特許第5761024号(P5761024)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5761024置換ビピリジル基を有する二核ルテニウム錯体色素を有する光電変換素子、及び光化学電池
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5761024
(24)【登録日】2015年6月19日
(45)【発行日】2015年8月12日
(54)【発明の名称】置換ビピリジル基を有する二核ルテニウム錯体色素を有する光電変換素子、及び光化学電池
(51)【国際特許分類】
   C09B 57/10 20060101AFI20150723BHJP
   H01M 14/00 20060101ALI20150723BHJP
   H01L 31/04 20140101ALI20150723BHJP
   C07D 213/79 20060101ALI20150723BHJP
   C07D 213/22 20060101ALI20150723BHJP
   C07D 235/20 20060101ALI20150723BHJP
   C07F 15/00 20060101ALN20150723BHJP
【FI】
   C09B57/10CSP
   H01M14/00 P
   H01L31/04
   C07D213/79
   C07D213/22
   C07D235/20
   !C07F15/00 A
【請求項の数】11
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2011-537231(P2011-537231)
(86)(22)【出願日】2010年10月15日
(86)【国際出願番号】JP2010068204
(87)【国際公開番号】WO2011049027
(87)【国際公開日】20110428
【審査請求日】2013年8月14日
(31)【優先権主張番号】特願2009-241793(P2009-241793)
(32)【優先日】2009年10月20日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000000206
【氏名又は名称】宇部興産株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106297
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 克博
(74)【代理人】
【識別番号】100129610
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 暁子
(72)【発明者】
【氏名】垣田 一成
(72)【発明者】
【氏名】岩佐 貴文
(72)【発明者】
【氏名】角田 剛久
【審査官】 上村 直子
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2006/038587(WO,A1)
【文献】 国際公開第2005/100484(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09B 57/10
C07F 15/00
CAplus(STN)
REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)
【化1】
(式中、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、直鎖又は分枝状の炭素原子数1〜30のアルキル基を示す。但し、R及びRの少なくとも一方は、直鎖又は分枝状の炭素原子数10〜30のアルキル基を示し、R及びRの少なくとも一方は、直鎖又は分枝状の炭素原子数10〜30のアルキル基を示す。Xは、対イオンを示し、nは、錯体の電荷を中和するのに必要な対イオンの数を示す。但し、1又は複数のカルボキシル基(−COOH)のプロトン(H)は解離していても良い。)
で示される置換ビピリジル基を有する二核ルテニウム錯体色素。
【請求項2】
一般式(1)において、R、R、R及びRは、直鎖又は分枝状の炭素原子数10〜30のアルキル基を示すことを特徴とする請求項1記載の二核ルテニウム錯体色素。
【請求項3】
請求項1記載の二核ルテニウム錯体色素と半導体微粒子を含むことを特徴とする光電変換素子。
【請求項4】
前記半導体微粒子が、酸化チタン、酸化亜鉛及び酸化スズからなる群より選ばれる少なくとも1種の半導体微粒子であることを特徴とする請求項3記載の光電変換素子。
【請求項5】
請求項3記載の光電変換素子を備えることを特徴とする光化学電池。
【請求項6】
電極として請求項3記載の光電変換素子と対極とを有し、その間に電解質層を有することを特徴とする光化学電池。
【請求項7】
