(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このようなスロットマシンにおいては、役抽選手段による抽選の結果ごとに各回転リールの停止位置を定めることとなるため、少なくとも役抽選手段による抽選の結果及び各回転リールごとにそれぞれ停止テーブルを設けるのが一般的である。
しかし、このように、役抽選手段による抽選の結果及び各回転リールごとにそれぞれ停止テーブルを設けることとすると、ROM等に記憶しておくべきデータの量が極めて大きなものとなってしまい、他の制御プログラム等を格納するために十分な記憶領域を割り当てることができず、ハードウェア資源を有効に利用することができないというおそれが生じていた。
【0006】
そこで、下記の発明は、上記した事情によりなされたものであり、ROM等の記憶手段に記憶される停止テーブルのデータ量を削減することが可能であって、ハードウェア資源を有効に利用することが可能なスロットマシンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
下記の発明は、上記した各目的を達成するためになされたものであり、各発明の特徴点を図面に示した発明の実施の形態を用いて、以下に説明する。
なお、符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(第1の
特徴)
第1の
特徴は、周囲に複数の図柄51を付した複数個の回転リール25と、回転リール25の回転を開始させるためのスタートスイッチ37と、各回転リール25の回転を停止させるためのストップスイッチ38と、スタートスイッチ37の操作に基づき、役の抽選を行うための役抽選手段140と、ストップスイッチ38が操作されたときの回転リール25の図柄位置に応じた回転リール25の停止位置に関する情報を定めた複数の停止テーブル181と、を備え、複数の停止テーブル181におけるいずれかの停止テーブル181に基づいて回転リール25の停止制御を行うスロットマシン10であって、停止テーブル181として、異なる複数の抽選結果のいずれの場合においても選択され得るものであって、全図柄位置のうち一部の図柄位置のそれぞれに対応する停止位置に関する情報を共通に定めた共通テーブル181aを備え、役抽選手段140による抽選の結果が所定の抽選結果のときにいずれかの回転リール25を停止させる場合(以下、第1の停止の場合とする)の当該回転リール25における前記一部の図柄位置のそれぞれに対応する停止位置、及び、前記所定の抽選結果と異なる他の抽選結果のときにいずれかの回転リールを停止させる場合(以下、第2の停止の場合とする)の当該回転リール25における前記一部の図柄位置のそれぞれに対応する停止位置のいずれもが、前記共通テーブル181aに定められた情報に基づく停止位置と一致しており、第1の停止の場合及び第2の停止の場合において、前記一部の図柄位置については、前記共通テーブル181aに基づいて対応する回転リール25の停止制御を
行うことである。
【0008】
ここで、スロットマシン10には、遊技媒体として遊技メダルを用いて遊技を行うものだけでなく、遊技媒体として遊技球を用いて遊技を行うもの(いわゆるパロット(登録商標)遊技機)も含まれる。また、回転リール25に付される図柄51の数は特に限定されるものではなく、たとえば、21個等とすることができる。また、本発明に係るスロットマシン10には、回転リール25を、たとえば3個(左リール22、中リール23、右リール24)設置することができる。なお、設置できる回転リール25の数は3個に限定されるものではなく、4個以上とすることもできる。
また、停止テーブル181は、ストップスイッチ38が操作されたときの回転リール25の図柄位置に応じた回転リール25の停止位置に関する情報を定めたものである。
【0009】
ここで、回転リール25の停止位置に関する情報とは、回転リール25の停止位置を決定するための情報を意味するものであり、たとえば、ストップスイッチ38の操作に基づき当該操作が行われたときの図柄位置での停止の可否や、ストップスイッチ38が操作されてから回転リール25が停止するまでの移動コマ数(移動図柄数)等を定めることができる。
また、前記停止の可否を定めた停止テーブル181又は移動コマ数を定めた停止テーブル181のいずれか一方を備えることができるし、前記両方の停止テーブル181を備えることもできる。
また、停止テーブル181として、異なる複数の抽選結果のいずれの場合においても選択され得るものであって、全図柄位置のうち一部の図柄位置のそれぞれに対応する停止位置に関する情報を共通に定めた共通テーブル181aを備えている。
【0010】
たとえば、異なる抽選結果ではあるものの同一の回転リール25を停止させるとき、全図柄位置のうち一部の図柄位置に対応する停止位置が一致する場合には、共通テーブル181aに、この一部の図柄位置に対応する停止位置を共通に定め、前記いずれのときにも共通して、この共通テーブル181aが選択されるように設定することができる。
また、異なる抽選結果でありかつ異なる回転リール25を停止させるとき、全図柄位置のうち一部の図柄位置に対応する停止位置が一致する場合には、共通テーブル181aに、この一部の図柄位置に対応する停止位置を共通に定め、前記いずれのときにも共通して、この共通テーブル181aが選択されるように設定することができる。
【0011】
また、役抽選手段140による抽選の結果が所定の抽選結果のときにいずれかの回転リール25を停止させる場合(第1の停止の場合)の当該回転リール25における前記一部の図柄位置のそれぞれに対応する停止位置、及び、前記所定の抽選結果と異なる他の抽選結果のときにいずれかの回転リール25を停止させる場合(第2の停止の場合)の当該回転リール25における前記一部の図柄位置のそれぞれに対応する停止位置のいずれもが、前記共通テーブル181aに定められた情報に基づく停止位置と一致するようになっている。
たとえば、役抽選手段140により抽選される役として、「ベル」「ベル」「ベル」という図柄51の組み合わせにより構成される第1ベル役と、「ベル」「ベル」「チェリー」という図柄51の組み合わせにより構成される第2ベル役とを有しているものとする。また、有効ライン90として、各回転リール25の中段位置を一直線に結んで構成される中段ライン91のみが設定されているものとする。また、回転リール25の各図柄位置には便宜的に「0番」から「20番」までの番号を付すとともに、左リール22の「0番」から「12番」までの図柄位置には4図柄ごとに「ベル」の図柄51が配置されているものの、「13番」から「20番」までの図柄位置には「ベル」の図柄51は配置されていないものとする。
【0012】
ここで、第1ベル役に当選した場合及び第2ベル役に当選した場合、中段ライン91を構成する左リール22の中段位置に停止させる対象の図柄51はいずれも「ベル」となる。すると、上述のいずれの当選の場合にも、左リール22の「0番」から「12番」までの図柄位置の範囲においてストップスイッチ38が操作されたときには、必ず「ベル」の図柄51を中段ライン91上に停止させることとなる。すなわち、いずれの当選の場合にも、少なくとも左リール22の「0番」から「12番」までの図柄位置については、同じ停止位置で停止させるように定めることができ、このような停止位置を定めた共通テーブル181aを備えることができる。これにより、上述のいずれの当選の場合にも、左リール22の一部の図柄位置(「0番」から「12番」まで)に対応する停止位置は、前記共通テーブル181aに定められた停止位置と一致することとなる。
【0013】
なお、中リール23においては「5番」から「17番」までの図柄位置に4図柄ごとに「ベル」の図柄51が配置されているものとすると、上述の同様の停止制御を行うべく、少なくとも左リール22の「5番」から「17番」までの図柄位置については、同じ停止位置で停止させるように定めることができ、このような停止位置を定めた共通テーブル181aを備えることができる。これにより、上述のいずれの当選の場合には、中リール23の一部の図柄位置(「5番」から「17番」まで)に対応する停止位置も、前記共通テーブル181aに定められた停止位置と一致することとなる。
また、上述のように第1ベル役及び第2ベル役を有するとともに、有効ライン90として中段ライン91が設定されている場合において、左リール22の図柄配列及び中リール23の図柄配列はすべて一致しているものとする。
【0014】
ここで、第1ベル役に当選した場合及び第2ベル役に当選した場合、中段ライン91を構成する左リール22の中段位置及び中リール23の中段位置に停止させる対象の図柄51はいずれも「ベル」となる。すると、上述のいずれの当選の場合にも、左リール22及び中リール23において「0番」から「12番」までの図柄位置の範囲でストップスイッチが操作されたときには、必ず「ベル」の図柄51を中段ライン91上に停止させることとなる。すなわち、いずれの当選の場合にも、少なくとも左リール22及び中リール23の「0番」から「12番」までの図柄位置については、同じ停止位置で停止させるように定めることができ、このような停止位置を定めた共通テーブル181aを備えることができる。これにより、上述のいずれの当選の場合にも、左リール22の一部の図柄位置(「0番」から「12番」まで)に対応する停止位置及び中リール23の一部の図柄位置(「0番」から「12番」まで)に対応する停止位置は、前記共通テーブル181aに定められた停止位置と一致することとなる。
【0015】
また、たとえば、役抽選手段140により抽選される役として、「ベル」「ベル」「ベル」という図柄51の組み合わせにより構成されるベル役と、「ベル」「リプレイ」「リプレイ」という図柄51の組み合わせにより構成される再遊技役とを有しているものとする。また、有効ライン90及び左リール22の図柄配列は、上述の設定と同様であるとする。
ここで、ベル役に当選した場合及び再遊技役に当選した場合、中段ライン91を構成する左リール22の中段位置に停止させる対象の図柄51はいずれも「ベル」となる。すると、上述のいずれの当選の場合にも、左リール22の「0番」から「12番」までの図柄位置の範囲においてストップスイッチ38が操作されたときには、必ず「ベル」の図柄51を中段ライン91上に停止させることとなる。すなわち、いずれの当選の場合にも、少なくとも左リール22の「0番」から「12番」までの図柄位置については、同じ停止位置で停止させるように定めることができ、このような停止位置を定めた共通テーブル181aを備えることができる。これにより、上述のいずれの当選の場合にも、左リール22の一部の図柄位置(「0番」から「12番」まで)に対応する停止位置は、前記共通テーブル181aに定められた停止位置と一致することとなる。
【0016】
また、役抽選手段140による抽選の結果が所定の抽選結果のときにいずれかの回転リール25を停止させる場合(第1の停止の場合)の当該回転リール25における前記一部の図柄位置のそれぞれに対応する停止位置、及び、前記所定の抽選結果と異なる他の抽選結果のときにいずれかの回転リールを停止させる場合(第2の停止の場合)にはいずれも、前記一部の図柄位置については、前記共通テーブル181aに基づいて対応する回転リール25の停止制御を行うようになっている。
たとえば、上述の設定において、第1ベル役に当選した場合及び第2ベル役に当選した場合にはいずれも、左リール22の「0番」から「12番」までの図柄位置に対応する停止位置が一致するようになっているため、このときの全図柄位置のうち一部の図柄位置(「0番」から「12番」まで)に対応する停止位置を定めた共通テーブル181aを備える。そして、第1ベル役に当選した場合及び第2ベル役に当選した場合にはいずれも、前記左リール22の一部の図柄位置については、前記共通テーブル181aに基づいて停止制御が行われるため、上述の両場合には、ストップスイッチ38が操作されたときの図柄位置が「0番」から「12番」までのいずれの図柄位置であっても、左リール22は同一の停止位置で停止することとなる。
【0017】
なお、停止テーブル181として、各回転リール25ごとに、全図柄位置のうち停止位置が一致する前記一部の図柄位置以外の図柄位置それぞれに対応する停止位置を定めた固有テーブル181bを備えることもできる。
全図柄位置のうち一部の図柄位置のそれぞれに対応する停止位置が一致することとなる場合が複数あるときには、前記内容を共通に定めた共通テーブル181aを備え、いずれの場合にも、前記一部の図柄位置については、この共通テーブル181aに基づいて回転リール25の停止制御を行う。したがって、全図柄位置のうち一部の図柄位置のそれぞれに対応する停止位置が一致する場合については、当該内容について定めた共通テーブル181aを設けることにより、それぞれの場合ごとに停止テーブル181を設ける必要が無くなるため、ROM等の記憶手段に記憶される停止テーブル181のデータ量を削減することが可能であって、ハードウェア資源を有効に利用することが可能となるのである。
【0018】
(第2の特徴)
本願発明である第2の特徴は、周囲に複数の図柄51を付した複数個の回転リール25と、回転リール25の回転を開始させるためのスタートスイッチ37と、各回転リール25の回転を停止させるためのストップスイッチ38と、
前記スタートスイッチ37の操作に基づき、役の抽選を行うための役抽選手段140と、
前記ストップスイッチ38が操作されたときの回転リール25の図柄位置に応じた回転リール25の停止位置に関する情報を定めた複数の停止テーブル181と、を備え、
前記複数の停止テーブル181におけるいずれかの停止テーブル181に基づいて回転リール25の停止制御を行うスロットマシン10であって、
前記役抽選手段140による抽選の結果が所定の抽選結果のときに選択される停止テーブル181として、
所定の回転リール25及び前記所定の回転リール25と少なくともいずれかの図柄の配置が異なる他の回転リール25のいずれを停止させる場合にも選択され得るものであって、
前記所定の回転リール25及び前記他の回転リール25の全図柄位置のうち
一部の図柄位置のそれぞれに対応する停止位置に関する情報を共通に定めた共通テーブル181a
と、前記全図柄位置のうち前記一部の図柄位置を除く他の図柄位置のそれぞれに対応する停止位置に関する情報を回転リール25ごとに定めた固有テーブル181bと、を有し、前記役抽選手段140による抽選の結果が
前記所定の抽選結果のときに
前記所定の回転リール25を停止させる場合(以下、第1の停止の場合とする)の当該回転リール25における
前記一部の図柄位置のそれぞれに対応する停止位置、及び、前記所定の抽選結果のときに
前記他の回転リール25を停止させる場合(以下、第2の停止の場合とする)の当該回転リール25における
前記一部の図柄位置のそれぞれに対応する停止位置のいずれもが、前記共通テーブル181aに定められた情報に基づく停止位置と一致しており、
前記第1の停止の場合及び
前記第2の停止の場合にはいずれも、
前記一部の図柄位置については、前記共通テーブル181aに基づいて対応する回転リール25の停止制御を行うことである。
【0019】
第2の
特徴は、同一の抽選結果のときに異なる回転リール25を停止させるという点が第1の
特徴と異なるものの、他の構成については第1の
特徴と同様である。
たとえば、役抽選手段140により抽選される役として、「ベル」「ベル」「ベル」という図柄51の組み合わせにより構成されるベル役を有しているものとする。また、有効ライン90として、各回転リール25の中段位置を一直線に結んで構成される中段ライン91のみが設定されているものとする。さらに、左リール22の図柄配列及び中リール23の図柄配列はすべて一致しており、「0番」から「12番」までの図柄位置には4図柄ごとに「ベル」の図柄51が配置されているものの、「13番」から「20番」までの図柄位置には「ベル」の図柄51は配置されていないものとする。
【0020】
