(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2の電極が可撓性を有する材料で構成されると共に、導電性を備えた弾性部材で構成され、前記外力が無くなった際に前記誘電体の前記第2の面との間に僅かな間隔だけ隔離する手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の位置指示用モジュール。
導電性を備えた弾性部材で構成される第2の電極と前記芯体ホルダーとを、可撓性を有するフレキシブル回路基板の両面に貼り合せた、請求項4に記載の位置指示用モジュール。
前記第3の電極は複数個の電極からなると共に、前記芯体部の他端の導電部において、前記複数個の第3の電極のそれぞれと、前記複数個の第3の電極のそれぞれに対応する3本のフレキシブル電線とを電気的に接続する
ことを特徴とする請求項7に記載の位置指示用モジュール。
前記誘電体と前記第1の電極と前記第2の電極の代わりに、2個の電極を空気層を介して対向させ、前記2個の電極の一方が、外力により撓む構成の半導体デバイスを用いる
ことを特徴とする請求項1に記載の位置指示用モジュール。
前記第2の電極が可撓性を有する材料で構成されると共に、導電性を備えた弾性部材で構成され、前記外力が無くなった際に前記誘電体の前記第2の面との間に僅かな間隔だけ隔離する手段を備えたことを特徴とする請求項11に記載のスタイラスペン。
前記芯体ホルダーに圧入される導電性スプリング(ばね)を設けて、該導電性スプリング(ばね)を介して前記送信信号を供給するようにした請求項13に記載のスタイラスペン。
前記第3の電極は複数個の電極からなると共に、前記芯体部の他端の導電部において、前記複数個の第3の電極のそれぞれと、前記複数個の第3の電極のそれぞれに対応する3本のフレキシブル電線とを電気的に接続する
ことを特徴とする請求項16に記載のスタイラスペン。
前記誘電体と前記第1の電極と前記第2の電極の代わりに、2個の電極を空気層を介して対向させ、前記2個の電極の一方が、外力により撓む構成の半導体デバイスを用いる
ことを特徴とする請求項11に記載のスタイラスペン。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態による位置指示用モジュールの一例の構造図(中央断面図)を示したものである。
図1において、11は略円盤状の誘電体、12は誘電体11の第1面に設けた第1の電極、13は可撓性を有する材料からなる第2の電極である。第2の電極13はリング状のスペーサー14を挟んで誘電体11の第1面に対向する第2面側に配置されている。この第2の電極13としては、例えば導電性ゴムを用いることができるし、ポリイミドフィルムの片面に導電物質を蒸着した材料としても良い。
【0017】
図2は、誘電体11、スペーサー14、第2の電極13をそれぞれ分解して配列したときの斜視図である。第2の電極13において少なくともスペーサー14と接する面13a側は導電性を有しており、その導電面には突出部13bが設けられている。
【0018】
図1において、15は金属により成型された第1の端子で、誘電体11の第1の電極12と電気的に接続される。16は金属により成型された第2の端子で、第2の電極13と電気的に接続される。
【0019】
図3は、第1の端子15および第2の端子16の外観を示したものである。第1の端子15には第1の電極12と接続する平らな部分15aが設けられている。また、第2の端子16には第2の電極13の突出部13bと接続する平らな部分16aが設けられている。
【0020】
図1において、17は略棒状のペン芯で、この例では不導体材料、例えば樹脂で構成されている。この例では、芯体部はペン芯17のみで構成されている。ペン芯17の先端17aには第3の電極18が埋め込まれている。ペン芯17の、先端17aとは反対側の接続端17bには導電性物質が塗布されており、接続端17bはペン芯17の内部に設けられている導体17cを介して第3の電極18と電気的に接続されている。
【0021】
19は、導電性材料で形成されたスプリング(ばね)、この例ではコイルばねで、その外観を
図4に示す。弾性を有する巻回部19aとまっすぐに伸びた第3の端子19bとが設けられている。
【0022】
20は、導電性材料で形成された芯体ホルダーで、コイルばね19の巻回部19aにちょうど入る形状になっている。また、芯体ホルダー20の外周面にフランジ状に突出する突出部20aによりコイルばね19が接触して電気的に接続される。芯体ホルダー20にはペン芯17の接続端17bが挿入されて嵌合される穴が設けられており、ペン芯17の接続端17bが芯体ホルダー20に圧入嵌合されることにより接続端17bと電気的に接続されている。
【0023】
21は、プラスチックで成型された押圧体で、一端が丸みをおびた円筒形状となっており、他端は平らな形状となっている。押圧体21の平らな形状の他端側は芯体ホルダー20と接着され、丸みをおびた一端側は第2の電極13にちょうど接するように配置される。この押圧体21はゴムなどの弾力性のある材料を用いても良い。
【0024】
22はハウジングで、前述した誘電体11、第1の電極12、第2の電極13、スペーサー14、第1の端子15、第2の端子16、第3の電極18を備えるペン芯17、コイルバネ19、芯体ホルダー20、押圧体21の各部材を合体して位置指示用モジュールとして形成している。ハウジング22は各部材を組み込み易くするために、図示しない複数の部分に分解されるとともに、圧入や接着等の方法により組み立てられている。
【0025】
このように形成した第1の実施形態による位置指示用モジュールの動作について説明する。なお、この第1の実施形態では、誘電体11、第1の電極12、第2の電極13、スペーサー14により、可変容量コンデンサが構成される。この可変容量コンデンサは、筆圧検出部の構成の一例である。
【0026】
ペン芯17に筆圧が加わらない状態では誘電体11と第2の電極13とはスペーサー14によって接触しない状態となっている。ペン芯17に筆圧が加わると、押圧体21は第2の電極13を変位させて、誘電体11の第2面に接触する。この接触面積はペン芯17に加わる筆圧の大きさに応じて変化するので、第1の端子15と第2の端子16間の容量はペン芯17に加わる筆圧の大きさに応じて変化する。
【0027】
一方、ペン芯17に設けられた第3の電極18は、筆圧の有無に関らず芯体ホルダー20およびコイルばね19を経由して第3の端子19bに電気的に接続されている。
【0028】
第1の実施形態の位置指示用モジュールでは、筆圧が無くなったときにペン芯17を戻す作用をする部分と、第3の端子と第3の電極18との結線部とがコイルばね19によって兼用されているため、第3の端子と第3の電極18との結線部が筆圧検出に影響することが無いし、軽い荷重の検出を精度良く行うことができる。
【0029】
また、ペン芯17の変位が繰り返されることにより第3の端子と第3の電極18との接続線が断線したりすることも無い。
【0030】
[第2の実施形態(第1の実施形態の変形例)]
図5は第2の実施形態による位置指示用モジュールの一例の構造図(中央断面図)を示したもので、
