特許第5761042号(P5761042)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5761042端子接続部材、蓄電モジュール、及び車両
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5761042
(24)【登録日】2015年6月19日
(45)【発行日】2015年8月12日
(54)【発明の名称】端子接続部材、蓄電モジュール、及び車両
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/20 20060101AFI20150723BHJP
【FI】
   H01M2/20 A
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-7358(P2012-7358)
(22)【出願日】2012年1月17日
(65)【公開番号】特開2013-149389(P2013-149389A)
(43)【公開日】2013年8月1日
【審査請求日】2014年6月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(72)【発明者】
【氏名】奥田 元章
(72)【発明者】
【氏名】木下 恭一
【審査官】 小森 重樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−212155(JP,A)
【文献】 特開2008−204987(JP,A)
【文献】 実開平02−056348(JP,U)
【文献】 特開2003−162993(JP,A)
【文献】 特開2004−171856(JP,A)
【文献】 特開2002−358945(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電モジュールを構成する複数の蓄電装置にそれぞれ設けられる電極端子同士を電気的に接続する端子接続部材であって、
前記端子接続部材は、線膨張率が1.5×10−6/℃以下の第1金属部材と、熱伝導率が400W/(m・K)以上の第2金属部材とから形成されるとともに、
前記第1金属部材には複数の孔が形成されており、
前記第2金属部材は前記第1金属部材を覆うとともに前記第2金属部材の一部が前記孔に充填され、且つ前記孔から突出した状態で前記第1金属部材に接合されており、前記第1金属部材に形成される前記複数の孔の開口率が7%〜20%の範囲に設定されており、前記第2金属部材が前記端子接続部材に均一に分布していることを特徴とする端子接続部材。
【請求項2】
前記複数の孔は格子状に配列されていることを特徴とする請求項1に記載の端子接続部材。
【請求項3】
前記第1金属部材はエキスパンドメタルであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の端子接続部材。
【請求項4】
複数の蓄電装置にそれぞれ設けられる電極端子同士を端子接続部材によって電気的に接続した蓄電モジュールであって、
前記端子接続部材は、請求項1〜請求項のいずれか一項に記載の端子接続部材であることを特徴とする蓄電モジュール。
【請求項5】
請求項に記載の蓄電モジュールが搭載されていることを特徴とする車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電モジュールを構成する蓄電装置の電極端子同士を電気的に接続する端子接続部材、当該端子接続部材によって電極端子同士を電気的に接続した蓄電モジュール、及び蓄電モジュールを搭載した車両に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に開示のように、この種の端子接続部材(バスバー)は、二次電池(蓄電装置)の電極端子と別の二次電池の電極端子とにねじ止めされ、これら一対の二次電池に端子接続部材が架け渡された状態で固定される。二次電池の充放電の発熱によって二次電池の温度が上がり、二次電池の内部温度が高くなり過ぎると、二次電池の寿命が短くなる。
【0003】