ここで、ベル役に当選した場合、中段ライン91を構成する左リール22及び中リール23の中段位置に停止させる対象の図柄51はいずれも「ベル」となる。すると、ベル役に当選した場合には、左リール22及び中リール23の「0番」から「12番」までの図柄位置の範囲においてストップスイッチ38が操作されたときには、必ず「ベル」の図柄51を中段ライン91上に停止させることとなる。すなわち、ベル役に当選した場合には、少なくとも左リール22及び中リール23の「0番」から「12番」までの図柄位置については、同じ停止位置で停止させるように定めることができ、このような停止位置を定めた共通テーブル181aを備えることができる。これにより、ベル役に当選した場合には、左リール22及び中リール23の一部の図柄位置(「0番」から「12番」まで)に対応する停止位置は、前記共通テーブル181aに定められた停止位置と一致することとなる。
【0021】
(作用・効果)
本願発明である第2の特徴においては、
第1の特徴の場合と同様に、全図柄位置のうち一部の図柄位置のそれぞれに対応する停止位置が一致することとなる場合が複数あるときには、前記内容を共通に定めた共通テーブル181aを備え、いずれの場合にも、前記一部の図柄位置については、この共通テーブル181aに基づいて回転リール25の停止制御を行う。したがって、全図柄位置のうち一部の図柄位置のそれぞれに対応する停止位置が一致する場合については、当該内容について定めた共通テーブル181aを設けることにより、それぞれの場合ごとに停止テーブル181を設ける必要が無くなるため、ROM等の記憶手段に記憶される停止テーブル181のデータ量を削減することが可能であって、ハードウェア資源を有効に利用することが可能となるのである。
【0022】
(第3の
特徴)
第3の
特徴は、周囲に複数の図柄51を付した複数個の回転リール25と、回転リール25の回転を開始させるためのスタートスイッチ37と、各回転リール25の回転を停止させるためのストップスイッチ38と、スタートスイッチ37の操作に基づき、役の抽選を行うための役抽選手段140と、ストップスイッチ38が操作されたときの回転リール25の図柄位置に応じた回転リール25の停止位置に関する情報を定めた複数の停止テーブル181と、を備え、複数の停止テーブル181におけるいずれかの停止テーブル181に基づいて回転リール25の停止制御を行うスロットマシン10であって、停止テーブル181として、異なる複数の抽選結果のいずれの場合においても選択され得るものであって、全図柄位置のうちの一部の図柄位置のそれぞれに対応する停止位置に関する情報を共通に定めた共通テーブル181aを備え、役抽選手段140による抽選の結果が所定の抽選結果のときにいずれかの回転リール25を停止させる場合(以下、第1の停止の場合とする)の当該回転リール25における前記一部の図柄位置のそれぞれに対応する停止位置、及び、前記所定の抽選結果と異なる他の抽選結果のときにいずれかの回転リール25を停止させる場合(以下、第2の停止の場合とする)の当該回転リール25における前記一部の図柄位置のそれぞれに対応する停止位置の少なくともいずれか一方が前記共通テーブル181aに定められた情報に基づく停止位置と異なり、他方は一致するものの、前記停止位置が異なる回転リール25における所定の図柄位置を、他の図柄位置に置き換えて前記共通テーブル181aを参照すれば、前記停止位置が異なる回転リール25における前記一部の図柄位置のそれぞれに対応する停止位置が前記共通テーブル181aに定められた情報に基づく停止位置と一致するようになっており、第1の停止の場合及び第2の停止の場合にはいずれも、前記一部の図柄位置については、前記共通テーブル181aに基づいて対応する回転リール25の停止制御を行うものの、前記停止位置が異なる回転リール25における前記一部の図柄位置については、前記所定の図柄位置を前記他の図柄位置であるものとして、前記共通テーブル181aに基づいて停止制御を
行うことである。
【0023】
たとえば、役抽選手段140により抽選される役として、「ベル」「ベル」「ベル」という図柄51の組み合わせにより構成されるベル役と、「リプレイ」「リプレイ」「リプレイ」という図柄51の組み合わせにより構成される再遊技役とを有しているものとする。また、有効ライン90として、各回転リール25の中段位置を一直線に結んで構成される中段ライン91のみが設定されているものとする。また、左リール22の「0番」から「12番」までの図柄位置には4図柄ごとに「ベル」の図柄51が配置されるとともに、「ベル」の図柄51の下には必ず「リプレイ」の図柄51が配置されるようになっているものの、「13番」から「20番」までの図柄位置には「ベル」の図柄51は配置されておらず、また、「リプレイ」の図柄51は4図柄ごとに配置されているものとする。
【0024】
ここで、ベル役に当選した場合には、中段ライン91を構成する左リール22の中段位置に停止させる対象の図柄51は「ベル」となる。すると、この場合には、左リール22の「0番」から「12番」までの図柄位置の範囲においてストップスイッチ38が操作されたときには、必ず「ベル」の図柄51を中段ライン91上に停止させることとなる。
これに対して、再遊技役に当選した場合には、中段ライン91を構成する左リール22の中段位置に停止させる対象の図柄51は「リプレイ」となる。すると、この場合には、左リール22の「0番」から「12番」までの図柄位置の範囲においてストップスイッチ38が操作されたときには、必ず「リプレイ」の図柄51を中段ライン91上に停止させることとなる。
【0025】
すなわち、ベル役に当選した場合と再遊技役に当選した場合とでは、中段ライン91上に停止させる対象の図柄51が「ベル」と「リプレイ」とで異なり、左リール22の「0番」から「12番」までの図柄位置の範囲においては、「ベル」の図柄51の下に「リプレイ」の図柄51が配置されているため、この範囲における図柄位置に対応する停止位置は一致しない(すなわち、異なる)ものの、「リプレイ」の図柄位置を「ベル」の図柄位置に置き換えれば全く同一の停止制御を行うことができる。換言すれば、「リプレイ」の図柄位置を「ベル」の図柄位置に置き換えることにより、ベル役に当選した場合の「0番」から「12番」までの図柄位置(一部の図柄位置)に対応する停止位置と、再遊技役に当選した場合の「0番」から「12番」までの図柄位置(一部の図柄位置)に対応する停止位置とを一致させることができる。
【0026】
そしてここで、たとえば、「ベル」の図柄51が中段ライン91に停止するように、「0番」から「12番」までの図柄位置(一部の図柄位置)のそれぞれに対応する停止位置を定めた共通テーブル181aを設ける。すると、ベル役に当選した場合に、「0番」から「12番」までの図柄位置においては、「ベル」の図柄51を中段ライン91に停止させる停止制御を行うため、左リール22の「0番」から「12番」までの図柄位置については、この共通テーブル181aを参照して停止させることができる。すなわち、ベル役に当選した場合の左リール22の全図柄位置のうち一部の図柄位置(すなわち、「0番」から「12番」までの図柄位置)に対応する停止位置が共通テーブル181aに定められた停止位置と一致することとなる。
【0027】
これに対して、再遊技役に当選した場合に、少なくとも「0番」から「12番」までの図柄位置においては、「リプレイ」の図柄51を中段ライン91に停止させる停止制御を行うことから、このような停止制御を行うために定められる左リール22の「0番」から「12番」までの図柄位置(一部の図柄位置)のそれぞれに対応する停止位置は、前記共通テーブル181aに定められた停止位置とは異なることとなる。しかし、再遊技役に当選した場合には、左リール22における「0番」から「12番」までの各図柄位置を1図柄分ずつ上にずらした図柄位置とすることにより「ベル」の図柄位置を1図柄分ずつ上にずらした「リプレイ」の図柄位置に置き換えて前記共通テーブル181aを参照すれば、「リプレイ」の図柄51を中段ライン91に停止させる停止制御を行うこととなるため、左リール22の「0番」から「12番」までの図柄位置(一部の停止位置)については、この共通テーブル181aを参照して停止させることができる。すなわち、左リール22の「0番」から「12番」までにおける各図柄位置を1図柄分ずつ上にずらした図柄位置に置き換えて共通テーブル181aを参照すれば、再遊技役に当選した場合の左リール22の全図柄位置のうち一部の図柄位置(すなわち、「0番」から「12番」までの図柄位置)に対応する停止位置が共通テーブル181aに定められた停止位置と一致することとなる。
【0028】
なお、上述の場合、共通テーブル181aには、「ベル」の図柄51ではなく「リプレイ」の図柄51ができる限り中段ライン91に停止するように、前記一部の図柄位置(「0番」から「12番」までの図柄位置)のそれぞれに対応する停止位置を定めることもできる。この場合には、再遊技役に当選した場合の左リール22における前記一部の図柄位置に対応する停止位置は共通テーブル181aに定められた停止位置と一致するものの、ベル役に当選した場合の左リール22の前記一部の図柄位置に対応する停止位置は共通テーブル181aに定められた停止位置と異なることとなる。しかし、ベル役に当選した場合には、左リール22の前記一部の図柄位置をを1図柄分ずつ下にずらした図柄位置に置き換えて共通テーブル181aを参照すれば、ベル役に当選した場合の左リール22の前記一部の図柄位置に対応する停止位置が共通テーブル181aに定められた停止位置と一致することとなる。
【0029】
また、上述の場合に、左リール22の全図柄位置のうち一部の図柄位置には、「ベル」の図柄51の下に「スイカ」の図柄51、「スイカ」の図柄51の下に「リプレイ」の図柄51が必ず配置されるようになっているものとする。
そして、この場合、共通テーブル181aには、前記一部の図柄位置について、「ベル」や「リプレイ」の図柄51ではなく「スイカ」の図柄51が中段ライン91に停止するように、前記一部の図柄位置のそれぞれに対応する停止位置を定めることもできる。この場合には、再遊技役に当選した場合の左リール22の前記一部の図柄位置に対応する停止位置も、ベル役に当選した場合の左リール22の前記一部の図柄位置に対応する停止位置も、共通テーブル181aに定められた停止位置と異なることとなる。しかし、ベル役に当選した場合には、左リール22における前記一部の図柄位置を1図柄分ずつ下にずらした図柄位置に置き換えて共通テーブル181aを参照すれば、ベル役に当選した場合の左リール22の前記一部の図柄位置に対応する停止位置が共通テーブル181aに定められた停止位置と一致することとなる。また、再遊技役に当選した場合には、左リール22における前記一部の図柄位置を1図柄分ずつ上にずらした図柄位置に置き換えて共通テーブル181aを参照すれば、再遊技役に当選した場合の左リール22の前記一部の図柄位置に対応する停止位置が共通テーブル181aに定められた停止位置と一致することとなる。
【0030】
また、所定の図柄位置の、他の図柄位置への置き換えは、上述のように、回転リール25の一部の図柄位置をそれぞれ所定図柄数分ずらすのみならず、回転リール25の一部の図柄位置を異なる図柄位置に変更するようにしてもよい。また、一の回転リール25について置き換えを行うのみならず、複数の回転リール25について同じ置き換えを行うようにしてもよい。
また、第1の停止の場合及び第2の停止の場合にはいずれも、前記一部の図柄位置については、前記共通テーブル181aに基づいて対応する回転リール25の停止制御を行うものの、前記停止位置が異なる回転リール25における前記一部の図柄位置については、前記所定の図柄位置を前記他の図柄位置であるものとして、前記共通テーブル181aに基づいて停止制御を行うようになっている。
【0031】
すなわち、前記一部の図柄位置のそれぞれに対応する停止位置が共通テーブル181aに定められた停止位置と一致する回転リール25については、そのままの図柄位置により共通テーブル181aを参照して停止制御を行うものの、前記一部の図柄位置のそれぞれに対応する停止位置が共通テーブル181aに定められた停止位置と異なる回転リール25については、前記所定の図柄位置を前記他の図柄位置に置き換えた上で共通テーブル181aを参照して停止制御を行う。
なお、停止テーブル181として、各回転リール25ごとに、全図柄位置のうち停止位置が一致する前記一部の図柄位置以外の図柄位置それぞれに対応する停止位置を定めた固有テーブル181bを備えることもできる。
【0032】
所定の図柄位置を他の図柄位置に置き換えることにより、一部の図柄位置のそれぞれに対応する停止位置が一致することとなる場合が複数あるときには、前記一部の図柄位置について前記内容を共通に定めた共通テーブル181aを備え、いずれの場合にも、この共通テーブル181aに基づいて回転リール25の停止制御を行う。したがって、所定の図柄位置を他の図柄位置に置き換えることにより、前記一部の図柄位置のそれぞれに対応する停止位置が一致することとなる場合については、共通テーブル181aを設けることにより、それぞれの場合ごとに停止テーブル181を設ける必要が無くなるため、ROM等の記憶手段に記憶される停止テーブル181のデータ量を削減することが可能であって、ハードウェア資源を有効に利用することが可能となるのである。
【0033】
(第4の
特徴)
第4の
特徴は、周囲に複数の図柄51を付した複数個の回転リール25と、回転リール25の回転を開始させるためのスタートスイッチ37と、各回転リール25の回転を停止させるためのストップスイッチ38と、スタートスイッチ37の操作に基づき、役の抽選を行うための役抽選手段140と、ストップスイッチ38が操作されたときの回転リール25の図柄位置に応じた回転リール25の停止位置に関する情報を定めた複数の停止テーブル181と、を備え、複数の停止テーブル181におけるいずれかの停止テーブル181に基づいて回転リール25の停止制御を行うスロットマシン10であって、停止テーブル181として、同一の抽選結果であって異なる複数の回転リール25のいずれを停止させる場合にも選択され得るものであって、全図柄位置のうちの一部の図柄位置のそれぞれに対応する停止位置に関する情報を共通に定めた共通テーブル181aを備え、役抽選手段140による抽選の結果が所定の抽選結果のときに所定の回転リール25を停止させる場合(以下、第1の停止の場合とする)の当該回転リール25における前記一部の図柄位置のそれぞれに対応する停止位置、及び、前記所定の抽選結果のときに前記所定の回転リール25と異なる他の回転リール25を停止させる場合(以下、第2の停止の場合とする)の当該回転リール25における前記一部の図柄位置のそれぞれに対応する停止位置の少なくともいずれか一方が前記共通テーブル181aに定められた情報に基づく停止位置と異なり、他方は一致するものの、前記停止位置が異なる回転リール25における所定の図柄位置を、他の図柄位置に置き換えて前記共通テーブル181aを参照すれば、前記停止位置が異なる回転リール25における前記一部の図柄位置のそれぞれに対応する停止位置が前記共通テーブル181aに定められた情報に基づく停止位置と一致するようになっており、第1の停止の場合及び第2の停止の場合にはいずれも、前記一部の図柄位置については、前記共通テーブル181aに基づいて対応する回転リール25の停止制御を行うものの、前記停止位置が異なる回転リール25における前記一部の図柄位置については、前記所定の図柄位置を前記他の図柄位置であるものとして、前記共通テーブル181aに基づいて停止制御を
行うことである。
【0034】
第4の
特徴は、同一の抽選結果のときに異なる回転リール25を停止させるという点が第3の
特徴と異なるものの、他の構成については第3の
特徴と同様である。
第3の
特徴の場合と同様に、所定の図柄位置を他の図柄位置に置き換えることにより、一部の図柄位置のそれぞれに対応する停止位置が一致することとなる場合が複数あるときには、前記一部の図柄位置について前記内容を共通に定めた共通テーブル181aを備え、いずれの場合にも、この共通テーブル181aに基づいて回転リール25の停止制御を行う。したがって、所定の図柄位置を他の図柄位置に置き換えることにより、前記一部の図柄位置のそれぞれに対応する停止位置が一致することとなる場合については、共通テーブル181aを設けることにより、それぞれの場合ごとに停止テーブル181を設ける必要が無くなるため、ROM等の記憶手段に記憶される停止テーブル181のデータ量を削減することが可能であって、ハードウェア資源を有効に利用することが可能となるのである。
