(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記シール部材は、第1管部材と前記第2管部材との前記軸方向に沿って対向する壁部の間を、前記第1管部材と前記第2管部材の径方向にV字状溝の開口部を向けて配置されている請求項7に記載のコネクタ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この先行技術では、雌部材と雄部材とを連結した後、雌部材または雄部材と別体とされた固着クリップを取り付ける必要がある。また、雌部材と雄部材との連結を解除する際にも、この固着クリップを取外す必要がある。このため、作業に手間がかかると共に、固着クリップの落下が発生する恐れもあり作業性が良くない。
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、連結時及び取外し時の作業性を向上できるコネクタを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載のコネクタは、被係合部が形成された第1管部材と、前記第1管部材が押込み可能とされた端部に前記被係合部と係合する係合部材が係合位置と非係合位置とへ移動可能に取付けられ、且つ外周部にリング部材が軸方向に沿ってロック位置とロック解除位置とへ移動可能に取付けられた第2管部材と、前記係合部材に係合方向の力に抗して移動可能に設けられ、前記リング部材を前記ロック位置にした状態で前記第1管部材と前記第2管部材とを連結すると、前記係合方向の力に抗して移動し、その後、前記係合方向の力によって移動することにより、前記係合位置にある前記係合部材と前記被係合部とを係合させる係合手段と、前記リング部材に設けられ、前記リング部材が前記ロック位置のとき前記係合部材の前記係合位置から前記非係合位置への移動を防止する移動防止手段と、前記係合部材と前記リング部材との少なくとも一方に設けられ、前記リング部材が前記ロック位置から前記ロック解除位置へ移動することで、前記係合部材を前記非係合位置方向へ移動させる移動手段と、を有
し、前記係合部材は、前記第2管部材の外周に配置されると共に前記第2管部材に設けられた回転軸によって回転可能に支持され、前記係合手段は、前記係合部材の前記第2管部材における前記第1管部材との連結側の一端部に設けられ、前記移動手段は、前記リング部材が前記ロック位置から前記ロック解除位置へ移動すると、前記回転軸を中心に前記係合部材を回転させることで前記係合部材の前記一端部側を前記第2管部材の径方向外側に張り出すように前記第2管部材の外周面から持ち上げて、前記係合部材を前記係合位置から前記係合手段が前記被係合部から離れる前記非係合位置へ移動させ、前記移動防止手段は、前記係合部材の前記回転軸を挟んで前記係合手段と反対側の他端部に設けられたカム部が挿入される前記リング部材に形成されたカム挿入部の内周面側に設けられた凸部であり、前記凸部は、前記リング部材が前記ロック位置のときには、前記カム部の内周側面に当接して前記係合部材の前記回転軸を中心とした回転を阻止し、前記係合部材の前記係合位置から前記非係合位置への移動を防止する。
【0007】
請求項1に記載のコネクタでは、
第1管部材が押込み可能とされた第2管部材の端部に、係合部材が
第1管部材の被係合部に係合する係合位置と、非係合位置とへ移動可能に取付けられており、係合部材
には、リング部材をロック位置にした状態で係合方向の力に抗して移動可能に
係合手段が設けられている。
そして、第1管部材と第2管部材とが連結されることにより、係合手段
が係合方向の力に抗して移動し、その後、係合方向の力によって移動することにより、係合位置にある
第2管部材の係合部材と、第1管部材に形成された被係合部とが係合する。また、このとき、第2管部材の外周部に軸方向に沿ってロック位置とロック解除位置とへ移動可能に取付けられたリング部材がロック位置にあり、リング部材に設けた移動防止手段が係合部材の係合位置から非係合位置への移動を防止する。
【0008】
一方、第1管部材と第2管部材との連結を解除する場合には、リング部材をロック位置からロック解除位置へ移動することで、係合部材とリング部材との少なくとも一方に設けられ
た移動手段が、係合部材を係合位置から非係合位置へ移動させる。このため、第1管部材と第2管部材との連結を解除することができる。
【0009】
従って、第1管部材または第2管部材と別部材とされた固着クリップを使用することなく、第1管部材と第2管部材とを瞬時に着脱できる。このため、第1管部材と第2管部材との連結時及び取外し時の作業性を向上できる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のコネクタにおいて、前記移動手段は、前記第1管部材と前記第2管部材とを引き離す操作方向へ前記リング部材を移動する際に摺動する摺動部である。
【0011】
第1管部材と第2管部材とを引き離す方向へリング部材を移動すると、係合部材とリング部材との少なくとも一方に設けられ
た摺動部が摺動することで、係合部材と被係合部との係合が解除される。このため、リング部材を軸方向に沿って、ロック位置からロック解除位置方向へ移動する操作と、第1管部材と第2管部材とを引き離す操作とが同一方向の操作となり、取外し時の操作性がさらに向上する。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のコネクタにおいて、前記移動手段は、前記係合部材を前記係合位置から前記非係合位