特許文献1に開示の端子接続部材は、放熱性を考慮して熱伝導率が大きい銅系やアルミニウム系の金属材料で形成されている。熱伝導率が大きい金属材料を端子接続部材に採用する構成は、二次電池の内部温度の上昇の抑制に有効である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−212155号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、熱伝導率が大きい銅系やアルミニウム系の金属材料は、線膨張率も大きいため、二次電池の内部温度の上昇に伴い、端子接続部材の温度が上昇すると、端子接続部材が熱膨張して、電極端子が損傷してしまう虞がある。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、端子接続部材の熱膨張を抑えつつも、蓄電装置の内部温度の上昇を抑制することができる端子接続部材、蓄電モジュール、及び車両を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、蓄電モジュールを構成する複数の蓄電装置にそれぞれ設けられる電極端子同士を電気的に接続する端子接続部材であって、前記端子接続部材は、線膨張率が1.5×10−6/℃以下の第1金属部材と、熱伝導率が400W/(m・K)以上の第2金属部材とから形成されるとともに、前記第1金属部材には複数の孔が形成されており、前記第2金属部材は前記第1金属部材を覆うとともに前記第2金属部材の一部が前記孔に充填され、且つ前記孔から突出した状態で前記第1金属部材に接合されており、前記第1金属部材に形成される前記複数の孔の開口率が7%〜20%の範囲に設定されており、前記第2金属部材が前記端子接続部材に均一に分布していることを要旨とする。
【0008】
この発明によれば、第2金属部材の一部が、第1金属部材に形成された複数の孔に充填され、且つ各孔から突出した状態で、第2金属部材が第1金属部材に接合されているため、線膨張率が1.5×10−6/℃以下である第1金属部材により、第2金属部材が熱膨張してしまうことを規制することができる。その結果、蓄電装置の内部温度の上昇に伴って、端子接続部材の温度が上昇しても、端子接続部材が熱膨張してしまうことを抑制することができる。そして、熱伝導率が400W/(m・K)以上の第2金属部材により端子接続部材の熱伝導性能が高められているため、端子接続部材の温度が上昇しても、第2金属部材から熱を放熱することができる。その結果として、蓄電装置の内部温度の上昇を抑制することができる。また、第1金属部材の表面側に存在する第2金属部材の部位と、第1金属部材の裏面側に存在する第2金属部材の部位との間の導電性を良好なものとすることができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記複数の孔は格子状に配列されていることを要旨とする。
この発明によれば、複数の孔が第1金属部材に対して不規則に配列されていたり、第1金属部材に対して局所的に形成されていたりする場合に比べると、第2金属部材の一部が充填される部位を端子接続部材の全体に均一に配置することができる。よって、第1金属部材の表面側に存在する第2金属部材の部位と、第1金属部材の裏面側に存在する第2金属部材の部位との間の導電性を良好なものとすることができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記第1金属部材はエキスパンドメタルであることを要旨とする。
この発明によれば、エキスパンドメタルは、一つの金属板を加工するだけで網目状の金属部材を形成することができるため、複数の線材を編み込むことで網目状の金属部材を形成する場合に比べると、容易に網目状の金属部材を形成することができる。また、複数の線材を編み込むことで網目状に形成された金属部材では、各線材同士の接触箇所が複数存在するため電気抵抗が大きい。しかし、エキスパンドメタルはそのような箇所は存在しないため、複数の線材を編み込むことで網目状に形成された金属部材に比べて導電性が良く、端子接続部材の導電性を向上させることができる。
【0013】
請求項に記載の発明は、複数の蓄電装置にそれぞれ設けられる電極端子同士を端子接続部材によって電気的に接続した蓄電モジュールであって、前記端子接続部材は、請求項1〜請求項のいずれか一項に記載の端子接続部材であることを要旨とする。この発明によれば、請求項1〜請求項と同様の効果を得ることができる。
【0014】
請求項に記載の発明は、車両において、請求項に記載の蓄電モジュールが搭載されていることを要旨とする。この発明によれば、請求項と同様な効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、端子接続部材の熱膨張を抑えつつも、蓄電装置の内部温度の上昇を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施形態における電池モジュールの一部を破断して示す平断面図。
