特許第5761666号(P5761666)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5761666連続用紙の折り畳み装置における用紙折り込み手段
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5761666
(24)【登録日】2015年6月19日
(45)【発行日】2015年8月12日
(54)【発明の名称】連続用紙の折り畳み装置における用紙折り込み手段
(51)【国際特許分類】
   B65H 45/08 20060101AFI20150723BHJP
【FI】
   B65H45/08
【請求項の数】1
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2011-92462(P2011-92462)
(22)【出願日】2011年3月31日
(65)【公開番号】特開2012-214290(P2012-214290A)
(43)【公開日】2012年11月8日
【審査請求日】2014年3月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000105280
【氏名又は名称】ケイディケイ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】木村 義和
(72)【発明者】
【氏名】土屋 雅人
【審査官】 西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−202520(JP,A)
【文献】 実開平05−075254(JP,U)
【文献】 特開昭52−084014(JP,A)
【文献】 特開2010−126361(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 37/00−37/06
B65H 41/00
B65H 45/00−47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも長手方向に折り線が形成された連続用紙を連続的に前記折り線から折り畳む装置の用紙折り込み手段において、移動可能な状態でボールが取り付けられた支軸を、移動可能な状態でブロックに取り付けると共に、前記ブロックをもう一つの異なるブロックに移動可能な状態で連結し、さらに前記異なるブロックをバーに移動可能な状態で取り付けたことを特徴とした連続用紙の折り畳み装置における用紙折り込み手段。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォーム印刷用紙や輪転印刷用紙等の連続用紙を折り畳み、下流の加工工程へ送り出す際に使用する連続用紙の折り畳み装置における用紙折り込み手段に関する。
【背景技術】
【0002】
従来ダイレクトメールや各種通知書等の多くの郵送物に、二つ折り或いは三つ折の封書、葉書、帳票類等の折り畳み書簡が使用されている。
【0003】
前記折り畳み書簡は、封緘装置等により製造されるが、その製造方法として例えば特開平09−202520号公報等に記載された連続帳票の折り畳み設備等を使用して製造することができる。
【0004】
ところで前記連続帳票の折り畳み設備は、単位帳票3が横ミシン目4で連接された連続帳票を送り方向に沿って折り畳む折り畳み装置35とを有し、この折り畳み装置は、連続帳票を巻き掛ける複数本のガイド棒36、37、38、39と、供給部側に位置するガイド棒37に連続帳票を抑え付け、この連続帳票に送り方向の抵抗を付与するブラシ体43とを備えたもので、そのような構成により、再起動時における連続帳票の切断や、連続帳票終了段階における折りずれ不良を解消できるとしている。
【先行技術文献】
【0005】
【特許文献1】特開平09−202520号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記連続帳票の折り畳み設備は、既述の内容により折りずれ不良を解消できるはずである。然るに現実には、使用される用紙の紙質、斤量、銘柄等により、前記構成のままではすべての条件に対応して折りずれの発生を免れることはできない。即ち、第一ボールバー41で折り畳まれる折れ目線2aが、図7に示すように、一定の間隔で調整されているボールと折り曲げられたバーの隙間を通り、前記隙間により挟み込まれて折り畳まれるのであるが、前記用紙の紙質(上質、マットコート、グロスコート等)や斤量(4/6判換算で70kg、90kg、110kg、135kg等)や銘柄(王子製紙、日本製紙、三菱製紙等)により用紙の厚みや折り力に対する反発力等が微妙に異なるため、前記一定の間隔で調整されているボールバーでは対応しきれないのである。