【発明の効果】
【0035】
本発明は、以上のように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
すなわち、本発明によれば、ROM等の記憶手段に記憶される停止テーブルのデータ量を削減することが可能であって、ハードウェア資源を有効に利用することが可能なスロットマシンを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0037】
(第1の形態)
以下、本発明を実施するための第1の形態を図面を参照しつつ説明する。
(スロットマシン10)
本形態に係るスロットマシン10は、遊技媒体として円板状の遊技メダルを使用するものである。
このスロットマシン10は、
図2に示すように、正面側(スロットマシン10から見て、スロットマシン10と対向する遊技者の方向)に開口する箱状の筐体20と、この筐体20の正面開口を開閉可能に塞ぐ前扉30とから構成されている。
【0038】
(筐体20)
筺体20には、特に図示していないが、スロットマシン10の作動を制御するための基板を備えたメイン基板ユニット、複数の回転リール25を備えたリールユニット21、遊技メダルを貯留するとともに役を構成する図柄51の組み合わせの停止表示時等に遊技メダルを払い出すためのホッパーユニット27、スロットマシン10に備えられた各種装置に電力を供給するための電源装置等が設置されている。
メイン基板ユニットには、IC等の各種電子部品を搭載したメイン基板が収納されている。メイン基板は、スロットマシン10の作動を制御する制御装置100のうち、メイン制御装置101を構成するものであり、具体的には、スロットマシン10の遊技に関する制御を行うものとなっている。
【0039】
リールユニット21は、スロットマシン10の遊技に用いられるメインの装置であり、枠体に固定された3個のステッピングモーター(図示しておらず)と、各ステッピングモーターの回転軸に固定された3個の回転リール25とから構成されている。具体的には、この回転リール25は、
図2の向かって左側に位置する左リール22と、
図2の向かって右側に位置する右リール24と、この左リール22及び右リール24の間に位置する中リール23とからなるものである。また、各回転リール25の周囲には、それぞれ21個の図柄51が付されている(
図4参照)。また、これらの回転リール25は、前記ステッピングモーターの回転軸を中心として、後述する表示窓34内を回転リール25の図柄51が上側から下側へ向けて通過するように、回転する。
【0040】
(前扉30)
前扉30の前面上部には、
図2に示すように、遊技状態に応じて点灯したり、消灯したりする演出装置50としてのランプ52や、各種演出や報知を行うための演出装置50としての液晶表示装置53などを備えた装飾部31が設けられている。
また、前扉30の下部中央には、筐体20に設けられたホッパーユニット27から遊技メダルを払い出すためのメダル払出口40が設けられ、メダル払出口40の両側には、音声を出力するための演出装置50としてのスピーカー54がそれぞれ1つずつ設けられている。
また、前扉30の裏面には、特に図示していないが、IC等の各種電子部品を搭載したサブ基板が収納されたサブ基板ユニットが設けられている。サブ基板は、スロットマシン10の作動を制御する制御装置100のうち、演出に関する制御を行うためのサブ制御装置102を構成するものである。
【0041】
また、前扉30の前面の略中央には、正面側に突出する操作部33が備えられている。
操作部33の上面右端部には、遊技を開始するにあたり遊技メダルをベットすべく、遊技メダルを投入するためのメダル投入口44が設けられている。また、操作部33の上面左端部には、スロットマシン10に電子的に貯留されているメダルであるクレジットメダルを遊技メダルのベットに代えるためのベットスイッチが設けられている。ベットスイッチとしては、遊技メダル1枚のベットに代えることができるシングルベットスイッチ36a、及び、遊技を開始するためにベット可能な最大枚数である遊技メダル3枚のベットに代えることができるマックスベットスイッチ36bとを備えている。また、操作部33の前面左端部には、クレジットメダルを精算するための精算スイッチ39が設けられている。また、精算スイッチ39の右方には、3個すべての回転リール25の回転を開始させるためのレバー状のスタートスイッチ37が設けられている。また、操作部33の前面中央には、各回転リール25に対応するとともに、各回転リール25の回転をそれぞれ別個に停止させるための3個のストップスイッチ38が設けられている。
【0042】
また、前扉30における装飾部31と操作部33との間には、筐体20に設けられた3個の回転リール25の図柄51を視認可能な表示窓34が形成されている。
表示窓34は、3個の回転リール25の前方に設けられており、3個すべての回転リール25の回転が停止した際に、各回転リール25の周囲に表示されている21個の図柄51のうちの3個を表示、すなわち、視認できるようになっている。すなわち、3個すべての回転リール25が停止すると、
図3に示すように、表示窓34内における、それぞれの回転リール25に対応する表示位置に、それぞれ3個の図柄51が縦並びに表示される。換言すれば、表示窓34内の上段、中段、及び下段にそれぞれ3個の図柄51が表示される。そして、表示窓34内に、縦3列横3行に配列した合計9個の図柄51が表示されることとなる。
【0043】
また、本形態に係るスロットマシン10は、
図3に示すように、停止表示ライン90として、左リール22、中リール23及び右リール24が停止した状態で、各回転リール25ごとの、表示窓34内における中段の停止位置を一直線に結んで構成される中段ライン91を有している。そして、1回の遊技を開始するために所定枚数の遊技メダルをベットすると、この中段ライン91が有効化される。そして、後述する役抽選手段140の抽選の結果、後述するいずれかの役に当選するとともに、有効化された中段ライン91に、当該役を構成する図柄51の組み合わせが停止すると、役に応じた利益(たとえば、所定枚数の遊技メダルの払い出しや特別遊技の実行など)が付与される。
【0044】
なお、停止表示ライン90としては、中段ライン91に限定されるものではなく、各回転リール25ごとのいずれか一の停止位置を一直線に結んで構成されるライン(上段ライン、下段ライン、右上りライン、右下りライン)や、各回転リール25ごとのいずれか一の停止位置を折れ線で結んで構成されるライン(L字ライン、V字ライン)等を設けてもよい。
また、前扉30の裏面における、メダル投入口44の下部に対応する位置には、このメダル投入口44から投入された遊技メダルの正偽を判断するためのメダルセレクター(特に図示しておらず)、及び、このメダルセレクターにより適正な遊技メダルであると判断された遊技メダルを検知するためのメダルセンサー35が設けられている(
図2参照)。
【0045】
(制御装置100)
制御装置100は、上述の如く、スロットマシン10の作動を制御するためのものであり、メイン制御装置101及びサブ制御装置102から構成されるものとなっている。
そして、メイン制御装置101を構成するメイン基板、サブ制御装置102を構成するサブ基板にはそれぞれ、CPU、ROM、RWM、及び、I/O等、種々の電子部品などが備えられている。なお、CPUは、1個のみ備えることもできるし、複数のCPUを備えることもできる。また、CPU、ROM、RWM、及び、I/O等は一体に構成されたワンチップ型とすることもできる。
【0046】
また、メイン制御装置101及びサブ制御装置102には、これらの装置に対して各種信号等を入力可能な入力手段、入力手段による入力等に基づいた制御の結果を出力可能な出力手段が備えられている。また、メイン制御装置101及びサブ制御装置102は、CPUがROMに記憶されたプログラムを読み込むことで、各種制御手段として機能する。
具体的には、メイン制御装置101は、スタートスイッチ37やストップスイッチ38の操作により、役の抽選、回転リール25の回転及び停止の制御、並びに遊技メダルの払出し等、遊技の進行に関する制御等を行い、また、サブ制御装置102は、メイン制御装置101から送信される信号やデータに基づき、これらの送信内容に対応した遊技に関する演出の制御等を行う。
【0047】
(制御装置100の入力手段)
制御装置100の入力手段としては、
図1に示すように、次のセンサーやスイッチが接続されている。
(1)メダルセンサー35
(2)ベットスイッチ(シングルベットスイッチ36a、マックスベットスイッチ36b)
(3)スタートスイッチ37
(4)ストップスイッチ38
(5)精算スイッチ39
これら(1)から(5)までのスイッチ等はすべて、メイン制御装置101に接続されている。なお、入力手段としては、これら(1)から(5)までのスイッチ等に限定されるものではない。また、サブ制御装置102に接続される入力手段を設けてもよい。
【0048】
(メダルセンサー35)
メダルセンサー35は、メダル投入口44から投入された遊技メダルのうち、前述のメダルセレクターにより適正な遊技メダルとして判断されたものを検知するためのセンサーである。
(ベットスイッチ)
ベットスイッチは、クレジットメダル数を減算して遊技メダルのベットに代えるスイッチであり、遊技メダル1枚のベットに代えることができるシングルベットスイッチ36a、及び、遊技を開始するためにベット可能な最大枚数である遊技メダル3枚のベットに代えることができるマックスベットスイッチ36bが設けられている。
【0049】
本形態に係るスロットマシン10は、メダル投入口44から遊技メダルを投入することで、1回の遊技につき、最大3枚の遊技メダルをベットすることができるように形成されている。また、スロットマシン10に投入された遊技メダルは、予め定められた規定枚数(たとえば、50枚)まで、電子的に貯留(クレジット)しておくことができるように形成されている。そして、遊技メダルがクレジットされている場合には、メダル投入口44に遊技メダルを投入する代わりに、ベットスイッチを操作することにより遊技メダルのベットを行うことができ、スタートスイッチ37を操作可能状態にすることができる。
(スタートスイッチ37)
スタートスイッチ37は、遊技メダルがベットされることを条件に、又は、後述する再遊技役を構成する図柄51の組み合わせが停止表示したことを条件に、リールユニット21の駆動を開始させることが可能なレバー形状のスイッチである。
【0050】
ここで、「再遊技役」とは、後述する役抽選手段140により抽選される役の一つである。そして、この役抽選手段140による抽選によって、再遊技役に当選し、再遊技役を構成する図柄51の組み合わせが、有効化された中段ライン91に停止すると、遊技メダルを新たにベットすることなく、再度、遊技を行うことができる。
また、本形態に係るスロットマシン10は、前回の遊技のスタートスイッチ37が操作されてから所定の時間(いわゆるウェイト時間、たとえば4.1秒)が経過するまでは、次遊技を開始するためにスタートスイッチ37を操作したとしても、回転リール25が回転を開始しないか、若しくは、回転リール25が回転を開始してもストップスイッチ38の操作が無効となるように形成されている。換言すれば、スタートスイッチ37が操作された際には、前記の遊技の前回の遊技のスタートスイッチ37が操作されてから所定の時間が経過したことを条件に、回転リール25が回転開始するか、若しくは、ストップスイッチ38の操作が有効となるように形成されている。
【0051】
具体的には、このスタートスイッチ37は、操作されることを契機として、メイン制御装置101に対して当該スタートスイッチ37が操作された旨を示す開始信号を出力する。そして、この開始信号がメイン制御装置101に入力されて記憶された後、メイン制御装置101が、この記憶された開始信号を用いて、回転リール25の回転開始処理や抽選処理等を実行する。
(ストップスイッチ38)
ストップスイッチ38は、回転リール25の回転を停止させるためのスイッチである。具体的には、ストップスイッチ38は、
図2に示すように、左リール22、中リール23、及び、右リール24のそれぞれに対応した3個のスイッチから構成されている。
【0052】
そして、各回転リール25に対応したストップスイッチ38を操作することにより、対応した回転リール25が回転を停止するように形成されている。
また、ストップスイッチ38は、スタートスイッチ37が操作されることにより回転リール25が回転を開始してから、すべての回転リール25の回転速度が予め定められた一定速度に達することにより操作可能となるように形成されている。
具体的には、各ストップスイッチ38は、操作されることを契機として、メイン制御装置101に対して当該各ストップスイッチ38が操作された旨を示す停止信号を出力する。そして、この停止信号がメイン制御装置101に入力された後、メイン制御装置101が、この入力された停止信号を用いて、回転リール25の回転停止処理等を実行する。
【0053】
(精算スイッチ39)
精算スイッチ39は、クレジットされている遊技メダルを精算、すなわち、クレジットを解除して、クレジットメダルを払い出すためのスイッチである。
(制御装置100の出力手段)
制御装置100の出力手段としては、
図1に示すように、次のものが接続されている。
(1)リールユニット21(回転リール25)
(2)ホッパーユニット27
(3)演出装置50(ランプ52、液晶表示装置53、スピーカー54)
また、(1)及び(2)の出力手段はメイン制御装置101に接続されており、(3)の出力手段はサブ制御装置102に接続されている。なお、出力手段としては、これら(1)から(3)までに限定されるものではない。
【0054】
(リールユニット21(回転リール25))
リールユニット21は、所定の枠体に固定された3個のステッピングモーター(図示しておらず)と、各ステッピングモーターの回転軸にそれぞれ固定された計3個の回転リール25とから構成されている。
また、各回転リール25の外周面には、回転方向へ向けてほぼ等間隔に、「赤7」「黄7」「黒BAR」「青BAR」「スイカ」「ベル」「チェリー」「リプレイ」等の複数種類の図柄51が所定の配列で計21個表示されている。具体的には、
図4に示すように、左リール22、中リール23及び右リール24のそれぞれに、図柄51が21個ずつ配列されている。なお、各回転リール25の図柄配列における図柄51に対しては、便宜的に、
図4の上側から下側へ向けて順番に「20番」から「0番」までの図柄番号を付している。
【0055】
また、回転リール25は、ステッピングモーターの回転軸を中心として、表示窓34内を、回転リール25に表示された図柄51が上側から下側へ向けて通過するように、回転するものとなっている。すなわち、回転リール25が回転すると、各図柄51が、
図3の向かって上側から下側へ向けて移動するように見える。
また、各回転リール25の所定箇所には、回転リール25の回転を検知するために用いられるインデックス(図示しておらず)が設けられるとともに、このインデックスの通過を検知する所定のセンサー(たとえば、フォトセンサー、磁気センサー、タッチセンサーなど)が設けられる。そして、各回転リール25が回転を開始し、インデックスを所定のセンサーがを検知した後に出力されるパルス信号に基づいて、ストップスイッチ38が操作された時点における回転リール25の回転位置を検出し、所定位置で回転リール25を停止させることによって、停止制御が行われるものとなっている。
【0056】
(ホッパーユニット27)
ホッパーユニット27は、所定の役を構成する図柄51の組み合わせが停止表示されるなどの遊技結果に基づいて、遊技者に遊技メダルの払い出しを行うためのものである。
