(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記Zがハロ基、ハロ基を有する1価の有機基、シアノ基、シアノ基を有する1価の有機基、ニトロ基を有する1価の有機基、ハロスルホニル基、ハロ基を有していてもよいアルキルスルホニル基である、請求項1に記載の着色組成物。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明について詳細に説明する。
着色組成物
以下、本発明の着色組成物の構成成分について説明する。
−(A)特定着色化合物−
本発明の着色組成物は、特定着色化合物、即ち上記式(1)で表される化合物を含有する。特定着色化合物は、可視光領域(380nm〜780nm)におけるモル吸光係数の最大値が通常3,000以上の化合物であり、紫外線を吸収し酸を発生する光酸発生剤として知られるトリアリールスルホニウムヘキサフルオロリン酸等とは異なる。
本発明の着色組成物において、特定着色化合物は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
【0016】
先ず、式(1)中の(Z
aR
0bM)
-について説明する。
Zは、電子吸引基であれば特に限定されるものではないが、例えば、ハロ基、ハロ基を有する1価の有機基、シアノ基、シアノ基を有する1価の有機基、ニトロ基を有する1価の有機基、ハロスルホニル基、ハロ基を有していてもよいアルキルスルホニル基等を挙げることができる。Mがリン原子、ホウ素原子、ヒ素原子又はアンチモン原子である場合、Zとしては、ハロ基、ハロ基を有する1価の有機基、シアノ基、シアノ基を有する1価の有機基、ニトロ基を有する1価の有機基が好ましい。一方、Mがチッ素原子である場合、Mがシアノ基又はハロスルホニル基以外に有するZとしては、ハロ基を有する1価の有機基、ハロ基を有していてもよいアルキルスルホニル基が好ましい。
【0017】
上記ハロ基としては、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基を挙げることができるが、耐熱性の観点から、フルオロ基が好ましい。
【0018】
上記ハロ基を有する1価の有機基としては特に限定されるものではないが、例えば、1価のハロゲン化炭化水素基が挙げられ、該ハロゲン化炭化水素基はハロ基以外の置換基を有していてもよい。
ハロゲン化炭化水素基の骨格をなす炭化水素基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルアリール基が好ましく、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数7〜20のアルキルアリール基がより好ましい。
該アルキル基は直鎖状でも分岐鎖状でもよく、例えは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、第二ブチル基、第三ブチル基、イソブチル基、アミル基、第三アミル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、第三オクチル基、2−エチルヘキシル等を挙げることができる。
また、シクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基を挙げることができる。
アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基を挙げることができる。
アルキルアリール基としては、例えば、炭素数6〜14のアリール基に、上記した炭素数1〜8のアルキル基が置換した基を挙げることができる。
ハロゲン化炭化水素基におけるハロ基としては、フルオロ基が好ましい。該ハロ基は、炭化水素基の水素原子の一部又は全部を置換することができるが、とりわけ炭化水素基の水素原子がハロ基で好ましくは80モル%以上,更に好ましくは90%モル以上,特に好ましくは100モル%置換されているものが好ましい。これにより、耐熱性をより一層高めることができる。
【0019】
シアノ基を有する1価の有機基としては特に限定されるものではないが、例えば、シアノ基で置換された1価の炭化水素基が挙げられ、1価の炭化水素基はシアノ基以外の置換基を有していてもよい。1価の炭化水素基としては、アリール基が好ましく、特にフェニル基が好ましい。
ニトロ基を有する1価の有機基としては特に限定されるものではないが、例えば、ニトロ基で置換された1価の炭化水素基が挙げられ、1価の炭化水素基はニトロ基以外の置換基を有していてもよい。1価の炭化水素基としては、アリール基が好ましく、特にフェニル基が好ましい。
【0020】
ハロ基を有していてもよいアルキルスルホニル基としては特に限定されるものではなく、アルキルスルホニル基又はハロゲン化アルキルスルホニル基を適宜選択して使用することができる。アルキルスルホニル基及びハロゲン化アルキルスルホニル基の骨格をなすアルキル基は直鎖状でも分岐鎖状でもよく、炭素数は1〜8が好ましい。該アルキル基の具体例としては、ハロゲン化炭化水素基におけるアルキル基と同様のものを挙げることができる。
また、ハロゲン化アルキルスルホニル基におけるハロ基としては、フルオロ基が好ましい。該ハロ基は、炭化水素基の水素原子の一部又は全部を置換することができるが、耐熱性の観点から、炭化水素基の水素原子がハロ基で好ましくは80モル%以上、更に好ましくは90%モル以上、特に好ましくは100モル%置換されているものが好ましい。
【0021】
ハロスルホニル基としては、FSO
2基、ClSO
2基、BrSO
2基、ISO
2基が挙げられ、FSO
2基が好ましい。
【0022】
本発明において、Zとしては、Mがリン原子、ホウ素原子、ヒ素原子又はアンチモン原子である場合、ハロ基、ハロ基以外の置換基を有していてもよい1価のハロゲン化炭化水素基、シアノ基が好ましく、特にフルオロ基、シアノ基、フッ化アルキル基、フッ化アリール基又はフッ化アルキルアリール基が好ましい。フッ化アルキル基においては炭素数1〜6(より好ましくは1〜4)のパーフルオロアルキル基が、フッ化アリール基においては炭素数6〜14(より好ましくは6〜10)のパーフルオロアリール基が、フッ化アルキルアリール基においては炭素数7〜20(より好ましくは7〜16)のパーフルオロアルキルアリール基が、ぞれぞれ好ましい。具体的には、例えば、CF
3基、CF
3CF
2基、(CF
3)
2CF基、CF
3CF
2CF
2基、CF
3CF
2CF
2CF
2基、(CF
3)
2CFCF
2基、CF
3CF
2(CF
3)CF基、(CF
3)
3C基、ペンタフルオロフェニル基、CF
3基で置換されたフェニル基等を挙げることができる。
一方、Mがチッ素原子である場合、Mがシアノ基又はハロスルホニル基以外に有するZとしては、ハロゲン化アルキルスルホニル基が好ましく、特にフッ化アルキルスルホニル基が好ましい。具体的には、例えば、CF
3SO
2基、CF
3CF
2SO
2基、(CF
3)
2CFSO
2基、CF
3CF
2CF
2SO
2基、CF
3CF
2CF
2CF
2SO
2基、(CF
3)
2CFCF
2SO
2基、CF
3CF
2(CF
3)CFSO
2基、(CF
3)
3CSO
2基等を挙げることができる。
【0023】
R
0は、アルキル基、アリール基、シクロアルキル基又はアルキルアリール基を示すが、前述のハロゲン化炭化水素基におけるアルキル基、アリール基、シクロアルキル基及びアルキルアリール基と同様のものを好適な基として挙げることができる。
【0024】
Mは、チッ素原子、リン原子、ホウ素原子、ヒ素原子又はアンチモン原子を示すが、安全性の点から、チッ素原子、リン原子又はホウ素原子であることが好ましい。なお、a+bは2、4又は6を示すが、Mがチッ素原子である場合、a+bは2であり、Mがホウ素原子である場合、a+bは4であり、Mがリン原子、ヒ素原子又はアンチモン原子である場合、a+bは6である。
【0025】
aは1〜6の整数を示し、bは0〜5の整数を示すが、Z、R
0が各々複数存在する場合には、同一でも異なってもよい。本発明においては、b=0、即ち、aが2、4又は6であることが好ましい。
【0026】
本発明において、好ましい(Z
aR
0bM)
-としては、下記式(1a)で表されるアニオン、下記式(1b)で表されるアニオン、下記式(1c)で表されるアニオン等を挙げることができる。
【0028】
〔式(1a)において、R
1はハロゲン化炭化水素基を示し、Pはリン原子を示し、Halはハロ基を示し、R
1、Halが各々複数存在する場合には、同一でも異なってもよい。cは0〜6の整数を示す。〕
【0030】
〔式(1b)において、R
2は、相互に独立に、ハロゲン化炭化水素基、シアノ基又はニトロ基若しくはシアノ基で置換されたフェニル基を示し、Bはホウ素原子を示し、Halはハロ基を示し、R
2、Halが各々複数存在する場合には、同一でも異なってもよい。dは0〜4の整数を示す。〕
【0032】
〔式(1c)において、EAは、相互に独立に、シアノ基、FSO
2基又はフッ化アルキルスルホニル基を示す。但し、2個のEAのうち少なくとも一方は、シアノ基又はFSO
2基を示す。〕
【0033】
式(1a)、式(1b)及び式(1c)中の記号の定義を説明する。
R
1はハロゲン化炭化水素基を示すが、該ハロゲン化炭化水素基としては、上記Zの説明において挙げたハロゲン化炭化水素基を挙げることができる。本発明において、R
1はフッ化アルキル基であることが好ましく、より具体的には、上記Zの説明において挙げたフッ化アルキル基が好ましい。
【0034】
R
2は、相互に独立に、ハロゲン化炭化水素基、シアノ基又はニトロ基若しくはシアノ基で置換されたフェニル基を示すが、該ハロゲン化炭化水素基としては、上記Zの説明において挙げたハロゲン化炭化水素基を挙げることができる。本発明において、R
2はフッ化アルキル基、フッ化アリール基、シアノ基又はトリフルオロメチル基若しくはフッ素原子で置換されたフェニル基であることが好ましく、より具体的には、上記Zの説明において挙げた基が好ましい。
【0035】
また、式(1a)及び式(1b)において、Halとしては、着色剤の耐熱性の観点から、フルオロ基が好ましい。
【0036】
一方、式(1c)において、EAは、シアノ基、FSO
2基又はフッ化アルキルスルホニル基を示す。フッ化アルキルスルホニル基としては、上記Zの説明において挙げたフッ化アルキルスルホニル基が好ましい。また、式(1c)において、EAとしては、2個ともシアノ基若しくはFSO
2基であるか、又は一方がFSO
2基であり、他方がフッ化アルキルスルホニル基であることが好ましい。
【0037】
上記式(1a)で表されるアニオンの代表例としては、例えば、PF
6-、(CF
3)
3PF
3-、(C
2F
5)
2PF
4-、(C
2F
5)
3PF
3-、[(CF
3)
2CF]
2PF
4-、[(CF
3)
2CF]
3PF
3、(n−C
3F
7)
2PF
4-、(n−C
3F
7)
3PF
3-、(n−C
4F
9)
3PF
3-、(C
2F
5)(CF
3)
2PF
3-、[(CF
3)
2CFCF
2]
2PF
4-、[(CF
3)
2CFCF
2]
3PF
3-、(n−C
4F
9)
2PF
4-、(n−C
4F
9)
3PF
3-、(C
2F
4H)(CF
3)
2PF
3-、(C
2F
3H
2)
3PF
3-、(C
2F
5)(CF
3)
2PF
3-等が挙げられる。中でも、PF
6-、(C
2F
5)
2PF
4-、(C
2F
5)
3PF
3-、(n−C
3F
7)
3PF
3-、(n−C
4F
9)
3PF
3-、[(CF
3)
2CF]
3PF
3-、[(CF
3)
2CF]
2PF
4-、[(CF
3)
2CFCF
2]
3PF
3-、[(CF
3)
2CFCF
2]
2PF
4-が好ましい。
【0038】
上記式(1b)で表されるアニオンの代表例としては、例えば、BF
4-、(CF
3)
4B
-、(CF
3)
3BF
-、(CF
3)
2BF
2-、(CF
3)BF
3-、(C
2F
5)
4B
-、(C
2F
5)
3BF
-、(C
