(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に添付図面を参照して、この発明の実施の形態を詳細に説明する。ただし、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0018】
(概要)
最初に、無線式の防犯システムの概要について説明する。
図1は本実施の形態に係る無線式の防犯システムの構成を説明するための説明図である。この
図1に示すように、無線式の防犯システム1は、開閉センサ10、火災センサ11、人感センサ12、異常報知灯(戸外表示灯)13、中継器30、及び受信装置(防犯受信器、センター装置)40を備えて構成されている。このうち、異常報知灯13を除く各機器は、住宅の屋内に配置されており、異常報知灯13は、住宅の屋外(例えば玄関近傍)に設置されている。なお、以下では、開閉センサ10、火災センサ11、及び人感センサ12を、必要に応じて「防犯センサ2」と総称し、さらに、防犯センサ2と異常報知灯13を、必要に応じて「防犯端末3(あるいは、端末機器)」と総称する。なお、ここでは、開閉センサ10、火災センサ11、人感センサ12、異常報知灯13、及び中継器30をそれぞれ1台ずつ設けているが、任意の複数台を設けてもよい。
【0019】
また、本実施の形態の防犯システム1は、
図9に示した従来の防犯システムとは異なり、携帯式設定装置20を備えて構成されている。この携帯式設定装置20は、受信装置40の防犯警戒状態を無線で遠隔的に設定するための設定手段である。例えば、携帯式設定装置20は、屋内における中継器30又は受信装置40に電波が届く範囲内において、ユーザによって携帯され、あるいは、任意の場所に置かれた状態で使用される。特に、受信装置40がリビングに設置されており、リビングが玄関から離れた場所にある場合には、ユーザが帰宅してからリビングの受信装置40における防犯モードを解除するまでに時間がかかり、所定時間内に防犯モードを解除できなくなる可能性があるため、携帯式設定装置20を玄関の近傍に配置することでユーザの利便性を向上させることができる。
【0020】
この防犯システム1では、信号を送受信する周波数帯として、基本的には、従来と同様の426MHz帯(第1周波数帯)を使用し、特定の場合にのみ、さらに950MHz帯(第2周波数帯)を使用する。具体的には、防犯端末3、携帯式設定装置20、中継器30、受信装置40は、これら相互の無線信号の送受信に426MHz帯を使用する。ただし、中継器30と受信装置40は、426MHz帯に加えて、426MHz帯よりも通信速度が速く設定された950MHz帯による送受信を行うこともできるように構成されており、特定の場合には、426MHz帯を950MHz帯に切替えて送受信を行う。特定の場合とは、受信装置40における426MHz帯の送受信手段(ここでは、第1信号処理部47)が故障した場合である。このように、従来の426MHz帯に加えて、950MHz帯を使用可能とすることで、通信速度の向上を図ると共に、通信の信頼性を向上させる。特に、防犯端末3は、従来の426MHz帯のみで通信を行うため、既存のものを交換したり設計変更する必要がない。その一方、中継器30と受信装置40では、2つの周波数帯の信号の送受信を行う必要があるが、信号処理を行うための後述する制御部34、44は1つのみ設けることで、簡易かつ安価な構造で2つの周波数帯を併用可能とする。このための具体的な構造については後述する。なお、950MHz帯ではキャリアセンスが義務付けられているので、950MHz帯を使用して無線信号を送信する際には、キャリアセンスを行う。
【0021】
(構成−防犯端末)
次に、無線式の防犯システム1の構成について説明する。最初に、防犯端末3の構成について説明する。ただし、開閉センサ10、火災センサ11、人感センサ12、及び異常報知灯13については、従来と同様に構成することができるので、ここでは、その概要のみを説明する。開閉センサ10は、扉や窓の開閉状態を磁気等にて検知する無線式の開閉検知手段であり、扉や窓が開状態となったことを検知した場合には、その旨の信号を無線にて送信する。火災センサ11は、煙や熱を検知することにより火災発生を検知する火災検知手段であり、火災発生を検知した場合には、その旨の信号を無線にて送信する。人感センサ12は、赤外線を検知することにより人体を検知する人体検知手段であり、人体を検知した場合には、その旨の信号を無線にて送信する。異常報知灯13は、受信装置40から移報信号を受信した場合に点灯又は点滅することで、火災等の異常発生を屋外に報知する異常発生報知手段である。ただし、これら防犯端末3における検知原理は任意であり、公知の他の原理を用いることができる。
【0022】
(構成−携帯式設定装置)
携帯式設定装置20は、受信装置40に無線信号を送信することにより、受信装置40における防犯警戒状態を設定するための無線装置及び端末機器である。
図2は、携帯式設定装置20の電気的構成を示すブロック図である。この
図2に示すように、携帯式設定装置20は、筐体の正面に、各種のボタン群22及び表示灯群23を備え、筐体の内部に、無線送受信部24、スピーカ25、記憶部26、電源部27、及び制御部28を収容して構成されている。
