特許第5762303号(P5762303)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許57623034−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体、該共重合体を含む組成物および4−メチル−1−ペンテン共重合体組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5762303
(24)【登録日】2015年6月19日
(45)【発行日】2015年8月12日
(54)【発明の名称】4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体、該共重合体を含む組成物および4−メチル−1−ペンテン共重合体組成物
(51)【国際特許分類】
   C08F 210/14 20060101AFI20150723BHJP
   C08L 23/20 20060101ALI20150723BHJP
   C08L 101/00 20060101ALI20150723BHJP
【FI】
   C08F210/14
   C08L23/20
   C08L101/00
【請求項の数】5
【全頁数】80
(21)【出願番号】特願2011-539408(P2011-539408)
(86)(22)【出願日】2010年11月5日
(86)【国際出願番号】JP2010069753
(87)【国際公開番号】WO2011055803
(87)【国際公開日】20110512
【審査請求日】2012年4月20日
(31)【優先権主張番号】特願2009-255071(P2009-255071)
(32)【優先日】2009年11月6日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2010-3166(P2010-3166)
(32)【優先日】2010年1月8日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005887
【氏名又は名称】三井化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001070
【氏名又は名称】特許業務法人SSINPAT
(72)【発明者】
【氏名】植草 貴行
(72)【発明者】
【氏名】岡本 勝彦
(72)【発明者】
【氏名】田茂 克正
【審査官】 渡辺 陽子
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2005/121192(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08F10,210
C08L
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位(i)10〜32モル%、4−メチル−1−ペンテンを除く炭素原子数2〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種以上のα−オレフィンから導かれる構成単位(ii)68〜90モル%および非共役ポリエンから導かれる構成単位(iii)0〜10モル%とからなり(ただし、構成単位(i)、(ii)および(iii)の合計を100モル%とする)、
下記要件(a)から(d)および(j)を満たすことを特徴とする4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A1)。
(a)デカリン中135℃で測定した極限粘度[η]が0.01から5.0dL/g、
(b)ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との割合(Mw/Mn)が1.0〜3.5、
(c)引張り弾性率(YM)が0.1〜1000MPa、
(d)示差走査熱量計(DSC)によって測定した融点〔Tm〕が110℃未満または認められない、
(j)周波数10rad/sで、−70℃〜180℃の温度範囲の動的粘弾性を測定して得られる損失正接tanδの最大値が0.5以上であり、tanδの値が最大となる際の温度が0〜40℃の範囲にある。
【請求項2】
4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位(i)10〜32モル%、4−メチル−1−ペンテンを除く炭素原子数2〜20のα-オレフィンから選ばれる少なくとも1種以上のα−オレフィンから導かれる構成単位(ii)68〜90モル%および非共役ポリエンから導かれる構成単位(iii)0〜10モル%(ただし、構成単位(i)、(ii)および(iii)の合計を100モル%とする)とからなり、かつ、下記要件(a)から(d)を満たす4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)50〜95重量部と、
該4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体以外の熱可塑性樹脂(B)5〜50重量部を含み(ただし、該共重合体(A)と該熱可塑性樹脂(B)の合計を100重量部とする)、
下記要件(j1)を満たすことを特徴とする4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体組成物(X11)。
(a)デカリン中135℃で測定した極限粘度[η]が0.01から5.0dL/g、
(b)ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との割合(Mw/Mn)が1.0〜3.5、
(c)引張り弾性率(YM)が0.1〜1000MPa、
(d)示差走査熱量計(DSC)によって測定した融点〔Tm〕が110℃未満または認められない、
(j1)周波数10rad/sで、−70℃〜180℃の温度範囲の動的粘弾性を測定して得られる損失正接tanδの最大値が0.4以上であり、tanδの値が最大となる際の温度が−50〜40℃の範囲にある。
【請求項3】
4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位(i)10〜32モル%、4−メチル−1−ペンテンを除く炭素原子数2〜20のα-オレフィンから選ばれる少なくとも1種以上のα−オレフィンから導かれる構成単位(ii)68〜90モル%および非共役ポリエンから導かれる構成単位(iii)0〜10モル%(ただし、構成単位(i)、(ii)および(iii)の合計を100モル%とする)とからなり、かつ、下記要件(a)から(d)を満たす4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)5〜49重量部と、
該4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体以外の熱可塑性樹脂(B)51〜95重量部(ただし、該共重合体(A)と該熱可塑性樹脂(B)の合計を100重量部とする)を含むことを特徴とする4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体組成物(X12)。
(a)デカリン中135℃で測定した極限粘度[η]が0.01から5.0dL/g、
(b)ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との割合(Mw/Mn)が1.0〜3.5、
(c)引張り弾性率(YM)が0.1〜1000MPa、
(d)示差走査熱量計(DSC)によって測定した融点〔Tm〕が110℃未満または認められない。
【請求項4】
請求項1に記載の4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A1)を含んでなる成形体。
【請求項5】
請求項2または3に記載の4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体組成物を含んでなる成形体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体、該共重合体を含む組成物、該組成物を含んでなる成形体およびそれらの用途に関する。
【0002】
さらに詳しくは、柔軟性、軽量、応力吸収性、応力緩和性、耐傷付き性、耐摩耗性、靭性、機械特性に優れ、成形時のベタつきがなく、これらのバランスに優れた、4−メチル−1−ペンテンとα−オレフィン共重合体、および該共重合体を含む組成物およびそれらの用途に関する。
【背景技術】
【0003】
オレフィン系重合体は、加工性、耐薬品性、電気的性質、機械的性質などに優れているため、押出成形品、射出成形品、中空成形品、フィルム、シート、繊維などに加工され、日用雑貨、台所用品、包装用フィルム、不織布、家電製品、機械部品、電気部品、自動車部品など、多方面の用途に供されている。
【0004】
特に、4-メチル-1-ペンテンを含むオレフィン系重合体は、軽量、透明性、ガス透過性、耐薬品性とともに耐熱性に優れた樹脂として、食品、医療、電子情報、家電、実験器具、文房具など様々な分野で利用されている。
【0005】
こうしたオレフィン系重合体は、遷移金属化合物と、有機アルミニウム化合物とからなる触媒、いわゆるチーグラー型触媒を用いて製造されるのが一般的である。
【0006】
特許文献1において、4−メチル−1−ペンテン系ランダム共重合体と、該共重合体を含む組成物が提案されている。
【0007】
しかしながら、反応点がマルチサイトであるため、低立体規則性ポリマーや低分子量ポリマーが生成し易いという欠点がある。そのため、フィルム成形時には、これらのポリマーがベタ成分として悪影響を与える。また、表面に低分子量成分がブリードアウトするなどの問題がある。さらに、靭性等の機械特性や強度が低下してしまい、製品として改良すべき点がある。
【0008】
一方、シクロペンタジエニル基を含む有機金属錯体触媒を用いて得られるオレフィン系重合体は、一般に、重合体の分子量などの組成が均一であるといった特徴を有している。しかしながら、従来のチーグラー型触媒から得られるものに比べて、耐熱性に劣るとの問題点が指摘されている。その原因としては、通常のメタロセン触媒で製造されたオレフィン系重合体は、モノマーユニットの異種結合が数%程度含まれており、これが物性面で悪影響を及ぼすといわれている。
【0009】
特許文献2において、耐熱性に優れ、高分子量で分子量分布が狭い4−メチル−1−ペンテン系重合体が提案されている。しかしながら、得られる重合体は、耐熱性、靭性や成形加工性の観点から改良すべき点がある。
【0010】
ポリ4-メチル-1-ペンテンは、離型性に優れるという特徴を有している。これは、他の樹脂に比べて表面張力が低いことから、成形時に離型性が発現する。即ち、他の樹脂となじみ難いという性質を有している。そのため、靭性や衝撃性を改質するために他の樹脂を改質材として使用した場合、特性を発現しないという問題がある。この点、特許文献3や特許文献4において、4−メチル−1−ペンテン系重合体組成物を用いることを提案しているが、靭性、耐衝撃性や透明性の観点からさらに改良すべき点がある。
【0011】
ところで、制振材は、機器部品から発生する振動を適正なレベルに防止、抑制する目的で広く使用されている。また、オーディオ機器スピーカー等、高品位の音質を得るために特定の制振作用を有する材料としても用いられている。
【0012】
従来、高分子材料の制振性の指標となる動的粘弾性測定の損失係数tanδが大きなピーク値をもつ材料が、振動特性を有する高分子材料として使用されており、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)あるいは、その水素添加物等が挙げられる。
【0013】
SISは、室温付近に大きな正接損失tanδのピークを有するため、室温付近では制振特性に優れるが、tanδピークがシャープであるためピーク温度付近以外では制振性に劣る。また、水素添加SISは、重合、水素添加の2段階からなるプロセスにより製造されるため生産コストが高く、工業的な応用範囲が限定される。
【0014】
また、ゴム系制振材は、性能面で優れた特性を有するものの、施工時に任意の形状に対応させることが困難である。ポリプロピレン、4−メチル−1−ペンテン単独重合体は、室温付近にtanδピークを有するが、ピーク値は小さく、成形時の寸法精度が低いなどの欠点を有する。ポリ塩化ビニル(PVC)系制振材は、焼却時に有毒ガスを発生するなど、環境に対して好ましくない影響を及ぼす可能性がある。
【0015】
したがって、軽量、柔軟性、応力吸収性、応力緩和性、制振性、靭性、耐傷付き性、耐摩耗性、機械特性に優れ、成形時のベタつきがなく、これらのバランスに優れた材料が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】特開2008−144155号公報
【特許文献2】WO2005/121192号公報
【特許文献3】WO96/28507号公報
【特許文献4】WO2002/081958号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明は、上記のような点を解決することであって、軽量、柔軟性、応力吸収性、応力緩和性、制振性、耐傷付き性、耐摩耗性、靭性、機械特性に優れ、成形時のベタつきがなく、これらのバランスに優れた、4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体および該共重合体を含む組成物、該組成物を含んでなる成形体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明者らは鋭意検討した結果、本発明を完成した。
【0019】
すなわち、本発明の4−メチル−1−ペンテン・α―オレフィン共重合体(A)は、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位(i)5〜95モル%、4−メチル−1−ペンテンを除く炭素原子数2〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種以上のα−オレフィンから導かれる構成単位(ii)5〜95モル%および非共役ポリエンから導かれる構成単位(iii)0〜10モル%とからなり(但し、構成単位(i)、(ii)および(iii)の合計を100モル%とする)、下記要件(a)から(d)を満たすことを特徴とする。
【0020】
(a)デカリン中135℃で測定した極限粘度[η]が0.01から5.0dL/g、
(b)ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との割合(Mw/Mn)が1.0〜3.5、
(c)引張り弾性率(YM)が0.1〜1000MPa、
(d)示差走査熱量計(DSC)によって測定した融点〔Tm〕が110℃未満または認められない。
【0021】
前記構成単位(i)が10〜90モル%と、前記構成単位(ii)が10〜90モル%からなり(但し、構成単位(i)と(ii)の合計を100モル%とする)、下記要件(c1)および(e)をさらに満たすことは、柔軟性、機械特性、靭性、耐傷付き性、耐摩耗性、応力吸収性の点で好ましい。
【0022】
(c1)引張り弾性率(YM)が0.1〜300MPa。
【0023】
(e)押針接触開始直後と押針接触開始から15秒後とのショアーA硬度値(JIS K6253に準拠、厚さ3mmのプレスシートの状態で測定)の差ΔHSが、10〜50である。なお、ショアーA硬度の測定方法は、実施例を参照できる(以下、同じ)。
【0024】
また、前記構成単位(i)5〜95モル%と、前記構成単位(ii)が4.9〜94.9モル%と、前記構成単位(iii)が0.1〜10モル%とからなる(ただし、構成単位(i)、(ii)および(iii)の合計を100モル%とする)4−メチル−1−ペンテン・α―オレフィン共重合体(A3)は、機械特性、柔軟性、靭性の点でより好ましい。
【0025】
前記構成単位(i)が5〜50モル%、好ましくは10〜32モル%と、前記構成単位(ii)が50〜95モル%、好ましくは68〜90モル%、および前記構成単位(iii)が0〜10モル%とからなる(ただし、構成単位(i)、(ii)および(iii)の合計を100モル%とする)4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体(A1)は、前記要件(a)〜(d)と下記要件(j)をさらに満たす。
【0026】
(j)周波数10rad/sで、−70℃〜180℃の温度範囲の動的粘弾性を測定して得られる損失正接tanδの最大値が、0℃〜40℃の温度範囲にあり、かつtanδの最大値が0.5以上。
【0027】
前記共重合体(A1)は、前記構成単位(i)が10〜32モル%、前記構成単位(ii)が68〜90モル%および前記構成単位(iii)が0〜10モル%とからなる(構成単位(i)、(ii)および(iii)の合計を100モル%とする)ことが、応力吸収性、応力緩和性、柔軟性の点で、好ましい。
【0028】
前記構成単位(i)が33〜80モル%、前記構成単位(ii)67〜20モル%および前記構成単位(iii)0〜10モル%とからなる(ただし、構成単位(i)、(ii)および(iii)の合計を100モル%とする)4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体(A2)は、前記要件(a)〜(d)と下記要件(e1)をさらに満たす。
【0029】
(e1)押針接触開始直後と押針接触開始から15秒後のショアーA硬度値の差ΔHSが15〜50の範囲。
【0030】
本発明の4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体組成物(X)は、前記4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体5〜95重量部と、前記4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体以外の熱可塑性樹脂(B)5〜95重量部(ただし、共重合体と(B)との合計を100重量部とする)を含んでいることを特徴とする。
【0031】
