特許第5761306号(P5761306)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5761306
(24)【登録日】2015年6月19日
(45)【発行日】2015年8月12日
(54)【発明の名称】冷凍装置の熱源ユニット
(51)【国際特許分類】
   F25B 49/02 20060101AFI20150723BHJP
   F24F 11/02 20060101ALI20150723BHJP
【FI】
   F25B49/02 520M
   F24F11/02 103A
【請求項の数】3
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-230044(P2013-230044)
(22)【出願日】2013年11月6日
(65)【公開番号】特開2015-90240(P2015-90240A)
(43)【公開日】2015年5月11日
【審査請求日】2014年10月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】荒屋 享司
(72)【発明者】
【氏名】平良 繁治
【審査官】 ▲高▼藤 啓
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−142004(JP,A)
【文献】 実開平03−081548(JP,U)
【文献】 特開2002−098346(JP,A)
【文献】 特開2013−047591(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25B 49/02
F24F 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機(33)が配置される機械室(SP1)が閉空間として構成されている、冷凍装置の熱源ユニットであって、
前記機械室(SP1)の下部に配置される第1温度センサ(61)と、
前記機械室(SP1)の前記第1温度センサ(61)の位置よりも高い位置に配置される第2温度センサ(62)と、
前記第1温度センサ(61)及び前記第2温度センサ(62)の検出値から前記機械室(SP1)の下部に冷媒が溜まっているか否かを判定する判定部(53)と、
を備え
前記判定部(53)は、前記第2温度センサ(62)の検出値が安定し前記第1温度センサ(61)の検出値が変化する状態である場合に、前記第2温度センサ(62)の検出値と前記第1温度センサ(61)の検出値との差(△T)を監視し、前記差(△T)が所定閾値以上になったとき、前記機械室(SP1)の下部に冷媒が溜まっている第1状態であると判定する、
冷凍装置の熱源ユニット(3)。
【請求項2】
圧縮機(33)が配置される機械室(SP1)が閉空間として構成されている、冷凍装置の熱源ユニットであって、
前記機械室(SP1)の下部に配置される第1温度センサ(61)と、
前記機械室(SP1)の前記第1温度センサ(61)の位置よりも高い位置に配置される第2温度センサ(62)と、
前記第1温度センサ(61)及び前記第2温度センサ(62)の検出値から前記機械室(SP1)の下部に冷媒が溜まっているか否かを判定する判定部(53)と、
を備え、
前記判定部(53)は、前記第1温度センサ(61)及び前記第2温度センサ(62)の検出値は異なるが同じ変化傾向を示す状態である場合に、前記第1温度センサ(61)の検出値が所定温度未満となる状態が所定時間維持されたとき、前記機械室(SP1)の下部に冷媒が溜まっている第2状態であると判定する、
冷凍装置の熱源ユニット(3)。
【請求項3】
圧縮機(33)が配置される機械室(SP1)が閉空間として構成されている、冷凍装置の熱源ユニットであって、
前記機械室(SP1)の下部に配置される第1温度センサ(61)と、
前記機械室(SP1)の前記第1温度センサ(61)の位置よりも高い位置に配置される第2温度センサ(62)と、
前記第1温度センサ(61)及び前記第2温度センサ(62)の検出値から前記機械室(SP1)の下部に冷媒が溜まっているか否かを判定する判定部(53)と、
を備え、
前記判定部(53)は、
