特許第5761806号(P5761806)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5761806
(24)【登録日】2015年6月19日
(45)【発行日】2015年8月12日
(54)【発明の名称】複合圧力制限−あふれ弁
(51)【国際特許分類】
   G05D 16/10 20060101AFI20150723BHJP
   B60T 15/36 20060101ALI20150723BHJP
   F16K 17/30 20060101ALI20150723BHJP
【FI】
   G05D16/10 J
   B60T15/36 Z
   F16K17/30 A
【請求項の数】4
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2011-543980(P2011-543980)
(86)(22)【出願日】2009年10月23日
(65)【公表番号】特表2012-512495(P2012-512495A)
(43)【公表日】2012年5月31日
(86)【国際出願番号】EP2009007589
(87)【国際公開番号】WO2010069426
(87)【国際公開日】20100624
【審査請求日】2012年9月25日
(31)【優先権主張番号】102008063819.6
(32)【優先日】2008年12月19日
(33)【優先権主張国】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】596055475
【氏名又は名称】ヴアブコ・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】WABCO GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100173521
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100153419
【弁理士】
【氏名又は名称】清田 栄章
(72)【発明者】
【氏名】デイークマイエル, ハインリヒ
(72)【発明者】
【氏名】エツゲブレヒト, デトレフ
【審査官】 川東 孝至
(56)【参考文献】
【文献】 実開平01−082973(JP,U)
【文献】 特開平07−210255(JP,A)
【文献】 実公昭50−023370(JP,Y1)
【文献】 特開2003−099131(JP,A)
【文献】 実開昭60−144111(JP,U)
【文献】 実開平04−107425(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 16/10−16/20
B60T 15/36
F16K 17/30
F15B 11/00−11/22
F04B 25/00−37/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商用車両内の空気処理装置用の複合された圧力制限弁及びあふれ弁であって、前記複合された圧力制限弁及びあふれ弁(30)は、ハウジング(18)、蓋(19)、入口(4)、第1の出口(7)、第2の出口(6)、ピストン(10)、あふれ弁(1)、圧力制限弁(2)及び調節ばね(11)を有する当該複合された圧力制限弁及びあふれ弁(30)において
前記あふれ弁(1)の開放圧力及び閉鎖圧力と、前記圧力制限弁(2)の開放圧力及び閉鎖圧力との双方が、前記調節ばね(11)によって調節可能であること、
前記ピストン(10)が、前記複合された圧力制限弁及びあふれ弁(30)を第1の圧力空間(5)と第2の圧力空間(16)とに区分し、
前記第1の圧力空間(5)が、前記入口(4)と前記第1の出口(7)と前記第2の出口(6)とに接続可能であり、
前記第2の圧力空間(16)が、排気口(9)を介して大気に通じていて、
前記ピストン(10)が、前記調節ばね(11)のばね力によって不動作位置に保持されるように、この調節ばね(11)は、前記ピストン(10)と前記ハウジング(18)との間又は前記ピストン(10)と前記蓋(19)との間に配置されていて、
前記あふれ弁(1)が、この不動作位置で前記第1の出口(7)を閉じる一方で、前記圧力制限弁(2)が、前記第2の出口(6)を開くこと、及び
流入する圧縮空気の圧力が、前記あふれ弁(1)の所望の開放圧力に達すると、前記ピストン(10)が、前記調節ばね(11)のばね力に抗するように移動する結果、このあふれ弁(1)が、前記第1の出口(7)を開くことを特徴とする複合された圧力制限弁及びあふれ弁。
【請求項2】
前記調節ばね(11)は、調節ねじ(15)によって調節可能であることを特徴とする請求項1に記載の複合された圧力制限弁及びあふれ弁。
【請求項3】
第1のばね蓋(20)が、前記調節ばね(11)と前記調節ねじ(15)との間に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の複合された圧力制限弁及びあふれ弁。
【請求項4】
第2のばね蓋(21)が、前記調節ばね(11)と前記ピストン(10)との間に配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合された圧力制限弁及びあふれ弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造的に弁装置にまとめられかつ“複合圧力制限−あふれ弁”という概念で扱われる圧力制限弁及びあふれ弁に関する。
