特許第5761325号(P5761325)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5761325
(24)【登録日】2015年6月19日
(45)【発行日】2015年8月12日
(54)【発明の名称】室内機
(51)【国際特許分類】
   F24F 13/32 20060101AFI20150723BHJP
【FI】
   F24F1/00 421
【請求項の数】4
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-271801(P2013-271801)
(22)【出願日】2013年12月27日
(65)【公開番号】特開2015-124975(P2015-124975A)
(43)【公開日】2015年7月6日
【審査請求日】2014年11月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】特許業務法人梶・須原特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡本 奈緒子
(72)【発明者】
【氏名】山田 俊明
(72)【発明者】
【氏名】脇原 克博
【審査官】 小野田 達志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−287854(JP,A)
【文献】 実公昭48−026534(JP,Y1)
【文献】 実開昭62−050417(JP,U)
【文献】 実開昭61−096228(JP,U)
【文献】 実開平03−003631(JP,U)
【文献】 特開2002−213811(JP,A)
【文献】 実公昭56−044985(JP,Y1)
【文献】 実開昭57−182019(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 13/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁面に固定される据付板と、
前記据付板に取り付けられるケーシングとを備え、
前記ケーシングは、
前記据付板の長手方向端部より外側に配置され、当該ケーシングを壁面に固定するためのねじ固定部と、
前記据付板の長手方向端部より外側において背面側に突出した突出部とを有しており、
前記ねじ固定部が前記据付板の長手方向端部と前記突出部との間に配置されることを特徴とする室内機。
【請求項2】
前記突出部が、前記ケーシングの高さ方向略全幅にあることを特徴とする請求項に記載の室内機。
【請求項3】
前記ケーシングには、前記据付板の長手方向端部より外側且つ前記ケーシングの背面側
において、高さ方向に沿って延在する配管引出用の切欠きが形成されており、
前記ねじ固定部が前記切欠きより長手方向外側に配置されることを特徴とする請求項1または2に記載の室内機。
【請求項4】
前記据付板の下方部分と対向する凹部を有する壁面に取り付けられる室内機であって、
前記据付板は、その上端部に当該据付板を壁面に固定するための据付板固定部を有して
おり、
前記ねじ固定部は、高さ方向において、前記据付板固定部と前記凹部との間に配置され
ることを特徴とする請求項1−のいずれかに記載の室内機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば空気調和機の室内機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の室内機には、室内の壁面に取り付けられる壁掛け型のものがある。この室内機は
、室内の壁面に固定される据付板と、据付板に取り付けられるケーシングとを備えている
【0003】
従来の室内機では、据付板は、その上端部及び下端部において室内の壁面にねじ止めさ
れることが多く、ケーシングは、据付板の上端部及び下端部に設けられた嵌合部(爪部)
により据付板に固定されることが多い。また、従来の室内機では、室外機に接続される配
管が据付板とケーシングとの間に配置されることが一般的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−185298号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の室内機では、例えば据付板として、当該据付板の下方部分にケーシングの背面と
対向しない切欠き部分を有するものを使用した場合、室外機に接続される配管が据付板の