2F
5)BF
3-、(C
2F
5)
2BF
2-、(CF
3)(C
2F
5)
2BF
-、(C
6F
5)
4B
-、[(CF
3)
2C
6H
3]
4B
-、(CF
3C
6H
4)
4B
-、(C
6F
5)
2BF
2 -、(C
6F
5)BF
3 -、(C
6H
3F
2)
4B
-、B(CN)
4-、B(CN)F
3-、B(CN)
2F
2-、B(CN)
3F
-、(CF
3)
3B(CN)
-、(CF
3)
2B(CN)
2-、(C
2F
5)
3B(CN)
-、(C
2F
5)
2B(CN)
2-、(n−C
3F
7)
3B(CN)
-、(n−C
4F
9)
3B(CN)
-、(n−C
4F
9)
2B(CN)
2-、(n−C
6F
13)
3B(CN)
-、(CHF
2)
3B(CN)
-、(CHF
2)
2B(CN)
2-、(CH
2CF
3)
3B(CN)
-、(CH
2CF
3)
2B(CN)
2-、(CH
2C
2F
5)
3B(CN)
-、(CH
2C
2F
5)
2B(CN)
2-、(CH
2CH
2C
3F
7)
2B(CN)
2-、(n−C
3F
7CH
2)
2B(CN)
2-、(C
6H
5)
3B(CN)
-、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートアニオン等が挙げられる。中でも、BF
4-、B(CN)
3F
-、(CF
3)
4B
-、(C
6F
5)
4B
-、[(CF
3)
2C
6H
3]
4B
-、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートアニオンが好ましい。
【0039】
上記式(1c)で表されるアニオンの中で好適なアニオンとしては、例えば、[(CN)
2N]
-、[(FSO
2)
2N]
-、[(FSO
2)N(CF
3SO
2)]
-、[(FSO
2)N(CF
3CF
2SO
2)]
-、[(FSO
2)N{(CF
3)
2CFSO
2}]
-、[(FSO
2)N(CF
3CF
2CF
2SO
2)]
-、[(FSO
2)N(CF
3CF
2CF
2CF
2SO
2)]
-、[(FSO
2)N{(CF
3)
2CFCF
2SO
2}]
-、[(FSO
2)N{CF
3CF
2(CF
3)CFSO
2}]
-、[(FSO
2)N{(CF
3)
3CSO
2}]
-等が挙げられる。中でも、[(CN)
2N]
-が特に好ましい。
【0040】
次に、式(1)中のX
+について説明する。
X
+は、カチオン性発色団、即ちX
+(Z
aR
0bM)
-として塩基性着色剤を形成するカチオンであれば特に限定されるものではないが、例えば、トリアリールメタン系発色団、メチン系発色団、アゾ系発色団、ジアリールメタン系発色団、キノンイミン系発色団、アントラキノン発色団、フタロシアニン系発色団、キサンテン系発色団等を挙げることができる。
【0041】
上記トリアリールメタン系発色団としては、下記式(2)で表わされるものが好ましい。なお、下記式(2)で表わされるカチオンには種々の共鳴構造が存在するが、本明細書においては当該共鳴構造について下記式で表わされるカチオンと同等のものとする。以下、各式で表わされるカチオンについても同様である。
【0043】
〔式(2)において、Arはアリーレン基を示し、R
3及びR
4は、相互に独立に、水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を示し、R
5及びR
6は、相互に独立に、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基又はフェニル基を示し、R
7は水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、−COOR'(R'は水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を示す。)又は塩素原子を示し、R
8及びR
11は、相互に独立に、水素原子若しくは炭素数1〜8のアルキル基を示すか、又はR
8とR
11とが一緒になって硫黄原子を示し、R
9及びR
10は、相互に独立に、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基又は塩素原子を示し、Yは水素原子又は下記式(3)で表される基を示す。〕
【0045】
〔式(3)において、R
12及びR
13は、相互に独立に、水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を示す。〕
【0046】
Arにおけるアリーレン基としては、炭素数6〜20(より好ましくは炭素数6〜10)のアリーレン基が好ましく、具体的には、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基、アントリレン基を挙げることができる。
上記式(2)に係るR
3〜R
11(−COOR'におけるR'を含む)、並びに上記式(3)に係るR
12及びR
13における炭素数1〜8のアルキル基としては、上記Zの説明において挙げたアルキル基と同様の基を挙げることができる。
【0047】
本発明においては、上記式(2)で表されるカチオンの中でも、輝度及び色純度の向上の観点から、特に下記式(4)で表されるカチオンが好ましい。
【0049】
〔式(4)において、R
3、R
4、R
5、R
6、R
12及びR
13は、上記式(2)及び(3)におけるR
3、R
4、R
5、R
6、R
12及びR
13と同義である。〕
【0050】
上記式(4)において、R
3、R
4、R
12及びR
13としては、炭素数1〜8(より好ましくは炭素数1〜6)のアルキル基が好ましく、またR
5としては、炭素数1〜8(より好ましくは炭素数1〜6)のアルキル基又はフェニル基が好ましく、更にR
6としては、炭素数1〜8(より好ましくは炭素数1〜6)のアルキル基又は水素原子が好ましい。
【0051】
上記式(2)で表されるカチオンの代表例としては、例えば、下記の化合物群c及び化合物群dに示すカチオンを挙げることができるが、中でも、化合物c2、化合物c3、化合物c4が好ましい。
【0054】
上記メチン系発色団としては、下記式(5−1)〜(5−3)で表わされるものが好ましい。
【0056】
〔式(5−1)〜(5−3)において、R
31は水素原子又はハロ基を示し、R
32、R
33、R
34及びR
35は相互に独立に炭素数1〜6のアルキル基を示し、R
36は置換又は非置換の炭素数1〜6のアルキル基を示し、Gは−CH=CH−、−CH=CH−NR
37−(R
37は水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を示す)、−CH=N−NR
37−(R
37は前記と同義である)又は−N=N−NR
37−(R
37は前記と同義である)を示し、R
aは置換若しくは非置換の芳香族炭化水素基又は置換若しくは非置換の複素環基を示す。〕
R
aとしては、下記式(5a)〜(5g)で表される基が好ましい。
【0058】
〔式(5a)〜(5g)において、R
38及びR
45は相互に独立に炭素数1〜6のアルキル基を示し、R
39は置換又は非置換の炭素数1〜6のアルキル基を示し、R
40、R
42、R
43及びR
44は相互に独立に水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を示し、R
41及びR
46は相互に独立に水素原子、ハロ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、置換若しくは非置換の炭素数1〜6のアルキル基、ニトロ基、水酸基又はシアノ基を示す。〕
【0059】
上記アルキル基の置換基としては、ハロ基、シアノ基、水酸基等が挙げられる。
【0060】
上記式(5−1)〜(5−3)で表されるカチオンの代表例としては、例えば、下記の化合物群eに示すカチオンを挙げることができる。
【化13】
【0061】
上記アゾ系発色団としては、下記式(6−1)〜(6−6)で表わされるものが好ましい。
【0063】
〔式(6−1)〜(6−6)において、R
51、R
52、R
53、R
54、R
55及びR
57は相互に独立に置換若しくは非置換の炭素数1〜6のアルキル基を示し、R
56及びR
60は相互に独立に水素原子、ハロ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、ニトロ基、水酸基又はシアノ基を示し、R
58は炭素数1〜6のアルキル基を示し、R
59は4級アンモニウムを形成する基を示し、R
bは置換若しくは非置換の芳香族炭化水素基又は置換若しくは非置換の複素環基を示す。〕
【0064】
上記R
59としては、−NR
61C
maH
2maN
+R
62R
63R
64(maは1〜5の整数であり、R
61は水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を示し、R
62、R
63及びR
64は相互に独立に炭素数1〜6のアルキル基を示す)、−COC
maH
2maN
+R
62R
63R
64(ma、R
62、R
63及びR
64は前記と同義である)、−C
maH
2maN
+(NH
2)R
74R
75(maは前記と同義であり、R
74及びR
75は相互に独立に炭素数1〜6のアルキル基を示す)、又は下記式(6−i)若しくは(6−ii)で表される基が好ましい。
【0066】
〔式(6−i)及び(6−ii)において、R
61及びmaは前記と同義である。〕
【0067】
上記R
bとしては、下記式(6a)〜(6e)で表される基、置換若しくは非置換のフェニル基が好ましい。
【0069】
〔式(6a)〜(6d)において、R
65は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又はベンジル基を示し、R
66は水素原子又は置換若しくは非置換の炭素数1〜6のアルキル基を示し、R
67は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又はフェニル基を示し、R
68は水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を示し、R
69は水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を示し、R
70〜R
73は相互に独立に水素原子、ハロ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、ニトロ基、水酸基又はシアノ基を示す。〕
【0070】
上記アルキル基の置換基としては、ハロ基、水酸基、シアノ基、−CONH
2基等が挙げられる。上記フェニル基の置換基としては、ハロ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、水酸基、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる。
【0071】
上記式(6−1)〜(6−6)で表されるカチオンの代表例としては、例えば、下記の化合物群f又は化合物群gに示すカチオンを挙げることができる。
【0074】
上記ジアリール系発色団としては、下記式(7−1)又は(7−2)で表わされるものが好ましい。
【0076】
〔式(7−1)及び(7−2)において、R
81、R
82、R
83、R
84、R
86、R
87、R
88及びR
89は相互に独立に炭素数1〜6のアルキル基を示し、R
85、R
90及びR
91は相互に独立に水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を示す。〕
【0077】
上記式(7−1)〜(7−2)で表されるカチオンの代表例としては、例えば、下記の化合物群hに示すカチオンを挙げることができる。
【0079】
上記キノンイミン系発色団としては、下記式(8−1)〜(8−3)で表わされるものが好ましい。
【0081】
〔式(8−1)〜(8−3)において、R