図2図1におけるA−A線断面図。
図3】エキスパンドメタル及び金属板を示す斜視図。
図4】(a)及び(b)は端子接続部材の製造方法を模式的に示す図。
図5】端子接続部材の一部分の縦断面を示す写真図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1図5にしたがって説明する。なお、蓄電モジュールとしての電池モジュールは、車両としてのプラグインハイブリッド車等、もしくはフォークリフト等の産業車両に搭載されるとともに、走行モータを駆動するために用いられる。
【0018】
図1に示すように、容器10内に収納された複数(図1では2つのみ図示)の二次電池11は、電極端子111,112間に架設された端子接続部材20によって電気的に直列接続されている。図2に示すように、電池モジュールMを構成する二次電池11の電極端子111,112のネジ部113,114は、端子接続部材20に形成された端子孔121に通されており、端子接続部材20は、ネジ部113,114に螺合されたナット13の締め付けによって電極端子111,112に固定されている。
【0019】
図3に示すように、端子接続部材20は、第1金属部材としてのエキスパンドメタル21と、第2金属部材としての金属板22とにより形成されている。エキスパンドメタル21には複数の孔21aが形成されている。複数の孔21aはメッシュ状(格子状)に配列されている。エキスパンドメタル21は、線膨張率が1.5×10−6/℃以下の金属板から形成されている。本実施形態では、エキスパンドメタル21はインバー合金(34〜36重量%のNiを含有するFe−Ni系合金)で形成されている。
【0020】
金属板22は、エキスパンドメタル21の表裏両面を覆うようにしてエキスパンドメタル21に接合して一体化されている。金属板22は、熱伝導率が400W/(m・K)以上を有している。本実施形態では、金属板22の素材として銅が使用されている。
【0021】
端子接続部材20は、エキスパンドメタル21を金属板22の間に挟んだ状態で圧延して接合することにより形成されている。具体的には、図4(a)及び(b)に示すように、2枚の金属板22の間にエキスパンドメタル21を配置するとともに、エキスパンドメタル21及び金属板22を加熱した状態で圧延ロール31により圧延して金属板22とエキスパンドメタル21とを一体化することで端子接続部材20が形成される。
【0022】
圧延及び接合は一回で同時に行われるのではなく、複数段階(本実施形態では2段階)で行われる。図4(a)に示すように、第1段階でエキスパンドメタル21の各孔21a内に金属板22の一部が充填され、図4(b)に示すように、第2段階で所定の厚さへの圧延と、エキスパンドメタル21と金属板22との接合とが行われる。こうすることで、エキスパンドメタル21の各孔21aに、金属板22の一部が充填され、且つ各孔21aから金属板22が突出した状態になる。その後、エキスパンドメタル21及び金属板22に端子孔121を形成することで端子接続部材20が完成される。
【0023】
図5に示すように、圧延及び接合後のエキスパンドメタル21の部分の厚さをt1、エキスパンドメタル21の表面側に存在する金属板22の部分の厚さをt2、エキスパンドメタル21の裏面側に存在する金属板22の部分の厚さをt3とする。すると、それぞれの板厚比の関係が、「t1:(t2+t3)=3:10」から「t1:(t2+t3)=2:1」までの範囲、また、「t2:t3=1:2」から「t2:t3=1:1」までの範囲になっているのが好ましい。そして、本実施形態では、t2=318μmであるとともに、t3=306μmである。すなわち、端子接続部材20の厚さ方向において、エキスパンドメタル21は、端子接続部材20のほぼ中央に位置している。
【0024】
また、エキスパンドメタル21の複数の孔21aの開口率は7%〜20%の範囲に設定されている。さらに、端子接続部材20において、エキスパンドメタル21の占める体積率が20〜70%になるように設定されている。エキスパンドメタル21の占める体積率が20%未満になると、端子接続部材20の線膨張率の抑制が不十分になり、エキスパンドメタル21の占める体積率が70%を超えると、端子接続部材20の熱伝導率が不十分になる。