請求項1記載の二核ルテニウム錯体色素を含む溶液に半導体微粒子を浸漬する工程を有することを特徴とする光電変換素子の製造方法。
【請求項8】
導電性支持体上に、半導体微粒子を含む半導体層を形成する工程と、この半導体層を、請求項1記載の二核ルテニウム錯体色素を含む溶液に浸漬する工程とを有することを特徴とする光電変換素子の製造方法。
【請求項9】
一般式(2)
【化2】
(式中、、R、R及びRは、それぞれ独立に、直鎖又は分枝状の炭素原子数1〜30のアルキル基を示す。但し、R及びRの少なくとも一方は、直鎖又は分枝状の炭素原子数10〜30のアルキル基を示し、R及びRの少なくとも一方は、直鎖又は分枝状の炭素原子数10〜30のアルキル基を示す。Xは、対イオンを示し、nは、錯体の電荷を中和するのに必要な対イオンの数を示す。
で示される単核ルテニウム錯体前駆体。
【請求項10】
一般式(3)
【化3】
(式中、、R、R及びRは、それぞれ独立に、直鎖又は分枝状の炭素原子数1〜30のアルキル基を示す。但し、R及びRの少なくとも一方は、直鎖又は分枝状の炭素原子数10〜30のアルキル基を示し、R及びRの少なくとも一方は、直鎖又は分枝状の炭素原子数10〜30のアルキル基を示す。
で示される単核ルテニウム錯体。
【請求項11】
一般式(4)
【化4】
(式中、、R、R及びRは、それぞれ独立に、直鎖又は分枝状の炭素原子数1〜30のアルキル基を示す。但し、R及びRの少なくとも一方は、直鎖又は分枝状の炭素原子数10〜30のアルキル基を示し、R及びRの少なくとも一方は、直鎖又は分枝状の炭素原子数10〜30のアルキル基を示す。Xは、対イオンを示し、nは、錯体の電荷を中和するのに必要な対イオンの数を示す。
で示される単核ルテニウム錯体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、置換ビピリジル基を有する二核ルテニウム錯体色素を有する光電変換素子、及びそれを用いた光化学電池に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池はクリーンな再生型エネルギー源として大きく期待されており、単結晶シリコン系、多結晶シリコン系、アモルファスシリコン系の太陽電池や、テルル化カドミウム、セレン化インジウム銅などの化合物からなる太陽電池の実用化をめざした研究がなされている。しかし、家庭用電源として普及させるためには、いずれの電池も製造コストが高いこと、原材料の確保が困難なこと、リサイクルの問題、また大面積化が困難であるなど克服しなければならない多くの問題を抱えている。そこで、大面積化や低価格化を目指し有機材料を用いた太陽電池が提案されてきたが、いずれも変換効率が1%程度と実用化にはほど遠いものであった。
【0003】
こうした状況の中、1991年にグレッツェルらにより、色素によって増感された半導体微粒子を用いた光電変換素子および太陽電池、ならびにこの太陽電池の作製に必要な材料および製造技術が開示された(例えば、非特許文献1、特許文献1参照)。この電池は、ルテニウム色素によって増感された多孔質チタニア薄膜を作用電極とする湿式太陽電池である。この太陽電池の利点は、安価な材料を高純度に精製する必要がなく用いられるため、安価な光電変換素子として提供できること、さらに用いられる色素の吸収がブロードであり、広い可視光の波長域にわたって太陽光を電気に変換できることである。しかしながら、実用化のためには変換効率の更なる向上が必要であり、より高い吸光係数を有し、より長波長域まで光を吸収する色素の開発が望まれている。
【0004】
又、特許文献2には、光電変換素子として有用な金属錯体色素であるジピリジル配位子含有金属単核錯体が開示されており、非特許文献2には、多核β−ジケトナート錯体色素が開示されている。
【0005】
一方、特許文献3には、光などの活性光線のエネルギーを受けて電子を取り出す光電変換機能の優れた新規な複核錯体として、複数の金属と複数の配位子を有し、その複数の金属に配位する橋かけ配位子(BL)が複素共役環を有する配位構造と複素共役環を有しない配位構造を有する複核錯体が開示されている。
【0006】
更に、特許文献4には、高い光電変換効率を有する光電変換素子が得られる金属錯体色素として、複素共役環を有する配位構造を有する二核金属錯体が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平1−220380号公報
【特許文献2】特開2003−261536号公報
【特許文献3】特開2004−359677号公報
【特許文献4】国際公開第2006/038587号パンフレット
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Nature、第353巻、737頁、1991年
