アース用導体挿入口243aおよび電線用端子挿入口243bに連通している。
【0105】
これらの端子収容室245は、電線側端子部240の並び方向と平行な方向に当該電線側端子部240のピッチと同ピッチで並び、後面243e側すなわちアース側端子部222と反対の側には、それぞれ上記の電線用端子挿入口243bが開口している。そして、この電線用端子挿入口243bを通して、各電線用端子234の電気接触部235が当該端子収容室245内に挿入される。
【0106】
導体保持部244は、この導体保持部244内に端子収容室245と反対の側(前面243d側)に上記のアース用導体挿入口243aが開口している。導体保持部244は、アース用導体挿入口243aを通してアース用導体250の各電線側端子部240が圧入されるのを許容する形状を有し、かつ、その圧入された電線側端子部240を保持する。各電線側端子部240は、これらの電線側端子部240が対応する端子収容室245内に突出し、かつ、この端子収容室245内に挿入される電線用端子234の電気接触部235と当該挿入方向(端子嵌合方向X2)に嵌合される位置に保持される。
【0107】
このコネクタハウジング243には、
図19〜20に示されるように、前記各端子収容室245に対応する位置に端子係止部であるランス246が形成されている。各ランス246は、各端子収容室245内においてその天面(上側面)から斜め内側に膨出し、その先端部はコネクタハウジング243の厚み方向Yに撓み変位することが可能な自由端部を構成する。この先端部は、挿入される電線用端子234と接触することにより上側に撓み変形して当該電線用端子234の通過を許容し、その通過後に正規の位置に弾性的に復帰することにより
図19に示すように前記電線用端子234の被係止用孔238に嵌り込んで当該電線用端子234を後側から拘束する。つまり、電線用端子234が離脱方向に変位するのを阻止して当該電線用端子234をこの電線用端子234が前記電線側端子部240と嵌合する位置に係止(一次係止)する。
【0108】
リテーナ247は、前記のように電線側端子部240と嵌合されてランス246により係止される各電線用端子234をさらに係止(二次係止)するためのもので、コネクタハウジング243の上面243fの前後方向の中間部に形成されたリテーナ挿入口243cに出没自在に装着される。詳しくは、このリテーナ247は、
図19に示す挿脱可能位置と、
図20に示すようにそれよりもコネクタハウジング243内に沈み込んだ係止位置との間でコネクタハウジング243の厚み方向Yに移動可能となるように前記コネクタハウジング243に装着され、
図19に示す挿脱許容位置では前記各端子収容室245に対する前記各電線用端子234の挿脱を許容し、
図20に示す係止位置では前記端子収容室245に挿入されて前記電線側端子部240に嵌合された位置にある電線用端子234をその位置で係止する。
【0109】
図19〜20に示すように、リテーナ247は、コネクタハウジング243の幅方向(
図15の幅方向X1参照)に延びる天壁248と、各端子収容室245に対応する位置で当該天壁248の下面から突出する複数の係止突起249が形成されている。これらの係止突起249は、リテーナ247が前記挿脱許容位置にあるときに端子収容室245から上側(表側)に退避して当該端子収容室245に対する電線用端子234の挿脱を許容する一方、この電線用端子234が当該端子収容室245内に挿入されて前記ランス246に係止されている状態で前記リテーナ247が前記係止位置まで押し込まれたときに、前記各端子収容室245内に突出して前記各電線用端子234の電気接触部235を後側から拘束することにより、当該電線用端子234の二重係止を行う。なお、図示されていないが、リテーナ247は、挿脱許容位置および係止位置においてそれぞれ係止されるように、係止突起などを有している。
【0110】
図8〜9に示されるように、ワイヤハーネス本体E20は、ジョイントコネクタ201のコネクタハウジング243に以下のようにして接続される。まず、ワイヤハーネス本体E20のアース用電線231の端末に装着された各電線用端子234がコネクタハウジング243の各端子収容室245内に挿入され、挿脱許容位置にあるリテーナ247の係止突起249の下をくぐりながら電線側端子部240に嵌合されることにより、これらの電線用端子234が一括して、当該電線側端子部240、連結部241、および段差部242を介してアース側端子部222に電気的に接続可能な状態となる。その嵌合の際、各電線用端子234の電気接触部235に設けられた被係止用孔238内にコネクタハウジング243側の端子係止部であるランス246がそれぞれ嵌り込んで当該電気接触部235を係止(一次係止)することにより、当該電気接触部235と前記電線側端子部240との嵌合状態が維持される。