【背景技術】
【0002】
このような複合圧力制限−あふれ弁は、特に商用車両の従来の空気処理装置(APU)又はいわゆる電子空気処理装置(E−APU)において使用される。更に本発明による複合圧力制限−あふれ弁は、圧力制限弁とあふれ弁が直列接続されているその他の機器においても使用される。
【0003】
空気処理装置(APU又はE−APU)は、圧縮機から送出される圧縮空気を乾燥しかつ浄化して、車両にある圧縮空気消費回路(例えば空気圧制動回路又は昇降車軸制御装置)へ供給する。更に空気処理装置は、圧縮空気消費回路の圧力を、車両製造者の側で規定される所定の限界内で制御する。この圧力制御は、圧力制限弁及びあふれ弁を使用して行われる。
【0004】
商用車両では、通常複数の圧縮空気消費回路が使用される。第1の圧縮空気消費回路(例えばトラクタの空気圧制動回路)が存在して、圧縮空気により供給される系統圧力(例えば2.5bar)で作動せしめられる。これらの第1の圧縮空気消費回路は“高圧回路”とも称される。更に第2の圧縮空気消費回路(例えばトレーラ制動回路用、空気圧で作動せしめられる変速機切換え用、又はハンドブレーキ回路用)が存在し、圧縮機により供給される通常の系統圧力(例えば12.5bar)で作動せしめられる必要がない。第2の圧縮空気消費回路は通常一層低い圧力(例えば8.5bar)で作動せしめられる。この第2の圧縮空気消費回路用の圧力を所定の最大圧力(例えば8.5bar)に限定するため、圧力制限弁が使用される。通常この圧力制限弁は、圧力制限弁の圧力が調節可能なばね(調節ばね)の力に抗して閉じるように設計されている。
【0005】
通常系統圧力(例えば8.5bar)で作動せしめられる圧縮空気消費回路用の圧力は、(機械的)制御器いわゆる“ガバナ”によるか、又は電子装置により(圧縮空気消費回路にある圧力センサ及び電磁弁を介して)制御される。この場合制御器又は電子装置は、最大圧力に達したことを確認し、それにより制御信号を介して圧縮機が停止されるので、もはや送出しない。
【0006】
複数の圧縮空気消費回路へ圧縮空気を分配する際、圧力を限定される第2の圧縮空気消費回路の前に、1つ又は複数の圧力制限弁が挿入される。その際空気は、圧力制限弁の後で、それぞれあふれ弁により保護されている複数の圧縮空気消費回路へ分配される。それによりこれらの第2の圧縮空気消費回路の圧力が同じ最大値に限定されている。
【0007】
あふれ弁は、第2の圧縮空気消費回路を保護するのに役立つ。それは、調節可能なばね(調節ばね)を介して規定される圧力(開放圧力)より上で初めて開く。それより低い圧力(閉鎖圧力)で初めてあふれ弁が再び閉じる。それにより圧縮空気消費回路に欠陥がある(回路破裂又は漏れ)場合、残りの圧縮空気消費回路が欠陥のある圧縮空気消費回路の開放圧力までなお圧縮空気を供給されることができる。従って車両は引続き少なくとも限定的に走行可能である。
【0008】
現在の空気処理装置では、各圧力制限弁及び各あふれ弁は別個の弁として構成され、それぞれ調節可能な1つの固有なばねを持っている。こうして各弁は無関係に所望の圧力値(開放圧力、閉鎖圧力)に設定される。それにより圧力制限弁とあふれ弁との相互作用が回避される。
【0009】
更に各弁は固有のピストン、密封片、ばね、ばね蓋、調節ねじ、蓋及び別の部分を持っている。
【0010】
こうして圧力制限弁及びあふれ弁の使用により、圧縮機が圧縮空気消費回路へ送出する圧力範囲が規定される。例えば第2の圧縮空気消費回路における8.5barの調節すべき圧力では、圧縮機が7.5barの圧力以下で送出を開始し、8.5barの圧力に達すると、圧縮機が停止される。圧力制限弁及びあふれ弁は、こうして調節可能なばねにより調節されて、7.5barで開き、8.5barで閉じる。従って両方の弁により7.5bar〜8.5barの圧力範囲が規定され、この範囲内で圧縮機がこの第2の圧縮空気消費回路のために動作せしめられる。さて弁を正確に同じ開放圧力又は閉鎖圧力に再現可能に調節することは、残念ながら殆ど不可能である。従って通常は公差範囲が規定され、この範囲内ではそれぞれの弁が使用目的にとって適当とみなされる。7.5barの開放圧力を持つ弁に関して、例えば7.3bar〜7.7barの圧力範囲内の開放圧力を持つ弁が適当とみなされるであろう。従って類似の公差範囲に基くと、閉鎖圧力は、8.3bar〜8,7barの範囲にあるだろう。
【0011】
