特許第5761245号(P5761245)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5761245
(24)【登録日】2015年6月19日
(45)【発行日】2015年8月12日
(54)【発明の名称】作業機械
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/00 20060101AFI20150723BHJP
   B60K 15/04 20060101ALI20150723BHJP
   H01M 2/10 20060101ALI20150723BHJP
【FI】
   E02F9/00 D
   B60K15/04 Z
   H01M2/10 S
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-76810(P2013-76810)
(22)【出願日】2013年4月2日
(65)【公開番号】特開2014-201902(P2014-201902A)
(43)【公開日】2014年10月27日
【審査請求日】2014年6月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000246273
【氏名又は名称】コベルコ建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松本 智久
(72)【発明者】
【氏名】宮地 功
【審査官】 須永 聡
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−324229(JP,A)
【文献】 特開平11−269922(JP,A)
【文献】 特開2005−041316(JP,A)
【文献】 米国特許第04013300(US,A)
【文献】 国際公開第2011/136107(WO,A1)
【文献】 特開2004−152524(JP,A)
【文献】 特開2008−074128(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 9/00
B60K 15/04
H01M 2/10
CiNii
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料タンクと、
前記燃料タンクの給油口の近傍に配置され、上面が当該給油口の下端より上方に位置しているバッテリーと、
前記バッテリーに被せられるカバー部材と、
を備えた作業機械であって、
前記カバー部材は、
前記バッテリーの上面を覆う被覆部と、
前記被覆部から前記給油口に向かって拡がる拡張部と、
を有し、
前記拡張部が、前記被覆部から前記給油口の下端側に向かって垂れ下がる垂下部を有している作業機械。
【請求項2】
請求項1に記載の作業機械において、
前記カバー部材は、シート状の部材からなり、
前記被覆部が、前記拡張部側の縁部で片持ち状に支持されている作業機械。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の作業機械において、
前記拡張部が嵌入孔を有し、当該嵌入孔に前記給油口が嵌め込まれている作業機械。
【請求項4】
請求項3に記載の作業機械において、
前記給油口に嵌め込まれるオイルトレイを更に備え、
前記拡張部が、前記オイルトレイによって押し付けられた状態で前記給油口に支持されている作業機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧ショベル等の作業機械に関し、特に、バッテリーのカバー構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、この種の作業機械では小型化が進んでおり、エンジンや燃料タンク等の各種機器は、限られたスペースに密集した状態で配置されている。そのため、上面に接続端子等の電気部品が露出しているバッテリーが、高位置に配置され、燃料タンクの給油口の近傍に配置される場合がある。
【0003】
例えば、特許文献1には、燃料タンクの上にバッテリーが設置された油圧ショベルが開示されている。その油圧ショベルでは、給油口よりも上方にバッテリーの上面が位置するように配置して、給油の際に燃料が漏れたり飛散してもバッテリーの上面に行き難くしている。