前記第2温度センサ(62)の検出値が安定し前記第1温度センサ(61)の検出値が変化する場合に、前記第2温度センサ(62)の検出値と前記第1温度センサ(61)の検出値との差(△T)を監視し、前記差(△T)が所定閾値以上になったとき、前記機械室(SP1)の下部に冷媒が溜まっている第1状態と判定し、
前記第1温度センサ(61)及び前記第2温度センサ(62)の検出値は異なるが同じ変化傾向を示す場合に、前記第1温度センサ(61)の検出値が所定温度未満となる状態が所定時間維持されたとき、前記機械室(SP1)の下部に冷媒が溜まっている第2状態と判定し、
前記第1状態か否かの判定を、前記第2状態か否かの判定よりも優先する、
冷凍装置の熱源ユニット(3)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷凍装置の熱源ユニット、特に、冷媒としてR32などの微燃性冷媒を使用して冷房運転及び暖房運転を行うことができる冷凍装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の冷暖房運転可能な冷凍装置として、特許文献1(特開2002−098393号公報)に記載されているように、冷媒としてR32などの微燃性冷媒を使用したものがある。この種の冷凍装置では、冷媒配管から外部への微燃性冷媒の漏洩を検知する一手段として、ガス検知センサを備えたものも存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
他方、ガス検知センサのような高価なセンサを用いずに微燃性冷媒の漏洩を検知する手段も検討されている。
【0004】
本発明の課題は、より安価な手段で確実に冷媒漏洩の有無を判定する手段を備えた冷凍装置の熱源ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1観点に係る冷凍装置の熱源ユニットは、圧縮機が配置される機械室が閉空間として構成されている冷凍装置の熱源ユニットであって、第1温度センサと、第2温度センサと、判定部とを備えている。第1温度センサは、機械室の下部に配置される。第2温度センサは、機械室の第1温度センサの位置よりも高い位置に配置される。判定部は、第1温度センサ及び第2温度センサの検出値から機械室の下部に冷媒が溜まっているか否かを判定する。また。判定部は、第2温度センサの検出値が安定し第1温度センサの検出値が変化する状態である場合に、第2温度センサの検出値と第1温度センサの検出値との差を監視し、その差が所定閾値以上になったとき、機械室の下部に冷媒が溜まっている第1状態であると判定する。
【0006】
この熱源ユニットでは、空気より重い冷媒が機械室の下部に溜まり、蒸発により温度低下すると考えられる。それゆえ、機械室の下部に配置される第1温度センサの位置よりも高い位置に第2温度センサを配置することによって、冷媒漏れがあった場合、漏れた冷媒が第1温度センサの高さ位置に達しているが第2温度センサの高さ位置までは達していない第1態様では、第2温度センサの検出値が安定し、第1温度センサの検出値が冷媒の蒸発により大きく変化する。したがって、第2温度センサの検出値が安定し、第1温度センサの検出値の変化が大きい場合には冷媒が溜まっている可能性が高いので、機械室の下部に冷媒が溜まっている第1状態であると判定することができる。その結果、高価なガス検知センサを使用しなくても冷媒漏洩の有無を判断することができる。
【0007】
本発明の第2観点に係る冷凍装置の熱源ユニットは、圧縮機が配置される機械室が閉空間として構成されている冷凍装置の熱源ユニットであって、第1温度センサと、第2温度センサと、判定部とを備えている。第1温度センサは、機械室の下部に配置される。第2温度センサは、機械室の第1温度センサの位置よりも高い位置に配置される。判定部は、第1温度センサ及び第2温度センサの検出値から機械室の下部に冷媒が溜まっているか否かを判定する。また、判定部は、第1温度センサ及び第2温度センサの検出値は異なるが同じ変化傾向を示す状態である場合に、第1温度センサの検出値が所定温度未満となる状態が所定時間維持されたとき、機械室の下部に冷媒が溜まっている第2状態であると判定する。
【0008】
この熱源ユニットでは、冷媒漏れがあった場合、漏れた冷媒が第2温度センサの高さ位置で留まっているときに発生する第2態様において、第1温度センサ及び第2温度センサの検出値は異なるものの同様に変化するので、機械室の下部に冷媒が溜まっている第2状態であると判定することができる。その結果、高価なガス検知センサを使用しなくても冷媒漏洩の有無を判断することができる。