【非特許文献2】色素増感太陽電池の最新技術(株式会社シーエムシー、2001年5月25日発行、117頁)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、高い光電変換効率を有する光電変換素子、及び光化学電池、そのための金属錯体色素を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は以下の事項に関する。
【0011】
1. 一般式(1)
【0012】
【化1】
(式中、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、直鎖又は分枝状の炭素原子数1〜30のアルキル基を示す。但し、R及びRの少なくとも一方は、直鎖又は分枝状の炭素原子数10〜30のアルキル基を示し、R及びRの少なくとも一方は、直鎖又は分枝状の炭素原子数10〜30のアルキル基を示す。Xは、対イオンを示し、nは、錯体の電荷を中和するのに必要な対イオンの数を示す。但し、1又は複数のカルボキシル基(−COOH)のプロトン(H)は解離していても良い。)
で示される置換ビピリジル基を有する二核ルテニウム錯体色素。
【0013】
2. 前記一般式(1)で示される二核ルテニウム錯体色素と半導体微粒子を含むことを特徴とする光電変換素子。
【0014】
3. 前記2記載の光電変換素子を備えることを特徴とする光化学電池。
【0015】
4. 電極として前記2記載の光電変換素子と対極とを有し、その間に電解質層を有することを特徴とする光化学電池。
【0016】
5. 前記一般式(1)で示される二核ルテニウム錯体色素を含む溶液に半導体微粒子を浸漬する工程を有することを特徴とする光電変換素子の製造方法。
【0017】
6. 導電性支持体上に、半導体微粒子を含む半導体層を形成する工程と、この半導体層を、前記一般式(1)で示される二核ルテニウム錯体色素を含む溶液に浸漬する工程とを有することを特徴とする光電変換素子の製造方法。
【発明の効果】
【0018】
本発明により、高い光電変換効率を有する光電変換素子、及び光化学電池を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の置換ビピリジル基を有する二核ルテニウム錯体色素は前記の一般式(1)で示される。その一般式(1)において、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、直鎖又は分枝状の炭素原子数1〜30のアルキル基を示す。但し、R及びRの少なくとも一方と、R及びRの少なくとも一方は、直鎖又は分枝状の炭素原子数10〜30のアルキル基を示し、例えば、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基等であるが、好ましくは炭素原子数12〜18のアルキル基、更に好ましくは炭素原子数12〜15のアルキル基、特に好ましくはn−ドデシル基である。なお、これらの基は各種異性体を含む。
【0020】
、R、R及びRが同一である二核ルテニウム錯体色素は比較的容易に合成でき、好ましいものであるが、R、R、R及びRは異なっていてもよい。その場合、R及びRと、R及びRは、一方が直鎖又は分枝状の炭素原子数10〜30、好ましくは12〜18のアルキル基であり、もう一方が直鎖又は分枝状の炭素原子数1〜9のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基であってもよい。なお、これらの基も各種異性体を含む。
【0021】
又、Xは、対イオンを示すが、例えば、ヘキサフルオロリン酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフェニルホウ酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、チオシアン酸イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、ハロゲン化物イオン等が挙げられるが、好ましくはヘキサフルオロリン酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、硝酸イオン、ハロゲン化物イオンであり、更に好ましくはヘキサフルオロリン酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、硝酸イオン、ヨウ化物イオンである。nは錯体の電荷を中和するのに必要な対イオンの数を示す。
【0022】
本発明の置換ビピリジル基を有する二核ルテニウム錯体色素は、WO2006/038587等を参考にして、例えば、以下の式に示すように、異なる単核ルテニウム錯体同士を反応させることによって得られる。
【0023】
【化2】
(式中、Rは直鎖又は分枝状の炭素原子数10〜30のアルキル基を示し、Xは対イオンである1価のアニオンを示し、Yはハロゲン原子、Zは中性の配位子、例えば、水、アセトン、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、アセト二トリルなどを示す。)