前記組成物(X)は、前記共重合体が5重量部以上49重量部以下と、前記熱可塑性樹脂(B)が、前記4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体以外の結晶性オレフィン樹脂(B1)であり、95重量部以上51重量部以下(ただし、共重合体と(B1)との合計を100重量部とする)を含有すると、耐熱性、機械特性、靭性、耐摩耗性の点で好ましい(X12、X22)。
【0032】
また、前記組成物(X)は、前記共重合体が50重量部以上95重量部以下で、結晶性オレフィン樹脂(B1)が50重量部以下5重量部以上(ただし、(A)と(B)との合計を100重量部とする)を含有すると、柔軟性、応力吸収性、応力緩和性、機械特性の点で好ましい(X11、X21)。
【0033】
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体組成物(X11)は、前記構成単位(i)が10〜32モル%、前記構成単位(ii)が68〜90モル%および前記構成単位(iii)が0〜10モル%とからなり(ただし、構成単位(i)、(ii)および(iii)の合計を100モル%とする)、少なくとも前記要件(a)〜(d)を満たす4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体50〜95重量部と、前記4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体以外の熱可塑性樹脂(B)5〜50重量部を含み(ただし、該共重合体(A)と該熱可塑性樹脂(B)の合計を100重量部とする)、下記要件(j1)を満たす。
【0034】
(j1)周波数10rad/sで、−70℃〜180℃の温度範囲の動的粘弾性を測定して得られる損失正接tanδの最大値が、−50℃〜40℃の範囲にあり、かつtanδの最大値が0.4以上。
【0035】
また、4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体組成物(X12)は、前記構成単位(i)が10〜32モル%、前記構成単位(ii)が68〜90モル%および前記構成単位(iii)が0〜10モル%とからなり(ただし、構成単位(i)、(ii)および(iii)の合計を100モル%とする)、少なくとも前記要件(a)〜(d)を満たす4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体5〜49重量部と、前記4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体以外の熱可塑性樹脂(B)51〜95重量部を含む(ただし、該共重合体(A)と該熱可塑性樹脂(B)の合計を100重量部とする)。
【0036】
前記共重合体組成物(X12)は、前記熱可塑性樹脂(B)が、ポリプロピレン、ポリ4−メチル−1−ペンテン、ポリエチレン、ポリブテンから選ばれる少なくとも1種の結晶性オレフィン樹脂(B1)であり、かつ、下記要件(f)および(g)を満たすとき、耐熱性、機械特性、靭性を得られる点で好ましい。
【0037】
(f)軟化温度が110℃〜250℃。
【0038】
(g)引張り弾性率(YM)が300〜2000MPa。
【0039】
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体組成物(X21)は、前記構成単位(i)が33〜80モル%、前記構成単位(ii)が67〜20モル%および前記構成単位(iii)が0〜10モル%とからなり(構成単位(i)、(ii)および(iii)の合計を100モル%とする)、少なくとも前記要件(a)〜(d)を満たす4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体50〜95重量部と、前記4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体以外の熱可塑性樹脂(B)5〜50重量部を含み(ただし、該共重合体(A)と該熱可塑性樹脂(B)の合計を100重量部とする)、下記要件(e2)を満たす。
【0040】
(e2)押針接触開始直後と押針接触開始から15秒後のショアーA硬度値の差ΔHSが10〜50の範囲であるか、または、押針接触開始直後と押針接触開始から15秒後のショアーD硬度値の差ΔHSが5〜50の範囲。
【0041】
前記共重合体組成物(X21)は、前記共重合体が50重量部以上95重量部以下と、結晶性オレフィン樹脂(B1)が50重量部以下5重量部以上(ただし、共重合体と(B1)との合計を100重量部とする)とを含むと、柔軟性、応力緩和性、機械特性の点で好ましい。
【0042】
また、4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体組成物(X22)は、前記構成単位(i)が33〜80モル%、前記構成単位(ii)が67〜20モル%および前記構成単位(iii)が0〜10モル%とからなり(構成単位(i)、(ii)および(iii)の合計を100モル%とする)、少なくとも前記要件(a)〜(d)を満たす4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体5〜49重量部と、前記4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体以外の熱可塑性樹脂(B)51〜95重量部を含む(ただし、該共重合体(A)と該熱可塑性樹脂(B)の合計を100重量部とする)。
【0043】
また、前記組成物(X22)は、前記共重合体が5重量部以上49重量部以下と、前記熱可塑性樹脂(B)が、前記4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体以外の結晶性オレフィン樹脂(B1)であり、95重量部以上51重量部以下(ただし、共重合体と(B1)との合計を100重量部とする)を含有すると、耐熱性、機械特性、耐摩耗性、靭性の点で好ましい。
【0044】
前記共重合体組成物(X22)は、前記熱可塑性樹脂(B)が、ポリプロピレン、ポリ4−メチル−1−ペンテン、ポリエチレン、ポリブテンから選ばれる少なくとも1種の結晶性オレフィン樹脂(B1)であり、かつ、下記要件(f)および(g)を満たすとき、耐熱性、機械特性、靭性を得られる点で好ましい。
【0045】
(f)軟化温度が110℃〜250℃、好ましくは120〜240℃。
【0046】
(g)引張り弾性率(YM)が300〜2000MPa、好ましくは400〜2000MPa。
【0047】
本発明の4−メチル−1−ペンテン共重合体組成物(Y)は、4−メチル−1−ペンテン共重合体(AA)を50〜98重量部、4−メチル−1−ペンテン共重合体(AA)以外の融点が100℃以上の結晶性オレフィン樹脂(BB)を1〜49重量部および4−メチル−1−ペンテン共重合体(AA)以外の融点が100℃未満のα−オレフィン系共重合体(CC)を1〜49重量部(ただし、(AA)、(BB)および(CC)の合計を100重量部とする)含み、前記共重合体(AA)が下記要件(a−1)〜(a−3)、(b−2)および(b−3)、好ましくは(b−1)を満たすことを特徴とする。共重合体組成物(Y)が、要件(a−1)〜(a−3)および(b−2)〜(b−3)を満たすことは、機械特性、応力吸収性、耐振性向上の点で好ましい。
【0048】
(a−1)4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位が5〜95重量%であり、4−メチル−1−ペンテンを除く炭素原子数2〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種以上のα−オレフィンから導かれる構成単位が5〜95重量%である(ただし、前記共重合体(AA)中の構成単位の全量を100重量%とする)。
【0049】
(a−2)デカリン中135℃で測定した極限粘度[η]が0.01から5.0dL/g。
【0050】
(a−3)ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との割合(Mw/Mn)が1.0〜3.5。
【0051】
(b−1)4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位が10〜90重量%であり、4−メチル−1−ペンテンを除く炭素原子数2〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種以上のα−オレフィンから導かれる構成単位が10〜90重量%(ただし、前記共重合体(AA)中の構成単位の全量を100重量%とする)。
【0052】
(b−2)押針接触開始直後のショアーA硬度と押針接触開始から15秒後のショアーA硬度との差ΔHSが、10〜50の範囲。
【0053】
(b−3)示差走査熱量計(DSC)によって測定した融点〔Tm〕が110℃未満または認められない。
【0054】
前記共重合体組成物(Y)は、前記共重合体(AA)が50〜96重量部、好ましくは50〜90重量部、前記樹脂(BB)が2〜45重量部、好ましくは5〜45重量部および前記α−オレフィン系共重合体(CC)を2〜45重量部、好ましくは5〜45重量部含み、前記共重合体(AA)が下記要件(c−1)を満たすと、機械特性、応力吸収性、耐振性向上の点で好ましい。
【0055】
(c-1)4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位が18〜90重量%、好ましくは25〜85重量%であり、4−メチル−1−ペンテンを除く炭素原子数2〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種以上のα−オレフィンから導かれる構成単位が10〜82重量%、好ましくは15〜75重量%である(ただし、前記共重合体(AA)中の構成単位の全量を100重量%とする)。
【0056】
前記共重合体組成物(Y)は、押針接触開始直後のショアーA硬度と押針接触開始から15秒後のショアーA硬度との差ΔHSが、10〜50の範囲であるか、または、押針接触開始直後のショアーD硬度と押針接触開始から15秒後のショアーD硬度との差ΔHSが、5〜50の範囲であることが好ましい。
【0057】
前記共重合体組成物(Y)は、結晶性オレフィン樹脂(BB)が、ポリプロピレン、ポリ4−メチル−1−ペンテン、ポリエチレン、ポリブテンから選ばれる少なくとも1種以上であると、機械特性の点で好ましい。前記結晶性オレフィン樹脂(B)は、ポリプロピレンであることが機械特性の点でさらに好ましい。
【0058】
前記共重合体組成物(Y)は、α−オレフィン系共重合体(CC)が、下記要件(d−1)および(d−2)を満たすと、機械特性の点で好ましい。
【0059】
(d−1)エチレン、プロピレンまたはブテン−1から導かれる構成単位が50〜99重量%、炭素原子数2〜20のα−オレフィンから導かれる前記以外の構成単位が1〜50重量%である(ただし、共重合体(CC)中の構成単位の全量を100重量%とする)。
【0060】
(d−2)JIS K−6721に準拠して、190℃または230℃で2.16kgの荷重にて測定したMFRが、0.01〜100g/10分の範囲にあり、密度が0.910〜0.850g/cmの範囲にある。
【0061】
本発明の成形体は、前記4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体、前記4−メチル−1−ペンテン共重合体組成物または4−メチル−1−ペンテン共重合体組成物のいずれか1種以上を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0062】
本発明に係る4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体および該共重合体を含む組成物および本発明の成形体は、軽量、柔軟性、応力吸収性、応力緩和性、制振性、耐傷付き性、耐摩耗性、靭性、透明性、機械特性、成形性、離型性等に優れ、成形時のベタつきがなく、これらのバランスに優れる。
【発明を実施するための形態】
【0063】
以下、本発明について具体的に説明する。
【0064】
<4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体(A)、(A1)〜(A3)>
本発明に係る4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体(A)は、4-メチル-1-ペンテンから導かれる構成単位(i)5〜95モル%と、4-メチル-1-ペンテンを除く炭素原子数2〜20のα-オレフィンから選ばれる少なくとも1種以上のα-オレフィンから導かれる構成単位(ii)95〜5モル%および非共役ポリエンから導かれる構成単位(iii)0〜10モル%とからなる(但し、構成単位(i)、(ii)および(iii)を100モル%とする)。好ましくは、前記構成単位(i)が10〜90モル%、より好ましくは15〜85モル%、さらに好ましくは15〜80モル%、特に好ましくは15〜75モル%と、前記構成単位(ii)が90〜10モル%、より好ましくは85〜15モル%、さらに好ましくは85〜20モル%、特に好ましくは85〜25モル%とからなる共重合体である(但し、構成単位(i)および(ii)を100モル%とする)。なお、本発明において、「炭素原子数2〜20のα-オレフィン」というときは特に断らない限り4-メチル-1-ペンテンを含まない。
【0065】
なお、本発明の目的を損なわない範囲で、その他の共重合成分を含んでいてもよく、これらも本発明の範囲内である。
【0066】
また、共重合体(A)は、少なくとも下記要件(a)〜(d)を満たす。
【0067】
共重合体(A)は、(a)135℃のデカリン中での極限粘度[η]が0.01〜5.0(dL/g)、好ましくは0.05〜4.0(dL/g)、より好ましくは0.1〜3.0(dL/g)、さらに好ましくは0.5〜2.5(dL/g)の範囲にある。後述する触媒を用いれば、分子量分布を損なうことなく重合体を得ることが出来る。また後述するように重合中に水素を併用すると分子量を制御でき、低分子量体から高分子量体まで自在に得ることが出来る。
【0068】
共重合体(A)は、(b)ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との割合(Mw/Mn)が、1.0〜3.5、好ましくは1.5〜3.0、より好ましくは1.5〜2.5の範囲である。Mw/Mnの値が大きいと、組成分布や低分子量ポリマーの影響が懸念されて、該重合体の機械特性、成形性、耐摩耗性を発現しないおそれがあり、成形時にべたつきがあり不具合を生じる。Mw/Mnの値が1.0〜3.5の範囲にあれば、上記特性を発現するのに有利であり、工業的に価値がある。後述する触媒を用いれば分子量を損なうことなく、Mw/Mnの値が上記範囲内にある重合体を得ることができる。用途に応じて、分子量分布の広い4−メチル−1−ペンテン・α-オレフィン共重合体が必要な場合には、分子量の違うポリマーをブレンドするか、または、多段重合法などを用いる。
【0069】
共重合体(A)は、酢酸メチルによる抽出量が0〜1.5重量%、好ましくは0〜1.0重量%、さらに好ましくは0〜0.8重量%、特に好ましくは0〜0.6重量%である。酢酸メチル抽出量は成形時のべたつきの指標となり、この値が大きいと、得られたポリマーは組成分布が大きく低分子量ポリマーを含み、成形時に不具合を生じる。酢酸メチル抽出量が上記範囲内であると、成形時のべたつきによる不具合は生じない。
【0070】
共重合体(A)は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により求められる重量平均分子量(Mw)がポリスチレン換算で500〜10,000,000であると好ましく、より好ましくは1,000〜5,000,000である。さらに好ましくは、1,000〜2,500,000である。
【0071】
共重合体(A)は、13C−NMRにより測定した共重合モノマーの連鎖分布のランダム性を示すパラメータB値が、0.9〜1.5であることが好ましく、より好ましくは0.9〜1.3、さらに好ましくは0.9〜1.2である。パラメータB値が上記範囲内であると、重合体中のモノマーの連鎖分布のランダム性が良好であり、重合体中の組成分布がなくなり、例えば透明性、柔軟性、応力吸収性、応力緩和性に優れる。
【0072】
共重合体(A)は、(c)引張り弾性率(YM)が0.1〜1000MPa、好ましくは0.1〜500MPa、より好ましくは0.1〜300MPa、さらに好ましくは0.1〜200MPaである。引張り弾性率が上記範囲内にあると、例えば、機械特性、靭性、柔軟性や応力吸収性に優れる。
【0073】
共重合体(A)は、(d)DSCにより測定した融点(Tm)が、110℃未満または認められない、より好ましくは100℃未満または認められない、さらに好ましくは85℃未満または認められない。共重合体(A)の融点は、コモノマー種およびコモノマー組成によって任意に変えることができ、融点が上記範囲内にある場合は柔軟性と靭性に優れる。
【0074】
共重合体(A)は、ASTM D 1505(水中置換法)に従って測定された密度が、好ましくは0.810〜0.850g/cm、より好ましくは0.820〜0.850g/cm、さらに好ましくは0.830〜0.850g/cmである。
【0075】
共重合体(A)は、下記要件(c1)および(e)を満たすことが好ましい。
【0076】
(c1)引張り弾性率(YM)は、0.1〜300MPa、好ましくは0.1〜250MPa、より好ましくは0.3〜200MPaである。引張り弾性率が上記範囲内にあると、機械特性、靭性、柔軟性や応力吸収性に優れる。
【0077】
(e1)ショアーA硬度の測定直後と測定15秒後の値の変化率ΔHSが10以上50以下、好ましくは15以上50以下、さらに好ましくは20以上50以下である。なお、ショアーA硬度の変化率は、JIS K6253に準拠して、以下のようにして求める。
【0078】
ΔHS=(測定15秒後のショアーA硬度値 − 測定直後のショアーA硬度値)
ΔHSは、コモノマー種およびコモノマー組成によって任意に変えることができ、ΔHSが上記範囲内であると、応力吸収性、応力緩和性に優れる。
【0079】