【0025】
このようにして製造された本実施形態の端子接続部材20の線膨張率は12.2×10−6/℃であるとともに、熱伝導率は168W/(m・K)である。ここで、複数の孔が形成されていないインバー合金により形成された第1金属部材の表裏両面に、銅より形成された第2金属部材を接合してなる複合材(CIC:住友特殊金属社製)と、本実施形態の端子接続部材20とを比較する。上記構成の複合材の線膨張率は9.8×10−6/℃であるとともに、熱伝導率は31W/(m・K)である。線膨張率については、端子接続部材20のほうが複合材よりも高く、複合材に比べて熱膨張し易いが、その差は僅かであるため、端子接続部材20は熱膨張し難いと言える。一方、熱伝導率については、端子接続部材20のほうが複合材よりもはるかに高く、複合材に比べて熱が伝わり易い。よって、本実施形態の端子接続部材20は、熱膨張し難く、且つ熱が伝わり易いと言える。
【0026】
また、本実施形態の端子接続部材20の本来必要な電気導通路として、エキスパンドメタル21の各孔21aに充填された金属板22を介してエキスパンドメタル21の反対側へも電流が流れる。このため、第1金属部材の表裏両面に、銅より形成された第2金属部材を接合させただけの複合材(CIC:住友特殊金属社製)に比べて、電気抵抗を増加させることなく電極端子111,112間を接続できる。
【0027】
次に、本実施形態の作用について説明する。
各二次電池11は、充放電に伴い二次電池11の内部温度が上昇する。すると、二次電池11の内部の熱が端子接続部材20に伝わって端子接続部材20の温度も上昇し、金属板22が熱膨張しようとする。しかし、金属板22の一部が、エキスパンドメタル21の各孔21aに充填されているため、線膨張率が1.5×10−6/℃以下であるエキスパンドメタル21により、金属板22が熱膨張してしまうことが規制されている。その結果、各二次電池11の内部温度の上昇に伴って、端子接続部材20の温度が上昇しても、端子接続部材20が熱膨張してしまうことが抑制されている。
【0028】
また、熱伝導率が400W/(m・K)以上の金属板22が、エキスパンドメタル21の各孔21aに充填されているため、二次電池11内で発生した熱が金属板22により二次電池11外部に放出される。その結果として、各二次電池11の内部温度の上昇が抑制され、本実施形態の二次電池11を使用した車両の走行性能に不具合が生じてしまうことが防止される。
【0029】
上記実施形態では以下の効果を得ることができる。
(1)端子接続部材20を、線膨張率が1.5×10−6/℃以下のエキスパンドメタル21と、熱伝導率が400W/(m・K)以上の金属板22とから形成した。そして、金属板22がエキスパンドメタル21を覆うとともに、その一部がエキスパンドメタル21の各孔21aに充填され、且つ各孔21aから突出した状態でエキスパンドメタル21に接合されている。よって、金属板22の一部が、エキスパンドメタル21の各孔21aに充填されているため、線膨張率が1.5×10−6/℃以下であるエキスパンドメタル21により、金属板22が熱膨張してしまうことを規制することができる。その結果、二次電池11の内部温度の上昇に伴って、端子接続部材20の温度が上昇しても、端子接続部材20が熱膨張してしまうことを抑制することができる。そして、熱伝導率が400W/(m・K)以上の金属板22により端子接続部材20の熱伝導性能が高められているため、端子接続部材20の温度が上昇しても、金属板22から熱を放熱することができる。その結果として、二次電池11の内部温度の上昇を抑制することができる。
【0030】
(2)第1金属部材として、複数の孔21aが格子状に配列されたエキスパンドメタル21を用いた。よって、金属板22の一部が充填される部位を端子接続部材20の全体に均一に配置することができ、エキスパンドメタル21の表面側に存在する金属板22の部位と、エキスパンドメタル21の裏面側に存在する金属板22の部位との間の導電性を良好なものとすることができる。
【0031】
(3)第1金属部材としてエキスパンドメタル21を用いた。エキスパンドメタル21は、一つの金属板を加工するだけで網目状の金属部材を形成することができるため、複数の線材を編み込むことで網目状の金属部材を形成する場合に比べると、容易に網目状の金属部材を形成することができる。また、複数の線材を編み込むことで網目状に形成された金属部材では、各線材同士の接触箇所が複数存在するため電気抵抗が大きい。しかし、エキスパンドメタル21はそのような箇所は存在しないため、複数の線材を編み込むことで網目状に形成された金属部材に比べて導電性が良く、端子接続部材20の導電性を向上させることができる。