(演出装置50)
演出装置50は、演出を実行するためのものであり、具体的には、サブ制御装置102からの所定の演出制御信号の入力を契機として、遊技者に対して当選等を報知するなど種々の演出を行うためのものである。
具体的には、演出装置50としては、光源の点滅、点灯又は消灯により、遊技を盛り上げたり、所定の役が当選していることを報知したりするためのランプ52、文字や画像(静止画や動画)の表示により、遊技の演出や各種報知を行うための液晶表示装置53、所定の効果音やBGMの出力により、遊技の演出や各種報知を行うためのスピーカー54等を備えている。なお、演出装置50は、これらのものに限定されるわけではなく、CRT表示装置、ドットマトリクス表示装置、エレクトロルミネッセンス表示装置等の画像表示装置を備えることもできる。
【0057】
(制御装置100の制御手段)
制御装置100は、メイン制御装置101及びサブ制御装置102から構成されており、上述の如く、CPUがROMに記憶されたプログラムを読み込むことで、
図1に示すように、大別して、次の(1)から(7)までの制御手段として機能する。
(1)遊技制御手段120
(2)役抽選手段140
(3)回転開始制御手段160
(4)回転位置検出手段170
(5)回転停止制御手段180
(6)停止態様判定手段190
(7)演出制御手段200
また、メイン制御装置101は(1)から(6)までの制御手段として機能し、サブ制御装置102は(7)の制御手段として機能する。なお、制御装置100としては、上記した(1)から(7)までの制御手段に限定されるものではなく、他の手段を含んでいてもよい。
【0058】
(遊技制御手段120)
遊技制御手段120は、遊技の進行を制御するためのものである。
ここで、本形態に係るスロットマシン10は、遊技として、一般的な遊技である通常遊技、通常遊技と異なる遊技であって通常遊技よりも遊技者に大きな利益を付与する特別遊技(BBゲーム、RBゲーム)を有している。
なお、遊技はこれらに限定されるものではなく、たとえば、再遊技役の当選確率が通常遊技中とは異なる値に設定されるリプレイタイム遊技(RTゲーム)、役抽選手段140による抽選の結果に関する情報を報知するアシストタイム遊技(ATゲーム)、リプレイタイム遊技とアシストタイム遊技とが同時に実行されるアシストリプレイタイム遊技(ARTゲーム)等、遊技者に対して所定の特典を付与可能な特殊遊技を有していてもよい。
【0059】
そして、遊技制御手段120は、
図1に示すように、大別すると、次の手段を備える。
(1)通常遊技制御手段121
(2)特別遊技制御手段122
また、遊技制御手段120としては、上記した(1)及び(2)の手段に限定されるものではない。
(通常遊技制御手段121)
通常遊技制御手段121は、一般的な遊技である通常遊技を制御するためのものである。
具体的には、遊技メダルの投入又はベットスイッチが操作されることにより、遊技メダルがベットされたことを条件に、スタートスイッチ37が操作されると、後述の役抽選手段140により、予め定められた複数の役のうちいずれかの役の当選又は非当選を決定するための抽選が行われる。そして、これに伴って、3個すべての回転リール25が回転を開始する。その後、所定のストップスイッチ38を1つ操作すると、このストップスイッチ38に対応した回転リール25の回転が停止する。そして、ストップスイッチ38を3個すべて操作し終わると、3個の回転リール25の回転がすべて停止する。このとき、中段ライン91上に、役抽選手段140により当選した役を構成する図柄51の組み合わせが停止すると、役に応じて予め定められた所定の利益が付与されるものとなっている。所定の利益の付与としては、
図5に示すように、たとえば、予め定められた枚数の遊技メダルの払い出しや、上述の特別遊技の実行等とすることができる。そして、通常遊技制御手段121は、1回の遊技における上記一連の処理を制御するものである。
【0060】
本形態に係るスロットマシン10では、
図5に示すように、役として、遊技メダルの払い出しは無いが遊技メダルを新たに投入することなく再度の遊技を行える再遊技役と、所定枚数の遊技メダルが払い出されることとなる小役と、小役及び再遊技役よりもさらに大きな利益を遊技者に付与可能な特別遊技に係る特別遊技役(BBゲーム役、RBゲーム役)とを備えている。
また、小役としては、
図5に示すように、チェリー役、ベル役及びスイカ役を備えている。
具体的には、本形態に係るスロットマシン10は、再遊技役として、「リプレイ」「リプレイ」「リプレイ」という図柄51の組み合わせにより構成される第1再遊技役と、「ベル」「リプレイ」「リプレイ」という図柄51の組み合わせにより構成される第2再遊技役とを備えている。そして、中段ライン91上に、上記図柄51の組み合わせが停止すると、新たに遊技メダルを投入することなく、当該遊技と同じ条件で次遊技を行う(すなわち、再遊技を行う)ことができる。なお、再遊技役としては、上記図柄51の組み合わせにより構成されるものに限定されるのではなく、他の図柄51の組み合わせにより構成されるものを備えていてもよい。
【0061】
また、小役のうち、チェリー役は、「チェリー」の図柄51と他の図柄51との組み合わせ(「チェリー」「ANY」「ANY」(ANYはいずれの図柄51でも構わないという意味))により構成される。そして、中段ライン91上に「チェリー」「ANY」「ANY」の組み合わせが停止すると、所定枚数(本形態では2枚)の遊技メダルが払い出される。
また、本形態に係るスロットマシン10は、小役のうち、ベル役として、「ベル」「ベル」「ベル」という図柄51の組み合わせにより構成される第1ベル役と、「ベル」「ベル」「チェリー」という図柄51の組み合わせにより構成される第2ベル役とを備えている。そして、中段ライン91上に、上記図柄51の組み合わせが停止すると、所定枚数(本形態では13枚)の遊技メダルが払い出される。なお、ベル役としては、上記図柄51の組み合わせにより構成されるものに限定されるのではなく、他の図柄51の組み合わせにより構成されるものを備えていてもよい。
【0062】
なお、第1ベル役は、第1ベル役と異なる図柄51の組み合わせにより構成される他の役と重複して当選する可能性があるように設定されている。そして、第1ベル役の当選の態様(他の役と重複して当選、単独で当選等)に併せて、中段ライン91に第1ベル役を構成する図柄51の組み合わせを停止させるためのストップスイッチ38の操作順序が対応付けられるようになっている。たとえば、第1ベル役が他の役と重複して当選した場合、これに対応付けられた操作順序でストップスイッチ38が操作されると、中段ライン91上に第1ベル役を構成する図柄51の組み合わせが停止するようになっている。また、対応付けられた操作順序以外でストップスイッチ38が操作されると、中段ライン91上に前記他の役を構成する図柄51の組み合わせが停止し、所定枚数(本形態では3枚)の遊技メダルが払い出されるようになっている。なお、対応付けられた操作順序以外でストップスイッチ38が操作された場合には、中段ライン91上にいずれの役を構成する図柄51の組み合わせも停止せず(すなわち、取りこぼし出目が停止して)、遊技メダルの払い出しが行われないようにしてもよい。
【0063】
また、複数の役が重複して当選する場合としては、上述の内容に限られず、たとえば、複数の再遊技役が重複して当選可能となるような設定や、特別遊技役と小役とが重複して当選可能となるような設定も可能である。
また、小役のうち、スイカ役は、「スイカ」の図柄51の組み合わせ(「スイカ」「スイカ」「スイカ」)により構成される。そして、中段ライン91上に「スイカ」「スイカ」「スイカ」の組み合わせが停止すると、所定枚数(本形態では6枚)の遊技メダルが払い出される。
また、本形態に係るスロットマシン10は、BBゲーム役として、「黒BAR」「黒BAR」「黒BAR」という図柄51の組み合わせにより構成される第1BBゲーム役、「赤7」「赤7」「赤7」という図柄51の組み合わせにより構成される第2BBゲーム役、「赤7」「赤7」「黒BAR」という図柄51の組み合わせにより構成される第3BBゲーム役、及び、「ベル」「赤7」「ベル」という図柄51の組み合わせにより構成される第4BBゲーム役を備えている。そして、中段ライン91上に上記図柄51の組み合わせが停止すると、BBゲームに移行する。
【0064】
なお、本形態に係るスロットマシン10では、遊技メダルの払い出しを行うことなく、BBゲームに移行するようになっているが、所定枚数(たとえば15枚)の遊技メダルを払い出しを行った後に、BBゲームに移行するように設定してもよい。
また、RBゲーム役は、「7」「黒BAR」「7」という図柄51の組み合わせにより構成される。本形態に係るスロットマシン10では、このRBゲーム役は、通常遊技中は抽選されず、後述のBBゲーム一般遊技中にのみ抽選されるようになっている。
そして、BBゲーム一般遊技中において、中段ライン91上に上記図柄51の組み合わせが停止すると、RBゲームに移行する。
【0065】
なお、本形態に係るスロットマシン10では、遊技メダルの払い出しを行うことなく、RBゲームに移行するようになっているが、所定枚数(たとえば15枚)の遊技メダルの払い出しを行った後に、RBゲームに移行するように設定してもよい。
(特別遊技制御手段122)
特別遊技制御手段122は、通常遊技よりも遊技者に大きな利益を付与可能な特別遊技(BBゲーム、RBゲーム)を制御するためのものである。
RBゲームは、予め定められた特定の役(本形態ではベル役)が高確率で当選する遊技を一定条件下で行わせる遊技である。また、BBゲームは、通常遊技と同様の遊技(BBゲーム一般遊技)を実行可能であるとともに、この遊技中に一定条件下でRBゲームに移行できるようにした遊技である。
【0066】
具体的には、BBゲームに移行すると、通常遊技と同様に所定枚数の遊技メダルのベットによって遊技が開始される。そして、3つの回転リール25の回転をすべて停止させた際に、停止表示ライン90上に役に対応する図柄51の組み合わせが停止しているか否かによって、遊技メダルの払い出しが行われる。
また、本形態に係るスロットマシン10では、BBゲームが開始されると、BBゲーム一般遊技が実行され、このBBゲーム一般遊技中にRBゲーム役に当選し、中段ライン91上にRBゲーム役を構成する図柄51の組み合わせ(「赤7」「黒BAR」「赤7」)が停止すると、その後RBゲームへ移行する。そして、所定回数(本形態では2回)の遊技が行われるか、又は、所定回数(本形態では1回)、中段ライン91上に所定の役を構成する図柄51の組み合わせが停止するかのいずれかが満たされると、RBゲームが終了し、BBゲーム一般遊技に移行するようになっている。
【0067】
なお、RBゲームへの移行は上述のように行うのではなく、BBゲームが開始されるとすぐにRBゲームへ移行し、所定回数のRBゲームが終了するとすぐに再度RBゲームへ移行するようにしてもよい。すなわち、BBゲームが開始されたら常にRBゲーム状態での遊技が実行されるようにしてもよい。
そして、BBゲーム中において払い出された遊技メダルが所定の枚数(たとえば80枚)を超えることにより、BBゲームは終了する。また、BBゲームの終了条件としては、上述のような遊技メダルの払い出し枚数の累計ではなく、他の条件を設定することもできる。
【0068】
また、RBゲームに移行すると、予め定められた特定の役(本形態ではベル役)を構成する図柄51の組み合わせが所定の停止表示ライン90上に停止した場合に遊技メダルの払い出しが行われる遊技が行われる。なお、RBゲームは、通常遊技中にRBゲーム役を構成する図柄51の組み合わせ(「7」「黒BAR」「7」)が中段ライン91上に停止することで、通常遊技から移行するようにしてもよい。
(役抽選手段140)
役抽選手段140は、予め定められた複数の役のうちいずれかの役の当選又は非当選を抽選により決定するためのものであり、具体的には、予め定められた抽選確率に基づいて、いずれの役に当たったか又はハズレたかの抽選を行うものである。
【0069】
この役抽選手段140は、特に図示していないが、所定の数値範囲内(たとえば、0〜65535)で乱数を発生させるための乱数発生手段、乱数発生手段により発生した乱数をスタートスイッチ37の操作時に抽出するための乱数抽出手段、乱数発生手段により発生する乱数がとる数値領域の範囲内であって、前記役に対応した所定の数値領域を有する役当選領域を複数備えた抽選テーブル(通常遊技用抽選テーブル、BBゲーム用抽選テーブル、RBゲーム用抽選テーブル)、乱数抽出手段により抽出された乱数が抽選テーブルのいずれの役当選領域に属するか否かを判定するための当選判定手段、当選判定手段により所定の役に当選したと判定された場合に当該役に対応する当選フラグを成立させるためのフラグ成立手段等を備える。
【0070】
ここで、当選フラグの成立とは、所定のメモリに記憶されている数値が所定値になっている状態を意味するものである。たとえば、BBゲーム役に対応する所定メモリに記憶されている数値が「1」となっている場合、BBゲーム役の当選フラグが成立している状態であると設定することができる。これに対して、前記メモリに記憶されている数値が「0」となっている場合、BBゲーム役の当選フラグが成立していない状態であると設定することができる。
なお、この当選フラグとしては、役抽選手段140の抽選結果が小役の当選である場合に成立する小役当選フラグや、抽選結果がBBゲームなどの特別遊技役の当選である場合に成立する特別当選フラグ等がある。
【0071】
また、小役当選フラグは、当選フラグが成立した遊技においてのみ有効となるものとなっている。これに対して、前記特別当選フラグは、次の遊技へ持ち越すことができるものとなっている。
(回転開始制御手段160)
回転開始制御手段160は、回転リール25の回転の開始に関する制御を行うためのものであり、具体的には、回転開始制御手段160は、スタートスイッチ37の操作に基づいて出力される開始信号に基づき、各回転リール25に設けられているステッピングモーター(図示しておらず)に駆動開始信号を出力し、ステッピングモーターを駆動させることによりすべての回転リール25の開始を開始させるものである。
【0072】
(回転位置検出手段170)
回転位置検出手段170は、ストップスイッチ38が操作された時点における回転リール25の回転位置を検出するためのものである。
具体的には、回転位置検出手段170は、特に図示していないが、出力されるパルス信号をカウントするためのカウント手段、カウント手段によるパルス信号のカウント値をリセットするためのリセット手段などを備えている。
より具体的には、各回転リール25が回転を開始し、すべての回転リール25が所定の速度で定速回転(定常回転)するようになった後、検知センサー(図示しておらず)によりインデックスの通過が検知されたことを契機として、前記カウント手段が、出力されるパルス信号のカウントを開始する。そして、ストップスイッチ38が操作された時点における前記カウント値に基づいて、インデックスの回転角度を算出し、これにより前記時点における回転リール25の回転位置を検出することとなる。また、前記カウント手段によるパルス信号のカウント値は、検知センサー(図示しておらず)によりインデックスの通過が検知される都度、前記リセット手段によりリセットされ、この時点から新たにパルス信号のカウントが行われるものとなっている。
【0073】
(回転停止制御手段180)
回転停止制御手段180は、ストップスイッチ38の操作が行われた際に、対応する回転リール25の回転停止を制御するためのものである。
本形態における回転停止制御手段180は、ストップスイッチ38が操作された時点で、中段ライン91上に直ちに停止できる図柄51を基準として、この図柄51から回転方向に予め定められた最大移動図柄数(最大スベリコマ数、たとえば、4コマ)移動したときの図柄51までの範囲で、対応する回転リール25を停止させるように形成されている。