商用車両では個々の圧縮空気消費回路の優先される給気が行われ、駐車制動回路より前に常用制動回路に給気することが法律的に規定されており、それにより車両の一層確実な制動が常に可能である。それから初めて残りの(第2の)圧縮空気消費回路が給気される。この場合他の(第2の)圧縮空気消費回路の給気の順序が車両側で規定される。この順序は、車両のため又は個々の装置のためにのみ給気の特定の順序を規定する車両製造者の希望に関係している。例えば他の圧縮空気消費回路は、トレーラ制動回路、手動制動回路、空気圧で作動せしめられる変速機回路の順序で給気される。例えばこれら3つの圧縮空気消費回路は、すべて公称的に8.5barの圧力を供給される。この給気順序を維持できるようにするため、トレーラ制動回路のあふれ弁は、手動制動回路及び変速機回路のあふれ弁より前に開かねばならない。このためトレーラ制動回路のあふれ弁は例えば公称的に7.0barの開放圧力に設定され、手動制動回路のあふれ弁は公称的に7.2barの開放圧力に設定され、変速機回路のあふれ弁は公称的に7.5barの圧力に設定される。しかしこれらのあふれ弁は、上述したようにそれぞれ約±0.2barの公差範囲を持っているので、それによりこれら3つの圧縮空気消費回路の本来所望の給気順序が変化する可能性がある。このような変化は例えば使用される調節可能なばねの老化過程及び/又は材料疲労のため起こる可能性があり、それぞれのあふれ弁の開放圧力が時間の経過と共に変化する可能性がある。もちろんこれは、あふれ弁の閉鎖圧力に対しても圧力制限弁の開放圧力に対しても同じように当てはまる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
従って本発明の課題は、小さい公差を持つあふれ弁及び圧力制限弁を提供することである。
【課第を解決するための手段】
【0013】
この課題は、請求項1に記載の
商用車両内の空気処理装置用の複合された圧力制限弁及びあふれ弁であって、前記複合された圧力制限弁及びあふれ弁(30)は、ハウジング(18)、蓋(19)、入口(4)、第1の出口(7)、第2の出口(6)、ピストン(10)、あふれ弁(1)、圧力制限弁(2)及び調節ばね(11)を有する当該複合された圧力制限弁及びあふれ弁(30)において、
前記あふれ弁(1)の開放圧力及び閉鎖圧力と、前記圧力制限弁(2)の開放圧力及び閉鎖圧力との双方が、前記調節ばね(11)によって調節可能であること、
前記ピストン(10)が、前記複合された圧力制限弁及びあふれ弁(30)を第1の圧力空間(5)と第2の圧力空間(16)とに区分し、
前記第1の圧力空間(5)が、前記入口(4)と前記第1の出口(7)と前記第2の出口(6)とに接続可能であり、
前記第2の圧力空間(16)が、排気口(9)を介して大気に通じていて、
前記ピストン(10)が、前記調節ばね(11)のばね力によって不動作位置に保持されるように、この調節ばね(11)は、前記ピストン(10)と前記ハウジング(18)との間又は前記ピストン(10)と前記蓋(19)との間に配置されていて、
前記あふれ弁(1)が、この不動作位置で前記第1の出口(7)を閉じる一方で、前記圧力制限弁(2)が、前記第2の出口(6)を開くこと、及び
流入する圧縮空気の圧力が、前記あふれ弁(1)の所望の開放圧力に達すると、前記ピストン(10)が、前記調節ばね(11)のばね力に抗するように移動する結果、このあふれ弁(1)が、前記第1の出口(7)を開くことを特徴とする複合された圧力制限弁及びあふれ弁によって解決される。
【0014】
これまで普通の複合圧力制限−あふれ弁は、それが共通な弁装置において構造的に組合わされても、通常は機能的に別々に構成された。これに反し本発明による複合圧力制限−あふれ弁は、構造的にも機能的にも1つの単位を形成している。
【0015】
本発明による複合圧力制限−あふれ弁の利点は、この複合により部材例えば第2のばねを節約でき、それにより一方では費用を節約でき、他方では構造空間及び重量を節約できることである。これにより空気処理装置を一層小さくかつ軽く構成でき、それにより例えばハウジング用の材料も費用例えば今や一層少ない部品のため組立て費用も節約することができる。更に以前は別々であった圧力制限弁とあふれ弁との間に形成すべき圧縮空気通路の数が節約され、それにより例えばこれらの圧縮空気通路を形成するための費用がなくなる。
【0016】
本発明の別の利点は、複合圧力制限−あふれ弁が開放圧力及び閉鎖圧力用の調節すべき1つのばねのみを持ち、それによりここでも調節作業のための費用も節約される。
【0017】
特にあふれ弁の開放(及び閉鎖)圧力が圧力制限弁の閉じるときの圧力のすぐ下にあるようにする使用の場合、本発明による複合圧力制限−あふれ弁は、従来の解決策に比べて利点を与える。なぜならば、本発明による解決策では、圧力制限弁及びあふれ弁の動作点がただ1つの調節ばねのみによって調節されるからである。この調節ばねは時間の経過とともに疲労し、それにより圧力制限弁及びあふれ弁の動作点が移動することがあるが、これら両方の動作点の間隔はほぼ一定のままである。これによりこれら両方の弁動作範囲の公差範囲が交差することはない。
【0018】
本発明の好ましい実施形態では、調節ばねが片側又は両側に設けられて力の中心合わせに役立つばね蓋を持っている。これにより複合圧力制限−あふれ弁内でばねが傾くのを防止される。
【0019】
本発明の別の実施形態では、調節ねじの代わりに、厚さに応じて調節ばねの正確な調節を可能にする間隔板も使用することができる。
【0020】
本発明の別の好ましい実施形態では、調節ねじの代わりに、複合圧力制限−あふれ弁の挿入体及びハウジングを例えばねじにより相対移動可能に設けることもできる。挿入体がハウジングへどれだけ大きくねじ込まれるかに応じて、調節ばねが一層強く予荷重をかけられるか又は調節される。
【0021】
別の好ましい実施形態では、ハウジング又は蓋又はハウジングあるいは蓋にある挿入体が、ピストンあるいは主ピストン又は環と共にあふれ弁座を形成するように構成されている。
【0022】
