(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5761777
(24)【登録日】2015年6月19日
(45)【発行日】2015年8月12日
(54)【発明の名称】無結節ENDOSTICHパッケージ
(51)【国際特許分類】
A61B 17/06 20060101AFI20150723BHJP
【FI】
A61B17/06 320
【請求項の数】15
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2010-129329(P2010-129329)
(22)【出願日】2010年6月4日
(65)【公開番号】特開2010-284523(P2010-284523A)
(43)【公開日】2010年12月24日
【審査請求日】2013年5月27日
(31)【優先権主張番号】61/185,432
(32)【優先日】2009年6月9日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】12/775,553
(32)【優先日】2010年5月7日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507362281
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】マシュー シュワニーク
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド カーシュ
【審査官】
佐藤 智弥
(56)【参考文献】
【文献】
特開平7−402(JP,A)
【文献】
特開平2−88048(JP,A)
【文献】
特開平8−66404(JP,A)
【文献】
特開平8−252258(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
縫合糸パッケージであって、該縫合糸パッケージは、
縫合糸トレイを規定する本体部分と、
該本体部分の境界内に配置された装填ユニットであって、該縫合糸トレイは、ある長さの縫合糸材料を支持し、該装填ユニットは、該ある長さの縫合糸材料に付加される外科用針を支持する、装填ユニットと
を備え、
該本体部分は、半径方向の内向きに向けられたトンネルを含み、該トンネルは、該本体部分の中心に向かって内向きに延びており、その結果、該縫合糸トレイは、U字形状であり、該装填ユニットは、該トンネルに固定される、縫合糸パッケージ。
【請求項2】
前記トンネルは、前記縫合糸トレイに前記U字形状を提供する2つの側壁および端の壁を有するトンネル上部を含む、請求項1に記載の縫合糸パッケージ。
【請求項3】
前記装填ユニットは、複数のタブを含み、前記トンネルは、複数のスロットを含み、その結果、該装填ユニットは、該複数のスロット内での該複数のタブの係合によって該トンネルに固定される、請求項1に記載の縫合糸パッケージ。
【請求項4】
前記トンネルにおける開口部の上に位置決定されたプレートをさらに備え、前記装填ユニットは、該プレートに固定される、請求項1に記載の縫合糸パッケージ。
【請求項5】
前記本体部分によって規定された前記トレイに重なるカバーをさらに備えている、請求項1に記載の縫合糸パッケージ。
【請求項6】
前記カバーは、前記本体部分に固定され、該カバーは、開口部を含み、その結果、前記装填ユニットは、該カバーの該開口部を通して露出される、請求項5に記載の縫合糸パッケージ。
【請求項7】
前記カバーを前記本体部分に固定するために、該カバーの周りに位置決定可能で、該本体部分と係合可能な固定具をさらに備えている、請求項6に記載の縫合糸パッケージ。
【請求項8】
前記カバーの周りに位置決定可能で、該カバーを前記本体部分に固定するように該本体部分と係合可能なリングをさらに備えている、請求項6に記載の縫合糸パッケージ。
【請求項9】
縫合糸パッケージであって、該縫合糸パッケージは、
縫合糸トレイを規定する円形の本体部分と、
該円形の本体部分上の装填ユニットと
を備え、
該縫合糸トレイは、ある長さの縫合糸材料を支持し、該装填ユニットは、該ある長さの縫合糸材料に付加された外科用針を支持し、
該円形の本体部分は、半径方向の内向きに向けられたトンネルを含み、該トンネルは、該本体部分の中心に向かって内向きに延びており、その結果、該縫合糸トレイは、U字形状であり、該装填ユニットは、該トンネルに固定される、縫合糸パッケージ。
【請求項10】
前記ある長さの縫合糸材料は、ある長さの無結節縫合糸材料である、請求項9に記載の縫合糸パッケージ。
【請求項11】
前記トンネルは、前記縫合糸トレイに前記U字形状を提供する2つの側壁および端の壁を有するトンネル上部を含む、請求項9に記載の縫合糸パッケージ。
【請求項12】