【0023】
ボタン群22は、非常ボタン22a、開始ボタン22b、警備ボタン22c、及び解除ボタン22dを含んで構成されている。表示灯群23は、非常灯23a、警報灯23b、OK灯23c、NG灯23d、警備灯23e、及び解除灯23fを含んで構成されている。
【0024】
無線送受信部24は、426MHz帯で無線信号を送受信するもので、426MHz帯に専用のアンテナ24aを備える。スピーカ25は、警報音を出力する。記憶部26は、例えばフラッシュメモリにより構成されており(後述する記憶部32、42も同様)、携帯式設定装置20の制御に必要なプログラム及びパラメータを記憶する。電源部27は、図示しない電池を備えて構成されており、この電池から供給される電力を携帯式設定装置20の各部に供給する。制御部28は、例えば図示しないCPU(Central Processing Unit)と当該CPU上で実行されるプログラムにより構成されている。特に、制御部28は、信号処理部28aを備える。
【0025】
このように構成された携帯式設定装置20において、非常ボタン22aが押下された場合には、無線送受信部24を介して非常信号が受信装置40に送信され、非常灯23aが点灯又は点滅(以下、点灯又は点滅を、単に点灯として説明する)される。この非常信号が受信装置40で受信された場合、受信装置40から警備会社に非常信号が移報され、警備員が住宅に急行する。
【0026】
警備ボタン22cが押下された場合には、警備灯23eが点灯され、この状態で開始ボタン22bが押下された場合に、無線送受信部24を介して警備要求信号が送信される。この警備要求信号が受信装置40で受信された場合、受信装置40の防犯モードが外出警備モードに設定される。ここで、外出警備モードとは、ユーザの外出時に警備会社が監視を行うモードであり、異常発生時には受信装置40から警備会社に異常信号が移報され、警備員が住宅に急行するモードである。また、このように受信装置40の防犯モードが外出警備モードに設定された場合、受信装置40から警備確認信号が送信され、この警備確認信号が携帯式設定装置20の無線送受信部24を介して受信された場合、OK灯23cが点灯される。一方、開始ボタン22bが押下されてから所定時間以内に警備確認信号が携帯式設定装置20で受信されない場合には、NG灯23dが点灯される。
【0027】
また、解除ボタン22dが押下された場合には、解除灯23fが点灯され、この状態で開始ボタン22bが押下された場合に、解除要求信号が無線送受信部24を介して送信される。この解除要求信号が受信装置40で受信された場合、受信装置40の防犯モードが解除される。また、このように防犯モードが解除された場合、受信装置40から解除確認信号が送信され、この解除確認信号が携帯式設定装置20の無線送受信部24を介して受信された場合、OK灯23cが点灯される。一方、開始ボタン22bが押下されてから所定時間以内に解除確認信号が携帯式設定装置20で受信されない場合には、NG灯23dが点灯される。以下では、警備要求信号や解除要求信号を要求信号、警備確認信号や解除確認信号を確認信号と、それぞれ総称する。
【0028】
(構成−中継器)
図1の中継器30は、防犯センサ2から無線送信された信号を受信し、当該受信した信号を携帯型設定装置20又は受信装置40に送信する中継手段であり、防犯センサ2からの信号を受信する防犯システム用の無線中継器である。また、中継器30は受信装置40から無線送信された信号を受信し、携帯型設定装置20又は異常報知灯13に送信する中継手段でもある。この中継器30は、防犯センサ2と受信装置40との間に配置され、あるいは、受信装置40と異常報知灯13との間に配置される。
【0029】
図3は、中継器30の電気的構成を示すブロック図である。この
図3に示すように、中継器30は、無線送受信部31、記憶部32、電源部33、及び制御部34を備えて構成されている。無線送受信部31は、426MHz帯及び950MHz帯の信号の送受信を行う。この無線送受信部31の詳細については後述する。記憶部32は、中継器30の制御に必要なプログラム及びパラメータを記憶するものであり、特に、周波数切り替えフラグを記憶する。周波数切り替えフラグとは、426MHz帯と950MHz帯のいずれで無線信号の送受信を行うのかを識別するためのフラグであり、ここでは、周波数切り替えフラグ=0の場合には426MHz帯、周波数切り替えフラグ=1の場合には950MHz帯で、送受信を行うものとする(受信装置40の周波数切り替えフラグにおいて同じ)。電源部33は、図示しない電池を備えて構成されており、この電池から供給される電力を中継器30の各部に供給する。制御部34は、中継器30の各部を制御する制御手段である。
【0030】
