(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記伝送装置は、通信非成立時に前記低周波伝送データの再送を行う場合、前記低周波伝送データの再送の回数が閾値を超えたときには、前記高周波伝送データの前記低周波伝送データへの重畳を止める、
請求項1から5のいずれかに記載の設備機器システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の公知のデータ重畳技術を、調歩同期式の通信を行う設備機器システム、例えば空調システムにおいて採用しようと考える場合、新たに重畳させる空調以外のデータが、空調用データの送受信に悪影響を与えることを抑制する必要がある。空調用データに関する通信エラーが頻発すると、好適な空調制御が行われなくなって省エネルギーに反する恐れが生じるからである。
【0005】
しかし、スプリッタを使って信号を分離するだけでは、空調用データの周波数帯域と空調以外のデータの周波数帯域とが近い場合に、通信のエラーが生じる恐れがある。
【0006】
また、特許文献2(特開2009−278511号公報)が示す通信方式は、インピーダンス変動量を推定する推定器が必要となり、コスト的な観点から採用が難しい場合が多い。
【0007】
本発明の課題は、簡易な構成で、空調用データなどの低周波伝送データに非空調用データなどの高周波伝送データを重畳させたときの通信エラーを抑制することが可能な設備機器システムおよび伝送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1観点に係る設備機器システムは、調歩同期式の通信を行う設備機器システムであって、複数の設備機器と、通信線とを備えている。複数の設備機器は、それぞれ、伝送装置を有する。これらの複数の伝送装置は、通信線で接続されている。この接続は、バス型であっても、スター型であっても、リング型であってもよい。そして、伝送装置は、設備機器用の低周波数の低周波伝送データと、その低周波数よりも高い高周波数の高周波伝送データとの両方を通信線に流すことがある。低周波伝送データと高周波伝送データとの両方を通信線に流す場合、伝送装置は、第1の送信方式あるいは第2の送信方式を採る。第1の送信方式では、低周波伝送データの信号の変化のタイミングを避けて、高周波伝送データを低周波伝送データに重畳し、それを通信線に流す。第2の送信方式では、低周波伝送データの信号の変化のタイミングに非データシンボルを挿入し、且つ、高周波伝送データを低周波伝送データに重畳して、それを通信線に流す。
【0009】
ここでは、設備機器システムにおける設備機器用の低周波伝送データに関し、その内容だけではなく、その信号の変化のタイミングを伝送装置が正確に認識していることを利用して、高周波伝送データを低周波伝送データに重畳している。低周波伝送データの信号の変化のタイミングを避けて高周波伝送データを低周波伝送データに重畳することによって、あるいは、低周波伝送データの信号の変化のタイミングに非データシンボルを挿入しつつ高周波伝送データを低周波伝送データに重畳することによって、低周波伝送データの周波数帯域と高周波伝送データの周波数帯域とが一部重なる場合であっても、通信エラーの発生が抑制される。
【0010】
本発明の第2観点に係る設備機器システムは、第1観点に係る設備機器システムであって、伝送装置は、送信開始時にスタートの信号であるスタートビットを送り、その後にデータを構成する信号群である複数のビットを送り、最後にストップの信号であるストップビットを送るものである。データを構成する信号群である複数のビットと、ストップビットとの間に、データが正常に送られたか否かを調べるためのパリティビットを付加してもよい。また、伝送装置は、スタートビットを検出する送信開始検出部と、信号変化タイミング算出部と、第1データ重畳部あるいは第2データ重畳部とを有している。信号変化タイミング算出部は、スタートビットの検出に基づいて、スタートビットからストップビットまでの信号の変化のタイミングを算出する。第1データ重畳部は、信号の変化のタイミングを避けて高周波伝送データの送信開始タイミングを決定し、高周波伝送データを低周波伝送データに重畳する。第2データ重畳部は、信号の変化のタイミングに非データシンボルを挿入し、その上で高周波伝送データを重畳する。
【0011】
ここでは、スタートビットの検出に基づいて、スタートビットからストップビットまでの信号の変化のタイミングを算出しており、信号の変化のタイミングを正確に伝送装置が認識できるようになっている。例えば、1つのスタートビットと、7〜8つの送信データと、1つのパリティビットと、1〜2つのスタートビットとから成るシリアルデータにおいて、信号が変化するタイミング(例えば、0から1に変化するタイミング)を避けて、すなわち、信号の変化タイミングと次の信号の変化タイミングとの間の時間帯を使って、高周波伝送データを低周波伝送データに重畳する。あるいは、伝送装置は、信号の変化タイミングそれぞれに非データシンボルを挿入した上で、高周波伝送データを重畳する。これにより、受信側における低周波伝送データの信号の変化を見落とすといった通信エラーが抑制される。
【0012】
本発明の第3観点に係る設備機器システムは、第1観点又は第2観点に係る設備機器システムであって、伝送装置は、パケット通信終了タイミング検出部を有している。パケット通信終了タイミング検出部は、低周波伝送データが、休止期間を挟んで通信線に流される複数のパケットを有する場合に、そのパケットに含まれるパケット長の情報からパケットの通信終了タイミングを検出する。そして、伝送装置は、低周波伝送データの休止期間に高周波伝送データを重畳して、通信線に流す。
【0013】
ここでは、パケット長の情報からパケットの通信終了タイミングを検出するため、それによって休止期間を把握することができる。そして、その休止期間に高周波伝送データを重畳することによって、多くの高周波伝送データを重畳させることが可能になる。
【0014】