別の好ましい実施形態では、ハウジング又はハウジングあるいは蓋にある挿入体が、第1の弁体又はピストンあるいは主ピストンと共に圧力制限弁を形成するように、構成されている。
【0023】
別の好ましい実施形態では、ハウジング又は蓋に挿入体が設けられて、あふれ弁座の一部及び/又は圧力制限弁座の一部を形成している。挿入体がハウジング内又は蓋に接着、圧入され、ねじによりねじ込まれ、又はハウジング又は蓋にある段部に止め輪により固定されていると有利である。
【0024】
別の好ましい実施形態では、挿入体が例えばねじ結合を介してハウジング又は蓋に移動可能に設けられている。この調節可能な挿入体により、圧力制限弁座の行程を調節することができる。その代わりに、あふれ弁座も調節可能に構成することができる。
【0025】
プラスチックから成るピストンを使用するのがよい。この場合ピストンには射出成形部品として製造でき、それにより費用を節約できる。
【0026】
別の好ましい実施形態では、ピストンが、主ピストン及び環を含む二分割ピストンとして構成されている。主ピストンと環は、例えば接着により互いに固定的に結合されるか、又は互いに傾斜可能に従って浮動的に支持されることができる。これにより弁座の万一の凹凸を補償することができる。弾性素子例えばOリング又は他の形状密封片あるいは輪郭密封片の使用により、主ピストンと環との間の傾斜可能な支持が保証される。この弾性素子は、有利なように同時に主ピストンと環との間の密封に役立つ。
【0027】
別の好ましい実施形態では、ピストン又は主ピストンが、第1の圧力空間と第2の圧力空間との接続を行う排気通路を持ち、第1の圧力空間が入口に接続可能であり、第2の圧力空間が大気に接続されている。この排気通路は、第1の弁体により閉鎖可能であり、それにより排気弁の機能も同様に複合圧力制限−あふれ弁に統合されている。それによりピストン又は主ピストンと第1の弁体が排気弁の排気弁座を形成している。
【0028】
別の好ましい実施形態では、排気通路を備えたピストン又は主ピストンが複数の突片を持ち、これらの突片上にばね蓋が載って、ピストン又は主ピストンとばね蓋との間に、排気すべき圧縮空気用の通路が生じるようにしている。その代りに、ばね蓋も排気通路に接続されている範囲に開口を持つことができ、それにより排気すべき圧縮空気用の通路が生じる。この開口は例えば穴あけ又は打抜きにより形成することができる。
【0029】
別の好ましい実施形態では、ピストン又は主ピストンが、密封片例えばO−リング又は他の形状密封片又は異形密封片により、ハウジング又は蓋に対して密封されている。
【0030】
別の好ましい実施形態では、ハウジングと第2の弁体との間に逆止弁座が形成され、第2の弁体が、別のばねにより、かつ場合によっては第1の弁体を介して、ピストン又は主ピストンを介して、また調節ばねを介して、蓋に対して支持されて、ピストン又は主ピストンの不動作位置で逆止弁座が閉鎖されるようにしている。
【0031】
好ましい実施形態では、ハウジングがハウジング排気通路を持ち、ピストンの不動作位置でこのハウジング排気通路が排気挿入体により閉鎖されている。排気挿入体は、ハウジングと共にハウジング排気弁座を形成している。排気挿入体は、例えばエラストマOリングによるか又は弾性膜により、ハウジングに対して密封されている。膜は、Oリングに比べて、排気挿入体とハウジングとの摩擦が著しく少ないという利点を持っている。
【0032】
別の好ましい実施形態では、あふれ弁座及び/又は圧力制限弁座及び/又排気弁座及び/又逆止弁座が、弁座の改善された密封を可能にする片側の被覆を持っている。被覆用の材料として、例えば別個の部材として弁座に取付けることができるエラストマが有利に使用されるか、エラストマが弁座に加硫接着される。この場合あふれ弁座及び/又圧力制限弁座及び/又排気弁座及び/又逆止弁座は、それぞれ同じエラストマ又は異なるエラストマから成る被覆を持つことができる。
【0033】
別の好ましい実施形態では、第1の出口に対して並列に、別の圧縮空気消費回路用の第2の出口が設けられ、ピストン又は主ピストンの不動作位置でこの第2の出口が第1の圧力空間に接続されている。
【0034】
別の好ましい実施形態では、2段圧力制限弁が使用される。このため第3の弁体が、いわゆる案内ひれにより、ピストン上に移動可能に設けられている。この2段圧力制限弁は、圧力制限弁座より小さい直径即ち小さい公称直径を持つ補助圧力制限弁座を介して、高い再充填感度が得られるという利点を持っている。なぜならば再充填の際、大抵は補助圧力制限弁座のみが開かれ、圧力制限弁座は閉じられたままであるからである。これに反し高い再充填圧力が必要とされると、例えば圧縮空気消費回路の最初の充填の際、一層大きい公称直径のため圧縮空気消費回路の一層早い充填を可能にする圧力制限弁が開かれる。
【0035】
本発明によれば、“不動作位置”という概念は、複合圧力制限−あふれ弁において、入口に圧力がかからず、それにより実質的に調節ばねのばね力のみが力をピストン又は主ピストンへ及ぼす、ピストン又は主ピストンの位置を意味する。従って不動作位置では、調節ばねのばね力によりあふれ弁が閉じられ、圧力制限弁は開かれている。更に複合圧力制限−あふれ弁において、別のばねを持つ排気弁が設けられていると、その時にも不動作位置であふれ弁座が開かれ、圧力制限弁座が閉じれれているように、別のばねが設計されている。