置方向へ付勢する付勢手段を備え、前記第1管部材と前記第2管部材とを引き離す操作方向へ前記リング部材を移動することで前記付勢手段が前記係合部材を前記係合位置から前記非係合位置へ移動させる。
【0013】
第1管部材と第2管部材とを引き離す方向へリング部材を移動すると、付勢手段の付勢力によって、係合部材と被係合部との係合が解除される。このため、リング部材を軸方向に沿って、ロック位置からロック解除位置方向へ移動する操作と、第1管部材と第2管部材とを引き離す操作とが同一方向の操作となり、取外し時の操作性がさらに向上する。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか1項に記載のコネクタにおいて、前記係合手段は、弾性変形により前記係合部材と前記被係合部とを係合させる。
【0015】
係合手段が弾性変形することにより、係合部材と被係合部とが係合するため、簡単な構成で係合部材と被係合部とを係合させることができる。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜3の何れか1項に記載のコネクタにおいて、前記係合手段は、付勢手段を備え、前記付勢手段の付勢力により前記係合部材と前記被係合部とを係合させる
【0017】
係合手段が付勢手段の付勢力により移動することで、係合部材と被係合部とが係合するため、係合部材と被係合部とを確実に係合させることができる。
【0018】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の何れか1項に記載のコネクタにおいて、前記リング部材は、外周部の少なくとも一部に操作部を備える。
【0019】
リング部材の外周部の少なくとも一部に備えられた操作部を把持することで、リング部材の移動操作が容易になる。
【0020】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6の何れか1項に記載のコネクタにおいて、前記第1管部材と前記第2管部材との間をシール部材によってシールする。
【0021】
第1管部材と第2管部材との間をシール部材によってシールするため、第1管部材と第2管部材との連結部のシール性を確保できる。
【0022】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載のコネクタにおいて、前記シール部材は、第1管部材と前記第2管部材との前記軸方向に沿って対向する壁部の間を、前記第1管部材と前記第2管部材の径方向にV字状溝の開口部を向けて配置されている。
【0023】
第1管部材と第2管部材との軸方向に沿って対向する壁部の間を、第1管部材と第2管部材の径方向に開口部を向けたV字状溝を有するシール部材によってシールする。このため、第1管部材と第2管部材との各径方向の寸法公差に影響されないでシール性を確保できる。この結果、第1管部材と第2管部材との各径方向の寸法公差によって、第1管部材と第2管部材との挿入力が必要以上に大きくならず、第1管部材と第2管部材との連結時及び取外し時の操作性がさらに向上する。
【発明の効果】
【0024】
請求項1に記載の本発明のコネクタは、上記構成としたので、連結時及び取外し時の作業性を向上できるコネクタを提供できる。
【0025】
請求項2に記載の本発明のコネクタは、上記構成としたので、取外し時の操作性をさらに向上できる。
【0026】
請求項3に記載の本発明のコネクタは、上記構成としたので、取外し時の操作性をさらに向上できる。
【0027】
請求項4に記載の本発明のコネクタは、上記構成としたので、簡単な構成で係合部材と被係合部とを係合させることができる。
【0028】
請求項5に記載の本発明のコネクタは、上記構成としたので、係合部材と被係合部とを確実に係合させることができる。
【0029】
請求項6に記載の本発明のコネクタは、上記構成としたので、リング部材の移動操作が容易になる。
【0030】
請求項7に記載の本発明のコネクタは、上記構成としたので、第1管部材と記第2管部材との連結部のシール性を確保できる。
【0031】
請求項8に記載の本発明のコネクタは、上記構成としたので、連結時及び取外し時の操作性をさらに向上できる。
【発明を実施するための形態】
【0033】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係るコネクタを
図1〜
図6に従って説明する。
図1に示すように、本実施形態のコネクタ10は、例えば、車両のエアダクトホースのIN.OUT用のジョイントコネクタとして使用されている。また、コネクタ10は第1管部材12と第2管部材14とを備えている。第1管部材12の一方の端部12Aはユニット15に連結されており、第2管部材14の一方の端部14Aは冷却用の送風装置に連結されたダクト16に連結されている。
【0034】
図3に示すように、第1管部材12は円筒形状となっている。また、第1管部材12は一方の端部12A側が小径部12Bとなっており、第2管部材14との連結側端部12C側が大径部12Dとなっている。第1管部材12における連結側端部12Cの外周部にはフランジ20が突出形成されている。このフランジ20における周方向に沿って180°離間した位置には、それぞれ被係合部21が形成されている。なお、
図2に示すように、各被係合部21の第1管部材12の軸方向から見た形状は、先端縁部21Aが直線形状となっている。
【0035】
図6に示すように、各被係合部21の先端縁部21Aにおける第2管部材14への挿入側端部21Bは、第1管部材12(コネクタ10)の軸方向に沿った断面形状が縮径方向へ傾斜した傾斜面となっている。また、各被係合部21の係合面21Cは垂直面となっている。