【0111】
ついで、
図20に示されるように、リテーナ247がコネクタハウジング243の厚み方向Y(すなわち電線側端子部240の並び方向(
図15の幅方向X1と平行する方向)及び端子嵌合方向X2(
図20)の双方に対して略直交する方向Y)に押し込まれることにより、
図20に示されるような係止位置にリテーナ247が本係止される。この係止位置にあるリテーナ247の係止突起249が端子収容室245内に入り込んで前記電線用端子234の電気接触部235を後側から拘束することにより、当該電線用端子234を二次係止する。これにより、コネクタハウジング243の内部で各電線用端子234と各電線側端子部240との嵌合状態を確実に維持することを可能にする。
【0112】
アース側端子部222は、
図17に示されるように、平板形状を呈しており、第1ボルトB1が螺合される車両の壁面に形成されたボルト穴を覆うことが可能な大きさを有している。アース側端子部222には、第1ボルトB1に接続可能な接続部分である第1ボルト用接続穴223が形成されている。
【0113】
また、アース側端子部222は、上記の第1のアース端子金具1における第1の連結部8の当接片8a、8bにそれぞれ係合する当接片224、225を有している。当接片224、225は、第1ボルト用接続穴223の両側に配置されている。当接片224、225は、上記の第1のアース端子金具1における第1の連結部8の当接片8a、8bが向く方向と反対の方向に突出している。また、当接片224、225は、アース側端子部222の上面よりも高い位置に配置されている。当接片224、225は、前述の第1のアース端子金具1における第1のアース側端子部5の当接片8a、8bの上面に当接しながら係合することが可能である。また、第2の実施形態では、当接片8aおよび当接片225に凸部が設けられ、それらに当接する当接片224および当接片8bに当該凸部と嵌合可能な凹部が形成されているので、これら凸部と凹部を嵌合させることにより、第2のアース用端子金具2が第1のアース用端子金具1からより分離しにくくなっている。
【0114】
さらに、アース側端子部222の上面には、圧着部226が当該上面から上方へ突設されている。圧着部226は、当接片224の両側に配置されている。圧着部226は、第1のアース端子金具1における第1のアース側端子部5を当接片224、225へ向けて押圧し、当該第1のアース側端子部5の当接片8a、8bを当接片224、225へ圧着することが可能である。
【0115】
なお、第1の実施形態では、ジョイントコネクタ201の当接片224、225を第1のアース端子金具1の当接片8a、8bにより確実に圧着させるために、第1のアース端子金具1側の第1の圧着部9およびジョイントコネクタ201側の圧着部226が設けられているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1のアース端子金具1側の第1の圧着部9の大きさや配置を適宜選定すれば、当該第1の圧着部9のみ設けておき、ジョイントコネクタ201側の圧着部226を省略してもよい。または、ジョイントコネクタ201側の圧着部226を残して、第1の圧着部9を省略してもよい。
【0116】
また、アース側端子部222には、第1ボルト用接続穴223から離れた位置において、壁面に形成された穴に嵌合してジョイントコネクタ201のボルトB1回りの回転を規制するための回り止め用の舌片227が形成されている。
【0117】
(第2実施形態の特徴)
第2実施形態のアース接続装置200では、第1のアース端子金具1に接続される第2の接続器具としてジョイントコネクタ201を採用している。このジョイントコネクタ201の電線接続部221では、コネクタハウジング243の端子収容室245の内部において、複数のアース用電線231の各々の端末に装着される複数の電線用端子234をそれぞれ電線側端子部240に嵌合することが可能である。しかも、各電線側端子部240はアース側端子部222につながっており、当該アース側端子部222はコネクタハウジング243の外部に突出している。そのため、複数のアース用電線231の端末を複数のアース部位、すなわち、第1ボルトB1および第2ボルトB2に同時に接続することが可能である。しかも、各アース用電線231とアース部位である第1ボルトB1および第2ボルトB2との間の距離のばらつきを低く抑えることが可能であるので、アース部位を経由しないで隣接するアース用電線231の間で電流が流れる不具合が生じるおそれを低減することが可能である。
【0118】
[第3の実施形態]
第3実施形態では、上記の第1の実施形態のアース接続装置100のうち、第1のアース端子金具1の代わりに、
