特許第5761044号(P5761044)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社豊田自動織機の特許一覧

<>
  • 特許5761044-絶縁異常検知装置 図000002
  • 特許5761044-絶縁異常検知装置 図000003
  • 特許5761044-絶縁異常検知装置 図000004
  • 特許5761044-絶縁異常検知装置 図000005
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5761044
(24)【登録日】2015年6月19日
(45)【発行日】2015年8月12日
(54)【発明の名称】絶縁異常検知装置
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/02 20060101AFI20150723BHJP
【FI】
   G01R31/02
【請求項の数】2
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-9312(P2012-9312)
(22)【出願日】2012年1月19日
(65)【公開番号】特開2013-148474(P2013-148474A)
(43)【公開日】2013年8月1日
【審査請求日】2014年6月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(72)【発明者】
【氏名】山本 悟士
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 恒雄
(72)【発明者】
【氏名】加藤 洋明
(72)【発明者】
【氏名】松井 正清
【審査官】 深田 高義
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−091224(JP,A)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流電源の接地ラインに設けられた絶縁抵抗の抵抗値の低下を検知する絶縁異常検知装置において、
第1の電極に検出抵抗を介して発振回路から発振信号が入力されるカップリングコンデンサと、
前記カップリングコンデンサの第2の電極に接続され、前記カップリングコンデンサの第2の電極が前記絶縁抵抗を介して接地された第1の状態と、前記カップリングコンデンサの第2の電極が擬似抵抗を介して接地された第2の状態に切替可能なスイッチと、
前記スイッチにより前記第1の状態にしたときにおいて前記検出抵抗と前記カップリングコンデンサの間の接続点から取り出される信号から前記絶縁抵抗の抵抗値の低下を検知する第1の判定手段と、
前記スイッチにより前記第2の状態にしたときにおいて前記接続点から取り出される信号から前記発振回路と前記検出抵抗と前記カップリングコンデンサを含めた発振信号伝送系の異常を検出する第2の判定手段と、
を備え
前記第2の判定手段は、
前記接続点から取り出される信号の振幅が、予め定められた第1の値よりも大きい場合に、前記カップリングコンデンサが開放していると判断し、
前記接続点から取り出される信号の振幅が、前記第1の値よりも小さい値に予め定められた第2の値よりも小さい場合に、前記カップリングコンデンサが短絡していると判断することを特徴とする絶縁異常検知装置。
【請求項2】
前記発振回路は、接地電圧と当該接地電圧よりも高い第1の電圧の間で変化する矩形信号を前記発振信号として出力し、
前記第2の判定手段は、
前記接続点から取り出される信号の電圧が前記接地電圧で推移する場合に、前記発振回路が発振していない又は前記検出抵抗が断線していると判定し、
前記接続点から取り出される信号の電圧が前記第1の電圧に張り付いている場合に、前記検出抵抗が短絡していると判定することを特徴とする請求項1に記載の絶縁異常検知装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、絶縁異常検知装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1においては、検出抵抗およびカップリングコンデンサを備え、自己診断時に検出抵抗とカップリングコンデンサとの間の接続点と接地間に自己診断用抵抗を接続し、検出抵抗とカップリングコンデンサとの間の接続点に現れる電圧値が基準値と異なる値になっていると検出抵抗の劣化または故障と判定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−127821号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、この方法だとカップリングコンデンサより低圧側を見ているため、カップリングコンデンサ自体の異常を正確に検知できない。