【0036】
図3に示すように、第1管部材12における、小径部12Bと大径部12Dとの境となる外周部には、フランジ22が突出形成されており、このフランジ22の第1管部材12の軸方向から見た形状はフランジ20を大きくした形状となっている。また、フランジ20とフランジ22との間には、第1管部材12の軸方向に沿って伸び、各被係合部21の両端とフランジ22とを連結する一対の側壁部24と、各被係合部21の中央部とフランジ22とを連結する中央壁部26とが形成されている。
【0037】
中央壁部26から周方向に沿って90°離間した位置には、第1管部材12の軸方向に沿ってリブ30が突出形成されており、リブ30の軸方向両端部はフランジ20とフランジ22とに結合されている。
【0038】
一方、第2管部材14は円筒形状のジョイントケース36と、ジョイントケース36の外周部に取付けられた短い筒状(環状)のリング部材40と、を備えている。また、リング部材40はジョイントケース36の軸方向に沿って
図5に示すロック位置と、
図6に示すロック解除位置とへ移動可能となっている。即ち、リング部材40は、
図5に示すロック位置から
図6に示すロック解除位置へ向かう方向(
図5の矢印A方向)と、
図6に示すロック解除位置から
図5に示すロック位置へ向かう方向(
図5の矢印B方向)と、へ移動可能となっている。
【0039】
図3に示すように、ジョイントケース36における周方向に沿って180°離間した位置には、それぞれガイド突起37が、ジョイントケース36の軸方向に沿って形成されている。一方、リング部材40の内周部には、周方向に沿って180°離間した位置にそれぞれガイド溝41がリング部材40の軸方向に沿って形成されており、ガイド溝41にガイド突起37が挿入されている。従って、リング部材40はジョイントケース36の周方向へ回転することなく、ジョイントケース36の軸方向へ移動するようになっている。
【0040】
図4に示すように、ジョイントケース36の一方の端部はダクト16等との連結部36Aと
なっており、連結部36Aの外周部にはダクト16の内周部との間をシールするためのOリング等のシール部材42が設けられている。
【0041】
図3に示すように、リング部材40における周方向に沿ってガイド溝41から90°離間した位置にはそれぞれカム挿入部40Aが形成されている。各カム挿入部40Aの外周縁部は、リング部材40の軸方向から見た形状が直線形状となっている。また、カム挿入部40Aは周方向に沿って3分割された開口部を有しており、中央部からは、位置決め用の爪40Bが径方向へ弾性変形可能に一体的に突出成形されている。また、
図5に示すように、位置決め用の爪40Bは、ロック位置側(
図5の左側)となる部位が傾斜面となっており、ロック解除位置側(
図5の右側)となる部位が垂直面となっている。
【0042】
図3に示すように、ジョイントケース36における周方向に沿ってガイド突起37から90°離間した位置には、それぞれロック位置凹部36Cとロック解除位置凹部36Dとがジョイントケース36の軸方向に所定の間隔を開けて形成されている。
【0043】
図5に示すように、ロック位置凹部36Cはロック位置側(
図5の左側)となる部位が垂直面となっており、ロック解除位置側(
図5の右側)となる部位が傾斜面となっている。また、ロック解除位置凹部36Dはロック位置側(
図5の左側)となる部位が傾斜面となっており、ロック解除位置側(
図5の右側)となる部位が垂直面となっている。
【0044】
従って、ロック位置凹部36C及びロック解除位置凹部36Dと、位置決め用の爪40Bとの摺動によって、リング部材40をロック位置とロック解除位置とへ容易に移動できるようになっている。また、ロック位置凹部36Cとロック解除位置凹部36Dとに、位置決め用の爪40Bが係合することで、リング部材40をロック位置とロック解除位置とに保持できるようになっている。
【0045】
図3に示すように、リング部材40におけるジョイントケース36の連結部36A側となる端部には、操作部としてのフランジ40Cが形成されており、作業者がフランジ40Cを把持することで、リング部材40を容易に移動できるようになっている。なお、フランジ40Cは一対のカム挿入部40Aを連結している。
【0046】
リング部材40の一対のカム挿入部40Aと対向するジョイントケース36の連結側端部36Bの部位には、係合部材取付部44が突出形成されている。即ち、係合部材取付部44は、ジョイントケース36における周方向に沿ってガイド突起37から90°離間した位置にそれぞれ形成されている。
【0047】
各係合部材取付部44は、第1管部材12の径方向から見た形状が連結部36A側が開口した枠形状となっている。また、係合部材取付部44の両側壁部44Aの開口側端部には、貫通孔48がそれぞれ形成されており、これらの貫通孔48には軸50が貫通されている。
【0048】
また、係合部材取付部44の両側壁部44Aにおける開口側と反対側の端部は、連結壁部44Bによって連結されている。
【0049】
係合部材取付部44の内側には、係合部材としてのストッパー52が設けられている。このストッパー52は矩形板状となっており、ストッパー52における連結壁部44B側の端部には、係合手段としての爪部54が一体成形されている。
【0050】
図5に示すように、爪部54は第2管部材14における第1管部材12との連結側(
図5の左側)から第2管部材14の軸方向に沿って反対方向(