図21〜26に示されるような2つのアース部位、すなわち、第1ボルトB1および第2ボルトB2に同時に接続可能な2穴タイプのアース用ジョイントコネクタ301を採用し、アース用ジョイントコネクタ301に上記の第2のアース端子金具2および第3のアース端子金具3を接続してアース接続装置300を構成しても良い。
【0119】
すなわち、
図24〜26に示されるアース接続装置300は、2穴タイプのアース用ジョイントコネクタ301(以下、ジョイントコネクタ301という)と、第2のアース端子金具2と、第3のアース端子金具3とを備えており、当該ジョイントコネクタ301のアース側端子部305の上下両側に第1のアース端子金具2および第3のアース端子金具3が重ね合わされて配置された構造を有している。この第3実施形態のアース接続装置300では、ジョイントコネクタ301は本発明の第1のアース接続器具に対応し、第2のアース端子金具2は本発明の第2のアース接続器具に対応し、第3のアース端子金具3は本発明の第3のアース接続器具に対応している。
【0120】
複数のアース用電線331の集合体であるハーネス本体E10は、ジョイントコネクタ301の電線接続部304に接続されて1つのワイヤハーネスWHを構成している。ジョイントコネクタ301は、上記第1の実施形態の第1のアース端子金具1と同様に、車両の壁面などに固定された第1のアース部位である第1ボルトB1および第2のアース部位である第2ボルトB2の両方に接続することが可能である。そのため、ハーネス本体E10を構成する複数のアース用電線331は、アース接続装置300を介して第1ボルトB1および第2ボルトB2に一括して接続することが可能である。
【0121】
また、第2のアース用電線E2および第3のアース用電線E3は、上記第1の実施形態と同様に、アース接続装置300を介して、第1ボルトB1および第2ボルトB2に一括して接続される。
【0122】
つぎに、アース接続装置300のうちジョイントコネクタ301の構成について説明する。なお、第2のアース端子金具2および第3アース端子金具3は、上記第1実施形態のアース接続装置100における第2のアース端子金具2および第3アース端子金具3と共通しているので、説明を省略する。
【0123】
ジョイントコネクタ301は、
図21〜23に示されるように、主要な構成部品として、アース側端子部305を有するアース用導体250(
図19〜20参照)と、コネクタハウジング343と、コネクタハウジング343内部の電線用端子234(
図19〜20参照)とから構成されている。電線用端子234、アース用導体250の電線側端子部240(
図19〜20参照)、およびコネクタハウジング343は、本発明の電線接続部304を構成する。また、アース側端子部305は、本発明のアース側端子部に対応する。つまり、ジョイントコネクタ301は、機能的に見れば、電線接続部304およびアース側端子部305を備えていることになる。
【0124】
第3実施形態のジョイントコネクタ301において、第2実施形態と同様に、電線側端子部240、アース側端子部305、段差部342、および連結部241が一体に結合することにより、1つのアース用導体250を構成している。
【0125】
電線接続部304には、
図24に示されるように、複数本(図例では12本)のアース用電線331からなるワイヤハーネス本体E10が接続されている。ワイヤハーネス本体E10とジョイントコネクタ301とが結合することによって、ワイヤハーネスWHが構成される。
【0126】
電線接続部304は、上記第2実施形態の電線接続部221と共通の構成を有しており、具体的には、コネクタハウジング343と、当該コネクタハウジング343の内部に収容された複数の電線用端子234、電線側端子部240ならびに連結部241(
図19参照)と、当該コネクタハウジング343の外部に突出する段差部342とを備えている。電線接続部304は、ワイヤハーネス本体E10を構成する複数のアース用電線331をアース側端子部305に一括して接続することが可能である。
【0127】
また、この電線接続部304においても、上記の第2実施形態の電線接続部221と同様に、段差部342によってコネクタハウジング343内部の電線側端子部240(
図19参照)とアース側端子部305との間に段差が与えられることにより、
図24および
図26に示されるように、コネクタハウジング343を第2のアース端子金具2の第2の電線側端子部21および第3のアース端子金具3の第3の電線側端子部31から離間した位置に配置することが可能になり、ハーネス本体E10とアース用電線E2、E3と干渉するおそれを低減することが可能である。
【0128】
アース側端子部305は、