本発明の第4観点に係る設備機器システムは、第1観点又は第2観点に係る設備機器システムであって、伝送装置は、送信開始時にスタートの信号であるスタートビットを送り、その後にデータを構成する信号群である複数のビットを送り、最後にストップの信号であるストップビットを送るものである。また、伝送装置は、パケット通信終了タイミング検出部を有している。パケット通信終了タイミング検出部は、低周波伝送データが、休止期間を挟んで通信線に流される複数のパケットを有する場合に、そのパケットに含まれるパケット長の情報からパケットの通信終了タイミングを検出する。そして、伝送装置は、低周波伝送データの休止期間における前記低周波伝送データの信号の変化のタイミングを外した期間であるパケット間安定期間の長さ、および、低周波伝送データのスタートビットからストップビットの間における前記低周波伝送データの信号の変化のタイミングを外したビット間安定期間の長さ、に基づいて、高周波伝送データを低周波伝送データに重畳する。
【0015】
ここでは、パケット間安定期間の長さとビット間安定期間の長さとを把握している伝送装置が、それらの安定期間の長さに合わせて高周波伝送データを低周波伝送データに重畳させる。このため、高周波伝送データのスループットが向上する。
【0016】
本発明の第5観点に係る設備機器システムは、第1観点から第4観点のいずれかに係る設備機器システムであって、伝送装置は、低周波伝送データが第1の種類の第1低周波伝送データである場合には、通信非成立時に第1低周波伝送データの再送を行わず、低周波伝送データが第1低周波伝送データ以外の第2低周波伝送データである場合には、通信非成立時に第2低周波伝送データの再送を行うものである。そして、伝送装置は、低周波伝送データが第1低周波伝送データである場合には、高周波伝送データを低周波伝送データに重畳することを許容せず、低周波伝送データが第2低周波伝送データである場合には、高周波伝送データを低周波伝送データに重畳することを許容する。
【0017】
ここでは、伝送装置が、再送の対象ではない第1低周波伝送データと、再送の対象である第2低周波伝送データとを区別し、第1低周波伝送データへの高周波伝送データの重畳を認めない一方、第2低周波伝送データへの高周波伝送データの重畳を認めている。このため、再送が行われない第1低周波伝送データの通信エラーが少なくなる。
【0018】
本発明の第6観点に係る設備機器システムは、第1観点から第5観点のいずれかに係る設備機器システムであって、伝送装置は、通信非成立時に低周波伝送データの再送を行う場合、低周波伝送データの再送の回数が閾値を超えたときには、高周波伝送データの低周波伝送データへの重畳を止める。
【0019】
ここでは、他の伝送装置が受信できなかったときの低周波伝送データの再送を行い、低周波伝送データが他の伝送装置に届かないという不具合を減らしている。そして、再送の回数が増え、再送を諦める上限回数が近づいてくると、すなわち再送の回数が閾値を超えると、高周波伝送データの低周波伝送データへの重畳を止めている。これにより、再送を諦める前に他の伝送装置に低周波伝送データが届く確率が向上する。
【0020】
本発明の第7観点に係る伝送装置は、通信線を介して他の伝送装置と接続され、調歩同期式の通信を行う伝送装置であって、重畳部と、信号変化タイミング算出部とを備えている。重畳部は、低周波数の低周波伝送データに対して、その低周波数よりも高い高周波数の高周波伝送データを重畳させる。信号変化タイミング算出部は、低周波伝送データの信号の変化のタイミングを算出する。そして、低周波伝送データと高周波伝送データとの両方を通信線に流す場合に、重畳部は低周波伝送データの信号の変化のタイミングを避けて高周波伝送データを低周波伝送データに重畳する、あるいは、重畳部は低周波伝送データの信号の変化のタイミングに非データシンボルを挿入し且つ高周波伝送データを低周波伝送データに重畳する。
【0021】
ここでは、低周波伝送データの信号の変化のタイミングを算出し、そのタイミングに応じて高周波伝送データを低周波伝送データに重畳している。低周波伝送データの信号の変化のタイミングを避けて高周波伝送データを低周波伝送データに重畳することによって、あるいは、低周波伝送データの信号の変化のタイミングに非データシンボルを挿入しつつ高周波伝送データを低周波伝送データに重畳することによって、低周波伝送データの周波数帯域と高周波伝送データの周波数帯域とが一部重なる場合であっても、通信エラーの発生が抑制される。
【発明の効果】
【0022】
第1観点に係る設備機器システム又は第7観点に係る伝送装置によれば、低周波伝送データの周波数帯域と高周波伝送データの周波数帯域とが一部重なる場合であっても、通信エラーの発生が抑制される。
【0023】
第2観点に係る設備機器システムによれば、受信側における低周波伝送データの信号の変化を見落とすといった通信エラーが抑制される。
【0024】
第3観点に係る設備機器システムによれば、休止期間に高周波伝送データを重畳することによって、多くの高周波伝送データを重畳させることが可能になる。
【0025】
第4観点に係る設備機器システムによれば、高周波伝送データを効率的に重畳することが可能になる。
【0026】
第5観点に係る設備機器システムによれば、再送が行われない第1低周波伝送データの通信エラーが少なくなる。
【0027】
第6観点に係る設備機器システムによれば、再送を諦める前に他の伝送装置に低周波伝送データが届く確率が向上する。
【発明を実施するための形態】
【0029】
<第1実施形態>
以下、本発明の一実施形態に係る設備機器システムである空調システム1について、図面を用いて説明する。
【0030】
(1)全体構成
図1は、空調システム1の構成を示している。空調システム1は、オフィスビルやテナントビル等の建物に設置される装置であり、複数の空調機70,80,90,・・・(以下、空調機70等という。)と、システム管理装置40とから構成されている。空調機70等は、マルチタイプの空調機であり、それぞれ、1つの空調室外ユニット71,81,91,・・・(以下、空調室外ユニット71等という。)と、それに接続される複数の空調室内ユニット75,76,77,78,85,86,87,88,95,96,97,98,・・・(以下、空調室内ユニット75等という。)とからなる。空調室外ユニット71等および空調室内ユニット75等は、それぞれが設備機器である。