図5の右側)へ伸びており、先端部54Aが第2管部材14の内側方向(軸心方向)へ傾斜している。
【0051】
従って、リング部材40を
図5に示すロック位置にした状態で、第2管部材14に第1管部材12が押し込まれると、爪部54の先端部54Aと、第1管部材12の被係合部21の傾斜面とされた挿入側端部21Bとが摺動し、爪部54が弾性変形することで、爪部54の先端部54Aが被係合部21を乗り越え、被係合部21の係合面21Cに係合するようになっている。
【0052】
図3に示すように、ストッパー52における爪部54と反対側の端部には、カム部56が一体成形されている。このカム部56は、ジョイントケース36の周方向に沿って3分割されており、分割された各部位が、3分割されたカム挿入部40Aの開口部にそれぞれ挿入されている。
【0053】
図5及び
図6に示すように、ストッパー52は軸50によって係合部材取付部44に回転可能に軸支されている。即ち、ストッパー52は
図5に示されるように爪部54が第1管部材12の被係合部21と係合する係合位置と、
図6に示されるように、爪部54と第1管部材12の被係合部21との係合が解除する非係合位置とへ回転可能とされている。
【0054】
図5に示すように、リング部材40がロック位置にある場合には、カム部56の内周側面56Aがカム挿入部40Aの内周面側に設けられた移動防止手段としての凸部60に当接している。このため、リング部材40がロック位置のとき、凸部60がカム部56の内周側面56Aに当接して、ストッパー52の係合位置(
図5の位置)から非係合位置(
図6の位置)へ向かう方向(
図5の矢印C方向)であるリング部材40の径方向外側方向へ回転するのを防止するようになっている。
【0055】
図6に示すように、カム部56の外周側面56Bの先端部には、移動手段(摺動部)としての凸部66が形成されており、この凸部66の軸50側は傾斜面66Aとなっている。一方、リング部材40におけるカム挿入部40Aの外側内周面には移動手段(摺動部)としての凸部70が形成されており、凸部66の傾斜面66Aと対向する凸部70の部位は傾斜面70Aとなっている。
【0056】
従って、リング部材40を、
図5に示すロック位置から
図6に示すロック解除位置へ向かう方向(
図5の矢印A方向)へ移動させると、リング部材40の凸部70の傾斜面70Aと、カム部56の凸部66の傾斜面66Aとが摺動して、ストッパー52が係合位置(
図5の位置)から非係合位置(
図6の位置)へ向かう方向(
図5の矢印C方向)であるリング部材40の径方向外側方向へ回転するようになっている。
【0057】
よって、第2管部材14を第1管部材12からの引き抜く方向(
図6の矢印A方向)へリング部材40を移動することで、ストッパー52がリング部材40の径方向外側(
図6の矢印C方向)へ回転し、連結が解除される。このため、リング部材40を軸方向に沿って、ロック位置からロック解除位置方向へ移動する操作と、第2管部材14と第1管部材12との連結を解除する操作が同一方向の操作となり、取外し時の操作性がさらに向上するようになっている。
【0058】
なお、
図5に示すように、第2管部材14と第1管部材12とが連結された状態では、フランジ22と連結壁部44Bが隣接すると共に、フランジ22と係合部材取付部44との径方向の位置が略一致しており、カム挿入部40Aとストッパー52との径方向の位置が略一致している。また、係合部材取付部44に対して、ストッパー52は僅かに径方向内側の位置となっている。
【0059】
図6に示すように、第2管部材14における第1管部材12との連結側端部には、第1管部材12の大径部12Dが挿入されるリング状の溝部74が形成されている。この溝部74の底部は、シール材保持部76となっており、このシール材保持部76には、第2管部材14の軸方向に沿った断面が、第1管部材12と第2管部材14の径方向外側に開口部を向けたV字状溝を有するシール部材としてのVリング80が取付けられている。従って、第2管部材14と第1管部材12とを連結した場合には、
図5に示すように、第1管部材12と第2管部材14との軸方向に沿って対向する壁部である第1管部材12の連結側の端部12Cと、第2管部材14におけるシール材保持部76の底面76Aとによって、Vリング80がV字状溝を閉じる方向に圧縮されることで、第2管部材14と第1管部材12との隙間をシールするようになっている。このため、第1管部材12と第2管部材14との各径方向の寸法公差に影響されないでシール性を確保できるようになっている。この結果、第1管部材12と第2管部材14との挿入力が必要以上に大きくならいようになっている。
【0060】
(作用・効果)
次に、本実施形態に係るコネクタの作用と効果について説明する。
図1及び
図5に示すように、コネクタ10の第1管部材12と第2管部材14とが連結され、リング部材40がロック位置にある場合には、
図5に示すように、第2管部材14に設けたストッパー52の爪部54の先端部54Aが、第1管部材12の被係合部21の係合面21Cに係合している。また、ストッパー52のカム部56の内周側面56Aがカム挿入部40Aの内周面側に設けられた凸部60に当接しており、ストッパー52の係合位置(
図5の位置)から非係合位置(
図6の位置)へ向かう係合解除方向(
図5の矢印C方向)への回転が防止されている。
【0061】
なお、この時、リング部材40の位置決め用の爪40Bが、ジョイントケース36のロック位置凹部36Cに係合しており、リング部材40が容易に移動しないようになっている。
【0062】