【0007】
また図7に示すように、曲げ加工でボールとバーの微妙な隙間を調整するには技術的に困難で、出来上がり製品の精度にばらつきが生じる。既述の通り用紙自体が微妙に性質が異なることと相まって、前記曲げ加工等の精度が少しでも狂うとすぐに折りずれの原因になってしまう。
【0008】
作業中に折りずれが発生した場合の現場オペレータのできることは、せいぜい折り畳み装置の配置角度を変化させて、一番うまく折れる場所を探し出してから作業する程度のことになる。しかしそのようにしても安定して長時間折りずれなしに作業できる訳ではなく、何度も折り畳み装置の配置角度の修正を余儀なくされるのである。
【0009】
そのような面倒を避けるため、ボールとバーの間隔を複数台の折り畳み装置により何種類か用意しておいて、作業前に最適の折り畳み装置を選別して配置すればよいのであるが、折り畳み装置を複数台所有することにより広い置き場所を必要とするのみならず、経済的にも極めて不合理である。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、連続用紙の折り畳み装置のボールバーで構成される用紙折り込み手段において、あらゆる紙質、斤量、銘柄等の用紙に一台の折り畳み装置で対応でき、作業中に用紙の条件が変化しても即対応が可能で、経済的な連続用紙の折り畳み装置における用紙折り込み手段を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の連続用紙の折り畳み装置における用紙折り込み手段は、少なくとも長手方向に折り線が形成された連続用紙を連続的に前記折り線から折り畳む装置の用紙折り込み手段において、移動可能な状態でボールが取り付けられた支軸を、移動可能な状態でブロックに取り付けると共に、前記ブロックをもう一つの異なるブロックに移動可能な状態で連結し、さらに前記異なるブロックをバーに移動可能な状態で取り付けたことを特徴としている。
【0011】
前記連結は、例えば2つのブロックが両者の間隔を自在に調整できるように連結されており、さらに前記2つのブロックの一方のブロックにボールが取り付けられた支軸が移動可能に取り付けられると共にもう一方のブロックがバーに移動可能な状態で取り付けられる構成にしてボールとバーの間隔を自在に調整できるようにしても構わない。
【0012】
前記構成において、ボール支軸に沿って移動可能な状態に取り付けておけば、ボールの移動位置選択の幅がさらに広がる。
【0013】
また前記バー折り畳み装置本体に移動可能に取り付ければ、前記構成からなる用紙折り込み手段の最適位置選択の幅がさらに広がる。なおバーは棒状のためモーメントが大きくなるので本体には2点支持で固定することが好ましい。
【0014】
前記ボールやその他の用紙折り込み手段を構成する各部材の材質に格別な制限はなく、摩耗に強い金属、樹脂、セラミック等から選択すればよい。表面にフッ素加工やその他の耐摩耗処理を施しても構わない。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、従来の形態の連続用紙の折り畳み装置であっても、移動可能な状態でボールが取り付けられた支軸を、移動可能な状態でブロックに取り付けると共に、前記ブロックをもう一つの異なるブロックに移動可能な状態で連結し、さらに前記異なるブロックにはバーを移動可能な状態で取り付けることにより、あらゆる紙質、斤量、銘柄等の用紙に対応でき、さらに作業中に用紙の条件が変化しても即対応が可能であると共に、一台の折り畳み装置で前記異なる条件に対応可能なため場所を必要とせず経済的である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】(A)及び(B)は本発明の実施例で使用する三つ折り葉書用の連続用紙Sの平面図及び前記連続用紙Sを折り畳んだ状態を示す断面図である。
図2】本発明の用紙折り込み手段Zを備えた連続用紙の折り畳み装置Xの側面図である。
図3】本発明の用紙折り込み手段Zを備えた連続用紙の折り畳み装置Xの平面図である。
図4】本発明の用紙折り込み手段Zを備えた連続用紙の折り畳み装置Xを連続用紙断面Z字状に折り畳まれながら通過する様子を示す斜視図である。
図5】(A)及び(B)は用紙折り込み手段Zの面図及び裏面図である。
図6】用紙折り込み手段Zの図5(A)における矢印Y方向から見た側面図である。