101、R
102、R
103、R
104、R
105、R
106、R
108、R
109、R
110、R
111、R
114、R
115、R
116、R
117及びR
118は相互に独立に水素原子、置換若しくは非置換の炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、フェニル基又はベンジル基を示し、R
107及びR
113は相互に独立に炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基を示し、R
112は−NR
119R
120(R
119及びR
120は相互に独立に置換又は非置換の炭素数1〜6のアルキル基を示す)、水酸基、ニトロ基又はシアノ基を示し、Qは酸素原子又は硫黄原子を示す。〕
【0082】
上記アルキル基の置換基としては、ハロ基、水酸基、シアノ基等が挙げられる。
【0083】
上記式(8−1)〜(8−3)で表されるカチオンの代表例としては、例えば、下記の化合物群iに示すカチオンを挙げることができる。
【0085】
上記アントラキノン発色団としては、下記式(9−1)又は(9−2)で表わされるものが好ましい。
【0087】
〔式(9−1)及び(9−2)において、R
131、R
135及びR
136は相互に独立に水素原子、置換若しくは非置換の炭素数1〜6のアルキル基、又は置換若しくは非置換のフェニル基を示し、R
132、R
133、R
134、R
138、R
139及びR
140は相互に独立に炭素数1〜6のアルキル基を示し、R
137はメチレン基又は置換若しくは非置換のアルキレン基を示す。〕
【0088】
上記アルキル基又はフェニル基の置換基としては、炭素数1〜6のアルキル基、ハロ基、水酸基、シアノ基等が挙げられる。また、上記アルキレン基としては、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基等の炭素数2〜4のアルキレン基を挙げられ、アルキレン基の置換基としては、水酸基、シアノ基又はニトロ基等が挙げることができる。
【0089】
上記式(9−1)又は(9−2)で表されるカチオンの代表例としては、例えば、下記の化合物群jに示すカチオンを挙げることができる。
【0091】
上記フタロシアニン系発色団としては、下記式(10)で表わされるものが好ましい。
【0093】
〔式(10)において、CuPcは銅フタロシアニン残基を示し、Tは下記式(10a)又は(10b)で表される基を示す。〕
【0095】
〔式(10a)及び(10b)において、R
151、R
152、R
153、R
154、R
155、R
156、R
157及びR
158は相互に独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又はフェニル基を示し、pは相互に独立に2〜8の整数を示し、mbは相互に独立に1〜5の整数を示す。〕
【0096】
上記式(10)で表されるカチオンの代表例としては、例えば、下記の化合物群kに示すカチオンを挙げることができる。
【0098】
上記キサンテン系発色団としては、下記式(11)で表わされるものが好ましい。
【0100】
〔式(11)において、R
161〜R
164は、相互に独立に、水素原子又はフェニル基を示し、フェニル基は、ハロ基、炭素数1〜8のアルキル基、水酸基、炭素数1〜6のアルコキシ基、−SO
3-、−SO
3H、−SO
3R
166又は−SO
2N(R
167)R
168で置換されていてもよい。R
165は、−SO
3-、−SO
3H、−SO
3R
166又は−SO
2N(R
167)R
168を示し、R
165が複数存在する場合には、同一でも異なってもよい。R
166は、炭素数1〜8のアルキル基を示し、R
167及びR
168は、相互に独立に、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基を示し、アルキル基は、ハロ基又は炭素数1〜6のアルコキシ基で置換されていてもよい。mcは、0〜5の整数を示す。〕
【0101】
上記式(11)で表わされるカチオンの中でも、特に下記式(11a)で表わされるカチオンが好ましい。
【0103】
〔式(11a)において、R
169は、相互に独立に、水素原子、−SO
3-、−SO
3H、−SO
3R
166又は−SO
2NHR
167を示し、R
165、R
166及びR
167は、前記と同義である
。〕
【0104】
上記式(11a)で表わされるカチオンの代表例としては、例えば、下記の化合物群mに示すカチオンを挙げることができる。
【0106】
その他X
+で表されるカチオン性発色団としては、例えば、下記の化合物群nに示すカチオンを挙げることができる。
【0108】
特定着色化合物は、公知の方法により製造することが可能であるが、例えば、特表2007−503477号公報等に開示されているように、塩交換反応により製造することができる。この場合、(Z
aR
0bM)
-で表されるアニオンの塩が必要となるが、該塩としては、市販品を用いてもよく、また公知の方法、例えば、特表2004−533473号公報、特表2006−517546号公報等を参考にして合成したものを用いてもよい。
【0109】
特定着色化合物は、例えば、X
+がトリアリールメタン系発色団である場合、有機溶媒に溶解すると青〜赤色を呈することから、該化合物を単独で、又は他の着色剤と適宜混合して使用することにより、例えば、青色画素、赤色画素、黒色の着色層を形成するための着色組成物に適用することができる。
他の着色剤としては、用途に応じて色彩や材質を適宜選択することができる。具体的には、顔料、染料及び天然色素の何れをも使用することができるが、カラーフィルタを構成する着色層には高い色純度、輝度、コントラスト、遮光性等が求められることから、顔料及び/又は染料を使用することが好ましい。
【0110】
上記顔料としては、有機顔料及び無機顔料のいずれでもよく、有機顔料としては、例えば、カラーインデックス(C.I.;The Society of Dyers and Colourists 社発行)においてピグメントに分類されている化合物が挙げられる。具体的には、下記のようなカラーインデックス(C.I.)名が付されているものを挙げることができる。
【0111】
C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー20、C.I.ピグメントイエロー24、C.I.ピグメントイエロー31、C.I.ピグメントイエロー55、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー153、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー166、C.I.ピグメントイエロー168、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー211;
【0112】
C.I.ピグメントオレンジ5、C.I.ピグメントオレンジ13、C.I.ピグメントオレンジ14、C.I.ピグメントオレンジ24、C.I.ピグメントオレンジ34、C.I.ピグメントオレンジ36、C.I.ピグメントオレンジ38、C.I.ピグメントオレンジ40、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントオレンジ46、C.I.ピグメントオレンジ49、C.I.ピグメントオレンジ61、C.I.ピグメントオレンジ64、C.I.ピグメントオレンジ68、C.I.ピグメントオレンジ70、C.I.ピグメントオレンジ71、C.I.ピグメントオレンジ72、C.I.ピグメントオレンジ73、C.I.ピグメントオレンジ74;
【0113】
C.I.ピグメントレッド1、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド17、C.I.ピグメントレッド31、C.I.ピグメントレッド32、C.I.ピグメントレッド41、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド168、C.I.ピグメントレッド170、C.I.ピグメントレッド171、C.I.ピグメントレッド175、C.I.ピグメントレッド176、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド179、C.I.ピグメントレッド180、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド187、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド206、C.I.ピグメントレッド207、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメントレッド214、C.I.ピグメントレッド220、C.I.ピグメントレッド221、C.I.ピグメントレッド224、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントレッド243、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド255、C.I.ピグメントレッド262、C.I.ピグメントレッド264、C.I.ピグメントレッド272;
【0114】
C.I.ピグメントバイオレット1、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントバイオレット29、C.I.ピグメントバイオレット32、C.I.ピグメントバイオレット36、C.I.ピグメントバイオレット38;
C.I.ピグメントブルー1、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー80;
C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36、C.I.ピグメントグリーン58;
C.I.ピグメントブラウン23、C.I.ピグメントブラウン25;
C.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック7。
【0115】
また、上記無機顔料としては、例えば、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト緑、アンバー、チタンブラック、合成鉄黒、カーボンブラック等が挙げられる。
【0116】
本発明においては、顔料を、再結晶法、再沈殿法、溶剤洗浄法、昇華法、真空加熱法又はこれらの組み合わせにより精製して使用することもできる。また、顔料は、所望により、その粒子表面を樹脂で改質して使用してもよい。顔料の粒子表面を改質する樹脂としては、例えば、特開2001−108817号公報に記載のビヒクル樹脂、又は市販の各種の顔料分散用の樹脂が挙げられる。カーボンブラック表面の樹脂被覆方法としては、例えば、特開平9−71733号公報、特開平9−95625号公報、特開平9−124969号公報等に記載の方法を採用することができる。また、有機顔料は、いわゆるソルトミリングにより、一次粒子を微細化して使用することが好ましい。ソルトミリングの方法としては、例えば、特開平08−179111号公報に開示されている方法を採用することができる。
【0117】
また、上記染料としては、各種の油溶性染料、直接染料、酸性染料、金属錯体染料等の中から適宜選択することができ、例えば、下記のようなカラーインデックス(C.I.)名が付されているものを挙げることができる。
【0118】
C.I.ソルベントイエロー4、C.I.ソルベントイエロー14、C.I.ソルベントイエロー15、C.I.ソルベントイエロー24、C.I.ソルベントイエロー82、C.I.ソルベントイエロー88、C.I.ソルベントイエロー94、C.I.ソルベントイエロー98、C.I.ソルベントイエロー162、C.I.ソルベントイエロー179;
C.I.ソルベントレッド45、C.I.ソルベントレッド49;
