特許第5762296号(P5762296)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5762296ハウジング及び、ハウジングを組み立てるための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5762296
(24)【登録日】2015年6月19日
(45)【発行日】2015年8月12日
(54)【発明の名称】ハウジング及び、ハウジングを組み立てるための方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 5/02 20060101AFI20150723BHJP
【FI】
   H05K5/02 P
【請求項の数】7
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2011-533544(P2011-533544)
(86)(22)【出願日】2008年10月28日
(65)【公表番号】特表2012-507159(P2012-507159A)
(43)【公表日】2012年3月22日
(86)【国際出願番号】EP2008064583
(87)【国際公開番号】WO2010048986
(87)【国際公開日】20100506
【審査請求日】2011年6月28日
【審判番号】不服2014-6573(P2014-6573/J1)
【審判請求日】2014年4月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】512288684
【氏名又は名称】オスラム ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】OSRAM GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(74)【代理人】
【識別番号】100140822
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 光広
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン オツェン
【合議体】
【審判長】 冨岡 和人
【審判官】 小柳 健悟
【審判官】 森川 元嗣
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−44919(JP,A)
【文献】 実開昭57−71377(JP,U)
【文献】 特開平8−162770(JP,A)
【文献】 実開平6−56949(JP,U)
【文献】 実開昭56−99879(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 5/00-5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
構成素子を実装した基板を収容するためのハウジング(500)であって、
第1の底部(102)及び第1の側壁(103)を備えた第1のハウジング部分(101)と、第2の底部(302)及び第2の側壁(303)とを備えた第2のハウジング部分(301)とを有しており、前記第1及び第2の側壁(103,303)がそれぞれ、前記第1及び第2の底部(102,302)の周囲を少なくとも部分的に巡って配置され、
前記第1のハウジング部分(101)が互いに向き合う2つの角隅部の領域に、前記第1の側壁(103)を越えて延在する係止突起(104)をそれぞれ有し、該係止突起(104)が前記第1の側壁(103)内に一体的に組み込まれ、
前記第2のハウジング部分(301)が互いに向き合う2つの角隅部の領域に係止切欠(304)をそれぞれ有し、
前記第1及び第2のハウジング部分(101,301)が組み立てられた状態で、前記係止突起(104)が前記係止切欠(304)内に係止係合し、前記ハウジング(500)の2つの角隅部の領域に、ほぼ円形に内方に湾曲する側壁を形成することを特徴とするハウジング。
【請求項2】
第1の底部(102)又は第2の底部(302)が角隅部の領域に組立ガイド(105)を有している、請求項1記載のハウジング。
【請求項3】
少なくとも1つの側壁(103)の高さが部分的に増大されている、請求項1又は2記載のハウジング。
【請求項4】
部分的に高さが増大されている前記側壁に対応配置された少なくとも1つの側壁(303)の高さが、相応に部分的に低下されている、請求項3記載のハウジング。
【請求項5】
少なくとも1つの側壁(103,303)が、0.5mm乃至2mmの範囲の壁厚を有している、請求項1から4までのいずれか1項記載のハウジング。
【請求項6】
第1のハウジング部分(101)と第2のハウジング部分(301)とが、嵌合可能に相互に係合し合うように、構成されている、請求項1から5までのいずれか1項記載のハウジング。
【請求項7】
