(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の選択位置で停止する回動可能な操作ノブが装着される開口部を有するパネル本体の前記開口部の周囲に、前記選択位置を示す円環状の表示板を配置して成る操作パネルにおいて、
前記表示板の円環状の表示部の内周縁と外周縁を裏側に折り曲げて折曲部をそれぞれ形成し、前記パネル本体に、前記表示板の折曲部を保持する円筒状の保持部を形成し、該保持部の内周と外周の各側壁に複数の第1溶着リブを周方向に所定の間隔を設けてそれぞれ形成し、該第1溶着リブを前記表示板の折曲部に超音波溶着によって接合したことを特徴とする操作パネル。
前記パネル本体の保持部の円筒頂面の外周縁と内周縁に第2溶着リブを前記表示板の表示部に向かってそれぞれ突設し、該第2溶着リブを前記表示板の表示部の裏面に超音波溶着によって接合したことを特徴とする請求項1又は2記載の操作パネル。
前記表示板の表示部に透光性のシンボル部を設け、前記第2溶着リブの前記シンボル部に対応する位置に切欠き部を形成したことを特徴とする請求項3記載の操作パネル。
前記パネル本体の保持部の内周部と外周部に段差部をそれぞれ形成し、該段差部の奥行長さを前記表示板の折曲部の奥行長さよりも大きく設定したことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の操作パネル。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のようにパネル本体の前面に円環状の表示板を貼着する構成を採用すると、表示板の縁部(見切線)が現れてしまうため、操作パネルの外観性の低下を招くという問題があった。
【0006】
上記問題を解決する方法の1つとして、見切線が見えないように表示板に絞り加工を施し、該表示板の周縁部を裏面側に折り曲げて折曲部を形成する方法があるが、表示板の折曲部を貼着によってパネル本体に固定する場合、組付方向と貼着面とが平行となるために表示板の組み付けが困難であり、表示板の円環状の表示部のみがパネル本体に固定されるという問題がある。そして、表示板の折曲部がパネル本体に固定されていないと、その端部が浮き上がり、表示板の折曲部とパネル本体との間に隙間ができ、異音の発生や光漏れ等の問題が発生する。
【0007】
周縁部に絞り加工が施された表示板をパネル本体に固定する別の方法としては、インサート成形によって表示板とパネル本体を一体的に形成する方法があるが、この方法ではインサート成形のための金型が複雑化し、型費が嵩むという問題がある。
【0008】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、安価で見栄えの良い操作パネルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、複数の選択位置で停止する回動可能な操作ノブが装着される開口部を有するパネル本体の前記開口部の周囲に、前記選択位置を示す円環状の表示板を配置して成る操作パネルにおいて、前記表示板の円環状の表示部の内周縁と外周縁を裏側に折り曲げて折曲部をそれぞれ形成し、前記パネル本体に、前記表示板の折曲部を保持する円筒状の保持部を形成し、該保持部の内周と外周の各側壁に複数の第1溶着リブを周方向に所定の間隔を設けてそれぞれ形成し、該第1溶着リブを前記表示板の折曲部に超音波溶着によって接合したことを特徴とする。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記第1溶着リブを、前記パネル本体の保持部の内筒頂部に近い側より遠い側に向かって裾広がりに形成したことを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記パネル本体の保持部の円筒頂面の外周縁と内周縁に第2溶着リブを前記表示板の表示部に向かってそれぞれ突設し、該第2溶着リブを前記表示板の表示部の裏面に超音波溶着によって接合したことを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記表示板の表示部に透光性のシンボル部を設け、前記第2溶着リブの前記シンボル部に対応する位置に切欠き部を形成したことを特徴とする。