複数のスロットを有するプレートをさらに備え、該プレートは、前記トンネル上に配置される、請求項11に記載の縫合糸パッケージ。
【請求項13】
前記装填ユニットは、複数のタブを含み、該複数のタブは、該装填ユニットを前記トンネルに固定するように前記複数のスロット内で係合可能である、請求項12に記載の縫合糸パッケージ。
【請求項14】
前記円形の本体部分によって規定された前記トレイに重なるカバーをさらに備えている、請求項9に記載の縫合糸パッケージ。
【請求項15】
前記カバーは、前記円形の本体部分に固定され、該カバーは、開口部を含み、その結果、前記装填ユニットは、該カバーの該開口部を通して露出される、請求項14に記載の縫合糸パッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2009年6月9日に出願された米国仮出願第61/185,432号に対する利益と同仮出願からの優先権とを主張し、その仮出願の開示の全体は、本明細書で参照によって援用される。
【0002】
(背景)
(技術分野)
本開示は、外科用針に取り付けられた関連した長さの縫合糸材料を有する外科用針を、外科用縫合装置に供給するための縫合糸パッケージに関する。より具体的には、本開示は、ある長さの縫合糸材料を受容する縫合糸トレイを規定する円形の本体部分と、外科用縫合装置に対して外科用針を支持するために円形の本体部分に付加された装填ユニットとを有する縫合糸パッケージに関する。
【背景技術】
【0003】
(関連技術の背景)
さまざまな外科処置の間に、外科用針に取り付けられた、ある長さの縫合糸材料を有する外科用針を外科用縫合装置によって操作することがしばしば必要である。このことは、特に、最小侵襲性外科処置においてあてはまり、その場合、手術は体腔へのアクセスを可能にする小さい切開部または小さいポートを通して行われる。
【0004】
外科用針および関連した長さの縫合糸材料を外科用縫合装置に提供するために、パッケージングまたはデバイスのさまざまな形態が開発されてきた。これらのパッケージまたはデバイスは、典型的には、パッケージングの中で外科用針をゆるく保持し、空間を保つためにパッケージングの中である長さの縫合糸材料を曲げるか、または包む。しばしば、ある長さの縫合糸材料は、
図8の構成で包まれる。あるいは、ある長さの縫合糸材料は、パッケージングの中で位置決定されたスプールの周りに巻きつけられ得る。
【0005】
特定の用途において、二重の端がある外科用針は、外科用縫合装置とともに用いられる。二重の端がある外科用針は、外科用縫合装置のジョーの中に交互に固定され、具体的には、ジョーの中に形成される小さな穴の中に固定される。縫合装置のジョーの中に外科用針を装填するために、縫合装置のジョー、具体的には、ジョーの中に形成される穴は、二重の端がある外科用針の両端の上に正確に整列されなければならない。特別な装填ユニットが、公知であり、二重の端がある外科用針を外科用縫合装置のジョーとの整列の位置において支持する。
【0006】
加えて、一部の外科処置は、1つの端にループを有する縫合糸材料のとげのある長さの使用によって、最も良好に行われる。適切な組織を縫合した後で、外科用針は、ループを通され、ある長さの縫合糸材料におけるとげは、ループの内部と係合し、縫合糸をその組織の周りの適所においてロックする。互いに係合するか、またはもつれる傾向があるとげの存在に起因して、ある長さの縫合糸材料をコンパクトなパッケージングの中に包み、その結果、コンパクトなパッケージングがそれ自体を介して戻ることは、しばしば、望ましくないことである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、外科用縫合糸装置による受容のために、外科用針を正確に位置決定することができる縫合糸パッケージに対する必要性が存在する。また、複数のとげがもつれるリスクなしに、縫合糸材料のとげのある長さを収容する縫合糸パッケージに対する必要性も存在する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(概要)
外科用縫合装置との使用のための、外科用針とある長さの縫合糸材料とを含む縫合糸パッケージが、開示される。この縫合糸パッケージは、概して、縫合糸トレイを規定する本体部分と、本体部分の限界内に配置される装填ユニットとを含む。縫合糸トレイは、ある長さの縫合糸材料を支持し、装填ユニットは、ある長さの縫合糸材料に付加された外科用針を支持する。装填ユニットは、本体部分に固定される。本体部分は、本体部分の中心に向かって内向きに延びるトンネルを含み、装填ユニットは、トンネルに固定される。装填ユニットは、複数のタブを含み、トンネルは、複数のスロットを含み、その結果、装填ユニットは、複数のスロット内での複数のタブの係合によってトンネルに固定される。
【0009】