【0009】
本発明の第3観点に係る冷凍装置の熱源ユニットは、圧縮機が配置される機械室が閉空間として構成されている冷凍装置の熱源ユニットであって、第1温度センサと、第2温度センサと、判定部とを備えている。第1温度センサは、機械室の下部に配置される。第2温度センサは、機械室の第1温度センサの位置よりも高い位置に配置される。判定部は、第1温度センサ及び第2温度センサの検出値から機械室の下部に冷媒が溜まっているか否かを判定する。また、判定部は、第2温度センサの検出値が安定し第1温度センサの検出値が変化する場合に、第2温度センサの検出値と第1温度センサの検出値との差を監視し、その差が所定閾値以上になったとき、機械室の下部に冷媒が溜まっている第1状態と判定する。また、判定部は、第1温度センサ及び第2温度センサの検出値は異なるが同じ変化傾向を示す場合に、第1温度センサの検出値が所定温度未満となる状態が所定時間維持されたとき、機械室の下部に冷媒が溜まっている第2状態と判定する。さらに、判定部は、第1状態か否かの判定を、第2状態か否かの判定よりも優先する。
【0010】
この熱源ユニットでは、判定部は、先ずは第1態様に対する制御で対応しながら、第1態様でないと判定したときは、第2態様に対する制御を開始する。例えば、第1態様の場合、第1温度センサ及び第2温度センサの検出値の差を監視し、その差が所定の閾値以上になったときに冷媒が機械室の下部に溜まっていると判定することができる。他方、第2態様の場合、第1温度センサの検出値が所定温度を下回り、且つ、その所定温度を下回ってから所定時間経過後も第1温度センサの検出値が所定温度を下回っている状態が維持されているときは、冷媒が機械室の下部に溜まっていると判定することができる。その結果、高価なガス検知センサを使用しなくても冷媒漏洩の有無を判断することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の第1観点に係る冷凍装置の熱源ユニットでは、空気より重い冷媒が機械室の下部に溜まり、蒸発により温度低下すると考えられる。それゆえ、機械室の下部に配置される第1温度センサの位置よりも高い位置に第2温度センサを配置することによって、冷媒漏れがあった場合、漏れた冷媒が第1温度センサの高さ位置に達しているが第2温度センサの高さ位置までは達していない第1態様では、第2温度センサの検出値が安定し、第1温度センサの検出値が冷媒の蒸発により大きく変化する。したがって、第2温度センサの検出値が安定し、第1温度センサの検出値の変化が大きい場合には冷媒が溜まっている可能性が高いので、機械室の下部に冷媒が溜まっている第1状態であると判定することができる。その結果、高価なガス検知センサを使用しなくても冷媒漏洩の有無を判断することができる。
【0012】
本発明の第2観点に係る冷凍装置の熱源ユニットでは、冷媒漏れがあった場合、漏れた冷媒が第2温度センサの高さ位置で留まっているときに発生する第2態様において、第1温度センサ及び第2温度センサの検出値は異なるものの同様に変化するので、機械室の下部に冷媒が溜まっている第2状態であると判定することができる。その結果、高価なガス検知センサを使用しなくても冷媒漏洩の有無を判断することができる。
【0013】
本発明の第3観点に係る冷凍装置の熱源ユニットでは、判定部は、先ずは第1態様に対する制御で対応しながら、第1態様でないと判定したときは、第2態様に対する制御を開始する。例えば、第1態様の場合、第1温度センサ及び第2温度センサの検出値の差を監視し、その差が所定の閾値以上になったときに冷媒が機械室の下部に溜まっていると判定することができる。他方、第2態様の場合、第1温度センサの検出値が所定温度を下回り、且つ、その所定温度を下回ってから所定時間経過後も第1温度センサの検出値が所定温度を下回っている状態が維持されているときは、冷媒が機械室の下部に溜まっていると判定することができる。その結果、高価なガス検知センサを使用しなくても冷媒漏洩の有無を判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態に係る熱源ユニットとしての室外ユニットを搭載した冷凍装置の冷媒回路図。