【0013】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4の何れかに記載の発明において、前記パネル本体の保持部の内周部と外周部に段差部をそれぞれ形成し、該段差部の奥行長さを前記表示板の折曲部の奥行長さよりも大きく設定したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1記載の発明によれば、パネル本体に予め形成した第1溶着リブと表示板の折曲部とを超音波溶着によって接合すれば良いため、パネル本体の保持部側壁での表示板の固定が可能となり、見切り線が見えないように内周縁と外周縁を裏側に折り曲げて折曲部を形成した表示板であっても、該折曲部をパネル本体に確実に固定してその浮き上がりを防ぐことができ、安価で見栄えの良い操作パネルを得ることができる。
【0015】
請求項2記載の発明によれば、第1溶着リブのパネル本体の保持部の円筒頂部に近い側は、表示板とパネル本体との隙間に入り、表示板の折曲部の側面とパネル本体とが溶着される。又、第1溶着リブのパネル本体保持部の円筒頂部から遠い側は、表示板の折曲部の端面に溶着される。このように1つの第1溶着リブで表示板の折曲部の側面と端面の2面がパネル本体に溶着されるため、表示板がパネル本体に一層確実に固定される。そして、このように第1溶着リブによって表示板の折曲部の端面と共に側面でもパネル本体に溶着するようにすれば、表示板やパネル本体の形状や寸法のバラツキの影響を受けることなく表示板の折曲部をパネル本体に確実に固定することができる。因みに、表示板を折曲部の端面だけでパネル本体に溶着する場合には、パネル本体の第1溶着リブと表示板の折曲部端面とが接しないために両者を溶着することができない場合がある。
【0016】
請求項3記載の発明によれば、パネル本体の保持部の円筒頂部の外周縁と内周縁に第2の溶着リブが表示板の表示部の裏面に超音波溶着によって接合されるため、表示板がパネル本体に一層強固に固定される。
【0017】
請求項4記載の発明によれば、パネル本体の第2溶着リブの表示板側のシンボル部に対応する位置に切欠き部を形成したため、この切欠き部においては第2リブが超音波溶着によって溶けて表示板と溶着面を形成することがなく、表示板のシンボル部の遮光性が溶着面によって損なわれることがない。
【0018】
請求項5記載の発明によれば、パネル本体の保持部の内周部と外周部に段差部をそれぞれ形成し、該段差部の奥行き長さを表示板の折曲部の奥行き長さよりも大きく設定したため、第2溶着リブが表示板の表示部裏面に常に確実に当接して両者が超音波溶着され、表示板の表示部のパネル本体への固定が確実になされる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0021】
図1は本発明に係る操作パネルの正面図、
図2は同操作パネルの分解斜視図、
図3は同操作パネルのパネル本体の正面図であり、
図1に示す操作パネル1は、車載の不図示の空調装置をコントロールするためのものであって、その前面には左から順に送風モード切替用スイッチ2、風量調節用スイッチ3、温度調節用スイッチ4が横方向に並設されている。又、操作パネル1の前面下部の幅方向中央部には、左からリアデフスイッチ5、エアコンスイッチ6、内外気切替スイッチ7が横方向に並設されている。尚、これらのリアデフスイッチ5とエアコンスイッチ6及び内外気切替スイッチ7は押圧式の角形スイッチであって、リアデフスイッチ5は、リアウインドに張設された不図示の熱線に通電して該熱線を加熱することによってリアウインドの曇りを取り除くためのものであり、エアコンスイッチ6は、エアコンモードを切り替えるためのものである。又、内外気切替スイッチ7は、車室内での内気循環と車室内への外気導入を切り替えるためのものである。
【0022】
ところで、
図1に示す操作パネル1においては、
図2及び
図3に示す樹脂製のパネル本体8の前面の外部に露出する部分(前記各種スイッチ2〜7を除く部位)には逆台形板状の外観パネル9が被着されており、操作パネル1の背面側には不図示の光源が配置されている。
【0023】
前記送風モード切替用スイッチ2と風量調節用スイッチ3及び温度調節用スイッチ4は、ダイヤル式の丸形スイッチであって、これらには複数の選択位置で停止する回動可能な操作ノブ10がそれぞれ設けられており、各操作ノブ10の先端部には、操作位置を指すための細長い指標部11がそれぞれ設けられている。これらの指標部11は、透光性材料によって構成されており、これらが不図示の光源からの光を前面側に透光させることによって各操作ノブ10の操作位置が示される。
【0024】
図2及び