一実施形態において、プレートは、トンネルの中の開口部の上に位置決定され、装填ユニットは、プレートに固定される。
【0010】
加えて、縫合糸パッケージは、本体部分によって規定されたトレイの上に重なるカバーを含む。カバーは、本体部分に固定され、開口部を含み、その結果、装填ユニットは、カバーにおける開口部を通して露出される。カバーを本体部分に固定するように、固定具がカバーの周りに位置決定可能で、本体部分と係合可能である。
【0011】
また、縫合糸トレイを規定する円形の本体部分と、円形の本体部分上の装填ユニットとを有する縫合糸パッケージも開示される。縫合糸トレイは、ある長さの縫合糸材料を支持し、装填ユニットは、ある長さの縫合糸材料に付加された外科用針を支持する。このある長さの縫合糸材料は、ある長さの無結節縫合糸材料である。
【0012】
この実施形態において、円形の本体部分は、半径方向に内向きに向けられたトンネルを含み、その結果、縫合糸トレイは、概してU字形状である。装填ユニットは、トンネルに固定される。複数のスロットを有するプレートが提供され、トンネル上に配置される。装填ユニットは、装填ユニットをトンネルに固定するように、複数のスロット内に係合可能なタブを含む。
【0013】
カバーは、円形の本体部分によって規定されるトレイの上に重なる。カバーは、円形の本体部分に固定され、開口部を含み、その結果、装填ユニットは、カバーにおける開口部を通して露出される。リングが提供され、カバーを円形の本体部分に固定するように、カバーの周りに位置決定可能で、円形の本体部分と係合可能である。
【0014】
円形の縫合糸トレイを規定する円形の本体部分と、円形の本体部分上に取り付けられた装填ユニットとを有する縫合糸パッケージが、さらに開示される。縫合糸トレイは、ある長さの縫合糸材料を支持し、装填ユニットは、ある長さの縫合糸材料に付加された外科用針を支持する。
【0015】
この実施形態において、装填ユニットは、円形の縫合糸トレイの中心から延びるポスト上に取り付けられる。
【0016】
例えば、本発明は、以下の項目を提供する。
(項目1)
縫合糸パッケージであって、該縫合糸パッケージは、
縫合糸トレイを規定する本体部分と、
該本体部分の境界内に配置される装填ユニットであって、該縫合糸トレイは、ある長さの縫合糸材料を支持し、該装填ユニットは、該ある長さの縫合糸材料に付加される外科用針を支持する、装填ユニットと
を備えている、縫合糸パッケージ。
(項目2)
上記装填ユニットは、上記本体部分に固定される、上記項目に記載の縫合糸パッケージ。
(項目3)
上記本体部分は、該本体部分の中心に向かって内向きに延びるトンネルを含む、上記項目のいずれかに記載の縫合糸パッケージ。
(項目4)
上記装填ユニットは、上記トンネルに固定される、上記項目のいずれかに記載の縫合糸パッケージ。
(項目5)
上記装填ユニットは、複数のタブを含み、上記トンネルは、複数のスロットを含み、その結果、該装填ユニットは、該複数のスロット内での該複数のタブの係合によって該トンネルに固定される、上記項目のいずれかに記載の縫合糸パッケージ。
(項目6)
上記トンネルにおける開口部の上に位置決定されたプレートをさらに備え、上記装填ユニットは、該プレートに固定される、上記項目のいずれかに記載の縫合糸パッケージ。
(項目7)
上記本体部分によって規定された上記トレイに重なるカバーをさらに備えている、上記項目のいずれかに記載の縫合糸パッケージ。
(項目8)
上記カバーは、上記本体部分に固定され、該カバーは、開口部を含み、その結果、上記ユニットは、該カバーの該開口部を通して露出される、上記項目のいずれかに記載の縫合糸パッケージ。
(項目9)
上記カバーを上記本体部分に固定するために、該カバーの周りに位置決定可能で、該本体部分と係合可能な固定具をさらに備えている、上記項目のいずれかに記載の縫合糸パッケージ。
(項目10)
上記カバーの周りに位置決定可能で、該カバーを上記本体部分に固定するように該本体部分と係合可能なリングをさらに備えている、上記項目のいずれかに記載の縫合糸パッケージ。
(項目11)
縫合糸パッケージであって、該縫合糸パッケージは、
縫合糸トレイを規定する円形の本体部分と、
該円形の本体部分上の装填ユニットと
を備え、該縫合糸トレイは、ある長さの縫合糸材料を支持し、該装填ユニットは、該ある長さの縫合糸材料に付加された外科用針を支持する、縫合糸パッケージ。
(項目12)
上記ある長さの縫合糸材料は、ある長さの無結節縫合糸材料である、上記項目のいずれかに記載の縫合糸パッケージ。
(項目13)
上記円形の本体部分は、半径方向の内向きに向けられたトンネルを含み、その結果、上記縫合糸トレイは、概してU字形状である、上記項目のいずれかに記載の縫合糸パッケージ。
(項目14)
上記装填ユニットは、上記トンネルに固定される、上記項目のいずれかに記載の縫合糸パッケージ。
(項目15)