また、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位(i)が5〜50モル%、好ましくは10〜32モル%、4−メチル−1−ペンテンを除く炭素原子数2〜20のα-オレフィンから選ばれる少なくとも1種以上のα-オレフィンから導かれる構成単位(ii)が50〜95モル%、好ましくは68〜90モル%および非共役ポリエンから導かれる構成単位(iii)が0〜10モル%、好ましくは0〜5モル%であり(ただし、構成単位(i)、(ii)および(iii)の合計を100モル%とする)、少なくとも上記要件(a)〜(d)を満たし、さらに下記要件(j)を満たす4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体(A1)は、応力吸収性、柔軟性に優れるため好ましい。
【0080】
(j)周波数10rad/sで、−70℃〜180℃の温度範囲の動的粘弾性を測定して得られる損失正接tanδの最大値が、0℃〜40℃の温度範囲にあり、かつtanδの最大値が0.5以上、好ましくは0.7以上、より好ましくは1.0以上、特に好ましくは1.5以上である。この範囲であれば、共重合体は、応力吸収性に優れるため好ましい。
【0081】
また、共重合体(A1)は、前記構成単位(i)が5〜50モル%、好ましくは5〜48モル%、前記構成単位(ii)が49.9〜94.9モル%、好ましくは47.9〜94.9モル%および前記構成単位(iii)が0.1〜10モル%、好ましくは0.1〜5モル%、より好ましくは0.1〜4.1モル%であり(ただし、構成単位(i)、(ii)および(iii)の合計を100モル%とする)、少なくとも上記要件(a)〜(d)を満たし、さらに下記要件(jj)を満たすとき、応力吸収性、柔軟性に優れるため好ましい。
【0082】
(jj)周波数10rad/sで、−70℃〜180℃の温度範囲の動的粘弾性を測定して得られる損失正接tanδの最大値が、−50℃〜40℃の温度範囲にあり、かつtanδの最大値が0.5以上、好ましくは1.0以上、より好ましくは1.5以上、特に好ましくは2.0以上である。この範囲であれば、共重合体は、応力吸収性に優れるため好ましい。
【0083】
共重合体(A1)は、JIS K6400に準拠して、室温25℃下で460mmの高さから16.310gの剛体球を落下させた際の反発弾性率が0〜25%、好ましくは0〜20%、さらに好ましくは0〜15%の範囲にあることが、応力吸収性の点で更に好ましい。
【0084】
なお、共重合体(A1)中の構成単位のモル%を重量%で表すと、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位(i)が10重量%以上、67重量%以下、好ましくは18重量%以上、49重量%以下であり、4−メチル−1−ペンテンを除く炭素原子数2〜20のα-オレフィンから選ばれる少なくとも1種類以上のα-オレフィンから導かれる構成単位(ii)が33重量%以上、90重量%以下、好ましくは51重量%以上、82重量%以下であり、非共役ポリエンから導かれる構成単位(iii)が0〜23重量%であることが好ましい(ただし、構成単位(i)、(ii)および(iii)の合計を100重量%とする)。
【0085】
また、前記構成単位(i)が33〜80モル%、好ましくは50〜75モル%、前記構成単位(ii)が67〜20モル%、好ましくは50〜25モル%、および前記構成単位(iii)が0〜10モル%、好ましくは0〜5モル%であり、(ただし、構成単位(i)、(ii)および(iii)の合計を100モル%とする)、少なくとも上記要件(a)〜(d)を満たし、さらに下記要件(e1)におけるショアーA硬度またはD硬度のいずれか1つ以上を満たす4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体(A2)は、応力緩和性に優れるため好ましい。
【0086】
(e1)押針接触開始直後と押針接触開始から15秒後でのショアーA硬度値の差ΔHSが、15〜50、好ましくは20〜50、より好ましくは23〜50の範囲であるか、または、
押針接触開始直後のショアーD硬度と押針接触開始から15秒後のショアーD硬度との差ΔHSが、5〜50。好ましくは8〜50、より好ましくは10〜50の範囲である。
【0087】
更に共重合体(A2)の学振摩耗でのグロス変化率が、0〜13,好ましくは0〜10の範囲であることは、応力緩和性、耐磨耗性の点で好ましい。
【0088】
本発明に係る4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体(A3)は、少なくとも上記要件(a)〜(d)を満たし、前記構成単位(i)5〜95モル%と、前記構成単位(ii)94.9〜4.9モル%、および前記構成単位(iii)0.1〜10モル%である(ただし、構成単位(i)、(ii)および(iii)の合計を100モル%とする)。
【0089】
前記構成単位(i)は、好ましくは10〜90モル%、より好ましくは15〜85モル%、さらに好ましくは15〜70モル%、前記構成単位(ii)は、好ましくは89.9〜2モル%、より好ましくは84.7〜8モル%、さらに好ましくは84.5〜25モル%、さらに非共役ポリエンから導かれる構成単位は好ましくは0.1〜8モル%、より好ましくは0.3〜7モル%、さらに好ましくは0.5〜5モル%である(ただし、構成単位(i)、(ii)および(iii)の合計を100モル%とする)。
【0090】
4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体(A3)の融点(d)は、コモノマー種およびコモノマー組成によって任意に変えることができ、融点が上記範囲内にある場合は柔軟性と靭性に優れる。
【0091】
本発明において、4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体に用いられる、炭素原子数2〜20のα-オレフィンとしては、4−メチル−1−ペンテンを除き、例えば直鎖状または分岐状のα−オレフィン、環状オレフィン、芳香族ビニル化合物、共役ジエン、官能基化ビニル化合物等が挙げられる。本発明の4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体では、α−オレフィンには非共役ポリエンを含まないものとする。
【0092】
直鎖状α−オレフィンとしては、炭素原子数が2〜20、好ましくは2〜15、より好ましくは2〜10であり、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン等が挙げられ、好ましくはエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンである。
【0093】
分岐状のα−オレフィンとしては、好ましくは炭素原子数5〜20、より好ましくは5〜15であり、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセンなどが挙げられる。
【0094】
環状オレフィンとしては、炭素原子数3〜20、好ましくは5〜15であり、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロへプテン、ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、テトラシクロドデセン、ビニルシクロヘキサンなどが挙げられる。
【0095】
芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o,p−ジメチルスチレン、o−エチルスチレン、m−エチルスチレン、p−エチルスチレン等のモノまたはポリアルキルスチレンなどが挙げられる。
【0096】
共役ジエンとしては、炭素原子数4〜20、好ましくは4〜10であり、1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、4−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−オクタジエンなどが挙げられる。
【0097】
官能基化ビニル化合物としては、水酸基含有オレフィン、ハロゲン化オレフィン、(メタ)アクリル酸、プロピオン酸、3−ブテン酸、4−ペンテン酸、5−ヘキセン酸、6−ヘプテン酸、7−オクテン酸、8−ノネン酸、9−デセン酸、10−ウンデセン酸などの不飽和カルボン酸、アリルアミン、5−ヘキセンアミン、6−ヘプテンアミンなどの不飽和アミン、(2,7−オクタジエニル) コハク酸無水物、ペンタプロペニルコハク酸無水物、上記不飽和カルボン酸から得られた無水物などの不飽和カルボン酸無水物、上記不飽和カルボン酸から得られたハロゲン化物などの不飽和カルボン酸ハライド、4−エポキシ−1−ブテン、5−エポキシ−1−ペンテン、6−エポキシ−1−ヘキセン、7−エポキシ−1−ヘプテン、8−エポキシ−1−オクテン、9−エポキシ−1−ノネン、10−エポキシ−1−デセン、11−エポキシ−1−ウンデセン等の不飽和エポキシ化合物、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−アクロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランなどのエチレン性不飽和シラン化合物等が挙げられる。
【0098】
上記水酸基含有オレフィンとしては、水酸基含有のオレフィン系化合物であれば特に制限されないが、例えば末端水酸基化オレフィン系化合物が挙げられる。末端水酸基化オレフィン系化合物としては、ビニルアルコール、アリルアルコール、水酸化−1−ブテン、水酸化−1−ペンテン、水酸化−1−ヘキセン、水酸化−1−オクテン、水酸化−1−デセン、水酸化−1−ウンデセン、水酸化−1−ドデセン、水酸化−1−テトラデセン、水酸化−1−ヘキサデセン、水酸化−1−オクタデセン、水酸化−1−エイコセン等の炭素原子数2〜20、好ましくは2〜15の直鎖状の水酸化−α−オレフィン、水酸化−3−メチル−1−ブテン、水酸化−3−メチル−1−ペンテン、水酸化−4−メチル−1−ペンテン、水酸化−3−エチル−1−ペンテン、水酸化−4,4−ジメチル−1−ペンテン、水酸化−4−メチル−1−ヘキセン、水酸化−4,4−ジメチル−1−ヘキセン、水酸化−4−エチル−1−ヘキセン、水酸化−3−エチル−1−ヘキセンなどの好ましくは炭素数5〜20、より好ましくは炭素数5〜15の分岐状の水酸化−α−オレフィンが挙げられる。
【0099】
上記ハロゲン化オレフィンとしては、塩素、臭素、ヨウ素等の周期表第17族原子を有するハロゲン化−α−オレフィンであり、ハロゲン化ビニル、ハロゲン化−1−ブテン、ハロゲン化−1−ペンテン、ハロゲン化−1−ヘキセン、ハロゲン化−1−オクテン、ハロゲン化−1−デセン、ハロゲン化−1−ドデセン、ハロゲン化−1−ウンデセン、ハロゲン化−1−テトラデセン、ハロゲン化−1−ヘキサデセン、ハロゲン化−1−オクタデセン、ハロゲン化−1−エイコセン等の炭素原子数が2〜20、好ましくは2−15の直鎖状のハロゲン化−α−オレフィン、ハロゲン化−3−メチル−1−ブテン、ハロゲン化−4−メチル−1−ペンテン、ハロゲン化−3−メチル−1−ペンテン、ハロゲン化−3−エチル−1−ペンテン、ハロゲン化−4,4−ジメチル−1−ペンテン、ハロゲン化−4−メチル−1−ヘキセン、ハロゲン化−4,4−ジメチル−1−ヘキセン、ハロゲン化−4−エチル−1−ヘキセン、ハロゲン化−3−エチル−1−ヘキセンなどの好ましくは炭素数5〜20、より好ましくは炭素数5〜15の分岐状のハロゲン化−α−オレフィンが挙げられる。
【0100】
上記α−オレフィンは1種類であってもよく、2種以上を組み合せて用いることもできる。
【0101】
本発明では、特に、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン、ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、テトラシクロドデセン、水酸化−1−ウンデセンが好適である。
【0102】
本発明では、必要に応じて、非共役ポリエンを組み合せてもよい。
【0103】
非共役ポリエンとしては、炭素原子数5〜20、好ましくは5〜10であり、1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、1,4−オクタジエン、1,5−オクタジエン、1,6−オクタジエン、1,7−オクタジエン、2−メチル−1,5−ヘキサジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、4−エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエン、4,8−ジメチル−1,4,8−デカトリエン、ジシクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、ジシクロオクタジエン、メチレンノルボルネン、5−ビニルノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−ビニリデン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−3−イソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−プロペニル−2,2−ノルボルナジエンなどが挙げられる。
【0104】
非共役ポリエンとしては5−ビニリデン−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネンが好適である。
【0105】
なお、本発明の目的を損なわない範囲で、その他の共重合成分を含んでいてもよく、これらも本発明の範囲内である。
【0106】
本発明においては、柔軟性、応力吸収性、応力緩和性などの点から、炭素原子数が2〜10の直鎖状のα−オレフィンが好ましく、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセンおよび1−オクテンがより好ましく、高い応力吸収性、ポリオレフィン改質性も得られる点で、エチレンおよびプロピレン、さらに好ましく、プロピレンが特に好ましい。
【0107】
<4-メチル-1-ペンテン共重合体(AA)>
本発明に係る4−メチル−1−ペンテン共重合体(AA)は、(a−1)4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位(i)5〜95重量%と、4−メチル−1−ペンテンを除く炭素原子数2〜20のα-オレフィンから選ばれる少なくとも1種以上のα-オレフィンから導かれる構成単位(ii)5〜95重量%とからなる(但し、構成単位(i)と(ii)の合計を100重量%とする)。好ましくは、(b−1)および(c−1)前記構成単位(i)10〜90重量%、より好ましくは18〜90重量%、さらに好ましくは25〜90重量%、最も好ましくは30〜85重量%、特に好ましく40〜85重量%と、前記構成単位(ii)10〜90重量%、より好ましくは10〜82重量%、さらに好ましくは10〜75重量%、最も好ましくは15〜70重量%、特に好ましくは15〜60重量%である(但し、構成単位(i)と(ii)の合計を100重量%とする)。
【0108】
なお、共重合体(AA)は、本発明の目的を損なわない範囲で、その他の共重合成分を含んでいてもよく、これらの態様も本発明の範囲内である。
【0109】
共重合体(AA)は、(a−2)135℃のデカリン中での極限粘度[η]が、0.01〜5.0(dL/g)、好ましくは0.05〜4.0(dL/g)、より好ましくは0.1〜3.0(dL/g)、さらに好ましくは0.5〜2.5(dL/g)の範囲にある。後述する触媒を用いれば分子量分布を損なうことなく重合体を得ることが出来る。また後述するように重合中に水素を併用すると分子量を制御でき、低分子量体から高分子量体まで自在に得ることが出来る。
【0110】
共重合体(AA)は、(a−3)ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との割合(Mw/Mn)が、1.0〜3.5の範囲にあり、好ましくは1.5〜3.0、より好ましくは1.5〜2.5の範囲である。Mw/Mnの値が大きいと、組成分布や低分子量ポリマーの影響が懸念されて、該重合体の機械特性、成形性、耐摩耗性を発現するおそれがあり、成形時にべたつき、不具合を生じる。Mw/Mnの値が1.5〜2.5の範囲にあれば、上記特性を発現するのに有利であり、工業的に価値が高い。後述する触媒を用いれば分子量を損なうことなく、Mw/Mnの値が上記範囲内にある重合体を得ることができる。用途などに応じて分子量分布の広い4−メチル−1−ペンテン共重合体(AA)が必要な場合には、分子量の違うポリマーをブレンドするか、または、多段重合法などを用いることで解決することができる。
【0111】
共重合体(AA)の分子量は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により求められる重量平均分子量(Mw)がポリスチレン換算で500〜10,000,000であると好ましく、より好ましくは1,000〜5,000,000である。さらに好ましくは、1,000〜2,500,000である。
【0112】
共重合体(AA)は、(b−2)ショアーA硬度(JIS K6253に準拠、厚さ3mmのプレスシートの状態で測定)の測定直後と測定15秒後の差(変化率)ΔHSが、10〜50、好ましくは15〜50、さらに好ましくは20〜50の範囲にあると、応力吸収性、応力緩和性の点で好ましい。
【0113】
共重合体(AA)は、(b−3)DSCにより測定した融点(Tm)が、110℃未満または認められないことが好ましく、より好ましくは100℃未満または認められない、さらに好ましくは85℃未満または認められないことである。融点は、コモノマー種およびコモノマー組成によって任意に変えることができ、融点が上記範囲内にある場合、柔軟性と靭性に優れる。
【0114】
共重合体(AA)は、周波数10rad/sで、−70℃〜180℃の温度範囲の動的粘弾性を測定して得られる損失正接tanδの最大値が、0℃〜40℃の温度範囲にあり、かつtanδの最大値が0.5以上、好ましくは1.0以上、より好ましくは1.5以上である。この範囲であれば、共重合体は、応力吸収性に優れるため好ましい。
【0115】