【0036】
本発明によれば、圧力制限弁又は圧力制限弁座の開放圧力が論じられるけれども、この場合開放圧力が入口及び後に接続される圧力消費回路へ至る出口におけるそのつどの圧力状態に関係していることは自明である。従って以下に使用される“開放圧力”という概念は、圧力制限弁又は圧力制限弁座に関連して使用する場合、常にそれ以外のパラメータ即ち入口及び出口におけるそのつどの圧力状態に関係する圧力値として理解されるべきである。なぜならば、圧力制限弁又は圧力制限弁座は固定した開放圧力を持つのではなく、むしろいわゆる開放特性を持っているからである。
【0037】
図面により本発明が以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】 複合圧力制限−あふれ弁の第1の本発明による実施例を示す。
図2】 複合圧力制限−あふれ弁の第2の本発明による実施例を示す。
図3】 複合圧力制限−あふれ弁の第3の本発明による実施例を示す。
図4】 複合圧力制限−あふれ弁の第4の本発明による実施例を示す。
図5】 複合圧力制限−あふれ弁の第5の本発明による実施例を示す。
図6】 複合圧力制限−あふれ弁の第6の本発明による実施例を示す。
図7】 複合圧力制限−あふれ弁の第7の本発明による実施例を示す。
図8】 複合圧力制限−あふれ弁の第8の本発明による実施例を示す。
図9】 複合圧力制限−あふれ弁の第9の本発明による実施例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0039】
図1は、ハウジング18及び蓋19を持つ複合圧力制限−あふれ弁30の第1の本発明による実施例を示す。この場合蓋19は、通常のように例えばねじによりハウジング18に取付けることができる。ハウジング18は更に入口4を持ち、複合圧力制限−あふれ弁30の第1の圧力空間5が、この入口4を通して圧縮空気いわゆる貯蔵圧力を供給される。更に第1の出口7が設けられ、後に接続される(第2の)圧縮空気消費回路への圧力供給がこの出口7を介して制御される。更に排気口9が設けられ、複合圧力制限−あふれ弁30の第2の圧力空間16が、排気口9により周囲空気(大気)と接続されている。この排気口9は、ハウジング18に、ハウジング18の蓋19との間に、又は蓋19に設けることができる。重要なことは、排気口9を経て第2の圧力空間16と周囲空気(大気)とを接続することだけである。複合圧力制限−あふれ弁30は、開放圧力又は閉鎖圧力を調節する共通な調節ばね11を持ち、調節ばね11は調節ねじ15を介して調節可能である。更に複合圧力制限−あふれ弁30は、別のばね12により中心の排気通路8を持つピストン10へ向かって密封するように予荷重をかけられている第1の弁体13を持っている。この場合密封は、第1の弁体13がピストン10の排気弁座3へ押付けられるように行われる。排気機能が望まれない場合、排気弁座3はなくてもよく、例えばこれは、例えばクリップ結合、ねじ結合又は接着結合により、第1の弁体13をピストン10と固定的に結合することによって行うことができる。更にハウジング18は、第1の弁体13と共に圧力制限弁座12を形成する挿入体14を持っている。この挿入体14は、例えば止め輪32によりハウジング18の段部31に固定されている。しかし挿入体14を直接ハウジング18又は段部31へ接着、圧入又はねじ込むことも考えられる。
【0040】
ピストン10はハウジング18内で適当に密封されているので、複合圧力制限−あふれ弁30の図1に示す不動作位置において、第1の圧力空間5と第2の圧力空間16との接続は行われない。このような適当な密封は、密封片40を介して行うことができる。更にピストン10とハウジング18との間にあふれ弁座1が構成され、図示した不動作位置で、圧縮空気が第1の圧力空間5から第1の出口7へ達するのを防止する。
【0041】
更にハウジング18に第2の出口6を設けて、同じ圧力値に限定される圧力を持つ別の圧縮空気消費回路へ圧縮空気を供給することができる。第2の出口6を介して複数の圧縮空気消費回路へ供給できることは当然である。従って第2の出口6から出る圧縮空気は、(圧力制限弁座2により)圧力を制限されているが、あふれ弁座1を迂回する。第2の出口6に接続されている別の圧力回路は、例えば従来の構造におけるように、固有のあふれ弁を備えることができる。こうして圧力制限弁の後に複数のあふれ弁が並列に設けられて、その1つが前述したように圧力制限弁と組合わされる。
【0042】
更に調節ばね11がその両端に第1のばね蓋20及び/又は第2のばね蓋21を備え、調節ばね11を介してピストン10へ導入される力がピストン10のできるだけ中心へ作用するようにすることができる。1つのばね蓋(20又は21)のみを調節ばね11に設けることも当然可能である。
【0043】
あふれ弁座1及び/又は圧力制限弁座2及び/又は排気弁座3の一層良好な密封を行うために、これらの弁座にそれぞれエラストマ被覆75を設けることができる。この場合符号75でエラストマ被覆が機能的にのみ示されていることは明らかである。このエラストマ被覆は、上記のすべての弁座において同じ材料から成るか、又は各弁座において別の材料から成っていてもよい。従ってエラストマ被覆75は、これが上記のすべての弁座に対して同じエラストマ被覆であるように、限定的に設計しなくてよい。
【0044】