図3に示す前記パネル本体8は、PCABS等の樹脂によって一体成形されており、これには前記送風モード切替用スイッチ2と風量調節用スイッチ3及び温度調節用スイッチ4に対応して3つの円筒状の保持部8Aが横方向に一体に形成されている。そして、各保持部8Aの中心に開口する円孔状の開口部8aには前記各操作ノブ10がそれぞれ回動可能に装着されている。
【0025】
又、
図2及び
図3に示すように、パネル本体8の下部中央部には横方向に細長い矩形枠状のハウジング8Bが一体に形成されており、このハウジング8Bには前記リアデフスイッチ5、エアコンスイッチ6及び内外気切替スイッチ7をそれぞれ装着するための矩形孔8b,8c,8dがそれぞれ形成されている。
【0026】
而して、パネル本体8の円筒状の3つの保持部8Aの各開口部8aの周囲には、各操作ノブ10の選択位置を示す円環状の表示板12,13,14が後述のように超音波溶着によってそれぞれ接合固定される。ここで、各表示板12〜14はPC等の透光性のシートによって構成されているが、
図1及び
図2に示すように、各表示板12〜14には、操作位置を示す絵や文字、数字等のシンボルが透光性のインクによって印刷された円環状の表示部12a,13a,14aがそれぞれ設けられている。そして、
図2に示すように、各表示板12〜14の表示部12a〜14aの内周縁と外周縁には、絞り加工によって裏側に折り曲げられた折曲部12b〜14b,12c〜14cがそれぞれ形成されており、外周側の各折曲部12c〜14cの頂部には位置決め凸部12d〜14dがそれぞれ一体に形成されている。ここで、各表示板12〜14の表示部12a〜14aの内外周縁にそれぞれ形成された折曲部12b〜14b,12c〜14cは、パネル本体8に一体に形成された3つの各保持部8Aによってそれぞれ保持される。又、パネル本体8の各保持部8Aの外周の頂部には、各表示板12〜14の折曲部12c〜14cの各頂部に形成された前記位置決め凸部12d〜14dが係合するための位置決め用溝8eがそれぞれ形成されている。
【0027】
ところで、
図1及び
図2に示すように、送風モード切替用スイッチ2の表示板12の表示部12aには、温風や冷風の吹出箇所や噴出方向を示す絵がシンボル部として表示され、風量調節用スイッチ3の表示板13の表示部13aには、ファンの絵と風量の大きさを示す「0」〜「4」の数字がシンボル部として表示され、温度調節用スイッチ4の表示板14の表示部14aには、「MAX A/C」の文字と温度の高低を示す目盛りがシンボル部として表示されている。これらの表示板12〜14の各表示部12a〜14aにおいては、シンボル部以外の部分は遮光性インクによって印刷されているため、シンボル部のみが光を通し、このシンボル部が明るく表示される。
【0028】
又、
図2に示すように、パネル本体8の3つの保持部8Aの背面には、各操作ノブ10の先端部にそれぞれ設けられた前記指標部11を透過する光を調整するための調光シート15がその周囲を両面テープ16によって接着することによって取り付けられている。尚、本実施の形態では、各調光シート15はPC等の樹脂によって構成されており、その中心には各操作ノブ10の不図示の回動軸が貫通するための円孔状の貫通孔15aがそれぞれ形成されている。
【0029】
次に、パネル本体8に形成された3つの保持部8Aのうち、温度調節用スイッチ4に対応する1つの保持部8Aの構成と該保持部8Aへの表示板14の接合構造及び接合方法を
図4〜
図10に基づいて以下に説明する。尚、パネル本体8の他の2つの保持部8Aの構成とこれらの保持部8Aへの表示板12,13の接合構造及び接合方法は同じであるため、これらについての説明は省略する。
【0030】
図4はパネル本体に設けられた保持部の斜視図、
図5は
図4のA部拡大詳細図、
図6は
図4のB部拡大詳細図、
図7は
図4のC部拡大詳細図、
図8は操作パネルの部分平断面図、
図9は表示板をパネル本体に接合する前の状態を示す部分平断面図、
図10は表示板をパネル本体に接合した後の状態を示す部分平断面図である。
【0031】
図4に示すように、パネル本体8に一体に形成された円筒状の保持部8Aは、表示板14の表示部14aの内外周縁にそれぞれ形成された折曲部14b,14cを接合保持するものであって、これには内外二重筒状の内筒17と外筒18が形成されている。ここで、保持部8Aの内周面(開口部8aの内周面)と内筒17との間には、操作ノブ10を位置決めするための円環状の装着溝19が形成されており、内周面(開口部8aの内周面)の縁部には、操作ノブ10のガタツキ防止と光漏れ防止用の円環状の凸部20が一体に形成されている。そして、保持部8Aの内周面の一部には、操作ノブ10の回動を規制するためのストッパ21が一体に突設されている。