請求項1から6までのいずれか1項記載のハウジングを組み立てるための方法において、2つのハウジング部分(101,301)を上下にほぼ平行な状態から組み立てることを特徴とする、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハウジング及び、ハウジングを組み立てるための方法、並びに該ハウジングのための組立装置に関する。
【0002】
電子式の抵抗器は、多くの場合、ハウジング特にプラスチックハウジング内に配置されている。このハウジングは、係止式の閉鎖機構を有している。例えば、2分割されたハウジングを係止させて組み立てることは公知である。
【0003】
この場合、ハウジングの係止式の閉鎖機構若しくは係止式の組立は、ハウジング内に配置された基板に悪影響を及ぼす。従って、係止式の閉鎖機構は多くの場合、基板によって又は基板上に設けられた構成素子によって塞がれないスペースを必要とする。また組み立てる際には、ハウジング部分を一時的に曲げることによって、基板のために若しくは基板上に設けられた構成素子のために十分なスペースを提供するか、又は基板をハウジング部分と一緒に曲げる必要がある。これは、構成素子にとって機能上問題がある(例えば構成部分に力が作用すると、導体路若しくははんだ箇所が破損する危険がある)。
【0004】
本発明の課題は、特に第2のハウジング部分に係止係合するように構成された第1のハウジング部分を有するハウジングのための、前記欠点を取り除くことができるような効果的な可能性を提供する点にある。
【0005】
この課題を解決した本発明は、独立請求項に記載した特徴によって解決された。本発明のその他の実施態様は、従属請求項に記載されている。
【0006】
前記課題を解決した本発明による、基板を収容するためのハウジングによれば、
第1の底部及び第1の側壁を備えた第1のハウジング部分と、第2の底部及び第2の側壁を備えた第2のハウジング部分とを有しており、
前記第1のハウジング部分が少なくとも1つの角隅部の領域に、前記第1の側壁を越えて延在する係止突起を有しており、
前記第1のハウジング部分が少なくとも1つの角隅部の領域に係止切欠を有している。
【0007】
この場合、基板は、電子素子又はその他の素子のためのそれぞれのキャリアエレメントを構成している。特に、基板は、例えば電子回路のためのプリント基板である。
【0008】
側壁は、特に一体的に環状に構成されている。しかしながら側壁は、場合によっては互いに分離された複数の側壁区分を有していてもよい。
【0009】
本発明によれば、特に、係止機構又は閉鎖機構を、基板にとって問題ない箇所に設けることができ、ひいては、ハウジング部分を組み立てる際に、基板に力が作用することはない、という利点を有している。また、このように係止機構又は閉鎖機構によって、ハウジング内に提供された構造スペースを有効に利用することができる。これによって最小のハウジング構造寸法を、経済的で安価な製造費用で製作することができる。
【0010】
特に、係止突起及び係止切欠を、基板が存在する平面とは異なる平面に配置することができる。これによって、基板、並びに基板の可能な構成素子(構成部分)が、係止突起と係止切欠とから成る係止機構の影響を受けることがない、という利点が得られる。従って、ハウジング部分を組み立てる際に、基板に力が加えられることはない。
【0011】
特に、基板の縁部にまで構成部分(例えば高い寸法の電解コンデンサ)を実装することができ、しかも、例えば固定の前にハウジング部分を相応に曲げることによって、ハウジング内の追加的な構造スペースを得るようにする必要はない。従って、ハウジング部分の組立時に、基板の縁部に配置された構成部分に、例えば基板上の導体路が剥がされるような力が作用することはない。
【0012】
本発明の実施態様によれば、係止突起が前記第1の側壁内に一体的に組み込まれている。
【0013】
本発明の別の実施態様によれば、第1及び第2の側壁がそれぞれ、第1及び第2の底部の周囲を少なくとも部分的に巡って配置されている。
【0014】
別の実施態様によれば、特に第1及び第2のハウジング部分が組み立てられた状態で、係止突起が係止切欠内に係止係合するようになっている。
【0015】
別の実施態様によれば、互いに向き合う2つの角隅部の領域において、第1のハウジング部分がそれぞれ1つの係止突起を有していて、第2のハウジング部分がそれぞれ1つの係止切欠を有している。
【0016】
別の実施態様によれば、前記基板が、構成素子を実装した基板である。
【0017】
特に、基板は、ランプ及び/又は照明手段を制御するための回路を有している。例えば回路は電子式の抵抗器を有している。
【0018】
別の実施態様によれば、ハウジングの少なくとも1つの角隅部の領域に、ほぼ円形に内方に湾曲する側壁が設けられている。
【0019】
別の実施態様によれば、第1の底部又は第2の底部が角隅部の領域に組立ガイドを有している。