【0004】
しかし、バッテリーの上面は、必ずしも給油口よりも上方に配置できるとは限らないし、塵埃の付着を防ぐ必要もあるため、従来より、バッテリーの上面を保護カバーで覆うことが行われている。
【0005】
例えば、特許文献2には、機械室内に床置きされたバッテリーを保護するバッテリー保護カバーが開示されている。
【0006】
詳しくは、バッテリー保護カバーは、シート状絶縁体からなるカバー本体を有しており、そのカバー本体は、バッテリーの上面に対向する上壁部と、バッテリーの鉛直面に対向し、床まで垂れた垂下部とを有している。
【0007】
カバー本体は、バッテリーの上面における長手方向の各端に離れて立設された一対の支持ロッドに、蝶ねじで取り付けられている。具体的には、上壁部に、各支持ロッドに対応した貫孔が形成されていて、蝶ねじのねじ部を貫孔に差し込んで螺着し、蝶ねじの頭部と支持ロッドとで上壁部を挟み込んでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2002−356874号公報
【特許文献2】特開2004−152524号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献2のバッテリー保護カバーの場合、バッテリーの上面は上壁部で覆われているが、上壁部は、その長手方向の両端で支持されているため、強く引っ張られていないと、その中央部分に窪みが生じ易い。窪みが生じると、付着した燃料が溜まるおそれがある。
【0010】
バッテリーの鉛直面は、垂下部によって覆われているので、バッテリーを油等の飛散から有効に保護できるが、バッテリーの周辺には油等が飛散する。従って、床置きでなくバッテリーを高位置に配置する場合には、バッテリーの周辺に油等が拡散してしまい、広範囲が油で汚れてしまうおそれがある。
【0011】
また、インジケータの確認などのメンテナンスの際には、バッテリーの上面へのアクセスが必要になるが、その際、特許文献2のバッテリー保護カバーでは、常に、蝶ねじを脱着しなければならないため、煩わしい。
【0012】
蝶ねじの脱着頻度が高いと、それだけカバー本体と蝶ねじとの間に隙間が生じ易くなり、隙間を通じて燃料がバッテリーの上面に入り込むおそれもある。
【0013】
そこで、本発明の目的は、給油時に燃料が飛び散っても、効果的にバッテリーを保護できる作業機械を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係わる作業機械は、燃料タンクと、前記燃料タンクの給油口の近傍に配置されたバッテリーと、前記バッテリーに被せられるカバー部材とを、備える。前記カバー部材は、前記バッテリーの上面を覆う被覆部と、前記被覆部から前記給油口に向かって拡がる拡張部とを有し、前記拡張部が、前記被覆部から前記給油口側に向かって垂れ下がる垂下部を有している。
【0015】
この作業機械によれば、燃料タンクの給油口の近傍にバッテリーが配置されており、そのバッテリーに被せられるカバー部材が、バッテリーの上面を覆う被覆部から給油口に向かって拡がる拡張部を有し、その拡張部が、被覆部から給油口側に向かって垂れ下がる垂下部を有している。
【0016】
従って、給油の際に燃料が給油口の周りにこぼれても、拡張部によって受け止めることができるため、バッテリーへの燃料の付着を防止するだけでなく、広範囲に燃料が飛び散るのも防ぐことができる。垂下部によって燃料がバッテリー側に流れるのを防ぐことができるし、垂下部に付着した燃料はバッテリーから離れる方向に向かうため、燃料から効果的にバッテリーを保護できる。
【0017】
特に、前記カバー部材が、シート状の部材からなる場合には、前記被覆部が、前記拡張部側の縁部で片持ち状に支持されているようにするとよい。
【0018】
そうすれば、被覆部における拡張部の反対側の縁部は、支持されずに自由端となっているため、メンテナンス等の際には、被覆部を捲り上げるだけでバッテリーの上面にアクセスできる。従って、作業性に優れる。
【0019】
更には、前記拡張部が嵌入孔を有し、当該嵌入孔に前記給油口が嵌め込まれているようにするとよい。
【0020】