複数のスロットを有するプレートをさらに備え、該プレートは、上記トンネル上に配置される、上記項目のいずれかに記載の縫合糸パッケージ。
(項目16)
上記装填ユニットは、複数のタブを含み、該複数のタブは、該装填ユニットを上記トンネルに固定するように上記複数のスロット内で係合可能である、上記項目のいずれかに記載の縫合糸パッケージ。
(項目17)
上記円形の本体部分によって規定された上記トレイに重なるカバーをさらに備えている、上記項目のいずれかに記載の縫合糸パッケージ。
(項目18)
上記カバーは、上記円形の本体部分に固定され、該カバーは、開口部を含み、その結果、上記装填ユニットは、該カバーの該開口部を通して露出される、上記項目のいずれかに記載の縫合糸パッケージ。
(項目19)
縫合糸パッケージであって、該縫合糸パッケージは、
円形の縫合糸トレイを規定する円形の本体部分と、
該円形の本体部分上に取り付けられる装填ユニットと
を備え、該縫合糸トレイは、ある長さの縫合糸材料を支持し、該装填ユニットは、該ある長さの縫合糸材料に付加された外科用針を支持する、縫合糸パッケージ。
(項目20)
上記装填ユニットは、上記円形の縫合糸トレイの中心から延びるポスト上に取り付けられる、上記項目のいずれかに記載の縫合糸パッケージ。
【0017】
(摘要)
関連した長さの縫合糸材料を有する外科用針を外科用縫合器具に提供するために、縫合糸パッケージのさまざまな実施形態が開示される。開示される縫合糸パッケージは、概して、縫合糸パッケージ上に取り付けられる、針を供給する装填ユニットを有する本体部分を含む。装填ユニットを本体部分に付加するさまざまな方法が開示される。本体部分は、縫合糸トレイを規定し、カバーは、縫合糸トレイ内に縫合糸を固定するために取り付けられる。固定リングは、カバーを本体部分に固定するために提供される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
ここで開示される無結節縫合糸パッケージのさまざまな実施形態は、本明細書で図面を参照して開示される。
【
図1】
図1は、無結節縫合糸パッケージの一実施形態の、上部からの斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1の無結節縫合糸パッケージの、底部からの斜視図である。
【
図3】
図3は、縫合糸パッケージの一部がファントム画法で示される、
図1の無結節縫合糸パッケージの上面図である。
【
図4】
図4は、
図1の無結節縫合糸パッケージの分解組立斜視図である。
【
図5】
図5は、二重の端がある外科用針との使用のために設計された外科用縫合装置の斜視図である。
【
図6】
図6は、
図1の無結節縫合糸パッケージの装填ユニット内に位置決定された外科用縫合装置の遠位端の上面図である。
【
図7】
図7は、装填ユニット内に保持された二重の端がある外科用針の周りで閉じられた外科用縫合装置のジョーを有する、部分的に断面図で示される、
図6と同様な図である。
【
図8】
図8は、二重の端がある外科用針と、無結節縫合糸の取り付けられた長さとの、装填ユニットからの除去を例示する、
図7と同様な図である。
【
図9】
図9は、無結節縫合糸パッケージの別の実施形態の分解組立斜視図である。
【
図10】
図10は、無結節縫合糸パッケージのなお別の実施形態の分解組立斜視図である。
【
図11】
図11は、無結節縫合糸パッケージのさらに別の実施形態の分解組立斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(実施形態の詳細な説明)
本明細書で開示される無結節縫合糸パッケージの実施形態は、ここで図面を参照して詳細に説明され、同様の数字は、いくつかの図面の各々において、同一の要素または対応する要素を指定する。当該分野において一般的であるように、用語「近位」は、ユーザーまたは術者に、すなわち、外科医または内科医に、より近い部分またはコンポーネントをいい、一方、用語「遠位」は、ユーザーからより遠く離れている部分またはコンポーネントをいう。
【0020】
図1および
図2を参照すると、外科用縫合装置(図示せず)との使用のための縫合糸パッケージ10が開示される。縫合糸パッケージ10は、概して、円形の本体部分12上に据え付けられた装填ユニット14を有する円形の本体部分12を含む。装填ユニット14は、円形本体部分12の境界内に位置決定されることが留意されるべきである。カバー16は、円形の本体部分12の上に重なり、固定具またはリング18を固定することによって円形の本体部分12に固定される。円形の本体部分12が円形であるとして開示されるが、円形の本体部分12は、他の形状、例えば、楕円形、正方形、長方形、三角形、人間工学的に最適化された非対称形などであり得ることが予想される。一実施形態において、本体部分は、縫合糸を装填することと、巻くこととを容易にするために、円形である。本体部分12は、トンネル20と、U字形状の縫合糸トレイまたは縫合糸トレイ22とを含む。トンネル20は、本体部分12上の装填ユニット14を支持するために提供され、一方、縫合糸トレイ22は、本明細書の以下においてより詳細に説明されるように、とげのある縫合糸34を受容するために提供される。