図2】制御部の制御ブロック図。
図3】室外ユニットの内部の構造を示す正面図。
図4】室外ユニットの内部の構造を示す平面図。
図5】漏洩検知制御の制御フロー図。
図6A】冷媒が漏洩しているときの第1温度センサの検出値の変化を表したグラフ。
図6B】冷媒が漏洩していないときにおいて第1温度センサの検出値のノイズによる変化を表したグラフ。
図7A】第1態様における第1温度センサ及び第2温度センサの検出値の変化を表したグラフ。
図7B】第2態様における第1温度センサ及び第2温度センサの検出値の変化を表したグラフ。
図8】変形例に係る漏洩検知制御の制御フロー図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の具体例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0016】
(1)冷凍装置1の構成
図1は、本発明の一実施形態に係る熱源ユニットとしての室外ユニット3を搭載した冷凍装置1の冷媒回路図である。図1において、冷凍装置1は空気調和装置であっては、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行うことによって、冷房運転及び暖房運転を行うことができる。
【0017】
冷凍装置1は、室外ユニット3と室内ユニット2とが液冷媒連絡管26及びガス冷媒連絡管27を介して接続されることによって構成されている。この冷媒回路には、HFC系冷媒の一種であるR32が封入されている。なお、封入冷媒はR32に限定されるものではなく、適宜選択可能である。
【0018】
(1−1)室内ユニット2
(1−1−1)室内熱交換器11
室内ユニット2は、室内に据え付けられる。室内ユニット2は、室内熱交換器11を有している。また、室内熱交換器11は、冷房運転時には蒸発器として機能して室内空気を冷却し、暖房運転時には放熱器として機能して室内空気を加熱する熱交換器である。室内熱交換器11の液側は液冷媒連絡管26に接続されており、室内熱交換器11のガス側はガス冷媒連絡管27に接続されている。
【0019】
(1−1−2)室内ファン42
また、室内ユニット2は、室内ファン42を有している。室内ファン42は、室内ファンモータ43によって駆動され、室内ユニット2内に室内空気を吸入して、室内熱交換器11において冷媒と熱交換させた後に、供給空気として室内に供給する。
【0020】
(1−1−3)室内側制御部45
また、室内ユニット2は、室内ユニット2を構成する各部の動作を制御する室内側制御部45を有している。そして、室内側制御部45は、室内ユニット2の制御を行うためのマイクロコンピュータやメモリ等を有しており、リモートコントローラ(図示せず)との間で制御信号等の遣り取り、及び室外ユニット3との間で伝送線5aを介して制御信号等の遣り取りを行う。
【0021】
(1−2)室外ユニット3
室外ユニット3は、室外に据え付けられる。室外ユニット3は、圧縮機33と、四路切換弁34と、室外熱交換器35と、膨張弁36と、液側閉鎖弁37と、ガス側閉鎖弁38とを有している。
【0022】
(1−2−1)圧縮機33
圧縮機33は、冷凍サイクルにおける低圧の冷媒を高圧になるまで圧縮する機器である。圧縮機33は、吸入側に吸入管21が接続されており、吐出側に吐出管22が接続されている。吸入管21は、圧縮機33の吸入側と四路切換弁34の第1ポート34aとを接続する。なお、吸入管21にはアキュムレータ29が設けられている。吐出管22は、圧縮機33の吐出側と四路切換弁34の第2ポート34bとを接続する。
【0023】
(1−2−2)四路切換弁34
四路切換弁34は、冷媒回路における冷媒の流れの方向を切り換える。四路切換弁34は、冷房運転時には、室外熱交換器35を冷媒の放熱器として機能させ、かつ、室内熱交換器11を冷媒の蒸発器として機能させることができる。
【0024】
冷房運転時、四路切換弁34は、第2ポート34bと第3ポート34cとを連通させ、かつ、第1ポート34aと第4ポート34dとを連通させる。これにより、圧縮機33の吐出管22と室外熱交換器35の第1ガス冷媒管23とが接続され、圧縮機33の吸入管21と第2ガス冷媒管24とが接続される(図1の四路切換弁34の実線を参照)。
【0025】