切欠き部分から壁面に向かって突出することが考えられる。このとき、室内の壁面に据付
板の下方部分と対向する凹部があって据付板の下方部分を壁面にねじ止めできない場合や
、据付板の下方部分をねじ止めし忘れた場合などには、ケーシングが据付板ごと壁面に対
して離れるように移動して、ケーシングと壁面との間に隙間が生じ、意匠性が悪くなる問
題がある。
【0006】
また、例えば据付板とケーシングとの嵌合状態が緩い場合には、室内機の自重によって
ケーシングが据付板に対して離れるように移動して、ケーシングと壁面との間に隙間が生
じ、意匠性が悪くなる問題がある。
【0007】
そこで、本発明の目的は、ケーシングと壁面との間に隙間が生じるのを防止できる室内
機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明にかかる室内機は、壁面に固定される据付板と、前記据付板に取り付けられるケーシングとを備え、前記ケーシングは、前記据付板の長手方向端部より外側に配置され、当該ケーシングを壁面に固定するためのねじ固定部と、前記据付板の長手方向端部より外側において背面側に突出した突出部とを有しており、前記ねじ固定部が前記据付板の長手方向端部と前記突出部との間に配置されることを特徴とする。
【0009】
この室内機では、ケーシングが室内の壁面にねじ止めされるので、ケーシングと壁面と
の間に隙間が生じるのを防止できる。その結果、室内機の意匠性が向上する。
【0010】
【0011】
この室内機では、ねじ固定部が据付板の長手方向端部より外側に配置されるので、ケー
シングが室内の壁面に固定された状態において、据付板が側方から見えにくい。
【0012】
【0013】
この室内機では、ケーシングと室内の壁面との間に据付板が介在するので、据付板の長
手方向端部より外側においてケーシングと室内の壁面との間には隙間が生じることになる
が、ケーシングが室内の壁面に固定される際にケーシングの突出部が壁面に支持されるの
で、ケーシングの外側部分が壁面側に反るように変形することを防止できる。また、据付
板が側方からより見えにくい。
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
この室内機では、ねじ固定部が突出部より長手方向外側に配置される場合に比べて、ケ
ーシングの外側部分が壁面側に反るように変形しにくい。
【0018】
の発明にかかる室内機は、第の発明にかかる室内機において、前記突出部が、前記ケーシングの高さ方向略全幅にあることを特徴とする。
【0019】
この室内機では、突出部がケーシングの高さ方向略全幅にあるので、据付板が側方から
より見えにくい。
【0020】
の発明にかかる室内機は、第1または第2の発明にかかる室内機において、前記ケーシングには、前記据付板の長手方向端部より外側且つ前記ケーシングの背面側において、高さ方向に沿って延在する配管引出用の切欠きが形成されており、前記ねじ固定部が前記切欠きより長手方向外側に配置されることを特徴とする。
【0021】
この室内機では、ケーシングのうち配管引出用の切欠きより長手方向外側の部分の剛性
が低くなるので、当該長手方向外側の部分においてケーシングと壁面との隙間が大きくな
りやすいが、ねじ固定部が当該長手方向外側の部分に配置されるので、配管引出用の切欠
きより長手方向外側の部分においてケーシングと壁面との隙間が大きくなるのを防止でき
る。
【0022】
の発明にかかる室内機は、第1−第のいずれかの発明にかかる室内機において、前記据付板の下方部分と対向する凹部を有する壁面に取り付けられる室内機であって、前記据付板は、その上端部に当該据付板を壁面に固定するための据付板固定部を有しており、前記ねじ固定部は、高さ方向において、前記据付板固定部と前記凹部との間に配置されることを特徴とする。
【0023】
この室内機では、据付板の下方部分を室内の壁面にねじ止めできないため、室内機の下
方部分と室内の壁面との隙間が大きくなりやすいが、ねじ固定部が高さ方向において据付
板の上端部に配置される据付板固定部と壁面の凹部との間に配置されるので、室内機の下
方部分と壁面との隙間が大きくなるのを防止できる。
【発明の効果】
【0024】
以上の説明に述べたように、本発明によれば、以下の効果が得られる。
【0025】
第1の発明では、ケーシングが室内の壁面にねじ止めされるので、ケーシングと壁面と
の間に隙間が生じるのを防止できる。その結果、室内機の意匠性が向上する。
【0026】
の発明では、ねじ固定部が据付板の長手方向端部より外側の外側部分に配置される