図1に示した第1の実施形態の位置指示用モジュールと同一構成のものは同一符号によって示す。第2の実施形態は第1の実施形態と共通点が多いため、ここでは
図1と異なる部分についてのみ説明する。
【0031】
23は導電性材料で形成されたコイルばねで、第1の実施形態で用いた
図4に示したコイルばね19とほぼ同じであるが、まっすぐに伸びた部分である端子19bに相当する部分が無い。コイルばね23は第1の実施形態のコイルばね19と同様に芯体ホルダー20に挿入されて突出部20aと接触して電気的に接続される。
【0032】
24はポリイミドフィルムで、
図6はその展開図である。ポリイミドフィルム24は、リング形状部分と直線部分とが結合された形となっており、その片面において、リング形状部分にはリング状の導電パターン24aが、直線部分には直線状の導電パターン24bが、導電パターン24aと導電パターン24bの両者が連続する状態となるように、エッチング等によって形成されている。また、ポリイミドフィルム24は、
図6のa−a’で直角に折り曲げられている。ポリイミドフィルム24のリング形状部分の導電パターン24aはコイルばね23の端面と同一サイズとなっており、コイルばね23と電気的に接続される。直線部分の導電パターン24bは第3の端子24bとして突出する。
【0033】
25はハウジングで、第1の実施形態と同様に全ての部材を合体して位置指示用モジュールとして形成している。ハウジング25は各部材を組み込み易くするために、図示しない複数の部分に分解されるとともに、圧入や接着等の方法により組み立てられている。
【0034】
このように構成した第2の実施形態においても、第3の電極18は、芯体ホルダー20、コイルばね23およびポリイミドフィルム24を経由して第3の端子24bに電気的に接続される。
【0035】
この第2の実施形態でも、筆圧が無くなったときにペン芯17を戻す作用をする部分と第3の端子24bから第3の電極18への結線部とがコイルばね23によって兼用されているため、第3の端子24bから第3の電極18への結線部が筆圧検出に影響することが無いし、軽い荷重の検出を精度良く行うことができる。
【0036】
また、ペン芯17の変位が繰り返されることにより第3の端子と第3の電極18との接続線が断線したりすることも無い。
【0037】
[第3の実施形態]
図7は第3の実施形態による位置指示用モジュールの一例の構造図(中央断面図)を示したもので、
図1に示した第1の実施形態の位置指示用モジュールと同一構成のものは同一符号によって示す。
【0038】
即ち、11は略円盤状の誘電体、12は誘電体11の第1面に設けた第1の電極、14はスペーサーである。15は金属により成型された第1の端子で、誘電体11の第1の電極12と電気的に接続される。16は金属により成型された第2の端子である。17は略棒状のペン芯で、その先端17aには第3の電極18が埋め込まれている。ペン芯17の接続端17bには導電性物質が塗布されており、接続端17bはペン芯17の内部に設けられている導体17cを介して第3の電極18と電気的に接続されている。これらの構成は第1の実施形態の位置指示用モジュールと同じである。
【0039】
26はポリイミドフィルムで、
図8はその展開図である。ポリイミドフィルム26は、略円形形状部分と直線部分とが結合された形となっており、その両面に導電パターンが形成されている。また、ポリイミドフィルム26は、
図8のa−a’で直角に折り曲げられている。ポリイミドフィルム26の略円形形状部分の誘電体11の側である第1面には、導電性物質が蒸着されることによって形成される第2の電極26a(
図8では破線で示す)が設けられている。この第2の電極26aは、略円形形状部分の突出部26bにて第2の端子16と電気的に接続される。ポリイミドフィルム26の第1面と反対面である第2面には、略円形形状部の中央に円形の導電パターン26cが設けられる。また、ポリイミドフィルム26の第2面の直線部分の先端には第3の端子26dが設けられている。円形の導電パターン26cと第3の端子26dとは細い導電パターン26eにより結線されており、これらのパターンはエッチング等により形成されている。
【0040】
27は、導電性を有する弾性材、たとえば導電ゴムで形成された押圧体である。この押圧体27の一端は丸みをおびた円筒形状となっており、他端には、ペン芯17の接続端17bが圧入される穴が設けられている。押圧体27の丸みをおびた先端はポリイミドフィルム26の導電パターン26cにちょうど接するように後述するハウジング28の形状が決定されている。
【0041】
28はハウジングで、第1の実施形態と同様に全ての部材を合体して位置指示用モジュールとして形成している。ハウジング28は各部材を組み込み易くするために、図示しない複数の部分に分解されるとともに、圧入や接着等の方法により組み立てられている。
【0042】
ポリイミドフィルム26は可撓性を有しているので、ペン芯17に筆圧がかからない状態では平らな形状となる。誘電体11と第2の電極26aとはスペーサー14によって接触しない状態となっているが、ペン芯17に筆圧が加わると、押圧体27は第2の電極26aを変位させて、誘電体11に接触する。この誘電体11と第2の電極26aとの接触面積はペン芯17に加わる筆圧の大きさに応じて変化するので、第1の端子15と第2の端子16間の容量はペン芯17に加わる筆圧の大きさに応じて変化する。
【0043】
一方、ペン芯17に設けられた第3の電極18は押圧体27およびポリイミドフィルム26の第2面側の導電パターン26cを経由して第3の端子26dに電気的に接続されている。
【0044】
この第3の実施形態では、ポリイミドフィルム26の可撓性と押圧体27の弾性により、筆圧の有無に関らず押圧体27とポリイミドフィルム26の導電パターン26cとは常に接触した状態が維持される。
【0045】
第3の実施形態では、第2の端子16と第2の電極26aとの接続をポリイミドフィルム26の突出部26bにより行っているが、ポリイミドフィルム26の直線部分の第1面を経由して結線を行い、第3の端子26dの裏側に第2の端子を設けるようにしても良い。
【0046】
[第4の実施形態]
図9は第4の実施形態よる位置指示用モジュールの一例の構造図(中央断面図)を示したもので、
図1に示した第1の実施形態の位置指示用モジュールと同一構成のものは同一符号によって示す。
【0047】
即ち、11は略円盤状の誘電体、12は誘電体11の第1面に設けた第1の電極、15は金属により成型された第1の端子で、誘電体11の第1の電極12と電気的に接続される。17は略棒状のペン芯で、その先端17aには第3の電極18が埋め込まれている。ペン芯17の接続端17bには導電性物質が塗布されており、接続端17bはペン芯17の内部に設けられている導体17cを介して第3の電極18と電気的に接続されている。これらの構成は第1の実施形態の位置指示用モジュールと同じである。
【0048】
29はポリイミドフィルムで、
図10はその展開図である。ポリイミドフィルム29は、円形部分と2つの直線部分とが結合された形となっており、その両面に導電パターンが形成されている。また、ポリイミドフィルム29は、
図10のa−a’およびb−b’でそれぞれ直角に折り曲げられている。このポリイミドフィルム29を