【0031】
空調システム1では、空調室外ユニット71等に電源60が接続されており、電源60からの電力が電力供給線を経由して空調室内ユニット75等へ供給される。
【0032】
(2)詳細構成
(2−1)空調機
空調機70等は、1台の空調室外ユニット71等に対して並列に複数の空調室内ユニット75等が接続される空調機である。
図1には、3台の空調機70,80,90が図示されている。
【0033】
(2−1−1)空調室外ユニット
空調室外ユニット71等は、建物の屋上や地下に設置される熱源ユニットであり、圧縮機、室外熱交換器、室外膨張弁、室外ファン、室外空調制御部71a等を備えている。室外空調制御部71a等は、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、各種インターフェイスなどにより構成されている。また、室外空調制御部71a等には、圧縮機、室外膨張弁なども接続されており、運転中の各種条件に応じて圧縮機の運転周波数や室外膨張弁の開度を制御することによって、空調運転の制御を行う。室外空調制御部71a等に内包される室外伝送装置71bについては後述する。
【0034】
(2−1−2)空調室内ユニット
空調室内ユニット75等は、各部屋の天井に設置され、室内空間に向かって空気吸込口や空調空気吹出口が露出している。空調室内ユニット75等は、空調用の部品として、室内熱交換器、室内膨張弁、室内ファン、室内空調制御部75a等を備えている。室内空調制御部75a等は、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、各種インターフェイスなどにより構成され、室外空調制御部71a等と接続されて室外空調制御部71a等とともに空調運転の制御を行う。室内空調制御部75a等には、室内膨張弁、室内ファンなども接続されており、運転中の各種条件に応じて室内膨張弁の開度や室内ファンの回転数を制御することによって、空調運転の制御を行う。
【0035】
また、空調室内ユニット75等は、空調以外の非空調機能を備えた機器を内蔵している。具体的には、室内を監視する監視カメラ75dと、無線データ送信機75eとが、空調室内ユニット75等の中に配備されている。監視カメラ75dは、防犯用の画像を撮影し、後述するシステム管理コンピュータ30に送るために設けられている。無線データ送信機75eは、室内の人々の持つ端末に有用情報(例えば、商業テナントビルにおけるテナント商品の広告情報)を配信することができる。これらの監視カメラ75dおよび無線データ送信機75eは、非空調制御部75cに接続されており、室内伝送装置75bおよび室外伝送装置71bを介してシステム管理装置40のシステム管理コンピュータと非空調データのやりとりを行う。
【0036】
なお、室内空調制御部75a等に内包される室内伝送装置75b等については後述する。
【0037】
(2−2)システム管理装置
システム管理装置40は、空調室外ユニット71等に接続されたローカルコントローラ20と、ローカルコントローラ20に接続されたシステム管理コンピュータ30とから構成される、概念的に一体化された装置である。
【0038】
ローカルコントローラ20は、空調室外ユニット71等を介して、複数の空調室内ユニット75等の運転データを取得する。
【0039】
システム管理コンピュータ30は、ローカルコントローラ20が取得した運転データを包括的に管理する。ここで、運転データとは、運転履歴に関するデータおよび運転状態に関するデータである。運転履歴に関するデータとは、空調室内ユニット75等の電源のオン・オフ、サーモオン・オフ、運転モード、設定温度、等に関する情報をいう。運転状態に関するデータとは、空調機70等に取り付けられている各種センサで検知された値である。
【0040】
また、システム管理コンピュータ30は、ビル等の建物を管理するユーザーからの指令を受け付ける機能や、ユーザーに対して空調運転に関する各種の報告書を出力する機能を有する。
【0041】
さらに、システム管理コンピュータ30は、空調室内ユニット75等の監視カメラ75dから撮像データを受信して蓄積したり、無線データ送信機75eを介して室内の人々の携帯端末に有用情報を配信したりする役割を果たす。
【0042】
(3)空調システムにおけるデータの送受信
(3−1)空調制御装置
上述の室外空調制御部71a等と、室内空調制御部75a等によって、空調制御装置が構成されている。例えば、空調室外ユニット71および複数の空調室内ユニット75,76,77,78,・・・から成る1つの冷媒回路を共有する空調機70においては、室外空調制御部71aおよび室内空調制御部75a等が専用通信線51によって結ばれることで空調制御装置となる。具体的には、後述する室外空調制御部71aの室外伝送装置71bと、複数の室内空調制御部75a等の室内伝送装置75b等とが、専用通信線51に接続されている。ここでは、配線形態としてバス型が採用されているが、スター型などの他の配線形態を採用することもできる。
【0043】
ここでは、専用通信線51として、ツイストペアケーブルあるいは同軸ケーブルが用いられている。専用通信線51は、室外空調制御部71aと室内空調制御部75a等とを結び、また、室外空調制御部71aとローカルコントローラ20とを結んでいる。
【0044】
(3−2)伝送装置
室外空調制御部71aは室外伝送装置71bを、室内空調制御部75a等は室内伝送装置75b等を、それぞれ内蔵している。これらの伝送装置71b、75b等は、基本的に同様の構成であるため、ここでは室内伝送装置75bを例にとって説明を行う。
【0045】
(3−2−1)構成
室内伝送装置75bは、通信ドライバ、プロトコルコントローラ、CPU、などから構成され、室外伝送装置71bと調歩同期式の通信を行う伝送装置である。半2重通信、CSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection)の勝ち残り方式、AMI符号化方式を採用し、生成されるデータは、11ビット構成となっている。1データは、1ビットのスタートビットSTと、8ビットの転送データD0〜D7と、1ビットのパリティビットPと、1ビットのストップビットSPの計11ビットで構成されている(