次に、第1管部材12と第2管部材14との連結を解除する場合には、リング部材40を、
図5に示すロック位置から
図6に示すロック解除位置へ向かう方向(
図5の矢印A方向)へ移動する。この際、作業者はリング部材40のフランジ40Cを把持することで、リング部材40を
図5の矢印A方向へ容易に移動できる。
【0063】
リング部材40を
図5の矢印A方向へ移動させると、
図6に示すように、リング部材40の凸部70の傾斜面70Aと、カム部56の凸部66の傾斜面66Aとが摺動して、ストッパー52が、係合位置(
図5の位置)から非係合位置(
図6の位置)へ向かう方向(
図6の矢印C方向)へ回転する。この結果、第2管部材14に設けたストッパー52の爪部54の先端部54Aと、第1管部材12の被係合部21の係合面21Cとの係合が解除される。
【0064】
また、リング部材40が
図6に示すロック解除位置へ移動すると、リング部材40の位置決め用の爪40Bが、ジョイントケース36のロック解除位置凹部36Dに係合し、リング部材40と一体的に第2管部材14が第1管部材12から離間する方向へ移動する。
【0065】
従って、本実施形態では、リング部材40を軸方向に沿って、ロック位置からロック解除位置方向へ移動する操作と、第2管部材14と第1管部材12との連結を解除する操作が同一方向の操作となる。このため、第1管部材12と第2管部材14との取外し時の操作性がさらに向上する。
【0066】
一方、第2管部材14と第1管部材12とを連結する場合には、リング部材40を
図5に示すロック位置へ移動させておき、この状態で、第2管部材14の溝部74に、第1管部材12の大径部12Dを押し込む。この際、第2管部材14のストッパー52は、カム部56と凸部60との当接により、矢印C方向へ回転できない。このため、爪部54の先端部54Aと、第1管部材12の被係合部21の傾斜面とされた挿入側端部21Bとが摺動し、爪部54が弾性変形することで、爪部54の先端部54Aが被係合部21を乗り越え、被係合部21の係合面21Cに係合する。この結果、第2管部材14と第1管部材12とが
図5に示す連結状態となる。また、爪部54が弾性変形することで、ストッパー52の爪部54が被係合部21に係合するため、簡単な構成でストッパー52と被係合部21とを係合させることができる。
【0067】
また、第2管部材14と第1管部材12との連結状態では、第1管部材12の連結側の端部12Cと、第2管部材14におけるシール材保持部76の底面76Aとによって、Vリング80がV字状溝を閉じる方向に圧縮され、第2管部材14と第1管部材12との隙間がシールされる。
【0068】
このように、本実施形態のコネクタ10では、第1管部材12または第2管部材14と別部材とされた固着クリップを使用することなく、第1管部材12と第2管部材14とを瞬時に着脱できる。このため、第1管部材12と第2管部材14との連結時及び取外し時の作業性を向上できる。
【0069】
また、本実施形態では、リング部材40を操作することで、2箇所のストッパー52を同時に回転させることができる。このため、ストッパー52が片方ずつ外れることがない。
【0070】
また、本実施形態では、第2管部材14を第1管部材12に押込むだけで、爪部54が被係合部21に係合するため、ワンタッチロックが可能になる。
【0071】
また、本実施形態では、第1管部材12と第2管部材14との連結時及び取外し時に、工具等必要としない。このため、工具が入らない狭いスペースでも、リング部材40をコネクタ10の軸方向に沿って移動可能なスペースさえあれば、第1管部材12と第2管部材14との着脱が可能になる。
【0072】
また、本実施形態では、第2管部材14と第1管部材12とを連結した場合に、
図5に示すように、第1管部材12の連結側の端部12Cと、第2管部材14におけるシール材保持部76の底面76Aとによって、Vリング80がV字状溝を閉じる方向に圧縮されることで、第2管部材14と第1管部材12との隙間をシールする。このため、Vリング80に代えてOリングを使用する場合に比べて、第1管部材12と第2管部材14との各径方向の寸法公差に影響されないでシール性を確保できる。この結果、寸法公差に対して安全値を見込んだ潰し代を設定したOリングを使用する場合のように、第1管部材12と第2管部材14との挿入力及び引き抜き力が必要以上に大きくならい。特に、第2管部材14と第1管部材12とが大口径の場合に、第1管部材12と第2管部材14との挿入力及び引き抜き力が必要以上に大きくならい。よって、第1管部材12と第2管部材14との連結時及び取外し時の操作性をさらに向上できる。
【0073】
また、本実施形態では、コネクタ10を水中等で使用した場合に、水圧(外圧)により第1管部材12と第2管部材14とが押し合うことで、Vリング80の自己シール性が作用する。このため、水深が深くなると(外圧が高くなると)シール性が向上する。
【0074】
なお、上記第1実施形態では、ストッパー52を軸50によってジョイントケース36の係合部材取付部44に回転可能に取付けたが、これに代えて、ストッパー52に軸部を一体成形し、この軸部をジョイントケース36の係合部材取付部44に形成した軸受部によって回転可能に支持する構成としてもよい。
【0075】
また、上記第1実施形態では、移動手段(摺動部)として、カム部56の外周側面56Bの先端部に形成した凸部66の軸50側を傾斜面66Aとし、リング部材40におけるカム挿入部40Aに形成した凸部70における凸部66の傾斜面66Aと対向する部位を傾斜面70Aとしたが、これに代えて、凸部66と凸部70との摺動面の何れか一方のみ傾斜面としてもよい。また、傾斜面に代えて湾曲面同士が摺動する等の他の移動手段(摺動部)としてもよい。