複合圧力制限−あふれ弁30の動作が、図1により以下に説明される。
【0045】
圧力が空気処理装置にまだ存在しない場合、調節ねじ15を介して設定されるばね力で調節がね11が、第1及び第2のばね蓋20及び21を介してピストン10を押す。調節ばね11が設けられている第2の圧力空間16は、この場合周囲圧力(大気圧)を持っている。なぜならば、第2の圧力空間16は排気口9を介して常に周囲空気に接続されているからである。ピストン10は密封片40を介してハウジング18に対して密封され、あふれ弁座1上に支持されている。更にピストン10は、第1の弁体13を別のばね12に抗して押下げた状態に保つ。なぜならば、調節ばね11は別のばね12より大きいばね力を持ち、それにより圧力制限弁座2が開かれているからである。調節ばね11のばね力のため、あふれ弁も排気弁座3も閉じれれている。従って出口7も同様に閉じられている。
【0046】
さて圧縮機により供給される圧縮空気が入口4へ入ると、これが今や開いている圧力制限弁座2を通過し、第1の圧力空間5へ流入する。
【0047】
流入する圧縮空気の圧力が入口4従って空間5において上昇すると、これによりピストン10が調節ばね11のばね力に抗して動かされる。流入する圧縮空気の圧力があふれ弁1の所望の開放圧力に達すると、ピストン10はハウジング18内のあふれ弁座1にもはや支持されず、調節ばね11のばね力に抗して動き、それによりあふれ弁座1を開く。今や圧縮空気が、第1の圧力空間5から第1の出口7を通って、後に接続されている圧縮空気消費回路へ流れることができるので、圧縮空気消費回路と第1の圧力空間5と入口4との間に圧力一致が生じるまで、そこの圧力が上昇する。
【0048】
流入する圧縮空気の圧力が入口4において従って第1の圧力空間5及び第1の出口7においても更に上昇すると、ピストン10が更に上がる。別のばね12のばね力のため第1の弁体13が追従するので、排気弁座3は閉じられたままである。
【0049】
第1の圧力空間5内の流入する圧縮空気の圧力が、供給すべき圧縮空気消費回路の設定された最大圧力に達すると、ハウジングに固定して挿入体14の圧力制限弁座2に弁体13が載るまで、ピストン10が動く。それにより第1の圧力空間5従って第1の出口7及び第2の出口6及びそれに接続されている圧縮空気消費回路が、入口4を介して圧縮空気供給装置から遮断される。
【0050】
入口4の圧力が更に上昇すると、この圧力は第1の圧力空間5及び第1又は第2の出口6又は7へ送られず、従って第1及び第2の出口6,7に接続される圧縮空気消費回路の圧力も上昇できない。欠陥例えば圧力制限弁座2の漏れのため、第1の圧力空間5に望ましくない圧力上昇が起こると、ピストン10が更に持ち上げられる。しかし第1の弁体13は別のばね12によりもはや排気弁座3に支持されず、挿入体14の圧力制限弁座2上に保持される。これにより第1の弁体13は、ピストン10にもはや追従しない。第1の圧力空間5から圧縮空気がピストン10にある排気通路9を通って第2の圧力空間16へ更に排気口9を通って大気へ逃げる。それによりピストン10が第1の弁体13上へ下降して、排気弁座13上へ下降して、排気弁座3を再び閉じるまで、圧力空間5内の圧力が減少する。もちろんこの排気動作は、排気通路8と第2の圧力空間16との接続が存続している時にのみ起こる。調節ばね11が第2のばね蓋21なしに直接ピストン10上に載っている場合、接続は調節ばね11の巻回を通って簡単に行われる。第2のばね蓋21が使用される場合、例えば第2のばね蓋21にある1つ又は複数の穴によって接続を行うことができる。このため図1には、例えば1つのばね蓋開口98が示されている。更にピストン10の適当な形成によってこの接続を保証することも可能である。例えばピストン10が、第2のばね蓋21がピストン10に接触する範囲に複数の突片を持ち、第2のばね蓋21がこれらの突片上に載って、排気通路8を通る圧縮空気が第2のばね蓋21の下で第2の圧力空間16へ流入するようにすることができる。上述した突片の代わりに、ピストン10が複数の通路を持ち、これらの通路が排気通路8と第2の圧力空間16との接続を保証することができる。
【0051】
図2は本発明による複合圧力制限−あふれ弁30の第2実施例を示し、2段圧力制限器が使用される点で図1とは相違している。このため第3の弁体24が、いわゆる案内ひれ26によりピストン10上に軸線方向移動可能に設けられている。案内ひれ26は、ピストン10に近い方にある補助圧力制限弁座22の部分と第1の圧力空間5との間で接続が行われるように構成されているので、補助圧力制限弁座が開かれ、圧力制限弁座2が閉じられる場合、空気は入口4から開かれる補助圧力制限弁座22を経て第1の圧力空間5へ流入することができる。
【0052】
従って2段圧力制限器の場合、圧力制限弁座2は第3の弁体24と挿入体14との間に形成され、補助圧力制限弁座22は第3の弁体24と第1の弁体13との間に形成される。
【0053】
従って第3の弁体24により、圧力制限器は2つの弁座(圧力制限弁座2及び補助圧力制限弁座22)を含み、これらの弁座を通って空気が入口4から第1の圧力空間5へ流れることができる。この場合圧力制限弁座2は、補助圧力制限弁座22に比べて大きい直径(即ち大きい公称直径)を持ち、この大きい直径は、商用車両の空気処理装置を速やかに充填できるために重要である。
