(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、添付図面に示した一実施例を参照しながら本発明に係る自動分注機の実施の形態について説明していく。
【0009】
図1は、本発明に係る自動分注機の一実施例である分析機構を備えた自動分注機(以下、単に自動分注機と称する。)の各機構のレイアウトを示す概略上面図である。
この実施例では、親検体容器としてハルンカップが使用され、子検体容器として試験管が使用され、そして、検体として尿が用いられるが、検体の種類、容器の種類は本実施例に限定されるものではない。
図面に示すように、この自動分注機は、ハルンカップ供給収容機構10、分注用試験管供給収容機構20、分注機構30、点着機構40、読取機構50、ラベル印字・貼付機構60、及び分析機構80を備えている。
前記ハルンカップ供給収容機構10、分注用試験管供給収容機構20、分注機構30、点着機構40、読取機構50及びラベル印字・貼付機構60は一つの自動分注ユニットして構成され、分析機構80と分離可能である。前記自動分注ユニットは、分析機構80と分離した状態で、独立して自動分注機として動作し得る。
また、分析機構80は、点着機構40を付加することで独立した分析機として動作し得る。
自動分注ユニットにおいて、ハルンカップ供給収容機構10と分注用試験管供給収容機構20とは、上下に重ねて配置されている。具体的には、分注用試験管供給収容機構20が、ハルンカップ供給収容機構10の上方に配置されている。
以下、定性分析装置を構成する各機構の構成について詳細に説明する。
【0010】
(ハルンカップ供給収容機構10の説明)
図2は分注用試験管供給収容機構20を取り外した状態の自動分注機を示す概略上面図、
図3はハルンカップ供給収容機構10の概略斜視図、
図4は、分注用試験管供給収容機構20の概略斜視図、
図5は、自動分注ユニットの概略概略斜視図である。
前記ハルンカップ供給収容機構10は、
患者の尿が採取された処理前のハルンカップ1をラック11に収容し、ラック単位でハルンカップを収容する処理前カップ収容部12と、
処理前カップ収容部12と並べて配置され、分注や点着等の処理に供された後のハルンカップ1をラック単位で回収して収容する処理後カップ収容部13と、
処理前カップ収容部12及び処理後カップ収容部13に沿って配置され、処理前カップ収容部12から処理後カップ収容部13へハルンカップ1をラック単位で移送するラック移送手段14とを備えている。
処理前カップ収容部12は、上記したハルンカップ用ラック11を複数列並べて収容できるように構成され、収容したラック11を次々にラック移送手段14に供給することができるように構成されている。
ラック移送手段14は、処理前カップ収容部12及び処理後カップ収容部13に沿ってのび、読取手段によりハルンカップから患者識別情報を読み取るための読取位置T1と、分注点着機構40によりハルンカップから尿を吸引するための吸引位置T2とを通過する移送用通路15を有し、処理前カップ収容部12から該通路15上に供給されたラック11を、それに収容されたハルンカップ単位で処理後カップ収容部13に向けて動かし、最後に、ラック11を通路15から処理後カップ収容部13に押し出すことができるように構成されている。
処理後カップ収容部13には、上記したハルンカップ用ラック11を複数列並べて収容できるように構成されている。
尚、図中、符号17は緊急カップ供給ユニットを示しており、この緊急カップ供給ユニットは、緊急時に処理前カップ収容部12に収容されていないハルンカップ用ラックを移送用通路15に供給するために用いられる。
【0011】
(試験管供給収容機構20の説明)
試験管供給収容機構20は、
分注処理前の複数の空の試験管2を収納した試験管用ラック21を収納する分注前試験管収容部22と、
前記分注前試験管収容部22と並べて配置され、分注後の試験管2を前記ラック単位で回収して収容する分注後試験管収容部23と、
分注前試験管収容部22及び分注後試験管収容部23に沿って配置され、分注前試験管収容部22から分注後試験管収容部23へ試験管2をラック単位で移送するラック移送手段24とを備えている。
前記分注前試験管収納部22は、ラック21を複数列並べて収納できるように構成されており、収容されたラック21をラック移送手段24の移送通路25上に押し出すように構成されている。