【0076】
また、上記第1実施形態では、リング部材40がロック位置にある場合に、移動防止手段としてのカム挿入部40Aの内周面側に設けられた凸部60が、カム部56の内周側面56Aに当接する構成としたが、移動防止手段は凸部60に限定されず、別部材等の他の移動防止手段を設けた構成としてもよい。
【0078】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係るコネクタを
図7〜
図9に従って説明する。
なお、第1実施形態と同一部材に付いては、同一符号を付してその説明を省略する。
【0079】
図8に示すように、本実施形態では、ストッパー52の係合位置(
図8の位置)から非係合位置(
図9の位置)へ向かう方向が、リング部材40の径方向内側方向(
図8の矢印D方向)となっている。
【0080】
より具体的に説明すると、
図7に示すように、第1管部材12におけるフランジ22の周方向に沿って180°離間した位置には、それぞれ被係合部21が形成されている。この被係合部21は、フランジ22から第1管部材12の径方向外側に突出した壁部22Aから伸びる2本の腕部22Bの先端部に架設されている。なお、被係合部21の第1管部材12の軸方向から見た形状は、先端縁部21Aが直線形状となっている。
【0081】
図8に示すように、本実施形態の爪部54は、第2管部材14における第1管部材12との連結側(
図8の左側)から第2管部材14の軸方向に沿って反対方向(
図8の右側)へ伸びており、先端部54Aが第2管部材14の径方向外側(反軸心方向)へ傾斜している。
【0082】
また、
図8に示すように、リング部材40がロック位置にある場合には、カム部56の外周側面56Bがカム挿入部40Aの外周面側に設けられた移動防止手段としての凸部60に当接している。このため、リング部材40がロック位置のとき、凸部60がカム部56の外周側面56Bに当接して、ストッパー52の係合位置(
図8の位置)から非係合位置(
図9の位置)へ向かう方向(
図8の矢印D方向)であるリング部材40の径方向内側方向へ回転するのを防止するようになっている。
【0083】
従って、リング部材40を
図8に示すロック位置にした状態で、第2管部材14に第1管部材12が押し込まれると、爪部54の先端部54Aと、第1管部材12の被係合部21の先端部21Aとが摺動し、爪部54が弾性変形することで、爪部54の先端部54Aが被係合部21を乗り越え、被係合部21の係合面21Cに係合するようになっている。
【0084】
また、本実施形態では、カム部56の内周側面56Aの先端部には、移動手段(摺動部)としての凸部66が形成されており、この凸部66の軸50側は傾斜面66Aとなっている。一方、リング部材40におけるカム挿入部40Aの内側内周面には移動手段(摺動部)としての凸部70が形成されており、凸部66の傾斜面66Aと対向する凸部70の部位は傾斜面70Aとなっている。
【0085】
従って、リング部材40を、
図8に示すロック位置から
図9に示すロック解除位置へ向かう方向(
図8の矢印A方向)へ移動させると、リング部材40の凸部70の傾斜面70Aと、カム部56の凸部66の傾斜面66Aとが摺動して、ストッパー52が係合位置(
図8の位置)から非係合位置(
図9の位置)へ向かう方向(
図8の矢印D方向)であるリング部材40の径方向内側方向へ回転するようになっている。
【0086】
よって、第2管部材14を第1管部材12からの引き抜く方向(
図8の矢印A方向)へリング部材40を移動することで、ストッパー52がリング部材40の径方向内側(
図8の矢印D方向)へ回転し、連結が解除される。このため、リング部材40を軸方向に沿って、ロック位置からロック解除位置方向へ移動する操作と、第2管部材14と第1管部材12との連結を解除する操作が同一方向の操作となり、取外し時の操作性がさらに向上するようになっている。
【0087】
従って、本実施形態においても、第1実施形態と同様な作用効果が得られる。
【0088】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係るコネクタを
図10〜
図13に従って説明する。
なお、第1実施形態と同一部材に付いては、同一符号を付してその説明を省略する。
【0089】
図10及び
図11に示すように、本実施形態では、爪部54がストッパー52と別部材で構成されている。
【0090】
より具体的に説明すると、
図11に示すように、爪部54はストッパー52に形成された開口部53の内部に設けられており、開口部53に架設された軸55を中心に回転可能に支持されている。また、軸55の外周部には、付勢手段としてのコイルスプリング57が設け
られている。
【0091】
図10に示すように、コイルスプリング57は爪部54に形成された凹部59に挿入されている。また、コイルスプリング57の一方の端部57Aは、爪部54に係合しており、コイルスプリング57の他方の端部57Bはストッパー52に係合している。
【0092】
従って、
図12に示すように、爪部54はコイルスプリング57によって、被係合部21との係合方向となる第2管部材14の径方向内側方向(
図12の矢印E方向)へ付勢されている。なお、爪部54の先端部54Aと反対側の端面54Bが、開口部53の内周部53Aと当接することで、爪部54は
図12に示す係合位置に停止し、爪部54の先端部54Aが被係合部21の係合面21Cに係合するようになっている。