図4(B)参照)。スタートビットSTは、データの送信開始を示すビットであり、ストップビットSPは、データの区切りを示すビットである。室内伝送装置75bは、送信開始時にスタートビットSTを送り、その後に8ビットの転送データD0〜D7を送り、最後にストップビットSPを送る。
【0046】
室内伝送装置75bを含む全ての伝送装置71b等、75b等は、最初のスタートビットSTを出すタイミングが決められており、基準クロックを元に送信を行う。受信側においてパリティビットPによる誤り検出(パリティチェック)が行われ、誤りが検出されると再送処理や送信中断処理が行われる。
【0047】
上述の1データあるいは複数のデータから構成される各部が集まったパケットを、
図4(A)に示す。自己アドレス、相手アドレス、パケット長、データ種別、データ(データ本体)、などの各部が集まって、1つのパケットが構成されている。そして、同期のための休止期間が、パケットと次のパケットとの間に設けられている。
【0048】
また、室内伝送装置75bは、伝送に関する機能部として、
図3に示すように、送信開始検出部11a、信号変化タイミング算出部11b、パケット長検出部12a、パケット終了検出部12b、送信タイミング生成部13、空調データ通信部15、非空調データ重畳通信部16、スプリッタ18、などを備える。
【0049】
空調データ通信部15は、低周波数の空調用の空調データを生成する。空調データは、例えば、リモコンから室内空調制御部75aに送られた空調運転オンの情報や空調室内ユニット75の空調サーモオフの情報、ローカルコントローラ20から室外空調制御部71aに送られた運転スケジュールに基づく空調室内ユニット75の空調運転オフの情報、などを符号化してデジタルデータにしたものである。
【0050】
その生成された空調データから、送信開始検出部11aがスタートビットSTを検出し、信号変化タイミング算出部11bが、ビットとビットとの間(ビット間)それぞれについて、信号が変化するか否かを算出する。信号変化タイミング算出部11bは、例えば、転送データD0のビットと転送データD1のビットとの間で信号がプラスからゼロに変化する場合、それは信号変化タイミングであると判断し、転送データD1のビットと転送データD2のビットとが共にゼロであれば、それは信号変化タイミングではないと判断する。信号変化タイミング算出部11bは、スタートビットSTからストップビットSPまでの信号変化タイミングを算出する。
【0051】
パケット長検出部12aは、パケット長を検出する。そのパケット長から、パケット終了検出部12bが、パケットの通信が終了して休止期間に入るタイミング、すなわち、パケット通信終了タイミングを検出する。
【0052】
送信タイミング生成部13は、信号変化タイミング算出部11bの算出結果と、パケット終了検出部12bの検出結果とに基づいて、空調データへ非空調データを重畳させる場合における非空調データの挿入開始タイミングを決定(生成)する。
【0053】
非空調データ重畳通信部16は、送信タイミング生成部13により生成された非空調データの挿入開始タイミングを使って、空調データに対して非空調データを重畳させる。非空調データは、空調データの周波数よりも高い高周波数のデータである。空調データに対して非空調データを重畳させる際、非空調データ重畳通信部16は、空調データのスタートビットSTからストップビットSPまでの間に非空調データを重畳させるときには、信号変化タイミングを避けて重畳させ、非空調データの長さが長いときには更に休止期間を利用して非空調データを重畳させる。詳細については後述する。
【0054】
なお、非空調データは、空調以外の機能、すなわち、非空調用の用途で使うデータである、例えば、監視カメラ75dの撮像データや無線データ送信機75eへと送られる有用情報データである。
【0055】
スプリッタ18は、専用通信線51を流れるデータを受信するときに、低周波信号である空調データと高周波信号である非空調データとに分けて、空調データを空調データ通信部15に、非空調データを非空調データ重畳通信部16に送る分波器である。また、スプリッタ18は、空調データ通信部15からの低周波数の空調データと、非空調データ重畳通信部16からの高周波数の非空調データとを混合させて、すなわち、空調データに非空調データを重畳させて専用通信線51に送り出す役割も果たす。
【0056】
(3−2−2)非空調データの空調データへの重畳
次に、室内伝送装置75bを例にとって、空調システム1の伝送装置で行われる非空調データの空調データへの重畳について、
図5を参照しながら説明する。
【0057】
室内伝送装置75bは、空調データに非空調データを重畳させたいときに、まず空調データが再送の対象であるか否かを判断する(ステップS1)。空調システム1では、空調データの種類として、そのデータが室外伝送装置71bに届かなくても空調運転に支障がないレベルの第1空調用データと、そのデータが室外伝送装置71bに届かなければ空調運転に支障が出るレベルの第2空調用データとが存在している。ステップS1では、空調データが、再送の対象となっている第2空調用データであるか否かを判断する。
【0058】
ステップS1において空調データが第2空調用データではない、すなわち空調データが再送の対象ではない第1空調用データであると判断されると、後述するステップS8の非空調データの空調データへの重畳処理を回避する。
【0059】
ステップS1において、空調データが再送の対象の第2空調用データであると判断されると、ステップS2において、再送回数の確認が行われる。第2空調用データについては、再送の上限回数が、例えば7回と決められている。この7回という上限回数よりも小さい閾値、例えば3回という閾値を再送回数が上回っているか否かが、ステップS2において判断される。ステップS2で再送回数が閾値を上回っていると判断されると、後述するステップS8の非空調データの空調データへの重畳処理を回避する。
【0060】