また、四路切換弁34は、暖房運転時には、室外熱交換器35を冷媒の蒸発器として機能させ、かつ、室内熱交換器11を冷媒の放熱器として機能させる切り換えを行う。
【0026】
暖房運転時、四路切換弁34は、第2ポート34bと第4ポート34dとを連通させ、かつ、第1ポート34aと第3ポート34cとを連通させる。これにより、圧縮機33の吐出管22と第2ガス冷媒管24とが接続され、圧縮機33の吸入管21と室外熱交換器35の第1ガス冷媒管23とが接続される(図1の四路切換弁34の破線を参照)。
【0027】
なお、第1ガス冷媒管23は四路切換弁34の第3ポート34cと室外熱交換器35のガス側とを接続する冷媒管であり、第2ガス冷媒管24は四路切換弁34の第4ポート34dとガス冷媒連絡管27側とを接続する冷媒管である。
【0028】
(1−2−3)室外熱交換器35
室外熱交換器35は、冷房運転時には室外空気を冷却源とする冷媒の放熱器として機能し、暖房運転時には室外空気を加熱源とする冷媒の蒸発器として機能する熱交換器である。室外熱交換器35は、液側が液冷媒管25に接続されており、ガス側が第1ガス冷媒管23に接続されている。液冷媒管25は、室外熱交換器35の液側と液冷媒連絡管26側とを接続する冷媒管である。
【0029】
(1−2−4)膨張弁36
膨張弁36は、冷房運転時には、冷凍サイクルにおける高圧の冷媒を冷凍サイクルにおける低圧まで減圧する機器である。また、膨張弁36は、暖房運転時には、室内熱交換器11において放熱した冷凍サイクルにおける高圧の冷媒を冷凍サイクルにおける低圧まで減圧する機器である。膨張弁36は、液冷媒管25の液側閉鎖弁37寄りの部分に設けられている。
【0030】
(1−2−5)液側閉鎖弁37及びガス側閉鎖弁38
液側閉鎖弁37及びガス側閉鎖弁38は、液冷媒連絡管26及びガス冷媒連絡管27との接続口に設けられた弁である。液側閉鎖弁37は液冷媒管25の端部に設けられ、ガス側閉鎖弁38は第2ガス冷媒管24の端部に設けられている。
【0031】
(1−2−6)室外ファン40
室外ファン40は、室外ユニット3内に室外空気を吸入して、室外熱交換器35において冷媒と熱交換させた後に外部へ排出する。なお、室外ファン40として、室外ファンモータ41によって駆動されるプロペラファン等が使用されている。
【0032】
(1−2−7)室外側制御部50
室外側制御部50は、室外ユニット3を構成する各部の動作を制御する。そして、室外側制御部50は、室外ユニット3の制御を行うための指令部51および判定部53(図2参照)としてのマイクロコンピュータ、記憶部52としてのメモリを有しており、室内ユニット2の室内側制御部45との間で伝送線5aを介して制御信号等の遣り取りを行うことができる。
【0033】
(1−3)制御部5
図2は、制御部5の制御ブロック図である。図2において、制御部5は、室内側制御部45と、室外側制御部50、両者との間を接続する伝送線5aとによって構成されており、冷凍装置1全体の運転制御を行う。
【0034】
制御部5は、各種運転設定や各種センサの検出値等に基づいて、圧縮機33の回転数、四路切換弁34の切換動作、膨張弁36の開度、室外ファンモータ41の回転数、及び室内ファンモータ43の回転数を制御することができる。
【0035】
(2)室外ユニット3の内部構造
図3は、室外ユニット3の内部の構造を示す正面図である。図4は、室外ユニット3の内部の構造を示す平面図である。図3及び図4において、室外ユニット3は、ケーシング31によって外郭を形成している。ケーシング31は、室外熱交換器35、圧縮機33、室外ファン40、及び電装品ボックス15を収納している。
【0036】
ケーシング31の内部は、仕切板310によって送風機室SP2と機械室SP1とに仕切られており、図3及び図4において、仕切板310の右側が機械室SP1であり、左側が送風機室SP2である。
【0037】
(2−1)送風機室SP2
送風機室SP2は、室外熱交換器35と室外ファン40とが配置される空間である。送風機室SP2は、前方及び後方から空気が容易に出入りできるように構成されており、室外ファン40によって外部から取り込まれた空気が通る。
【0038】