【0093】
また、爪部54の先端部54Aが先端方向に向かって第2管部材14の径方向内側(軸心方向)へ傾斜している。従って、
図13に示すように、リング部材40をロック位置にした状態で、第2管部材14に第1管部材12が押し込まれると、爪部54の先端部54Aと、第1管部材12の被係合部21の傾斜面とされた挿入側端部21Bとが摺動し、爪部54が軸55を回転中心にしてコイルスプリング57の付勢力に抗して被係合部21との係合解除方向となる第2管部材14の径方向外側方向(
図13の矢印F方向)へ回転するようになっている。このため、爪部54の先端部54Aが被係合部21を乗り越え、被係合部21の係合面21Cに係合するようになっている。
【0094】
従って、本実施形態においても、第1実施形態と同様な作用効果が得られる。また、本実施形態では、爪部54がコイルスプリング57の付勢力により移動することで、ストッパー52の爪部54と被係合部21とが係合するため、ストッパー52と被係合部21とを確実に係合させることができる。
【0095】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態に係るコネクタを
図14〜
図17に従って説明する。
なお、第1実施形態と同一部材に付いては、同一符号を付してその説明を省略する。
【0096】
図14に示すように、本実施形態では、ストッパー52が、係合位置(
図14、
図16の位置)から非係合位置(
図17の位置)へ向かう方向(
図14、
図17の矢印G方向)であるリング部材40の径方向外側方向へ平行移動するようになっている。
【0097】
より具体的に説明すると、
図15に示すように、係合部材取付部44の両側壁部44Aの開口側端部に形成された移動手段としての貫通孔88が第2管部材14の径方向に沿った長孔とされている。また、係合部材取付部44の両側壁部44Aにおける貫通孔88の近傍には、移動手段としての貫通孔(長孔)90が貫通孔88と平行に形成されている。
【0098】
一方、リング部材40からは一対の軸受部40Dが係合部材取付部44の両側壁部44Aの内側対向面に沿って突出形成されている。これらの軸受部40Dにおける貫通孔88、90と対応する部位には、それぞれ移動手段としての貫通孔92、94が形成されている。また、これらの貫通孔92、94は、
図16に示すロック位置から
図17に示すロック解除位置へ向かう方向(
図16の矢印A方向)に対してリング部材40の径方向外側から径方向内側へ向かって傾斜している。
【0099】
図15に示すように、ストッパー52における爪部54と反対側の端部は板状部52Aとなっており、板状部52Aには移動手段としての2本の軸96、98がロック位置からロック解除位置へ向かう方向に所定の間隔を開けて貫通している。また、これらの軸96、98の両端部は、リング部材40の軸受部40Dの貫通孔92、94と係合部材取付部44の両側壁部44Aの貫通孔88、90に移動可能に挿入されている。
【0100】
従って、リング部材40を、
図16に示すロック位置から
図17に示すロック解除位置へ向かう方向(
図16の矢印A方向)へ移動させると、係合部材取付部44に形成した貫通孔88、90に対してリング部材40に形成した貫通孔92、94が、矢印A方向へ移動するようになっている。このため、2本の軸96、98が、貫通孔88、90と貫通孔92、94と摺動することによって、ストッパー52が係合位置(
図14、
図16の位置)から非係合位置(
図17の位置)へ向かう方向(
図14、
図17の矢印G方向)であるリング部材40の径方向外側方向へ平行移動するようになっている。
【0101】
なお、リング部材40を、
図17に示すロック解除位置から
図16に示すロック位置へ向かう方向(
図17の矢印B方向)へ移動させると、係合部材取付部44に形成した貫通孔88、90に対してリング部材40に形成した貫通孔92、94が、矢印B方向へ移動するようになっている。このため、2本の軸96、98が、貫通孔88、90と貫通孔92、94と摺動することによって、ストッパー52が非係合位置(
図17の位置)から係合位置(
図14、
図16の位置)へ向かう方向(
図14、
図17の矢印H方向)であるリング部材40の径方向内側方向へ平行移動するようになっている。
【0102】
一方、第2管部材14と第1管部材12とを連結する場合には、リング部材40を
図16に示すロック位置へ移動させておき、この状態で、第2管部材14の溝部74に、第1管部材12の大径部12Dを押し込む。この際、第2管部材14のストッパー52は、貫通孔92、94によって、リング部材40の径方向外側(
図14、
図17の矢印G方向)へ平行移動できない。このため、爪部54の先端部54Aと、第1管部材12の被係合部21の傾斜面とされた挿入側端部21Bとが摺動し、爪部54が弾性変形することで、爪部54の先端部54Aが被係合部21を乗り越え、被係合部21の係合面21Cに係合する。この結果、第2管部材14と第1管部材12とが
図16に示す連結状態となるようになっている。
【0103】
このため、本実施形態においても、第1実施形態と同様な作用効果が得られる。
【0104】
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態に係るコネクタを
図18〜
図21に従って説明する。
なお、第1実施形態と同一部材に付いては、同一符号を付してその説明を省略する。
【0105】
図21に示すように、本実施形態では、ストッパー52が、移動手段(付勢手段)としてのコイルスプリング100の付勢力によって、係合位置(