【0032】
又、保持部8Aの内筒17と外筒18の間の円環状の空間の表示板14のシンボル部(「MAX A/C」の文字と温度の目盛り)に対応する位置には開口部22がそれぞれ形成されており、不図示の光源からの光が開口部22を通過して表示板14の各シンボル部を照らして照明する。
【0033】
ところで、パネル本体8の保持部8Aの内筒17は、表示板14の内周縁に形成された内側の折曲部14bを接合保持するためのものであって、その内周には、表示板14の内側の折曲部14bの外周面が嵌合するための大径(内筒17の内周径よりも折曲部14bの板厚分だけ大径)の段差部17aが形成されており、この段差部17aの端面(内筒17の内周面との段差面)には
図5に示すような複数の第1溶着リブ23が周方向に所定の間隔を設けて一体に形成されている。ここで、内筒17の内周に形成された段差部17aの奥行長さL1は、表示板14の内側の折曲部14bの奥行長さL2よりも長く設定されている(
図9参照)。又、
図5に詳細に示すように、第1溶着リブ23は、保持部8Aの内筒17の頂部(前端面)に近い側より遠い側に向かって裾広がりに形成されている。
【0034】
又、パネル本体8の保持部8Aの外筒18は、表示板14の外周縁に形成された外側の折曲部14cを接合保持するためのものであって、その外周には、表示板14の外側の折曲部14cの内周面が嵌合するための小径(外筒18の外径よりも折曲部14cの板厚分だけ小径)の段差部18aが形成されており、この段差部18aの端面(外筒18の外周面との段差面)には
図6に示すような複数の第1溶着リブ23が周方向に所定の間隔を設けて一体に形成されている。ここで、外筒18の外周に形成された段差部18aの奥行長さL1は、表示板14の外側の折曲部14cの奥行長さL2よりも長く設定されている(
図9参照)。又、
図6に詳細に示すように、第1溶着リブ23は、保持部8Aの外筒18の頂部(前端面)に近い側より遠い側に向かって裾広がりに形成されている。
【0035】
更に、
図4に示すように、パネル本体8の保持部8Aの内筒17と外筒18の先端縁には三角リブ状(
図7参照)の第2溶着リブ24が表示板14の表示部14aに向かってそれぞれ突設されており、これらの第2溶着リブ24は、表示板14の表示部14aに設けられた透光性のシンボル部「MAX A/C」に対応する位置が部分的に切り欠かれて切欠き部24aが形成されている。
【0036】
而して、表示板14は、パネル本体8の保持部8Aに超音波溶着によって接合されるが、その接合方法と接合構造を
図9及び
図10に基づいて以下に説明する。
【0037】
図9に示すように、表示板14をその折曲部14b,14cを先にしてパネル本体8の保持部8Aに図示矢印方向(前面側)から嵌め込む。このとき、表示板14の外側の折曲部14cに形成された位置決め凸部14dをパネル本体8の保持部8Aの外周に形成された位置決め用溝8eに係合させることによって、表示板14の周方向の位置決めがなされる。
【0038】
上述のように表示板14がパネル本体8の保持部8Aに嵌め込まれると、
図10に示すように、表示板14の折曲部14b,14cのうち、内側の折曲部14bの外周面がパネル本体8の内筒17の内周に形成された大径の段差部17aに嵌合し、その端面と内周が保持部8Aの内筒17の段差面に周方向に形成された複数の第1溶着リブ23に当接する。又、表示板14の外側の折曲部14cの内周面がパネル本体8の外筒18の外周に形成された小径の段差部18aに嵌合し、その端面と内周面が保持部8Aの外筒18の段差面に周方向に形成された複数の第1溶着リブ23に当接する。ここで、パネル本体8の内筒17と外筒18にそれぞれ形成された段差部17a,18aの高さ(深さ)は表示板14の折曲部14b,14cの板厚に等しいため、表示板14の折曲部14b,14cがパネル本体8の保持部8Aの内筒17と外筒18の各段差部17a,18aに嵌合した状態では、該折曲部14bの内周面と内筒17の内周面及び折曲部14cの外周面と外筒18の外周面とは段差の無い連続した面(面一の面)を形成する。
【0039】
上述のように表示板14の内外の折曲部14b,14cがパネル本体8の保持部8Aの内筒17と外筒18にそれぞれ嵌合すると、
図10に示すように、表示板14の表示部14aの裏面がパネル本体8の保持部8Aの内筒17と外筒18の頂部端面(先端面)にそれぞれ形成された第2溶着リブ24に当接する。このとき、前述のようにパネル本体8の保持部8Aの内筒17と外筒18にそれぞれ形成された段差部17a,18aの奥行長さL1を表示板14の折曲部14b,14cの奥行長さL2よりも大きく設定したため(L1>L2)、表示板14の折曲部14b,14cの端面が