【0021】
図1に最も良く示されるように、カバー16は、複数のカバー穴24を提供され、複数のカバー穴24は、縫合糸を滅菌するために、縫合糸トレイ22の中への滅菌ガスの通過を可能にする。加えて、または代替案として、カバー16は、浸透性材料から形成されて滅菌ガスの通過を可能にし得る。以下でさらに論じられるように、穴24は、本体基部部分26の中に形成された複数の穴30と整列するように位置決定され、巻きデバイス(図示せず)から巻きペグ(図示せず)を受容するように構成される。さらに、カバー16は、透明な材料または半透明な材料から形成され得て、外科医が中の縫合糸の長さを見ることを可能にし、使用の前に縫合糸がそれ自体にもつれていないことを確実にする。
【0022】
図2を参照すると、本体部分12は、本体部分基部26と円形の側壁28とを含む。本体部分基部26と円形の側壁28とは、縫合糸トレイ22を規定する。カバー16の場合と同様に、本体部分基部26は、複数の穴30を提供され、複数の穴30は、滅菌ガスの縫合糸トレイ22の中への通過を可能にする。上述のように、複数の穴30は、カバー16において形成された穴24と整列し、巻きデバイス(図示せず)から巻きペグ(図示せず)を受容するように構成される。加えて、具体的には示されていないが、円形の側壁28もまた、滅菌ガスの通過のための穴を提供され得ることが予想される。
【0023】
ここで
図3を参照すると、装填ユニット14が提供され、例えば、二重の先端がある外科用針32のような外科用針を、外科用縫合器具に供給する。例えば、縫合糸34のようなある長さのとげのある縫合糸材料は、外科用針32に付加され、縫合糸トレイ22の中に延びる。具体的には図示されていないが、ループを通る外科用針32の通過のために、ループが、縫合糸34の自由端において形成され得る。加えて、縫合糸34上に形成されるとげは、ループと係合し得、結果として、縫合糸34がそれ自体をロックすることを可能にする。図示されるように、リング18上の内側に向けられたタブ36は、カバー16を本体部分12より上に保つことを補助する。
【0024】
図3および
図4を参照すると、装填ユニット14の詳細がここで説明される。上記のように、装填ユニット14が提供され、2つの端がある針32を支持し、外科用縫合装置112(
図5)に供給する。装填ユニット14は、基部38を含み、基部38は、本体部分12に付加され得るか、または本体部分12と一体的に形成され得る。針支持部材40は、基部38から上向きに垂直に延び、基部38に対して高くされた位置において外科用針32を支持するように構成される。このことは、外科用縫合装置112のジョーが動かされて外科用針32と係合する余地を可能にする。装置受容構造42は、装填ユニット14上に提供され、外科用縫合装置を外科用針32に対して適切に位置決定する。
【0025】
針ブロック44は、針支持部材40上に提供され、外科用針32を摩擦によって針支持部材40上に保持する。
図4において最も良く示されるように、針ブロック44は、外科用針32の摩擦性受容のための針ノッチ46を含む。
【0026】
装置受容構造42は、外科用縫合装置の遠位端の受容のために、基部38の中に提供される凹部48を含む。針支持部材40の近位端50は、接合部表面52を形成し、外科用縫合装置の前進を装填ユニット14内に限定する。装置整列構造54は、外科用縫合装置を装填ユニット14の中に導くために付加的に提供され、概して第一の側部タブ56と第二の側部タブ58との対を含み、第一の側部タブ56と第二の側部タブ58との対は、外科用縫合装置の細長い部材を外科用針32に対して適切に整列させるように構成される。支持スタッド60は、凹部48の中に付加的に提供され、外科用縫合装置の細長い部材の中に形成された凹部と係合するように構成される。
【0027】
装填ユニット14は、外科用針32が外科用縫合器具のジョーによって完全に把持されるまで、外科用縫合装置のジョーを外科用針32と係合するように導き、外科用針32の除去を防ぐために、ブロッキング構造62を提供される。ブロッキング構造62は、概して、針支持部材40に隣接した基部38から延びる第一のブロッキング部材64と第二のブロッキング部材66とを含む。第一のブロッキング部材64と第二のブロッキング部材66とは、それぞれ、垂直支持68と垂直支持70と、および外科用針32より上に配置される、L字形状の近位に延びるアーム72とL字形状の近位に延びるアーム74とを含む。近位に延びるアーム72と近位に延びるアーム74とを外科用針32より上に位置決定することによって、外科用器具のジョーが近位に延びるアーム72と近位に延びるアーム74との下を通過する余地が提供され、本明細書の以下でより詳細に説明される態様で外科用針32を囲み、つかむ。