本発明の目的は、カップリングコンデンサの異常を検出することができる絶縁異常検知装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明では、直流電源の接地ラインに設けられた絶縁抵抗の抵抗値の低下を検知する絶縁異常検知装置において、第1の電極に検出抵抗を介して発振回路から発振信号が入力されるカップリングコンデンサと、前記カップリングコンデンサの第2の電極に接続され、前記カップリングコンデンサの第2の電極が前記絶縁抵抗を介して接地された第1の状態と、前記カップリングコンデンサの第2の電極が擬似抵抗を介して接地された第2の状態に切替可能なスイッチと、前記スイッチにより前記第1の状態にしたときにおいて前記検出抵抗と前記カップリングコンデンサの間の接続点から取り出される信号から前記絶縁抵抗の抵抗値の低下を検知する第1の判定手段と、前記スイッチにより前記第2の状態にしたときにおいて前記接続点から取り出される信号から前記発振回路と前記検出抵抗と前記カップリングコンデンサを含めた発振信号伝送系の異常を検出する第2の判定手段と、を備え、前記第2の判定手段は、前記接続点から取り出される信号の振幅が、予め定められた第1の値よりも大きい場合に、前記カップリングコンデンサが開放していると判断し、前記接続点から取り出される信号の振幅が、前記第1の値よりも小さい値に予め定められた第2の値よりも小さい場合に、前記カップリングコンデンサが短絡していると判断することを要旨とする。
【0006】
請求項1に記載の発明によれば、スイッチにより、カップリングコンデンサの第2の電極が絶縁抵抗を介して接地された第1の状態と、カップリングコンデンサの第2の電極が擬似抵抗を介して接地された第2の状態に切替可能となっている。第1の判定手段において、スイッチにより第1の状態にしたときにおいて検出抵抗とカップリングコンデンサの間の接続点から取り出される信号から絶縁抵抗の抵抗値の低下が検知される。また、第2の判定手段において、スイッチにより第2の状態にしたときにおいて検出抵抗とカップリングコンデンサの間の接続点から取り出される信号から発振回路と検出抵抗とカップリングコンデンサを含めた発振信号伝送系の異常が検出される。
【0007】
このようにして、カップリングコンデンサの異常を検出することができる。
請求項2に記載のように、請求項1に記載の絶縁異常検知装置において、前記発振回路は、接地電圧と当該接地電圧よりも高い第1の電圧の間で変化する矩形信号を前記発振信号として出力し、前記第2の判定手段は、前記接続点から取り出される信号の電圧が前記接地電圧で推移する場合に、前記発振回路が発振していない又は前記検出抵抗が断線していると判定し、前記接続点から取り出される信号の電圧が前記第1の電圧に張り付いている場合に、前記検出抵抗が短絡していると判定するとよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、カップリングコンデンサの異常を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態における絶縁異常検知装置の電気的構成を示す回路図。
図2】絶縁異常検知装置の電気的構成を示す回路図。
図3】(a)〜(c)は絶縁異常検知装置の作用を説明するためのタイムチャート。
図4】(a)〜(f)は絶縁異常検知装置の作用を説明するためのタイムチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、ハイブリッド車の走行モータの制御システムにおいて、車載バッテリ(二次電池)50の正極端子と負極端子との間にはインバータ51が接続され、インバータ51には走行用モータ52が接続されている。インバータ51はスイッチング素子を具備しており、スイッチング素子のスイッチング動作により車載バッテリ50による直流電力を交流電力に変換して走行用モータ52に供給して走行用モータ52を駆動する。本実施形態では、車載バッテリ50に対する負荷がインバータ51と走行用モータ52により構成されている。