【0024】
なお、対イオン(X)は1価のアニオンに限られないが、他のものも同様にして合成することができる。また、R、R、R及びRが同一ではない二核ルテニウム錯体色素も同様にして合成することができる。
【0025】
なお、片方の単核ルテニウム錯体は、一旦、単核ルテニウム錯体前駆体を経由して合成されるが、その合成中間体である、一般式(2)
【0026】
【化3】
(式中、R、R、R、R、X及びnは、前記と同義である。)
で示される単核ルテニウム錯体前駆体、及び一般式(3)
【0027】
【化4】
(式中、R、R、R及びRは、前記と同義である。)
で示される単核ルテニウム錯体は新規化合物である。
【0028】
なお、一般式(3)で示される単核ルテニウム錯体は、一般式(4)のように一つNHプロトンを有していてもよい。
【0029】
【化5】
(式中、R、R、R、R、X及びnは、前記と同義である。)
【0030】
なお、本発明の置換ビピリジル基を有する二核ルテニウム錯体色素は、1又は複数のカルボキシル基(−COOH)のプロトン(H)が解離していても良い。プロトン(H)の解離は、主として溶液のpHを調整することによってなされる。
【0031】
本発明の光電変換素子は、前記二核ルテニウム錯体色素と半導体微粒子とを含むものである。前記二核ルテニウム錯体色素は半導体微粒子表面に吸着されており、半導体微粒子はこのルテニウム錯体色素により増感されている。
【0032】
より具体的には、本発明の光電変換素子は、上記のルテニウム錯体色素により増感された半導体微粒子を導電性支持体(電極)上に固定したものである。
【0033】
導電性電極は、透明基板上に形成された透明電極であることが好ましい。導電剤としては、例えば、金、銀、銅、白金、パラジウム等の金属、スズをドープした酸化インジウム(ITO)に代表される酸化インジウム系化合物、フッ素をドープした酸化錫(FTO)に代表される酸化スズ系化合物、酸化亜鉛系化合物等が挙げられる。
【0034】
半導体微粒子としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ等が挙げられる。又、酸化インジウム、酸化ニオブ、酸化タングステン、酸化バナジウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸バリウム、ニオブ酸カリウムなどの複合酸化物半導体、カドミウム又はビスマスの硫化物、カドミウムのセレン化物又はテルル化物、ガリウムのリン化物又はヒ素化物等も挙げられる。半導体微粒子としては、酸化物が好ましく、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、又はこれらのいずれか1種以上を含む混合物が特に好ましい。
【0035】
半導体微粒子の一次粒子径は特に限定されないが、通常、1〜5000nm、好ましくは2〜500nm、特に好ましくは5〜400nmである。
【0036】
半導体微粒子に二核ルテニウム錯体色素を吸着させる方法としては、導電性支持体上に半導体微粒子を含む半導体層(半導体微粒子膜)を形成した後、これを二核ルテニウム錯体色素を含む溶液に浸漬する方法が挙げられる。半導体層は、導電性支持体上に半導体微粒子のペーストを塗布し、加熱焼成して形成することができる。そして、色素溶液に浸漬後、この半導体層が形成された導電性支持体を洗浄、乾燥する。
【0037】
色素溶液の溶媒としては、例えば、水;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、t−ブチルアルコール、エチレングリコール等のアルコール類;アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類;N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;N−メチルピロリドン等の尿素類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類が挙げられるが、好ましくは水、アルコール類、ニトリル類、更に好ましくは水、エタノール、イソプロピルアルコール、t−ブタノール、アセトニトリルが用いられる。なお、これらの溶媒は単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。
【0038】
溶液中の色素の濃度は、好ましくは0.001mmol/l〜本発明の各々の錯体色素の飽和濃度、更に好ましくは0.001〜100mmol/l、特に好ましくは0.01〜10mmol/l、より好ましくは0.05〜1.0mmol/lである。
【0039】
又、色素溶液には、例えば、コール酸、デオキシコール酸、ケノデオキシコール酸等のステロイド骨格を有する化合物を添加しても良い。
【0040】