【0032】
(4)エキスパンドメタル21の複数の孔21aの開口率を7%〜20%の範囲に設定した。よって、エキスパンドメタル21の表面側に存在する金属板22の部位と、エキスパンドメタル21の裏面側に存在する金属板22の部位との間の導電性を良好なものとすることができる。
【0033】
(5)端子接続部材20の厚さ方向において、エキスパンドメタル21は、端子接続部材20のほぼ中央に位置している。例えば、エキスパンドメタル21が、端子接続部材20の厚さ方向において、エキスパンドメタル21の表面側に存在する金属板22の部位側に寄っていると、エキスパンドメタル21及び金属板22を圧延して接合したときに、エキスパンドメタル21がエキスパンドメタル21の表面側に存在する金属板22の部位側に反ってしまう虞がある。しかし、端子接続部材20の厚さ方向において、エキスパンドメタル21が端子接続部材20のほぼ中央に位置していれば、エキスパンドメタル21を金属板22の間に挟んだ状態で圧延して接合したときに、エキスパンドメタル21が反ってしまうことを抑制することができる。その結果として、端子接続部材20が反った形状になってしまうことを抑制することができる。
【0034】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 実施形態において、エキスパンドメタル21の複数の孔21aの開口率が7%未満であってもよく、また、エキスパンドメタル21の複数の孔21aの開口率が20%を超えてもよい。
【0035】
○ 実施形態では、第1金属部材としてエキスパンドメタル21を用いたが、これに限らず、例えば、金属製の薄板に、円形や楕円形をなすとともに格子状に配列された複数の孔を打ち抜き加工してなるパンチングメタルを用いてもよい。
【0036】
○ 実施形態において、複数の孔21aはエキスパンドメタル21に対して格子状に配列されていたが、これに限らない。例えば、複数の孔が不規則に配列されていたり、局所的に形成されていたりする第1金属部材であってもよい。
【0037】
○ 実施形態において、端子接続部材20の厚さ方向にエキスパンドメタル21が端子接続部材20の中央に位置していてもよい。
○ 実施形態において、例えば、エキスパンドメタル21が、端子接続部材20の厚さ方向において、エキスパンドメタル21の表面側に存在する金属板22の部位側に寄っていてもよいし、エキスパンドメタル21の裏面側に存在する金属板22の部位側に寄っていてもよい。
【0038】
○ 実施形態では、エキスパンドメタル21を金属板22の間に挟んだ状態で圧延して接合することにより端子接続部材20を形成したが、これに限らない。例えば、エキスパンドメタル21を金型内に配置した状態で、金型内に銅の溶湯を注入し、銅の溶湯が固化した後に、金型をばらすことで端子接続部材を形成してもよい。
【0039】
○ 実施形態では、エキスパンドメタル21をインバー合金で形成したが、これに限らず、例えば、鉄63.5%、ニッケル31.5%、コバルト5%からなる三元合金であるスーパーインバー合金でエキスパンドメタルを形成してもよい。
【0040】
○ 実施形態では、エキスパンドメタル21をインバー合金で形成したが、これに限らず、例えば、アルミナや窒化アルミニウムでエキスパンドメタルを形成してもよい。
○ 実施形態では、金属板22の素材として銅を使用したが、これに限らず、例えば、アルミニウム合金、銀、金を用いてもよい。
【0041】
○ 実施形態において、電池モジュールMはプラグインハイブリッド車に搭載されていたが、これに限らず、例えば、電気自動車に搭載されていてもよい。
○ 本発明を、車両用の二次電池11の電極端子111,112同士を電気的に接続する端子接続部材20に具体化したが、これに限らず、車両用以外の二次電池の電極端子同士を電気的に接続する端子接続部材に具体化してもよい。
【0042】
○ 本発明を、電気二重層コンデンサ等の蓄電装置に具体化してもよい。
【符号の説明】
【0043】
M…蓄電モジュールとしての電池モジュール、11…蓄電装置としての二次電池、111,112…電極端子、20…端子接続部材、21…第1金属部材としてのエキスパンドメタル、21a…孔、22…第2金属部材としての金属板。
図1
図2
図3
図4
図5