【0011】
また、車載バッテリ50の負極端子は絶縁抵抗53を介して接地されている(ボディアースされている)。つまり、直流電源としての車載バッテリ50の接地ラインに絶縁抵抗53が設けられている。この絶縁抵抗53の絶縁異常、即ち、抵抗値の低下を検知するために絶縁異常検知装置10が設けられている。
【0012】
絶縁異常検知装置10は、電池監視ユニット20を備えており、電池監視ユニット20の接続端子21は車載バッテリ50の負極端子と接続されている。つまり、電池監視ユニット20の接続端子21は絶縁抵抗53を介して接地されている(ボディアースされている)。
【0013】
電池監視ユニット20は絶縁抵抗低下検出器30とマイコン40を備えている。絶縁抵抗低下検出器30は発振回路31と検出抵抗32とカップリングコンデンサ33と擬似抵抗34とフィルタ回路35とスイッチ36を備えている。マイコン40はA/Dコンバータ41とCPU42を備えている。
【0014】
電池監視ユニット20の接続端子22は外部において接地されている(ボディアースされている)。電池監視ユニット20の内部において接続端子22には発振回路31が接続されている。また、電池監視ユニット20の内部において発振回路31の信号出力端子には検出抵抗32が接続されている。そして、マイコン40のCPU42からの発振指令により発振回路31が駆動して、発振回路31の信号出力端子から発振信号としての低周波信号が出力されるようになっている。
【0015】
カップリングコンデンサ33は、低圧側電極である第1の電極が検出抵抗32を介して発振回路31と接続され、発振回路31から発振信号としての低周波信号が入力される。当該低周波信号はカップリングコンデンサ33を通過する。具体的には、発振回路31から出力される低周波信号の周波数が、例えば、1〜3Hzであり、この帯域の低周波信号がカップリングコンデンサ33を通過するようになっている。
【0016】
カップリングコンデンサ33における高圧側電極である第2の電極はスイッチ36の可動接点36aを介して電池監視ユニット20の接続端子21と接続可能となっている。スイッチ36は固定接点36bと固定接点36cを有している。可動接点36aは固定接点36bまたは固定接点36cと選択的に接続可能となっている。スイッチ36の固定接点36bが電池監視ユニット20の接続端子21と接続されている。スイッチ36の固定接点36cが擬似抵抗34の一端と接続されている。
【0017】
擬似抵抗34の他端は電池監視ユニット20の接続端子22を介して外部において接地されている(ボディアースされている)。
スイッチ36は可動接点36aの動作により、カップリングコンデンサ33と電池監視ユニット20の接続端子21が接続された状態(図2参照)、あるいは、カップリングコンデンサ33と擬似抵抗34とが接続された状態(図1参照)に切り替えることができるようになっている。
【0018】
このように、スイッチ36はカップリングコンデンサ33の第2の電極(高圧側電極)に接続され、第1の状態と、第2の状態に切替可能である。第1の状態では、カップリングコンデンサ33の第2の電極(高圧側電極)が絶縁抵抗53を介して接地される。第2の状態では、カップリングコンデンサ33の第2の電極(高圧側電極)が擬似抵抗34を介して接地される。つまり、カップリングコンデンサ33から見て高圧側(車載バッテリ50側)にスイッチ36と擬似抵抗34を設けてスイッチ36で擬似抵抗34とバッテリ端とを切り替え可能となっている。そして、スイッチ36で擬似抵抗34側に接続することにより、擬似的に絶縁させると同時に車載バッテリ50との接続を遮断させる構造となっている。
【0019】
検出抵抗32とカップリングコンデンサ33との間の接続点Aはフィルタ回路35を介してマイコン40のA/Dコンバータ41と接続されている。フィルタ回路35はローパスフィルタあるいはバンドパスフィルタであり、ノイズを除去するためのものである。
【0020】
接続点Aでの電圧(信号)がフィルタ回路35を介してA/Dコンバータ41に入力され、A/Dコンバータ41においてアナログ値からデジタル値に変換される。A/Dコンバータ41にはCPU42が接続され、CPU42はA/Dコンバータ41からA/D変換後の信号を取り込むようになっている。そして、CPU42は、取り込んだ信号の振幅から異常の有無を判定する。
【0021】