【0054】
第1の出口7の後に接続されかつ2段圧力制限器を介して供給される圧縮空気消費回路が圧縮空気を消費する場合、再び圧縮空気を再供給するため、2段圧力制限器が開く。開放圧力は第1の出口7の圧力に関係するのみならず、入口4における貯蔵圧力にも関係する。面積比のため、貯蔵圧力への依存は、2段圧力制限器の弁座が小さいほど、小さい。従って両方の弁座のうち小さい方の弁座により(従ってここでは補助圧力制限弁座22)、高い再充填感度が得られ、即ち再び圧縮空気が2段圧力制限器を介して再充填される前に、圧縮空気消費回路の圧力が一層小さい値だけ低下する。
【0055】
図2の残部は少なくとも機能的に図1と同じであり、図1の説明からわかる。
【0056】
図3は本発明による複合圧力制限−あふれ弁30の第3実施例を示し、一体のピストン10(図1参照)の代わりに、主ピストン10aと環10bから成る2分割ピストンが使用されるという点で、図1とは相違している。この場合環10bが主ピストン10aに固定的に結合(例えば接着)されるか、又は主ピストン10aに対して傾斜可能に支持されるように、環10bが取付けられ、それによりあふれ弁座1の場合によっては生じる傾斜を(少なくとも部分的に)補償することができる。主ピストン10aに環10bを傾斜可能に設けるため、環10bと主ピストン10aとの間に、弾性素子70例えばOリングを設けることができる。この弾性素子70は、同時に環10bが主ピストン10aに対して密封されるようにするのに役立つ。図3の残部は図1と少なくとも機能的に同じである。
【0057】
図4は、本発明による複合圧力制限−あふれ弁30の第4実施例を示し、あふれ弁座1がピストン10と挿入体14との間に形成されているという点で、図1とは相違している。更に図4は、第2の弁体17と逆止弁座60により、第3の圧力空間50の前に逆止弁が形成されているという点で、図1とは相違している。第2の弁体17は、第1の弁体13から遠い方にある別のばね12の端部に設けられ、この別のばね12は第2の弁体17を逆止弁座60へ押付けている。これにより、少なくとも入口4に圧力が存在しない限り、入口4が第3の圧力空間50に対して遮断されている。入口4に超過圧力が存在すると、この圧力が第2の弁体17を別のばね12のばね力に抗して離すので、入口4と第3の圧力空間50との接続が行われる。従ってこの第4実施例により、第2の弁体17と逆止弁座60から形成される逆止弁が、既に存在する別のばね12を使用して、複合圧力制限−あふれ弁30に統合されている。この逆止弁座60も同様に再びエラストマ被覆75を備えることができる。更に図4には、第2の出口(図1の符号6参照)なしの実施例が示されている。図4の残部は、少なくとも機能的に図1に一致している。
【0058】
図5は本発明による複合圧力制限−あふれ弁30の第5実施例を示し、挿入体14がハウジング18へねじ込まれているという点で、図1とは相違している。このため例えば挿入体14は大きい六角凹所を持ち、それにより挿入体14を動かすことができる。ねじ込みにより、調節ばね11の必要なばね力を調節することができる。この構成では、別の調節ねじはもやは必要でない。更に入口4が側方へ設けられ、軸線方向に設けられていない。この実施例では、蓋19が下からハウジング18に取付けられている。従って本発明による第5実施例は、ハウジングと蓋の配置に関して図1による第1実施例の逆を示し、あふれ弁座1が図4と同様にピストン10と挿入体14との間に形成され、ピストン10とハウジング18との間に形成されてはいない。
【0059】
図6は本発明による複合圧力制限−あふれ弁の第6実施例を示し、第1の弁体13がハウジング18と共にあふれ弁座1を形成し、挿入体14と共に圧力制限弁座2を形成し、ピストン10と共に排気弁座3を形成している。この場合第1の弁体13は両側にエラストマ被覆75を持つことができる。
【0060】
図7は本発明による複合圧力制限−あふれ弁の第7実施例を示し、排気弁座が設けられていないという点で、図1とは相違している。従って圧力制限弁座2に漏れがあり、それにより第1の出口7に高すぎる圧力がかかる場合、第1の出口7と後に接続される圧縮空気消費回路との間に別個の排気弁が組込まれることによって、この高すぎる圧力がかかるのを防止することができる。
【0061】
図8は、本発明による複合圧力制限−あふれ弁の第8実施例を示し、排気弁が複合圧力制限−あふれ弁に統合されているという点で、図7とは相違している。この場合排気弁は、ハウジング18に対して可動な排気挿入体80によって形成され、この排気挿入体80は、ハウジング18の一部と共に、不動作位置で排気ばね99によりハウジング排気通路90を閉鎖するハウジング排気弁座95を形成している。ハウジング排気弁座95も同様にエラストマ被覆75を持つことができる。ハウジング排気弁95が閉じられている場合、排気挿入体80とハウジング18との間で空気がハウジング排気通路90へ逃げることができないようにするため、ハウジング18と排気挿入体80との間に膜85が設けられている。膜85は、密封素子としてのOリングに比べて、それが殆ど摩擦を生じない、という利点を持っている。
【0062】