ので、ケーシングが室内の壁面に固定された状態において、据付板が側方から見えにくい
【0027】
の発明では、ケーシングと室内の壁面との間に据付板が介在するので、据付板の長
手方向端部より外側においてケーシングと室内の壁面との間には隙間が生じることになる
が、ケーシングが室内の壁面に固定される際にケーシングの突出部が壁面に支持されるの
で、ケーシングの外側部分が壁面側に反るように変形することを防止できる。また、据付
板が側方からより見えにくい。
【0028】
【0029】
の発明では、ねじ固定部が突出部より長手方向外側に配置される場合に比べて、ケ
ーシングの外側部分が壁面側に反るように変形しにくい。
【0030】
の発明では、突出部がケーシングの高さ方向略全幅にあるので、据付板が側方から
より見えにくい。
【0031】
の発明では、ケーシングのうち配管引出用の切欠きより長手方向外側の部分の剛性
が低くなるので、当該長手方向外側の部分においてケーシングと壁面との隙間が大きくな
りやすいが、ねじ固定部が当該長手方向外側の部分に配置されるので、配管引出用の切欠
きより長手方向外側の部分においてケーシングと壁面との隙間が大きくなるのを防止でき
る。
【0032】
の発明では、据付板の下方部分を室内の壁面にねじ止めできないため、室内機の下
方部分と室内の壁面との隙間が大きくなりやすいが、ねじ固定部が高さ方向において据付
板の上端部に配置される据付板固定部と壁面の凹部との間に配置されるので、室内機の下
方部分と壁面との隙間が大きくなるのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】(a)は、本発明の実施形態にかかる室内機の停止時の斜視図であり、(b)は、室内機の運転時の斜視図であり、(c)は、室内機から前面パネル及び吹出パネルを取り外したときの斜視図である。
図2】(a)は、室内機の停止時の正面図であり、(b)は、室内機の運転時の正面図である。
図3】(a)は、室内機の停止時の右側面図であり、(b)は、室内機の運転時の右側面図である。
図4】室内機から前面パネル及び吹出パネルを取り外したときの正面図である。
図5】室内機の縦断面を示す概略図である。
図6】室内機の背面図である。
図7】据付板単品の正面図である。
図8】据付板及び底フレームの背面図である。
図9】据付板及び底フレームの正面図である。
図10】据付板及び底フレームの上面図である。
図11】(a)は、底フレームの右側面図であり、(b)は、底フレームから化粧板を外したフレーム本体単体の右側面図である。
図12】据付板の下方部分と対向する凹部を有する壁面に室内機が取り付けられたときの様子を側方から見た概略図である。
図13】据付板の下方部分と対向する凹部を有する壁面に室内機が取り付けられる様子を説明した図であり、(a)は、室内機取り付け前の壁面を示す図、(b)は、据付板取り付け後の壁面を示す図、(c)は、室内機取り付け後の壁面を示す図である。
図14】本発明の変形例にかかる室内機における据付板及び底フレームの背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の実施形態に係る空気調和機の室内機について説明する。
【0035】
[空気調和機の全体構成]
本発明の実施形態にかかる空気調和機は、図1に示す室内機1と、図示しない室外機と
で構成されている。室内機1は、全体として一方向に細長い形状をしており、その長手方
向が水平となるように室内の壁面に据え付けられている。なお、以下の説明において、室
内機1が取り付けられる壁面から突出する方向を「前方」と称し、その反対の方向を「後
方」と称する。また、図1に示す左右方向を単に「左右方向」、図1に示す上下方向を単
に「上下方向」と称する。
【0036】
[室内機の構成]
図6に示すように、室内機1は、室内の壁面に固定される据付板2と、据付板2に取り
付けられる室内機本体3とを有している。
【0037】
[据付板]
据付板2は、図7に示すように、略矩形状の金属板であり、下方部分に2つの脚部84
、84を有している。据付板2の上端には、室内機本体3の後述する底フレーム10に嵌
合する3つの嵌合部81(爪部)が設けられている。また、据付板2の2つの脚部84、
84の下端には、それぞれ室内機本体3の後述する底フレーム10に嵌合する嵌合部82
(爪部)が設けられている。据付板2の上端近傍の上端部には、据付板2を室内の壁面に
固定するための多数のねじ孔(据付板固定部)が形成されている。多数のねじ孔(据付板