ステップS2において再送回数が閾値を上回っていないと判断されると、ステップS3に移行して、非空調データの長さの検出が行われる。非空調データが短ければ、休止期間を使わず、信号変化タイミングを避けて空調データのスタートビットSTからストップビットSPまでの間に非空調データを重畳させればよく、非空調データが長ければ、休止期間も使う、という考え方を空調システム1の伝送装置では採用している。
【0061】
ステップS4では、空調データの休止期間も使って非空調データを重畳させるか、それとも休止期間は使わずに非空調データを空調データに重畳させるかの判断が行われる。上述のように、この判断は非空調データの長さに基づいて行われる。
【0062】
ステップS4で休止期間を使うと判断した場合には、ステップS5に移行し、パケット終了検出部12bにパケット通信終了タイミングを検出させる。続けてステップS6において、信号変化タイミング算出部11bに、スタートビットSTからストップビットSPまでの信号変化タイミングを算出させる。そして、ステップS7において、送信タイミング生成部13に、空調データへの非空調データの複数の挿入開始タイミングを決定させる。
【0063】
一方、ステップS4で休止期間を使わないと判断した場合には、ステップS9に移行して、信号変化タイミング算出部11bに、スタートビットSTからストップビットSPまでの信号変化タイミングを算出させる。このステップS9の処理は、ステップS6の処理と同じである。そして、算出された信号変化タイミングを避けるようにして、ステップS7において、送信タイミング生成部13が、空調データへの非空調データの複数の挿入開始タイミングを決定する。
【0064】
最後に、ステップS8では、非空調データ重畳通信部16が挿入開始タイミングに非空調データをスプリッタ18に送り、スプリッタ18において、非空調データ重畳通信部16からの非空調データが空調データ通信部15からの空調データに重畳される。この重畳データが、専用通信線51へと流され、他の伝送装置(例えば、室外伝送装置71b)において受信される。
【0065】
ここで、ステップS7における、送信タイミング生成部13の非空調データの挿入開始タイミングの決定(生成)に関し、1データのスタートビットSTからストップビットSPまでの間に非空調データを挿入することについて、
図6を参照して説明する。
【0066】
室内伝送装置75bは、低周波数の空調データと、高周波数の非空調データとの両方を専用通信線51に流す場合、1データのスタートビットSTからストップビットSPまでの間において非空調データを空調データへ重畳させる。そのときに、室内伝送装置75bは、
図6に示すように、空調データの信号変化タイミングの微小期間を避けて、非空調データを空調データに重畳する。
図6において、空調データの信号がゼロからプラスへと変化するタイミング、プラスからゼロへと変化するタイミング、ゼロからマイナスへと変化するタイミング、およびマイナスからゼロへと変化するタイミングを避け、それらの信号変化タイミングの間を狙って非空調データを空調データに重畳させる。具体的には、送信タイミング生成部13が、信号変化タイミングの後に非空調データの挿入開始タイミングを定め、次の信号変化タイミングまでの間で非空調データを収める。その信号変化タイミングの後、続く非空調データの挿入開始タイミングを定め、その次の信号変化タイミングまでの間で非空調データを収める。なお、例えば、転送データD1がマイナスで、転送データD2〜D4がゼロで、転送データD5がプラスであるときには、転送データD1,D2間の信号変化タイミングから転送データD4,D5間の信号変化タイミングまで信号が変化しないため、室内伝送装置75bは、比較的長い非空調データを空調データに重畳させることができる。
【0067】
(4)特徴
(4−1)
空調データは、全体としての周波数が低くても、信号変化タイミングにおける信号変化速度が高い場合には、高周波成分を含むことになる。このため、従来の低周波の空調データが流れる専用通信線51に、単純に高周波の非空調データを重畳して流すことを考えた場合、空調データの周波数帯域と非空調データの周波数帯域とが一部重なって、スプリッタ18では完全には分波(分離)できないことも想定される。
【0068】
一方、空調データの周波数帯域と非空調データの周波数帯域とが重ならないように、それぞれの周波数帯域を十分に離した場合、帯域が広がって通信可能距離が短くなるという弊害が生じる。
【0069】
これに対し、空調システム1では、伝送装置(室外伝送装置71b、室内空調制御部75a等)が、空調データに関し、その内容だけではなく、その信号の変化のタイミングを正確に認識していることを利用して、
図6に示すように、空調データの信号変化タイミングの微小期間を避けて非空調データを空調データに重畳している。すなわち、特許文献2(特開2009−278511号公報)が示す通信方式のように不安定期間を検出するという考え方ではなく、この空調システム1では、空調データの信号変化タイミングを避けた安定期間を算出し、その安定期間に非空調データの空調データへの重畳を行うという新しい考え方を採っている。
【0070】
このように、空調データの信号変化タイミングを避けて非空調データを空調データに重畳する方法を採用しているため、空調データと非空調データとの周波数帯域が一部重なっていても、空調システム1では、受信側で重畳データが読めないといった通信エラーの発生が抑制されている。
【0071】
(4−2)
空調システム1では、スタートビットSTの検出に基づいて、スタートビットSTからストップビットSPまでの信号変化タイミングを算出しており、信号変化タイミングを正確に伝送装置が認識できている。
【0072】
(4−3)
空調システム1では、伝送装置のパケット終了検出部12bが、パケット長の情報からパケットの通信終了タイミングを検出している。そして、送信タイミング生成部13が、その通信終了タイミングから休止期間を把握し、その休止期間の初期に、非空調データの空調データへの挿入開始タイミングを定めている。このように、空調システム1では空調データの休止期間にも非空調データを空調データに重畳させることができるため、多くの非空調データを重畳させることが可能になっている。