【0028】
第一のブロッキング部材64および第二のブロッキング部材66、具体的には、近位に延びるアーム72と近位に延びるアーム74とは、外科用針32が外科用縫合器具によって適切につかまれ、外科用縫合器具のジョーが完全に閉じた位置になるときまで、針支持部材40からの外科用針32の除去または引き上げを防ぐことが、本明細書において留意されるべきである。第一の近位に延びるアーム72と第二の近位に延びるアーム74とは、それらの間の近位のギャップ76(
図3)を規定し、このギャップ76は、外科用縫合器具の完全に閉じたジョーが垂直に引き上げられ、それによって、針ブロック44から外科用針32を除去することを可能にする。同様に、遠位のギャップ78は、ある長さの縫合糸材料34の通過のために、第一の近位に延びるアーム72と第二の近位に延びるアーム74との間で形成される。遠位のギャップ78は、ある長さの縫合糸材料34の縫合糸トレイ22の中への通過を可能にする。
【0029】
ここで、具体的に
図4を参照すると、本明細書において上記のように、装填ユニット14は、本体部分12に固定される。トンネル20は、概して、側壁82と側壁84と端の壁86とを有するトンネル上部80を含む。側壁82、側壁84および端の壁86は、概して、本体部分12の中の縫合糸トレイ22にU字形状を与える。スロット88、90、92および94は、上部80において形成される。スロット88、90、92および94は、それぞれ、下向きに突き出るタブ96、98、100、102(
図7、ファントム画法で示される)を装填ユニット14上で受容するように構成される。このことは、装填ユニット14を本体部分12に固定する。こうして、この実施形態において、装填ユニット14上は、本体部分12の中に形成されるトンネル20に固定される。図示されるように、切り抜き104が、カバー16において形成され、装填ユニット14を収容し、ある長さの縫合糸材料34の装填ユニット14から縫合糸トレイ22の中への通過を受け入れる。
【0030】
本明細書において上記のように、リング18は、カバー16を本体部分12に固定するために提供される。具体的には、リング18上に形成され、内向きに向けられたタブ106(
図2)は、本体部分12(
図4)の中に形成された周囲のリップ110において形成されたノッチ108と係合する。
【0031】
ここで
図5〜8を参照すると、例えば、縫合糸パッケージ10内から針32とある長さの縫合糸34とを除去する外科用縫合装置112のような外科用縫合装置の使用が、ここで説明される。特に適した外科用縫合装置112が、「SURGICAL SUTURING APPARATUS WITH LOADING MECHANISM」という名称の米国特許第5,728,107号において開示され、同特許の開示の全体は、本明細書で参照によって援用される。外科用縫合装置112に対して図示され、説明されるが、本開示に関する複数の局面は、他の外科用デバイスとの使用に対して修正され得る。
【0032】
最初に
図5を参照すると、外科用縫合装置112は、概して、本体部分114から遠位に延びる細長い管状部材116を有する本体部分114を含む。一対の針把持ジョー、例えば、第一のジョー118と第二のジョー120とは、細長い管状部材116の遠位端122上に旋回可能に据え付けられる。第一のジョー118と第二のジョー120とは、開いた位置から可動であり、第一のジョー118と第二のジョー120とは、閉じた位置に対して実質的に間隔を空けられ、第一のジョー118と第二のジョー120とは、実質的に互いに隣接している。一対のハンドル124および126は、本体部分114に提供され、開いた位置と閉じた位置との間で第一のジョー118と第二のジョー120とを動かす。針保持凹部128および針保持凹部130は、第一のジョー118の中および第二のジョー120の中に形成され、それぞれ、外科用針32の組織貫通先端を受容し、係合する。トグルレバー132が提供され、第一のジョー118と第二のジョー120とのうちの1つの中に、外科用針32を交互に固定する。オーバーライドスイッチ134は、針のための凹部128および針のための凹部130の中に外科用針32を固定するために、そして、第一のジョー118と第二のジョー120とが閉じた位置にあるとき、外科用縫合装置112が外科用針32を装填ユニット14から取り除くことを可能にするために提供される。
【0033】
ここで