固定部)は、水平方向に沿って配置されている。なお、図7では、煩雑を避けるため、多
数のねじ孔(据付板固定部)のうち実際にねじ止めされる3つのねじ孔85(据付板固定
部)に符号を付し、その他のねじ孔(据付板固定部)には符号を付すのを省略している。
また、据付板2の下方部分である2つの脚部84、84にも、据付板2を室内の壁面に固
定するための多数のねじ孔が形成されている。なお、本発明において、据付板2の下方部
分とは、本実施形態において、2つの脚部84、84の間に形成された切欠き部分83の
上端に沿った水平線Lよりも下方の領域を指す。
【0038】
[室内機本体]
室内機本体3は、図1図5に示すように、主として、本体部4、前面パネル7、吹出
パネル8、風向変更板50、補助風向変更板52などを備えている。
【0039】
[本体部]
本体部4は、図4及び図5に示すように、前面グリル6及び底フレーム10(ケーシン
グ)を含むケース本体5と、ケース本体5の内部に収容された室内熱交換器20、クロス
フローファン21(以下、単にファン21とも称する)、ファンモータ、電装品箱40を
有する。
【0040】
室内熱交換器20及びファン21は、図5に示すように、底フレーム10に取り付けら
れている。室内熱交換器20及びファン21は、断面視においてファン21が室内機1の
略中央に配置され、逆V字型の形状を有する室内熱交換器20がファン21の上半分を囲
むように配置されている。
【0041】
電装品箱40は、図4に示すように、室内熱交換器20及びファン21の正面視におけ
る右側方に配置されている。電装品箱40は、内部に制御部を収容しており、室内機1の
冷暖房運転等に必要な各構成部品の制御を行う。この制御部は、ファン21を駆動するフ
ァンモータ、前面パネル7及び吹出パネル8を開閉する開閉機構61を駆動する駆動機の
駆動モータ、風向変更板50及び補助風向変更板52を駆動するフラップモータ及び補助
フラップモータを接続しており、ファン21、駆動機、風向変更板50及び補助風向変更
板52の制御を行う。
【0042】
前面グリル6は、前方から底フレーム10に取り付けられ、本体部4の前方、側方、上
方、下方を覆う。前面グリル6は、樹脂材料で成形されており、背面全体が開口した薄型
の略直方体形状を有する。この前面グリル6は、図4に示すように、天面部30と、前面
31と、下面32とを有する。
【0043】
天面部30の略全面には、室内空気の第1吸込口23(吸込口)が配置される。前面3
1(ケーシング5の前面)は、両端31L、31Rを有し、図4に示すように、正面視に
おいて左右方向に長い略長方形の形状を有する。前面31には、前面パネル7及び吹出パ
ネル8が取り付けられ、前面パネル7及び吹出パネル8を開閉する開閉機構61が配置さ
れる。図1(a)などから理解されるように、室内機1の運転停止時において、前面31
の上側は前面パネル7によって閉じられ、前面31の下側は吹出パネル8によって閉じら
れた状態となる。一方、室内機1の運転時には、図1(b)に示すように、開閉機構61
によって前面パネル7が略水平方向前方に移動することで、前面パネル7と前面31との
間に隙間が生じ室内空気を吸い込む第2吸込口26が形成される。また、吹出パネル8が
前面パネル7と前面グリル6との間に移動することで、吹出口27が開かれる。
【0044】
吹出口27は、前面31の下方及び下面32の前方に形成されている。この吹出口27
は、ファン21からの風を室内へと吹き出す開口であり、図2(b)に示すように、正面
視において水平方向に長い形状を有する。この吹出口27の前面は、室内機1の運転停止
時において吹出パネル8によって閉じられる。また、吹出口27の下面は、室内機1の運
転停止時において、底フレーム10に取り付けられた風向変更板50によって閉じられる
【0045】
(底フレーム)
底フレーム10(ケーシング)は、樹脂材料で成形されており、ファン21の下方、後
方、側方を覆う形状を有している。この底フレーム10は、図8に示すように、フレーム
本体42と、フレーム本体42の左右両端に取り付けられる化粧板47、48(図3も併
せて参照)とを有している。フレーム本体42は、室内熱交換器20及びファン21を固
定しており、上述した据付板2に取り付けられる。
【0046】
図8及び図11に示すように、底フレーム10は、その下方部分(上述の水平線Lより
下方の領域)に、長手方向(左右方向)に沿って延在する配管引出用の凹部45を有して
いる。この凹部45には、図6に示すように、室外機に接続される配管9(例えば室内熱