色素を吸着させる際の温度は、通常、0〜80℃とすれば良く、好ましくは20〜40℃である。色素を吸着させる時間(色素溶液に浸漬する時間)は、二核ルテニウム錯体色素の種類、濃度等の条件に応じて適宜決定することができる。
【0041】
本発明の光化学電池は、上記のような本発明の光電変換素子を用いたものである。より具体的には、電極として上記の本発明の光電変換素子と対極とを有し、その間に電解質層を有するものである。本発明の光電変換素子を用いた電極と対極の少なくとも片方は透明電極である。
【0042】
対極は光電変換素子と組み合わせて光化学電池としたときに正極として作用するものである。対極としては、上記導電性電極と同様に導電層を有する基板を用いることもできるが、金属板そのものを使用すれば、基板は必ずしも必要ではない。対極に用いる導電剤としては、白金や炭素等の金属、フッ素をドープした酸化スズ等の導電性金属酸化物が挙げられる。
【0043】
電解質(酸化還元対)としては特に限定されず、公知のものをいずれも用いることができる。例えば、ヨウ素とヨウ化物(例えば、ヨウ化リチウム、ヨウ化カリウム等の金属ヨウ化物、またはヨウ化テトラブチルアンモニウム、ヨウ化テトラプロピルアンモニウム、ヨウ化ピリジニウム、ヨウ化イミダゾリウム等の4級アンモニウム化合物のヨウ化物)の組み合わせ、臭素と臭化物の組み合わせ、塩素と塩化物の組み合わせ、アルキルビオローゲンとその還元体の組み合わせ、キノン/ハイドロキノン、鉄(II)イオン/鉄(III)イオン、銅(I)イオン/銅(II)イオン、マンガン(II)イオン/マンガン(III)イオン、コバルトイオン(II)/コバルトイオン(III)等の遷移金属イオン対、フェロシアン/フェリシアン、四塩化コバルト(II)/四塩化コバルト(III)、四臭化コバルト(II)/四臭化コバルト(III)、六塩化イリジウム(II)/六塩化イリジウム(III)、六シアノ化ルテニウム(II)/六シアノ化ルテニウム(III)、六塩化ロジウム(II)/六塩化ロジウム(III)、六塩化レニウム(III)/六塩化レニウム(IV)、六塩化レニウム(IV)/六塩化レニウム(V)、六塩化オスミウム(III)/六塩化オスミウム(IV)、六塩化オスミウム(IV)/六塩化オスミウム(V)等の錯イオンの組み合わせ、コバルト、鉄、ルテニウム、マンガン、ニッケル、レニウムといった遷移金属とビピリジンやその誘導体、ターピリジンやその誘導体、フェナントロリンやその誘導体といった複素共役環及びその誘導体で形成されているような錯体類、フェロセン/フェロセニウムイオン、コバルトセン/コバルトセニウムイオン、ルテノセン/ルテノセウムイオンといったシクロペンタジエン及びその誘導体と金属の錯体類、ポルフィリン系化合物類等が使用できる。好ましい電解質は、ヨウ素とヨウ化リチウムや4級アンモニウム化合物のヨウ化物とを組み合わせた電解質である。電解質の状態は、有機溶媒に溶解した液体であっても、溶融塩、ポリマーマトリックスに含浸漬したいわゆるゲル電解質や、固体電解質であっても良い。
【0044】
電解液の溶媒としては、例えば、水、アルコール類、ニトリル類、鎖状エーテル類、環状エーテル類、鎖状エステル類、環状エステル類、鎖状アミド類、環状アミド類、鎖状スルホン類、環状スルホン類、鎖状尿素類、環状尿素類、アミン類等が使用される。なお、前記溶媒は、これらに限定されるものではなく、単独又は2種類以上を混合して用いることができる。
【0045】
本発明の光化学電池は、従来から適用されている方法によって製造することができる。
【0046】
例えば、前述のように、透明電極上に酸化物等の半導体微粒子のペーストを塗布し、加熱焼成して半導体微粒子の薄膜を作製する。半導体微粒子の薄膜がチタニアの場合、例えば温度450〜500℃、加熱時間30分で焼成する。この薄膜の付いた透明電極を色素溶液(本発明の二核ルテニウム錯体色素を含む溶液)に浸漬し、色素を担持して光電変換素子を作製する。更に、この光電変換素子と対極として白金又は炭素を蒸着した透明電極を合わせ、その間に電解質溶液を入れることにより本発明の光化学電池を製造することができる。
【実施例】
【0047】
本発明を以下の実施例により更に詳細に説明するが、本発明の範囲はそれらに限定されるものではない。なお、実施例中の略称は以下の通りである。
【0048】
Etcbpy;2,2’−ビピリジン−4,4’−ジカルボン酸ジエチルエステル
dcbpy;2,2’−ビピリジン−4,4’−ジカルボン酸
OTf:トリフルオロメタンスルホン酸イオン
bpy;2,2’−ビピリジン
ddbpy;4,4’−ジドデシル−2,2’−ビピリジン
cod;1,5−シクロオクタジエン
BiBzImH;2,2'−ビベンズイミダゾール
dtbpy;4,4’−ジ−t−ブチル−2,2’−ビピリジン
dnbpy;4,4’−ジノニル−2,2’−ビピリジン
dmbpy;4,4’−ジメチル−2,2’−ビピリジン
mdbpy;4,4’−ドデシルメチル−2,2’−ビピリジン
【0049】