共重合体(AA)に用いられる、炭素原子数2〜20のα-オレフィンとしては、4−メチル−1−ペンテンを除き、例えば直鎖状または分岐状のα−オレフィン、環状オレフィン、芳香族ビニル化合物、共役ジエン、非共役ポリエン、官能基化ビニル化合物等が挙げられる。
【0116】
直鎖状のα−オレフィンとしては、炭素原子数2〜20、好ましくは2〜15、より好ましくは2〜10であり、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン等が挙げられ、さらに好ましくは、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンである。
【0117】
また、分岐状のα−オレフィンとしては、炭素原子数5〜20、好ましくは5〜15であり、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセンなどが挙げられる。
【0118】

環状オレフィンとしては、炭素原子数3〜20、好ましくは5〜15であり、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロへプテン、ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、テトラシクロドデセン、ビニルシクロヘキサンなどが挙げられる。なお、芳香族ビニル化合物、共役ジエン、非共役ポリエン、官能基化ビニル化合物などについては、前記を参照できる。
【0119】
上記α−オレフィンは1種類であってもよく、2種以上を組み合せて用いることもできる。
【0120】
本発明では、特に、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン、ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、テトラシクロドデセン、5−ビニリデン−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネンが好適である。
【0121】
なお、本発明の目的を損なわない範囲で、その他の共重合成分を含んでいてもよく、これらも本発明の範囲内である。
【0122】
<製造方法>
次に,本発明に係る4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体および4-メチル-1-ペンテン共重合体の製造方法について説明する。
【0123】
本発明に係る共重合体の製造には、従来公知の触媒、例えばマグネシウム担持型チタン触媒、国際公開第01/53369号パンフレット、国際公開第01/027124号パンフレット、特開平3-193796号公報あるいは特開平02-41303号公報中に記載のメタロセン触媒などが好適に用いられる。さらに好ましくは、下記一般式(1)または(2)で表されるメタロセン化合物を含有するオレフィン重合触媒が好適に用いられる。
【0124】
【化1】
【0125】
【化2】
【0126】
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、およびR14は、水素、炭化水素基、ケイ素含有炭化水素基から選ばれ、それぞれ同一でも異なっていてもよく、R1からR4までの隣接した置換基は互いに結合して環を形成してもよく、R5からR12までの隣接した置換基は互いに結合して環を形成してもよく、
Aは一部不飽和結合および/または芳香族環を含んでいてもよい炭素原子数2〜20の2価の炭化水素基であり、AはYと共に形成する環を含めて2つ以上の環構造を含んでいてもよく、
Mは周期表第4族から選ばれた金属であり、
Yは炭素またはケイ素であり、
Qはハロゲン、炭化水素基、アニオン配位子または孤立電子対で配位可能な中性配位子から同一または異なる組合せで選ばれ、
jは1〜4の整数である。)
上記一般式(1)または(2)のR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14は水素、炭化水素基、ケイ素含有炭化水素基から選ばれ、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
【0127】
炭化水素基は、好ましくは炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、または炭素原子数7〜20のアルキルアリール基であり、1つ以上の環構造を含んでいてもよい。また、炭化水素基の一部または全部に水酸基、アミノ基、ハロゲン基、フッ素含有炭化水素基などの官能基で置換されていても良い。具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、2−メチルプロピル、1,1−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、1,1−ジエチルプロピル、1−エチル−1−メチルプロピル、1,1,2,2−テトラメチルプロピル、sec−ブチル、tert−ブチル、1,1−ジメチルブチル、1,1,3−トリメチルブチル、ネオペンチル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシル、1−メチル−1−シクロヘキシル、1−アダマンチル、2−アダマンチル、2−メチル−2−アダマンチル、メンチル、ノルボルニル、ベンジル、2−フェニルエチル、1−テトラヒドロナフチル、1−メチル−1−テトラヒドロナフチル、フェニル、ビフェニル、ナフチル、トリル、クロロフェニル、クロロビフェニル、クロロナフチル等が挙げられる。
【0128】
ケイ素含有炭化水素基としては、好ましくはケイ素数1〜4かつ炭素原子数3〜20のアルキルシリル基またはアリールシリル基であり、その具体例としては、トリメチルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、トリフェニルシリル等が挙げられる。
【0129】
フルオレン環上のR5からR12までの隣接した置換基は、互いに結合して環を形成してもよい。そのような置換フルオレニル基として、ベンゾフルオレニル、ジベンゾフルオレニル、オクタヒドロジベンゾフルオレニル、オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル等を挙げることができる。
【0130】
また、フルオレン環上のR5からR12の置換基は、合成上の容易さから左右対称、すなわちR5=R12、R6=R11、R7=R10、R8=R9であることが好ましく、フルオレン環が、無置換フルオレン、3,6−二置換フルオレン、2,7−二置換フルオレンまたは2,3,6,7−四置換フルオレンであることがより好ましい。ここでフルオレン環上の3位、6位、2位、7位はそれぞれR7、R10、R6、R11に対応する。
【0131】
上記一般式(1)のR13とR14は、水素、炭化水素基から選ばれ、それぞれ同一でも異なっていてもよい。好ましい炭化水素基の具体例としては、上記と同様のものを挙げることができる。
【0132】
Yは炭素またはケイ素である。一般式(1)の場合は、R13とR14はYと結合し、架橋部として置換メチレン基または置換シリレン基を構成する。好ましい具体例として、例えば、メチレン、ジメチルメチレン、ジイソプロピルメチレン、メチルtert−ブチルメチレン、ジシクロヘキシルメチレン、メチルシクロヘキシルメチレン、メチルフェニルメチレン、フルオロメチルフェニルメチレン、クロロメチルフェニルメチレン、ジフェニルメチレン、ジクロロフェニルメチレン、ジフルオロフェニルメチレン、メチルナフチルメチレン、ジビフェニルメチレン、ジp−メチルフェニルメチレン、メチル−p−メチルフェニルメチレン、エチル−p−メチルフェニルメチレン、ジナフチルメチレンまたはジメチルシリレン、ジイソプロピルシリレン、メチル−tert−ブチルシリレン、ジシクロヘキシルシリレン、メチルシクロヘキシルシリレン、メチルフェニルシリレン、フルオロメチルフェニルシリレン、クロロメチルフェニルシリレン、ジフェニルシリレン、ジp−メチルフェニルシリレン、メチル−p−メチルフェニルシリレン、エチル−p−メチルフェニルシリレン、メチルナフチルシリレン、ジナフチルシリレン等を挙げることができる。
【0133】
一般式(2)の場合は、Yは一部不飽和結合および/または芳香族環を含んでいてもよい炭素原子数2〜20の2価の炭化水素基Aと結合し、シクロアルキリデン基またはシクロメチレンシリレン基等を構成する。好ましい具体例として、例えば、シクロプロピリデン、シクロブチリデン、シクロペンチリデン、シクロヘキシリデン、シクロヘプチリデン、ビシクロ[3.3.1]ノニリデン、ノルボルニリデン、アダマンチリデン、テトラヒドロナフチリデン、ジヒドロインダニリデン、シクロジメチレンシリレン、シクロトリメチレンシリレン、シクロテトラメチレンシリレン、シクロペンタメチレンシリレン、シクロヘキサメチレンシリレン、シクロヘプタメチレンシリレン等を挙げることができる。
【0134】
一般式(1)および(2)のMは、周期表第4族から選ばれる金属であり、Mとしてはチタニウム、ジルコニウム、ハフニウムが挙げられる。
【0135】
Qはハロゲン、炭素原子数1〜20の炭化水素基、アニオン配位子、または孤立電子対で配位可能な中性配位子から同一または異なる組み合わせで選ばれる。ハロゲンの具体例としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられ、炭化水素基の具体例としては、上記と同様のものを挙げることができる。アニオン配位子の具体例としては、メトキシ、tert−ブトキシ、フェノキシ等のアルコキシ基、アセテート、ベンゾエート等のカルボキシレート基、メシレート、トシレート等のスルホネート基等が挙げられる。孤立電子対で配位可能な中性配位子の具体例としては、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルメチルホスフィンなどの有機リン化合物、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類が挙げられる。これらのうち、Qは同一でも異なった組み合わせでもよいが、少なくとも一つはハロゲンまたはアルキル基であるのが好ましい。
【0136】
本発明における上記メタロセン化合物の具体例として、国際公開第01/027124号パンフレット、国際公開第2006/025540号パンフレットまたは国際公開第2007/308607号パンフレット中に例示される化合物が好適に挙げられるが、特にこれによって本発明の範囲が限定されるものではない。
【0137】
本発明に係る共重合体の製造にメタロセン化合物を用いる場合、触媒成分は、
(A)メタロセン化合物(たとえば、上記一般式(1)または(2)で表されるメタロセン化合物)と、
(B)(B−1) 有機アルミニウム化合物、
(B−2) 有機アルミニウムオキシ化合物、および
(B−3) メタロセン化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物と、
さらに必要に応じて、
(C)微粒子状担体と
から構成される。製造方法としては、例えば国際公開第01/027124号パンフレットに記載の方法を採用することが出来る。
【0138】
また、有機アルミニウム化合物(B−1)、有機アルミニウムオキシ化合物(B−2)、前記メタロセン化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物(B−3)から選ばれる少なくても1種の化合物(B)、また、粒子状担体(C)の具体的としては、これらの化合物または担体としてオレフィン重合の分野において従来公知のもの、たとえば、国際公開第01/027124号パンフレットに記載された具体例が挙げられる。
【0139】
本発明では、重合は溶解重合、懸濁重合などの液相重合法または気相重合法いずれによっても実施できる。
【0140】
液相重合法においては、不活性炭化水素溶媒を用いてもよく、具体的には、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油などの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサンなどの脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;エチレンクロリド、クロロベンゼン、ジクロロメタン、トリクロロメタン、テトラクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素、ならびにこれらの混合物などを挙げることができる。
【0141】
また4−メチル−1−ペンテンおよびα−オレフィンを溶媒とする塊状重合を実施することもできる。
【0142】
また本発明では、重合条件を段階的に変えて製造する多段重合を行うことにより、組成分布が制御された共重合体を得ることも可能である。
【0143】
重合を行うに際して、成分(A)は、反応容積1リットル当り、周期律表第4族金属原子換算で通常10-8〜10-2モル、好ましくは10-7〜10-3モルとなるような量で用いられる。成分(B−1)は、成分(B−1)と、成分(A)中の遷移金属原子(M)とのモル比[(B−1)/M]が、通常0.01〜5000、好ましくは0.05〜2000となるような量で用いられる。成分(B−2)は、成分(B−2)と、成分(A)中の遷移金属原子(M)とのモル比[(B−2)/M]が、通常10〜5000、好ましくは20〜2000となるような量で用いられる。成分(B−3)は、成分(B−3)と、成分(A)中の遷移金属原子(M)とのモル比[(B−3)/M]が、通常1〜10、好ましくは1〜5となるような量で用いられる。
【0144】
重合温度は、通常−50〜200℃、好ましくは0〜150℃、より好ましくは20〜100℃の範囲である。
【0145】
重合圧力は、通常常圧〜10MPaゲージ圧、好ましくは常圧〜5MPaゲージ圧の条件下であり、重合反応は、回分式、半連続式、連続式のいずれの方法においても行うことができる。さらに重合を反応条件の異なる2段以上に分けて行うことも可能である。
【0146】
重合に際して生成ポリマーの分子量や重合活性を制御する目的で水素を添加してもよく、その量は共重合体1kgあたり、0.001〜100NL程度である。
【0147】
本発明に係る共重合体は、その一部が極性モノマーによりグラフト変性されていてもよい。このような極性モノマーとしては、水酸基含有エチレン性不飽和化合物、アミノ基含有エチレン性不飽和化合物、エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物、芳香族ビニル化合物、不飽和カルボン酸またはその誘導体、ビニルエステル化合物、塩化ビニル、ビニル基含有有機ケイ素化合物、カルボジイミド化合物などが挙げられる。
【0148】
極性モノマーとしては、特に不飽和カルボン酸またはその誘導体およびビニル基含有有機ケイ素化合物が好ましい。
【0149】
不飽和カルボン酸またはその誘導体としては、カルボン酸基を1つ以上有する不飽和化合物、カルボン酸基を有する化合物とアルキルアルコールとのエステル、無水カルボン酸基を1つ以上有する不飽和化合物等を挙げることができ、不飽和基としては、ビニル基、ビニレン基、不飽和環状炭化水素基などを挙げることができる。これらの化合物は従来公知のものが使用でき、特に限定されない。具体例としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ナジック酸〔商標〕(エンドシス-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸)等の不飽和カルボン酸;またはその誘導体である、酸ハライド、アミド、イミド、無水物、エステル等が挙げられる。かかる誘導体の具体例としては、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸モノメチル、フマル酸ジメチル、イタコン酸ジメチル、シトラコン酸ジエチル、テトラヒドロフタル酸ジメチル、ナジック酸ジメチル(エンドシス−ビシクロ[2,2,1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸ジメチル)、塩化マレニル、マレイミド、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、グリシジルマレエート等が挙げられる。これらの不飽和カルボン酸およびその誘導体は、1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合せて使用することもできる。これらの中では、不飽和ジカルボン酸またはその酸無水物が好適であり、特にマレイン酸、ナジック酸〔商標〕またはこれらの酸無水物が好ましく用いられる。
【0150】
ビニル基含有有機ケイ素化合物としては、従来公知のものが使用でき、特に制限されない。具体的には、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシーエトキシシラン)、γ−グリシドキシプロピルートリピルトリーメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクロキシプロピルメチルジメメトキシシラン、3−メタクロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクロキシプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどが使用できる。好ましくは、γ−グリシドキシプロピルトリピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−アクロキシプロピルトリメトキシシラン、さらに好ましくは、立体障害が小さくグラフト変性効率の高いビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−アクロキシプロピルトリメトキシシランが挙げられる。
【0151】
極性モノマーは、本発明に係る共重合体100重量部に対して、通常1〜100重量部、好ましくは5〜80重量部の量で使用される。
【0152】
極性モノマーは、1種類単独で使用することもできるし、2種類以上を組み合せて使用することもできる。
【0153】
このグラフト重合は、通常ラジカル開始剤の存在下に行なわれる。
【0154】