図6を参照すると、最初に、外科用針32が、装填ユニット14内の針ブロック44の中で支持される。外科用縫合装置112が操作され、装填ユニット14内に形成された凹部48の中に細長い管状部材116の遠位端122を位置決定する。遠位端122は、第一の側部タブ56および第二の側部タブ58との係合によって装填ユニット14の中に保たれる。遠位端122は、遠位端122が針支持部材40の近位端50上に形成された接合部表面52と係合するまで、装填ユニット14の中で遠位方向に進められる。細長い管状部材116の遠位端122は、凹部48内に提供された支持スタッド60との係合によって、装填ユニット14の中に固定される。
【0034】
ここで
図5および
図7を参照すると、ハンドル124およびハンドル126が作動され、第一のジョー118および第二のジョー120を、開いた位置から閉じた位置に動かす。第一のジョー118および第二のジョー120が閉じた位置に動かされるとき、一対の組織貫通先端136および138は、第一のジョー118および第二のジョー120の中に形成される針のための凹部128および針のための凹部130に、それぞれ入る。トグルレバー132およびオーバーライドスイッチ134の動作は、外科用針32を第一のジョー118および第二のジョー120の中に固定するように機能する。
【0035】
ここで
図7および
図8を参照すると、示されるように、第一のジョー118および第二のジョー120が閉じた位置にあるとき、第一のジョー118および第二のジョー120は、第一の近位に延びるアーム72と第二の近位に延びるアーム74との間に規定された近位のギャップ76を通して上向きに引き上げられ得る。加えて、ある長さの縫合糸材料34は、自由に、遠位ギャップ78を通って上向きに通過する。細長い管状の部材122を連続的に引き上げることは、縫合糸トレイ22からある長さの縫合糸材料34を引き出し、縫合糸パッケージ10から自由なある長さの縫合糸材料34を引っ張ることに役立つ。
【0036】
縫合糸リテイナー10は、縫合糸アセンブリーに取り付けられた、ある長さのとげのある縫合糸材料34を有する二重の端がある外科用針32を含む、縫合糸アセンブリーを、外科用縫合装置112に供給する、安全で便利な方法を提供する。
【0037】
ここで
図9を参照すると、例えば、本明細書において上記で説明された外科用縫合装置112のような外科用縫合装置との使用のための縫合糸パッケージ150の、代替の実施形態が開示される。縫合糸パッケージ150は、本明細書において上記で説明された縫合糸パッケージ10と実質的に同一であり、概して、円形の本体部分152上に取り付けられた装填ユニット154を有する円形の本体部分152を含む。カバー156は、円形の本体部分152の上に重なるように提供され、縫合糸パッケージ10の固定リング18および本体部分12を固定することに関して上記で説明された実質的に同一の態様で、固定リング158によって、円形の本体部分152に固定される。
【0038】
本体部分152はまた、本体部分152内でU字形状の縫合糸トレイ162を規定する内向きに向けられたトンネル160も含む。本体部分152は、基部164および側壁166を含む。本明細書において上記で説明されたトンネル20と同様に、トンネル160は、トンネル上部168を含む。縫合糸パッケージ150は、装填ユニット154がトンネル160に直接取り付けられず、むしろ、中間プレート170に取り付けられる点で、本明細書において上記で説明された縫合糸パッケージ10と異なる。中間プレート170は、トンネル160のトンネル上部168において形成されるトンネル開口部172に対して位置決定される。中間プレート170がトンネル開口部172より上にあるように例示されているが、中間プレート170は、トンネル160におけるトンネル開口部172の下に位置決定され得ることが予想される。
【0039】
中間プレート170をトンネル開口部172より上に適切に位置決定するために、プレート170は、整列タブ174を提供され、整列タブ174は、トンネル上部168において形成された整列スロット176の中に受容されるように構成される。
【0040】
この実施形態において、装填ユニット154は、プレート170に直接付加される。その結果、プレート170は、スロット178、スロット180、スロット182およびスロット184を提供され、これらのスロットは、装填ユニット154上に形成されたタブ186およびタブ188(図示せず)、タブ190およびタブ192を、それぞれ受容するように構成される。カバー156において形成された切り抜き194は、タブ186、タブ188、タブ190およびタブ192に対するクリアランスを提供する。装填ユニット154は、本明細書において上記で説明された装填ユニット14と同一の態様で構成されて機能し、外科用針に取り付けられたある長さのとげのある縫合糸198を有する外科用針196を外科用縫合装置112に供給する。
【0041】
ここで