実施例1A−1(単核ルテニウム錯体(M−1);[Ru(Etcbpy)(HO)](OTf)の合成)
窒素雰囲気下、500mLの三口フラスコに、市販のHdcbpy(5.44g,22.3mmol)、濃硫酸(10mL)及びエタノール130mLを加え、一晩還流した。放冷後、中和し、析出物を濾過し、熱水で洗浄した。析出物をエタノール/水(95:5)で再結晶を行い、析出物を濾過し、Etcbpy4.92gを得た。
【0050】
次に、アルゴン雰囲気下、1000mLの三口フラスコに、市販の塩化ルテニウム(1.18g,4.51mmol)、Etcbpy(2.64g,8.79mmol)及びエタノール500mLを加え、7時間還流した。放冷後、析出物を濾過し、[Ru(Etcbpy)Cl]1.64gを得た。また、濾液を減圧濃縮し、2mol/l塩酸300mLを加え、5分間室温で攪拌後、不溶物を濾過し、水で洗浄した。そして、この不溶物をエタノール/ジクロロメタン(10:3)で再結晶を行い、1.34gの[Ru(Etcbpy)Cl]を得て、計2.98gの[Ru(Etcbpy)Cl]を得た。
【0051】
続いて、200mLの三口フラスコに[Ru(Etcbpy)Cl](1.37g,1.77mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸銀(1.09g,4.25mmol)及びジクロロメタン140mLを加え、室温で1時間攪拌した。一晩静置した後、析出物を濾別し、濾液を濃縮後、ジエチルエーテル中にて5分間室温で攪拌した後、不溶物を濾過し、単核ルテニウム錯体(M−1)[Ru(Etcbpy)(HO)](OTf)1.62gを得た。
【0052】
実施例1A−2(単核ルテニウム錯体(M−2)[(BiBzIm)Ru(ddbpy)]〔R、R、R、R=n−ドデシル基である式(3)の錯体〕の合成)
アルゴン雰囲気下、100mLの三口フラスコにddbpy(0.8930g,1.812mmol)、[Ru(cod)Cl(0.250g,0.888mmol)及びN,N−ジメチルホルムアミド93mLを加え、脱気した後、2.45GHzのマイクロ波照射下にて攪拌しながら44分間還流させた。放冷後、減圧濃縮し、40mLの水に懸濁させ、吸引濾過によって回収し、水で洗浄し、[Ru(ddbpy)Cl]0.857gを得た。
【0053】
次に、アルゴン雰囲気下、20mLの三口フラスコにRu(ddbpy)Cl(0.857g,0.740mmol)、BiBzImH(0.191g,0.814mmol)及びエチレングリコール30mLを加え、2.45GHzのマイクロ波照射下にて攪拌しながら26分間還流させた。放冷後、エタノール65mL、水20mL、及び、8mLの水に溶解したヘキサフルオロリン酸アンモニウム(0.482g,2.957mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。その後、析出物を濾取し、水で洗浄し、[(BiBzImH)Ru(ddbpy)](PF0.988gを得た。
【0054】
続いて、アルゴン雰囲気下、20mLシュレンクに[(BiBzImH)Ru(ddbpy)](PF(0.959g,0.595mmol)、メタノール6.8mL、及び10%リチウムメトキシドメタノール溶液2.26mL(5.951mmol)を加え、脱気した後、1時間還流させた。放冷後、吸引濾過によって残渣を回収し、0.64mol/L(反応溶液と同じ濃度)リチウムメトキシドメタノール溶液で洗浄し、単核ルテニウム錯体(M−2)[(BiBzIm)Ru(ddbpy)]0.213gを得た。
【0055】
実施例1(二核ルテニウム錯体色素(1a:pH2.8単離物)[(Hdcbpy)(Hdcbpy)Ru(BiBzIm)Ru(ddbpy)](PF)〔R、R、R、R=n−ドデシル基である式(1)の錯体〕の合成)
アルゴン雰囲気下、100mLの三口フラスコに単核ルテニウム錯体(M−2)(0.400g,0.304mmol)、単核ルテニウム錯体(M−1)(0.309g,0.304mmol)及びN,N−ジメチルホルムアミド50mLを加え、脱気した後、2.45GHzのマイクロ波照射下にて攪拌しながら44分間還流させた。放冷後、減圧濃縮し、0.2mol/L水酸化ナトリウム水溶液70mLを加え、100℃で1時間加熱した。放冷後、吸引濾過により不溶物を除去し、水で洗浄した後、濾液を1.7mol/Lヘキサフルオロリン酸水溶液でpH1.8にし、一晩静置した。沈殿を吸引濾過によって回収し、pH1.8ヘキサフルオロリン酸水溶液で洗浄後、分取クロマトグラフィーにより精製を行い、減圧濃縮後、水50mL、1mol/L水酸化ナトリウム水溶液0.8mLを加え、0.5mol/Lヘキサフルオロリン酸水溶液でpH2.8に調整し、冷蔵庫にて一晩静置した。沈殿物を吸引濾過によって回収し、pH2.8ヘキサフルオロリン酸水溶液で洗浄後、真空乾燥し、二核ルテニウム錯体色素(1a:pH2.8単離物)を0.087g得た。