図7】従来の用紙折り込み手段の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る連続用紙の折り畳み装置の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0018】
図1に示すように、本実施例に使用する連続用紙Sは、例えば第一葉片、第二葉片2及び第三葉片3が折り線4、5(必ずしも表示される必要はなくミシン目や折り筋でも構わない)を介して横方向に連接された単位シートtが切取線6(必ずしも表示される必要はなくミシン目や折り筋でも構わない)を介して縦方向に連接されたもので、その両側にマージナル孔8を設けたマージナル部分9が切取線7(必ずしも表示される必要はなくミシン目や折り筋でも構わない)を介して連接されている。この連続用紙Sは、本発明の用紙折り込み手段を備えた連続用紙の折り畳み装置により折り線4を山折り、折り線5を谷折りされて図1(B)に示すように、断面Z字状に連続的に折り畳まれて下流の加工工程へ送り出される。
【0019】
前記連続用紙Sは、例えば図2に示す本発明の用紙折り込み手段を備えた連続用紙の折り畳み装置において、サポートローラ11及び12を介し一点鎖線で示すパスラインを通過して、用紙折り込み手段Zにより断面Z字状に折り畳まれる。
【0020】
前記用紙折り込み手段Zは図5(A)、(B)及び図6に示すように、矢印O方向に移動可能な状態でボール21が取り付けられた支軸22、矢印P方向に移動可能な状態でブロック23bに取り付ける。そして前記ブロック23bもう一つのブロック23aと矢印R方向に移動可能な状態で2か所のネジ25により連結されており、さらに前記ブロック23aとバー24が矢印Q方向に移動可能な状態取り付けられている。なお、各部材を移動させ固定する方法はねじ山でねじ込んで移動させ固定する方式や、任意の位置に移動させ六角止めネジ等により固定する等の公知の手段を採用できる。
【0021】
前記の通り移動可能な部材により構成されている用紙折り込み手段Zはそれぞれの部材位置を随時変えることが可能である。従って、用紙の紙質、斤量、銘柄等が変わっても各部材を折りずれの発生しない最適な位置に移動させ固定することができるのである。
【0022】
このように構成された用紙折り込み手段Zのバー24とボール21の隙間を、連続用紙Sは図3に示すように、ガイドバー13に押え付けられながら折り線5で谷折りに折り込まれながら上方へ引き上げられるのである。
【0023】
この際山折りされる折り線4では、葉片1が葉片2及び3の折り畳みと同時に絞り込まれて引き上げられるため、ボールバー14で折り込みを促進するよう矯正しておけば前記用紙折り込み手段Zを敢えて必要としない。そして用紙折り込み手段Zの上方で断面Z字状に折り束ねられた長尺状シートSは、図4に示すように、図示されないサポートローラ等によりほぼ水平に向きを変えて、下流の加工工程へ送り込まれるのである。
【0024】
なお本発明は上記実施例に限定されるものではない。
例えばガイドバー13及びボールバー14であるが、必ずしも必要とするものではない。サポートローラ12で反転して上方へ引き上げられる連続用紙Sに張力が生じるため、用紙折り込み手段Zにより折り線5を谷折りするだけで比較的スムーズに折り線4からも折り畳むことができる。
なお、スムーズな折り込みを促進するために、折り線4及び5をミシン目の穿設で形成することが好ましいが、折り筋等であっても各種部材の位置を調整することで容易に対応することができる。
また連続用紙の折り畳み装置及び用紙折り込み手段Zを構成する各種部材にフッ素処理等の表面加工を施しておけば、連続用紙の走行をよりスムーズに促進することができる。
さらに、本実施例では3葉片が連接された連続用紙Sを断面Z字状に折り畳む内容を記載しているが、2葉片が連接された連続用紙を連続的に2つ折りすることも可能である。この場合用紙折り込み手段Zを通過させて連続的に2つ折りに折り畳むことができる。
【符号の説明】
【0025】
連続用紙
t 単位シート
X 連続用紙の折り畳み装置
Z 用紙折り込み手段
O、P、Q、R 移動方向
1、2、3 葉片
4、5 折り線
6、7 切取線
8 マージナル孔
9 マージナル部分
11、12 サポートローラ
13 ガイドバー
14 ボールバー
21 ボール
22 支軸
23a、23b ブロック
24 バー
25 ネジ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7