図9のように装着したときに、円形部分がペン芯17に向っている面を表面、誘電体11に向かっている面を裏面として説明する。
【0049】
図10はポリイミドフィルム29をその表面から見たときの導電パターンを黒色で示しており、裏面の導電パターンを点線で示している。円形部分の表面には3つの扇形が中央部で結合されたようなパターン29aが
図10のように形成されている。円形部分の裏面には、表面のパターン29aをちょうど60°回転させた位置にパターン29bが形成されている。このようにパターン29aとパターン29bとが扇形部分で重ならないようにすることによって、それぞれのパターン29a,29bに加えられる信号が互いに影響することを避ける効果がある。
【0050】
ポリイミドフィルム29の第1の直線部分の先端(表面)には第3の端子29dが設けられる。この第3の端子29dは、ポリイミドフィルム29の第1の直線部分に形成されている細いパターン29cを介してパターン29aと結線されている。また、ポリイミドフィルム29の第2の直線部分の先端(裏面)には第2の端子29fが設けられる。この第2の端子29fは、ポリイミドフィルム29の第2の直線部分に形成されている細いパターン29eを介してパターン29bと結線されている。
【0051】
30は導電性を有する弾性材、たとえば導電ゴムで形成された第2の電極である。第2の電極30はポリイミドフィルム29のパターン29bの直径とほぼ等しい略円盤形状をしており、その一面は平坦で他面は凸となっている。第2の電極30は、ポリイミドフィルム29の裏面に導電性接着剤で接着されパターン29bと電気的に接続されている。
【0052】
31は導電性材料で略円筒形状に形成された芯体ホルダーで、その一端は平坦で、他端にはペン芯17の接続端17bが圧入嵌合される穴が設けられている。芯体ホルダー31の平坦面は、ポリイミドフィルム29の表面に導電性接着剤で接着されパターン29aと電気的に接続されている。
【0053】
32はハウジングで、第1の実施形態と同様に全ての部材を合体して位置指示用モジュールとして形成している。ハウジング32は各部材を組み込み易くするために、図示しない複数の部分に分解されるとともに、圧入や接着等の方法により組み立てられている。
【0054】
なお、ポリイミドフィルム29の円形部の外周は表面と裏面の両面からハウジング28によって固定される。このとき、ポリイミドフィルム29の裏面側は外周付近に円形に線接触する部分32aによって押さえられている。これは、ペン芯17に筆圧が加えられた際にポリイミドフィルム29が変位し易くするためである。
【0055】
ハウジング32は、ペン芯17に筆圧が加わらないときに第2の電極30と誘電体11との間に僅かな隙間ができるように寸法が決定されている。
【0056】
このように構成した本実施例でも、ペン芯17に加わる筆圧に応じて第2の電極30と誘電体11との接触面積が変化する。また、第3の電極18は筆圧の有無に関係なく、芯体ホルダー31およびポリイミドフィルム29のパターン29aを経由して第3の端子29bに結線される。
【0057】
[第5の実施形態]
図11は第5の実施形態による位置指示用モジュールの一例の構造図(中央断面図)を示したもので、
図1に示した第1の実施形態の位置指示用モジュールと同一構成のものは同一符号によって示す。
【0058】
即ち、11は略円盤状の誘電体、12は誘電体11の第1面に設けた第1の電極、15は金属により成型された第1の端子で、誘電体11の第1の電極12と電気的に接続される。18は第3の電極である。
【0059】
この第5の実施形態は、ペン芯の先端に設けた第3の電極18への電気的接続をフレキシブルな線を用いて行うものである。
図11において、33は略棒状のペン芯で、第1の実施形態の位置指示用モジュールのペン芯17とほぼ同じものである。この第5の実施形態においても芯体部は、ペン芯33のみからなる。ペン芯33の先端33aには第3の電極18が埋め込まれている。ペン芯33の、先端33aとは反対側の接続端33bの端面には導電性物質が塗布されており、接続端33bはペン芯33の内部に設けられている導体33cを介して第3の電極18と電気的に接続されている。
【0060】
34はプラスチックで成型された芯体ホルダーで、
図12はその形状を示した図である。芯体ホルダー34には2つの円形の圧入部34aおよび34bが形成されており、圧入部34aにはペン芯33の接続端33bが圧入嵌合され、圧入部34bには後述する第2の電極35が圧入される。圧入部34aの外周にはスリット34cが設けられており、スリット34cの外周方向には突出部34dが設けられている。圧入部34aの低部およびスリット34cの低部および突出部34dは、後述するポリイミドフィルム36を配置するための同一平面を構成している。圧入部34bの外周にもスリット34eが設けられている。
【0061】
36はポリイミドフィルムで、
図13はその展開図である。ポリイミドフィルム36の片面には
図13で黒色部分で示した導電パターンがエッチング等により形成されている。そして、ポリイミドフィルム36の一端側の円形部分の導電パターンとして接続部36aが構成され、他端側の矩形部分の導電パターンとして第3の端子36bが構成され、ポリイミドフィルム36の細くてフレキシブルな部分の線状のパターン36cにより、接続部36aと第3の端子36bとが電気的に接続されている。なお、ポリイミドフィルム36の線状のパターン36cが形成されている細くてフレキシブルな部分の一部は、
図13に示すように、若干、幅広の部分36dとされている。
【0062】
ポリイミドフィルム36の接続部36aの円形部分は、芯体ホルダー34の圧入部34aの底部に接着され、線状のパターン36cが形成されている細くてフレキシブルな部分が芯体ホルダー34のスリット34cを通って突出部34dに延びるように装着される。
【0063】
ペン芯33の接続端33bは芯体ホルダー34の圧入部34aに圧入嵌合されることにより、第3の電極18と第3の端子36bとが電気的に接続される。ポリイミドフィルム36は
図13に示した幅広の部分36dで後述するハウジング38の外周に接着され固定される。なお、ペン芯33の接続端33bとポリイミドフィルム36の接続部36aとの接続を確実にするために間に弾性のある導電材(例えば導電ゴム等)を挟むようにしても良い。
【0064】
37は、導電性材料で形成されたコイルばねで、その外観を
図14に示す。このコイルばね37は、弾性を有する巻回部37aとまっすぐに伸びた第2の端子37bを備えると共に、巻回部37aの内側に延びている接続部37cを備える。コイルばね37は芯体ホルダー34に、接続部37cがスリット34eを通るように装着される。
【0065】
35は、導電性を有する弾性材、たとえば導電ゴムで円筒形状に形成された第2の電極である。この第2の電極35の一端は丸みをおびたドーム形状となっている。そして、この第2の電極35の他端は芯体ホルダー34の圧入部34bに圧入される。第2の電極35は、芯体ホルダー34の圧入部34bに圧入されることによりコイルばね37の接続部37cと接続され、第2の端子37bと電気的に接続される。
【0066】