ラック移送手段24は、
分注前試験管収納部22から分注後試験管収容部23までのび、ラベル印字・貼付機構60により患者識別ラベルの貼付けを行うラベル貼付及び読取位置T3と、分注点着機構40により分注を行うための分注位置T4とを通過する移送通路25を有し、分注前試験管収納部22から該通路25上に供給されたラック21を、それに収容された試験管単位で分注後試験管収容部23に向けて動かし、最後に、ラック21を通路25から分注後試験管収容部23に押し出すことができるように構成されている。
前記移送通路25は、ハルンカップ収容供給機構10の移送通路15と平行に配置されている。
分注後試験管収容部23は、分注後の試験管をラック単位で複数列収容できるように構成されている。
尚、図中、符号27は緊急試験管供給ユニットを示しており、この緊急試験管供給ユニットは、緊急時に分注前試験管収容部12に収容されていない試験管用ラック用ラックを移送用通路25に供給するために用いられる。
【0012】
(レイアウトの説明)
上記したように構成された分注用試験管供給収容機構20は、その両側に一対の脚部26を有し、該脚部26がハルンカップ供給収容機構10上に搭載され、これにより、た分注用試験管供給収容機構20は、ハルンカップ供給収容機構10の上方に重ねた状態で配置される。
また、分注用試験管供給収容機構20の奥行き寸法は、ハルンカップ供給収容機構10の奥行き寸法より小さくされ、ハルンカップ供給収容機構10及び分注用試験管供給収容機構20を雛壇状にレイアウトして使用することを可能にしている。ハルンカップ供給収容機構10及び分注用試験管供給収容機構20を雛壇状にレイアウトすることにより、使用者は、同じ位置に立ってハルンカップ及び又は試験管の追加作業や取出し作業を行うことができるようになる。
また、好ましくはハルンカップ供給収容機構10は、基礎台(符号なし)の上に、前後にスライド可能に設けられており、必要に応じてハルンカップ供給機構10を手前に引き出してメンテナンスを行うことができるように構成され得る。
【0013】
(分注機構30及び点着機構40の説明)
分注機構30及び点着機構40は、ハルンカップ供給収容機構10及び分注用試験管供給収容機構20に沿って配置されている。
分注機構30は、上下に昇降可能な軸31と、一端が軸31に固定され軸31を中心に回動可能なノズル部材32と、ノズル部材32用の洗浄ポット33とを有する。
分注が必要な時に、ノズル部材32は、吸引位置T2にあるハルンカップ1から尿を吸引した後(
図6(a)参照)、軸31によってハルンカップ1から引き上げられた後、さらに上方にある分注用試験管供給収容機構20まで上昇され、分注位置T4にある試験管2に吸引した尿を分注し(
図6(b)参照)、その後、洗浄ポット33で洗浄される(
図6(c)参照)。
点着機構40は、上下に昇降可能な軸41と、一端が軸41に固定され軸41を中心に回動可能なノズル部材42と、ノズル部材42用の洗浄ポット43とを有する。
点着が必要な時に、ノズル部材42は、吸引位置T2にあるハルンカップ1から尿を吸引した後(
図7(a)参照)、軸41によってハルンカップ1から引き上げられ、分析機構80の点着測定位置T5にある試験プレートAに尿を点着する(
図7(b)参照)。この時、ノズル部材42による点着は、後述する85aと協働して点着開始位置T6にある検査部A9の全ての試薬部A11に対して行われる。尚、分析機構80及び試験プレートAの構造については後で詳述する。点着が終了した後、ノズル部材42は洗浄ポット43で洗浄される(
図7(c)参照)。
尚、
図1及び
図2において、符号45は、ハルンカップ内の尿を攪拌するための攪拌手段を示している。この攪拌手段45は、不図示の攪拌棒と攪拌棒を駆動する駆動機構と攪拌棒を洗浄する洗浄手段からなり、分注すべきハルンカップ内に挿入され、吸引前に尿を攪拌する。
【0014】
(読取機構50の説明)
次に、読取機構50について説明する。
読取機構50は、ハルンカップ用の読取機構51と試験管用の読取機構52とを有する。
ハルンカップ用の読取機構51は、ハルンカップ供給収容機構10における読取位置T1に対応する位置に設けられている。ハルンカップ1には、予め、そのハルンカップ1に採取された尿に対応する患者を識別可能な識別情報がバーコードで印字されたラベルが貼り付けられており、読取機構51は、ハルンカップ1を回転させながらハルンカップ1に貼り付けられたバーコードを読み取るように構成されている。