【0020】
組立ガイドは、固定手段を収容するように構成されている。例えば、組立ガイドによってハウジングが固定される。
【0021】
少なくとも1つの側壁の高さが部分的に増大されている。
【0022】
選択的な実施態様によれば、部分的に高さが増大されている前記側壁に対応配置された少なくとも1つの側壁の高さが、相応に部分的に低下されている。
【0023】
次の実施態様によれば、少なくとも1つの側壁が、0.5mm乃至2mmの範囲の壁厚を有している。
【0024】
特に、それぞれの側壁は、0.65mm乃至1.5mmの範囲の壁厚を有している。
【0025】
また別の実施態様によれば、ハウジングが少なくとも部分的にタロロン(Tarolon)より成っている。
【0026】
特に、ハウジングは少なくとも部分的にプラスチックより成っていてよい。
【0027】
別の実施態様によれば、第1のハウジング部分と第2のハウジング部分とが、嵌合可能に相互に係合し合うように、構成されている。
【0028】
前記課題を解決した、ハウジングを組み立てるための方法によれば、2つのハウジング部分をほぼ真っ直ぐに直立して組み立てることを特徴としている。
【0029】
特に、2つのハウジング部分は圧縮される。組立時に、2つのハウジング部分は、互いに上下に真っ直ぐに直立させて設置するか又は差し込むか又は押圧することができる。例えば、少なくとも1つの係止突起を少なくとも1つの係止切欠に係止させる組立ガイドが設けられている。
【0030】
前記課題は、ハウジング、特にハウジング部分を組み立てるための組立装置によって解決された。
【0031】
本発明の実施例を以下に図面を用いて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】第1のハウジング部分の等角投影図である。
図2A】第1のハウジング部分の第1の側面図である。
図2B】第1のハウジング部分の第2の側面図である。
図2C】第1のハウジング部分の内部の平面図である。
図3】第2のハウジング部分の等角投影図である。
図4A】第2のハウジング部分の内部の平面図である。
図4B】第2のハウジング部分の第1の側面図である。
図4C】第2のハウジング部分の第2の側面図である。
図5】第1のハウジング部分と第2のハウジング部分とを有する、組み立てたハウジングの等角投影図である。
【0033】
以下にハウジング若しくはハウジングの構成部分の例を示す。
【0034】
図1に示した第1のハウジング部分101は、1つの底部102と、該底部102の周囲を巡って設けられた1つの側壁103と、ハウジング部分101の対角線上で互いに向き合う角隅部に配置された2つの係止突起104とを有している。
【0035】
さらに図1は、第1のハウジング部分101(若しくは組立完成されたハウジング)を支持体(図示せず)上に固定するための組立ガイド105を示す。このような形式の固定は、支持体上に例えばねじを用いて行われる。
【0036】
図2Aは、第1のハウジング部分101の長手方向に対して直交する横方向から見た側面図を示し、図2Bは、第1のハウジング部分101の長手方向から見た端面図を示し、図2Cは、第1のハウジング部分101の平面図を示す。
【0037】
図3に示した第2のハウジング部分301は、1つの底部302と、該底部302の周囲を巡って設けられた1つの側壁303と、第2のハウジング部分301の対角線上で互いに向き合う角隅部に配置された2つの係止切欠304とを有している。
【0038】
係止切欠304内に、図1図2A乃至図2Cに示した係止突起104が係止することができる。
【0039】
図4Aは、第2のハウジング部分301を示し、図4Bは、第2のハウジング部分301の長手方向に対して直交する横方向から見た側面図を示し、図4Cは、第2のハウジング部分301の長手方向から見た端面図を示す。
【0040】
図5は、第1のハウジング部分101と第2のハウジング部分301とを有するハウジング500の等角投影図を示す。図5には、組立状態で、係止突起104が係止切欠304内にどのように係止するかが示されている。有利な形式で、第1のハウジング部分101は第2のハウジング部分301と解除不能に結合されている。選択的に、ハウジング部分101,301は、解除可能に結合されていてもよい。
【符号の説明】
【0041】
101 ハウジング部分、 102 (第1のハウジング部分の)底部、 103 (第1のハウジング部分の)側壁、 104 (第1のハウジング部分の)係止突起、 105 組立ガイド、 301 第2のハウジング部分、 302 (第2のハウジング部分の)底部、 303 (第2のハウジング部分の)側壁、 304 (第2のハウジング部分の)係止切欠、 500 ハウジング
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4A
図4B
図4C
図5