38はハウジングで、前述した実施形態と同様に全ての部材を合体して位置指示用モジュールとして形成している。ハウジング38は各部材を組み込み易くするために、図示しない複数の部分に分解されるとともに、圧入や接着等の方法により組み立てられている。なお、ペン芯33に筆圧が加わらないときに、第2の電極35のドーム形状部と誘電体11との間に僅かな隙間ができるように、ハウジング38の寸法が決定されている。
【0067】
このように形成した第5の実施形態による位置指示用モジュールの動作について説明する。
【0068】
ペン芯33に筆圧が加わらない状態では誘電体11と第2の電極35間とは接触しない状態となっている。ペン芯33に筆圧が加わると第2の電極35は誘電体11に接触する。第2の電極35は弾性を有するので、この接触面積はペン芯33に加わる筆圧の大きさに応じて変化する。
【0069】
なお、第5の実施形態ではポリイミドフィルム36の接続部36aから延びる線状の導体パターン36cが形成されているフレキシブルな部分がペン芯33の変位方向と直角方向となっているので、ポリイミドフィルム36自体の変位方向に対する弾性力はコイルばね37の弾性力よりも極めて小さく、ポリイミドフィルム36はペン芯33の変位を殆ど妨げない。
【0070】
[第5の実施形態の変形例1]
図15は第5の実施形態による位置指示用モジュールの変形例の構造図(中央断面図)を示したもので、
図11に示した第5の実施形態の位置指示用モジュールと同一構成のものは同一符号によって示す。この第5の実施形態の変形例1は、上述した第5の実施形態では、圧入部34aの突出部34dの存在のために、
図11に示すように、ポリイミドフィルム36の細くてフレキシブルな部分はハウジング38から離れて浮いてしまう恐れがある問題を改善した例である。第5の実施形態の変形例1においては、芯体ホルダー34´を用いる。
【0071】
図16は、芯体ホルダー34´の形状を示した図であり、スリット34c´は、
図12に示した第5の実施形態の芯体ホルダー34の突出部34dを有しない。そして、圧入部34aの低部よりもスリット34c´の低部の方がより深く構成して、ポリイミドフィルム36の細くてフレキシブルな部分の屈曲部が、スリット34c´内に収まるようにしている。これにより、
図15に示すように、ポリイミドフィルム36の細くてフレキシブルな部分はハウジング38の側面に密着するようになる。
【0072】
なお、
図15及び
図16に示すように、この第5の実施形態の変形例1においては、芯体ホルダー34´の圧入部34aには、凹凸部34fが形成されている。そして、ペン芯33の接続端33b側の、圧入部34aの凹凸部34fの対応する部分には、対応する形状の凹凸部33dが形成されている。この凹凸部34fと凹凸部33dとの嵌合により、芯体ホルダー34´から、ペン芯33が係止されて、容易には離脱しないようにされる。なお、ペン芯33を所定の力で引き抜くようにすることで、凹凸部34fと凹凸部33dとの嵌合は解除される。
【0073】
[第5の実施形態の変形例2]
上述の第5の実施形態では、第3の電極は、ペン芯33の先端33aに1個の電極18が埋め込まれていたが、出願人は、ペン芯に複数個の電極を設けることで、位置検出装置において、スタイラスペンの軸心方向の傾きや、タブレット面に対する垂直方向を軸とした回転角を検出できるようにした発明を提案している。スタイラスペンの軸心方向の傾きや、タブレット面に対する垂直方向を軸とした回転角を検出する構成及び動作の詳細については、先の出願(特願2012−176102)に詳細に述べてあるので、ここでは省略する。
【0074】
この第5の実施形態の変形例2は、ペン芯として、この先の出願のように複数個の電極を設けるようにしたペン芯を用いる場合である。
【0075】
図17は、この第5の実施形態の変形例2におけるペン芯330の構成を説明するための図であり、
図17(A)はペン芯330の斜視図、
図17(B)は、
図17(A)におけるA−Aで切断したときの断面図、
図17(C)は、ペン芯330の、先端330aとは反対側の接続端330bの端面形状を示す図である。
【0076】
すなわち、
図17(A)に示すように、この例のペン芯330は、略棒状の形状を有すると共に、第3の電極として3個の電極331,332,333を備える。3個の電極331,332,333は、
図17に示すように、先端330aから接続端330bまでに亘る軸心方向に、互いに電気的に非接続の状態で形成されている。そして、3個の電極331,332,333のペン芯330の接続端330bに露呈する部分は、後述するポリイミドフィルム360との接続を確実にすることができるように、
図17(C)に示すように外側に膨出するように形成されている。
【0077】
この第5の実施形態の変形例2のポリイミドフィルム360は、
図18(A)に示すように構成されている。すなわち、ポリイミドフィルム360の一端側の円形部分はペン芯330の3個の電極331,332,333との接続部360aとされ、他端側の矩形部分は第3の端子部360bとされている。ポリイミドフィルム360の一端側の接続部360aには、ペン芯330に設けられた3個の電極331,332,333のそれぞれと接続する3個の導電パターン361,362,363が形成されている。また、ポリイミドフィルム360の他端側の第3の端子部360bには、3個の端子364,365,366が形成されている。そして、接続部360aの3個の導電パターン361,362,363と、第3の端子部360bの3個の端子364,365,366とは、ポリイミドフィルム360の細くてフレキシブルな部分の線状のパターン367、368,369により電気的に接続されている。
【0078】
ポリイミドフィルム360の接続部360aの円形部分は、芯体ホルダー34´の圧入部34aの底部に接着され、細くてフレキシブルな部分が芯体ホルダー34´のスリット34c´を通ってハウジング38外に延びるように装着される。
【0079】
ペン芯330の接続端330bは芯体ホルダー34´の圧入部34aに圧入されることにより、第3の電極としての電極331,332,333と、第3の端子部360bの3個の端子364,365,366とが電気的に接続される。ポリイミドフィルム360は
図18(A)に示した幅広の部分で後述するハウジング38の外周に接着され固定される。
【0080】
なお、
図17(A)に示すように、ペン芯330の接続端330b側には、芯体ホルダー34´の圧入部34bに挿入したときに凹凸部34fと嵌合する凹凸部330cが形成されていると共に、ペン芯330の周方向の位置決め用の突起部330dが形成されている。この場合、図示は省略するが、芯体ホルダー34´の圧入部34aの周方向の所定位置には、突起部330dと嵌合する溝が形成されている。この突起部330dと溝との嵌合により、ペン芯330の周方向の位置が一義的に定まり、これにより、第3の電極としての電極331,332,333と、ポリイミドフィルム360の接続部360aの3個の導電パターン361,362,363とが、予め定められた関係で電気的に接続される。
【0081】
図18(B)は、第5の実施形態の変形例2に用いるポリイミドフィルムの他の例を示す図である。すなわち、この例のポリイミドフィルム360Aは、