図22に示されるように、上記の第1の実施形態における第1のアース側端子部5と共通の構成を有しており、段差部305aを有する平板形状を呈しており、第1ボルトB1およびそれに第2ボルトB2のそれぞれが螺合される車両の壁面に形成されたボルト穴を覆うことが可能な大きさを有している。アース側端子部305には、第1ボルトB1および第2ボルトB2のそれぞれが螺合されるボルト穴の配置に対応する位置にそれぞれ、第1ボルトB1に接続可能な接続部分である第1ボルト用接続穴306および第2ボルトB2に接続可能な接続部分である第2ボルト用接続穴307が形成されている。第1ボルト用接続穴306と第2ボルト用接続穴307は、第1ボルトB1および第2ボルトB2に同時に接続可能となるような相対的な位置関係にある。
【0129】
段差部305aは、第1ボルト用接続穴306と第2ボルト用接続穴307との間に形成されている。アース側端子部305のうち第1ボルト用接続穴306が形成されている第1部分305bは、第2ボルト用接続穴307が形成されている第2部分305cよりも高くなっており、第1部分305bと第2部分305cとの間は段差部305aによって連結されている。
【0130】
アース側端子部305は、段差部305aを有することにより、
図24〜25に示されるように、第1部分305bの下側に第2のアース端子金具2における第2のアース側端子部22が配置され、第2部分305cの上側に第3のアース端子金具3における第3のアース側端子部32が配置されることが可能になっている。第1部分305bと第2部分305cとの高低差は、第2のアース側端子部22の厚さ程度に設定されている。
【0131】
また、アース側端子部305は、その第1部分305bにおいて、第2のアース端子金具2と連結する第1の連結部308と、当該アース端子金具2を第1の連結部308に圧着させる第1の圧着部309とを有している。
【0132】
第1の連結部308は、当該アース側端子部305の第1ボルト用接続穴306と第2のアース端子金具2における第2のアース側端子部22の第1ボルト用接続穴23とを第1ボルトB1に同時に接続可能となるように連通させた状態で、第2のアース側端子部22と連結する。
【0133】
具体的には、第1の連結部308は、
図22に示されるように、当接片308aと、当接片308bとを有している。当接片308a、308bは、第1ボルト用接続穴306の両側(2つの接続穴306、307が並ぶ方向の両側)に配置されている。当接片308a、308bは、水平方向であって段差部305aから離れる方向に向けて突出している。また、当接片308a、308bは、アース側端子部305の第1部分305bの下面よりも低い位置に配置されている。当接片308a、308bは、第2のアース端子金具2における第2のアース側端子部22の当接片24、25(
図7〜9参照)と係合することが可能である。
【0134】
第1の圧着部309は、アース側端子部305の第1部分305bの下面から、下方へ突出する部分である。第1の圧着部309は、当接片308bの両側(2つの接続穴306、307が並ぶ方向に直交する方向の両側)に配置されている。第1の圧着部309は、第2のアース端子金具2における第2のアース側端子部22を第1の連結部308の当接片308a、308bへ向けて押圧し、当該第2のアース側端子部22の当接片24、25を当該第1の連結部308の当接片308a、308bへ圧着することが可能である。
【0135】
さらに、アース側端子部305は、その第2部分305cにおいて、第3のアース端子金具3と連結する第2の連結部310と、当該アース端子金具3を第2の連結部310に圧着させる第2の圧着部311とを有している。
【0136】
第2の連結部310は、当該アース側端子部305の第2ボルト用接続穴307と第3のアース端子金具3における第3のアース側端子部32の第2ボルト用接続穴33とを第2ボルトB2に同時に接続可能となるように連通させた状態で、第3のアース側端子部32と連結する。
【0137】
具体的には、第2の連結部310は、
図22に示されるように、当接片310aと、当接片310bとを有している。当接片310a、310bは、第2ボルト用接続穴307の両側(2つの接続穴306、307が並ぶ方向の両側)に配置されている。当接片310a、310bは、水平方向であって段差部305aから離れる方向(具体的には、上記の当接片308a、308bの向く方向と反対の方向)に向けて突出している。また、当接片310a、310bは、アース側端子部305の第2部分305cの上面よりも高い位置に配置されている。当接片310a、310bは、第3のアース端子金具3における第3のアース側端子部32の当接片34、35(
図7〜9参照)と係合することが可能である。
【0138】