ここで、無線送受信部31の構成の詳細について説明する。この無線送受信部31は、アンテナ35、アンテナ側接続部36、第1信号処理部37、第2信号処理部38、及び制御部側接続部39を備えて構成されている。アンテナ35は、1本のみ設けられており、このアンテナ35を426MHz帯と950MHz帯の2つの周波数帯の信号の送受信に併用する。すなわち、アンテナ35の全長Lは、426MHz帯と950MHz帯を併用可能なように、426MHzの1/4波長で、かつ、950MHzの5/8波長となるように決定されている。アンテナ側接続部36は、アンテナ35に接続される接続端子である。
【0031】
第1信号処理部37は、426MHz帯の信号を処理するもので、LPF(ローパスフィルタ)37aと第1基本処理部37bを備える。LPF37aは、426MHz帯近傍以下の信号のみを通過させる第1周波数帯域通過手段である。LPF37aは、426MHz帯近傍のみを通過させるBPF(バンドパスフィルタ)でも良い。第1基本処理部37bは、アンテナ35にて受信されアンテナ側接続部36を介して入力された第1周波数帯の信号を所定の第1方式の信号に変換して制御部側接続部39を介して制御部34に出力すると共に、制御部34から制御部側接続部39を介して入力された第1方式の信号を第1周波数帯でアンテナ側接続部36を介してアンテナ35に出力する。
【0032】
また、第2信号処理部38は、950MHz帯の信号を処理するもので、HPF(ハイパスフィルタ)38a、第2基本処理部38b、及び互換処理部38cを備える。HPF38aは、950MHz帯近傍以上の信号のみを通過させる第1周波数帯域通過手段である。HPF38aは、950MHz帯近傍のみを通過させるBPF(バンドパスフィルタ)でも良い。第2基本処理部38bは、アンテナ35にて受信されアンテナ側接続部36を介して入力された第2周波数帯の信号を所定の第2方式の信号に変換して出力すると共に、第2方式の信号を第2周波数帯でアンテナ側接続部36を介してアンテナ35に出力する。互換処理部38cは、第2基本処理部38bにて第2方式の信号に変換して出力された信号を第1方式の信号に変換して制御部側接続部39を介して制御部34に出力すると共に、制御部34から制御部側接続部39を介して入力された第1方式の信号を第2方式の信号に変換して第2基本処理部38bに出力する。
【0033】
この中継器30では、基本的には、第1信号処理部37が、無線信号を426MHz帯でキャリアセンスを行うことなく送信する。ただし、受信装置40から後述する周波数切り替え要求信号を受信した場合には、受信装置40に対しては、第2信号処理部38が、950MHz帯で無線信号の送受信を行う。この950MHz帯での無線信号の送信時には、第2信号処理部38は、キャリアセンスを公知の方法で行い、同一周波数帯のキャリアが検知されない場合にのみ、無線信号を送信する。
【0034】
このように構成された無線送受信部31の各部のうち、アンテナ35を除く各部は、同一の基盤の両面に実装されてモジュール化されている。より具体的には、例えば、第1基本処理部37bや第2基本処理部38bは、それぞれ無線用ICにより構成され、互換処理部38cはマイコンにより構成され、これら無線用ICやマイコンが同一の基盤の両面に実装されている。この実装レイアウトの設計に際しては、426MHz帯の信号と950MHz帯の信号との相互干渉を防止するための構成(例えば、電源ノイズ低減用のインピーダーの設置、426MHz系統と950MHz系統との離隔配置、ノイズシールドの設置等)を採用することが好ましい。
【0035】
ここで、信号の方式について説明する。ここでは、信号の方式とは、426MHz帯の信号と950MHz帯の信号の相互間において、周波数帯以外の相違を生じさせるものを意味し、例えば、送受信プロトコル、信号フォーマット、及びコマンド体系を含む。以下では、信号の方式がコマンド体系である場合について説明する。すなわち、第1基本処理部37bは、アンテナを介してアナログ入力された426MHz帯の信号を、当該信号の内容に応じたコマンドに変換してシリアル信号として出力し、第2基本処理部38bは、アンテナを介してアナログ入力された950MHz帯の信号を、当該信号の内容に応じたコマンドに変換してシリアル信号として出力する。ここで、426MHz帯の信号のコマンド体系(第1コマンド体系)と950MHz帯の信号のコマンド体系(第2コマンド体系)とは相互に異なるので、互換処理部38cは、第1コマンド体系のコマンドと第2コマンド体系のコマンドとを必要に応じて相互に変換する。
【0036】
例えば、受信周波数帯と送信周波数帯がいずれも426MHz帯である場合、第1信号処理部37の第1基本処理部37bは、この信号を第1コマンド体系のコマンドに変換して制御部34に送信し、制御部34は、このコマンドに基づいて、信号の種別判定や信号送信要否判定等を行う。そして、所定の信号を送信する必要があると判定された場合、制御部34は、第1コマンド体系のコマンドによる送信指示を第1基本処理部37bに送信し、この指示を受けた第1基本処理部37bが信号をキャリアセンスを行うことなく426MHz帯で送信する。
【0037】