換言すれば、回転停止制御手段180は、ストップスイッチ38が操作された時点から対応する回転リール25が停止するまでに、この回転リール25が回転する回転量が予め定められたコマ数(0コマから4コマまで)の範囲内となるように制御する。
【0074】
具体的には、ストップスイッチ38が操作された時点で、中段ライン91に直ちに停止できる図柄51(基準図柄)を基準として、基準図柄が中段ライン91上にあることとなる停止位置(いわゆるビタ止まりの停止位置)、基準図柄の1個先の図柄51が中段ライン91上にあることとなる停止位置(1コマすべりの停止位置)、基準図柄の2個先の図柄51が中段ライン91上にあることとなる停止位置(2コマすべりの停止位置)、基準図柄の3個先の図柄51が中段ライン91上にあることとなる停止位置(3コマすべりの停止位置)、又は、基準図柄の4個先の図柄51が中段ライン91上にあることとなる停止位置(4コマすべりの停止位置)のいずれかで回転リール25を停止させる。
【0075】
そして、回転停止制御手段180は、役抽選手段140の抽選結果に基づいて、対応する回転リール25を、予め定められたコマ数(0コマから4コマまで)の範囲内におけるいずれの位置で停止させるかを決定するものとなっている。
具体的には、回転停止制御手段180は、いずれかの役に係る当選フラグが成立しているときには、当該役を構成する図柄51の組み合わせが、中段ライン91上に停止するように、かつ、前記役以外のいずれの役を構成する図柄51の組み合わせも、中段ライン91上に停止しないように、対応する回転リール25の停止位置を上述の予め定められたコマ数の範囲内で決定する。
【0076】
すなわち、回転停止制御手段180は、いずれかの役に当選している場合であって、ストップスイッチ38が操作された際、中段ライン91上から、回転リール25の反回転方向側の予め定められた個数(4個)先までの範囲内に、前記役を構成する図柄51が位置しているときは、前記図柄51が中段ライン91上に停止するように、対応する回転リール25を停止させる。そして、回転停止制御手段180は、当選フラグが成立していない場合、すなわち、ハズレの場合には、いずれの役を構成する図柄51の組み合わせも中段ライン91上に停止しないように、回転リール25を停止させる。
また、本形態に係るスロットマシン10では、回転停止制御として、図柄51の停止位置を定めた後述の停止テーブル181を用いて行うテーブル制御が用いられている。
【0077】
そして、この回転停止制御手段180は、
図1に示すように、、次の(1)から(6)までの手段を有している。
(1)停止テーブル181(共通テーブル181a、個別テーブル181c)
(2)停止制御内容定義テーブル182
(3)選択手段183
(4)図柄位置補正手段184
(5)停止位置情報取得手段185
(6)停止実行手段186
なお、回転停止制御手段180としては、上記した(1)から(6)までの手段に限定されるものではなく、他の手段を含んでいてもよい。
【0078】
(停止テーブル181)
停止テーブル181は、ストップスイッチ37が操作されたときの回転リール25の図柄位置に応じた回転リール25の停止位置に関する情報を定めたものであり、より具体的には、ストップスイッチ38が操作された時点の回転リール25の図柄位置に応じて、当該回転リール25の図柄位置から移動可能な最大移動可能図柄数(最大スベリコマ数、4コマ)の範囲におけるいずれの位置で回転リール25を停止させるのかを定めたものである。
換言すれば、停止テーブル181においては、回転リール25の各図柄51が中段ライン91に位置しているときを基準の図柄位置として、この基準の図柄位置から移動可能なコマ数(0コマから4コマまで)の範囲内のいずれかの図柄位置が停止位置として定められている。
【0079】
また、本形態に係るスロットマシン10は、回転リール25の停止位置に関する情報として、各図柄位置での停止の可否を定めた停止テーブル181、及び、各図柄位置から回転リール25が停止するまでの移動コマ数を定めた停止テーブル181のいずれをも備えている。なお、両停止テーブル181は、定められる停止位置に関する情報の形式は異なっているものの、いずれの情報に基づいても停止位置は同一となっている。すなわち、両停止テーブル181はいずれも、同じ停止位置を定めるものとなっている。
なお、前記停止テーブル181を両方備えるのではなく、いずれか一方のみを備えるようにしてもよい。
【0080】
そして、本形態に係るスロットマシン10は、
図1に示すように、停止テーブル181として、共通テーブル181aと、個別テーブル181cとを備えている。
ここで、共通テーブル181aは、異なる複数の抽選結果において同一の回転リール25を停止させる場合に共通に選択され得るものであって、回転リール25の全図柄位置のそれぞれに対応する停止位置に関する情報を定めた停止テーブル181である。
また、個別テーブル181cは、複数の場合に共通して選択されることはなく、抽選結果及び停止対象の回転リール25に応じて個々に選択されるものであって、回転リール25の全図柄位置のそれぞれに対応する停止位置に関する情報を定めた停止テーブル181である。
【0081】
(共通テーブル181a)
本形態に係るスロットマシン10では、
図6に示すように、共通テーブル181として、共通テーブルA及び共通テーブルBを備えている。
(1)共通テーブルA
共通テーブルAは、第1ベル役に当選したときに左リール22を停止させる場合、第2ベル役に当選したときに左リール22を停止させる場合、及び第2再遊技役に当選したときに左リール22を停止させる場合に共通に選択されるものである。そして、この共通テーブルAは、上述の場合に共通した停止制御を行うようにするために(ここでは、中段ライン91上に「ベル」の図柄51を停止させるために)、全図柄位置のそれぞれに対応する停止位置を定めたものである。
【0082】
すなわち、第1ベル役は「ベル」「ベル」「ベル」という図柄51の組み合わせにより構成され、第2ベル役は「ベル」「ベル」「チェリー」という図柄51の組み合わせにより構成され、第2再遊技役は「ベル」「リプレイ」「リプレイ」という図柄51の組み合わせにより構成されている。そして、これらの役に当選した場合はいずれも、左リール22においては、中段ライン91上に「ベル」の図柄51を停止表示させるような停止制御を行うこととなるため、全図柄位置に対応する停止位置を共通に定めておくことができる。したがって、上記当選の場合はいずれも、左リール22の全図柄位置のそれぞれに対応する停止位置を、共通テーブルAに定められた停止位置と一致させることができるため、当該共通テーブルAを選択し、この共通テーブルAに定められた停止位置で左リール22を停止させることができるのである。
【0083】
具体的には、共通テーブルAは、
図6に示すように、停止位置に関する情報として、各図柄位置における停止の可否が定められた第1テーブルと、停止するまでの移動コマ数が定められた第2テーブルとを備えている。
そして、第1テーブルにおいては、回転リール25が停止したとき中段ライン91上に停止表示できる図柄番号に対してビットを設定することで、当該図柄番号に係る図柄51が中段ライン91に停止表示されることとなる位置が停止可能である旨を定めている。すなわち、この第1テーブルによれば、回転リール25は、ビットが設定された図柄番号に係る図柄51が中段ライン91上に停止表示される位置で停止するように制御されることとなる。
【0084】
たとえば、
図6に示すように、共通テーブルAの第1テーブルには、0番の図柄51、5番の図柄51、8番の図柄51、13番の図柄51及び17番の図柄51に対してビット(黒の塗りつぶし)が設定されており、それ以外にはビットは設定されていない。すなわち、この第1テーブルによれば、ビットが設定されていない図柄番号の図柄51が中段ライン91上に停止表示される位置では回転リール25は停止できず、ビットが設定されている図柄番号の図柄51が中段ライン91上に停止表示される位置で回転リール25が停止することとなる。
したがって、ストップスイッチ38が操作された時点で、中段ライン91上に位置する図柄51(すなわち、ストップスイッチ38が操作された時点の図柄位置)が、たとえば、13番の図柄51であったときは、上述のようにこの位置が停止位置として設定されているため、回転リール25は、13番の図柄51が中段ライン91上に停止表示される当該停止位置で停止する。
【0085】
これに対して、ストップスイッチ38が操作された時点で、中段ライン91上に位置する図柄51(ストップスイッチ38が操作された時点の図柄位置)が、たとえば、9番から12番までのいずれかの図柄51であったときは、上述のようにこれらの位置は停止位置と設定されていないため停止することができず、この場合も、回転リール25は、13番の図柄51が中段ライン91上に停止表示される停止位置で停止する。換言すれば、ストップスイッチ38が操作された時点の図柄位置が9番の図柄51であったときは4コマ移動して、ストップスイッチ38が操作された時点の図柄位置が10番の図柄51であったときは3コマ移動して、ストップスイッチ38が操作された時点の図柄位置が11番の図柄51であったときは2コマ移動して、ストップスイッチ38が操作された時点の図柄位置が12番の図柄51であったときは1コマ移動して、回転リール25が停止することとなる。
【0086】
また、第2テーブルにおいては、「0番」から「20番」までの各図柄51に対してそれぞれ移動コマ数が定められている。すなわち、この第2テーブルによれば、回転リール25は、ストップスイッチ38が操作された時点で、中段ライン91上に位置する図柄51(すなわち、ストップスイッチ38が操作された時点の図柄位置)から、当該図柄51に対して定められている移動コマ数先の図柄51が中段ライン91上に停止表示される位置を停止位置として、停止するように制御されることとなる。
たとえば、
図6に示すように、共通テーブルAの第2テーブルには、13番の図柄51に対して移動コマ数「0」が、12番の図柄51に対して移動コマ数「1」が、11番の図柄51に対して移動コマ数「2」が、10番の図柄51に対して移動コマ数「3」が、9番の図柄51に対して移動コマ数「4」がそれぞれ設定されている。
【0087】
したがって、ストップスイッチ38が操作された時点で、中段ライン91上に位置する図柄51(すなわち、ストップスイッチが操作された時点の図柄位置)が、たとえば、13番の図柄51であったときは、上述のように移動コマ数「0」が設定されているため、回転リール25は、移動することなく(すなわちビタ止まり)、13番の図柄51が中段ライン91上に停止表示される当該位置を停止位置として停止する。
これに対して、ストップスイッチ38が操作された時点で、中段ライン91上に位置する図柄51が(ストップスイッチ38が操作された時点の図柄位置)が、たとえば、12番の図柄51であったときは、上述のように移動コマ数「1」が設定されているため、回転リール25は1コマ移動して、13番の図柄51が中段ライン91上に停止表示される当該位置を停止位置として停止する。同様に、11番の図柄51であったときは、設定されている移動コマ数である2コマ移動して、10番の図柄51であったときは、設定されている移動コマ数である3コマ移動して、9番の図柄51であったときは、設定されている移動コマ数である4コマ移動して、いずれも13番の図柄51が中段ライン91上に停止表示される当該位置を停止位置として停止する。
【0088】
そして、上述の如く、共通テーブルAは、第1ベル役に当選したときに左リール22を停止させる場合、第2ベル役に当選したときに左リール22を停止させる場合、及び第2再遊技役に当選したときに左リール22を停止させる場合に共通に選択される。ここで、
図6に示すように、共通テーブルAにおいては、0番の図柄51、5番の図柄51、8番の図柄51、13番の図柄51又は17番の図柄51のいずれかが中段ライン91上に停止表示される位置が停止位置として定められている。また、
図4に示すように、左リール22においては、0番の図柄51、5番の図柄51、8番の図柄51、13番の図柄51及び17番の図柄51はいずれも「ベル」となっている。したがって、上記場合にはいずれも、この共通テーブルAに基づいて停止制御が行われるため、ストップスイッチ38が操作されたときの図柄位置がいずれの図柄位置であったとしても、必ず「ベル」の図柄51が中段ライン91上に表示されて左リール22が停止することとなるのである。
【0089】
(2)共通テーブルB
共通テーブルBは、第1ベル役に当選したときに中リール23を停止させる場合、第2ベル役に当選したときに中リール23を停止させる場合、第1再遊技役に当選したときに中リール23を停止させる場合、及び、第2再遊技役に当選したときに中リール23を停止させる場合に共通に選択されるものである。そして、この共通テーブルBは、上述の場合に共通した停止制御を行うようにするために、全図柄位置のそれぞれに対応する停止位置を定めたものである。
具体的には、共通テーブルBは、共通テーブルAと同様に、停止位置に関する情報として、各図柄位置に対応する直接的な停止位置が定められた第1テーブルと、停止するまでの移動コマ数が定められた第2テーブルとを備えている(
図6参照)。
【0090】
そして、
図6に示すように、共通テーブルBの第1テーブル及び第2テーブルにおいては、3番の図柄51、7番の図柄51、11番の図柄51、16番の図柄51又は20番の図柄51のいずれかが中段ライン91上に停止表示される位置が停止位置として定められている。また、
図4に示すように、中リール23においては、3番の図柄51、7番の図柄51、11番の図柄51、16番の図柄51及び20番の図柄51はいずれも「リプレイ」となっている。したがって、この共通テーブルBにより中リール23の停止制御を行うと、ストップスイッチ38が操作されたときの図柄位置がいずれの図柄位置であったとしても、必ず「リプレイ」の図柄51が中段ライン91上に表示されて中リール23が停止することとなる。
【0091】
ここで、第1再遊技役は「リプレイ」「リプレイ」「リプレイ」という図柄51の組み合わせにより構成され、第2再遊技役は「ベル」「リプレイ」「リプレイ」という図柄51の組み合わせにより構成されており、第1再遊技役及び第2再遊技役に当選した場合はいずれも、中リール23においては、中段ライン91上に「リプレイ」の図柄51を停止表示させるような停止制御を行うこととなる。したがって、第1再遊技役又は第2再遊技役に当選した場合の中リール23における全図柄位置のそれぞれに対応する停止位置は、共通テーブルBに定められた停止位置と一致させることができるため、当該共通テーブルBを選択し、この共通テーブルBに定められた停止位置で中リール23を停止させることができることとなる。
【0092】
これに対して、第1ベル役は「ベル」「ベル」「ベル」という図柄51の組み合わせにより構成され、第2ベル役は「ベル」「ベル」「チェリー」という図柄51の組み合わせにより構成されており、第1ベル役及び第2ベル役に当選した場合はいずれも、中リール23においては、中段ライン91上に「ベル」の図柄51を停止表示させるような停止制御を行うこととなる。すると、第1再遊技役又は第2再遊技役に当選した場合の中リール23における全図柄位置のそれぞれに対応する停止位置は、共通テーブルBに定められた停止位置と一致しないこととなる。
しかし、本形態に係るスロットマシン10の中リール23は、
図4に示すように、その全範囲にわたって、「リプレイ」→「ベル」→「チェリー」という順で連続して配置された(すなわち、一定の位置関係となるように配置された)図柄配列が含まれるようになっている。
【0093】
そこで、当該中リール23の各図柄位置を1図柄分ずつ上にずらした図柄位置に置き換えると、「ベル」の図柄位置が「リプレイ」の図柄位置に一致することとなる。そして、共通テーブルBは、上述の如く、中リール23において中段ライン91上に「リプレイ」の図柄51を停止させるように停止位置を定めたものであるため、このような置き換えを行って前記共通テーブルBを参照して停止制御を行うとするならば、中リール23において中段ライン91上に「ベル」の図柄51を停止させるような停止制御が行われることとなる。