C.I.ソルベントオレンジ2、C.I.ソルベントオレンジ7、C.I.ソルベントオレンジ11、C.I.ソルベントオレンジ15、C.I.ソルベントオレンジ26、C.I.ソルベントオレンジ56;
C.I.ソルベントブルー35、C.I.ソルベントブルー37、C.I.ソルベントブルー59、C.I.ソルベントブルー67;
【0119】
C.I.アシッドイエロー17、C.I.アシッドイエロー29、C.I.アシッドイエロー40、C.I.アシッドイエロー76;
C.I.アシッドレッド91、C.I.アシッドレッド92、C.I.アシッドレッド97、C.I.アシッドレッド114、C.I.アシッドレッド138、C.I.アシッドレッド151;
C.I.アシッドオレンジ51、C.I.アシッドオレンジ63;
C.I.アシッドブルー80、C.I.アシッドブルー83、C.I.アシッドブルー90;
C.I.アシッドグリーン9、C.I.アシッドグリーン16、C.I.アシッドグリーン25、C.I.アシッドグリーン27。
【0120】
本発明において他の着色剤は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
【0121】
特定着色化合物と場合によって使用する他の着色剤の合計含有割合は、輝度が高く色純度に優れる画素、あるいは遮光性に優れるブラックマトリックスを形成する点から、通常、着色組成物の固形分中に5〜70質量%、好ましくは5〜60質量%である。ここでいう固形分とは、後述する溶媒以外の成分である。
【0122】
本発明においては、所望により、分散剤、分散助剤と共に使用することができる。上記分散剤としては、例えば、カチオン系、アニオン系、ノニオン系等の適宜の分散剤を使用することができるが、ポリマー分散剤が好ましい。具体的には、ウレタン系分散剤、ポリエチレンイミン系分散剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系分散剤、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル系分散剤、ポリエチレングリコールジエステル系分散剤、ソルビタン脂肪酸エステル系分散剤、ポリエステル系分散剤、アクリル系分散剤等を挙げることができる。
【0123】
このような分散剤は商業的に入手することができ、例えば、アクリル系分散剤として、Disperbyk−2000、Disperbyk−2001、BYK−LPN6919、BYK−LPN21116、BYK−LPN21324(以上、ビックケミー(BYK)社製)、ウレタン系分散剤として、Disperbyk−161、Disperbyk−162、Disperbyk−165、Disperbyk−167、Disperbyk−170、Disperbyk−182(以上、ビックケミー(BYK)社製)、ソルスパース76500(ルーブリゾール(株)社製)、ポリエチレンイミン系分散剤として、ソルスパース24000(ルーブリゾール(株)社製)、ポリエステル系分散剤として、アジスパーPB821、アジスパーPB822、アジスパーPB880、アジスパーPB881(味の素ファインテクノ株式会社製)等を挙げることができる。
また、上記分散助剤としては、例えば、顔料誘導体を挙げることができ、具体的には、銅フタロシアニン、ジケトピロロピロール、キノフタロンのスルホン酸誘導体等を挙げることができる。なお、分散剤及び分散助剤の含有量は、本発明の目的を阻害しない範囲内で適宜決定することが可能である。
【0124】
−(B)バインダー樹脂−
本発明におけるバインダー樹脂としては、特に限定されるものではないが、カルボキシル基、フェノール性水酸基等の酸性官能基を有する樹脂であることが好ましい。中でも、カルボキシル基を有する重合体(以下、「カルボキシル基含有重合体」という。)が好ましく、例えば、1個以上のカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体(以下、「不飽和単量体(b1)」という。)と他の共重合可能なエチレン性不飽和単量体(以下、「不飽和単量体(b2)」という。)との共重合体を挙げることができる。
【0125】
上記不飽和単量体(b1)としては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、p−ビニル安息香酸等を挙げることができる。 これらの不飽和単量体(b1)は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
【0126】
また、上記不飽和単量体(b2)としては、例えば、
N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドの如きN−位置換マレイミド;
スチレン、α−メチルスチレン、p−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、アセナフチレンの如き芳香族ビニル化合物;
【0127】
メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ポリエチレングルコール(n=2〜10)メチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングルコール(n=2〜10)メチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(n=2〜10)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(n=2〜10)モノ(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカン−8−イル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、パラクミルフェノールのエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、3−〔(メタ)アクリロイルオキシメチル〕オキセタン、3−〔(メタ)アクリロイルオキシメチル〕−3−エチルオキセタンの如き(メタ)アクリル酸エステル;
【0128】
シクロヘキシルビニルエーテル、イソボルニルビニルエーテル、トリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカン−8−イルビニルエーテル、ペンタシクロペンタデカニルビニルエーテル、3−(ビニルオキシメチル)−3−エチルオキセタンの如きビニルエーテル;
ポリスチレン、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリ−n−ブチル(メタ)アクリレート、ポリシロキサンの如き重合体分子鎖の末端にモノ(メタ)アクリロイル基を有するマクロモノマー等を挙げることができる。
これらの不飽和単量体(b2)は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
【0129】
不飽和単量体(b1)と不飽和単量体(b2)の共重合体において、該共重合体中の不飽和単量体(b1)の共重合割合は、好ましくは5〜50質量%、更に好ましくは10〜40質量%である。このような範囲で不飽和単量体(b1)を共重合させることにより、アルカリ現像性及び保存安定性に優れた着色組成物を得ることができる。
【0130】
不飽和単量体(b1)と不飽和単量体(b2)の共重合体の具体例としては、例えば、特開平7−140654号公報、特開平8−259876号公報、特開平10−31308号公報、特開平10−300922号公報、特開平11−174224号公報、特開平11−258415号公報、特開2000−56118号公報、特開2004−101728公報等に開示されている共重合体を挙げることができる。
【0131】
また、本発明においては、例えば、特開平5−19467号公報、特開平6−230212号公報、特開平7−207211号公報、特開平09−325494号公報、特開平11−140144号公報、特開2008−181095号公報等に開示されているように、側鎖に(メタ)アクリロイル基等の重合性不飽和結合を有するカルボキシル基含有重合体を、バインダー樹脂として使用することもできる。
【0132】
本発明におけるバインダー樹脂は、GPC(溶出溶媒:テトラヒドロフラン)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が、通常、1,000〜100,000、好ましくは3,000〜50,000である。Mwが小さすぎると、得られる被膜の残膜率等が低下したり、パターン形状、耐熱性等が損なわれたり、また電気特性が悪化するおそれがあり、一方大きすぎると、解像度が低下したり、パターン形状が損なわれたり、またスリットノズル方式による塗布時に乾燥異物が発生し易くなるおそれがある。
【0133】
また、本発明におけるバインダー樹脂の重量平均分子量と、GPC(溶出溶媒:テトラヒドロフラン)で測定したポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、好ましくは1.0〜5.0、より好ましくは1.0〜3.0である。
【0134】
本発明におけるバインダー樹脂は、公知の方法により製造することができるが、例えば、特開2003−222717号公報、特開2006−259680号公報、国際公開第07/029871号パンフレット等に開示されている方法により、その構造やMw、Mw/Mnを制御することもできる。
【0135】
本発明において、バインダー樹脂は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
【0136】
本発明において、バインダー樹脂の含有量は、特定着色化合物と場合によって使用する他の着色剤の合計100質量部に対して、通常、10〜1,000質量部、好ましくは20〜500質量部である。バインダー樹脂の含有量が少なすぎると、例えば、アルカリ現像性が低下したり、得られる着色組成物の保存安定性が低下したりするおそれがあり、一方多すぎると、相対的に着色剤濃度が低下するため、薄膜として目的とする色濃度を達成することが困難となるおそれがある。
【0137】
−(C)架橋剤−
本発明において(C)架橋剤とは、2個以上の重合可能な基を有する化合物をいう。重合可能な基としては、例えば、エチレン性不飽和基、オキシラニル基、オキセタニル基、N−アルコキシメチルアミノ基等を挙げることができる。本発明において、(C)架橋剤としては、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物又は2個以上のN−アルコキシメチルアミノ基を有する化合物が好ましく、特に、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物と2個以上のN−アルコキシメチルアミノ基を有する化合物を組み合わせて使用することが好ましい。
【0138】
上記2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物の具体例としては、脂肪族ポリヒドロキシ化合物と(メタ)アクリル酸を反応させて得られる多官能(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性された多官能(メタ)アクリレート、アルキレンオキサイド変性された多官能(メタ)アクリレート、水酸基を有する(メタ)アクリレートと多官能イソシアネートを反応させて得られる多官能ウレタン(メタ)アクリレート、水酸基を有する(メタ)アクリレートと酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基を有する多官能(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
【0139】