あるいは、受信周波数帯と送信周波数帯がいずれも950MHz帯である場合、第2信号処理部38の第2基本処理部38bは、この信号を第2コマンド体系のコマンドに変換して互換処理部38cに出力し、互換処理部38cはこの第2コマンド体系のコマンドを第1コマンド体系のコマンドに変換して制御部34に送信し、制御部34はこのコマンドに基づいて、信号の種別判定や信号送信要否判定等を行う。そして、所定の信号を送信する必要があると判定された場合、制御部34は、第1コマンド体系のコマンドによる送信指示を互換処理部38cに送信し、互換処理部38cがこの第1コマンド体系のコマンドを第2コマンド体系のコマンドに変換して第2基本処理部38bに出力し、第2基本処理部38bが信号をキャリアセンスを行った上で950MHz帯で送信する。
【0038】
あるいは、受信周波数帯が426MHz帯であり、送信周波数帯が950MHz帯である場合、第1信号処理部37の第1基本処理部37bは、この信号を第1コマンド体系のコマンドに変換して制御部34に送信し、制御部34は、このコマンドに基づいて、信号の種別判定や信号送信要否判定等を行う。そして、所定の信号を送信する必要があると判定された場合、制御部34は、第1コマンド体系のコマンドによる送信指示を互換処理部38cに送信し、互換処理部38cがこの第1コマンド体系のコマンドを第2コマンド体系のコマンドに変換して第2基本処理部38bに出力し、第2基本処理部38bが信号をキャリアセンスを行った上で950MHz帯で送信する。
【0039】
逆に、受信周波数帯が950MHz帯であり、送信周波数帯が426MHz帯である場合、第2信号処理部38の第2基本処理部38bは、この信号を第2コマンド体系のコマンドに変換して互換処理部38cに出力し、互換処理部38cはこの第2コマンド体系のコマンドを第1コマンド体系のコマンドに変換して制御部34に送信し、制御部34はこのコマンドに基づいて、信号の種別判定や信号送信要否判定等を行う。そして、所定の信号を送信する必要があると判定された場合、制御部34は、第1コマンド体系のコマンドによる送信指示を第1基本処理部37bに送信し、この指示を受けた第1基本処理部37bが信号をキャリアセンスを行うことなく426MHz帯で送信する。
【0040】
このように互換処理部38cで変換するコマンドの具体的な内容は任意であるが、例えば、周波数のch(チャンネル)の設定、信号の送信指示、信号の受信指示、キャリアセンスの自動実行指示、キャリアセンスで取得された電波強度の値の送信指示等を挙げることができる。このような変換を行うため、互換処理部38cには、第2コマンド体系のコマンドを、第1コマンド体系のコマンドに変換するためのコマンド変換データが予め格納されている。このような構成を採用することで、制御部34は、無線送受信部31に対しては第1コマンド体系のコマンドのみを使用して通信を行えばよく(従来と同様に426MHz帯の信号の制御のみを行えばよく)、第1コマンド体系と第2コマンド体系の2つのコマンドを使用する必要がないので、制御部34の構成を簡素化することが可能となる。
【0041】
(構成−受信装置)
次に、
図1の受信装置40について説明する。この受信装置40は、防犯センサ2から送信された信号を、中継器30を介して受信し、あるいは直接受信することにより、異常の有無を監視する制御装置であって、防犯センサ2からの信号を受信する防犯システム用の無線装置である。この受信装置40は、異常を検知した際には、異常報知灯13に移報信号を無線で送信して異常報知を行わせると共に、必要に応じて、警備会社へ異常発生を有線又は無線で移報する無線中継器でもある。この受信装置40は、例えば、屋内においてユーザが視認し易い場所(代表的には、玄関やリビング)に設置される。
【0042】
図4は、受信装置40の電気的構成を示すブロック図である。この
図4に示すように、受信装置40は、無線送受信部41、記憶部42、電源部43、及び制御部44、及び故障報知部50を収容して構成されている。記憶部42は、受信装置40の制御に必要なプログラム及びパラメータを記憶するものであり、特に、周波数切り替えフラグを記憶する。電源部43は、商用電源から供給される電力を受信装置40の各部に供給する。制御部44は、受信装置40の各部を制御する。この制御部44は、後述する第1信号処理部47の故障を検出する故障検出部44aを備える。故障報知部50は、故障検出部44aにて第1信号処理部47の故障が検出された場合、当該第1信号処理部47の故障が検出された旨を出力するもので、ここでは、スピーカ及び表示灯として構成されている。
【0043】
無線送受信部41は、426MHz帯及び950MHz帯の信号の送受信を行う無線送受信部であり、アンテナ45、アンテナ側接続部46、第1信号処理部47、第2信号処理部48、及び制御部側接続部49を備えて構成されている。また、第1信号処理部47は、LPF47aと第1基本処理部47bを備え、第2信号処理部48は、HPF48a、第2基本処理部48b、及び互換処理部48cを備える。これら無線送受信部41の各部は、特記する構成を除き、中継器30の無線送受信部31における同一名称の各部と同様に構成することができるため、その詳細な説明は省略する。
【0044】