図20の位置)から非係合位置(
図21の位置)へ向かう方向である第2管部材14の径方向外側方向(
図20の矢印C方向)へ回転するようになっている。
【0106】
より具体的に説明すると、
図18及び
図19に示すように、軸50の外周部にコイルスプリング100が設けられている。また、
図20及び
図21に示すように、コイルスプリング100の一方の端部100Aはストッパー52に係合し、コイルスプリング100の他方の端部100Bは第2管部材14に係合しており、コイルスプリング100がストッパー52を第2管部材14の径方向外側方向(
図20及び
図21の矢印C方向)へ付勢している。
【0107】
図20に示すように、リング部材40がロック位置にある場合には、ストッパー52における爪部54と反対側の板状部52Aが、リング部材40に形成した段部102に当接している。このため、リング部材40がロック位置のとき、段部102によって、リング部材40の径方向外側方向(
図20の矢印C方向)へのストッパー52の回転が防止されている。
【0108】
また、ストッパー102の先端部には、先端に向かってリング部材40の径方向内側へ傾斜した傾斜部104が形成されている。従って、リング部材40を、
図20に示すロック位置から
図21に示すロック解除位置へ向かう方向(
図20の矢印A方向)へ移動させると、ストッパー52の板状部52Aの先端が、リング部材40の傾斜部104に当接するようになっている。このため、コイルスプリング100の付勢力によって、ストッパー52が係合位置(
図20の位置)から非係合位置(
図21の位置)へ向かう方向であるリング部材40の径方向外側方向(
図20の矢印C方向)へ回転するようになっている。
なお、リング部材40を、
図21に示すロック解除位置から
図20に示すロック位置へ向かう方向(
図21の矢印B方向)へ移動させると、ストッパー52の板状部52Aの先端が、リング部材40の傾斜部104と摺動するようになっている。このため、コイルスプリング100の付勢力に抗して、ストッパー52が非係合位置(
図21の位置)から係合位置(
図20の位置)へ向かう方向であるリング部材40の径方向内側方向(
図21の矢印D方向)へ回転するようになっている。
【0109】
このため、本実施形態においても、第1実施形態と同様な作用効果が得られる。
【0110】
(その他の実施形態)
以上に於いては、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記各実施形態では、第2管部材14のストッパー52と、第1管部材12の被係合部21とを周方向に沿って180°離間して2箇所に設けたが、コネクタ10が大口径の場合には、ストッパー52と被係合部21とを3箇所以上設けてもよく、この場合にも、リング部材40の操作によって、3箇所以上のストッパー52を同時に移動することができる。
【0111】
また、上記各実施形態では、軸方向に沿った断面が、第1管部材12と第2管部材14の径方向外側に開口部を向けたV字状溝を有するシール部材としてのVリング80を取付けたが、これに代えて、第1管部材12と第2管部材14の径方向内側に開口部を向けたV字状溝を有するシール部材としてのVリング80を取付けてもよい。
【0112】
また、
図22(A)〜(D)に示すように、第1管部材12と第2管部材14の軸方向に開口部を向けたV字状溝を有するシール部材としてのVリング110を取付けた構成としてもよい。
【0113】
例えば、
図22(A)に示すように、第2管部材14の外周部14Bに沿って設けた凹部112と第1管部材12の内周部12Eとの間にVリング110をV字状開口部を外圧の侵入部P1側に向けて配置し、外圧をシールする構成としてもよい。
【0114】
また、
図22(B)に示すように、Vリング110を第1管部材12の内周部12Eに設けた段部114とストッパー116とで挟持し、第1管部材12の内周部12Eと第2管部材14の外周部14Bとの間にV字状開口部を内圧の侵入部P2側に向けて配置し、内圧をシールする構成としてもよい。
【0115】
また、
図22(C)に示すように、2つのVリング110を使用して、一方のVリング110を第2管部材14の外周部14Bに沿って設けた凹部112と、第1管部材12の内周部12Eとの間にV字状開口部を外圧の侵入部P1側に向けて配置し、且つ、他方のVリング110を第1管部材12の内周部12Eに設けた段部114とストッパー116とで挟持し、第1管部材12の内周部12Eと第2管部材14の外周部14Bとの間にV字状開口部を内圧の侵入部P2側に向けて配置して、内圧及び外圧をシールする構成としてもよい。
【0116】
また、
図22(D)に示すように、2つのV字状開口部を有するXリング120を第1管部材12の内周部12Eに設けた段部114とストッパー116とで挟持し、第1管部材12の内周部12Eと第2管部材14の外周部14Bとの間に、2つのV字状開口部の一方を外圧の侵入部P1側に、他方を内圧の侵入部P2側に向けて配置し、外圧及び内圧をシールする構成としてもよい。
【0117】
また、上記各実施形態では、シール部材としてVリング80を使用したが、Vリング80に代えてUリング、Oリング、中空リング等の他のシール部材を使用してもよい。
【0118】
なお、上述の複数の実施形態は、適宜、組み合わされて実施可能である。
【0119】
また、上記実施形態では、本発明のコネクタ10を車両のエアダクトホースに適用したが、本発明のコネクタ10は住宅用配管や、電気関係の接続端子等にも適用可能である。