試験管用の読取機構52は、分注用試験管供給収容機構20におけるラベル貼付及び読取位置T3に対応する位置に設けられている。試験管用の読取機構52は、試験管2を回転させながら試験管2に貼り付けたラベルのバーコードを読み取るように構成されており、試験管2の回転中に後述するラベル印字・貼着手段60によって試験管2に患者の情報をバーコード(及び文字)の形態で印字したラベルを貼り付け、同時に、試験管2に貼り付けたラベルの情報を読み取る。
【0015】
(ラベル印字・貼付機構60の説明)
試験管供給収容機構20における分注前試験管収容部22と分注後試験管収容部23との間には、ラベル印字・貼付機構60が設けられている。
このラベル印字・貼付機構60は、ハルンカップ用の読取機構51でハルンカップ1のバーコードから読み取った患者の識別情報に基づいて、ラベルに前記患者の識別情報をバーコード(及び文字)の形態で印字した後、ラベル貼付及び読取位置T3にある試験管2の表面に印字済ラベルを貼り付けるように構成されている。
【0016】
(分析機構80の説明)
分析機構80は、自動分注ユニットとは別のユニットとして構成され、自動分注ユニットに並べて配置して使用される。
図1、
図2及び
図8に示すように分析機構80は、フレームユニット81の上に、ドライボックス82、試験プレート切り出しユニット83、シャッターユニット84、ターンテーブルユニット85、シュータユニット86及び光学測定手段87を配置してなる。
ドライボックス82は、内部に除湿機82aを備えた箱体であり、内部に試験プレートAを複数枚積み重ねて収容することができるように構成されている。
図9はドライボックス82の概略斜視図であり、図面に示すように、ドライボックス82は、その一側面に試験プレートAの補充用のドア82bがあり、その底面に試験プレートAを排出するための開口82cが形成されている。
ドライボックス82の内部には試験プレート切り出しユニット83が設けられている。
図10は試験プレート切り出しユニット83の概略斜視図であり、図面に示すように、この試験プレート切り出しユニット83は、積み重ねて収容された試験プレートAのフランジA3に係止して試験プレートAを保持する一対の爪83aを有し、後述するシャッターユニット86と連動して、爪83aを用いて、積み重ねられた試験プレートAを一番下から一枚づつ下方へ排出するように構成されている。尚、試験プレートAの構造については後で詳述する。
図中、符号83bは、最下位置にある試験プレートを検出するセンサを示し、符号83cは、最下位置の一つ手前にある試験プレートを検出するセンサである。
シャッターユニット84は、ドライボックス82の下方に配置されており、ドライボックス82の開口82cを開閉するシャッター84aを有する(
図11参照)。
ターンテーブルユニット85は、試験プレートAを載せて回転可能なターンテーブル85aと、ターンテーブル85aを、ドライボックス82の下方位置から
図1及び
図2に示す点着測定位置T5まで水平方向に移動可能な横送り機構85bと、ターンテーブル85aを上下に昇降可能な昇降機構85cとを有する(
図12参照)。
シュータユニット86は、
図13に示すように、試験プレートAを搭載できる幅に配置された一対のコンベア86aを有する。
光学測定手段87は、点着測定位置T5の上方に配置され、尿が点着された試験プレートAの呈色反応を光学的に測定する。
【0017】
(試験プレートの説明)
ここで、上記した分析機構80で用いられる試験プレートAの構造について簡単に説明していく。
図14は、試験プレートの上面図であり、
図15(a)は
図14におけるA−A断面図、
図15(b)は
図14におけるB−B断面図である。また、
図16(a)は
図14におけるC−C断面図、
図16(b)は
図14におけるD−D断面図を夫々示している。
これらの図面に示すように、試験プレートAは、周囲に下方に延びる外周壁A1が形成された円盤状のディスク本体A2を有する。また、外周壁A1の下端には径方向外方に伸びるフランジA3が形成されている。