図10に示すようにパネル本体8の保持部8Aに形成された内筒17と外筒18の段差面に当接することがなく、表示板14の表示部14aの裏面が第2溶着リブ24に確実に接触する。
【0040】
而して、以上のように表示板14の内外の折曲部14b,14cがパネル本体8の第1溶着リブ23に接触するとともに、表示板14の表示部14aの裏面がパネル本体8の第2溶着リブ24に接触すると、パネル本体8の第1溶着リブ23と第2溶着リブ24が超音波溶着によって表示板14の折曲部14b,14cと表示部14aの裏面に接合され、表示板14がパネル本体8の保持部8Aに固定される。超音波溶着においては、表示板14の周り全体が不図示のホーンによって覆われ、該ホーンによって表示板14がパネル本体8側に押圧され、その状態で表示板14にはホーンによって超音波振動が与えられる。すると、パネル本体8の第1溶着リブ23と第2溶着リブ24が溶融し、表示板14の折曲部14b,14cと表示部14aの裏面がパネル本体8の保持部8Aに接合されて固定される。
【0041】
以上のように、本実施の形態に係る操作パネル1においては、パネル本体8に予め形成した第1溶着リブ23と表示板14の折曲部14b,14cとを超音波溶着によって接合すれば良いため、パネル本体8の保持部8Aの側壁での表示板14の固定が可能となり、見切り線が見えないように内周縁と外周縁を裏側に折り曲げて折曲部14b,14cを形成した表示板14であっても、該折曲部14b,14cをパネル本体8に確実に固定してその浮き上がりを防ぐことができ、安価で見栄えの良い操作パネル1を得ることができる。
【0042】
そして、本実施の形態では、パネル本体8の保持部8Aに設けられた第1溶着リブ23を、パネル本体8の保持部8Aの円筒頂部に近い側より遠い側に向かって裾広がりに形成したため、該第1溶着リブ23のパネル本体8の保持部8Aの円筒頂部に近い側は、表示板14とパネル本体8との隙間に入り、表示板14の折曲部14b,14cの側面とパネル本体8とが溶着される。又、第1溶着リブ23のパネル本体8の保持部8Aの円筒頂部から遠い側は、表示板14の折曲部14b,14cの端面に溶着される。従って、1つの第1溶着リブ23で表示板14の折曲部14b,14cの側面と端面の2面がパネル本体8に溶着されるため、表示板14がパネル本体8に一層確実に固定される。そして、このように第1溶着リブ23によって表示板14の折曲部14b,14cの端面と共に側面でもパネル本体8に溶着するようにすれば、表示板14やパネル本体8の形状や寸法のバラツキの影響を受けることなく表示板14の折曲部14b,14cをパネル本体8に確実に固定することができる。因みに、表示板14を折曲部14b,14cの端面だけでパネル本体8に溶着する場合には、パネル本体8の第1溶着リブ23と表示板14の折曲部14b,14cの端面とが接しないために両者を溶着することができない場合がある。
【0043】
又、本実施の形態では、パネル本体8の保持部8Aの内筒17と外筒18の先端縁に形成された第2の溶着リブ24が表示板14の表示部14aの裏面に超音波溶着によって接合されるため、表示板14がパネル本体8に一層強固に固定される。そして、本実施の形態では、パネル本体8の保持部8Aの内筒17と外筒18に段差部17a,18aをそれぞれ形成し、該段差部17a,18aの奥行長さL1を表示板14の折曲部14b,14cの奥行長さL2よりも大きく設定したため(L1>L2)、第2溶着リブ23が表示板14の表示部14aの裏面に常に確実に当接して両者が超音波溶着され、表示板14の表示部14aのパネル本体8への固定が確実になされる。
【0044】
更に、本実施の形態では、パネル本体8の第2溶着リブ24の表示板14側のシンボル部に対応する位置に切欠き部24aを形成したため、この切欠き部24aにおいては第2リブ24が超音波溶着によって溶けて表示板14と溶着面を形成することがなく、表示板14のシンボル部の透光性が溶着面によって損なわれることがなく、シンボル部は光源の光の透過によって明るく光り、その視認性が高められるという効果が得られる。
【0045】
尚、以上は本発明を車載の空調装置をコントロールするための操作パネルに対して適用した形態について説明したが、本発明は、複数の選択位置で停止する回動可能な操作ノブを装着して成る他の任意の操作パネルに対しても同様に適用可能であることは勿論である。