図18(B)に示すように、円形部分からなり、第3の電極としての3個の電極361A,362A,363Aが形成されている接続部360cは、長手方向のほぼ中央部に設ける。そして、第3の端子部は2つに分けられて、接続部360cの両側に設けられる。
【0082】
図18の例では、接続部360cの左側には、第3の端子部の3個の端子の内の端子364Aのみが形成される第3の端子部分360dが設けられ、右側には、第3の端子部の3個の端子の内の端子365Aと端子366Aとが形成される第3の端子部分360eが設けられる。そして、接続部360cの導電パターン361Aは線状のパターン367Aを介して端子364Aに電気的に接続され、接続部360cの導電パターン362Aおよび363Aは線状のパターン368Aおよび369Aを介して端子365Aおよび366Aに電気的に接続される。
【0083】
この
図18(B)に示す例の場合のポリイミドフィルム360Aを用いる場合には、上述のように第3の端子部は、2つの第3の端子部分360d,360eに分かれている。このため、芯体ホルダー34´には、図示は省略するが、第3の端子部分360dを外部に導出する溝部と、第3の端子部分360eを導出する溝部とが設けられるものである。
【0084】
なお、
図18に示した第5の実施形態の変形例2は、第5の実施形態の変形例1に適用した場合として説明したが、
図11に示した第5の実施形態に適用することができることは言うまでもない。
【0085】
[第6の実施形態]
図19は、第6の実施形態による位置指示用モジュールを搭載した位置指示器(電子ペン)の一部を示す断面図であり、前述の第5の実施形態の位置指示用モジュールと同一構成ものは同一符号によって示す。
【0086】
すなわち、この第6の実施形態の筆圧検出手段も、第5の実施形態と同様に可変容量コンデンサとして構成される。11は略円盤状の誘電体、35は導電性の弾性材からなる第2の電極、導電性材料で形成された37はコイルばねである。コイルばね37は、第2の端子37bを備えると共に、第2の電極35と接続される接続部37cを備える。
【0087】
39は導電性の金属からなる第1の電極であり、誘電体11の第1面に圧接されるように設けられている。この第1の電極39からは、当該第1の電極39と一体に第1の端子39aが導出される構成とされている。
【0088】
そして、第2の電極は芯体ホルダー340に、前述の第5の実施形態と同様にして取り付けられており、ハウジング38´内において、後述するペン芯110に印加される筆圧に応じて芯体ホルダー340に固定された第2の電極35が軸心方向に移動可能とされるように構成されている
また、
図19において、101は円筒状の導電性材料からなるケースである。102はフロントキャップでテーパー状に形成された導体材料からなる。103はペン先ガード部材で、絶縁性材料からなる。
【0089】
ケース101の中空部内には、基板ホルダー104が収納されている。この基板ホルダー104のプリント基板載置台部104aにはプリント基板105が取り付けられている。また、基板ホルダー104のモジュール保持部104bには、位置指示用モジュールが保持されている。なお、ケース101には、図示を省略する電池が収納されている。
【0090】
この第6の実施形態の位置指示用モジュールの構成について説明する。
【0091】
110はペン芯で、この例では、金属などの導電性の棒状体で構成されている。なお、ペン芯110は、導電性を有するフェルトからなるものであってもよい。この第6の実施形態では、ペン芯110自身が第3の電極を構成している。
【0092】
111は芯ホルダーで、ペン芯110の保持部111aを備える。この保持部111a内には、例えば導電性ゴムなどの弾性を有する導電性材料からなる導電性弾性部材112が収納されており、ペン芯110が、この導電性弾性部材112を介して保持部111aに嵌合される。ペン芯110は、所定の力で引っ張ることで、芯ホルダー111から引き抜くことができるように構成されている。
【0093】
この第6の実施形態では、ペン芯110が芯ホルダー111に嵌合された状態のものとして芯体部が構成されている。芯ホルダー111の、ペン芯110の保持部111aとは反対側は、芯体ホルダー340に嵌合される棒状部111bとされている。この棒状部111bは、ペン芯110に印加される外力(筆圧)を芯体ホルダー340に保持されている第2の電極35に伝達する伝達部材を構成する。
【0094】
芯体ホルダー340には、棒状部111bが嵌合される嵌合部340aが形成されている。嵌合部340aには、芯ホルダー111の棒状部111bが圧入嵌合される。棒状部111bの先端部近傍には膨出部が形成されており、この膨出部が芯体ホルダー340に係合することで、芯ホルダー111が芯体ホルダー340から抜け落ちないようにされている。
【0095】
この芯ホルダー111の棒状部111bに対しては、導電性金属などの導電性材料からなるコイルばね113が装着される。芯ホルダー111は、このコイルばね113により、基板ホルダー104に対して常にペン芯110側に付勢されるように構成されている。
【0096】
一方、ハウジング38´に対して、当該ハウジング38´を跨いで、プリント基板105側に延長されるように設けられた導体端子部材115が設けられている。この導体端子部材115と、導電性材料からなるコイルばね113とにより電気的接続用部材を構成し、この電気的接続用部材により、プリント基板105の、信号供給のための回路部材との電気的接続を実現している。
【0097】
導体端子部材115は、コイルばね113の一端が当接する当接板部115aと、当該当接板部115aと、プリント基板105の信号供給端に接続されている銅箔部分とを基板ホルダー104の感圧用部品保持部104bの部分を跨いで接続するための延伸部からなる第3の端子115bとからなる。プリント基板105の信号供給端からの信号は、導体端子部材115、コイルばね113、芯ホルダー111及び導電性弾性部材112を介して、ペン芯110に供給される。
【0098】
[第7の実施形態]
以上の第1の実施形態〜第3の実施形態においては、筆圧検出部を構成するそれぞれ個別の構成部品としての誘電体11と、第1の電極12と、第2の電極13,26aおよびスペーサー14により可変容量コンデンサを構成した。また、第4の実施形態〜第6の実施形態においては、筆圧検出部を構成するそれぞれ個別の構成部品としての誘電体11と、第1の電極12、39と、第2の電極30,35により可変容量コンデンサを構成した。第7の実施形態においては、筆圧検出部を構成する可変容量コンデンサとして、上述の実施形態のような複数個の構成部品を用いるのではなく、1個の半導体デバイスとしての静電容量方式の圧力センシングデバイスを用いる。
【0099】
図20は第7の実施形態による位置指示用モジュールの概略を示したものである。
図21は、この第7の実施形態の位置指示用モジュールの内部構成を示す分解図であり、圧力感知部61、ペン芯62、芯体ホルダー63、ポリイミドフィルム64、押圧部65から構成されている。これら各部61〜65の全ては、ハウジング66内で合体されて位置指示用モジュールとして形成している。