そうすれば、拡張部は、給油口に嵌入孔を嵌め込むことで安定的に支持されるため、カバー部材を安定して支持できる。従って、カバー部材を支持する部材点数や、カバー部材を取り付ける作業工数が削減できる。
【0021】
前記給油口に嵌め込まれるオイルトレイを更に備える場合には、前記拡張部が、前記オイルトレイによって押し付けられた状態で前記給油口に支持されるようにするとよい。
【0022】
そうすれば、よりいっそうカバー部材を安定して支持できるし、オイルトレイとカバー部材との組み合わせで、よりいっそう給油時の燃料の飛び散りを効果的に防止できる。
【発明の効果】
【0023】
本発明の作業機械によれば、給油口の近傍にバッテリーが設置されていても、燃料から効果的にバッテリーを保護できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本実施形態の作業機械を示す概略側面図である。
図2】作業機械の外観を部分的に示す概略斜視図である。
図3】作業機械の内部を部分的に示す概略斜視図である。
図4】作業機械の要部を分解して示す概略斜視図である。
図5】作業機械の要部を前方から見た概略図である。
図6】変形例の作業機械の要部構成を示す概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。ただし、以下の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物あるいはその用途を制限するものではない。
【0026】
図1及び図2に、本発明を適用した油圧ショベル1(作業機械の一例)を示す。この油圧ショベル1は、後方小旋回型の小型機種であり、クローラ式の下部走行体2と、その上に旋回可能に搭載された上部旋回体3とで構成されている。
【0027】
上部旋回体3の右側には、燃料タンク30や作動油タンク9、バッテリー50等を収容した側部機械室4が配置され、上部旋回体3の後側には、エンジン等を収容した後部機械室5が配置されている。上部旋回体3の左側には、運転シートや操作レバー等を備えた操作スペース6が配置され、上部旋回体3の上側には、操作スペース6に被さるようにフード7が設置されている。
【0028】
図1図3に示すように、上部旋回体3の下側には、下部走行体2に旋回ベアリング2aを介して旋回自在に支持された底板3aが配置されていて、側部機械室4等は底板3aの上に設置されている。また、底板3aの上には、左右に離れて前後方向に延びる一対の縦板3bが立設されており、その前端部にフロントブラケット3cが固定されている。
【0029】
なお、図1等に示すように、特に言及しない限り、上下左右等の方向は上部旋回体3を基準に説明する。
【0030】
図1に示したように、上部旋回体3の前側には、アタッチメント10が、横軸HJ及び縦軸VJの2軸回りに揺動可能に支持されている。アタッチメント10は、バケット11やアーム12、ブーム13、油圧シリンダ14a〜14dなどで構成されている。
【0031】
具体的には、バケット11は、アーム12の先端部に支持されており、油圧制御されたバケットシリンダ14aの伸縮に応じて揺動する。アーム12は、その基端部がブーム13の先端部に支持されており、油圧制御されたアームシリンダ14bの伸縮に応じて揺動する。
【0032】
ブーム13は、その基端部がスイングブラケット15に支持されており、油圧制御されたブームシリンダ14cの伸縮に応じて横軸HJ回りに揺動する。スイングブラケット15は、フロントブラケット3cに支持されており、図2に示したように、油圧制御されたスイングシリンダ14dの伸縮に応じて縦軸VJ回りに揺動する。
【0033】
従って、この油圧ショベル1では、操作レバー等を操作することにより、アタッチメント10を起伏自在、かつ、左右方向に揺動自在に動かすことができる。動作するアタッチメント10に対して前後のバランスを保持するために、上部旋回体3の後部には、高重量のカウンターウエイト8が設置されている。
【0034】
図3に示したように、燃料タンク30は、エンジンを駆動する燃料を貯留する凸凹形状の樹脂成形された容器であり、側部機械室4の前側部分に配置されている。作動油タンク9は、油圧制御に用いられる作動油を貯留する矩形箱形の容器であり、燃料タンク30の後側に隣接して配置されている。
【0035】