【0073】
(4−4)
空調システム1では、非空調データの長さが短い場合には、休止期間を利用せずに非空調データを空調データに重畳し、非空調データの長さが長い場合には、休止期間を利用して非空調データを空調データに重畳している(
図5のステップS4以降を参照)。このように重畳の処理を行っているため、非空調データを効率的に空調データに重畳することができている。
【0074】
(4−5)
空調システム1では、空調データを、そのデータが室外伝送装置71bに届かなくても空調運転に支障がないレベルの第1空調用データと、そのデータが室外伝送装置71bに届かなければ空調運転に支障が出るレベルの第2空調用データとに分けて設定している。そして、室内空調制御部75a等から室外空調制御部71a等への通信、あるいは、室外空調制御部71a等から室内空調制御部75a等への通信でエラーが生じた場合、第1空調用データについては再送の処理を行わず、第2空調用データについては上限回数まで再送の処理を繰り返している。
【0075】
このような空調データの伝送方法に鑑み、空調システム1では、第1空調用データへの非空調データの重畳を行わず、第2空調用データへの非空調データの重畳のみを行っている。これは、非空調データの重畳によって仮に通信エラーが発生した場合にも、第2空調用データであれば再送によって相手先に届く可能性が高いことに起因する考え方である。また、再送が行われない第1空調用データについては、非空調データが重畳されないため、通信エラーが少なくなる。
【0076】
(4−6)
空調システム1では、上述のように、再送対象の第2空調用データへの非空調データの重畳のみを行っている。しかし、もしも非空調データの重畳が原因となって第2空調用データの再送が繰り返されると、再送回数が上限回数に達してしまうことになる。
【0077】
このような不具合を回避するために、空調システム1では、再送の回数が増え、再送を諦める上限回数が近づいてくると、すなわち再送の回数が閾値を超えると、非空調データの空調データへの重畳を止めている(
図5のステップS2を参照)。これにより、空調システム1では、再送が上限回数に達する前に他の伝送装置に空調データが届く確率が向上している。
【0078】
(5)変形例
(5−1)変形例A
上記の実施形態に係る空調システム1では、
図6に示すように、空調データの信号変化タイミングを避けて非空調データを空調データに重畳しているが、これに代えて、
図7に示すように、空調データの信号変化タイミングに非データシンボルを挿入した上で非空調データを重畳させても良い。非データシンボルは、空調データの信号変化タイミングの微小期間だけに挿入される空調データの中身とは関係ないシンボルであり、受信側の伝送装置では非データシンボルが挿入されている微小期間の信号変化を無視することになる。
【0079】
この変形例Aに係る空調システムにおいても、空調データの信号の変化のタイミングに非データシンボルを挿入しつつ非空調データを空調データに重畳することによって、空調データの周波数帯域と非空調データの周波数帯域とが一部重なる場合であっても、通信エラーの発生が抑制される。
【0080】
なお、特許文献2(特開2009−278511号公報)が示す、インピーダンス変動箇所を推定し、重畳信号に非データシンボルを挿入する技術の場合には、インピーダンス変動箇所を推定するための処理が必要となり、また、そのための通信によってデータ送信のスループットが低下する恐れがある。これに対し、変形例Aに係る空調システムであれば、伝送装置が空調データの信号変化タイミングを正確に認識していることを利用しているため、そのようなデータ送信のスループットの低下が生じない。
【0081】
(5−2)変形例B
上記の実施形態に係る空調システム1では、休止期間を利用する場合も利用しない場合も、1データのスタートビットSTからストップビットSPまでの間において非空調データを空調データに重畳させている。これに代えて、休止期間を利用する場合、休止期間以外では非空調データを空調データに重畳させないという方法を採ることもできる。
【0082】
(5−3)変形例C
上記の実施形態に係る空調システム1では、空調データの周波数が低く、それよりも周波数が高いデータを非空調データとして説明しているが、非空調データの一部が空調に関係する伝送データになることも考えられる。上記の実施形態では、低周波伝送データの代表的な例として空調データを、それに重畳させる高周波伝送データの代表的な例として非空調データを挙げているが、重畳させる高周波伝送データが空調制御のためのデータである空調システムも考えられる。
【0083】
(5−4)変形例D
上記の実施形態は、設備機器として空調室外ユニット71等および空調室内ユニット75等を例に挙げ、空調システム1に本発明を適用したものを説明したが、本発明は、他の設備機器システムに適用することもできる。例えば、家庭内の電化製品をネットワーク化した設備機器システムや、照明機器をネットワーク化した照明システムなど、種々の設備機器システムへの本発明の適用が想定される。
【0084】
(5−5)変形例E
上記の実施形態では、上述のように、空調データの信号変化タイミングの微小期間を避け、安定期間を狙って非空調データを空調データに重畳している。また、パケット長の情報からパケットの通信終了タイミングを検出し、通信終了タイミングから休止期間を把握して、休止期間にも非空調データを空調データに重畳させることができる。
【0085】
このように、空調データの信号変化タイミングを避けたビット間の安定期間や、空調データのパケット間の安定期間(信号変化タイミングを外した休止期間)において非空調データを空調データに重畳させることで、通信エラーの低減を図っているが、安定期間に高周波の重畳信号(非空調データ)をどのように配置するかの一例を
図8に示す。
【0086】
図8の概念図に示すように、低周波の空調データの信号である設備機器用信号は、信号変化タイミングの間に安定期間(ビット間安定期間)があり、また、パケットとパケットとの間の休止期間も、重畳に適した安定期間(パケット間安定期間)となる。これらの安定期間を狙って、ヘッダ、データ本体およびCRC(巡回冗長検査)などの非データ部から成る高周波の重畳信号が重畳される。