【0100】
圧力感知部61は、例えば特開2013−156066号公報の
図2に示したような静電容量方式の圧力センシングデバイスの一例であるMEMS(Micro Electro Mechanical System)センサーにより構成されている。
【0101】
このMEMSセンサーは、詳細は特開2013−156066号公報に記載されているが、印加圧力を静電容量の変化として検出する半導体デバイスであり、外部からの圧力を受けて撓む構成の第1の電極と、固定の第2の電極とが、誘電体である空気層(空間)を介して対向して配置される構成とされている。このMEMSセンサーは、外部からの圧力を受けると第1の電極面が撓むことで、空気層を介する第1の電極と第2の電極との間の距離が変わり、第1電極と第2の電極間の静電容量が変化するもので、この静電容量の変化として外部から印加される圧力を検出する構成である。
【0102】
なお、この圧力感知部61は、MEMSセンサーではなく、例えば第1の実施形態で示した位置指示用モジュールの構成の一部(誘電体11、第1の電極12、第2の電極13およびスペーサー14)をモジュール化したようなものにより構成してもよい。
【0103】
ペン芯62は、この例では、略棒状の不導体材料、例えば樹脂で構成されている。この例では、芯体部はペン芯62のみで構成されている。このペン芯62は、図示は省略する先端に第3の電極を備えると共に、先端とは反対側の導電接続端62bを備える。また、この例のペン芯62は、導電接続端62b側に僅かな凹凸部62cを備える。芯体ホルダー63は、ペン芯62の凹凸部62cと丁度嵌合する形状の穴を有しており、ペン芯62が着脱可能な構造となっている。
【0104】
図22は、ポリイミドフィルム64の展開図である。ポリイミドフィルム36の片面には
図22で黒色部分で示した導電パターンがエッチング等により形成されている。ポリイミドフィルム64の一端側の円形部分には、後述するように、ペン芯62の導電接続端62bと接続される導電パターン64aが構成され、他端側の矩形部分の導電パターンとして接続端子64bが構成される。
【0105】
そして、ポリイミドフィルム64の導電パターン64a側が芯体ホルダー63に接着されることにより、この芯体ホルダー63にペン芯62を装着した際に、ペン芯62の導電接続端62bがポリイミドフィルム64の導電パターン64aに電気的に接続される。ペン芯62の導電接続端62bの接触部に導電ゴムなどの弾性のある導電材を付けることにより、ポリイミドフィルム64の導電パターン64aとの電気的接続が確実に行われるようにしてもよい。
【0106】
芯体ホルダー63に接着されたポリイミドフィルム64の導体パターン64aが形成されていない側には、押圧部65が接着されている。この押圧部65は、この例では、シリコンゴムなどの弾性力のある材料で略円錐形状に形成されたもので構成されている。この押圧部65の略円錐形状の先端により、MEMSセンサー61の押圧印加面61aを押下するように構成される。
【0107】
図23は、第7の実施形態の位置指示用モジュールを、プリント基板67に取り付ける場合の構成例を示す図である。筒状形状のハウジング66の、プリント基板67側の端部の周側面の一部には、ハウジング66内部に連通する溝66aが形成されており、この溝66a内にポリイミドフィルム64が収納されると共に、この溝66aからポリイミドフィルム64の接続端子64bが導出される。
【0108】
ハウジング66のプリント基板67側の端面には、プリント基板67の端部が挿入される凹部66bが形成されていると共に、プリント基板67を、その厚み方向に挟持するような1対の突起66c(
図23では、1対の突起の一方のみが示されている)が形成されている。プリント基板67は、
図23に示すように、ハウジング66と結合され、例えば接着される。そして、ハウジング66から導出されているポリイミドフィルム64の接続端子64bが、プリント基板67に、例えば半田付けされて、プリント基板67に設けられる電子回路と接続される。
【0109】
この第7の実施形態においては、ペン芯62に筆圧が印加されると、その筆圧は芯体ホルダー63を介して押圧部65に伝達され、MEMSセンサー61の押圧印加面61aが押圧され、MEMSセンサー61の静電容量は、筆圧に応じた変化を呈する。したがって、このMEMSセンサー61の静電容量の変化から筆圧を検出することができる。
【0110】
[スタイラスペンの実施形態]
図24は本発明によるスタイラスペンの実施形態について内部構造の一例を示したものである。
図24において、40は
図1で示した第1の実施形態の位置指示用モジュールである。
図24において、
図1で示した第1の位置指示用モジュールの構成と同一のものは同一符号で示す。即ち、15は第1の端子、16は第2の端子、17はペン芯、18は第3の電極、19bは第3の端子である。
【0111】
41は電源を蓄える電気二重層キャパシタ、42は電気二重層キャパシタ41を非接触で充電するためのコイルで、コイル42は中空の円筒形状のフェライトコアに巻かれており、ペン芯17がその中を貫通するように配置される。43はプリント基板である。
【0112】
図25は
図24に示したスタイラスペンの回路構成を示したもので、
図24と同一なものは同一符号にて示す。即ち、18は第3の電極、41は電気二重層キャパシタ、42は電気二重層キャパシタ41を非接触で充電するためのコイルである。
【0113】
44はマイクロプロセッサ、45は一定周波数の信号を発生させる発振回路、46は変調回路で、発振回路45から出力される信号をマイクロプロセッサ44の出力端子P1からの制御信号pに基づきASK(Amplitude Shift Keying)変調する。変調回路46により変調された信号rは第3の電極18に供給され信号として送出される。ここで、変調回路46から第3の電極18への信号供給は、位置指示用モジュール40を経由して行われる。
【0114】
47は、コイル42に誘導された電圧より電気二重層キャパシタ41を充電するための充電回路である。本実施形態ではコイル42がペン芯17の周囲に配置されているが、ペン芯17とは別の箇所に設けても良い。
【0115】
48は電圧変換回路で、電気二重層キャパシタ41に蓄えられている電圧より一定の電圧を生成して、マイクロプロセッサ44、発振回路45および変調回路46の各回路を駆動するための電源として供給する。本実施形態ではこの一定の電源電圧が1.5Vであるものとして説明を行う。
【0116】
40aは、位置指示用モジュール40の、誘電体11と第1の端子15と第2の端子16とによって形成される可変容量コンデンサである。可変容量コンデンサ40aには抵抗Rが並列に接続され、その一端はマイクロプロセッサ44の入出力端子P2に接続されている。端子P2が出力状態の時にはハイレベルが出力されて、可変容量コンデンサ40aは1.5Vに充電される。端子P2が入力状態の時には端子P2はハイインピーダンス状態となるため、可変容量コンデンサ40aに蓄えられた電荷は並列に接続した抵抗Rを介してゆっくり放電され、端子P2の電圧は徐々に低下してゆく。端子P2が入力状態の時には端子P2は一定のしきい値Vthのコンパレータとして動作する。このしきい値を本実施例では電源電圧の2分の1、即ち0.75Vとして説明する。