【0056】
実施例2(二核ルテニウム錯体色素(2a:pH3.8単離物)[(Hdcbpy)(Hdcbpy)Ru(BiBzIm)Ru(ddbpy)](PF)〔R、R、R、R=n−ドデシル基である式(1)の錯体〕の合成)
実施例1で0.5mol/Lヘキサフルオロリン酸水溶液で調整するpH、洗浄液として用いるヘキサフルオロリン酸水溶液のpHを2.8から3.8にした以外は実施例1と同様な方法で合成し、二核ルテニウム錯体色素(2a:pH3.8単離物)を0.063g得た。
【0057】
実施例3−1(多孔質チタニア電極の作製)
触媒化成製のチタニアペーストPST−18NRを透明層に、PST−400Cを拡散層に用い、旭硝子株式会社製の透明導電性ガラス電極上にスクリーン印刷機を用いて塗布した。得られた膜を25℃、相対湿度60%の雰囲気下で5分間エージングし、このエージングした膜を450℃で30分間焼成した。冷却した膜に対し、同じ作業を所定の厚みになるまで繰り返し、16mmの多孔質チタニア電極を作製した。
【0058】
実施例3−2(色素を吸着した多孔質チタニア電極の作製)
二核ルテニウム錯体色素の0.3mmol/l色素溶液(溶媒:t−ブタノール/アセトニトリルの1:1混合溶媒)に多孔質チタニア電極を30℃で所定の時間浸漬し、乾燥して色素吸着多孔質チタニア電極を得た。
【0059】
実施例3−3(光化学電池の作製)
以上のようにして得られた色素吸着多孔質チタニア電極と白金板(対極)を重ね合わせた。次に、電解質溶液(3−メトキシプロピオニトリルにヨウ化リチウム、ヨウ素、4−t−ブチルピリジン及び1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムアイオダイドをそれぞれ0.1mol/l、0.05mol/l、0.5mol/l、0.6mol/lとなるように溶解したもの)を両電極の隙間に毛細管現象を利用して染み込ませることにより光化学電池を作製した。
【0060】
実施例3−4(変換効率の測定)
得られた光化学電池の光電変換効率を英弘精機株式会社製のソーラーシュミレーターを用い、100mW/cmの擬似太陽光を照射し測定した。
【0061】
表1に、本発明の二核ルテニウム錯体色素(1a)及び(2a)、比較色素として、二核ルテニウム錯体色素の比較色素1;[(Hdcbpy)(Hdcbpy)Ru(BiBzIm)Ru(bpy)](PF)〔R、R、R、R=Hである式(1)の錯体〕、比較色素2;[(Hdcbpy)(Hdcbpy)Ru(BiBzIm)Ru(dtbpy)](PF)〔R、R、R、R=t−ブチル基である式(1)の錯体〕、比較色素3;[(Hdcbpy)(Hdcbpy)Ru(BiBzIm)Ru(dnbpy)](PF)〔R、R、R、R=n−ノニル基である式(1)の錯体〕、及び単核ルテニウム錯体色素の比較色素4(N719;Ruthenium 535−bisTBA,ソーラロニクス社製)の変換効率の測定結果を示す。なお、比較色素1〜3は、国際公開第2006/038587号を参照して合成した。
【0062】
【表1】
【0063】
表1の結果から、炭素原子数12のアルキル基を有する本発明の二核ルテニウム錯体色素(1a)及び(2a)は、置換基(アルキル基)を有さない二核ルテニウム錯体色素(比較色素1)、及び炭素原子数4または9のアルキル基を有する二核ルテニウム錯体色素(比較色素2,3)、及び既存の高効率型単核ルテニウム錯体色素(比較色素4;N719)よりも高い変換効率を示すことがわかる。また、本発明の二核ルテニウム錯体色素(1a)及び(2a)は、既存の高効率型単核ルテニウム錯体色素(比較色素4;N719)よりも耐久性に優れている。これにより、本発明の二核ルテニウム錯体色素(1a)及び(2a)が高い性能の光化学電池を製造するための色素となり得ることが分かる。
【0064】
実施例4A−1(単核ルテニウム錯体(M−1’);[Ru(Hdcbpy)Cl]の合成)
500mLの三口フラスコに塩化ルテニウム・3水和物(3価調整品)(3.229g,12.35mmol)、Hdcbpy(5.731g,23.47mmol)及びN,N−ジメチルホルムアミド300mLを加え、脱気した後、2.45GHzのマイクロ波照射下にて攪拌しながら45分間還流させた。放冷後、反応液を吸引濾過し、濾液を減圧濃縮し、アセトン:ジエチルエーテル=1:4の混合溶媒に懸濁させ、吸引濾過によって濾物を得た。2mol/L塩酸300mLに懸濁させ、30分間超音波攪拌を行い、さらに30分間室温で攪拌した。そして、吸引濾過によって、単核ルテニウム錯体(M−1’)[Ru(Hdcbpy)Cl]を7.747g得た。
【0065】
実施例4A−2(単核ルテニウム錯体(M−2’)[(BiBzIm)Ru(mdbpy)]〔R、R=メチル基、R、R=n−ドデシル基である式(3)の錯体〕の合成)