【0087】
この
図8のような重畳の方法ではなく、スループット向上のために、
図9に示すように信号の安定期間の長さに合わせて重畳対象のデータを束ねることも可能である。
図8に示す別々のビット間安定期間に分かれて配置されていた重畳信号内のデータd1,d2を、
図9では1つのビット間安定期間に束ねて配置している。また、パケット間安定期間についても、その長さが許容する範囲で、重畳信号内でデータd4,d5,d6,d7を束ねて配置している。このような
図9に示す重畳の方法を採用した場合には、単位時間当たりに伝送できる高周波のデータの量が増えることになる。
【0088】
すなわち、
図9に示す重畳の方法では、低周波の設備機器用信号の休止期間における信号変化タイミングを外した期間であるパケット間安定期間の長さと、低周波の設備機器用信号のスタートビットからストップビットの間における信号変化タイミングを外したビット間安定期間の長さ、とに基づいて、重畳対象である高周波の重畳信号内でのデータ(d1,d2,・・・)の束ね方を決めている。これにより、高周波の伝送データのスループットが向上している。
【0089】
(5−6)変形例F
上記の実施形態では、
図6において、空調データの信号がゼロからプラスへと変化するタイミング、プラスからゼロへと変化するタイミング、ゼロからマイナスへと変化するタイミング、およびマイナスからゼロへと変化するタイミングを避け、それらの信号変化タイミングの間を狙って非空調データを空調データに重畳させている。言い換えれば、ビットとビットの境界であっても、空調データの信号が変化しない場合には、非空調データを空調データに重畳させることを許容している。
【0090】
しかし、これは、室内伝送装置75bが自ら発信する空調データに非空調データを重畳させる場合に採り得る方法である。例えば、室内伝送装置75bが室外伝送装置71bからの空調データを受信しているときに、室内伝送装置75bから室外伝送装置71bへと非空調データを送信したい場合には、室内伝送装置75bは、スタートビットSTからストップビットSPまでの信号変化が起こり得る全てのタイミングを外して、すなわちビットとビットの境界の近傍の微小期間を全て避けて、ビット間安定期間(
図8参照)だけを使って非空調データの重畳を行うことになる。空調データを受信している場合には、室内伝送装置75bは、その空調データのスタートビットSTの検出および各ビットの境界を算出することは出来るものの、まだ受信していない転送データD0〜D7の中身までは把握できないからである。
【0091】
もし、室内伝送装置75bにおける非空調データの重畳の方法に関し、低周波の空調データを自ら発信している場合と他から受信している場合とで共通の方法を採りたい場合には、空調データの発信時も受信時も、スタートビットSTからストップビットSPまでの信号変化が起こり得る全てのタイミングを外して非空調データの重畳を行うことになる。
【0092】
<第2実施形態>
以下、本発明の第2実施形態に係る設備機器システムである空調システム101および室内伝送アダプタ275について、上記の第1実施形態の空調システム1との違いを中心に、
図10〜
図12を用いて説明する。
【0093】
(1)全体構成
図10は、空調システム101の構成を示している。
図1の空調システム1との違いは、システム管理装置40に接続される複数の空調機70,80,90,・・・が、空調機170,180,190,・・・(以下、空調機170等という。)に代わっていることである。空調機170等は、マルチタイプの空調機であり、それぞれ、1つの空調室外ユニット171,181,191,・・・(以下、空調室外ユニット171等という。)と、それに接続される複数の空調室内ユニット175,176,177,178,・・・,185,186,187,188,・・・,195,196,197,198,・・・(以下、空調室内ユニット175等という。)とからなる。
【0094】
(2)詳細構成
(2−1)空調機
空調機170等は、1台の空調室外ユニット171等に対して並列に複数の空調室内ユニット175等が接続される空調機である。
図10には、3台の空調機170,180,190が図示されている。また、空調機170等には、無線LAN機能および防犯撮影機能を具備するオプションユニット375,376,377,378,・・・,385,386,387,388,・・・,395,396,397,398,・・・(以下、オプションユニット375等という。)が装着されている。さらに、オプションユニット375等で必要な非空調データの通信を行うための室内伝送アダプタ275,276,277,278,・・・,285,286,287,288,・・・,295,296,297,298,・・・(以下、室内伝送アダプタ275等という。)および室外伝送アダプタ271,281,291,・・・(以下、室外伝送アダプタ271等という。)が、それぞれ空調室内ユニット175等、空調室外ユニット171等に接続されている。
【0095】
(2−1−1)空調室外ユニット
空調室外ユニット171は、圧縮機、室外熱交換器、室外膨張弁、室外ファン、室外空調制御部171aを備えている。室外空調制御部171aは、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、各種インターフェイスなどにより構成され、運転中の各種条件に応じて圧縮機の運転周波数や室外膨張弁の開度を制御することによって、空調運転の制御を行う。
【0096】
(2−1−2)空調室内ユニット
空調室内ユニット175は、室内熱交換器、室内膨張弁、室内ファン、室内空調制御部175aを備えている。室内空調制御部175aは、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、各種インターフェイスなどにより構成され、室外空調制御部171aとともに空調運転の制御を行う。室内空調制御部175aは、運転中の各種条件に応じて室内膨張弁の開度や室内ファンの回転数を制御することによって、空調運転の制御を行う。
【0097】