また、マイコン40のCPU42にはイグニッションスイッチ操作信号が送られてくる。マイコン40にはシステムECU60が接続され、マイコン40のCPU42から、異常検出信号が電池監視ユニット20の外部のシステムECU60に対し出力されるようになっている。
【0022】
次に、このように構成した絶縁異常検知装置10の作用について説明する。
まず、絶縁抵抗53の異常(抵抗値の低下)を検知する絶縁異常検知動作について説明する。
【0023】
CPU42は、スイッチ切替指令をスイッチ36に送り、図2に示すように、スイッチ36の可動接点36aと固定接点36bを接続する。即ち、カップリングコンデンサ33と車載バッテリ50の負極端(絶縁抵抗53)とが接続され、カップリングコンデンサ33が絶縁抵抗53を介して接地された状態にする。一方、CPU42は発振回路31に対し発振指令を送り、発振回路31から低周波信号を出力させる。図3(a)には発振信号としての低周波信号を示し、低周波信号は0ボルトと5ボルトの間で変化する矩形信号である。即ち、振幅が5ボルトの信号である。
【0024】
この低周波信号が検出抵抗32を介してカップリングコンデンサ33に向かって送られる。接続点Aでの電圧(信号)がフィルタ回路35によりノイズ成分が除去された後にA/Dコンバータ41に送られ、A/Dコンバータ41によりアナログ信号からデジタル信号に変換された後にCPU42に取り込まれる。この取り込んだ信号に基づいて、即ち、接続点Aから取り出される信号からCPU42は、絶縁抵抗53における絶縁異常の検知(抵抗値の低下検知)を行う。
【0025】
具体的には、CPU42は、図3(b)に示すように、接続点Aでの電圧(信号)が4ボルト程度であると、絶縁抵抗53の抵抗値が低下しておらず正常であると判定する。
一方、マイコン40のCPU42は接続点Aでの電圧(信号)が正常時の振幅(4ボルト)に対し図3(c)に示すように振幅が小さいと(例えば2ボルト以下であると)、絶縁抵抗53が異常である(抵抗値が低下したと)と判定する。
【0026】
CPU42は、絶縁抵抗53の異常(抵抗値の低下)を検知すると、異常検出信号を外部のシステムECU60に出力する。
次に、発振回路31と検出抵抗32とカップリングコンデンサ33を含めた発振信号伝送系の異常の検出(自己診断)動作について説明する。
【0027】
イグニッションスイッチがオン操作されると、CPU42は、スイッチ切替指令をスイッチ36に送り、図1に示すように、スイッチ36でカップリングコンデンサ33と擬似抵抗34とが接続された状態にする。即ち、カップリングコンデンサ33が擬似抵抗34を介して接地された状態にする。一方、CPU42は発振回路31に対し発振指令を送り、発振回路31から低周波信号を出力させる。図4(a)に示したように発振信号としての低周波信号は図3(a)と同様に0ボルトと5ボルトの間で変化する矩形信号であり、振幅が5ボルトの信号である。
【0028】
この低周波信号が検出抵抗32を介してカップリングコンデンサ33に向かって送られる。接続点Aでの電圧(信号)がフィルタ回路35によりノイズ成分が除去された後にA/Dコンバータ41に送られ、A/Dコンバータ41によりアナログ信号からデジタル信号に変換された後にCPU42に取り込まれる。この取り込んだ信号に基づいて、即ち、接続点Aから取り出される信号からCPU42は、発振回路31と検出抵抗32とカップリングコンデンサ33を含めた発振信号伝送系の異常を検出する(自己診断を行う)。
【0029】
具体的には、CPU42は、図4(b)に示すように、接続点Aでの電圧(信号)が0ボルトと4ボルトの間で変化する信号であったならば、即ち、カップリングコンデンサ33に対応する所定振幅となっていたならば、発振回路31と検出抵抗32とカップリングコンデンサ33を含めた発振信号伝送系が正常と判定する。このように、マイコン40のCPU42は図4(b)のように、接続点Aでの電圧(信号)の振幅が4ボルト程度であると、正常であると判定する。
【0030】
また、マイコン40のCPU42は図4(c)に示すように、接続点Aでの電圧(信号)がゼロボルトで推移すると、発振回路31と検出抵抗32とカップリングコンデンサ33を含めた発振信号伝送系が異常であると判定する。具体的には、例えば、発振回路31が故障して発振回路31において発振しない(停止した)、あるいは、検出抵抗32が断線(オープン)した場合が考えられる。
【0031】