ラジカル開始剤としては、有機過酸化物あるいはアゾ化合物などを用いることができる。
【0155】
具体的には、例えばジグミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−アミルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3,2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン等のジアルキルパーオキサイド類;t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシフタレート等のパーオキシエステル類;ジシクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類;およびこれらの混合物等が挙げられる。
【0156】
ラジカル開始剤は、共重合体および極性モノマーとそのまま混合して使用することもできるが、少量の有機溶媒に溶解してから使用することもできる。この有機溶媒としては、ラジカル開始剤を溶解し得る有機溶媒であれば特に限定することなく用いることができる。
【0157】
また極性モノマーをグラフト重合させる際には、還元性物質を用いてもよい。還元性物質を用いると、極性モノマーのグラフト量を向上させることができる。
【0158】
グラフト変性は、従来公知の方法で行うことができ、たとえば共重合体を有機溶媒に溶解し、次いで極性モノマーおよびラジカル開始剤などを溶液に加え、60〜200℃、好ましくは80〜260℃の温度で、0.5〜15時間、好ましくは1〜10時間反応させることによりできる。
【0159】
また押出機などを用いて、無溶媒で、共重合体と極性モノマーとを反応させて製造することもできる。この反応は、通常エチレン系重合体の融点以上、具体的には120〜250℃の温度で、通常0.5〜10分間行なわれることが望ましい。
【0160】
前記より得られた共重合体の変性量(極性モノマーのグラフト量)は、通常0.1〜50重量%、好ましくは0.2〜30重量%、さらに好ましくは0.2〜10重量%である。
【0161】
本発明において、共重合体に、グラフト変性された共重合体が含まれると、他の樹脂との接着性、相溶性に優れ、また成形体表面の濡れ性が改良されうる。
【0162】
またグラフト変性された共重合体は、架橋することによって、架橋電線、架橋パイプにも好適に利用することができる。
【0163】
また共重合体の少なくとも一部または全部が架橋剤により架橋する場合、架橋剤として、特に制限されず、硫黄、有機過酸化物、SiH基含有化合物等が挙げられる。
【0164】
架橋剤としては、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−tert−ブチルパーオキシヘキシン等の有機過酸化物、硫黄、モルフォリンジスルフィド等を挙げることができ、これらは架橋助剤、例えばステアリン酸、酸化亜鉛等と併用することができる。
【0165】
硫黄を用いる場合は、好ましくは、共重合体100重量部に対して、0.1〜10重量部である。有機過酸化物の場合は、共重合体100重量部に対して、0.05〜15重量部であることが好ましい。SiH基含有化合物である場合は、共重合体100重量部に対して、0.2〜20重量部、好ましくは0.5〜10重量部、最も好ましくは0.5〜5重量部である。また、SiH基含有化合物を用いる際に、触媒、および任意成分としてシランカップリング剤および/または反応抑制剤を加えても良い。
【0166】
本発明おいて、共重合体には、その成形性をさらに改善させる、すなわち結晶化温度を高め結晶化速度を速めるために、核剤が配合されていてもよい。核剤としては、ジベンジリデンソルビトール系核剤、リン酸エステル塩系核剤、ロジン系核剤、安息香酸金属塩系核剤、フッ素化ポリエチレン、2,2-メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)リン酸ナトリウム、ピメリン酸やその塩、2,6−ナフタレン酸ジカルボン酸ジシクロヘキシルアミド等が挙げられる。配合量は、特に限定されないが、好ましくは、共重合体100重量部に対して、0.1〜1重量部である。核剤は、重合中、重合後、あるいは成形加工時など適宜添加が可能である。
【0167】
本発明に係る共重合体には、発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて、耐候安定剤、耐熱安定剤、耐電防止剤、スリップ防止剤、アンチブロッキング剤、発泡剤、結晶化助剤、防曇剤、(透明)核剤、滑剤、顔料、染料、可塑剤、老化防止剤、塩酸吸収剤、酸化防止剤、離型剤、衝撃改良剤、抗UV剤(紫外線吸収剤)、充填剤、架橋剤、共架橋剤、架橋助剤、粘着剤、軟化剤、難燃剤、加工助剤等の添加剤が配合されていてもよい。
【0168】
添加剤の具体例としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、4,4’−ブチリデンビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、トコフェロール類、アスコルビン酸、ジラウリルチオジプロピオネート、リン酸系安定剤、脂肪酸モノグリセライド、N,N−[ビス−2−ヒドロキシエチル]アルキルアミン、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、ステアリン酸カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、シリカ、クレイ、石膏、ガラス繊維、チタニア、炭酸カルシウム、カーボンブラックが挙げられる。
【0169】
軟化剤の例としては、従来公知の軟化剤を用いることができる。具体的には、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン類、流動パラフィン、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、石油アスファルトおよびワセリンなどの石油系物質;コールタールおよびコールタールピッチなどのコールタール類;ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、大豆油および椰子油などの脂肪油;トール油、蜜ロウ、カルナウバロウおよびラノリンなどのロウ類;リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、12−水酸化ステアリン酸、モンタン酸、オレイン酸およびエルカ酸などの脂肪酸またはその金属塩;石油樹脂、クマロンインデン樹脂およびアタクチックポリプロピレンなどの合成高分子;ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペートおよびジオクチルセバケートなどのエステル系可塑剤;その他マイクロクリスタリンワックス、および液状ポリブタジエンまたはその変性物もしくは水添物;液状チオコールなどが挙げられる。
【0170】
<4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体組成物(X)、(X11)、(X12)、(X21)および(X22)>
本発明に係る4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体組成物(X)は、前記4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体を5〜95重量部、好ましくは10〜90重量部、さらに好ましくは20〜80重量部と、後述する熱可塑性樹脂(B)を95〜5重量部、好ましくは90〜10重量部、さらに好ましくは80〜20重量部(但し、(A)と(B)の合計を100重量部とする)を含有する。この範囲にあると、成形性、柔軟性、制振性、応力吸収性、耐傷付き性、耐摩耗性、機械特性、靭性に優れる組成物が得られる。
【0171】
4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体組成物(X11)または(X12)は、少なくとも前記要件(a)〜(d)を満たし、かつ、前記構成単位(i)が10〜32モル%、好ましくは15〜32モル%と、前記構成単位(ii)が68〜90モル%、好ましくは68〜85モル%および前記構成単位(iii)が0〜10モル%とからなる(ただし、構成単位(i)、(ii)および(iii)の合計を100モル%とする)4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体と、熱可塑性樹脂(B)を前記の割合で含有する。
【0172】
共重合体組成物(X11)は、柔軟性、機械特性の点で、前記共重合体が、50重量部以上95重量部以下、好ましくは55重量部以上90重量部以下、より好ましくは60重量部以上80重量部以下と、後述する熱可塑性樹脂(B)5重量部以上50重量部以下、好ましくは10重量部以上45重量部以下、より好ましくは20重量部以上40重量部以下(ただし、(A)と(B)の合計を100重量部とする)を含むことが好ましい。
【0173】
共重合体組成物(X11)は、以下の要件(j1)を満たすと、応力吸収性に優れるため好ましい。
【0174】
(j1)周波数10rad/sで、−70℃〜180℃の温度範囲の動的粘弾性を測定して得られる損失正接tanδの最大値が−70℃〜180℃、好ましくは−50〜40℃、さらに好ましくは−20〜40℃の範囲にあり、かつtanδの最大値が0.4以上、好ましくは0.4〜5.0、より好ましくは0.5〜5.0、さらに好ましくは0.7〜5.0の範囲にある。
【0175】
前記共重合体組成物(X11)は、以下の要件(e1)を満たすと、柔軟性、機械特性を有するため、好ましい。
【0176】
(e1)ショアーA硬度の測定直後と測定15秒後の値の変化率ΔHSが5以上50以下、好ましくは8以上50以下である。
【0177】
前記共重合体組成物(X12)は、前記共重合体が、5重量部以上49重量部未満、好ましくは5重量部以上40重量部未満、より好ましくは10重量部以上30重量部未満と、後述する熱可塑性樹脂(B)が、51重量部以上95重量部以下、好ましくは60重量部以上95重量部以下、より好ましくは70重量部以上90重量部以下を含むことが、耐熱性、機械物性の点で、好ましい(ただし、共重合体および熱可塑性樹脂(B)の合計量を100重量部とする)。
【0178】
また、共重合体組成物(X12)は、好ましくは以下の要件を満たす。
【0179】
(f)軟化温度が100℃〜250℃、好ましくは105℃〜250℃の範囲にある。
【0180】
(g)引張り弾性率(YM)が300〜2000MPa、好ましくは400〜2000MPa、より好ましくは500〜1800MPaである。
【0181】
この範囲にあると耐熱性、靭性、表面張力などに優れる。軟化温度は各組成物の組成比などにより制御することができ、上記範囲内にあることで、耐熱性、靭性、機械特性などに優れる。
【0182】
前記共重合体組成物(X11またはX12)は、さらに以下の要件(h1)を満たすと、柔軟性、機械特性を有するため、より好ましい。
【0183】
(h1)示差走査型熱量計(DSC)により求められる融点〔Tm〕を50℃以上250℃以下で観測される。好ましくは70℃〜250℃の範囲にある。
【0184】
4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体組成物(X21)または(X22)は、少なくとも前記要件(a)〜(d)を満たし、かつ、前記構成単位(i)が33〜80モル%、好ましくは50〜75モル%、前記構成単位(ii)が67〜20モル%、好ましくは50〜25モル%、および前記構成単位(iii)が0〜10モル%、好ましくは0〜5モル%である(ただし、構成単位(i)、(ii)および(iii)の合計を100モル%とする)4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体と、熱可塑性樹脂(B)を前記の割合で含有する。
【0185】
前記共重合体組成物(X21)は、前記共重合体が、50重量部以上95重量部未満、好ましくは55重量部以上90重量部以下、より好ましくは60重量部以上80重量部以下と、後述する熱可塑性樹脂(B)が、5重量部以上50重量部以下、好ましくは10重量部以上45重量部以下、より好ましくは20重量部以上40重量部以下を含むことが、耐熱性、応力緩和性、応力吸収性、機械物性の点で、好ましい(ただし、共重合体および熱可塑性樹脂(B)の合計量を100重量部とする)。
【0186】
前記共重合体組成物(X21)は、下記の要件(e2)におけるショアーA硬度またはD硬度のいずれか1つ以上を満たすことが、応力緩和性に優れるため好ましい。
【0187】
(e2)下式で定義されるショアーA硬度(JIS K6253に準拠、厚さ3mmのプレスシートの状態で測定)の値の変化ΔHSが、10以上50以下、好ましくは15以上50以下、さらに好ましくは20以上50以下であるか、または、押針接触開始直後のショアーD硬度と押針接触開始から15秒後のショアーD硬度との差ΔHSが、5〜50、好ましくは8〜50、より好ましくは10〜50である。
【0188】
ΔHS=(押針接触開始直後のショアーAまたはD硬度値 − 押針接触開始から15秒後のショアーAまたはD硬度値)。
【0189】
前記共重合体組成物(X22)は、柔軟性、機械特性の点で、前記共重合体が、5重量部以上49重量部以下、好ましくは5重量部以上40重量部未満、より好ましくは10重量部以上30重量部未満と、後述する熱可塑性樹脂(B)5重量部以上95重量部以下、好ましくは60重量部以上95重量部以下、より好ましくは70重量部以上90重量部以下(ただし、(A)と(B)の合計を100重量部とする)を含むことが好ましい。
【0190】
(熱可塑性樹脂(B))
本発明で用いられる熱可塑性樹脂(B)は、本発明に係る4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体および本発明に係る4-メチル-1-ペンテン共重合体と異なる限り、特に制限されないが、例えば、以下の樹脂が挙げられる。なお、本発明においては、熱可塑性樹脂(B)にエラストマー、共重合体ゴムも含む。
【0191】
熱可塑性ポリオレフィン系樹脂(本発明に係る重合体を除く、以下同じ);たとえば、低密度、中密度、高密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、アイソタクティックポリプロピレン、シンジオタクティックポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテン、ポリ3−メチル−1−ブテン、エチレン・α−オレフィン共重合体、プロピレン・α−オレフィン共重合体、1−ブテン・α−オレフィン共重合体、環状オレフィン共重合体、塩素化ポリオレフィン、
熱可塑性ポリアミド系樹脂;たとえば、脂肪族ポリアミド(ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612)、
熱可塑性ポリエステル系樹脂;たとえば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエステル系エラストマー、
熱可塑性ビニル芳香族系樹脂;たとえば、ポリスチレン、ABS樹脂、AS樹脂、スチレン系エラストマー(スチレン・ブタジエン・スチレンブロックポリマー、スチレン・イソプレン・スチレンブロックポリマー、スチレン・イソブチレン・スチレンブロックポリマー、前述の水素添加物)、
熱可塑性ポリウレタン;塩化ビニル樹脂;塩化ビニリデン樹脂;アクリル樹脂;エチレン・酢酸ビニル共重合体;エチレン・メタクリル酸アクリレート共重合体;アイオノマー;エチレン・ビニルアルコール共重合体;ポリビニルアルコール;フッ素系樹脂ポリカーボネート;ポリアセタール;ポリフェニレンオキシド;ポリフェニレンサルファイドポリイミド;ポリアリレート;ポリスルホン;ポリエーテルスルホン;ロジン系樹脂;テルペン系樹脂および石油樹脂;
共重合体ゴム;たとえば、エチレン・α−オレフィン・ジエン共重合体、プロピレン・α−オレフィン・ジエン共重合体、1−ブテン・α−オレフィン・ジエン共重合体、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、ネオプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、ポリイソブチレンゴム、天然ゴム、シリコーンゴム等が例示される。
【0192】
ポリプロピレンとしては、アイソタクティックポリプロピレンとシンジオタクティックポリプロピレンが挙げられる。アイソタクティックポリプロピレンは、ホモポリプロピレンであっても、プロピレン・炭素数2〜20のα−オレフィン(ただしプロピレンを除く)ランダム共重合体であっても、プロピレンブロック共重合体であってもよい。
【0193】
ポリ4−メチル−1−ペンテンは、前記共重合体とは異なるものを用い、4−メチル−1−ペンテンの単独重合体、または4−メチル−1−ペンテン含有量80〜99.9重量% 、好ましくは90〜99.9重量% 、炭素数2〜20、 好ましくは6〜20のα−オレフィン含有量0.1〜20重量% 、好ましくは0.1〜10重量%の4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィンランダム共重合体である。4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィンランダム共重合体の場合、4−メチル−1−ペンテンと共重合するα−オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどの炭素数2〜20 、好ましくは6〜20のα−オレフィンが挙げられる。これらは、1種単独で、あるいは2種以上組み合せて用いることができる。ポリ4-メチル-1-ペンテンのメルトフローレート(MFR;ASTMD1238 、260℃ 、5.0kg荷重)は、0.1〜200g/10分、好ましくは1〜150g/10分の範囲内にあることが望ましい。ポリ4-メチル-1-ペンテンは、市販品を使用することもでき、例えば三井化学(株)製のTPX(商標名)などが挙げられる。その他のメーカーのポリ4-メチル-1-ペンテンでも、上記要件を満たせば好ましく使用することができる。