試験プレートAの中心には、前記ターンテーブル85aに係止する係止部A4が形成され、この係止部A4を囲むようにドーナツ状の溝A5が形成されており、このドーナツ状の溝A5の周囲にはドーナツ状の突起A6が形成されている。さらに、溝A5の側壁には、90度の間隔で4箇所に径方向内方に突起する突起部A7が形成されており(
図14及び
図15参照)、かつ、外周壁A1には60度の間隔で6箇所に径方向外方に突出する突起部A8が形成されている(
図14及び
図15(a)参照)。試験プレートAを積み重ねた時に、溝A5の底面及びフランジA3の底面が前記突起部A7及びA8に係止して試験プレートAが完全に重なってしまわないように構成されている。
試験プレートAのディスク本体A2の上面には、放射方向に伸びる細長い凹部から成る検査部A9が相互に間隔をあけて複数形成されている(本実施例では22個)。各検査部9を形成する凹部の側壁には、内部に試験紙を収容して保持するように複数の突起A10が形成されている。
各検査部A9には、検体中の被検出物質と反応して発色する試薬を担持した複数の検査用試薬部A11をストリップ上に設けて成る試験紙A12が取り付けられており、各検査部A1が一検体用の検査部として機能する。尚、
図14及び
図15においては試験紙A12は省略されているが、基本的には、全ての検査部A9に試験紙A12を装着して用いられる。
さらに試験プレートAのディスク本体A2には、電子コード化した個別識別子をバーコードの形態等で印字したラベルA13が貼り付けられている。また、前記ラベルA13には、光学測定用の内部標準となる色見本も印刷され得る。前記個別識別子には、個々の使い捨て試験プレートAを識別可能な識別情報に加えて、色見本が印刷されている場合には、色見本(光学測定用の内部標準となる色見本)に関する色情報が含まれ得る。色見本の色情報は、具体的には、例えば、RGB値及び明暗値であり得る。
尚、この実施例では、個別識別子及び色見本を印字したラベルA13をディスク本体A2に貼り付けているが、個別識別子及び色見本は、ディスク本体A2に直接印字してもよく、また、個体識別子はタグ等で構成してもよい。
【0018】
次に、上記したように構成された分析機構80の作用を簡単に説明する。
ドライボックス82の内部には、予め複数の試験プレートAが複数枚積み重ねて収容されている。
この時、ターンテーブル85aは、ドライボックス82の下方に位置し、シャッターユニット84のシャッター84aは閉じた状態にされ、試験プレート切り出しユニット83の爪83aは、最下位置にある試験プレートAに係止している。
装置が作動すると、試験プレート切り出しユニット83の爪83aが最下位置にある試験プレートAを解放する。それにより、積み重ねられた試験プレートAは全体が下方に落下し、最下位置にある試験プレートAはシャッターユニット84のシャッター84aの上に載る。この状態で、試験プレート切り出しユニット83の爪83aが最下位置より一つ手前にある試験プレートに係止して、当該試験プレートAを保持する。
この時、同時にターンテーブルユニット85の昇降機構85cがターンテーブル85aを、シュータユニット86のコンベア86aより上方まで上昇させる。
この状態で、シャッターユニット84がシャッター84aを開き、シャッター84aの上に保持された最下位置にある試験プレートをターンテーブル85a上に落とす。
ターンテーブル85a上に試験プレートAが載ると、ターンテーブルユニット85の横送り機構85bがターンテーブル85aを点着測定位置T5まで移動する。
ターンテーブル85aは、試験プレートAが点着測定位置T5にセットされると、点着が行われる前に試験プレートAを回転させる。光学測定手段87は、試験プレートAの個体識別子の情報を読み取り、試験プレートAの識別情報を記憶すると共に、各検査部A9の各試薬部A11の色を光学的に測定し、劣化により使用不能な検査部A9の有無を確認する。使用不能な検査部A9が見つかった場合には、その使用不能な検査部A9を飛ばして点着測定を行うように点着機構40、ターンテーブルユニット85及び光学測定手段87を動作させるか、又は、使用不能な検査部A9を不図示のモニター等で使用者に表示して、その検査部A9の試験紙A12を交換するよう使用者に促す。また、光学測定手段87は、試験プレートAに光学測定用の内部標準となる色見本が設けられている場合には、試験プレートAの色見本及び個体識別子に含められた色見本の色情報を読み取り、読み取った情報に基づいて校正を行う。