第2の圧着部311は、アース側端子部305の第2部分305cの上面から、上方へ突出する部分である。第2の圧着部311は、当接片310bの両側(2つの接続穴306、307が並ぶ方向に直交する方向の両側)に配置されている。第2の圧着部311は、第3のアース端子金具3における第3のアース側端子部32を第2の連結部310の当接片310a、310bへ向けて押圧し、当該第3のアース側端子部32の当接片34、35を当該第2の連結部310の当接片310a、310bへ圧着することが可能である。
【0139】
また、アース側端子部305の第2部分305cには、第2ボルト用接続穴307から離れた位置において、壁面に形成された穴に嵌合してジョイントコネクタ301のボルトB1、B2回りの回転を規制するための回り止め用の舌片312が形成されている。
【0140】
(第3実施形態の特徴)
(1)
第3の実施形態のジョイントコネクタ301では、アース側端子部305には、第1ボルトB1および第2ボルトB2に接続できるように、第1ボルトB1に接続可能な第1ボルト用接続穴306および第2ボルトB2に接続可能な第2ボルト用接続穴307が形成され、第1ボルト用接続穴306および第2ボルト用接続穴307が複数のアース部位である第1ボルトB1および第2ボルトB2に同時に接続可能となるような相対的な位置関係にあるので、第1ボルトB1および第2ボルトB2の少なくとも一方のアース部位の接続が十分であれば、アース接続が達成される。したがって、単一のアース部位のみに単一のアース接続部分を接続する従来のアース端子(とくに従来のアース用ジョイントコネクタ)と比べ、アース接続の信頼性を高めることが可能である。
【0141】
(2)
第3実施形態のアース接続装置300では、第1のアース端子金具1の代わりに第1の接続器具としてジョイントコネクタ301を採用している。このジョイントコネクタ301の電線接続部304では、上記第2実施形態の電線接続部221(
図19参照)と同様に、コネクタハウジング343の端子収容室245(
図19参照)の内部において、複数のアース用電線331の各々の端末に装着される複数の電線用端子234(
図19参照)をそれぞれ電線側端子部240(
図19参照)に嵌合することが可能である。しかも、各電線側端子部240はアース側端子部305につながっており、当該アース側端子部305はコネクタハウジング243の外部に突出している。そのため、複数のアース用電線331の端末を複数のアース部位、すなわち、第1ボルトB1および第3ボルトB2に同時に接続することが可能である。しかも、各アース用電線331とアース部位である第1ボルトB1および第3ボルトB2との間の距離のばらつきを低く抑えることが可能であるので、アース部位を経由しないで隣接するアース用電線331の間で電流が流れる不具合が生じるおそれを低減することが可能である。
【0142】
[第4の実施形態]
また、本発明のさらに他の実施形態として、上記の第2実施形態における1つのアース部位に接続可能な1穴タイプのアース用ジョイントコネクタと第3実施形態における2つのアース部位に同時に接続可能な2穴タイプのジョイントコネクタを組み合わせて
図27〜29に示されるような3つのジョイントコネクタが合体したアース接続装置400を構成してもよい。
【0143】
このアース接続装置400は、2つのアース部位に接続可能な第1のジョイントコネクタ401と、1つのアース部位に接続可能な第2のジョイントコネクタ402および第3のジョイントコネクタ403とを備えている。当該第1のジョイントコネクタ401の第1のアース側端子部412の上下両側に第2のジョイントコネクタ402の第2のアース側端子部422および第3ジョイントコネクタ403の第3のアース側端子部432が重ね合わされて配置された構造を有している。
【0144】
この第4実施形態のアース接続装置400では、第1のジョイントコネクタ401は本発明の第1のアース接続器具に対応し、第2のジョイントコネクタ402は本発明の第2のアース接続器具に対応し、第3のジョイントコネクタ403は本発明の第3のアース接続器具に対応している。
【0145】
第1のジョイントコネクタ401は、上記の第3の実施形態のジョイントコネクタ301(
図21〜23参照)と同一の構成を有し、第1の電線接続部411と、第1のアース側端子部412とを備えている。第1のアース側端子部412は、第1ボルトB1に接続可能な第1ボルト用接続穴406および第2の第2ボルトB2に接続可能な第2ボルト用接続穴407を有する。
【0146】
第2のジョイントコネクタ402は、上記の第2の実施形態のジョイントコネクタ201(
図14〜20参照)と同一の構成を有し、第2の電線接続部421と、第2のアース側端子部422とを備えている。第2のアース側端子部422は、第1ボルトB1に接続可能な第1ボルト用接続穴423を有する。第2のアース側端子部422は、上記の第2実施形態のアース側端子部222と同様に、2つの第1ボルト用接続穴406、423が重なるように第1のアース側端子部412の下側に連結されている。第1ボルト用接続穴406、423には、第1ボルトB1が挿入することが可能である。