なお、電装品ボックス15は、仕切板310を跨ぐように配置されている。電装品ボックス15内部には、制御部5を構成する制御基板(図示せず)が収納されている。また、電装品ボックス15は、制御基板上の発熱部品の熱を逃がすためのヒートシンク17も収納しているが、ヒートシンク17の一部は、電装品ボックス15の下面から下方に突出して、送風機室SP2の右端部の上方に位置している。なお、ヒートシンク17の突出方向は「電装品ボックス15の下面から下方」に限定されるものではなく、その構成は適宜選択可能である。
【0039】
(2−2)機械室SP1
機械室SP1は、板金製の仕切板310によって送風機室SP2と仕切られており、風雨が侵入し難いように閉空間として構成されている。したがって、換気がほとんどない空間である。機械室SP1の内部には、圧縮機33、四路切換弁34(図1参照)、膨張弁36(図1参照)などの風雨から保護する必要の高い部品が配置されている。
【0040】
図3に示すように、機械室SP1には、側面に沿うように4つの温度センサ60が鉛直方向に並んで配置されている。説明の便宜上、4つの温度センサ60を底面側から順に、第1温度センサ61、第2温度センサ62、第3温度センサ63及び第4温度センサ64とする。第1温度センサ61、第2温度センサ62、第3温度センサ63及び第4温度センサ64の各検出値は、冷媒漏洩の判定に利用される。
【0041】
第1温度センサ61の高さ位置は、圧縮機33の底の高さに相当する。また、第2温度センサ62の高さ位置は、圧縮機33の胴部中央より少し高い位置に相当する。また、第3温度センサ63の高さ位置は、圧縮機33の頂点と電装品ボックス15の底面との中間点より少し低い位置に相当する。また、第4温度センサ64の高さ位置は、電装品ボックス15の底の高さに相当する。なお、これらの高さ位置は、あくまでも目安であり、機械室SP1の大きさに応じて適宜変更することが好ましい。
【0042】
(3)冷媒の漏洩検知制御
機械室SP1内に冷媒漏れがあった場合、空気より重い冷媒が機械室SP1の下部に溜まり、蒸発により温度低下すると考えられる。したがって、底面に近い第1温度センサ61の検出値は、他の温度センサよりも早く温度変化を検知する。
【0043】
しかしながら、第1温度センサ61が機械室SP1下部の急激な温度低下を検知しても、他の要因による過渡的変化である可能性もあるので、機械室SP1の下部の温度の時間的変化を考慮して、機械室SP1の下部に冷媒が溜まっているか否かを判定する必要がある。
【0044】
そのため、制御部5の室外側制御部50には、第1温度センサ61の検出値から機械室SP1の下部に冷媒が溜まっているか否かを判定する判定部53が設けられている。以下、冷媒漏洩の判定について説明する。
【0045】
図5は、漏洩検知制御の制御フロー図である。図5において、判定部53は、ステップS1で第1温度センサ61の検出値T1が閾値Taよりも小さいか否かを判定し、T1<TaのときはステップS2へ進み、T1<Taでないときはその判定を継続する。
【0046】
次に、判定部53は、ステップS2においてタイマーを設定し、T1<Taと判定してからの経過時間tを測定する。
【0047】
次に、判定部53は、ステップS3において経過時間tが所定時間taに達したか否かを判定し、所定時間taに達しているときはステップS4へ進み、所定時間taに達していないときはその判定を継続する。
【0048】
次に、判定部53は、ステップS4において第1温度センサ61の検出値T1がTaよりも小さいか否かを判定し、T1<TaのときはステップS5へ進み、T<TaでないときはステップS7へ進む。
【0049】
次に、判定部53は、ステップS5において「機械室SP下部に冷媒が溜まっている」と判定する。この判定の根拠については図6A及び図6Bを用いて説明する。
【0050】
図6Aは、冷媒が漏洩しているときの第1温度センサ61の検出値の変化を表したグラフである。図6Bは、冷媒が漏洩していないときにおいて第1温度センサ61の検出値のノイズによる変化を表したグラフである。
【0051】
図6Aにおいて、機械室SP1に漏洩し機械室SP1の下部に溜まり始めると、冷媒は高温であるので、漏洩直後は温度上昇するが、時間の経過と共に冷媒が周辺の熱量を奪って蒸発するので、機械室SP1下部の温度は急激に下降して、漏洩冷媒がほとんど蒸発するまで、その低下した温度が維持される。機械室SP1下部の温度がどの程度まで低下するのかは、漏洩した冷媒量によるが、R32冷媒の大気圧における蒸発温度は−51.91℃であることを鑑みると、通常で起こりうる温度低下か否かは容易に判別できる。