図10を参照すると、縫合糸パッケージ200のよりさらなる実施形態が開示される。本明細書において上記で説明された実施形態と同様に、縫合糸パッケージ200は、概して、円形の本体部分202と、装填ユニット204と、カバー208と、カバー208を円形の本体部分202に固定するリング206とを含む。しかしながら、本明細書において上記で説明された実施形態とは違って、円形の本体部分202は、内向きに向けられたトンネルを含まない。プレート210は、装填ユニット204を円形の本体部分202に固定するように提供される。装填ユニット204は、本明細書において上記で説明された装填ユニットと実質的に同一であり、カバー208は、本明細書において上記で説明された態様と同一の態様で、リング206によって本体部分202に固定される。
【0042】
本体部分202は、本体部分基部212および本体部分側壁214を含む。装填ユニット204をプレート210に固定するために、プレート210は、スロット216、スロット218、スロット220およびスロット222を提供され、これらのスロットは、縫合糸パッケージ150の中の装填ユニット154およびプレート170に関して本明細書において上記で説明された態様と同一の態様で、装填ユニット204上に形成されたタブ224およびタブ226(図示せず)、タブ229およびタブ230を、それぞれ受容し、係合するように構成される。
【0043】
本体部分202がトンネルを含まないので、プレート210は、本体部分202の基部212に固定される。特に、下向きに延びるスタッド234は、プレート210から延び、上向きに突き出す管238のボア236の中に固定される。管238は、本体部分202の基部212から上向きに延びる。スタッド234は、管238の中に、任意の公知の態様、例えば、接着、溶接、摩擦嵌合方式などで固定され得る。
【0044】
こうして、縫合糸パッケージ200は、外科用針240に取り付けられたある長さのとげのある縫合糸材料242を有する外科用針240を外科用器具112に供給する、代替のデバイスを提供する。
【0045】
図11を参照すると、縫合糸パッケージ250のよりさらなる実施形態が開示される。以前の実施形態に関しては、縫合糸パッケージ250は、概して、円形の本体部分252と、装填ユニット254と、カバー256と、カバー256を円形の本体部分252の上に固定するリング258とを含む。これらのコンポーネントは、先行の実施形態に関して本明細書において上記で説明された態様と実質的に同一の態様で、機能し、組み立てられる。しかしながら、この特定の実施形態において、縫合糸パッケージ250は、装填ユニット254を円形の本体部分252に固定するべきトンネルもプレートも含まない。
【0046】
この実施形態において、スタッド260は、装填ユニット254の基部262から下向きに延びる。スタッド260は、本体部分252の基部268から上向きに延びる管266のボア264の中に受容されるように提供される。先行の実施形態の場合と同様に、スタッド260は、任意の公知の態様、例えば、接着、溶接、摩擦嵌合方式などで、ボア264の中に固定され得る。この実施形態がトンネルもプレートも含まないので、カバー256は、装填ユニット254に提供されるタブに対する実質的な開口部を必要としない。カバー256は、スタッド260の通過のための第一の穴270を提供される。同様に、カバー256は、ある長さの縫合糸材料274の通過のための第二の穴272を提供される。本体部分252に対して装填ユニット254を安定させるために、管266は、フランジ276を提供され、フランジ276は、装填ユニット254の基部264を支持する。
【0047】
こうして、縫合糸パッケージ250は、外科用針278に取り付けられたある長さの縫合糸材料274を有し、外科用針278を外科用縫合装置112に供給するための代替のデバイスを提供する。
【0048】
本明細書で開示される実施形態に対してさまざまな修正が行われ得ることが、理解される。例えば、開示される装填ユニットは、本体部分と一体的に形成され得る。さらに、開示される縫合糸トレイの大きな大きさに起因して、開示される縫合糸パッケージは、2つ以上の装填ユニットを収容するように構成され得る。加えて、針と縫合糸との複数の組み合わせが、開示される縫合糸パッケージと組み合わせて提供され得る。なおもさらに、本明細書において上記のように、開示される縫合糸パッケージは、円形の構成を有する必要はなく、多くの人々が他の複数の形状を仮定する。したがって、上記説明は制限的なものと解釈されるべきではなく、特定の実施形態の例示としてのみ解釈されるべきである。当業者は、本明細書に添付の特許請求の範囲の範囲および精神のうちに他の修正を想像する。
【符号の説明】
【0049】
10 縫合糸パッケージ
12 円形本体部分
14 装填ユニット
16 カバー
18 固定具またはリング
20 トンネル
22 縫合糸トレイ
24 穴