すなわち、中リール23の各図柄位置を1図柄分ずつ上にずらして、前記共通テーブルBを参照して停止制御を行うとするならば、第1ベル役及び第2ベル役に当選した場合における中リール23の全図柄位置のそれぞれに対応する停止位置は、共通テーブルBに定められた停止位置と一致させることができることとなる。これにより、第1ベル役及び第2ベル役に当選した場合にも、当該共通テーブルBを選択するものの、中リール23の各図柄位置を1図柄分ずつ上にずらした図柄位置とみなすことにより、共通テーブルBに定められた停止位置で中リール23を停止させることができることとなる。
【0094】
具体的には、第1ベル役又は第2ベル役に当選した場合において、中リール23に対応するストップスイッチ38が操作されたとき、この時点の図柄位置(中段ライン91上に位置する図柄51の図柄番号)を、後述する図柄位置補正手段184により1図柄上の図柄位置とみなされた上で、共通テーブルBを参照して、中リール23の停止位置を決定する。
たとえば、第1ベル役に当選した場合において、中リール23に対応するストップスイッチ38が操作された時点の図柄位置が15番の「ベル」であったものする。すると、図柄位置補正手段184により、前記図柄位置が1図柄上の図柄位置である16番とみなされた上で、共通テーブルBを参照することとなる。そして、共通テーブルBには、16番の図柄51についてはビタ止まり、すなわち、当該番号の図柄51がそのまま中段ライン91上に停止表示されるような停止位置が定められているため、この場合には、15番の「ベル」が中段ライン91上に停止表示される位置が停止位置となる。したがって、15番の「ベル」が中段ライン91上に停止表示されて、中リール23が停止することとなる。
【0095】
なお、共通テーブルBは、中リール23の「リプレイ」図柄の図柄位置に相当する、3番の図柄51、7番の図柄51、11番の図柄51、16番の図柄51又は20番の図柄51のいずれかが中段ライン91上に停止表示される位置を停止位置として定めるのではなく、「ベル」図柄の図柄位置に相当する、2番の図柄51、6番の図柄51、10番の図柄51、15番の図柄51又は19番の図柄51のいずれかが中段ライン91上に停止表示される位置を停止位置として定めてもよい。
このように定めたときには、第1ベル役及び第2ベル役に当選した場合には、共通テーブルBに定められた停止位置で中リール23を停止させることができるものの、第1再遊技役及び第2再遊技役に当選した場合には、中リール23の各図柄位置を1図柄分ずつ下にずらした図柄位置とみなすことにより、共通テーブルBに定められた停止位置で中リール23を停止させることができることとなる。
【0096】
また、「チェリー」図柄に相当する、1番の図柄51、5番の図柄51、9番の図柄51、14番の図柄51又は18番の図柄51のいずれかが中段ライン91上に停止表示される位置を停止位置として定めてもよい。
このように定めたときには、第1ベル役及び第2ベル役に当選した場合には、中リール23の各図柄位置を1図柄分ずつ上にずらした図柄位置とみなすことにより、共通テーブルBに定められた停止位置で中リール23を停止させることができ、また、第1再遊技役及び第2再遊技役に当選した場合には、中リール23の各図柄位置を2図柄分ずつ上にずらした図柄位置とみなすことにより、共通テーブルBに定められた停止位置で中リール23を停止させることができることとなる。
【0097】
(個別テーブル181c)
個別テーブル181cは、上記共通テーブル181aが選択されることとなる場合以外の、各抽選結果及び各回転リール25ごとに、全図柄位置のそれぞれに対応する停止位置に関する情報を定めたものである。
たとえば、個別テーブル181cとしては、チェリー役に当選したときの各回転リール25(左リール22、中リール23及び右リール24)の停止位置を定めた個別テーブル181c、スイカ役に当選したときの各回転リール25の停止位置を定めた個別テーブル181c、BBゲーム役に当選したときの各回転リール25の停止位置を定めた個別テーブル181c、ハズレのときの各回転リール25の停止位置を定めた個別テーブル181c、BBゲーム役の当選フラグ持ち越し中の当選状況に応じた各回転リール25の停止位置を定めた個別テーブル181c、BBゲーム中の当選状況に応じた各回転リール25の停止位置を定めた個別テーブル181c等を備えることができる。なお、個別テーブル181cとしてはこれらに限定されるものではない。
【0098】
なお、本形態に係るスロットマシン10では、個別テーブル181cも、共通テーブルAや共通テーブルBと同様に、停止位置に関する情報として、各図柄位置に対応する直接的な停止位置が定められた第1テーブルと、停止するまでの移動コマ数が定められた第2テーブルとを備えている。
(停止制御内容定義テーブル182)
停止制御内容定義テーブル182は、
図7に示すように、役抽選手段140による抽選の結果及び回転リール25に応じて選択される停止テーブル181や、共通テーブルBが選択された場合に後述の図柄位置補正手段184により置き換えられる(補正される)所定の図柄位置及び置き換えの内容などを定めたものである。
【0099】
たとえば、停止制御内容定義テーブル182には、
図7に示すように、第1ベル役に当選したときに左リール22を停止させる場合には、選択される停止テーブル181として、共通テーブルAが定められている。また、第1ベル役に当選したときに中リール23を停止させる場合には、選択される停止テーブル181として、共通テーブルBが定められ、また、後述の図柄位置補正手段184により置き換えられる内容として、全図柄位置について図柄番号を「+1」する旨(すなわち、各図柄位置を1図柄分上にずらした図柄位置とみなす旨)が定められている。また、共通テーブル181aが選択される場合以外の、抽選結果及び回転リール25については、選択される停止テーブル181として、個別テーブル181cが定められている。
【0100】
(選択手段183)
選択手段183は、ストップスイッチ38が操作されることを契機に、停止制御内容定義テーブル182を参照して、役抽選手段140による抽選の結果及び操作されたストップスイッチ38に対応する回転リール25に応じた停止テーブル181の選択や、後述の図柄位置補正手段184により置き換えられる(補正される)内容の取得を行うためのものである。
たとえば、選択手段183は、第2ベル役に当選したときであって左リール22に対応するストップスイッチ38が操作された場合には、この操作を契機として、停止制御内容定義テーブル182を参照し、停止テーブル181として共通テーブルAを選択する。また、第2ベル役に当選したときであって中リール23に対応するストップスイッチ38が操作された場合には、この操作を契機として、停止制御内容定義テーブル182を参照し、停止テーブル181として共通テーブルBを選択するとともに、後述の図柄位置補正手段184により置き換えられる内容として、全図柄位置について図柄番号を「+1」する旨(すなわち、各図柄位置を1図柄分上にずらした図柄位置とみなす旨)を取得する。
【0101】
(図柄位置補正手段184)
図柄位置補正手段184は、前記選択手段183により、停止制御内容定義テーブル183から置き換えの内容が取得された場合に、この取得された内容に基づいて、ストップスイッチ38が操作された時点における図柄位置の置き換えを行うためのものである。
たとえば、第2ベル役に当選したときであって中リール23に対応するストップスイッチ38が操作されると、上述のように、選択手段183により、共通テーブルBが選択されるとともに、図柄位置の置き換えの内容として、全図柄位置について図柄番号を「+1」する旨(すなわち、各図柄位置を1図柄分上にずらした図柄位置とみなす旨)を取得する。そして、このストップスイッチ38が操作された時点の図柄位置が、たとえば、11番の「リプレイ」であった場合には、図柄位置補正手段184は、この図柄番号「11番」を「12番(=11+1)」に置き換える。
【0102】
(停止位置情報取得手段185)
停止位置情報取得手段185は、選択手段183により選択された停止テーブル181、及び、ストップスイッチ38が操作された時点の回転リール25の図柄位置に基づいて、当該回転リール25の停止位置に関する情報を取得するためのものである。すなわち、停止位置情報取得手段185は、第1テーブルからは、各図柄位置における停止の可否(すなわち、停止可能位置)を取得し、第2テーブルからは、移動コマ数を取得する。
たとえば、上述の場合のように、図柄位置補正手段184により図柄番号が「12番」に置き換えられた場合には、停止位置情報取得手段185は、選択手段183により選択された共通テーブルBの図柄番号「12番」に定められた停止位置に関する情報、すなわち、4コマの移動コマ数(図柄番号「16番」で停止可能、すなわち4コマ先が停止可能位置)が取得される。
【0103】
また、第2再遊技役に当選したときに左リール22に対応するストップスイッチ38が操作されると、選択手段183により共通テーブルAが選択される。そして、このストップスイッチ38が操作された時点の図柄位置が、たとえば、15番の「リプレイ」であった場合には、停止位置情報取得手段185は、選択手段183により選択された共通テーブルAの図柄番号「15番」に定められた停止位置に関する情報、すなわち、2コマの移動コマ数(図柄番号「17番」で停止可能、すなわち2コマ先が停止可能位置)が取得される。
(停止実行手段186)
停止実行手段186は、停止位置情報取得手段185により取得された停止位置に関する情報に基づいて、対応する回転リール25を停止させるものである。
【0104】
たとえば、上述のように、第2ベル役に当選したときであって中リール23に対応するストップスイッチ38が操作され、このストップスイッチ38が操作された時点の図柄位置が11番の「リプレイ」であった場合には、図柄位置補正手段184により置き換えられた図柄番号「12番」に基づいて、停止位置情報取得手段185により4コマの移動コマ数が取得される。したがって、停止実行手段186は、ストップスイッチ38が操作された時点の図柄位置(11番の「リプレイ」)から4コマ先、すなわち、15番の「ベル」が中段ライン91上に表示されることとなる停止位置で、中リール23を停止させる。
また、上述のように、第2再遊技役に当選したときに左リール22に対応するストップスイッチ38が操作され、このストップスイッチ38が操作された時点の図柄位置が15番の「リプレイ」であった場合には、停止位置情報取得手段185により2コマの移動コマ数が取得される。したがって、停止実行手段186は、ストップスイッチ38が操作された時点(15番の「リプレイ」)から2コマ先、すなわち、17番の「ベル」が中段ライン91上に表示されることとなる停止位置で、左リール22を停止させる。
【0105】
(停止態様判定手段190)
停止態様判定手段190は、役抽選手段140による抽選の結果、所定の役に当選し、かつ、回転リール25が停止した状態で表示される図柄51の停止表示態様が、役に応じて予め定められた図柄51の組み合わせになっているか否かを判定し、この判定結果に基づいた制御を行うためのものである。すなわち、所定の役を構成する図柄51の組み合わせが停止した場合に、この停止に係る役に応じた制御信号を出力するように形成されている。
具体的には、停止態様判定手段190は、各種制御手段に前記制御信号を出力する。そして、たとえば、所定の制御信号が入力された遊技制御手段120は、ホッパーユニット27が所定枚数の遊技メダルを払い出すように制御する。また、制御信号が入力された後述の演出制御手段200は、演出装置50により所定の演出が行われるように制御する。また、再遊技役に係る制御信号が入力された遊技制御手段120は、再遊技を行う。また、特別遊技役に係る制御信号が入力された特別遊技制御手段122は、特別遊技を開始する。
【0106】
(演出制御手段200)
演出制御手段200は、各種制御手段から出力される信号が入力されることを契機として、遊技に関する演出を、ランプ52、液晶表示装置53、スピーカー54などの演出装置50により実行するためのものである。
また、遊技に関する演出としては、たとえば、役抽選手段140により所定の役に当選した旨を報知するための当選報知演出、特別遊技(たとえば、BBゲーム)が開始した場合に、当該特別遊技を盛り上げるための演出などが挙げられる。
(スロットマシン10の動作)
次に、上記構成を備えたスロットマシン10の動作の概略について、
図8から
図10までに示したフローを用いて説明する。
【0107】
図8に示すステップ100において、スタートスイッチ37が操作されたか否かが判定される。そして、スタートスイッチ37が操作されたと判定された場合、次のステップ101に進む。一方、スタートスイッチ37が操作されていないと判定された場合、ステップ100に戻る。
ステップ101において、スタートスイッチ37の操作に基づき、当該スタートスイッチ37がONとなる。そして、次のステップ102に進む。
ステップ102において、役抽選手段140により役抽選処理が行われる。そして、次のステップ103に進む。
【0108】
ステップ103において、回転開始制御手段160により、すべての回転リール25が回転を開始する。そして、次のステップ104に進む。
ステップ104において、ストップスイッチ38が操作されたか否かが判定される。そして、ストップスイッチ38が操作されたと判定された場合、次のステップ105に進む。一方、ストップスイッチ38が操作されていないと判定された場合、ステップ104に戻る。
ステップ105において、ストップスイッチ38の操作に基づき、当該ストップスイッチ38がONとなる。そして、次のステップ106に進む。
ステップ106において、回転停止制御手段180により、回転リール停止処理が行われる。そして、次のステップ107に進む。
【0109】
ステップ107において、すべての回転リール25が停止したか否かが判定される。そして、すべての回転リール25が停止したと判定された場合、次のステップ108に進む。一方、すべての回転リール25が停止していないと判定された場合、ステップ104に戻る。
ステップ108において、停止態様判定手段190により、いずれかの役を構成する図柄51の組み合わせが中段ライン91に停止したか否かが判定される。そして、いずれかの役を構成する図柄51の組み合わせが中段ライン91に停止した場合には、対応する役に基づいて、所定枚数の遊技メダルの払い出し、特別遊技の開始等が行われる。そして、遊技が終了する。
【0110】
次に、上述したステップ102の役抽選処理について、
図9のフローを用いて説明する。
ステップ200において、乱数発生手段により発生した乱数の中から、乱数抽出手段により乱数が取得される。そして、次のステップ201に進む。
ステップ201において、取得された乱数が所定のメモリに記憶される。そして、次のステップ202に進む。
ステップ202において、現時点で実行されている遊技が取得される。そして、次のステップ203に進む。
【0111】
ステップ203において、取得された遊技に基づいて、対応する抽選テーブルが選択される。そして、次のステップ204に進む。
ステップ204において、前記抽出された乱数が、選択された抽選テーブルのいずれかの役当選領域に属するか否かの判定が、当選判定手段により行われる。そして、前記乱数がいずれかの役当選領域に属すると判定された場合、次のステップ205に進む。一方、前記乱数がいずれの役当選領域にも属さない、すなわち、前記乱数がハズレ領域に属すると判定された場合、役抽選処理が終了する。
ステップ205において、フラグ成立手段が、前記役当選領域に対応する役の当選フラグを成立させ、役抽選処理が終了する。
【0112】
次に、上述したステップ106の回転リール停止処理について、
図10のフローを用いて説明する。
ステップ300において、役抽選手段140による抽選の結果、及び、操作されたストップスイッチ38に基づいて、選択手段183により、停止制御内容定義テーブル182が参照される。そして、次のステップ301に進む。