この受信装置40では、基本的には、第1信号処理部47が、無線信号を426MHz帯でキャリアセンスを行うことなく送信する。ただし、故障検出部44aにて第1信号処理部47の故障が検出された場合には、中継器30に対しては、第2信号処理部48が、950MHz帯で無線信号の送受信を行う。この950MHz帯での無線信号の送信時には、第2信号処理部48は、キャリアセンスを公知の方法で行い、同一周波数帯のキャリアが検知されない場合にのみ、無線信号を送信する。
【0045】
ここで、受信装置40に対する無線送受信部41の着脱構造について説明する。
図5は、受信装置40に対する無線送受信部41の着脱構造を説明するための分解斜視図である。この
図5に示すように、受信装置40の筐体(第1筐体)40aには、無線送受信部41を着脱自在に収容するための凹部である収容部40bが形成されており、この収容部40bには、無線送受信部41の制御部側接続部49と接続するための接続端子40c(
図4においては図示を省略)が設けられている。一方、無線送受信部41は、受信装置40の筐体40aとは別の筐体であって、収容部40bに対応する外形の筐体(第2筐体)41aに設けられている。具体的には、無線送受信部41のアンテナ側接続部46、第1信号処理部47、及び第2信号処理部48は、筐体41aの内部に収容されており、この筺体41aの外部にアンテナ45及び制御部側接続部49が配置されている。そして、無線送受信部41を収容部40bに収容した状態では、制御部側接続部49が接続端子40cに接続されることで、無線送受信部41が制御部44に接続される。
【0046】
このように、無線送受信部41をユニット化する効果は以下の通りである。すなわち、上述のように、受信装置40の制御部44は、従来と同様に426MHz帯の信号の制御のみを行えばよく、950MHz帯の信号の制御は行う必要がないのであって、950MHz帯の信号については、無線送受信部41のみで処理や制御を行えばよい。従って、無線送受信部41をユニット化することで、950MHz帯の無線信号を送受信するために必要な特定小電力セキュリティ無線規格については、無線送受信部41のみを対象として取得すればよく、受信装置40全体で無線規格を取得する必要がなくなるため、無線規格の取得を容易に行うことが可能となる。また、無線送受信部41をユニット化することで汎用性を持たせることができ、受信装置40とは異なる構成の受信装置や中継器に対しても無線送受信部41を容易に取り付けて使用することが可能となる。また従来の426MHz帯のみの受信装置106の無線送受信部のユニットと同一形状とすることで、使用する信号の周波数帯として950MHz帯が追加された場合でも送受信ユニットを本願の950MHz帯対応のユニットに差し替えることで、簡単に複数の帯域で送受信することができる防犯システムを構築することができる。さらに、無線送受信部41を除く受信装置40の各部については、従来と同様に426MHz帯の信号の制御等のみを扱うように構成すればよいので、950MHz帯の信号を扱うことに伴う改良等が不要となる。
【0047】
(送受信処理)
次に、このように構成された防犯システム1における無線信号の送受信処理の詳細について説明する。特に、以下では、中継器30と受信装置40との相互間の無線信号の送受信を中心に説明する。なお、以下では、「ステップ」を「S」と略記する。また、特に説明なき場合には、中継器30の送受信処理は制御部34によって行われ、受信装置40の送受信処理は制御部44によって行われるものとする。また、中継器30と受信装置40の周波数切り替えフラグの初期値は0とする。
【0048】
(送受信処理−中継器の送受信処理)
最初に、中継器30の送受信処理について説明する。
図6、7は、中継器30の送受信処理のフローチャートである。
【0049】
まず、防犯センサ2からは426MHz帯でキャリアセンスを行うことなく異常検知信号が送信される。また、携帯式設定装置20からは426MHz帯でキャリアセンスを行うことなく要求信号が送信される。
【0050】
一方、中継器30は、異常検知信号又は要求信号の受信の有無を監視しており(SA1)、426MHz帯の信号を受信した場合、制御部34は、当該信号の種別判定や中継要否判定等を行う。この信号が異常検知信号又は要求信号であると判定された場合(SA1、Yes)、制御部34は、記憶部32の周波数切り替えフラグが1であるか否かを判定し(SA2)、周波数切り替えフラグ=1でないと判定された場合(SA2、No)には、受信装置40との間の送受信に使用する周波数帯は426MHz帯であるとして、当該異常検知信号又は要求信号を426MHz帯の周波数帯でキャリアセンスを行うことなく無線装置40に向けて送信する(SA3)。
【0051】
その後、中継器30の制御部34は、SA3において送信した信号が要求信号でない場合(異常検知信号である場合)には(SA4、No)、受信装置40からの確認信号の受信を待つ必要がないとし、送受信処理を終了する。
【0052】
一方、制御部34は、SA3において送信した信号が要求信号である場合には(SA4、Yes)、第1所定時間以内に、受信装置40からの確認信号が受信できるか否かを監視する(SA5〜SA7)。そして、第1所定時間以内に確認信号を受信した場合には(SA5、Yes)、SA3で送信した要求信号が受信装置40で受信されたものとして、この確認信号を426MHz帯でキャリアセンスを行うことなく携帯式設定装置20に送信して(SA9)、送受信処理を終了する。