【0194】
ポリエチレンとしては、従来公知の手法で製造されている、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレンを使用することが出来る。
【0195】
ポリブテンとしては、1−ブテンのホモポリマー、あるいは1−ブテンと、1−ブテンを除くオレフィンとの共重合体である。オレフィンは、上記のものが挙げられ、これらのオレフィンは、単独で、または2種以上混合して用いられる。共重合体として、例えば、1−ブテン・エチレンランダム共重合体、1−ブテン・プロピレンランダム共重合体、1−ブテン・メチルペンテン共重合体、1−ブテン・メチルブテン共重合体、1−ブテン・プロピレン・エチレン共重合体などが挙げられる。このような共重合体において、耐熱性の点から、1−ブテン含有量が50モル%以上であることが好ましく、70モル%以上であることが更に好ましく、85%以上であることが特に好ましい。
【0196】
ロジン系樹脂としては、天然ロジン、重合ロジン、マレイン酸、フマル酸、(メタ)アクリル酸などで変性した変性ロジン、ロジン誘導体が挙げられる。また、このロジン誘導体としては、前記の天然ロジン、重合ロジンまたは変性ロジンのエステル化物、フェノール変性物およびそのエステル化物などが挙げられる。さらに、これらの水素添加物も挙げることができる。
【0197】
テルペン系樹脂としては、α−ピネン、β−ピネン、リモネン、ジペンテン、テルペンフェノール、テルペンアルコール、テルペンアルデヒドなどからなる樹脂が挙げられ、α−ピネン、β−ピネン、リモネン、ジペンテンなどにスチレンなどの芳香族モノマーを重合させた芳香族変性のテルペン系樹脂なども挙げられる。また、これらの水素添加物も挙げることができる。
【0198】
石油樹脂としては、たとえば、タールナフサのC5留分を主原料とする脂肪族系石油樹脂、C9留分を主原料とする芳香族系石油樹脂およびそれらの共重合石油樹脂が挙げられる。すなわち、C5系石油樹脂(ナフサ分解油のC5留分を重合した樹脂)、C9系石油樹脂(ナフサ分解油のC9留分を重合した樹脂)、C5C9共重合石油樹脂(ナフサ分解油のC5留分とC9留分とを共重合した樹脂)が挙げられ、タールナフサ留分のスチレン類、インデン類、クマロン、その他ジシクロペンタジエンなどを含有しているクマロンインデン系樹脂、p−ターシャリブチルフェノールとアセチレンの縮合物に代表されるアルキルフェノール類樹脂、ο−キシレン、p−キシレンまたはm−キシレンをホルマリンと反応させてなるキシレン系樹脂なども挙げられる。
【0199】
また、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂および石油樹脂からなる群より選ばれる1つ以上の樹脂は、耐候性および耐変色性に優れるために水素添加誘導体が好ましい。前記樹脂の環球法による軟化点は、40〜180℃の範囲にあることが好ましい。また、前記樹脂のGPCにより測定される数平均分子量(Mn)分子量は100〜10,000程度の範囲にあることが好ましい。ロジン系樹脂、テルペン系樹脂および石油樹脂からなる群より選ばれる1つ以上の樹脂として市販品を使用することもできる。
【0200】
またこれらの樹脂として、市販品を使用することもできる。
【0201】
これらの熱可塑性樹脂(B)の中で、好ましくは、低密度、中密度、高密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、アイソタクティックポリプロピレン、シンジオタクティックポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテン、ポリ3−メチル−1−ブテン、エチレン・α−オレフィン共重合体、プロピレン・α−オレフィン共重合体、1−ブテン・α−オレフィン共重合体、スチレン系エラストマー、酢酸ビニル共重合体、エチレン・メタクリル酸アクリレート共重合体、アイオノマー、フッ素系樹脂、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂および石油樹脂、より好ましくは、耐熱性向上、低温耐性向上、柔軟性の点で、ポリエチレン、アイソタクティックポリプロピレン、シンジオタクティックポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテン、エチレン・α−オレフィン共重合体、プロピレン・α−オレフィン共重合体、1−ブテン・α−オレフィン共重合体、酢酸ビニル共重合体、スチレン系エラストマー、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂および石油樹脂である。
【0202】
本発明の共重合体組成物は、これらの熱可塑性樹脂の中から1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合せて使用することもできる。
【0203】
本発明では、熱可塑性樹脂(B)として、結晶性オレフィン樹脂(B1)を用いることが、耐熱性、成形性の点で好ましい。本発明において、結晶性オレフィン樹脂とは、DSCで測定した融点が70℃以上の樹脂を意味する。
【0204】
また、樹脂(B1)の密度は、特に限定されないが、好ましくは0.850g/cm以上、より好ましくは0.855g/cm以上、さらに好ましくは0.870〜0.980g/cmである(ASTM D 1505)。
【0205】
結晶性オレフィン樹脂(B1)は、前記に挙げた熱可塑性樹脂(B)のうち、特に結晶性を有する樹脂であり、例えば、低密度、中密度、高密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、アイソタクティックポリプロピレン、シンジオタクティックポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテン、ポリ3−メチル−1−ブテン、エチレン・α−オレフィン共重合体、プロピレン・α−オレフィン共重合体、1−ブテン・α−オレフィン共重合体、スチレン系エラストマー等が挙げられ、好ましくはポリプロピレン、ポリ4−メチル−1−ペンテン、ポリエチレン、ポリブテンが挙げられる。
【0206】
<グラフト変性>
本発明の4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体組成物(X)〜(X22)は、少なくとも一部または全部が極性モノマーによりグラフト変性されていても良い。
【0207】
例えば、本発明に係る共重合体の一部または全部がグラフト変性されていてもよく、(B)樹脂の一部または全部がグラフト変性されていてもよく、該共重合体、(B)のそれぞれについて一部または全部がグラフト変性されていてもよい。
【0208】
極性モノマーは、前記を参照して、用いることができる。
【0209】
極性モノマーとしては、不飽和カルボン酸またはその誘導体が好ましい。不飽和カルボン酸またはその誘導体は、前記を参照できる。
【0210】
極性モノマーは、被変性体100重量部に対して、通常1〜100重量部、好ましくは5〜80重量部の量で使用される。このグラフト重合は、通常ラジカル開始剤の存在下に行われる。ラジカル開始剤は、前記を参照して、用いることができる。
【0211】
また被変性体に極性モノマーをグラフト重合させる際には、還元性物質を用いてもよい。還元性物質を用いると、極性モノマーのグラフト量を向上させることができる。
【0212】
グラフト変性は、従来公知の方法で行うことができ、例えば被変性体を有機溶媒に溶解し、次いで極性モノマーおよびラジカル開始剤等を溶液に加え、40〜250℃、好ましくは60〜200℃の温度で、0.5〜20時間、好ましくは1〜15時間反応させることにより行うことができる。
【0213】
このようにして得られる変性体のグラフト量は、変性体を100重量%とした場合に、通常0.1〜50重量%、好ましくは0.2〜30重量%、更に好ましくは0.2〜20重量%である。
【0214】
またグラフト変性された共重合体組成物には、該変性物の有する特性を損なわない範囲で、本発明の4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体、4-メチル-1-ペンテン共重合体および熱可塑性樹脂(B)以外の重合体、例えば熱可塑性樹脂やエラストマーを配合することができる。それらの配合は、グラフト変性段階でも変性後の混合であってもよい。
【0215】
<架橋>
本発明の共重合体組成物(X)〜(X22)の少なくとも一部または全部は、架橋剤により架橋されていても良い。架橋剤としては、特に制限はなく、硫黄、有機過酸化物、SiH基含有化合物が挙げられる。架橋方法および架橋剤は、前記を参照できる。
【0216】
<添加剤>
本発明に係る共重合体組成物には、発明の目的を損なわない範囲で、成形に際し、各種添加剤を配合することができる。添加剤は、前記を参照できる。
【0217】
本発明に係る共重合体組成物には、本発明の目的を損なわない範囲内で、本発明の4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体、4-メチル-1-ペンテン共重合体および熱可塑性樹脂(B)以外の熱可塑性樹脂がさらに含まれていてもよい。他の熱可塑性樹脂としては、前記樹脂(B)と同一の樹脂が使用できる。
【0218】
<4-メチル-1-ペンテン共重合体組成物(Y)>
本発明に係る4-メチル-1-ペンテン共重合体組成物(Y)は、(AA)前記4-メチル-1-ペンテン共重合体を50〜98重量部、好ましくは50〜96重量部、さらに好ましくは50〜90重量部と、(BB)4−メチル−1−ペンテン共重合体(AA)以外の結晶性オレフィン樹脂(融点が100℃以上)を1〜49重量部、好ましくは2〜48重量部、さらに好ましくは5〜45重量部と、(CC)4−メチル−1−ペンテン共重合体(AA)以外のα−オレフィン系共重合体(融点が100℃未満)を1〜49重量部、好ましくは2〜48重量部、さらに好ましくは5〜45重量部(但し、(AA)、(BB)、(CC)の合計を100重量部とする)とを含む。
【0219】
この範囲にあると、特に成形性に優れ、さらに柔軟性、制振性、応力吸収性、耐傷付き性、耐摩耗性、機械特性、靭性にもるため好ましい。
【0220】
共重合体組成物(Y)は、柔軟性、応力緩和性の点で、押針接触開始直後と押針接触開始から15秒後とのショアーA硬度値(JIS K6253に準拠、厚さ3mmのプレスシートの状態で測定)の差ΔHSが、好ましくは10〜50、より好ましくは15〜50、さらに好ましくは20〜50であるか、または、押針接触開始直後と押針接触開始から15秒後とのショアーD硬度値(JIS K6253に準拠、厚さ3mmのプレスシートの状態で測定)の差ΔHSが、好ましくは5〜50、より好ましくは8〜50、さらに好ましくは10〜50である。組成物(Y)は、ショアーA硬度によるΔHSまたはD硬度によるΔHSのいずれか1つ以上を満たすことが好ましい。
【0221】
共重合体組成物(Y)は、好ましくは、JIS K6400に準拠して、室温25℃下で460mmの高さから16.310gの剛体球を落下させた際の反発弾性率が30%以下である。より好ましくは28%以下、さらに好ましくは25%以下である。
【0222】
反発弾性率は、共重合体(AA)のコモノマー組成比、および共重合体組成物(Y)の混合比などにより制御することができ、例えば、共重合体(AA)中の4−メチル−1−ペンテン含量を85重量%以下にすることで、制振性、応力吸収性に優れる。
【0223】
共重合体組成物(Y)は、好ましくは、動的粘弾性の温度依存性測定(周波数10rad/s、−70〜180℃)によるガラス転移温度に起因する損失正接(tanδ)のピーク値が0.5以上である。より好ましくは0.8以上、さらに好ましくは1.0以上である。また、tanδの値が最大となる際の温度は、−10〜40℃、好ましくは0〜40℃である。
【0224】
tanδの最大値がこれらの範囲内にあれば,優れた応力吸収特性・制振特性を発揮することが可能である。tanδの最大値は、共重合体(AA)のコモノマー組成比、および共重合体組成物(Y)の混合比などにより制御することができ、例えば4−メチル−1−ペンテン含量を10〜80重量%にすることで、tanδの最大値を上記範囲内にすることができる。
【0225】
本発明に係る共重合体組成物(Y)には、発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて、各種添加剤を配合することができる。添加剤は、前記を参照できる。
【0226】
本発明の共重合体組成物(Y)には、発明の目的を損なわない範囲で、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、石油樹脂などを含んでいても良い。これらの樹脂は、前記を参照して、用いることができる。
【0227】
<結晶性オレフィン樹脂(BB)>
本発明で用いられる結晶性オレフィン樹脂(BB)は、本発明に係る4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)〜(A3)および4−メチル−1−ペンテン共重合体(AA)を除き、結晶性を有するオレフィン樹脂であれば特に制限はなく使用できる。ここで、結晶性オレフィンとは、融点が100℃以上、好ましくは110℃以上の結晶性オレフィンを意味し、後述するα−オレフィン系重合体(CC)とは融点の点で区別される。
【0228】
結晶性オレフィン樹脂(BB)は、前記に挙げた熱可塑性樹脂(B)のうち、特に結晶性を有する樹脂であり、例えば、低密度、中密度、高密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、アイソタクティックポリプロピレン、シンジオタクティックポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテン、ポリ3−メチル−1−ブテン、エチレン・α−オレフィン共重合体、プロピレン・α−オレフィン共重合体、1−ブテン・α−オレフィン共重合体等が挙げられ、好ましくはポリプロピレン、ポリ4−メチル−1−ペンテン、ポリエチレン、ポリブテンが挙げられる。
【0229】
ポリプロピレンとしては、アイソタクティックポリプロピレンとシンジオタクティックポリプロピレンが挙げられる。アイソタクティックポリプロピレンは、ホモポリプロピレンであっても、プロピレン・炭素数2〜20のα−オレフィン(ただしプロピレンを除く)ランダム共重合体であっても、プロピレンブロック共重合体であってもよい。
【0230】
ポリ4−メチル−1−ペンテンは、前記共重合体とは異なるものを用い、4−メチル−1−ペンテンの単独重合体、または4−メチル−1−ペンテン含有量80〜99.9重量% 、好ましくは90〜99.9重量% 、炭素数2〜20、 好ましくは6〜20のα−オレフィン含有量0.1〜20重量% 、好ましくは0.1〜10重量%の4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィンランダム共重合体である。4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィンランダム共重合体の場合、4−メチル−1−ペンテンと共重合するα−オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどの炭素数2〜20 、好ましくは6〜20のα−オレフィンが挙げられる。これらは、1種単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。ポリ4-メチル-1-ペンテンのメルトフローレート(MFR;ASTMD1238 、260℃ 、5.0kg荷重)は、0.1〜200g/10分、好ましくは1〜150g/10分の範囲内にあることが望ましい。ポリ4-メチル-1-ペンテンは、市販品を使用することもでき、例えば三井化学(株)製のTPX(商標名)などが挙げられる。その他のメーカーのポリ4-メチル-1-ペンテンでも、上記要件を満たせば好ましく使用することができる。
【0231】
ポリエチレンとしては、従来公知の手法で製造されている、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレンを使用することが出来る。
【0232】
ポリブテンとしては、1−ブテンのホモポリマー、あるいは1−ブテンと、1−ブテンを除くオレフィンとの共重合体である。オレフィンは、上記のものが挙げられ、これらのオレフィンは、単独で、または2種以上混合して用いられる。共重合体として、例えば、1−ブテン・エチレンランダム共重合体、1−ブテン・プロピレンランダム共重合体、1−ブテン・メチルペンテン共重合体、1−ブテン・メチルブテン共重合体、1−ブテン・プロピレン・エチレン共重合体などが挙げられる。このような共重合体において、耐熱性の点から、1−ブテン含有量が50モル%以上であることが好ましく、70モル%以上であることが更に好ましく、85%以上であることが特に好ましい。
【0233】
結晶性オレフィン樹脂(BB)は、特に限定されないが、好ましくは、JIS K−6721に準拠して、190℃および230℃で2.16kgの荷重にて測定したMFRが、0.01〜150g/10分にあり、より好ましくは0.05〜100g/10分の範囲、さらに好ましくは0.1〜100g/10分の範囲にあり、密度が、0.990〜0.800g/cmにあり、より好ましくは0.980〜0.810g/cm、さらに好ましくは0.970〜0.830g/cmの範囲にある。この範囲にあると、結晶性の点で好ましい。
【0234】
また、環状オレフィン共重合体、塩素化ポリオレフィン、酢酸ビニル共重合体、エチレン・メタクリル酸アクリレート共重合体、アイオノマー、エチレン・ビニルアルコール共重合体等も例示される。
【0235】
本発明では、これらの樹脂(BB)の中から1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合せて使用することもできる。
【0236】
本発明にかかる結晶性オレフィン樹脂(BB)として、好ましくは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテンが挙げられ、さらに好ましくは、ポリプロピレンである。