ここで、上記脂肪族ポリヒドロキシ化合物としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールの如き2価の脂肪族ポリヒドロキシ化合物、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールの如き3価以上の脂肪族ポリヒドロキシ化合物を挙げることができる。上記水酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、グリセロールジメタクリレート等を挙げることができる。上記多官能イソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等を挙げることができる。酸無水物としては、例えば、無水こはく酸、無水マレイン酸、無水グルタル酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸の如き二塩基酸の無水物、無水ピロメリット酸、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物の如き四塩基酸二無水物を挙げることができる。
【0140】
また、上記カプロラクトン変性された多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、特開11−44955号公報の段落〔0015〕〜〔0018〕に記載されている化合物を挙げることができる。上記アルキレンオキサイド変性された多官能(メタ)アクリレートとしては、ビスフェノールAのエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸のエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールのエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールのエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド変性テトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド変性ペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド変性ヘキサ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
【0141】
また、上記2個以上のN−アルコキシメチルアミノ基を有する化合物としては、例えば、メラミン構造、ベンゾグアナミン構造、ウレア構造を有する化合物等を挙げることができる。なお、メラミン構造、ベンゾグアナミン構造とは、1以上のトリアジン環又はフェニル置換トリアジン環を基本骨格として有する化学構造をいい、メラミン、ベンゾグアナミン又はそれらの縮合物をも含む概念である。2個以上のN−アルコキシメチルアミノ基を有する化合物の具体例としては、N,N,N',N',N'',N''−ヘキサ(アルコキシメチル)メラミン、N,N,N',N'−テトラ(アルコキシメチル)ベンゾグアナミン、N,N,N',N'−テトラ(アルコキシメチル)グリコールウリル等を挙げることができる。
【0142】
これらの多官能性単量体のうち、3価以上の脂肪族ポリヒドロキシ化合物と(メタ)アクリル酸を反応させて得られる多官能(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性された多官能(メタ)アクリレート、多官能ウレタン(メタ)アクリレート、カルボキシル基を有する多官能(メタ)アクリレート、N,N,N',N',N'',N''−ヘキサ(アルコキシメチル)メラミン、N,N,N',N'−テトラ(アルコキシメチル)ベンゾグアナミンが好ましい。3価以上の脂肪族ポリヒドロキシ化合物と(メタ)アクリル酸を反応させて得られる多官能(メタ)アクリレートの中では、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートが、カルボキシル基を有する多官能(メタ)アクリレートの中では、ペンタエリスリトールトリアクリレートと無水こはく酸を反応させて得られる化合物、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートと無水こはく酸を反応させて得られる化合物が、着色層の強度が高く、着色層の表面平滑性に優れ、かつ未露光部の基板上及び遮光層上に地汚れ、膜残り等を発生し難い点で特に好ましい。
本発明において、(C)架橋剤は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
【0143】
本発明における(C)架橋剤の含有量は、(B)バインダー樹脂100質量部に対して、10〜1,000質量部が好ましく、特に20〜500質量部が好ましい。この場合、多官能性単量体の含有量が少なすぎると、十分な硬化性が得られないおそれがある。一方、多官能性単量体の含有量が多すぎると、本発明の着色組成物にアルカリ現像性を付与した場合に、アルカリ現像性が低下し、未露光部の基板上あるいは遮光層上に地汚れ、膜残り等が発生しやすくなる傾向がある。
【0144】
−(D)光重合開始剤−
本発明の着色組成物には、(D)光重合開始剤を含有せしめることができる。これにより、着色組成物に感放射線性を付与することができる。本発明に用いる(D)光重合開始剤は、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等の放射線の露光により、上記(C)架橋剤の重合を開始しうる活性種を発生する化合物である。
【0145】
このような光重合開始剤としては、例えば、チオキサントン系化合物、アセトフェノン系化合物、ビイミダゾール系化合物、トリアジン系化合物、O−アシルオキシム系化合物、オニウム塩系化合物、ベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、α−ジケトン系化合物、多核キノン系化合物、ジアゾ系化合物、イミドスルホナート系化合物等を挙げることができる。
【0146】
本発明において、光重合開始剤は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。光重合開始剤としては、チオキサントン系化合物、アセトフェノン系化合物、ビイミダゾール系化合物、トリアジン系化合物、O−アシルオキシム系化合物の群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
【0147】
本発明における好ましい光重合開始剤のうち、チオキサントン系化合物の具体例としては、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等を挙げることができる。
【0148】
また、上記アセトフェノン系化合物の具体例としては、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、2−(4−メチルベンジル)−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン等を挙げることができる。
【0149】
また、上記ビイミダゾール系化合物の具体例としては、2,2'−ビス(2−クロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニル−1,2'−ビイミダゾール、2,2'−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニル−1,2'−ビイミダゾール、2,2'−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニル−1,2'−ビイミダゾール等を挙げることができる。
【0150】
なお、光重合開始剤としてビイミダゾール系化合物を用いる場合、水素供与体を併用することが、感度を改良することができる点で好ましい。ここでいう「水素供与体」とは、露光によりビイミダゾール系化合物から発生したラジカルに対して、水素原子を供与することができる化合物を意味する。水素供与体としては、例えば、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール等のメルカプタン系水素供与体、4,4'−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のアミン系水素供与体を挙げることができる。本発明において、水素供与体は、単独で又は2種以上を混合して使用することができるが、1種以上のメルカプタン系水素供与体と1種以上のアミン系水素供与体とを組み合わせて使用することが、さらに感度を改良することができる点で好ましい。
【0151】
また、上記トリアジン系化合物の具体例としては、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔2−(フラン−2−イル)エテニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−n−ブトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等のハロメチル基を有するトリアジン系化合物を挙げることができる。
【0152】
また、O−アシルオキシム系化合物の具体例としては、1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)フェニル〕−,2−(O−ベンゾイルオキシム)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)、エタノン,1−〔9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロフラニルメトキシベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−,1−(O−アセチルオキシム)、エタノン,1−〔9−エチル−6−{2−メチル−4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラニル)メトキシベンゾイル}−9H−カルバゾール−3−イル〕−,1−(O−アセチルオキシム)等を挙げることができる。
【0153】
本発明において、アセトフェノン系化合物等のビイミダゾール系化合物以外の光重合開始剤を用いる場合には、増感剤を併用することもできる。このような増感剤としては、例えば、4,4'−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−ジエチルアミノアセトフェノン、4−ジメチルアミノプロピオフェノン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、2,5−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)シクロヘキサノン、7−ジエチルアミノ−3−(4−ジエチルアミノベンゾイル)クマリン、4−(ジエチルアミノ)カルコン等を挙げることができる。
【0154】
本発明において、光重合開始剤の含有量は、(C)架橋剤100質量部に対して、0.01〜120質量部が好ましく、特に1〜100質量部が好ましい。この場合、光重合開始剤の含有量が少なすぎると、露光による硬化が不十分となるおそれがあり、一方多すぎると、形成された着色層が現像時に基板から脱落しやすくなる傾向がある。
【0155】
−(E)溶媒−
本発明の着色組成物は、上記(A)〜(C)成分、及び任意的に加えられる他の成分を含有するものであるが、通常、溶媒を配合して液状組成物として調製される。
上記溶媒としては、着色組成物を構成する(A)〜(C)成分や他の成分を分散又は溶解し、かつこれらの成分と反応せず、適度の揮発性を有するものである限り、適宜に選択して使用することができる。
【0156】
このような溶媒としては、例えば、
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル類;
【0157】
乳酸メチル、乳酸エチル等の乳酸アルキルエステル類;
メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロパノール、イソブタノール、t−ブタノール、オクタノール、2−エチルヘキサノール、シクロヘキサノール等の(シクロ)アルキルアルコール類;