マイコン40のCPU42は図4(d)に示すように、接続点Aでの電圧(信号)の振幅が5ボルトに張り付いた状態であると、検出抵抗32が短絡(ショート)したと判定する。
【0032】
マイコン40のCPU42は図4(e)のように、接続点Aでの電圧(信号)の振幅が4.5ボルト程度あると、カップリングコンデンサ33が開放(オープン;切断)されていると判定する。
【0033】
マイコン40のCPU42は図4(f)のように接続点Aでの電圧(信号)の振幅が3.5ボルト程度あると、カップリングコンデンサ33がショート(短絡)していると判定する。
【0034】
より具体的には、例えば、接続点Aから取り出される信号の振幅が予め定めた範囲(例えば3.8〜4.2ボルトの範囲)から外れると、発振回路31と検出抵抗32とカップリングコンデンサ33を含めた発振信号伝送系が異常であると判定する。
【0035】
CPU42は異常が発生したと判定すると、異常検出信号を外部のシステムECU60に出力する。
このようにして、電池監視ユニット20で絶縁抵抗53の異常(抵抗値の低下)を検出する絶縁異常検知装置において、カップリングコンデンサ33の高圧側(車載バッテリ50側)にスイッチ36と擬似抵抗34を設けている。そして、擬似的に絶縁させると同時に、即ち、擬似抵抗34をカップリングコンデンサ33と接地端子(22)と間に接続すると同時に、車載バッテリ50との接続を遮断させるようにした。これにより、車載バッテリ50側とは遮断しているため、車載バッテリ50側からのインバータのノイズ等の影響を受けることなく、正確にカップリングコンデンサ33を含めた絶縁抵抗低下検出器30の異常を検知することができる。
【0036】
以上のごとく本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)スイッチ36は、カップリングコンデンサ33の第2の電極(高圧側電極)が絶縁抵抗53を介して接地される第1の状態と、カップリングコンデンサ33の第2の電極(高圧側電極)が擬似抵抗34を介して接地される第2の状態に切替可能である。第1の判定手段としてのCPU42において、スイッチ36により第1の状態にしたときにおいて検出抵抗32とカップリングコンデンサ33の間の接続点Aから取り出される信号から絶縁抵抗53の抵抗値の低下を検知する。また、第2の判定手段としてのCPU42において、スイッチ36により第2の状態にしたときにおいて検出抵抗32とカップリングコンデンサ33の間の接続点Aから取り出される信号から発振回路31と検出抵抗32とカップリングコンデンサ33を含めた発振信号伝送系の異常を検出する。
【0037】
よって、正確にカップリングコンデンサ33を含めた自己診断を行うことができる。つまり、カップリングコンデンサ33の異常を検出することができる。
(2)第2の判定手段としてのCPU42は、検出抵抗32とカップリングコンデンサ33の間の接続点Aから取り出される信号の振幅が予め定めた範囲から外れると、発振回路31と検出抵抗32とカップリングコンデンサ33を含めた発振信号伝送系が異常であると判定するので、正確に異常判定することができる。
【0038】
(3)自己診断の際、スイッチ36は図1に示す状態となっており、車載バッテリ50とは遮断しているため、車載バッテリ50側からのインバータのノイズ等の影響を受けない。
【0039】
実施形態は前記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
・上記実施形態ではCPU42においてA/Dコンバータ41の出力信号から振幅を求め、この振幅から異常の有無を判定してシステムECU60に異常検出信号を出力した。これに代わり、CPU42においてA/Dコンバータ41の出力信号から振幅を求め、この振幅をシステムECU60に出力し、システムECU60において振幅から異常の有無を判定してもよい。
【0040】
・フィルタ回路35は無くてもよい。
・負荷はインバータ51と走行用モータ52であったが、これに限定されるものではない。
【0041】
・発振回路31から矩形波を出力したが、正弦波等であってもよい。
【符号の説明】
【0042】
10…絶縁異常検出装置、20…電池監視ユニット、30…絶縁抵抗低下検出器、31…発振回路、32…検出抵抗、33…カップリングコンデンサ、34…擬似抵抗、36…スイッチ、42…CPU、50…車載バッテリ、51…インバータ、52…走行モータ、53…絶縁抵抗。
図1
図2
図3
図4