【0237】
<α−オレフィン系共重合体(CC)>
本発明にかかるα−オレフィン系共重合体(CC)は、炭素原子数2〜20のα−オレフィンから選ばれる共重合体であり、融点が100℃未満であれば特に制限はない(但し、本発明に係る4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)〜(A3)および4−メチル−1−ペンテン共重合体(AA)は除く)。なお、融点は、好ましくは95℃以下、さらに好ましくは90℃以下、特に好ましくは85℃以下である。
【0238】
α−オレフィン系共重合体(CC)としては、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン等の炭素原子数が2〜20、好ましくは2〜15、より好ましくは2〜10の直鎖状のα−オレフィンが挙げられ、さらに好ましくはエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンである。また、例えば3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセンなどの好ましくは炭素原子数5〜20、より好ましくは5〜15の分岐状のα−オレフィンが挙げられる。
【0239】
これらのα -オレフィンは、1種単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。
【0240】
α−オレフィン系共重合体(CC)として、(d−1)共重合体(CC)を構成するα−オレフィンのうち、エチレン、プロピレンまたはブテン−1から導かれる構成単位が50〜99重量%、好ましくは50〜98重量%、より好ましくは50〜95重量%であり、炭素原子数2〜20のα−オレフィンから導かれる前記以外の構成単位が1〜50重量%、好ましくは2〜50重量%、より好ましくは5〜50重量%(ただし該共重合体(CC)中の構成単位の全量を100重量%とする)で含有すると、柔軟性の点で好ましい。
【0241】
α−オレフィン系共重合体(CC)として、(d−3)共重合体(CC)を構成するα−オレフィンが、エチレン、プロピレンおよびブテン−1からのいずれか2種以上からなり、これらの3種のうち主成分から導かれる構成単位が50〜98重量%、好ましくは50〜96重量%、より好ましくは50〜95重量%(ただし、該共重合体(CC)中の構成単位の全量を100重量%とする)で含有すると、柔軟性の点で特に好ましい。
【0242】
α−オレフィン系共重合体(CC)は、(d−2)JIS K−6721に準拠して、190℃および230℃で2.16kgの荷重にて測定したMFRが、0.01〜100g/10分、より好ましくは0.05〜100g/10分の範囲にあり、密度が、0.910〜0.850g/cm、より好ましくは0.900〜0.860g/cmの範囲にあると、柔軟性、機械特性の点で好ましい。
【0243】
α−オレフィン系共重合体(CC)は、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が、通常0.1〜10dL/g、より好ましくは0.5〜5dL/gである。
【0244】
また、α−オレフィン系共重合体(CC)は、これらの単位の他に、本発明の目的を損なわない範囲で、他の重合性モノマーから導かれる単位を含有していてもよい。
【0245】
このような他の重合性モノマーとしては、たとえばスチレン、ビニルシクロペンテン、ビニルシクロヘキサン、ビニルノルボルナン等のビニル化合物類、
酢酸ビニル等のビニルエステル類、
無水マレイン酸等の不飽和有機酸またはその誘導体、
ブタジエン、イソプレン、ペンタジエン、2,3−ジメチルブタジエン等の共役ジエン類、
1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、2−メチル−1,5−ヘキサジエン、6−メチル-1,5−ヘプタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、ジシクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、ジシクロオクタジエン、メチレンノルボルネン、5−ビニルノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、6−クロロメチル−5−イソプロペンル−2 −ノルボルネン、2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−3−イソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−プロペニル-2,2−ノルボルナジエン等の非共役ポリエン類などが挙げられる。
【0246】
α−オレフィン系共重合体(CC)は、このような他の重合性モノマーから導かれる単位を、10モル%以下、好ましくは5モル%以下、より好ましくは3モル%以下の量で含有していてもよい。
【0247】
α−オレフィン系共重合体(CC)は、オレフィン系ランダム共重合体(CC1)であることが好ましい。オレフィン系ランダム共重合体(CC1)としては、エチレン・プロピレンランダム共重合体、エチレン・1−ブテンランダム共重合体、エチレン・プロピレン・1−ブテンランダム共重合体、エチレン・4−メチル−1−ペンテンランダム共重合体、エチレン・1−ヘキセンランダム共重合体、エチレン・1−オクテンランダム共重合体、エチレン・プロピレン・エチリデンノルボルネンランダム共重合体、エチレン・プロピレン・ビニリデンノルボルネンランダム共重合体、エチレン・1−ブテン・エチリデンノルボルネンランダム共重合体、エチレン・1−ブテン・1−オクテンランダム共重合体、プロピレン・1−ブテンランダム共重合体、ブテン・4−メチル−1−ペンテンランダム共重合体、プロピレン・1−ヘキセンランダム共重合体、プロピレン・1−オクテンランダム共重合体、ブテン・1−ヘキセンランダム共重合体、ブテン・1−オクテンランダム共重合体などが挙げられる。
【0248】
これらのうちでも、エチレン・プロピレンランダム共重合体、エチレン・1−ブテンランダム共重合体、エチレン・プロピレン・1−ブテンランダム共重合体、エチレン・1−ブテン・1−オクテンランダム共重合体、エチレン・1−ヘキセンランダム共重合体、エチレン・1−オクテンランダム共重合体、プロピレン・1−ブテンランダム共重合体、プロピレン・1−ヘキセンランダム共重合体、プロピレン・1−オクテンランダム共重合体などが特に好ましく用いられる。
【0249】
これらの共重合体は1種類のみではなく、2種以上併用してもよい。
【0250】
本発明において、α−オレフィン系共重合体(CC)を用いることで、特に耐衝撃性と応力吸収性とのバランスが向上する。
【0251】
オレフィン系共重合体(CC)は、バナジウム系触媒、チタン系触媒またはメタロセン系触媒などを用いる従来公知の方法により製造することができる。α−オレフィン系共重合体(CC)として、例えば市販品を用いてもよく、三井化学社製の商品名:「タフマーTM」などを用いてもよい。
【0252】
<共重合体組成物の製造方法>
本発明の4-メチル-1-ペンテン・α−オレフィン共重合体組成物(X)〜(X22)および4-メチル-1-ペンテン共重合体組成物(Y)の製造方法について説明する。
【0253】
共重合体組成物は、各成分を上記のような範囲で種々公知の方法、たとえば、多段重合法、プラストミル、ヘンシェルミキサー、V−ブレンダー、リボンブレンダー、タンブラブレンダー、ニーダールーダー等で混合する方法、あるいは混合後、一軸押出機、二軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサー等で溶融混練後、造粒あるいは粉砕する方法を採用して製造することができる。
【0254】
<成形体>
本発明にかかる4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体を含む成形体、4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体組成物を含む成形体、4-メチル-1-ペンテン共重合体組成物を含む成形体またはこれらのいずれかを用いて得られる変性体を含む成形体は、例えば押出成形、射出成形、インフレーション成形、ブロー成形、押出ブロー成形、射出ブロー成形、プレス成形、スタンピング成形、真空成形、カレンダー成形、フィラメント成形、発泡成形、パウダースラッシュ成形などの公知の熱成形方法により得られる。また、本発明の成形体は、本発明に係る共重合体、共重合体組成物および変性体を適宜組み合せても製造できる。
【0255】
以下に具体的に成形体を説明する。
【0256】
成形体は、押出成形、射出成形、溶液流延等の一次成形で得た成形品を、さらにブロー成形、延伸などの方法で加工した成形品であることも好ましい。たとえば、成形品がフィルム状またはシート状である場合には、Tダイ押出成形法などによりシート状に成形して得た成形品を、さらに一軸延伸あるいは二軸延伸して得たものであることも好ましい。上記の用途としては、高い融点であることを生かしたフィルム用途が好ましい。
【0257】
押出成形する際には、従来公知の押出装置および成形条件を採用することができ、たとえば単軸スクリュー押出機、混練押出機、ラム押出機、ギヤ押出機などを用いて、溶融した共重合体または組成物を特定のダイスなどから押出すことにより所望の形状に成形することができる。
【0258】
延伸フィルムは、上記のような押出シートまたは押出フィルム(未延伸)を、たとえばテンター法(縦横延伸、横縦延伸)、同時二軸延伸法、一軸延伸法などの公知の延伸方法により延伸して得ることができる。
【0259】
シートまたは未延伸フィルムを延伸する際の延伸倍率は、二軸延伸の場合には通常20〜70倍程度、また一軸延伸の場合には通常2〜10倍程度である。延伸によって、厚み5〜200μm程度の延伸フィルムを得ることが望ましい。
【0260】
また、フィルム状成形体として、インフレーションフィルムを製造することもできる。インフレーション成形時にはドローダウンを生じにくい。
【0261】
ブロー成形体は、従来公知のブロー成形装置を用いて、公知の条件を採用して製造することができる。この場合、得られたブロー成形体は多層成形体であっても良く、本発明にかかる共重合体、共重合体組成物または変性体を少なくとも1層含有している。
【0262】
たとえば、押出ブロー成形では、樹脂温度100℃〜300℃の溶融状態でダイより押出してチューブ状パリソンを形成し、次いでパリソンを所望形状の金型中に保持した後空気を吹き込み、樹脂温度130℃〜300℃で金型に着装することにより中空成形体を製造することができる。延伸(ブロー)倍率は、横方向に1.5〜5倍程度であることが望ましい。
【0263】
また、射出ブロー成形では、樹脂温度100℃〜300℃でパリソン金型に射出してパリソンを成形し、次いでパリソンを所望形状の金型中に保持した後空気を吹き込み、樹脂温度120℃〜300℃で金型に着装することにより中空成形体を製造することができる。延伸(ブロー)倍率は、縦方向に1.1〜1.8倍、横方向に1.3〜2.5倍であるであることが望ましい。
【0264】
得られるブロー成形体は、透明性、剛性または柔軟性、耐熱性および耐衝撃性に優れるとともに防湿性にも優れている。
【0265】
プレス成形体としてはモールドスタンピング成形体が挙げられ、たとえば基材と表皮材とを同時にプレス成形して両者を複合一体化成形(モールドスタンピング成形)することで得られる。基材は、本発明に係る共重合体、共重合体組成物または変性体で形成することができる。プレス成形体は帯電しにくく、剛性または柔軟性、耐熱性、透明性、耐衝撃性、耐老化性、表面光沢、耐薬品性、耐磨耗性などに優れている。
【0266】
本発明に係る共重合体、共重合体組成物または変性体を用いてなる発泡成形体は、高発泡倍率で得られ、また良好な射出成形性を有し、高い剛性と材料強度とを有する。
【0267】
フィラメント成形体は、たとえば溶融した共重合体、共重合体組成物または変性体を、紡糸口金を通して押出すことにより製造することができる。具体的にはスパンボンド法、メルトブロン法が好適に用いられる。このようにして得られたフィラメントを、さらに延伸してもよい。この延伸は、フィラメントの少なくとも一軸方向が分子配向する程度に行えばよく、通常5〜10倍程度の倍率で行うことが望ましい。本発明に係るフィラメント成形体は、帯電しにくく、また透明性、柔軟性、耐熱性および耐衝撃性、伸縮性に優れている。
【0268】
本発明の成形体から、自動車部品、家電部品、玩具、雑貨などのパウダースラッシュ成形体を製造することができる。該成形体は帯電しにくく、柔軟性、耐熱性、耐衝撃性、耐老化性、表面光沢、耐薬品性、耐磨耗性などに優れている。
【0269】
また、本発明に係る成形体としては、本発明にかかる共重合体、共重合体組成物または変性体からなる層を少なくとも一層有する積層体を挙げることができる。該積層体は、衝撃低減やショックの緩和などの制振性、衝撃吸収性に優れる。
【0270】
また、添加材料として使用する場合には、本発明に係る熱可塑性樹脂((B)、(BB)および(CC))を成形する際に、本発明に係る共重合体を添加する方法(例えば、熱可塑性樹脂組成物を成形機(押出機)にて成形する、成形機(押出機)の途中から共重合体をフィードする方法)で得られる。熱可塑性樹脂を溶融状態でせん断、一軸延伸、二軸延伸、平面伸張の流動のいずれか1つ以上を伴って成形する方法であり、公知の方法であれば特に制限はない。せん断流動を伴う成形方法としては、押出成形、射出成形、メルトブロー成形など公知の成形法が挙げられ、一軸延伸、二軸延伸、平面伸張流動を伴う成形方法としては、Tダイ(フィルム)成形、ブロー成形、延伸など公知の方法が挙げられる。ここで、溶融状態とは、本発明の共重合体共重合体組成物または変性体の融点以上350℃未満、好ましくは170℃〜350℃の範囲をいう。
【0271】
なお、本発明に係る4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体((A)〜(A3))は、熱可塑性樹脂と熱力学的には相溶しないため、このようにして得られた成形品の表面に4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体が局在すると考えられる。
【0272】
<用途>
本発明の4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体(A〜A3)、4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体組成物(X〜X22)および4−メチル−1−ペンテン共重合体組成物(Y)またはそれらのグラフト変性体および架橋体に対する用途を説明する。
【0273】
(1)4-メチル-1-ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)は、透明性、耐衝撃性、耐熱性、軽量、柔軟性または剛性、応力吸収性、応力緩和性、耐傷付き性、耐磨耗性、機械特性、靭性、防音性、制振性、カット性、高破壊電圧、ガス透過性、収縮性、ゴム弾性、耐キンク性、伸縮性、クリープ特性、粘着性、表面張力、柔軟改質性、透明化改質性、成形時のベタつきのない等に優れることから下記用途に好適に使用することが出来る。
【0274】
本発明に係る共重合体組成物を含む成形品としては、シート、フィルム、パイプ、チューブ、ボトル、繊維、テープ、中空成形体、積層体、発泡体などが挙げられる。
【0275】
本発明に係る共重合体は、透明性、ガス透過性、耐薬品性、剥離性とともに離型性、耐熱性に優れた樹脂として、医療器具、耐熱電線、耐熱食器、剥離用材など様々な分野で利用される。
【0276】
シートおよびフィルム成形体は、帯電しにくく、機械特性、耐熱性、伸縮性、耐衝撃性、耐老化性、透明性、透視性、光沢、剛性、防湿性およびガスバリア性に優れており、防音シート、防振シート、遮熱シート、遮熱フィルム、包装用フィルム、食品包装用フィルム(外層、内層、シーラント、単層)、ストレッチフィルム、ラップフィルム、延伸フィルム、通気性フィルム、シュリンクフィルムなどとして幅広く用いることができる。
【0277】
射出成形体は、帯電しにくく、透明性、剛性、耐熱性、耐衝撃性、表面光沢、耐薬品性、耐磨耗性などに優れ、自動車内装用トリム材、自動車用外装材、家電製品のハウジング、容器など幅広く用いることができる。
【0278】
モールドスタンピング成形体は、ドアトリム、リアーパッケージトリム、シートバックガーニッシュ、インストルメントパネルなどの自動車用内装材等に使用できる。
【0279】
真空成形体は、インストゥルメントパネル、ドアトリムなどの内装表皮材などに使用できる。該成形体は、帯電しにくく、柔軟性、耐熱性、耐衝撃性、耐老化性、表面光沢、耐薬品性、耐磨耗性などに優れている。
【0280】
本発明に係る共重合体を含む成形品の用途例を以下に挙げるが、特にこれらに限られない。
【0281】
容器としては、例えば、食器、レトルト容器、冷凍保存容器、レトルトパウチ、電子レンジ耐熱容器、冷凍食品容器、冷菓カップ、カップ、飲料ボトルなどの食品容器、レトルト容器、ボトル容器などや、輸血セット、医療用ボトル、医療用容器、医療用中空瓶、医療バッグ、輸液バッグ、血液保存バック、輸液ボトル薬品容器、洗剤容器、化粧品容器、香水容器、トナー容器などが挙げられる。
【0282】
改質材としては、ポリプロピレン改質材、ポリ4−メチル−1−ペンテン改質材、ポリブテン改質材、ポリエチレン改質材、スチレン系エラストマー改質材、ブチルゴム改質材、プロピレン系エラストマー改質材、エチレン系エラストマー改質材、アクリル系粘着材用改質材、ホットメルト接着剤改質材、フローマーク改質材、ウエルド改質材、表面改質材、ガスバリア改質材などの樹脂改質材、相容化剤(グラフト変性)、イージーピール改質材、などが挙げられる。
【0283】
包材としては、例えば、食品包材、食肉包材、加工魚包材、野菜包材、果物包材、発酵食品包材、菓子包装材、酸素吸収剤包材、レトルト食品用包材、鮮度保持フィルム、医薬包材、細胞培養バック、細胞検査フィルム、球根包材、種子包材、野菜・キノコ栽培用フィルム、耐熱真空成形容器、惣菜容器、惣菜用蓋材、業務用ラップフィルム、家庭用ラップフィルム、ベーキングカートン、などが挙げられる。