ジアセトンアルコール等のケトアルコール類;
【0158】
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;
ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等の他のエーテル類;
メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等のケトン類;
【0159】
プロピレングリコールジアセテート、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,6−ヘキサンジオールジアセテート等のジアセテート類;
3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート等のアルコキシカルボン酸エステル類;
酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、ぎ酸n−アミル、酢酸i−アミル、プロピオン酸n−ブチル、酪酸エチル、酪酸n−プロピル、酪酸i−プロピル、酪酸n−ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸n−プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸エチル等の他のエステル類;
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド又はラクタム類
等を挙げることができる。
【0160】
これらの溶媒のうち、溶解性、顔料分散性、塗布性等の観点から、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,6−ヘキサンジオールジアセテート、乳酸エチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、ぎ酸n−アミル、酢酸i−アミル、プロピオン酸n−ブチル、酪酸エチル、酪酸i−プロピル、酪酸n−ブチル、ピルビン酸エチル等が好ましい。
本発明において、溶媒は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
【0161】
溶媒の含有量は、特に限定されるものではないが、得られる着色組成物の塗布性、安定性等の観点から、当該着色組成物から溶媒を除いた各成分の合計濃度が、5〜50質量%となる量が好ましく、特に10〜40質量%となる量が好ましい。
【0162】
−添加剤−
本発明の着色組成物は、必要に応じて、種々の添加剤を含有することもできる。
添加剤としては、例えば、ガラス、アルミナ等の充填剤;ポリビニルアルコール、ポリ(フロオロアルキルアクリレート)類等の高分子化合物;フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤等の界面活性剤;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等の密着促進剤;2,2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチルフェノール等の酸化防止剤;2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノン類等の紫外線吸収剤;ポリアクリル酸ナトリウム等の凝集防止剤;マロン酸、アジピン酸、イタコン酸、シトラコン酸、フマル酸、メサコン酸、2−アミノエタノール、3−アミノ−1−プロパノール、5−アミノ−1−ペンタノール、3−アミノ−1,2−プロパンジオール、2−アミノ−1,3−プロパンジオール、4−アミノ−1,2−ブタンジオール等の残渣改善剤;こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕、フタル酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等の現像性改善剤;特開2008−242078号公報等に開示されている反応性官能基を有するシロキサンオリゴマー等を挙げることができる。
【0163】
本発明の着色組成物は、適宜の方法により調製することができ、その調製方法としては、例えば、特開2008−58642号公報、特開2010−132874号公報等に開示されている方法を挙げることができる。特定着色化合物と共に、他の着色剤として顔料を使用する場合、特開2010−132874号公報に開示されているように、特定着色化合物を含む染料溶液を第1のフィルタに通した後、第1のフィルタを通過した染料溶液を、別途調製した顔料分散液等と混合し、得られた着色組成物を第2のフィルタに通すことにより調製する方法が好ましい。また、特定着色化合物を含む染料と、上記(B)〜(C)成分、並びに必要に応じて上記(D)成分及び添加剤成分を(E)溶媒に溶解し、得られた溶液を第1のフィルタに通した後、第1のフィルタを通過した溶液を、別途調製した顔料分散液と混合し、得られた着色組成物を第2のフィルタに通すことにより調製する方法も好ましい。また、特定着色化合物を含む染料溶液を第1のフィルタに通した後、第1のフィルタを通過した染料溶液と、上記(B)〜(C)成分、並びに必要に応じて上記(D)〜(E)成分及び添加剤成分を混合・溶解し、得られた溶液を第2のフィルタに通し、更に第2のフィルタを通過した溶液を、別途調製した顔料分散液と混合し、得られた着色組成物を第3のフィルタに通すことにより調製する方法も好ましい。
【0164】
カラーフィルタ及びその製造方法
本発明のカラーフィルタは、特定着色化合物を含有する着色層を備えるものである。
【0165】
カラーフィルタを製造する方法としては、第一に次の方法が挙げられる。まず、基板の表面上に、必要に応じて、画素を形成する部分を区画するように遮光層(ブラックマトリックス)を形成する。次いで、この基板上に、例えば、特定着色化合物を含有する青色の感放射線性組成物の液状組成物を塗布したのち、プレベークを行って溶媒を蒸発させ、塗膜を形成する。次いで、この塗膜にフォトマスクを介して露光したのち、アルカリ現像液を用いて現像して、塗膜の未露光部を溶解除去する。その後、ポストベークすることにより、青色の画素パターンが所定の配列で配置された画素アレイを形成する。
【0166】
次いで、緑色又は赤色の各着色感放射線性組成物を用い、上記と同様にして、各着色感放射線性組成物の塗布、プレベーク、露光、現像及びポストベークを行って、緑色の画素アレイ及び赤色の画素アレイを同一基板上に順次形成する。これにより、赤色、緑色及び青色の三原色の画素アレイが基板上に配置されたカラーフィルタが得られる。但し、本発明においては、各色の画素を形成する順序は、上記のものに限定されない。
【0167】
また、ブラックマトリックスは、スパッタや蒸着により成膜したクロム等の金属薄膜を、フォトリソグラフィー法を利用して所望のパターンとすることにより形成することができるが、黒色の着色剤が分散された着色感放射線性組成物を用いて、上記画素の形成の場合と同様にして形成することもできる。本発明の着色組成物は、かかるブラックトリックスの形成にも好適に使用することができる。
【0168】
カラーフィルタを形成する際に使用される基板としては、例えば、ガラス、シリコン、ポリカーボネート、ポリエステル、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド等を挙げることができる。
また、これらの基板には、所望により、シランカップリング剤等による薬品処理、プラズマ処理、イオンプレーティング、スパッタリング、気相反応法、真空蒸着等の適宜の前処理を施しておくこともできる。
【0169】
着色感放射線性組成物を基板に塗布する際には、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法(スピンコート法)、スリットダイ塗布法、バー塗布法等の適宜の塗布法を採用することができるが、特に、スピンコート法、スリットダイ塗布法を採用することが好ましい。
【0170】
プレベークは、通常、減圧乾燥と加熱乾燥を組み合わせて行われる。減圧乾燥は、通常50〜200Paに到達するまで行う。また、加熱乾燥の条件は、通常70〜110℃で1〜10分程度である。
【0171】
塗布厚さは、乾燥後の膜厚として、通常、0.6〜8.0μm、好ましくは1.2〜5.0μmである。
【0172】
画素及び/又はブラックマトリックスを形成する際に使用される放射線の光源としては、例えば、キセノンランプ、ハロゲンランプ、タングステンランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、中圧水銀灯、低圧水銀灯等のランプ光源やアルゴンイオンレーザー、YAGレーザー、XeClエキシマーレーザー、窒素レーザー等のレーザー光源等を挙げることができるが、波長が190〜450nmの範囲にある放射線が好ましい。
【0173】
放射線の露光量は、一般的には10〜10,000J/m
2が好ましい。
また、上記アルカリ現像液としては、例えば、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等の水溶液が好ましい。
【0174】
上記アルカリ現像液には、例えばメタノール、エタノール等の水溶性有機溶剤や界面活性剤等を適量添加することもできる。なお、アルカリ現像後は、通常、水洗する。
現像処理法としては、シャワー現像法、スプレー現像法、ディップ(浸漬)現像法、パドル(液盛り)現像法等を適用することができる。現像条件は、常温で5〜300秒が好ましい。
【0175】
ポストベークの条件は、通常120〜280℃で10〜60分程度であるが、本着色剤の耐熱性の点から、ポストベークの温度は、好ましくは240℃以下、特に好ましくは230℃以下である。
このようにして形成された画素の膜厚は、通常0.5〜5.0μm、好ましくは1.0〜3.0μmである。
【0176】
また、カラーフィルタを製造する第二の方法として、特開平7−318723号公報、特開2000−310706号公報等に開示されている、インクジェット方式により各色の画素を得る方法を採用することができる。この方法においては、まず、基板の表面上に、遮光機能も兼ねた隔壁を形成する。次いで、形成された隔壁内に、例えば、特定着色化合物を含有する青色の着色組成物の液状組成物を、インクジェット装置により吐出したのち、プレベークを行って溶媒を蒸発させる。次いで、この塗膜を必要に応じて露光したのち、ポストベークすることにより硬化させ、青色の画素パターンを形成する。
【0177】
次いで、緑色又は赤色の各着色組成物を用い、上記と同様にして、緑色の画素パターン及び赤色の画素パターンを同一基板上に順次形成する。これにより、赤色、緑色及び青色の三原色の画素パターンが基板上に配置されたカラーフィルタが得られる。但し、本発明においては、各色の画素を形成する順序は、上記のものに限定されない。
【0178】
なお、上記隔壁は、遮光機能のみならず、区画内に吐出された各色の着色組成物が混色しないための機能も果たしているため、上記した第一の方法で使用されるブラックマトリックスに比べ、膜厚が厚い。したがって、隔壁は、通常、黒色感放射線性組成物を用いて形成される。
カラーフィルタを形成する際に使用される基板や放射線の光源、また、プレベークやポストベークの方法や条件は、上記した第一の方法と同様である。このようにして、インクジェット方式により形成された画素の膜厚は、隔壁の高さと同程度である。
【0179】
このようにして得られた画素パターン上に、必要に応じて保護膜を形成した後、透明導電膜をスパッタリングにより形成する。透明導電膜を形成した後、更にスペーサーを形成してカラーフィルタとすることもできる。スペーサーは、通常、感放射線性組成物を用いて形成されるが、遮光性を有するスペーサー(ブラックスペーサー)とすることもできる。この場合、黒色の着色剤が分散された着色感放射線性組成物が用いられるが、本発明の着色組成物は、かかるブラックスペーサーの形成にも好適に使用することができる。