【0053】
また、確認信号を受信することなく第1所定時間が経過した場合であって(SA7、Yes)、最初に要求信号を送信してから第2所定時間(>第1所定時間)が経過していない場合(SA8、No)、制御部34は、SA3で送信した要求信号が何らかの原因で受信装置40で受信されていない可能性があるとして、要求信号を再び送信する(SA3)。
【0054】
ここで、最初に要求信号を送信してから、確認信号を受信することなく第2所定時間が経過した場合(SA8、Yes)、あるいは、第1所定時間や第2所定時間が経過する前に、受信装置40からの周波数切り替え要求信号を受信した場合には(SA6、Yes)、制御部34は、受信装置40の第1信号処理部47における受信機能に故障が生じたためにSA3で送信した要求信号が当該受信装置40で受信されていないか、あるいは、SA3で送信した要求信号は受信装置40で受信されたものの当該受信装置40の第1信号処理部47における送信機能に故障が生じたために確認信号を送信できない可能性があるとして、受信装置40との間の送受信に使用する周波数帯を950MHz帯に切り替える。具体的には、制御部34は、記憶部32の周波数切り替えフラグを1に設定する(SA10)。そして、この場合、制御部34は、要求信号を950MHz帯でキャリアセンスを行った上で送信する(SA11)。すなわち、この場合には、要求信号は、携帯式設定装置20から中継器30に426MHz帯で送信され、中継器30から受信装置40に950MHz帯で送信されることになる。
【0055】
一方、SA2において周波数切り替えフラグ=1であると判定された場合(SA2、Yes)には、受信装置40との間の送受信に使用する周波数帯が既に950MHz帯に切り替えられているものとして、制御部34は、SA1で受信された異常検知信号又は要求信号を950MHz帯の周波数帯でアンテナ35を介して無線装置40に向けてキャリアセンスを行った上で送信する(SA11)。すなわち、この場合にも、異常検知信号又は要求信号は、携帯式設定装置20から中継器30に426MHz帯で送信され、中継器30から受信装置40に950MHz帯で送信されることになる。
【0056】
その後、中継器30の制御部34は、SA11において送信した信号が要求信号でない場合(異常検知信号である場合)には(SA12、No)、受信装置40からの確認信号の受信を待つ必要がないとし、送受信処理を終了する。
【0057】
一方、制御部34は、SA11において送信した信号が要求信号である場合には(SA12、Yes)、第1所定時間以内に、受信装置40からの確認信号が受信できるか否かを監視する(SA13、SA14)。そして、確認信号を受信することなく第1所定時間が経過した場合(SA14、Yes)、制御部34は、SA11で送信した要求信号が何らかの原因で受信装置40で受信されていない可能性があるとして、要求信号を再び950MHz帯で送信する(SA11)。
【0058】
以降、確認信号を受信する迄、SA11〜SA14を繰り替えし、確認信号を受信した場合に(SA13、Yes)、制御部34は、この確認信号を426MHz帯でキャリアセンスを行うことなく携帯式設定装置20に送信して(SA15)、送受信処理を終了する。すなわち、この場合には、確認信号は、受信装置40から中継器30に950MHz帯で送信され、中継器30から携帯式設定装置20に426MHz帯で送信されることになる。
【0059】
(送受信処理−受信装置の送受信処理)
次に、受信装置40の送受信処理について説明する。
図8は、受信装置40の送受信処理のフローチャートである。
【0060】
防犯センサ2からの異常検知信号又は携帯式設定装置20からの要求信号が426MHz帯により受信装置40で直接受信された場合、あるいは、これら異常検知信号又は要求信号が中継器30を介して426MHz帯又は950MHz帯で受信された場合(SB1、Yes)、受信装置40の制御部44は、当該信号の内容に応じた所定の処理を行う(SB2)。
【0061】
このような処理の一部として、受信装置40の制御部44は、必要に応じて、異常報知灯13の点灯指示を第1コマンド体系のコマンドで第1基本処理部47bに送信し、この中継指示を受けた第1基本処理部47bが移報信号をキャリアセンスを行うことなくアンテナ45を介して426MHz帯で送信し、この移報信号を受信した異常報知灯13が異常報知の表示を行う。なお、ここでは、異常報知灯13が950MHz帯での受信機能を持っていないことを前提としているため、受信装置40の426MHz帯での送信機能の有無に関わらず、単に426MHz帯で信号を送信するものとして説明しているが、異常報知灯13が950MHz帯での受信機能を持っている場合には、後述する確認信号の送信と同様に、受信装置40の426MHz帯での送信機能の有無に応じた周波数帯で、異常報知灯13への信号送信を行うようにしてもよい。
【0062】