交換器20に接続された補助配管や現地配管)が配置される。また、図8に示すように、
底フレーム10は、据付板2の長手方向端部より長手方向外側に配置された第1外側部1
1及び第2外側部12を有している。第1外側部11は、据付板2の右端に沿った垂直線
E1より右側の部分であり、第2外側部12は、据付板2の左端に沿った垂直線E2より
左側の部分である。第1外側部11の背面には、高さ方向に沿って延在する配管引出用の
切欠き43(図8のハッチング部分)が形成されている。この切欠き43には、室外機に
接続される配管9(例えば室内熱交換器20に接続された補助配管)が配置される。図6
に示すように、配管引出用の切欠き43は、この切欠き43より背面側に配置された蓋5
4によって背面側から見て閉じられている。
【0047】
図8に示すように、第1外側部11及び第2外側部12は、背面側に突出した第1突出
部71及び第2突出部72を有している。第1突出部71及び第2突出部72は、底フレ
ーム10の高さ方向略全幅に配置されている。第1突出部71及び第2突出部72は、図
10に示すように、フレーム本体42の背面44より壁面S側(背面側)に突出した部分
である。第2突出部72の突出長さW1は、例えば据付板2の厚みW2と略同じまたは僅
かに小さくされている。また、第1突出部71の突出長さは、第2突出部72の突出長さ
W1と同様、例えば据付板2の厚みW2と略同じまたは僅かに小さくされている。
【0048】
図8に示すように、第1突出部71及び第2突出部72には、底フレーム10を室内の
壁面に固定するためのねじ孔73−76(ねじ固定部)が設けられている。ねじ孔73及
びねじ孔74は、第1突出部71に配置され、ねじ孔75及びねじ孔76は、第2突出部
72に配置されている。ねじ孔73及びねじ孔75は、それぞれ、第1突出部71及び第
2突出部72の上端近傍に配置される。ねじ孔73及びねじ孔75は、高さ方向において
、据付板2のねじ孔85(据付板固定部)と略同一位置に配置される。また、ねじ孔74
及びねじ孔76は、それぞれねじ孔73及びねじ孔75より下方に配置される。図12
示すように、据付板2の下方部分と対向する凹部Dを有する壁面Sに室内機1が取り付け
られた状態において、ねじ孔74(ねじ孔76も同様)は、高さ方向において、据付板2
の上端部に配置されるねじ孔85(据付板固定部)と凹部Dとの間W3に配置されている
。なお、ねじ孔74及びねじ孔76は、高さ方向において、ねじ孔85よりも凹部Dに近
い位置に配置されることが好ましい。
【0049】
図9に示すように、ねじ孔73−76が配置される部分において、底フレーム10のフ
レーム本体42と化粧板47、及び底フレーム10のフレーム本体42と化粧板48は、
それぞれ、前後方向において重なっている。したがって、ねじ孔73及びねじ孔74は、
それぞれ、底フレーム10及び化粧板47の両方に設けられた孔によって構成され、ねじ
孔75及びねじ孔76は、それぞれ、底フレーム10及び化粧板48の両方に設けられた
孔によって構成される。したがって、ねじ孔73−76にねじP(図10参照)が挿入さ
れて、ねじPが室内の壁面に螺合されると、フレーム本体42と化粧板47とが共締めさ
れ、また、フレーム本体42と化粧板48とが共締めされる。
【0050】
なお、第1突出部71は、図8に示すように、第1外側部11の背面に形成された配管
引出用の切欠き43より長手方向外側に配置されている。したがって、第1突出部71に
設けられたねじ孔73及びねじ孔74は、配管引出用の切欠き43より長手方向外側に位
置している。
【0051】
次に、図13を参照して、据付板2の下方部分と対向する凹部Dを有する壁面Sに室内
機1が取り付けられる場合の取り付けの様子について説明する。
【0052】
図13(a)は、室内機1の取り付け前の壁面Sを示している。図13(a)に示すよ
うに、凹部Dは水平方向に沿って延在した凹部である。図13(b)に示すように、まず
据付板2の下方部分に凹部Dが対向するように、据付板2が壁面Sに取り付けられる。図
13(b)に示すように、据付板2の下方部分(水平線Lより下方の領域)より上側では
、据付板2と壁面Sとが接しているので、据付板2の上端近傍のねじ孔85(据付板固定
部)において、据付板2が壁面Sにねじ止めされる。しかし、据付板2の下方部分(水平
線Lより下方の領域)では、据付板2と壁面Sとが接していないので、据付板2の下方部
分(例えば2つの脚部84、84)では、据付板2が壁面Sにねじ止めされていない。図
13(c)に示すように、次にこの据付板2に室内機本体3が取り付けられる。図13