試験プレートAの事前チェックの終了後、点着機構40とターンテーブル85aとを連動して動かして、点着位置T6にある検査部A8の試薬部A11に対して一検体の点着が行われる。
ターンテーブル85aは、一つの検査部A8における試薬部A11に対する点着が完了すると、試薬プレートAを回転させる。そして、検査部A8が光学測定手段87による測定位置T7を通過する時に、光学測定手段87は、例えばCCD等を用いて検査部A8の各試薬部A11の呈色反応を光学的に測定する。
ターンテーブル85aは、試薬プレートAを一回転させた後、前に点着が行われた検査部A8の次の検査部A8を点着位置T6で停止させる。
その後、点着機構40とターンテーブル85aとを連動して動かして、次の検体の点着が開始され、該検体の点着が完了すると、ターンテーブル85aは再び試験プレートAを回転させる。この回転の間に、前に点着が行われた検査部A8と、次に点着が行われた検査部A8は共に測定位置T7を通過する。光学測定手段87は、測定位置T7を通過する両方の検査部A8の各試薬部A11の呈色反応を光学的に測定する。これにより、光学測定手段87は、所定の時間間隔をあけて同一の検査部A8の試薬部A11の呈色反応を複数回、経時的に測定ことになる。
ターンテーブル85aは、上記したように、各検査部A8の点着が完了する毎に試験プレートAを回転させるように構成されていてもよいが、直ぐに次の点着処理が行われない場合には、所定の時間間隔で定期的に試験プレートAを回転させるように構成してもよい。
また、ターンテーブル85aは、必要に応じて、使用者による操作で任意のタイミングで試験プレートAを回転させることができるように構成してもよい。さらにまた、ターンテーブル85aによる試験プレートAの回転速度、回転時間間隔及び又は回転回数、並びに、回転手段Bによる試験プレートAの回転に応じた光学測定手段87による測定タイミングは、不図示の適当なインターフェイスを介して任意に設定することができるように構成され得る。
光学測定手段87による各検査部A8の測定結果は、個別識別子から読み取った試験プレートAの識別情報及び試験プレートAにおける検査部A8の位置と共に適当な記憶手段に記憶される。
試験プレートAには、複数の検査部A8が設けられているため、一回の検査で全ての検査部A8が使用されるとは限らない。全ての検査部A8が使用されなかった場合、試験プレートAはターンテーブル85aから外して保管され、所定の時間が経過した後又は別の日に再度利用される。このような場合でも、前記したように光学測定手段87による各検査部A8の測定結果が、個別識別子から読み取った試験プレートAの識別情報及び試験プレートAにおける検査部A8の位置と共に記憶手段に記録されているので、試験プレートAの事前チェックの段階で、試験プレートAの識別情報に基づいて、未使用の検査部A8の位置を自動的に認識することができる。
光学測定の終了後、試験プレートAの全ての検査部A8が使用された場合に、ターンテーブル85aは、横送り機構85bによって再びドライボックス82の下方まで戻される。ターンテーブル85aは、ドライボックス82の下方に到達した後、昇降機構85cによって下方に下げられる。これにより、ターンテーブル85a上に載せられた試験プレートは、シュータユニット86のコンベア86a上に載る。シュータユニット86は、そのコンベア86aに試験プレートが載せられると、コンベア86aを作動して、試験プレートを廃棄方向へ送り廃棄する。
【0019】
(装置全体の作用の説明)
次に、上記したように構成された分析機構を備えた自動分析機の作用について説明していく。
予め、試験プレートAをドライボックス82にセットしておく。
始めに、使用者が、患者から採取した尿が収容されたハルンカップ1をラック11に入れて、処理前カップ収容部12にセットする。また、空の試験管2を収納した試験管用ラック21を分注前試験管収容部22にセットしておく。
先頭のハルンカップ1が読取位置T1に到達すると、ハルンカップ用の読取機構51がハルンカップ1を回転させ、その回転中に、ハルンカップ1の患者識別情報を読み取る。
不図示の制御装置は、前記した患者識別情報に基づいて、定性分析や定量分析等の化学分析依頼の有無や定量分析に必要な試験管の数及び量等の分析情報を確認する。