その後、受信装置40の制御部44は、SB1において受信した信号が要求信号でない場合(異常検知信号である場合)には(SB3、No)、確認信号を送信する必要がないとし、送受信処理を終了する。
【0063】
一方、制御部44は、SB3において送信した信号が要求信号である場合には(SB3、Yes)、記憶部42の周波数切り替えフラグが1であるか否かを判定し(SB4)、周波数切り替えフラグ=1でないと判定された場合(SB4、No)には、受信装置40との間の送受信に使用する周波数帯は426MHz帯であるとして、故障検出部44aが、第1信号処理部47に故障が生じているか否かを判定する(SB5)。
【0064】
この故障判定は、公知の方法で行うことができ、例えば、図示しない試験回路を介して第1信号処理部47の各部における通電試験を行ったり、第1信号処理部47にて受信された信号のレベルや歪みを所定値と比較したり、あるいは、所定時間が経過しても何の電波も受信していない場合には故障が生じたと判定してもよい。
【0065】
そして、第1信号処理部47に故障が生じていないと判定された場合(SB5、No)、制御部44は、確認信号を426MHz帯でキャリアセンスを行うことなく送信して(SB6)、送受信処理を終了する。
【0066】
一方、第1信号処理部47に故障が生じていると判定された場合(SB5、Yes)、制御部44は、記憶部42の周波数切り替えフラグを1に設定し(SB7)、当該故障を外部に報知するための故障報知出力を、故障報知部50を介した音声出力及び表示出力により行う(SB8)。そして、制御部44は、中継器30に対して送受信周波数帯を426MHz帯から950MHz帯に切り替えることを要求するための周波数切り替え要求信号を、950MHz帯でキャリアセンスを行った上で送信する(SB9)。
【0067】
このように周波数切り替え要求信号を送信した場合、あるいは、SB4において周波数切り替えフラグ=1であると判定された場合(SB4、Yes)には、制御部44は、確認信号を950MHz帯でキャリアセンスを行った上で送信し(SB10)、送受信処理を終了する。
【0068】
(効果)
このように本実施の形態によれば、故障検出部44aにて第1信号処理部47の故障が検出された場合には、無線信号を第2信号処理部48を介して第2周波数帯で送信するので、第1周波数帯によって信号を送信する際に何らかの障害が発生した場合であっても、第2周波数帯によって信号を送信するので、通信の確実性を高めることができる。
【0069】
また、中継器30に対して周波数切り替え要求信号を送信するので、故障検出部44aにて第1信号処理部47の故障が検出された時点以降の信号については、第1周波数帯に代えて第2周波数帯で受信できるので、第1信号処理部47の受信機能に故障が生じた場合でも、中継器30からの信号を受信することが可能になり、通信の確実性を高めることができる。
【0070】
また、第1信号処理部47の故障が検出された場合、当該故障が検出された旨が出力されるので、受信装置40のユーザ等に対して当該故障に対する対応を促すことができ、通信の確実性を高めることができる。
【0071】
また、受信装置40の故障検出部44aにて第1信号処理部47の故障が検出された場合には、無線信号を第2信号処理部48を介して第2周波数帯で送信するので、受信装置40を用いた通信の確実性を高めることができる。
【0072】
〔実施の形態に対する変形例〕
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0073】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
【0074】
(通信システムの目的や種類について)
上記実施の形態では、防犯システムについて説明したが、この他にも任意の目的や種類の通信システムに本発明を適用することができ、例えば、防災システムにおいて、端末機器としての無線式住宅用火災警報器やその他の電池式小型無線機器から、受信装置としての受信機に通信を行ったり、自動車制御システムにおいて、端末機器としての携帯式設定装置から、受信装置としての例えばエンジンスタータに通信を行う場合にも、本発明を適用することができる。
【0075】
(故障判定と周波数切り替えを行う装置について)
上記実施の形態では、受信装置40のみにおいて第1信号処理部47の故障判定を行なうものとしているが、中継器30を含む他の装置において、第1周波数帯の送信機能の故障判定を同様に行い、この結果に基づいて、送信周波数帯を切り替えてもよい。例えば、防犯センサ2と中継器30の相互間の送受信は、426MHz帯で行うものとして説明したが、防犯センサ2の改良や交換を行うことができる場合には、950MHz帯での送受信を行うようにしてもよく、この場合には、中継器30が防犯センサ2に426MHz帯で送信を行うことに支障が生じた場合には、950MHz帯に切り替えて送信を行ってもよい。
無線信号の送受信を行うにあたり、一方の送信元側の機器で故障が発生し、周波数帯域を変更して他機器に送信した場合には、受信側機器は送信元側が使用した周波数帯域で返信することで、送信元機器にて確実に返信信号を受信することができる。