【0052】
したがって、機械室SP1の通常の温度よりも十分に低い温度Taを閾値とすることによって、第1温度センサ61の検出値T1がTaを下回り、且つ、T1<Taとなってから所定時間ta経過後もT1<Taが維持されているときは、冷媒が機械室SP1の下部に溜まっていると判定することができる。つまり、冷媒が漏洩していることを検知することができる。
【0053】
よって、判定部53は、ステップS6において「冷媒漏洩」の発生を知らせる警報を行う。警報は、警報音、リモコン表示部へのメッセージ表示でもよい。
【0054】
一方、第1温度センサ61の検出値がノイズによる影響を受けたときも、図6Bに示すように、機械室SP1下部の温度が下降したと判断され、タイマーが設定される。しかしながら、この場合の変化は過渡的であるので所定時間taが経過するまでに、第1温度センサ61の検出値は機械室SP1下部の本来の温度を出力することになる。
【0055】
したがって、判定部53は、ステップS4において第1温度センサ61の検出値T1がTaよりも小さくないと判定したときは、ステップS7へ進み、「機械室SP下部に冷媒が溜まっていない」と判定する。
【0056】
そして、ステップS8において、タイマーの設定を解除してステップS1に戻り、冷媒漏洩検知制御を継続する。
【0057】
以上のように、第1温度センサ61の検出値に基づいて機械室SP1の下部に冷媒が溜まっているか否かを判定することができる。その結果、高価なガス検知センサを使用しなくても冷媒漏洩の有無を判断することができる。
【0058】
なお、上記実施形態では、第1温度センサ61の上方に、第2温度センサ62、第3温度センサ63及び第4温度センサ64を鉛直方向に並べて配置しているので、万一、漏洩冷媒が機械室SP1の下部に溜まらずに漏洩箇所で蒸発しても、第1温度センサ61、第2温度センサ62、第3温度センサ63及び第4温度センサ64の各検出値のいずれか1つが、図6Aの状態を示しているときは冷媒が漏洩していると判定することができる。また、各温度センサの検出値の差が安定時とは異なる値を示すので、機械室SP1に冷媒が冷媒したと推定することもできる。
【0059】
(4)特徴
(4−1)
室外ユニット3では、第1温度センサ61の検出値T1が閾値Taより小さく、且つ、T1<Taとなってから所定時間taが経過してもなおT1<Taのときは冷媒が機械室SP1の下部に溜まっていると判定する。したがって、高価なガス検知センサを使用しなくても第1温度センサ61の検出値に基づいて冷媒漏洩の有無を判断することができる。
【0060】
(4−2)
機械室SP1の内部は複雑であるので、冷媒が下部に溜まらず中間の高さ位置で蒸発する事態、或いは高圧高温の冷媒が機械室SP1の上方に吹き出して下方に移動する前に蒸発を開始する事態も想定される。しかしながら、機械室SP1の底面側から順に、第1温度センサ61、第2温度センサ62、第3温度センサ63及び第4温度センサ64が鉛直に並んで配置されているので、第1温度センサ61、第2温度センサ62、第3温度センサ63及び第4温度センサ64の各検出値のいずれか1つが、図6Aの状態を示しているときは冷媒が漏洩していると判定することができる。また、各温度センサの検出値の差が安定時とは異なる値を示している場合に、機械室SP1に冷媒が漏洩したと推定することができる。
【0061】
(5)変形例
上記実施形態では、第1温度センサ61の検出値に基づいて、機械室SP1の下部に冷媒が溜まっているか否かを判定しているが、第2温度センサ62の検出値との比較によってさらに判定精度を高めることができる。例えば、第2温度センサ62の検出値が示す態様には、2通りの態様が想定される。
【0062】
図7Aは、第1態様における第1温度センサ61及び第2温度センサ62の検出値の変化を表したグラフである。また、図7Bは、第2態様における第1温度センサ61及び第2温度センサ62の検出値の変化を表したグラフである。
【0063】
図7Aにおいて、第1態様は、漏れた冷媒が第1温度センサ61の高さ位置に達しているが、第2温度センサ62の高さ位置までは達していないときに発生する。第1態様では、第2温度センサ62の検出値が安定し、第1温度センサ61の検出値が大きく変化する。
【0064】