ステップ301において、停止制御内容定義テーブル182の参照結果に基づいて、選択手段183により、対応する停止テーブル181が選択される。また、停止制御内容定義テーブル182に図柄位置の置き換えについて定められていた場合には、選択手段183により、前記図柄位置の置き換え内容が取得される。そして、ステップ302に進む。
【0113】
ステップ302において、選択手段183により、前記図柄位置の置き換え内容が取得されたか否かが判定される。そして、取得されたと判定された場合、次のステップ303に進む。一方、取得されていないと判定された場合、ステップ304に進む。
ステップ303において、図柄位置補正手段184により、ストップスイッチ38が操作された時点の回転リール25の図柄位置が、前記図柄位置の置き換え内容に基づいて置き換えられる。そして、ステップ304に進む。
ステップ304において、選択手段183により選択された停止テーブル181、及び、現時点における図柄位置(すなわち、図柄位置の置き換えが行われた場合には置き換え後の図柄位置、図柄位置の置き換えが行われていない場合にはストップスイッチ38が操作された時点の図柄位置)に基づいて、停止位置情報取得手段185により、停止位置に関する情報が取得される。そして、ステップ305に進む。
【0114】
ステップ305において、停止実行手段186が、前記回転リール25を、停止位置情報手段185により取得された情報に基づく停止位置で停止させる。そして、回転リール停止処理が終了する。
(まとめ)
本形態に係るスロットマシン10においては、全図柄位置のそれぞれに対応する停止位置が一致することとなる場合が複数あるとき(第1ベル役当選時における左リール22の停止、第2ベル役当選時における左リール22の停止、及び、第2再遊技役当選時における左リール22の停止の場合)には、前記内容を共通に定めた共通テーブル181a(共通テーブルA)を備え、いずれの場合にも、この共通テーブル181aに基づいて回転リール25の停止制御を行う。したがって、全図柄位置のそれぞれに対応する停止位置が一致する場合については、共通テーブル181aを設けることにより、それぞれの場合ごとに停止テーブル181を設ける必要が無くなるため、ROM等の記憶手段に記憶される停止テーブル181のデータ量を削減することが可能であって、ハードウェア資源を有効に利用することが可能となるのである。
【0115】
また、本形態に係るスロットマシン10においては、所定の図柄位置を他の図柄位置に置き換える(全図柄位置を1図柄分上にずらした図柄位置に置き換える)ことにより、全図柄位置のそれぞれに対応する停止位置が一致することとなる場合が複数あるとき(第1ベル当選時における中リール23の停止、第2ベル当選時における中リール23の停止、第1再遊技役当選時における中リール23の停止、及び、第2再遊技役当選時における中リール23の停止の場合)には、前記内容を共通に定めた共通テーブル181a(共通テーブルB)を備え、いずれの場合にも、この共通テーブル181aに基づいて回転リール25の停止制御を行う。したがって、所定の図柄位置を他の図柄位置に置き換えることにより、全図柄位置のそれぞれに対応する停止位置が一致することとなる場合については、共通テーブル181aを設けることにより、それぞれの場合ごとに停止テーブル181を設ける必要が無くなるため、ROM等の記憶手段に記憶される停止テーブル181のデータ量を削減することが可能であって、ハードウェア資源を有効に利用することが可能となるのである。
【0116】
(変形例1)
上記形態に係るスロットマシン10では、共通テーブル181aとして、共通テーブルA及び共通テーブルBを備えていたが、これに限定されるものではなく、複数の場合において共通に選択し、共通的に停止制御を行えるような設定が可能であれば、他の共通テーブルを備えることもできる。
具体的には、同一の抽選結果であって異なる回転リール25を停止させるときや、異なる抽選結果であって異なる回転リール25を停止させるときに、全図柄位置それぞれに対応する停止位置を共通化できる場合には、当該内容を定めた共通テーブル181aを設けることができる。
【0117】
たとえば、上記形態に係るスロットマシン10において、左リール22における「ベル」の図柄51の配置パターンが、中リール23における「ベル」の図柄51の配置パターンと一致しているとともに、いずれの回転リール25においても、「ベル」の1図柄上には「リプレイ」が配置されているものとする。すなわち、いずれの回転リール25においても、全範囲にわたって、「リプレイ」→「ベル」というパターンの配列が含まれているものとする。また、「ベル」の図柄51は、両回転リール25の同位置にそれぞれ配置されているものとする。
そして、この場合に、「ベル」の図柄51を中段ライン91上に停止させるような、全図柄位置のそれぞれに対応する停止位置を定めた共通テーブル181aを設けておく。
【0118】
すると、第1ベル役(「ベル」「ベル」「ベル」)に当選したときに左リール22を停止させる場合、第1ベル役に当選したときに中リール23を停止させる場合、第2ベル役(「ベル」「ベル」「チェリー」)に当選したときに左リール22を停止させる場合、第2ベル役に当選したときに中リール23を停止させる場合、及び、第2再遊技役(「ベル」「リプレイ」「リプレイ」)に当選したときに左リール22を停止させる場合にはいずれも、中段ライン91上に「ベル」の図柄51を停止させるような停止制御を行うこととなるため、いずれの場合においても、前記共通テーブル181aを選択して、いずれの回転リール25をも停止させることができる。
【0119】
また、第1再遊技役(「リプレイ」「リプレイ」「リプレイ」)に当選したときに左リール22を停止させる場合、第1再遊技役に当選したときに中リール23を停止させる場合、及び、第2再遊技役に当選したときに中リール23を停止させる場合にはいずれも、中段ライン91上に「リプレイ」の図柄51を停止させるような停止制御を行うこととなるため、各回転リール25における各図柄位置を1図柄分上にずらした図柄位置に置き換えて、前記共通テーブル181aを参照することで、いずれの回転リール25をも停止させることができる。
なお、上述のような設定の場合には、共通テーブル181aに、「リプレイ」の図柄51を中段ライン91上に停止させるような、全図柄位置のそれぞれに対応する停止位置を定めてもよい。このように定めたときは、中段ライン91上に「リプレイ」の図柄51を停止させるような停止制御を行う場合(たとえば、第1再遊技役当選時に左リール22を停止する場合等)には、図柄位置は置き換えることなく、前記共通テーブル181aを参照して、対象の回転リール25を停止させることができるものの、中段ライン91上に「ベル」の図柄51を停止させるような停止制御を行う場合(たとえば、第1ベル役当選時に左リール22を停止する場合等)には、各図柄位置を1図柄分下にずらした図柄位置に置き換えて、前記共通テーブル181aを参照することで、対象の回転リール25を停止させることができる。
【0120】
また、共通テーブル181aに「リプレイ」→「ベル」という配列の1図柄下にある図柄を中段ライン91上に停止させるような、全図柄位置のそれぞれに対応する停止位置を定めてもよい。このように定めたときは、中段ライン91上に「リプレイ」の図柄51を停止させるような停止制御を行う場合には、各図柄位置を2図柄分上にずらした図柄位置に置き換えて、前記共通テーブル181aを参照することで、対象の回転リール25を停止させることができ、中段ライン91上に「ベル」の図柄51を停止させるような停止制御を行う場合には、各図柄位置を1図柄分上にずらした図柄位置に置き換えて、前記共通テーブル181aを参照することで、対象の回転リール25を停止させることができる。
【0121】
また、上記形態に係るスロットマシン10において、チェリー役に当選したときには、左リール22においては、「チェリー」図柄を中段ライン91上に停止させるように停止制御するものの、中リール23及び右リール24はいずれの図柄位置を停止位置としてもよい。したがって、全図柄位置のそれぞれに対応する停止位置を所定のパターンで定めた共通テーブル181aを設けておけば、チェリー役に当選したときに中リール23を停止させる場合、及び、チェリー役に当選したときに右リール24を停止させる場合にはいずれも、前記共通テーブル181aを選択して、両方の回転リール25を停止させることができる。
また、上記形態に係るスロットマシン10において、中段ライン91にいずれの役を構成する図柄51も停止しないような所定の停止パターンを定めた共通テーブル181aを設けておき、役抽選手段140による抽選の結果がハズレとなった場合には、前記共通テーブル181aを選択して、回転リール25を停止させることもできる。また、中段ライン91に所定の役(上記形態では第1ベル役)を構成する図柄51の組み合わせを停止させるためのストップスイッチ38の操作順序が対応付けられており、当該操作順序以外でストップスイッチ38が操作されることにより、中段ライン91にいずれの役を構成する図柄51の組み合わせも停止しない(いわゆる取りこぼし出目が停止する)ように回転リール25を停止させる場合にも、前記共通テーブル181aを用いることができる。
【0122】
そして、このように設定した場合にも、上記形態に係るスロットマシン10と同様の効果を奏することとなる。
(変形例2)
上記形態に係るスロットマシン10では、第1ベル役当選時及び第2ベル役当選時には、中リール23の全図柄位置をそれぞれ1図柄分上にずらした図柄位置に置き換えて、共通テーブルBを参照していたが、図柄位置の置き換えについてはこれに限定されるものではない。
具体的には、所定の回転リール25における図柄位置全体の置き換え(すなわち、回転リール25に依存した置き換え)ではなく、所定の回転リール25における一部の図柄位置の置き換え(すなわち、図柄番号に依存した置き換え)を行ってもよい。
【0123】
たとえば、所定の抽選結果(以下、抽選結果Aとする)のときに左リール22を停止させる場合における全図柄位置のそれぞれの停止位置が、
図11(a)に示すような停止位置となっていたものとする。また、他の抽選結果(以下、抽選結果Bとする)のときに左リール22を停止させる場合における全図柄位置のそれぞれの停止位置が、
図11(b)に示すような停止位置となっていたものとする。
すなわち、抽選結果Aのときの停止位置と、抽選結果Bのときの停止位置とでは、図柄番号「8番」から図柄番号「10番」までの図柄位置に対応する停止位置のみ異なり、それ以外は一致している(
図11参照)。
【0124】
ここで、共通テーブル181aとして、
図11(a)に示す、抽選結果Aのときの全図柄位置に対応する停止位置の内容を定めたものを設けるとする。
すると、抽選結果Aのときに左リール22を停止させる場合には、前記共通テーブル181aを選択して、この共通テーブル181aに定められた停止位置で停止させることができる。 これに対して、抽選結果Bのときに左リール22を停止させる場合には、図柄番号「8番」から図柄番号「10番」までの図柄位置については、「8番」を「16番」に、「9番」を「17番」に、「10番」を「18番」にそれぞれ置き換えて、前記共通テーブル181aを参照することで、この共通テーブル181aに定められた停止位置で停止させることができる。
【0125】
具体的には、停止制御内容定義テーブル182に、抽選結果Bのときの左リール22について、選択される停止テーブル181として前記共通テーブル181a、図柄位置の置き換えの内容として、「8番」を「16番」にする旨、「9番」を「17番」にする旨、「10番」を「18番」にする旨を定めておく。すると、抽選結果Bのときに左リール22に対応するストップスイッチ38が操作されたときには、選択手段183により、前記共通テーブル181aが選択され、停止制御内容定義テーブル182から前記図柄位置の置き換え内容が取得される。そして、前記ストップスイッチ38が操作されたときの図柄位置が「8番」であった場合には、図柄位置補正手段184により、「8番」が「16番」に置き換えられ、停止位置情報取得手段185により、この置き換えられた図柄位置に基づいて前記共通テーブル181aから停止位置に関する情報が取得される。すると、前記共通テーブル181aの「16番」には、「0コマ」の移動コマ数が定められているため、8番の図柄51が中段ライン91上に表示された位置で、左リール22は停止する。
【0126】
上述のように、図柄位置の置き換えとしては、所定の回転リール25における一部の図柄位置の置き換えを行ってもよい。また、このような置き換えは、同一の回転リール25において行うのみならず、異なる回転リール25においても同様に行うことができる。
そして、このように設定した場合にも、上記形態に係るスロットマシン10と同様の効果を奏することとなる。
(第2の形態)
以下、
第2の形態を図面を参照しつつ説明する。
第1の形態に係るスロットマシン10は、回転リール25の全図柄位置のそれぞれに対応する停止位置を定めた共通テーブル181aを備えていたが、第2の形態に係るスロットマシン10は、回転リール25の全図柄位置については一致していないものの、全図柄位置のうち一部の図柄位置について停止位置を共通化できる場合には、この一部の図柄位置のそれぞれに対応する停止位置を定めた共通テーブル181aを備えている。そして、第2の形態に係るスロットマシン10は、共通テーブル181aの構成が第1の形態に係るスロットマシン10と異なるものの、その他の構成については第1の形態に係るスロットマシン10と同一である。以下、第1の形態に係るスロットマシン10との相違点について詳述する。
【0127】
(停止テーブル181)
本形態に係るスロットマシン10は、停止テーブル181として、共通テーブル181aと、固有テーブル181bと、個別テーブル181cとを備えている。
ここで、本形態における共通テーブル181aは、異なる複数の抽選結果において同一又は異なる回転リール25停止させる場合や、同一の抽選結果において異なる回転リール25を停止させる場合に共通に選択され得るものであって、回転リール25の全図柄位置のうち一部の図柄位置のそれぞれに対応する停止位置に関する情報を定めた停止テーブル181である。すなわち、本形態における共通テーブル181aは、一部の図柄位置についてそれぞれ対応する停止位置を決定するためのものである。
【0128】
また、固有テーブル181bは、全図柄位置のうち、共通テーブル181aを用いて停止位置が決定される図柄位置以外の残りの図柄位置について、それぞれ対応する停止位置に関する情報を定めた停止テーブル181である。すなわち、固有テーブル181bは、共通テーブル181bに付属するものであって、共通テーブル181a及び固有テーブル181bにより、一の回転リール25における全図柄位置のそれぞれに対応する停止位置が決定されることとなる。
また、個別テーブル181cは、第1の形態と同様である。
(共通テーブル181a)
本形態に係るスロットマシン10では、
図12及び
図13に示すように、共通テーブル181aとして、共通テーブルC及び共通テーブルDを備えている。
【0129】
(1)共通テーブルC
本形態に係るスロットマシン10では、第1BBゲーム役(「黒BAR」「黒BAR」「黒BAR」)に当選したときの左リール22については、
図12(a)に示すような停止位置で停止させるようになっている。また、第2BBゲーム役(「赤7」「赤7」「赤7」)に当選したときの左リール22については、
図12(b)に示すような停止位置で停止させるようになっている。また、第2BBゲーム役に当選したときの中リール23については、
図12(c)に示すような停止位置で停止させるようになっている。
これらの場合にはいずれも、図柄番号「0番」から図柄番号「13番」までの各図柄位置に対応する停止位置、及び、図柄番号「18番」から図柄番号「20番」までの各図柄位置に対応する停止位置が共通し、図柄番号「14番」から図柄番号「17番」までの各図柄位置に対応する停止位置は異なっている(