燃料タンク30の上部中央には、バッテリー50が、燃料タンク30を前後方向に跨がるように配置されている。
【0036】
詳しくは、燃料タンク30は、底板3aに取り付けられた台座31に載置されている。その台座31の前端から縦ピラー32が上方に延びている。縦ピラー32の上端部に、燃料タンク30に載せられた状態でバッテリートレイ33が取り付けられている。
【0037】
バッテリー50は、横長な直方体形状をしており、その上面50aには、接続端子等の電気部品や、充填液の液量を確認するインジケータが設けられている。バッテリー50は、前後方向に延びるようにバッテリートレイ33に載置され、締結具34で締め付けることによって固定されている。
【0038】
具体的には、図4図5に示すように、締結具34は、バッテリートレイ33に載置されたバッテリー50の上面に、左右幅方向に跨がって置かれる細長い形状の押さえ部34aと、押さえ部34aの各端部に締め上げ可能に締結されて下方に延びる一対の掛止アーム34bと、支持部材であるハイナット34cとを有している。ハイナット34cについては後述する。
【0039】
バッテリートレイ33の左右両側には掛止孔33aが形成されていて、そこに、各掛止アーム34bの下端に有るフックを掛け止めて、各掛止アーム34bの上端を締め上げることにより、バッテリー50はバッテリートレイ33に固定されている。
【0040】
燃料タンク30の上部右側には、上方に突出した円筒状の給油口35が設けられている。給油口35の周りには、オイルトレイ36が設置されている。給油口35は、バッテリー50の近傍、具体的には、バッテリー50の前後方向に長く延びた右側面の近傍に配置されている。
【0041】
図5に示すように、給油口35の下端35aは、バッテリー50の上面50aよりも下方に位置している。給油口35の上端35bは、バッテリー50の上面50aよりも上方に位置している。
【0042】
従って、給油の際には、バッテリー50の上面50aに燃料が飛散するおそれがあるため、バッテリー50には、カバーシート60(カバー部材)が被せられている。
【0043】
カバーシート60は、例えば、ゴムや合成樹脂等を用いて形成された、耐油性及び電気絶縁性に優れた柔軟なシート状の部材である。カバーシート60は、バッテリー50のメンテナンス時の利便性や、バッテリー50の上面50aの保護性能の向上を図るために、所定の形状に加工され、所定の状態に配置されている。
【0044】
具体的には、図4に示すように、カバーシート60は、被覆部60aと拡張部60bとで構成されている。被覆部60aは、バッテリー50の上面50aを覆う部分であり、バッテリー50の上面50aよりも大きな長方形状に形成されている。拡張部60bは、バッテリー50の上面50aから給油口35の周辺部分にわたる範囲を覆う部分であり、本実施形態では、下底側が被覆部60aの長辺の一方に連なる略台形状に形成されている。
【0045】
被覆部60aの拡張部60b側の縁部には、小径の締結孔61が1個形成されている。締結孔61は、縁部の長手方向の中間部位、カバーシート60の全体から見ると、その中心部位に配置されている。また、拡張部60bにおける被覆部60aから離れた部分(突端部62)には、大径の嵌入孔63が1個形成されている。
【0046】
被覆部60aは、拡張部60bが給油口35に向かって拡がるように配置された状態で、締結孔61に差し込んだ取付ボルト64(締結部材の一例)をハイナット34cに締結することによって支持されている。
【0047】
詳しくは、ハイナット34cは、縦長なナットであり、締結孔61の位置に対応して、押さえ部34aの給油口35側の端部に立設されている。ハイナット34cの上端は、バッテリー50の上面50aよりも上方に位置し、給油口35の上端35bとほぼ同程度の高さに位置している。
【0048】
締結孔61の上下には、各々、漏れ防止用のワッシャ部材65が配置されている。これらワッシャ部材65を挟み込んだ状態で、締結孔61に差し込まれた取付ボルト64が、ハイナット34cの上端に締結されている。それにより、被覆部60aは、バッテリー50の上面50aよりも上方に位置する、給油口35側の縁部の一点(支持点Sともいう)で片持ち状に支持され、他方の縁部は支持のない自由端となっている。
【0049】