図9は、本発明による複合圧力制限−あふれ弁30の第9実施例を示し、統合される排気弁が設けられておらず、複合圧力制限−あふれ弁30がハウジング18又は蓋19に“反転して”設けられているという点で、図1とは相違している。図9によれば、ピストン10は調節ばね11を介してハウジング18に支持されている。更にピストン10は補助ピストン100及びばね12を介して蓋19に支持されている。この場合補助ピストン100はピストン10に伝動結合している。図9は不動作位置を示し、即ちあふれ弁座1が閉じられ、圧力制限弁座2が開かれている。今や圧縮空気は入口4を通って流入するか、又はそこの圧力が高められると、ピストン10が調節ばね11のばね力に抗して上方へ動かされるので、圧縮空気は第1の圧力空間5を経て第1の出口7へ流れることができる。補助ピストン100は、別のばね12のばね力によりピストン10に追従して上方へ移動する。入口4における圧縮空気の圧力が上昇して、最大許容圧力値に達すると、補助ピストン100と挿入体14との間の圧力制限弁座2が閉じられるまで、ピストン10従って補助ピストン100も上方へ動かされる。それにより入口4から第1の圧力空間5従って第1の出口7へ、それ以上の圧縮空気が達することはもはやできない。
【0063】
図示されかつ説明された実施例を異なるやり方でも有意義に互いに組合わせることができることは自明である。従ってここに示されかつ説明された実施例は当業者に対して単に刺激として考えられる。この場合容易に推測できるやり方で生じる多様の可能な組合わせも当然同様に、本発明の思想に含まれる。
【0064】
更に機能的に同じ部材は、図1〜9において同じ符号を持っている。
【0065】
本発明が、空気処理装置に使用される限り、圧力制限−あふれ弁からなる複数の単位も1つの装置に組込むことができる。
【0066】
あふれ弁1、圧力制限弁座2、排気弁座3、逆止弁座60及びハウジング排気弁座95の弁座輪郭は、それぞれ単独でハウジング18又は挿入体14あるいは排気挿入体80又はピストン10、主ピストン10a、環10b、第1の弁体13、第2の弁体17又は補助ピストン100において構成することができる。
【0067】
複合圧力制限−あふれ弁30の開放圧力及び閉鎖圧力の調節が以下に説明される。次の例は、特に図1に示されているような調節ねじを持つ実施例に関する。調節のため4つの最も重要なパラメータは、あふれ弁座1の直径、ハウジング18にあって密封片40がハウジング18に対して密封を行う穴の直径、あふれ弁1を開く際及び圧力制限弁2を閉じる際における調節ばね11のばね力である。この場合調節ばね11のばね力は、調節ばね11の伸縮割合、及びあふれ弁座1の開放から圧力制限弁2の閉鎖までのピストン10の行程(従って第1の弁体13又はその上に設けられるエラストマ被覆75と挿入体14との間隔)に関係している。この考察において別のばね12は影響を持たない。なぜならば、それは調節ばね11に比べて著しく小さいばね力を持っているからである。
【0068】
あふれ弁座1の開放の際、最初の充填における圧力は入力側(従って入口4)にのみ作用する。あふれ弁1の閉鎖の際、圧力が出口側(従って出口7)にも作用する。あふれ弁1の開放圧力と閉鎖圧力との比は、実質的に(摩擦力及び密封力を無視する場合)あふれ弁座1の直径及びハウジング18にある穴の直径及びその結果生じる面積比に関係して決定される。なぜならば、調節ばね11のばね長及びばね力は、実質的にあふれ弁座1の離れる際(従って解放の際)又は載る際(従って閉鎖の際)同じ大きさだからである。
【0069】
あふれ弁座が開かれると、ピストン10及び第1の弁体13は、最大行程を進んで圧力制限弁2を閉じるまで、上方へ動くことができる。従って行程の設定により、調節ばね11のばね長の差が求められ、伸縮割合からばね力が求められる。その結果あふれ弁座1の閉鎖圧力と圧力制限弁座2の閉鎖圧力との間隔が生じる。なぜならば、両者に対して、ハウジング18にある穴の直径と共に圧力を受ける面が決定的だからである。第1の弁体13に対する別のばね12のばね力は無視することができる。なぜならば、このばね力は、調節ばね11のばね力に比べて小さいからである。
【0070】
更に挿入体14を調節可能に例えばねじ結合を介してハウジング18に結合することも考えられる。これにより圧力制限弁座2の行程を調節することができる。従って調節ばね11を介してあふれ弁座1の開放圧力を正確に設定することができ、圧力制限弁2の閉鎖圧力は調節ばね11を介して大まかに予め設定し、調節可能な挿入体14を介して精密に設定することができる。
【符号の説明】
【0071】
1 あふれ弁座
2 圧力制限弁座
3 排気弁座
4 入口
5 第1の圧力空間
6 第2の出口
7 第1の出口
8 排気通路
9 排気口
10 ピストン
10a 主ピストン
10b 環
11 調節ばね
12 別のばね
13 第1の弁体
14 挿入体
15 調節ねじ
16 第2の圧力空間
17 第2の弁体
18 ハウジング
19 蓋
20 第1のばね蓋
21 第2のばね蓋
22 補助圧力制限弁座
24 第3の弁体
26 案内ひれ
30 複合圧力制限−あふれ弁
31 段部
32 止め輪
40 密封片
50 第3の圧力空間
60 逆止弁座
70 弾性素子
75 エラストマ被覆
80 排気挿入体
85 膜
90 ハウジング排気通路
95 ハウジング排気弁座
98 ばね蓋開口
99 排気ばね
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9