【0147】
第3のジョイントコネクタ403は、上記の第2の実施形態のジョイントコネクタ201(
図14〜20参照)とほぼ同一の構成を有しているが、アース側端子部432の向きが反対向きである点で異なっている。第3のジョイントコネクタ403は、第3の電線接続部431と、第3のアース側端子部432とを備えている。第3のアース側端子部432は、第2ボルトB2に接続可能な第2ボルト用接続穴433を有する。第3のアース側端子部432は、上記の第1〜3実施形態の第3のアース端子金具3の第3のアース側端子部32と同様に、2つの第2ボルト用接続穴407、433が重なるように第1のアース側端子部412の上側に連結されている。第2ボルト用接続穴407、433には、第2ボルトB2が挿入することが可能である。
【0148】
第1のジョイントコネクタ401の電線側接続部411には、複数のアース用電線451の集合体であるハーネス本体E41が接続されて1つのワイヤハーネスを構成している。同様に、第2のジョイントコネクタ402の電線側接続部421には、複数のアース用電線452の集合体であるハーネス本体E42が接続され、第3のジョイントコネクタ403の電線側接続部431には、複数のアース用電線453の集合体であるハーネス本体E43が接続されることにより、それぞれワイヤハーネスを構成している。
【0149】
第1のジョイントコネクタ401は、上記第3の実施形態のジョイントコネクタ301と同様に、車両の壁面などに固定された第1のアース部位である第1ボルトB1および第2のアース部位である第2ボルトB2の両方に接続することが可能であり、ハーネス本体E41を構成する複数のアース用電線451を、アース接続装置400を介して第1ボルトB1および第2ボルトB2に一括して接続することが可能である。
【0150】
第2のジョイントコネクタ402は、ハーネス本体E42の各アース用配線452を第1ボルトB1に接続するとともに、第1のジョイントコネクタ401のアース側端子部412を介して第2ボルトB2に接続している。同様に、第3のジョイントコネクタ403は、ハーネス本体E43の各アース用配線453を第2ボルトB2に接続するとともに、第1のジョイントコネクタ401のアース側端子部412を介して第1ボルトB1に接続している。
【0151】
また、第1の電線接続部411の段差部442の長さは、第2の電線接続部421の段差部443および第3の電線接続部431の段差部444のそれぞれの長さよりも長くなるように設定されている。これにより、
図27および
図29に示されるように、第1の電線接続部411のコネクタハウジング445の位置を、第2の電線接続部421のコネクタハウジング446および第3の電線接続部431のコネクタハウジング447から離間した位置に配置することが可能になる。そのため、アース接続装置400の中央に位置するハーネス本体E41を両側のハーネス本体E42およびE43と干渉するおそれを低減することが可能である。
【0152】
(第4実施形態の特徴)
(1)
第4実施形態のアース接続装置400は、2つのアース部位に接続可能な第1のジョイントコネクタ401およびその両側に接続される第2および第3のジョイントコネクタ402、403を組み合わせて構成されているので、各コネクタハウジング445〜447の端子収容室245(
図19参照)の内部において、複数のアース用電線451〜453の各々の端末に装着される複数の電線用端子234(
図19参照)をそれぞれ電線側端子部240(
図19参照)に嵌合することが可能である。しかも、各電線側端子部240はアース側端子部412、422、432にそれぞれつながっており、当該アース側端子部412、422、432はそれぞれコネクタハウジング445〜447の外部に突出している。そのため、複数のアース用電線451〜453の端末を複数のアース部位、すなわち、第1ボルトB1および第3ボルトB2に同時に接続することが可能である。しかも、各アース用電線451〜453とアース部位である第1ボルトB1および第3ボルトB2との間の距離のばらつきを低く抑えることが可能であるので、アース部位を経由しないで隣接するアース用電線451〜453の間で電流が流れる不具合が生じるおそれを低減することが可能である。
【0153】
(2)
また、第4の実施形態のアース接続装置400は、3個のジョイントコネクタ401〜403によって構成されているので、限られた設置スペースの範囲内で非常に多くの本数のアース用電線451〜453を複数のアース部位である第1ボルトB1および第2ボルトB2に同時に接続することが可能になる。