c)に示すように、室内機本体3の底フレーム10の凹部45には、室外機に接続される
配管9が配置されている。
【0053】
ここで、室外機に接続される配管9の配置状態によっては、配管9が据付板2の切欠き
部分83から壁面Sに向かって突出することが考えられる。このとき、室内の壁面Sに据
付板2の下方部分と対向する凹部Dがあって据付板2の下方部分を壁面Sにねじ止めでき
ない場合には、底フレーム10の下方部分が受ける力F1(図13中の矢印参照)によっ
て、底フレーム10が据付板2ごと壁面Sに対して離れるように移動して、底フレーム1
0と壁面Sとの間に隙間が生じ、意匠性が悪くなるおそれがある。しかし、この室内機1
では、ねじ孔74及びねじ孔76が、高さ方向において、据付板2の上端部のねじ孔85
(据付板固定部)と壁面Sの凹部Dとの間W3に配置されるので、底フレーム10の下方
部分が力F1を受けても、底フレーム10が壁面Sに対して離れるように移動せず、底フ
レーム10と壁面Sとの間の隙間が大きくならないようにされている。
【0054】
<本実施形態の室内機の特徴>
本実施形態の室内機1では、据付板2に取り付けられる底フレーム10(ケーシング)
が、底フレーム10を壁面に固定するためのねじ孔73−76(ねじ固定部)を有するの
で、底フレーム10が室内の壁面にねじ止めされる。したがって、底フレーム10と壁面
との間に隙間が生じて、室内機1の意匠性が悪くなるのを防止できる。
【0055】
また、本実施形態の室内機1では、ねじ孔73−76(ねじ固定部)が据付板2の長手
方向端部より長手方向外側に配置された底フレーム10(ケーシング)の第1外側部11
及び第2外側部12に配置されるので、底フレーム10が室内の壁面に固定された状態に
おいて、据付板2が側方から見えにくい。
【0056】
また、本実施形態の室内機1では、底フレーム10(ケーシング)と室内の壁面との間
に据付板2が介在するので、底フレーム10の第1外側部11及び第2外側部12と室内
の壁面との間には隙間が生じることになるが、底フレーム10が室内の壁面に固定される
際に底フレーム10の第1突出部71及び第2突出部72が壁面に支持されるので、底フ
レーム10の第1外側部11及び第2外側部12が壁面側に反るように変形することを防
止できる。また、据付板2が側方からより見えにくい。
【0057】
また、本実施形態の室内機1では、ねじ孔73−76(ねじ固定部)が第1突出部71
及び第2突出部72に配置されるので、ねじ孔73−76が第1突出部71及び第2突出
部72より長手方向外側に配置される場合に比べて、底フレーム10(ケーシング)の第
1外側部11及び第2外側部12が壁面側に反るように変形しにくい。
【0058】
また、本実施形態の室内機1では、第1突出部71及び第2突出部72が底フレーム1
0(ケーシング)の高さ方向略全幅にあるので、据付板2が側方からより見えにくい。
【0059】
また、本実施形態の室内機1では、底フレーム10(ケーシング)の第1外側部11の
うち配管引出用の切欠き43より長手方向外側の部分の剛性が低くなるので、当該長手方
向外側の部分において底フレーム10と壁面との隙間が大きくなりやすいが、ねじ孔73
−76(ねじ固定部)が当該長手方向外側の部分に配置されるので、配管引出用の切欠き
43より長手方向外側の部分において底フレーム10と壁面との隙間が大きくなるのを防
止できる。
【0060】
また、本実施形態の室内機1では、図12に示すように、壁面Sが据付板2の下方部分
と対向する凹部Dを有するので、据付板2の下方部分を室内の壁面Sにねじ止めできない
。そのため、室内機本体3の下方部分と室内の壁面Sとの隙間が大きくなりやすいが、ね
じ孔74及びねじ孔76(ねじ固定部)が、高さ方向において、据付板2の上端部に配置
されるねじ孔85(据付板固定部)と壁面Sの凹部Dとの間に配置されるので、底フレー
ム10の下方部分と壁面Sとの隙間が大きくなるのを防止できる。
【0061】
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これら
の実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した
実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の
意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0062】
[変形例]