図7Bにおいて、第2態様は、漏れた冷媒が第2温度センサ62の高さ位置で留まっているときに発生する。第2態様は、第1温度センサ61及び第2温度センサ62の検出値は異なるものの、同様に変化している。
【0065】
したがって、判定部53は、先ずは第1態様に対する制御で対応しながら、第1態様でないと判定したときは、第2態様に対する制御を開始する。第1態様の場合、第1温度センサ61及び第2温度センサ62の検出値の差ΔTを監視し、ΔTが所定の閾値ΔTs以上になったときに冷媒が機械室SP1の下部に溜まっていると判定する。
【0066】
他方、第2態様の場合、上記実施形態と同様に第1温度センサ61の検出値T1がTaを下回り、且つ、T1<Taとなってから所定時間ta経過後もT1<Taが維持されているときは、冷媒が機械室SP1の下部に溜まっていると判定する。以下、制御フロー図を用いて説明する。
【0067】
図8は、変形例に係る漏洩検知制御の制御フロー図である。図8において、判定部53はステップS11で、第1温度センサ61の検出値T1を取得して、ステップS12へ進む。
【0068】
次に、判定部53はステップS12において、第2温度センサ62の検出値T2を取得して、ステップS13へ進む。
【0069】
次に、判定部53はステップS13において、第1温度センサ61及び第2温度センサ62の検出値の差ΔT(=T2−T1)を求めて、ステップS14へ進む。
【0070】
次に、判定部53はステップS14において、ΔTが閾値ΔTs以上になったか否かを判定し、ΔT≧ΔTsのときはステップS15へ進み、ΔT≧ΔTsでないときはステップS24へ進む。
【0071】
次に、判定部53は、ステップS15において「第1態様である」と判定し、ステップS29へ進み、ユーザーに対し冷媒漏洩警報を出す。
【0072】
なお、判定部53がステップS14において、ΔT≧ΔTsでないと判定してステップS24へ進んだときは、ステップS24において第1温度センサ61の検出値T1がTaよりも小さいか否かを判定し、T1<TaのときはステップS25へ進み、T1<TaでないときはステップS11に戻る。
【0073】
次に、判定部53は、ステップS25においてタイマーを設定し、T1<Taと判定してからの経過時間tを測定する。
【0074】
次に、判定部53は、ステップS26において経過時間tが所定時間taに達したか否かを判定し、所定時間taに達しているときはステップS27へ進み、所定時間taに達していないときはその判定を継続する。
【0075】
次に、判定部53は、ステップS27において第1温度センサ61の検出値Ts1がTaよりも小さいか否かを判定し、T1<TaのときはステップS28へ進み、T1<TaでないときはステップS37へ進む。
【0076】
次に、判定部53は、ステップS28において「第2態様である」と判定し、ステップS29に進み、ユーザーに対し冷媒漏洩警報を出す。
【0077】
他方、判定部53は、ステップS27において第1温度センサ61の検出値T1がTaよりも小さくないと判定したときは、ステップS7へ進み、「機械室SP下部に冷媒が溜まっていない」と判定する。
【0078】
そして、ステップS38において、タイマーの設定を解除してステップS11に戻り、冷媒漏洩検知制御を継続する。
【0079】
以上のように、第1温度センサ61及び第2温度センサ62の検出値に基づいて、機械室SP1の下部に冷媒が溜まっているか否かを判定することができる。その結果、高価なガス検知センサを使用しなくても冷媒漏洩の有無を判断することができる。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明は、微燃性冷媒又は可燃性冷媒を使用して冷房運転及び暖房運転を行うことができる冷凍装置に対して、広く適用可能である。
【符号の説明】
【0081】
3 室外ユニット(熱源ユニット)
33 圧縮機
53 判定部
61 第1温度センサ
62 第2温度センサ
63 第3温度センサ
64 第4温度センサ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0082】
【特許文献1】特開2002−098393号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8