図12参照)。
【0130】
そこで、本形態における共通テーブルCは、上記いずれの場合にも共通に選択されるようになっているとともに、上記いずれの場合にも共通する、図柄番号「0番」から図柄番号「13番」までの各図柄位置に対応する停止位置、及び、図柄番号「18番」から図柄番号「20番」までの各図柄位置に対応する停止位置が定められている(
図12(e)参照)。
すなわち、上記の場合において、停止の対象となる回転リール25に対応するストップスイッチ38が操作された時点の図柄位置が、図柄番号「0番」から図柄番号「13番」までのいずれかの図柄位置、又は、図柄番号「18番」から図柄番号「20番」までのいずれかの図柄位置であったときには、前記共通テーブルCを選択して、この共通テーブルCに定められた停止位置で、停止の対象の回転リール25を停止させることができる。
【0131】
また、本形態に係るスロットマシン10では、第3BBゲーム役(「赤7」「赤7」「黒BAR」)に当選したときの中リール23については、
図12(d)に示すような停止位置で停止させるようになっている。
そして、この場合には、図柄番号「0番」から図柄番号「12番」までの各図柄位置に対応する停止位置、並びに、図柄番号「19番」及び図柄番号「20番」の各図柄位置に対応する停止位置は、前記共通テーブルCに定められた停止位置とは異なるものの、図柄番号「0番」から図柄番号「12番」までの各図柄位置、並びに、図柄番号「17番」から図柄番号「20番」までの各図柄位置をそれぞれ1図柄分上にずらした図柄位置に置き換えて、共通テーブルCを参照すれば、前記一部の図柄位置のそれぞれに対応する停止位置が、共通テーブルCに定められた前記図柄位置のそれぞれに対応する停止位置と一致することとなる。
【0132】
したがって、第3BBゲーム役に当選したときに中リール23を停止させる場合において、対応するストップスイッチ38が操作された時点の図柄位置が、図柄番号「0番」から図柄番号「12番」までのいずれかの図柄位置、又は、図柄番号「17番」から図柄番号「20番」までのいずれかの図柄位置であったときには、当該図柄位置を1図柄分上にずらした図柄位置に置き換えて(すなわち、図柄番号を1加算して)、前記共通テーブルCを参照することで、中リール23を適切な停止位置で停止させることができる。
なお、共通テーブルCには、上述の内容ではなく、
図12(d)に示すような、第3BBゲーム役に当選したときの中リール23における前記一部の図柄位置に対応する停止位置を定めてもよい。このように定めたときは、第1BBゲーム役に当選したときに左リール22を停止させる場合等において、対象となる一部の図柄位置をそれぞれ1図柄下の図柄位置に置き換えて、共通テーブルCを参照して、対象となる回転リール25を停止させればよい。
【0133】
(2)共通テーブルD
本形態に係るスロットマシン10では、スイカ役(「スイカ」「スイカ」「スイカ」)に当選したときの左リール22については、
図13(a)に示すような停止位置で停止させるようになっている。また、スイカ役に当選したときの右リール24については、
図13(b)に示すような停止位置で停止させるようになっている。
これらの場合にはいずれも、図柄番号「0番」及び図柄番号「1番」の各図柄位置に対応する停止位置、図柄番号「7番」から図柄番号「14番」までの各図柄位置に対応する停止位置、並びに、図柄番号「20番」の図柄位置に対応する停止位置が共通し、図柄番号「2番」から図柄番号「6番」までの各図柄位置に対応する停止位置、並びに、図柄番号「15番」から図柄番号「19番」までの各図柄位置に対応する停止位置は異なっている(
図13参照)。
【0134】
そこで、本形態における共通テーブルDは、上記いずれの場合にも共通に選択されるようになっているとともに、上記いずれの場合にも共通する、図柄番号「0番」及び図柄番号「1番」の各図柄位置に対応する停止位置、図柄番号「7番」から図柄番号「14番」までの各図柄位置に対応する停止位置、並びに、図柄番号「20番」の図柄位置に対応する停止位置が定められている(
図13(c)参照)。
すなわち、上記の場合において、停止の対象となる回転リール25に対応するストップスイッチ38が操作された時点の図柄位置が、図柄番号「0番」及び図柄番号「1番」のいずれかの図柄位置、図柄番号「7番」から図柄番号「14番」までのいずれかの図柄位置、又は、図柄番号「20番」の図柄位置であったときには、前記共通テーブルDを選択して、この共通テーブルDに定められた停止位置で、停止の対象の回転リール25を停止させることとなる。
【0135】
なお、共通テーブルDには、共通テーブルCと同様に、複数の異なる場合において、各図柄位置に対応する停止位置が異なっていたとしても、所定の図柄位置を他の図柄位置に置き換えたとすれば、各図柄位置に対応する停止位置が一致することとなるときには、この一致する停止位置の内容を定めることもできる。
(固有テーブル181b)
本形態に係るスロットマシン10では、
図12及び
図13に示すように、固有テーブル181bとして、固有テーブルA、固有テーブルB、固有テーブルC、固有テーブルD、固有テーブルE、及び、固有テーブルFを備えている。
【0136】
(1)固有テーブルA、固有テーブルB、固有テーブルC、及び、固有テーブルD
固有テーブルA、固有テーブルB、固有テーブルC、及び、固有テーブルDはいずれも、全図柄位置のうち、共通テーブルCを用いて停止位置が決定される図柄位置以外の残りの図柄位置について、対応する停止位置を定めたものである。
具体的には、固有テーブルAは、第1BBゲーム役に当選したときの左リール22における図柄番号「14番」から図柄番号「17番」までの各図柄位置に対応する停止位置を定めたものである。また、固有テーブルBは、第2BBゲーム役に当選したときの左リール22における図柄番号「14番」から図柄番号「17番」までの各図柄位置に対応する停止位置を定めたものである。また、固有テーブルCは、第2BBゲーム役に当選したときの中リール23における図柄番号「14番」から図柄番号「17番」までの各図柄位置に対応する停止位置を定めたものである。また、固有テーブルDは、第3BBゲーム役に当選したときの中リール23における図柄番号「13番」から図柄番号「16番」までの各図柄位置に対応する停止位置を定めたものである(
図12(f)参照)。
【0137】
たとえば、第1BBゲーム役に当選したときに左リール22に対応するストップスイッチ38が操作された時点の図柄位置が、図柄番号「14番」であったときには、固有テーブルAを選択して、この固有テーブルAに定められた停止位置で、左リール22を停止させることとなる。
なお、複数の固有テーブルがいずれも、各図柄位置に対応する停止位置が共通となっている場合には、複数の固有テーブル181bを備えるのではなく、これらの内容を共通に定めた1つの共通テーブル181aを備えるようにしてもよい。
(2)固有テーブルE、及び、固有テーブルF
固有テーブルE及び固有テーブルFはいずれも、全図柄位置のうち、共通テーブルDに定められた一部の図柄位置以外の各図柄位置について、対応する停止位置を定めたものである。
【0138】
具体的には、固有テーブルEは、スイカ役に当選したときの左リール22における図柄番号「2番」から図柄番号「6番」までの各図柄位置に対応する停止位置、並びに、図柄番号「15番」から図柄番号「19番」までの各図柄位置に対応する停止位置を定めたものである。また、固有テーブルFは、スイカ役に当選したときの右リール24における図柄番号「2番」から図柄番号「6番」までの各図柄位置に対応する停止位置、並びに、図柄番号「15番」から図柄番号「19番」までの各図柄位置に対応する停止位置を定めたものである(
図13(d)参照)。
たとえば、スイカ役に当選したときに右リール24に対応するストップスイッチ38が操作された時点の図柄位置が、図柄番号「5番」であったときには、固有テーブルFを選択して、この固有テーブルFに定められた停止位置で、右リール24を停止させることとなる。
【0139】
(個別テーブル181c)
個別テーブル181cは、第1の形態と同様であり、上記共通テーブル181aが選択されることとなる場合以外の、各抽選結果及び各回転リール25ごとに、全図柄位置のそれぞれに対応する停止位置に関する情報を定めたものである。
(停止制御内容定義テーブル182)
本形態に係る停止制御内容定義テーブル182では、
図14に示すように、役抽選手段140による抽選の結果、回転リール25及び図柄位置に応じて、選択される停止テーブル181や図柄位置の置き換えの内容等が定められるようになっている。
【0140】
たとえば、停止制御内容定義テーブル182には、第1BBゲーム役に当選したときの左リール22について、図柄番号「1番」から図柄番号「13番」までの図柄位置、及び、図柄番号「18番」から図柄番号「20番」までの図柄位置に対しては、選択される停止テーブル181として共通テーブルCが定められ、図柄番号「14番」から図柄番号「17番」までの図柄位置に対しては、選択される停止テーブル181として固有テーブルAが定められる。
また、第3BB役に当選したときの中リール23について、図柄番号「0番」から図柄番号「12番」までの図柄位置、及び、図柄番号「17番」から図柄番号「20番」までの図柄位置に対しては、選択される停止テーブル181として共通テーブルCが定められ、図柄番号「13番」から図柄番号「16番」までの図柄位置に対しては、選択される停止テーブル181として固有テーブルDが定められる。さらに、図柄位置の置き換えの内容として、図柄番号「0番」から図柄番号「12番」までの図柄位置、並びに、図柄番号「17番」から図柄番号「20番」までの図柄位置に対して、各図柄位置を1図柄分上にずらした図柄位置に置き換える旨(図柄番号を「+1」する旨)が定められる。
【0141】
なお、選択手段183による停止テーブル181の選択、図柄位置の置き換えの内容の取得、図柄位置補正手段184による図柄位置の置き換え、停止位置情報取得手段185による停止位置に関する情報の取得、停止実行手段185による回転リール25の停止の実行については、第1の形態と同様である。
(まとめ)
本形態に係るスロットマシン10においては、全図柄位置のうち一部の図柄位置のそれぞれに対応する停止位置が一致することとなる場合が複数あるとき(第1BBゲーム役当選時における左リール22の停止、第2BBゲーム役当選時における左リール22の停止、及び、第2BBゲーム役当選時における中リール23の停止の場合や、スイカ役当選時における左リール22の停止及びスイカ役当選時における右リール24の停止の場合)には、前記内容を共通に定めた共通テーブル181a(共通テーブルC、共通テーブルD)を備え、いずれの場合にも、前記一部の図柄位置については、この共通テーブル181aに基づいて回転リール25の停止制御を行う。したがって、全図柄位置のうち一部の図柄位置のそれぞれに対応する停止位置が一致する場合については、当該内容について定めた共通テーブル181aを設けることにより、それぞれの場合ごとに停止テーブル181を設ける必要が無くなるため、ROM等の記憶手段に記憶される停止テーブル181のデータ量を削減することが可能であって、ハードウェア資源を有効に利用することが可能となるのである。
【0142】
また、本形態に係るスロットマシン10においては、所定の図柄位置を他の図柄位置に置き換える(図柄位置を1図柄分上にずらした図柄位置に置き換える等)ことにより、一部の図柄位置のそれぞれに対応する停止位置が一致することとなる場合が複数あるとき(第1BBゲーム役当選時における左リール22の停止、第2BBゲーム役当選時における左リール22の停止、第2BBゲーム役当選時における中リール23の停止、及び、第3BBゲーム役当選時における中リール23の停止の場合)には、前記一部の図柄位置について前記内容を共通に定めた共通テーブル181a(共通テーブルC)を備え、いずれの場合にも、この共通テーブル181aに基づいて回転リール25の停止制御を行う。したがって、所定の図柄位置を他の図柄位置に置き換えることにより、前記一部の図柄位置のそれぞれに対応する停止位置が一致することとなる場合については、共通テーブル181aを設けることにより、それぞれの場合ごとに停止テーブル181を設ける必要が無くなるため、ROM等の記憶手段に記憶される停止テーブル181のデータ量を削減することが可能であって、ハードウェア資源を有効に利用することが可能となるのである。
【0143】
(変形例)
上記形態に係るスロットマシン10では、
図14(a)及び(b)に示すように、スイカ役に当選したときの左リール22及びスイカ役に当選したときの中リール23は、図柄番号「0番」及び図柄番号「1番」、図柄番号「7番」から図柄番号「14番」まで、並びに、図柄番号「20番」の図柄位置に対応する停止位置が共通している。
そして、上記形態における共通テーブルDにおいて、
図14(c)に示すように、停止位置が共通する部分として、図柄番号「0番」及び図柄番号「1番」、図柄番号「7番」から図柄番号「14番」まで、並びに、図柄番号「20番」が定められている。すなわち、共通テーブルDに定められている停止位置が共通する部分は、3つのブロックに分かれており、図柄番号が連続していない。
【0144】
このように、停止位置が共通する部分が複数のブロックに分かれてしまっている場合には、この複数のブロックを1つにまとめ、連続した1のブロックに再配置した共通テーブル181aを設けることもできる。
具体的には、
図14(e)に示すように、停止位置が共通する部分である、図柄番号「20番」、図柄番号「14番」から図柄番号「7番」まで、並びに、図柄番号「1番」及び図柄番号「0番」の3つのブロックを1つにまとめ、連続した1のブロックに再配置した共通テーブルEを設けることができる。
また、このように停止位置の共通部分の再配置を行う場合には、
図14(g)に示すように、再配置前の図柄番号と再配置後の図柄番号との対応関係を定めた変換テーブル187を設けることができる。この変換テーブル187によれば、再配置前の図柄番号「20番」は再配置後の図柄番号「20番」に相当し、再配置前の図柄番号「14番」から図柄番号「7番」までは再配置後の図柄番号「19番」から図柄番号「12番」までに相当し、再配置前の図柄番号「1番」及び図柄番号「0番」は再配置後の図柄番号「11番」及び図柄番号「10番」に相当するものとなっている。
【0145】
このような共通テーブルEを用いた回転リール25の停止制御は、以下の通りとなる。
たとえば、スイカ役に当選したときであって左リール22を停止させるときに、ストップスイッチ38が操作された時点の図柄位置が、図柄番号「10番」であったものとする。すると、まず、停止制御内容定義テーブル182が参照されて、選択手段183により、共通テーブルEが選択される。そして、変換テーブル187に基づいて、この図柄番号「10番」の再配置後の図柄番号「15番」が取得される(
図14(g)参照)。その後、共通テーブルEに基づいて、停止位置情報取得手段185により、再配置後の図柄番号「15番」に対応する停止位置に関する情報(「4コマ」の移動コマ数)が取得される。そして、停止実行手段187が、この取得された停止位置に関する情報(「4コマ」の移動コマ数)に基づき、図柄番号「10番」から4コマ先の図柄番号「14番」の図柄51である「スイカ」が中段ライン91上に表示される位置で、左リール22を停止させる。
【0146】
なお、停止位置の共通部分のみならず、停止位置の共通部分以外の部分についても、上述と同様に再配置を行うことができる(
図14(f)参照)。
そして、このように設定した場合にも、上記形態に係るスロットマシン10と同様の効果を奏するとともに、図柄番号が不連続で複数のブロックに分かれて定められていた共通部分のデータが、連続した1のブロックにまとめて定められることとなるため、当該データをROM等の記憶手段に記憶する上でのデータの圧縮効率を高めることができ、停止テーブル181のデータ量をより効果的に削減することが可能となるのである。