【0117】
なお、本実施形態では発振回路45が生成する信号の周波数を1.5MHz〜2.0MHz程度とすることにより、
図24には図示しない筐体を電気的にアースして手で触るような構成を必要とすることなく、タブレットで信号を検出することができるのである。
【0118】
図26は本実施形態の動作を示したもので、
図25における信号p、q、rの変化の様子を示している。マイクロプロセッサ44は、端子P1(信号p)が一定期間ハイレベルを維持するように制御する。これによって第3の電極18からは一定期間連続して信号(r)を放射する(
図26の連続送信期間参照)。この連続送信期間中に、マイクロプロセッサ44は端子P2を制御して位置指示用モジュール40に加えられた筆圧を求める。
【0119】
即ち、マイクロプロセッサ44は端子P2を出力状態とすることにより可変容量コンデンサ40aを充電する。次いで、端子P2を入力状態に切替える。このとき、可変容量コンデンサ40aに蓄えられた電荷はこれと並列に接続した抵抗Rによって放電されるため、可変容量コンデンサ40aの電圧(q)は徐々に低下する。端子P2を入力状態に切替えてから電圧qが0.75V以下に低下するまでの時間Tpを求める。この時間Tpが求める筆圧に相当するものであり、本実施形態では筆圧を11ビットの値として求める。
【0120】
この連続送信期間を終了すると、マイクロプロセッサ44は所定の周期(Td)で端子P1をハイまたはロウレベルに制御することによりASK変調を行う。このとき初回は必ずハイレベルとする(
図26の、スタート信号)。これは、以降のデータ送出タイミングをタブレット側で正確に判定することができるようにするためである。
【0121】
マイクロプロセッサ44は、スタート信号に続いて、11ビットの筆圧データを順次送信する。そして、マイクロプロセッサ44は、送信データが0のときは端子P1をロウレベルとして、また、送信データが1のときは端子P1をハイレベルとして制御する。
図26では、送信する筆圧が「10101110101」の場合について示している。本実施形態では
図26の動作が繰り返し行われる。
【0122】
なお、本実施形態のスタイラスペンでは第1の実施形態の位置指示用モジュール(
図1)を用いたが、第2〜第7の実施形態の位置指示用モジュールを用いても良い。また、第1〜第7の実施形態の位置指示用モジュールと同様な構成をスタイラスペン内に直接構成するようにしても良い。
【0123】
[タブレットの構成例]
図27は本発明によるスタイラスペンの検出に用いるタブレットの構成を示した例である。
図27において、50は
図24および
図25に示したスタイラスペン、51は透明なガラスを基材とするタブレットセンサーである。タブレットセンサー51の表面にはX方向に配列したX電極群が、裏面にはY方向に配列したY電極群がそれぞれ設けられている。これらのX電極群およびY電極群は、ITO(Indium Tin Oxide;透明導電膜)により透明な電極として形成されている。
【0124】
また、タブレットセンサー51は図示しない表示装置の上に配置されており、その表示箇所をスタイラスペン50で直接入力することができるようになっている。52はX電極群およびY電極群の中から1本の電極を選択する選択回路である。本実施形態ではX電極が40本(X1〜X40)、Y電極が30本(Y1〜Y30)として説明する。選択回路52により選択された電極は増幅回路53に接続されて、スタイラスペン50からの信号が選択された電極により検出されて増幅回路53により増幅される。
【0125】
増幅回路53の出力はバンドパスフィルター回路54に供給されて、スタイラスペン50から送信される周波数の成分のみが抽出される。バンドパスフィルター回路54の出力信号は検波回路55によって検波され、検波回路55の出力信号はサンプルホールド回路56に供給されて、所定のタイミングでサンプルホールドされた後、AD変換回路57によってデジタル値に変換される。このデジタルデータはマイクロプロセッサ58によって読み取られ処理される。
【0126】
マイクロプロセッサ58は、内部にROMおよびRAMを備えるとともにROMに格納されたプログラムによって動作し、サンプルホールド回路56、AD変換回路57、および選択回路52に、それぞれ制御信号を送出する。
【0127】
図28は、タブレットセンサー51上において、スタイラスペン50のおよそのX方向位置を求めるためのX軸全面スキャン動作について示したものである。マイクロプロセッサ58は選択回路52に対して電極X1を選択するような制御信号を送出して、そのときにAD変換回路57から出力されるデータを信号レベルとして読み取る。同様にして、マイクロプロセッサ58は選択回路52による選択を、電極X2、X3、X4・・と順次切替ながら信号レベルを読み取る。このとき、電極X1〜X40の全ての電極で検出される信号レベルが所定値に達していなければ、スタイラスペン50はタブレットセンサー51上に無いものと判断して、
図28の動作を繰り返す。電極X1〜X40のいずれかの電極から所定値以上のレベルの信号が検出された場合には、マイクロプロセッサ58は、最も高い信号レベルが検出されたX電極の番号(
図28では電極X11)を記憶する。
【0128】
スタイラスペン50が電極X11付近にあることが判ったら、マイクロプロセッサ58は
図29に示すような部分スキャンへの移行動作を行う。この部分スキャンへの移行動作は、スタイラスペン50が
図26に示すような動作を繰り返すときに、スタイラスペン50からの連続送信期間の開始時刻を検出することにより、マイクロプロセッサ58が、スタイラスペン50の動作とタイミングを合わせるとともに、Y軸についておよその位置を求めるための動作である。
【0129】
図29において、マイクロプロセッサ58は選択回路52に対して、前述したX軸全面スキャン動作において求まった電極X11を選択するように制御信号を送出する。このとき、スタイラスペン50から送信される信号に対応した信号が電極X11に誘導され、検波回路55にはその信号レベルに対応した電圧が発生する。マイクロプロセッサ58は一定の周期でサンプルホールド回路56およびAD変換回路57を動作させて、その信号レベルを読み取る。この、サンプルホールド回路56およびAD変換回路57を動作させる周期は、スタイラスペン50がデータ送信期間に送信する周期(Td)よりも十分に短い時間とする。
【0130】
マイクロプロセッサ58は、AD変換回路57により出力される信号レベルが一定時間(Ts)継続して所定値以上であったときに、スタイラスペン50の連続送信期間が開始されたと判断して、Y軸全面スキャン動作へ移行する(
図29)。この時間(Ts)は、スタイラスペン50がデータ送信期間に送信する周期(Td)よりも十分に長い時間とする。
【0131】
マイクロプロセッサ58は、選択回路52を制御して、電極Y1から電極Y30までを順次選択して、AD変換回路57からの信号レベルを読み取る。このときマイクロプロセッサ58は、最も大きい信号レベルが検出された電極を記憶しておく。本実施形態では、電極Y20から最も大きい信号レベルが検出されたものとして説明を行う。