化学分析が必要な場合であって、試験プレートAが点着測定位置T5にない場合には、分析機構80を作動して、ドライボックス82から試験プレートAをターンテーブル85a上に1枚取り出し、取り出した試験プレートAを点着測定位置T5まで移送する。
不図示の制御装置は、点着測定位置T5へ移送した試験プレートAの個別識別子A11から個別識別情報を読み取ると共に、試験プレートAにおいて、これから点着が行われる検査部A9の位置を認識し(検査部A9の位置は、ターンテーブル85aの回転距離を検出することにより認識することができる)、これらの情報と前記ハルンカップ1から読み取った患者識別情報とを関連付けして記憶する。
一方、前記ハルンカップ1の患者識別情報の読取が終了した後、ラック11はハルンカップ一つ分だけ、処理後カップ収容部13側に送られる。この状態において、前記ハルンカップ1は、尿吸引位置T2に到達し、次のハルンカップ1が読取位置T1に到達する。
また、上記した動作と並行して、分注前試験管収容部22から試験管用ラック21が移送通路25に押出され、次いで、ラック21は、先頭の試験管2がラベル貼付及び読取位置T3に到達する位置まで移送される。そして、定量分析及び/又は沈査分析が必要な場合には、制御装置が前記ハルンカップ1から読み取られた患者識別情報及びそれに対応する分析情報に基いてラベル・印字貼付機構60及び試験管用の読取機構52を動作させて、試験管2に、前記ハルンカップ1の患者識別情報に対応する患者識別情報を印字したラベルを貼り付ける。この試験管2へのラベルの貼付け処理は、前記ハルンカップ1から読み取られた患者識別情報及びそれに対応する分析情報に基いて必要な数の試験管2に対して行われる。
試験管用の読取機構52は、試験管2に貼り付けられたラベルの情報を読み取り、ハルンカップ1から読み取られた患者識別情報との照合を行う。
一方、前記ハルンカップ1が、尿吸引位置T2に到達すると、攪拌手段45の攪拌棒が前記ハルンカップ1の尿の中に挿入され、同時に、分注機構30のノズル部材32及び点着機構40のノズル部材42が前記ハルンカップ1の尿の中に挿入される。
ハルンカップ1の中の尿の攪拌が終了した後、攪拌棒は適当な洗浄手段で洗浄される。攪拌が終了すると同時に、各ノズル部材32及び42に必要な量の尿が吸引される。
点着機構のノズル部材42は、尿を吸引した後、点着測定位置T5に移送された試験プレートAの検査部A9まで移動し、ターンテーブル85aと協働して検査部A9の試薬部A11に尿を点着する。
同時に、分注機構30のノズル部材32は軸31によって上昇され、分注位置T4まで移動し、ラベル貼付け後の試験管2に尿の分注を行う。試験管2への尿の分注は、前記ハルンカップ1から読み取られた患者識別情報に対応する分析情報に従って、必要な量、必要な数だけ行われる。
上記した分注処理は、分析のみの場合には行われない。
点着後の試験プレートAは、前述したようにターンテーブル85aによって回転させられ光学測定手段87による測定に供される。
光学測定手段87による測定については、上述した通りである。
測定結果は、前記ハルンカップ1から読み取った患者識別情報と関連付けて記憶される。
分注機構30のノズル部材32及び点着機構40のノズル部材42は、分注処理及び点着処理が終了すると、各々、洗浄ポット33及び43まで移動され、これらの洗浄ポット33及び43で洗浄される。
上記したハルンカップ1に関する分注処理及び点着処理が行われている間に、バーコードリーダ53により次のハルンカップ1の患者識別情報の読み取りが行われ、前のハルンカップ1の分注及び点着処理が終了すると、続けて、次のハルンカップ1の分注及び点着処理が行われる。
【0020】
以上説明した実施例では、分析機構を備えた自動分注機を例に挙げて本発明に係る自動分注機を説明しているが、分析機構は必須の構成ではないことは勿論である。
また、上記した実施例では、尿を分注する自動分注機を例に挙げて説明をしているが、本発明に係る自動分注機に供される検体は、尿に限定されるものではないことは勿論である。
さらに、上記した実施例では、ハルンカップ供給収容機構の上に試験管供給収容機構が設けられているが、上下に重ねて配置される供給収容機構の構成は本実施例に限定されることなく、試験管供給収容機構が下方に設けられていてもよい。