支持点Sで支持された被覆部60aは、支持点Sを頂点にして垂れ下がった状態で、バッテリー50の上面50aを被覆する。すなわち、被覆部60aは、その長い縁部の中間部位に位置する支持点Sで一点支持されているため、末広がりに垂れ下がって窪みが生じ難い。従って、被覆部60aに燃料が付着しても溜めることなく排除できる。
【0050】
しかも、インジケータの確認等、定期的に行われるバッテリー50のメンテナンスの際には、バッテリー50の上面50aにアクセスする必要があるが、その際には、被覆部60aを捲り上げるだけでバッテリー50の上面50aにアクセス可能になる。従って、メンテナンスの作業性が向上する。
【0051】
メンテナンスごとに、取付ボルト64を脱着する必要もない。従って、脱着作業に起因して、締結孔61からバッテリー50の上面50aに燃料が入り込むこともない。
【0052】
そして、嵌入孔63は給油口35に嵌め込まれていて、カバーシート60の突端部62は、オイルトレイ36によって下方に押し付けられている。
【0053】
詳しくは、オイルトレイ36は、給油口35が嵌め込まれる筒状の嵌入部36aと、嵌入部36aの下端から外方に張り出したトレイ部36bとを有している。図示はしないが、トレイ部36bの底には、溜まる燃料を排出する排出口が設けられている。
【0054】
嵌入孔63に給油口35を嵌め込むことにより、突端部62は燃料タンク30の上に取り付けられる。その突端部62の上から嵌入部36aを給油口35に嵌め込むことにより、オイルトレイ36が給油口35に設置されている。それにより、突端部62はオイルトレイ36によって下方に押し付けられた状態で給油口35に支持される。
【0055】
その結果、突端部62は支持点Sよりも低く位置するため、図4に示すように、カバーシート60が曲がって、拡張部60bの被覆部60a側の部分に、給油口35に向かって垂れ下がる垂下部66が形成される。
【0056】
従って、給油時に燃料がオイルトレイ36の外側に漏れても、バッテリー50の上面50aに流れ込むことはないし、垂下部66によってバッテリー50の上面50aから離れる方に燃料が向かうため、給油口35の近くにバッテリー50が配置されていても、バッテリー50を燃料から効果的に保護できる。
【0057】
給油の際に、オイルトレイ36を越えて燃料が飛び散っても、バッテリー50から給油口35に至る範囲は拡張部60bによって覆われているため、燃料タンク30とバッテリー50との隙間に燃料が入り込んだりその周辺に飛び散るのを効果的に防ぐことができる。
【0058】
しかも、大径の嵌入孔63に給油口35を嵌め込んだことで、カバーシート60を安定して支持できるため、その分、取付ボルト等の支持部材を減らすことができ、部材コストや作業工数の削減が図れる。
【0059】
なお、本発明にかかる作業機械は、上述した実施形態に限定されず、それ以外の種々の構成をも包含する。
【0060】
例えば、カバーシート60の形状は一例であり、仕様に応じて適宜変更できる。カバーシート60は、オイルトレイ36と一体化してあってもよい。
【0061】
また、カバー部材は、柔軟なカバーシート60に限らず、剛性の有る樹脂成形品であってもよい。この場合、バッテリー50の上面50aにアクセスするためには、カバー部材の脱着が必要になるが、拡張部60bの脱着が容易にできるため、作業性は優れる。
【0062】
少なくとも被覆部60aを透明にすれば、カバー部材の上からインジケータの確認等ができるため、メンテナンスの作業性が向上する。
【0063】
更に、カバー部材が剛性の有る樹脂成形品である場合には、給油口に拡張部を取り付けるだけで安定して支持できるため、バッテリーによる支持を省略してもよい。
【0064】
図6に示すように、樹脂成形により、カバー部材(符号60’で示す)とオイルトレイ36とを一体化してもよい。その場合、オイルトレイ36のトレイ部36bで、カバー部材60’の垂下部66や突出部62等の拡張部60bを兼ね、嵌入部36aで嵌入孔63を兼ねるようにするとよい。
【符号の説明】
【0065】
1 油圧ショベル(作業機械)
30 燃料タンク
35 給油口
50 バッテリー
50a 上面
60 カバーシート(カバー部材)
60a 被覆部
60b 拡張部
66 垂下部
図1
図2
図3
図4
図5
図6