機器毎に付与された機器IDと標準送信周波数帯(第1周波数帯)との関係がわかっている場合に、標準送信周波数帯と異なる周波数帯で無線送信された場合には、送信元機器の伝送回路の故障と受信機器側が判断するようにしても良い。
故障時は、受信装置40や故障した機器にて故障機器を特定した異常表示を行っても良い。
なお、一方の信号処理部が故障した場合には、他方の信号処理部の周波数帯を使用して自ら故障状態になったことを他機器に送信するようにしても良く、その場合の通知後の故障機器への通信は、正常状態の信号処理部の周波数帯で送信を行うようにしても良い。
【0076】
(受信と送信について)
また、上記実施の形態では、信号の送信機能に故障が生じたことを主に検出したが、信号の受信機能に故障が生じた場合に、受信周波数帯を切り替えるようにしてもよい。
上記の実施形態においては、通常はキャリアセンスを行わない第1周波数帯で送信し、故障時にはキャリアセンスを行う第2周波数帯で送信するものを示したが、これに限らず、通常はキャリアセンスを行って信頼性のある第2周波数帯での通信を行い、故障時にはキャリアセンスを行わない第1周波数帯での通信を行う様にしても良い。また第1周波数帯のほうが第2周波数帯よりも伝送速度が速い場合は、通常は第1周波数帯で早い通信を行い、故障時に第2周波数帯で低速に切り替える様にしてもよい。
【0077】
(信号の送受信について)
受信装置40は、防犯センサ2から426MHz帯で送信された信号を受信すると共に、中継器30又は携帯式設定装置20から950MHz帯で送信された信号を受信する一方、無線による信号送信は行わず、必要により有線によって警備会社等への信号送信を行うようにしてもよい。上記の実施形態で説明した周波数帯の数値には限定されない。
【0078】
(信号の周波数帯について)
上記実施の形態では、426MHz帯と950MHz帯を併用しているが、他の2つの周波数帯を併用するようにしたり、3つ以上の周波数帯を併用するようにしてもよい。
【0079】
(モジュール化について)
上記実施の形態では、受信装置40の無線送受信部41のみをユニット化しているが、中継器30の無線送受信部31についても、無線送受信部41と同様の構造により、ユニット化してもよい。あるいは、無線送受信部41については、無線送受信部31と同様に、ユニット化することなく受信装置40の内部に組み込んでもよい。
(付記)
付記1の無線装置は、無線信号を送信する無線装置であって、所定の第1周波数帯で、無線信号の送信処理を行う第1信号処理部と、所定の第2周波数帯で、無線信号の送信処理を行う第2信号処理部と、前記第1信号処理部の故障を検出する故障検出部とを備え、前記故障検出部にて前記第1信号処理部の故障が検出されていない場合には、無線信号を前記第1信号処理部を介して前記第1周波数帯で送信し、前記故障検出部にて前記第1信号処理部の故障が検出された場合には、無線信号を前記第2信号処理部を介して前記第2周波数帯で送信する。
付記2の無線装置は、付記1に記載の無線装置において、前記故障検出部にて前記第1信号処理部の故障が検出された場合、当該無線装置に無線信号を送信する他の無線装置に対して、前記第1周波数帯に代えて前記第2周波数帯で送信を行うことを要求する周波数切り替え要求信号を、前記第2信号処理部を介して前記第2周波数帯で送信する。
付記3の無線装置は、付記1又は2に記載の無線装置において、前記故障検出部にて前記第1信号処理部の故障が検出された場合、当該第1信号処理部の故障が検出された旨を出力する故障報知部を備える。
付記4の無線装置は、付記1から3のいずれか一項に記載の無線装置において、当該無線装置は、端末機器から送信された無線信号を受信し、あるいは、前記端末機器から送信された無線信号を中継する中継器との間で無線信号を送受信する、受信装置である。
(付記の効果)
付記1に記載の無線装置によれば、故障検出部にて第1信号処理部の故障が検出された場合には、無線信号を第2信号処理部を介して第2周波数帯で送信するので、第1周波数帯によって信号を送信する際に何らかの障害が発生した場合であっても、第2周波数帯によって信号を送信するので、通信の確実性を高めることができる。
また、付記2に記載の無線装置によれば、他の無線装置に対して周波数切り替え要求信号を送信するので、故障検出部にて第1信号処理部の故障が検出された時点以降の信号については、第1周波数帯に代えて第2周波数帯で受信できるので、第1信号処理部の受信機能に故障が生じた場合でも、他の無線装置からの信号を受信することが可能になり、通信の確実性を高めることができる。
また、付記3に記載の無線装置によれば、第1信号処理部の故障が検出された場合、当該故障が検出された旨が出力されるので、無線装置のユーザ等に対して当該故障に対する対応を促すことができ、通信の確実性を高めることができる。
また、付記4に記載の無線装置によれば、受信装置の故障検出部にて第1信号処理部の故障が検出された場合には、無線信号を第2信号処理部を介して第2周波数帯で送信するので、受信装置を用いた通信の確実性を高めることができる。