このようにして得られる本発明のカラーフィルタは、輝度及び色純度が極めて高いため、カラー液晶表示素子、カラー撮像管素子、カラーセンサー、有機EL表示素子、電子ペーパー等に極めて有用である。
【0180】
表示素子
本発明の表示素子は、本発明のカラーフィルタを具備するものである。表示素子としては、カラー液晶表示素子、有機EL表示素子、電子ペーパー等を挙げることができる。
本発明のカラーフィルタを具備するカラー液晶表示素子は、適宜の構造をとることができる。例えば、カラーフィルタを、薄膜トランジスター(TFT)が配置された駆動用基板とは別の基板上に形成して、駆動用基板とカラーフィルタを形成した基板とが、液晶層を介して対向した構造をとることができ、さらに薄膜トランジスター(TFT)が配置された駆動用基板の表面上にカラーフィルタを形成した基板と、ITO(錫をドープした酸化インジュウム)電極を形成した基板とが、液晶層を介して対向した構造をとることもできる。後者の構造は、開口率を格段に向上させることができ、明るく高精細な液晶表示素子が得られるという利点を有する。
【0181】
本発明のカラーフィルタを具備するカラー液晶表示素子は、冷陰極蛍光管(CCFL:Cold Cathode Fluorescent Lamp)の他、白色LEDを光源とするバックライトユニットを具備することができる。白色LEDとしては、例えば、独立したスペクトルを有する赤色LEDと緑色LEDと青色LEDを用いて白色光を得る白色LED、赤色LEDと緑色LEDと青色LEDを組み合わせて混色により白色光を得る白色LED、青色LEDと赤色LEDと緑色蛍光体を組み合わせて混色により白色光を得る白色LED、青色LEDと赤色発光蛍光体と緑色発光蛍光体を組み合わせて混色により白色光を得る白色LED、青色LEDとYAG系蛍光体の混色により白色光を得る白色LED、青色LEDと橙色発光蛍光体と緑色発光蛍光体を組み合わせて混色により白色光を得る白色LED、紫外線LEDと赤色発光蛍光体と緑色発光蛍光体と青色発光蛍光体を組み合わせて混色により白色光を得る白色LED等を挙げることができる。
【0182】
本発明のカラーフィルタを具備するカラー液晶表示素子には、TN(Twisted Nematic)型、STN(Super Twisted Nematic)型、IPS(In−Planes Switching)型、VA(Vertical Alignment)型、OCB(Optically Compensated Birefringence)型等の適宜の液晶モードが適用できる。
【0183】
また、本発明のカラーフィルタを具備する有機EL表示素子は、適宜の構造を採ることが可能であり、例えば、特開平11−307242号公報に開示されている構造を挙げることができる。
【0184】
また、本発明のカラーフィルタを具備する電子ペーパーは、適宜の構造を採ることが可能であり、例えば、特開2007−41169号公報に開示されている構造を挙げることができる。
【実施例】
【0185】
以下、実施例を挙げて、本発明の実施の形態をさらに具体的に説明する。但し、本発明は、下記実施例に限定されるものではない。
【0186】
<特定着色化合物の合成及び評価>
1.特定着色化合物の合成
合成例1
【0187】
【化32】
【0188】
攪拌子を投入したスクリュー管に、C.I.ベーシックブルー7(上記化合物群cの化合物c2のCl
-塩)1.4g(2.72mmol)、テトラフルオロボレートカリウム(和光純薬社製)0.768g(4.08mmol)、クロロホルム20mL及び水10mLを加え、室温で7時間攪拌した。水層を分離除去後、有機層を2回水洗し減圧下で濃縮し、更に得られた固体を減圧乾燥することにより、青黒い固体1.70gを得た(収率80.2%)。これを化合物Aとする。化合物Aの
1H−NMR(溶剤:重水素化クロロホルム)スペクトルは以下の通りであり、目的の化合物であることが確認された。
【0189】
1H−NMR:δ7.95(d, 1H), 7.06-7.60(m, 8H), 6.75(brs, 3H), 6.68(d, 2H), 6.05(brs, 1H), 3.58(q, 10H), 1.58(s, 1H), 1.49(t, 3H), 1.31(t, 12H)
【0190】
合成例2
合成例1においてテトラフルオロボレートカリウムに代えてヘキサフルオロリン酸リチウム(和光純薬社製)を用いた以外は、合成例1と同様にして特定着色化合物を合成し、
1H−NMR(溶剤:重水素化クロロホルム)測定により、目的の化合物であることを確認した。これを化合物Bとする。化合物Bの
1H−NMRスペクトルは以下の通りである。
【0191】
1H−NMR:δ8.08(d, 1H), 7.05-7.62(m, 8H), 6.75(brs, 3H), 6.68(d, 2H), 6.38
(brs, 1H), 3.55(q, 10H), 1.63(s, 1H), 1.49(t, 3H), 1.31(t, 12H)
【0192】
合成例3
合成例1においてテトラフルオロボレートカリウムに代えてテトラキス(ペンタフルオロベンゼン)ボレートカリウム(和光純薬社製)を用いた以外は、合成例1と同様にして特定着色化合物を合成し、
1H−NMR(溶剤:重水素化クロロホルム)測定により、目的の化合物であることを確認した。これを化合物Cとする。化合物Cの
1H−NMRスペクトルは以下の通りである。
【0193】
1H−NMR:δ7.95(d, 1H), 7.06-7.60(m, 8H), 6.75(brs, 3H), 6.68(d, 2H), 6.05(brs, 1H), 3.58(q, 10H), 1.58(s, 1H), 1.49(t, 3H), 1.31(t, 12H)
【0194】
合成例4
合成例1においてテトラフルオロボレートカリウムに代えてK[BF(CN)
3]を用いた以外は、合成例1と同様にして特定着色化合物を合成し、
1H−NMR(溶剤:重水素化クロロホルム)測定により、目的の化合物であることを確認した。これを化合物Dとする。化合物Dの
1H−NMRスペクトルは以下の通りである。
【0195】
1H−NMR:δ7.95(d, 1H), 7.06-7.60(m, 8H), 6.75(brs, 3H), 6.68(d, 2H), 6.13(brs, 1H), 3.58(q, 10H), 1.58(s, 1H), 1.49(t, 3H), 1.31(t, 12H)
【0196】
合成例5
合成例1においてC.I.ベーシックブルー7に代えてC.I.ベーシックブルー11(上記化合物群cの化合物c4のCl
-塩)を用いた以外は、合成例1と同様にして特定着色化合物を合成し、
1H−NMR(溶剤:重水素化クロロホルム)測定により、目的の化合物であることを確認した。
【0197】
合成例6
合成例1においてC.I.ベーシックブルー7に代えてC.I.ベーシックバイオレット16(上記化合物群eの化合物e2のCl
-塩)を用いた以外は、合成例1と同様にして特定着色化合物を合成し、
1H−NMR(溶剤:重水素化クロロホルム)測定により、目的の化合物であることを確認した。
【0198】
合成例7
合成例1においてC.I.ベーシックブルー7に代えてC.I.ベーシックブルー41(上記化合物群fの化合物f13のメタン硫酸塩)を用いた以外は、合成例1と同様にして特定着色化合物を合成し、
1H−NMR(溶剤:重水素化クロロホルム)測定により、目的の化合物であることを確認した。
【0199】
合成例8
合成例1においてC.I.ベーシックブルー7に代えてC.I.ベーシックブルー3(上記化合物群iの化合物i4のCl
-塩)を用いた以外は、合成例1と同様にして特定着色化合物を合成し、
1H−NMR(溶剤:重水素化クロロホルム)測定により、目的の化合物であることを確認した。
【0200】
合成例9
合成例1においてC.I.ベーシックブルー7に代えてC.I.ベーシックブルー22(上記化合物群jの化合物j1のCl
-塩)を用いた以外は、合成例1と同様にして特定着色化合物を合成し、
1H−NMR(溶剤:重水素化クロロホルム)測定により、目的の化合物であることを確認した。
【0201】
実施例1
合成例1においてテトラフルオロボレートカリウムに代えてジシアナミドナトリウム(和光純薬社製)を用いた以外は、合成例1と同様にして特定着色化合物を合成し、
1H−NMR(溶剤:重水素化クロロホルム)測定により、目的の化合物であることを確認した。これを化合物Eとする。化合物Eの
1H−NMRスペクトルは以下の通りである。
【0202】
1H−NMR:δ7.95(d, 1H), 6.98-7.65(m, 7H), 6.76(brs, 4H), 6.69(d, 1H), 5.96(brs, 1H), 3.56(q, 10H), 1.50(t, 3H), 1.30(t, 12H)
【0203】
実施例2
合成例1においてC.I.ベーシックブルー7に代えてC.I.ベーシックブルー3を、テトラフルオロボレートカリウムに代えてジシアナミドナトリウムを、それぞれ用いた以外は、合成例1と同様にして特定着色化合物を合成し、
1H−NMR(溶剤:重水素化クロロホルム)測定により、目的の化合物であることを確認した。
【0204】
実施例3
合成例1においてC.I.ベーシックブルー7に代えてC.I.ベーシックブルー22を、テトラフルオロボレートカリウムに代えてジシアナミドナトリウムを、それぞれ用いた以外は、合成例1と同様にして特定着色化合物を合成し、
1H−NMR(溶剤:重水素化クロロホルム)測定により、目的の化合物であることを確認した。
【0205】
2.特定着色化合物の評価
合成例1で得られた化合物Aは、シクロヘキサノンに10質量%以上溶解し、その溶液は青色を呈した。合成例2〜9及び実施例1〜3で得られた特定着色化合物は、いずれもシクロヘキサノンに10質量%以上溶解した。
また、合成例1〜9及び実施例1〜3で得られた特定着色化合物の、熱重量−示差熱同時測定分析に基づく5%質量減少温度は、いずれも250℃以上であった。一方、C.I.ベーシックブルー7、C.I.ベーシックブルー11、C.I.ベーシックバイオレット16、C.I.ベーシックブルー41、C.I.ベーシックブルー3及びC.I.ベーシックブルー22の、熱重量−示差熱同時測定分析に基づく5%質量減少温度は、いずれも200℃未満であった。
【0206】
<顔料分散液の調製>
調製例1
着色剤としてC.I.ピグメントブルー15:6を15質量部、分散剤としてBYK−LPN21116(ビックケミー(BYK)社製)12.5質量部(固形分濃度=40質量%)、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート72.5質量部を用いて、ビーズミルにより処理して、顔料分散液(A−1)を調製した。
【0207】
調製例2
着色剤としてC.I.ピグメントブルー15:6に代えてC.I.ピグメントバイオレット23を使用した以外は、調製例1と同様にして、顔料分散液(A−2)を調製した。
【0208】
<染料溶液の調製>
調製例3
着色剤として化合物Aを5質量部、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート95質量部を混合し、染料溶液Aを調製した。
【0209】
調製例4
着色剤として化合物Bを5質量部、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテ
ルアセテート95質量部を混合し、染料溶液Bを調製した。
【0210】
調製例5
着色剤として化合物Cを5質量部、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート95質量部を混合し、染料溶液Cを調製した。
【0211】
調製例6
着色剤として化合物Dを5質量部、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート95質量部を混合し、染料溶液Dを調製した。
【0212】
調整例7