次に、図14を参照しつつ変形例にかかる室内機について説明する。上記実施形態の室
内機1では、ねじ孔73−76(ねじ固定部)が、第1突出部71及び第2突出部72に
配置されるが、本変形例にかかる室内機では、ねじ孔173及びねじ174(ねじ固定部
)が、据付板2の長手方向端部(据付板2の右端に沿った垂直線E1)と第1突出部71
との間に配置され、ねじ孔175及びねじ176(ねじ固定部)が、据付板2の長手方向
端部(据付板2の左端に沿った垂直線E2)と第2突出部72との間に配置される点で上
記実施形態と異なる。
【0063】
本変形例にかかる室内機では、ねじ孔173−176(ねじ固定部)が据付板2の長手
方向端部と第1突出部71及び第2突出部72との間に配置されるので、ねじ孔173−
176が第1突出部71及び第2突出部72より長手方向外側に配置される場合に比べて
、底フレーム10(ケーシング)の第1外側部11及び第2外側部12が壁面側に反るよ
うに変形しにくい。
【0064】
[その他変形例]
上述の実施形態では、ねじ孔73−76(ねじ固定部)が第1外側部11及び第2外側
部12に配置される場合について説明したが、ねじ固定部は、底フレーム10を室内の壁
面にねじ止めできる位置であれば、底フレーム10のどこにあってもよい。
【0065】
上述の実施形態では、ねじ孔73−76(ねじ固定部)が第1外側部11及び第2外側
部12にそれぞれ2箇所ずつ配置設けられる場合について説明したが、第1外側部11及
び第2外側部12に設けられるねじ固定部の数は、1箇所でもよいし3箇所以上でもよい
。また、ねじ固定部は、第1外側部11及び第2外側部12の一方にだけあってもよい。
【0066】
上述の実施形態では、第1外側部11及び第2外側部12にそれぞれ第1突出部71及
び第2突出部72が設けられる場合について説明したが、突出部は第1外側部11及び第
2外側部12の一方にだけあってもよいし、なくてもよい。
【0067】
上述の実施形態では、第1突出部71及び第2突出部72が底フレーム10(ケーシン
グ)の高さ方向略全幅にある場合について説明したが、底フレーム10の高さ方向一部に
あってもよい。
【0068】
上述の実施形態では、ねじ孔73−76(ねじ固定部)が、第1突出部71及び第2突
出部72に配置される場合について説明したが、上述の変形例に示したように、ねじ固定
部が、据付板2の長手方向端部と第1突出部71及び第2突出部72との間に配置されて
もよいし、第1突出部71及び第2突出部72の長手方向外側に配置されてもよい。
【0069】
上述の実施形態では、第1外側部11の背面に、高さ方向に沿って延在する配管引出用
の切欠き43が形成されており、ねじ孔73及び孔74(ねじ固定部)が配管引出用の切
欠き43より長手方向外側に配置される場合について説明したが、ねじ固定部は、配管引
出用の切欠き43より長手方向内側に配置されてもよいし、配管引出用の切欠き43に配
置されてもよい。また、配管引出用の切欠き43はなくてもよい。
【0070】
上述の実施形態では、底フレーム10(ケーシング)が第1外側部11及び第2外側部
12を有する場合について説明したが、底フレームが第1外側部及び第2外側部の一方の
みを有してもよいし、据付板2の長手方向端部より外側に配置される外側部を有さなくて
もよい。
【0071】
上述の実施形態では、ねじ孔74及びねじ孔76(ねじ固定部)が高さ方向において、
据付板2の上端部のねじ孔85(据付板固定部)と凹部Dとの間W3に配置されるが、そ
れに限られるものではない。
【0072】
上述の実施形態では、据付板2の下方部分と対向する凹部Dを有する壁面Sに取り付け
られる室内機1について説明したが、室内機1が取り付けられる壁面は凹部を有さない壁
面であってもよい。
【0073】
上述の実施形態では、底フレーム10(ケーシング)のねじ孔73−76(ねじ固定部
)と室内の壁面との間に据付板2がない場合について説明したが、底フレーム10のねじ
孔73−76と室内の壁面との間に据付板2が介在していてもよい。
【0074】
本発明を利用すれば、ケーシングと壁面との間に隙間が生じるのを防止できる。
【符号の説明】
【0075】
1 室内機
2 据付板
10 底フレーム(ケーシング)
43 配管引出用の切欠き
71 第1突出部
72 第2突出部
73−76、173−176 ねじ孔(ねじ固定部)
85 ねじ孔(据付板固定部)
S 壁面
D 凹部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14