窒素雰囲気下、200mLの三口フラスコにdmbpy(0.965g,5.232mmol)及びテトラヒドロフラン75mLを加えた。その溶液の入ったフラスコを氷冷しながら、1.14Mリチウムジイソプロピルアミドのヘキサン/テトラヒドロフラン溶液(4.4mL,5.016mmol)を緩やかに滴下し、1時間攪拌した。その後、エタノール−ドライアイス系で冷却し、1−ブロモウンデカン(1.293g,5.499mmol)を緩やかに滴下し、2時間攪拌した。その後、室温で一晩攪拌した。その反応溶液の入ったフラスコを氷冷し、メタノール5mLを加え、ジエチルエーテル−水系で溶媒分画し、ジエチルエーテル層を硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮後、塩基性アルミナでカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:1→50:1)で精製し、mdbpy0.486gを得た。
【0066】
次に、窒素雰囲気下、200mLの三口フラスコにmdbpy(0.464g,1.372mmol)、[Ru(cod)Cl(0.188g,0.671mmol)及びN,N−ジメチルホルムアミド70mLを加え、脱気した後、2.45GHzのマイクロ波照射下にて攪拌しながら24分間還流させた。放冷後、減圧濃縮し、エタノール20mL、水10mLに懸濁させ、吸引濾過によって回収し、エタノール:水=2:1の混合溶媒で洗浄し、[Ru(mdbpy)Cl]0.292gを得た。
【0067】
次に、窒素雰囲気下、20mLのシュレンクにRu(mdbpy)Cl(0.146g,0.172mmol)、BiBzImH(0.045g,0.192mmol)及びエチレングリコール7mLを加え、2.45GHzのマイクロ波照射下にて攪拌しながら14分間還流させた。放冷後、エタノール7mLを加え、吸引濾過によって濾液を回収した。その濾液に水11mLを加え、2mLの水に溶解したヘキサフルオロリン酸アンモニウム(0.112g,0.687mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。その後、析出物を濾取し、水で洗浄後、[(BiBzImH)Ru(mdbpy)](PF0.200gを得た。
【0068】
続いて、窒素雰囲気下、20mLのシュレンクに[(BiBzImH)Ru(mdbpy)](PF(0.180g,0.139mmol)、メタノール6mL、及び10%リチウムメトキシドメタノール溶液1.06mL(2.791mmol)を加え、脱気した後、1時間還流させた。放冷後、吸引濾過によって濾液を回収し、単核ルテニウム錯体(M−2’)[(BiBzIm)Ru(mdbpy)]とリチウムメトキシドの混合物0.304gを得た。
【0069】
実施例4−1(二核ルテニウム錯体色素(3a)〔R、R=メチル基、R、R=n−ドデシル基である式(1)の錯体〕の合成)
50mLサンプル管に単核ルテニウム錯体(M−2’)(リチウムメトキシドとの混合物;0.304g,0.139mmol相当)、水30mL、及び単核ルテニウム錯体(M−1’)(0.101g,0.145mmol)を加え、30分間攪拌した。その反応液にN,N−ジメチルホルムアミド30mLを加え、200mLの三口フラスコに移した。そのフラスコに、さらにN,N−ジメチルホルムアミド60mLを加え、脱気した後、2.45GHzのマイクロ波照射下にて攪拌しながら34分間還流させた。反応液を減圧濃縮し、水50mLを加え、懸濁させた後、吸引濾過によって二核ルテニウム錯体色素(3a)を得た。ESI−MS(−):m/z:798.25。
【0070】
実施例4−2(二核ルテニウム錯体色素(3a)〔R、R=メチル基、R、R=n−ドデシル基である式(1)の錯体〕の合成)
30mLのシュレンクに[(BiBzImH)Ru(mdbpy)](PF(0.143g,0.101mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド5mL、ターシャリーブトキシカリウム(0.023g,0.209mmol)、及び単核ルテニウム錯体(M−1)(0.113g,0.111mmol)を加え、脱気した後、2.45GHzのマイクロ波照射下にて攪拌しながら24分間還流させた。放冷後、反応液を減圧濃縮し、0.2mol/L水酸化ナトリウム水溶液を24mL加え、100℃で2時間加熱した。放冷後、吸引濾過により不溶物を除去し、水で洗浄した後、濾液を0.74mol/Lヘキサフルオロリン酸水溶液でpH3.8にし、一晩静置した。沈殿を吸引濾過によって回収し、pH3.8ヘキサフルオロリン酸水溶液で洗浄後、真空乾燥した。乾燥したものをアセトン:ジエチルエーテル=1:8で洗浄し、吸引濾過によって濾物を回収後、真空乾燥を行い、二核ルテニウム錯体色素(3a)を得た。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明により、高い光電変換効率を有する光電変換素子、及び光化学電池を提供することができる。