着色剤として化合物Eを5質量部、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート95質量部を混合し、染料溶液Eを調製した。
【0213】
調整例8
着色剤としてC.I.ベーシックブルー7を5質量部、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテル95質量部を混合し、染料溶液Fを調製した。
【0214】
<バインダー樹脂の合成>
冷却管と攪拌機を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート100質量部を仕込んで窒素置換した。80℃に加熱して、同温度で、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート100質量部、メタクリル酸20質量部、スチレン10質量部、ベンジルメタクリレート5質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート15質量部、2−エチルヘキシルメタクリレート23質量部、N−フェニルマレイミド12質量部、こはく酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)15質量部及び2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)6質量部の混合溶液を1時間かけて滴下し、この温度を保持して2時間重合した。その後、反応溶液の温度を100℃に昇温させ、さらに1時間重合することにより、バインダー樹脂溶液(固形分濃度=33質量%)を得た。得られたバインダー樹脂は、Mw=12,200、Mn=6,500であった。このバインダー樹脂を「バインダー樹脂(B1)」とする。
【0215】
<着色組成物の調製及び評価>
実施例4
顔料分散液(A−1)13.6質量部、染料溶液Aを27.2質量部、バインダー樹脂としてバインダー樹脂(B1)溶液18.1質量部、架橋剤として東亞合成株式会社製M−402(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとジペンタエリスリトールペンタアクリレートの混合物)5.5質量部と株式会社三和ケミカル製MW−30(N,N,N',N',N'',N''−ヘキサ(メトキシメチル)メラミンが主成分、重量平均重合度1.3)2.4質量部、光重合開始剤として2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製、商品名IRGACURE369)2.2質量部、フッ素系界面活性剤としてDIC株式会社製メガファックF−554を0.2質量部、及び溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを混合して、固形分濃度20質量%の着色組成物(CR1)を調製した。
【0216】
着色組成物(CR1)を、ガラス基板上に、スピンコーターを用いて塗布した後、80℃のホットプレートで10分間プレベークを行って塗膜を形成した。スピンコーターの回転数を変えて同様の操作により、膜厚の異なる3枚の塗膜を形成した。
次いで、これらの基板を室温に冷却したのち、高圧水銀ランプを用い、フォトマスクを介さずに、各塗膜に365nm、405nm及び436nmの各波長を含む放射線を2,000J/m
2の露光量で露光した。その後、これらの基板に対して、23℃の0.04質量%水酸化カリウム水溶液からなる現像液を現像圧1kgf/cm
2(ノズル径1mm)で吐出することにより、90秒間シャワー現像を行った。その後、この基板を超純水で洗浄し、風乾した後、更に230℃のクリーンオーブン内で30分間ポストベークを行うことにより、評価用硬化膜を形成した。
【0217】
得られた3枚の硬化膜について、カラーアナライザー(大塚電子(株)製MCPD2000)を用い、C光源、2度視野にて、CIE表色系における色度座標値(x,y)及び刺激値(Y)を測定した。また、得られた硬化膜の膜厚を、KLA−Tencor製アルファステップIQを用いて測定した。測定結果より、色度座標値y=0.080での色度座標値x、刺激値(Y)及び膜厚を求めた。評価結果を表1に示す。刺激値(Y)が大きいほど光透過率(輝度)が高く、膜厚が薄いほど着色力が高いことを示す。
【0218】
硬化膜が形成された基板を2枚の偏向板で挟み、背面側から蛍光灯(波長範囲380〜780nm)で照射しつつ前面側の偏向板を回転させ、輝度計LS−100(ミノルタ(株)製)により透過する光強度の最大値と最小値を測定した。そして、各々の硬化膜について、最大値を最小値で除した値をコントラスト比とした。測定結果より、色度座標値y=0.080でのコントラスト比を求めた。評価結果を表1に示す。
【0219】
実施例5
顔料分散液(A−1)15.5質量部、染料溶液Bを22.3質量部、バインダー樹脂としてバインダー樹脂(B1)溶液16.1質量部、架橋剤として東亞合成株式会社製M−402(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとジペンタエリスリトールペンタアクリレートの混合物)5.5質量部と株式会社三和ケミカル製MW−30(N,N,N',N',N'',N''−ヘキサ(メトキシメチル)メラミンが主成分、重量平均重合度1.3)2.4質量部、光重合開始剤として2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製、商品名IRGACURE369)2.2質量部、フッ素系界面活性剤としてDIC株式会社製メガファックF−554を0.2質量部、及び溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを混合して、固形分濃度20質量%の着色組成物(CR2)を調製した。
着色組成物(CR1)に代えて着色組成物(CR2)を用いた以外は、実施例4と同様にして評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0220】
実施例6
顔料分散液(A−1)16.2質量部、染料溶液Cを21.3質量部、バインダー樹脂としてバインダー樹脂(B1)溶液16.1質量部、架橋剤として東亞合成株式会社製M−402(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとジペンタエリスリトールペンタアクリレートの混合物)5.5質量部と株式会社三和ケミカル製MW−30(N,N,N',N',N'',N''−ヘキサ(メトキシメチル)メラミンが主成分、重量平均重合度1.3)2.4質量部、光重合開始剤として2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製、商品名IRGACURE369)2.2質量部、フッ素系界面活性剤としてDIC株式会社製メガファックF−554を0.2質量部、及び溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを混合して、固形分濃度20質量%の着色組成物(CR3)を調製した。
着色組成物(CR1)に代えて着色組成物(CR3)を用いた以外は、実施例4と同様にして評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0221】
実施例7
顔料分散液(A−1)15.5質量部、染料溶液Dを23.2質量部、バインダー樹脂としてバインダー樹脂(B1)溶液16.1質量部、架橋剤として東亞合成株式会社製M−402(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとジペンタエリスリトールペンタアクリレートの混合物)5.5質量部と株式会社三和ケミカル製MW−30(N,N,N',N',N'',N''−ヘキサ(メトキシメチル)メラミンが主成分、重量平均重合度1.3)2.4質量部、光重合開始剤として2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製、商品名IRGACURE369)2.2質量部、フッ素系界面活性剤としてDIC株式会社製メガファックF−554を0.2質量部、及び溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを混合して、固形分濃度20質量%の着色組成物(CR4)を調製した。
着色組成物(CR1)に代えて着色組成物(CR4)を用いた以外は、実施例4と同様にして評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0222】
実施例8
顔料分散液(A−1)13.6質量部、染料溶液Eを25.2質量部、バインダー樹脂としてバインダー樹脂(B1)溶液18.1質量部、架橋剤として東亞合成株式会社製M−402(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとジペンタエリスリトールペンタアクリレートの混合物)5.5質量部と株式会社三和ケミカル製MW−30(N,N,N',N',N'',N''−ヘキサ(メトキシメチル)メラミンが主成分、重量平均重合度1.3)2.4質量部、光重合開始剤として2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製、商品名IRGACURE369)2.2質量部、フッ素系界面活性剤としてDIC株式会社製メガファックF−554を0.2質量部、及び溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを混合して、固形分濃度20質量%の着色組成物(CR5)を調製した。
着色組成物(CR1)に代えて着色組成物(CR5)を用いた以外は、実施例4と同様にして評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0223】
比較例1
顔料分散液(A−1)18.1質量部、顔料分散液(A−2)4.5質量部、バインダー樹脂としてバインダー樹脂(B1)溶液16.1質量部、架橋剤として東亞合成株式会社製M−402を5.5質量部と株式会社三和ケミカル製MW−30を2.4質量部、光重合開始剤として2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製、商品名IRGACURE369)2.2質量部、フッ素系界面活性剤としてDIC株式会社製メガファックF−554を0.2質量部、及び溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを混合して、固形分濃度20質量%の着色組成物(CR6)を調製した。
着色組成物(CR1)に代えて着色組成物(CR6)を用いた以外は、実施例4と同様にして評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0224】
比較例2
顔料分散液(A−1)18.1質量部、染料溶液Fを24.2質量部、バインダー樹脂としてバインダー樹脂(B1)溶液16.1質量部、架橋剤として東亞合成株式会社製M−402を5.5質量部と株式会社三和ケミカル製MW−30を2.4質量部、光重合開始剤として2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製、商品名IRGACURE369)2.2質量部、フッ素系界面活性剤としてDIC株式会社製メガファックF−554を0.2質量部、及び溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを混合して、固形分濃度20質量%の着色組成物(CR7)を調製した。
着色組成物(CR1)に代えて着色組成物(CR7)を用いた以外は、実施例4と同様にして評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0225】
【表1】
【0226】
表1において、「B15:6」とはC.I.ピグメントブルー15:6を、「V23」とはC.I.ピグメントバイオレット23、「BB−7」はC.I.ベーシックブルー7をそれぞれ意味する。