【0132】
選択回路52が最後の電極Y30を選択して信号レベルの検出を終了したら、マイクロプロセッサ58はスタイラスペン50からの連続送信期間の終了を待つための動作を行う。マイクロプロセッサ58は、選択回路52が電極X11を選択するように制御を行う。このとき、スタイラスペン50からの送信が継続していれば前述した所定値以上のレベルの信号が検出される。受信信号レベルが所定値に達しなくなった時刻がスタイラスペン50からの連続送信の終了時刻となる。続いて、スタイラスペン50はデータ送信期間となるが、このときスタイラスペン50の詳細な位置が求まっていないため、ここではデータは読まずに
図30に示す部分スキャン動作へ移行する。
【0133】
マイクロプロセッサ58は、電極X11を選択した状態で、AD変換回路57から出力される信号レベルが一定時間(Ts)継続して所定値以上であったときに、スタイラスペン50の連続送信期間が開始されたと判断して、座標検出動作へ移行する(
図30のステップ1)。この時間(Ts)は
図29で説明したのと同様で、スタイラスペン50がデータ送信期間に送信する周期(Td)よりも十分に長い時間とする。
【0134】
マイクロプロセッサ58は、スタイラスペン50からの信号のX座標を求めるため、選択回路52が電極X11を中心とする5本の電極X9〜X13を順次選択して、AD変換回路57を動作させて信号レベルを読み取る(ステップ1)。このとき、最も高い信号レベルが検出された電極の番号(ここでは電極X11)、およびその信号レベルVPX、またその両隣の電極により検出されたレベルをVAX、VBXとして保存する(ステップ1)。
【0135】
次にマイクロプロセッサ58は、スタイラスペン50からの信号のY座標を求めるため、選択回路52が電極Y20を中心とする5本の電極Y18〜Y22を順次選択して、信号レベルを読み取る(ステップ1)。このとき、最も高い信号レベルが検出された電極の番号(ここでは電極Y20)、およびその信号レベルVPY、またその両隣の電極により検出されたレベルをVAY、VBYとして保存する(ステップ1)。ここで求まった信号レベルVPX、VAX、VBX、VPY、VAY、VBYは、後述する計算式による座標値の計算に用いられる。
【0136】
次いで、マイクロプロセッサ58はスタイラスペン50からの連続送信期間の終了を待つための動作を行う。マイクロプロセッサ58は、選択回路52が前述した座標検出動作においてピークが検出された電極X11を選択するように制御を行う。このとき、受信される信号レベルが所定値に達しなくなった時刻がスタイラスペン50からの連続送信の終了時刻となる(ステップ1)。
【0137】
マイクロプロセッサ58は、スタイラスペン50からの連続送信の終了を検出すると、筆圧データに先立って送信されるスタート信号のタイミングを検出する動作に入る(ステップ2)。マイクロプロセッサ58は、電極X11を選択した状態でサンプルホールド回路56およびAD変換回路57を繰り返し起動するように制御して、信号レベルが前述した所定値以上となった時刻をt1として記憶する。マイクロプロセッサ58は、時刻t1から一定時間Twだけ待った時刻よりスタイラスペンからのデータ受信動作を開始する(ステップ2)。この時間Twは、スタイラスペン50からのスタート信号の送信を終了した後、タブレットで受信される信号レベルがほぼ無くなるまでとし、予め求めておいた時間とする。
【0138】
マイクロプロセッサ58は、前述した待ち時間がTwに達すると同時に、図示しないタイマーを起動する。このタイマーはゼロから前述したTdの時間(スタイラスペンからのデータ送信周期)に一致する値までを繰り返しカウントする(ステップ2)。タイマーの1周期の動作期間中、マイクロプロセッサ58はサンプルホールド回路56およびAD変換回路57を繰り返し起動して信号レベルを読み取る。この間の信号レベルが一度も前述した所定値に達しなければスタイラスペン50からの送信が無かったものと判断してその回のデータを「0」として保存し、その間に所定値以上の信号レベルが検出された場合にはスタイラスペンからの送信が有ったものと判断してその回のデータを「1」として保存する(ステップ2)。
【0139】
前述したタイマーのカウントを11回行い、11ビットのデータが保存される。この11ビットのデータは
図26において示した11ビットのデータに対応するもので、スタイラスペン50の位置指示用モジュール40に加えられる筆圧の検出結果である。
図30では、筆圧データが「10101110101」の場合について示している。
【0140】
なお、ステップ2ではX軸電極の中から最大レベルが検出された電極(X11)を選択してデータの受信を行ったが、これをY軸電極の中で最大レベルが検出された電極(Y20)を選択して行っても良い。
【0141】
ステップ2において11ビットのデータ受信を終了すると、スタイラスペンからの連続送信期間の開始を検出する動作(ステップ1)へ移行して、マイクロプロセッサ58は
図29の動作を繰り返し行う。
【0142】
前述したステップ1において求められた受信レベルよりスタイラスペン50の座標位置(X、Y)は次の式により求められる。
【0143】
X=Px+(Dx/2)
×((VBX−VAX)/(2×VPX−VAX−VBX))・・・(式1)
但し、PxはX軸で最大レベルが検出された電極(ここでは電極X11)の座標位置とし、DxはX軸電極間の配列ピッチ、とする。
【0144】
Y=Py+(Dy/2)
×((VBY−VAY)/(2×VPY−VAY−VBY))・・・(式2)
但し、PyはY軸で最大レベルが検出された電極(ここでは電極Y20)の座標位置とし、DyはY軸電極間の配列ピッチ、とする。
【0145】
[実施形態の効果]
本発明の第1〜第4の実施形態の位置指示用モジュールによれば、筆圧が無くなったときにペン芯17を戻す作用をする部分と第3の電極18への結線部とが同一構成物(コイルばね、ポリイミドフィルム)となっているため、第3の電極18への結線部が筆圧検出に影響することが無く、軽いタッチによる筆圧の変化を精度良く検出可能な静電方式のスタイラスペンを実現できる。
【0146】
本発明の第5の実施形態の位置指示用モジュールによれば、ペン芯の電極への接続線(ポリイミドフィルム36のフレキシブルな部分36c)がペン芯33の変位方向と直角方向となっているので、接続線が筆圧検出に影響することが無く、軽いタッチによる筆圧の変化を精度良く検出可能な静電方式のスタイラスペンを実現できる。
芯体に有する電極から、信号を送信する静電方式のスタイラスペン用の位置指示用モジュールである。第1の面と前記第1の面に対向する第2の面とを有する誘電体と、この誘電体の前記第1の面に設けた第1の電極と、第2の面に対向して配置され外力により第2の面との接触面積が変化する第2の電極と、少なくとも先端部に第3の電極を有するとともに第2の電極に外力を伝達する芯体部とを有する。また、第1の電極と電気的に接続される第1の端子部と、第2の電極と電気的に接続される第2の端子部と、第3の電極と電気的に接続される第3の端子部とを備える。芯体部を第3の端子部に付勢しながら接触させることにより第3の電極と第3の端子部とを電気的に接続するための嵌合部を備える。