(2−1−3)オプションユニット
オプションユニット375は、
図11に示すように、空調以外の非空調機能を備えた機器を内蔵している。具体的には、
図11に示すように、室内を監視する監視カメラ375dと、無線データ送信機375eとが、ケーシングの中に配備されている。監視カメラ375dは、防犯用の画像を撮影し、システム管理コンピュータ30に送る。無線データ送信機375eは、室内の人々の持つ端末に有用情報を配信する。これらの監視カメラ375dおよび無線データ送信機375eは、非空調制御部375cに接続されており、専用通信線51等を介してシステム管理コンピュータ30と非空調データのやりとりを行う。
【0098】
(2−1−4)室内伝送アダプタおよび室外伝送アダプタ
室内伝送アダプタ275等および室外伝送アダプタ271等については、以下の(3)において詳述する。
【0099】
(2−2)システム管理装置
システム管理装置40は、空調室外ユニット171等に接続されたローカルコントローラ20と、ローカルコントローラ20に接続されたシステム管理コンピュータ30とから構成される、概念的に一体化された装置である。
【0100】
ローカルコントローラ20は、空調室外ユニット171等を介して、複数の空調室内ユニット175等の運転データを取得する。
【0101】
システム管理コンピュータ30は、ローカルコントローラ20が取得した運転データを包括的に管理する。また、システム管理コンピュータ30は、オプションユニット375等の監視カメラ375dから撮像データを受信して蓄積したり、無線データ送信機375eを介して室内の人々の携帯端末に有用情報を配信したりする役割を果たす。
【0102】
(3)空調システムにおけるデータの送受信
(3−1)空調制御装置
上述の室外空調制御部171a等と、室内空調制御部175a等によって、空調制御装置が構成されている。例えば、空調室外ユニット171および複数の空調室内ユニット175,176,177,178,・・・から成る1つの冷媒回路を共有する空調機170においては、室外空調制御部171aおよび室内空調制御部175a等が、室外伝送アダプタ271、専用通信線51および室内伝送アダプタ275によって結ばれることで、空調制御装置となる。
【0103】
上記の第1実施形態と同様の専用通信線51は、室内伝送アダプタ275および室外伝送アダプタ271を介して室外空調制御部171aと室内空調制御部175a等とを結び、また、室外伝送アダプタ271を介して室外空調制御部171aとローカルコントローラ20とを結んでいる。
【0104】
(3−2)室内伝送アダプタおよび室外伝送アダプタ
室内伝送アダプタ275等および室外伝送アダプタ271等は、基本的に第1実施形態の室内伝送装置75bと同様の構成である。ここでは、室内伝送アダプタ275を例にとって説明を行う。
【0105】
(3−2−1)構成
室内伝送アダプタ275は、通信ドライバ、プロトコルコントローラ、CPU、などから構成され、室内空調制御部175aと室外空調制御部171aとの空調データの通信を仲介したり、非空調制御部375cとローカルコントローラ20およびシステム管理コンピュータ30との非空調データの通信を仲介したりする。室内伝送アダプタ275は、調歩同期式の通信を行う伝送装置であって、生成する11ビット構成のデータ、誤り検出、再送処理、送信中断処理、などに関して、上記の室内伝送装置75bと同様の伝送装置である。
【0106】
また、室内伝送アダプタ275は、伝送に関する機能部として、
図12に示すように、送信開始検出部211a、信号変化タイミング算出部211b、パケット長検出部212a、パケット終了検出部212b、送信タイミング生成部213、空調データ通信部215、非空調データ重畳通信部216、スプリッタ218、などを備える。
【0107】
空調データ通信部215は、低周波数の空調用の空調データを、室内空調制御部175aから取得する。空調データは、上記の第1実施形態と同様である。
【0108】
送信開始検出部211a、信号変化タイミング算出部211b、パケット長検出部212a、パケット終了検出部212bおよび送信タイミング生成部213については、第1実施形態の送信開始検出部11a、信号変化タイミング算出部11b、パケット長検出部12a、パケット終了検出部12bおよび送信タイミング生成部13と同様である。
【0109】
非空調データ重畳通信部216は、非空調データを非空調制御部375cから取得し、送信タイミング生成部213により生成された非空調データの挿入開始タイミングを使って、空調データに対して非空調データを重畳させる。非空調データは、第1実施形態の非空調データと同様であり、空調データの周波数よりも高い高周波数のデータである。空調データに対する非空調データの重畳方法は、第1実施形態と同様である。
【0110】
スプリッタ218は、専用通信線51を流れるデータを受信するときに、低周波信号である空調データと高周波信号である非空調データとに分けて、空調データを空調データ通信部215に、非空調データを非空調データ重畳通信部216に送る分波器である。また、スプリッタ218は、空調データ通信部215からの低周波数の空調データと、非空調データ重畳通信部216からの高周波数の非空調データとを混合させ、専用通信線51に送り出す役割も果たす。
【0111】
(3−2−2)非空調データの空調データへの重畳
上述のように、室内伝送アダプタ275で行われる非空調データの空調データへの重畳については、
図5等に示す第1実施形態の室内伝送装置75bにおける非空調データ重畳処理と同様である。
【0112】
(4)特徴
第1実施形態の空調システム1と同様に、第2実施形態の空調システム101においても、室内伝送アダプタ275が空調データの信号変化タイミングを避けて非空調データを空調データに重畳する方法を採用しているため、空調データと非空調データとの周波数帯域が一部重なっていても、受信側で重畳データが読めないといった通信エラーの発生が抑制されている。また、空調システム101でも、空調データの休止期間に非空調データを空調データに重畳させることができるため、多くの非空調データを重畳させることが可能になっている。