【0284】
フィルム・シート・テープとしては、例えば、フレキシブルプリント基板用離型フィルム、リジット基板用離型フィルム、リジットフレキシブル基板用離型フィルム、先端複合材料用離型フィルム、炭素繊維複合材硬化用離型フィルム、ガラス繊維複合材硬化用離型フィルム、アラミド繊維複合材硬化用離型フィルム、ナノ複合材硬化用離型フィルム、フィラー充填材硬化用離型フィルム、半導体封止用離型フィルム、偏光板用離型フィルム、拡散シート用離型フィルム、プリズムシート用離型フィルム、反射シート用離型フィルム、離型フィルム用クッションフィルム、燃料電池用離型フィルム、各種ゴムシート用離型フィルム、ウレタン硬化用離型フィルム、エポキシ硬化用離型フィルムなどの離型フィルム、
太陽電池セル封止シート、太陽電池セルバックシート、太陽電池用プラスチックフィルム、バッテリーセパレーター、リチウムイオン電池用セパレーター、燃料電池用電解質膜、粘着・接着材セパレーター、
ダイシングテープ・バックグラインドテープ・ダイボンディングフィルム、二層FCCL、フィルムコンデンサー用フィルムなどの半導体用工程フィルムの基材・粘着材・セパレーター、粘着フィルム、ペリクル用フィルム、偏光板用フィルム、偏光板用保護フィルム、液晶パネル用保護フィルム、光学部品用保護フィルム、レンズ用保護フィルム、電気部品・電化製品用保護フィルム、携帯電話用保護フィルム、パソコン用保護フィルム、マスキングフィルム、コンデンサー用フィルム、反射フィルム、積層体(ガラス含む)、耐放射線フィルム、耐γ線フィルム、多孔フィルムなどの保護フィルム、
放熱フィルム・シート、電子部品封止体製造用型枠、LEDモールド、高周波回路用積層板、高周波ケーブル用被覆材、光導波路基板、
ガラス中間膜、合わせガラス用フィルム、防弾材、防弾ガラス用フィルム、
合皮用離型紙、先端複合材料用離型紙、炭素繊維複合材硬化用離型紙、ガラス繊維複合材硬化用離型紙、アラミド繊維複合材硬化用離型紙、ナノ複合材硬化用離型紙、フィラー充填材硬化用離型紙などの離型紙、耐熱耐水印画紙、などが挙げられる。
【0285】
その他の用途としては、例えば、ゴムホース製造用マンドレル、シース、ゴムホース製造用シース、ホース、チューブ、電線被覆材、高圧電線用碍子、配線ダクト、化粧品・香水スプレー用チューブ、医療用チューブ、輸液チューブ、パイプ、ワイヤーハーネス、
自動車・自動二輪・鉄道車両・航空機・船舶等の内装材、耐磨耗自動車内外装材、インストルメントパネル表皮、ドアトリム表皮、リアーパッケージトリム表皮、天井表皮、リアピラー表皮、シートバックガーニッシュ、コンソールボックス、アームレスト、エアバックケースリッド、シフトノブ、アシストグリップ、サイドステップマット、リクライニングカバー、トランク内シート、シートベルトバックル、インナー・アウターモール、ルーフモール、ベルトモールなどのモール材、ドアシール、ボディシールなどの自動車用シール材、グラスランチャンネル、泥よけ、キッキングプレート、ステップマット、ナンバープレートハウジング、自動車用ホース部材、エアダクトホース、エアダクトカバー、エアインテークパイプ、エアダムスカート、タイミングベルトカバーシール、ボンネットクッション、ドアクッションなどの自動車内外装材、制振タイヤ、静動タイヤ、カーレースタイヤ、ラジコンタイヤなどの特殊タイヤ、パッキン、自動車ダストカバー、ランプシール、自動車用ブーツ材、ラックアンドピニオンブーツ、タイミングベルト、ワイヤーハーネス、グロメット、エンブレム、エアフィルタパッキン、
家具・履物・衣料・袋物・建材等の表皮材、建築用シール材、防水シート、建材シート、建材ガスケット、建材用ウインドウフィルム、鉄芯保護部材、ガスケット、ドア、ドア枠、窓枠、廻縁、巾木、開口枠等、床材、天井材、壁紙、
健康用品(例:滑り止めマット・シート、転倒防止フィルム・マット・シート、)、健康器具部材、衝撃吸収パッド、プロテクター・保護具(例:ヘルメット、ガード)、スポーツ用品(例:スポーツ用グリップ、プロテクター)、スポーツ用防具、ラケット、マウスガード、ボール、ゴルフボール、運搬用具(例:運搬用衝撃吸収グリップ、衝撃吸収シート)、制振パレット、衝撃吸収ダンパー、インシュレーター、履物用衝撃吸収材、衝撃吸収発泡体、衝撃吸収フィルムなどの衝撃吸収材、
グリップ材、雑貨、玩具、靴底、靴底ソール、靴のミッドソール・インナーソール、ソール、サンダル、吸盤、歯ブラシ、床材、体操用マット、電動工具部材、農機具部材、放熱材、透明基板、防音材、クッション材、電線ケーブル、形状記憶材料、
医療用ガスケット、医療用キャップ、薬栓、ガスケット、ベビーフード・酪農製品・医薬品・滅菌水等を瓶に充填後、煮沸処理、高圧蒸気滅菌等高温処理される用途のパッキング材、工業用シール材、工業用ミシンテーブル、ナンバープレートハウジング、ペットボトルキャップライナーなどのキャップライナー、
プロテクトフィルム粘着層、ホットメルト粘着材、などの粘着材、
文房具、オフィス用品、OAプリンタ脚、FAX脚、ミシン脚、モータ支持マット、オーディオ防振材などの精密機器・OA機器支持部材、OA用耐熱パッキン、アニマルケージ、ビーカー、メスシリンダー等の理化学実験機器、光学測定用セル、衣装ケース、クリアーケース、クリアーファイル、クリアーシート、デスクマット、
繊維としての用途として、例えば、不織布、伸縮性不織布、繊維、防水布、通気性の織物や布、紙おむつ、生理用品、衛生用品、フィルター、バグフィルター、集塵用フィルター、エアクリーナー、中空糸フィルター、浄水フィルター、濾布、濾紙、ガス分離膜、などが挙げられる。
【0286】
また、コーティング材、コーティングによって得られるフィルム、シート、撥水材、絶縁膜、接着材、粘着材、コート紙、透明シーラント、シーラント、ホットメルト型粘接着剤、溶剤型粘接着剤、フィルム状粘接着剤、布テープ、クラフトテープ、弾性接着剤などにも好適に使用される。
【0287】
特に下記に示した(1)〜(3)の分野は、本発明の特性を活かした用途であり、該共重合体、該組成物に好適である。
【0288】
〔(1)フィルム〕
フィルムやシートの離型性を生かした用途に用いられることが好ましい。具体的には、フィルムに公知の粘着剤層を形成した粘着フィルムが挙げられる。粘着剤層としては、アクリル系粘着剤層、エステル系粘着剤層、オレフィン系粘着剤層、ウレタン系粘着剤層等が挙げられる。これら粘着剤層は、対応する基材に適した粘着力を有する材料を用いることが出来る。
【0289】
これらの他、偏光板やFPD(フラットパネルディスプレイ)等の保護層と、粘着剤層と、4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体フィルムとからなる多層フィルムの構成を有する偏光板プロテクトフィルム、FPD用保護フィルムなどが挙げられる。具体的には、前記の保護フィルムが挙げられる。また、イージーピール改質材や離型材料、耐熱性、機械特性などの特徴を活かした包装材用途として、包装用フィルム、シート、食品包装用フィルム(外層、内層、シーラント、単層)、ストレッチフィルム、ラップフィルム、延伸フィルム、通気性フィルム、シュリンクフィルム、電子レンジ耐熱容器、冷凍食品容器、食肉包材、加工魚包材、野菜包材、果物包材、発酵食品包材、菓子包装材、酸素吸収剤包材、レトルト食品用包材、鮮度保持フィルム、医薬包材、細胞培養バック、細胞検査フィルム、球根包材、種子包材、野菜・キノコ栽培用フィルム、耐熱真空成形容器、惣菜容器、惣菜用蓋材、業務用ラップフィルム、家庭用ラップフィルム等が挙げられる。
【0290】
具体例としては、前記の離型フィルムが挙げられる。
【0291】
包装用フィルムの場合、得られるシートおよびフィルム成形体は、多層成形体であってもよい。多層成形体としては、前記の半導体用工程フィルムの基材・粘着材・セパレーター、粘着フィルム、ペリクル用フィルム、偏光板用フィルム、前記の保護フィルム、放熱フィルム・シート等が挙げられる。
【0292】
〔(2)制振材〕
本発明の共重合体および共重合体組成物は、応力吸収特性・制振特性に優れた応力吸収材・制振材およびその成形品に好適である。詳しくは、良好な力学特性(破断強度,引張弾性率)を有する非塩ビ系高分子材料の応力吸収材・制振材に好適である。具体例としては、OA機器、洗濯機等家電製品、自動車、工作機械、産業機械、並びに床材、制振パネル、制振成形体等が挙げられる。
【0293】
本発明の共重合体、共重合体組成物および変性体は、tanδのピーク値が高く応力吸収部材・制振材として好適である。特に4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体が,4−メチル−1−ペンテンと炭素原子数2〜4のα−オレフィンとの共重合体であることが好ましい。また、4−メチル−1−ペンテンと炭素原子数2〜4のα−オレフィンに非共役ポリエンが含まれていてもよい。
【0294】
本発明の共重合体またはその変性体に必要に応じて熱可塑性樹脂を加えてもよい。熱可塑性樹脂としては、前記の熱可塑性樹脂(B)等が挙げられる。好ましくは、
ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンおよび/またはプロピレンとα−オレフィン等の共重合体などのオレフィン系重合体(本発明に係る共重合体を除く)、
ポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン、スチレン・メタクリル酸エステル共重合体(MS)、アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS)、スチレン・イソプレン・スチレン共重合体(SIS)およびその水素添加物、スチレン・ブタジエン・スチレン共重合体(SBS)およびその水素添加物、スチレン・イソブチレン・スチレン共重合体(SIBS)およびその水素添加物などのスチレン系重合体が挙げられる。これらの樹脂は、相容性、成形性等の点から好ましい。
【0295】
また,これらの熱可塑性樹脂は、1種単独でも2種類以上を組み合せて使用することも可能である。
【0296】
熱可塑性樹脂の分子量に特に制限はないが、ポリスチレン換算で、重量平均分子量が、好ましくは5000〜1,000,000、より好ましくは50,000〜500,000である。この範囲にあれば、本発明の特徴および成形性等をバランスよく得ることが可能である。
【0297】
熱可塑性樹脂の添加量は、該共重合体と熱可塑性樹脂の合計100重量%に対して、通常0〜99重量%であり、0〜95重量%が好ましく、0〜90重量%が更に好ましい。添加量が99重量%を超えると、(A)共重合体の効果、例えば応力吸収特性・制振特性、力学特性、耐熱性、耐薬品性等の特性が発現できない。共重合体の有する制振特性等を十分に発揮するためには、共重合体は、該共重合体と熱可塑性樹脂の合計100重量%に対して、好ましくは5〜100重量%,更に好ましくは10〜100重量%である。
【0298】
応力吸収部材・制振材には、必要に応じて無機充填材を添加することができる。無機充填材としては、マイカ(鱗片状、即ちフレーク状マイカなど)、タルク、クレイ、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、ハイドロタルサイト、ガラス繊維、ガラスビーズ、ガラスバルーン、ガラスフレーク、シリカ、カーボンブラック、グラファイト、酸化チタン、水酸化マグネシウム、チタン酸カリウムウィスカー、カーボンファイバー等を挙げることができる。形状は、鱗片状、球状、粒状、粉体、不定形形状など、特に制限はない。上記無機充填材を添加することにより、制振特性、弾性率等の機械的特性、寸法安定性、耐薬品性の向上を図ることが可能である。しかしながら、流動性は低下する場合もある。これらの無機充填材の添加量は、本発明に係る重合体および熱可塑性樹脂(B)の合計100重量部に対して、0〜100重量部であり、好ましくは0〜70重量部、より好ましくは0〜40重量部である。
【0299】
本発明の応力吸収部材・制振材には、必要に応じて各種添加剤を添加することができる。なお、添加剤は、前記を参照できる。
【0300】
本発明の応力吸収部材・制振材は、−70℃〜180℃の温度範囲で、周波数10rad/sで測定した動的粘弾性の損失正接tanδの最大値が0.1〜10である。好ましくは、そのピーク温度範囲が−50℃〜100℃、より好ましくは−40℃〜50℃、さらに好ましくは−30℃〜50℃、もっとも好ましくは−10℃〜40℃、tanδの最大値は、好ましくは0.4〜8、特に好ましくは0.6〜6、更に好ましくは0.7〜5である。tanδの最大値がこれらの範囲内にあれば、優れた応力吸収特性・制振特性を発揮することが可能である。ここで、最大値とは、測定のばらつき等を考慮した上で、十分平均化されたデータを下に判定を行う。
【0301】
本発明に係る応力吸収部材・制振材は、動的粘弾性の損失係数tanδピーク値が室温付近で非常に高い値を有し、更に、良好な力学特性(破断強度、引張弾性率)、耐薬品性、応力吸収性を有する。本発明の制振材および成形品は、OA機器、産業機械、自動車、鉄道、橋梁、船舶、建材、内装材、オーディオ機器、エアコンや洗濯機などの家電製品等に制振材、防音材または遮音材として好適である。
〔(3)添加材料〕
本発明の共重合体または共重合体組成物は、優れたブロッキング防止効果、離型性を有するため、添加材料として好適である。
【0302】
本発明に係る共重合体、共重合体組成物または変性体は、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂とブレンドした熱可塑性樹脂組成物、または熱硬化性樹脂組成物として、フィルム、ボトル、ケース等の成形品に用いられ、優れた離型性、撥水性を付与することができる。また、射出成形において、優れた金型離型性を付与することができる。共重合体、共重合体組成物または変性体は、経時によるブリードアウトが発生しにくく、臭気や煙の発生も特に問題にならない。さらに、4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体の骨格は透明であるため、成形品の透明性悪化を引き起こし難いと考えられる。
【0303】
添加材料にプロピレン系樹脂を配合した場合、得られる成形品は、プロピレン系樹脂の特長である優れた透明性、耐傷付き性、耐白化性、耐熱性を有していることに加え、高温で使用してもべた付きが発生しないため、幅広い温度条件で使用できる。
【0304】
本発明の添加材料は、特に共重合体、共重合体組成物および変性体が、低分子量で分子量分布が狭く、分子量分布の低分子領域の含有量が少ないことが好ましい。4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体は、4−メチル−1−ペンテンと炭素原子数2〜3のα−オレフィンの共重合体が好ましい。また、4−メチル−1−ペンテンと炭素原子数2〜3のα−オレフィンに非共役ポリエンが含まれていてもよい。添加材料は、熱可塑性樹脂100重量部に対して、共重合体、共重合体組成物または変性体を0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜7重量部、さらに好ましくは0.2〜5重量部添加する。熱可塑性樹脂は特に制限はないが、例えば、前記の熱可塑性樹脂(B)が挙げられる。熱可塑性樹脂は、1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合せて使用することもできる。
【0305】
(2)本発明に係る4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体(A1)は、透明性、応力吸収性、耐衝撃性、軽量、柔軟性、応力緩和性、防音性、制振性、カット性、高破壊電圧、ガス透過性、収縮性、ゴム弾性、耐キンク性、粘着性、柔軟改質性、透明化改質性に優れることから、上記に記載の用途に好適に使用することが出来る。特に、本発明に係る共重合体(A1)は、OA機器、産業機械、自動車、鉄道、橋梁、船舶、防振マット、防振ダンパーなどの建材、内装材、オーディオ機器、エアコンや洗濯機などの家電製品等の制振材、防振材、防音材または遮音材、マウスガード・スポーツ用プロテクター・介護用プロテクター・衝撃吸収マットなどの衝撃吸収材、粘着フィルム、プロテクトフィルム粘着層などの粘着材、保護フィルム、ポリオレフィン改質材・エラストマー改質材・ホットメルト接着剤改質材・イージーピール改質材などの改質材に好適に使用することができる。
【0306】
(3)本発明に係る4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体(A2)は、上記に記載の用途のうち、OA機器、産業機械、自動車、鉄道、橋梁、船舶、防振マット、防振ダンパーなどの建材、内装材、オーディオ機器、エアコンや洗濯機などの家電製品等の制振材、防振材、防音材または遮音材、マウスガード・スポーツ用プロテクター・介護用プロテクター・衝撃吸収マット・靴のインナーソールなどの衝撃吸収材、粘着フィルム、プロテクトフィルム粘着層などの粘着材、半導体用工程保護フィルム、例えば、スポーツ用品・文具・健康用品などのグリップ材、ポリオレフィン改質材・エラストマー改質材・ホットメルト接着剤改質材・イージーピール改質材などの改質材に好適である。
【0307】
(4)本発明に係る4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体(A3)および架橋体は、ゴム弾性、圧縮応力緩和性、耐熱性、発泡特性、発泡特性改質性に優れた樹脂として、特にOA機器、産業機械、自動車、鉄道、橋梁、船舶、防振マット、防振ダンパーなどの建材、内装材、オーディオ機器、エアコンや洗濯機などの家電製品等の制振材、防振材、防音材または遮音材、衝撃吸収材、グリップ材、防振ゴム、ポリオレフィン改質材・エラストマー改質材・発泡改質材に好適である。
【0308】
(5)本発明に係る4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体組成物(X)は、透明性、応力吸収性、耐衝撃性、耐熱性、軽量、柔軟性、応力緩和性、耐傷付き性、耐磨耗性、防音性、制振性、カット性、高破壊電圧、ガス透過性、収縮性、ゴム弾性、耐キンク性、粘着性、表面張力、柔軟改質性、透明化改質性に優れることから上記に記載の用途に好適に使用することが出来る。
【0309】
(6)本発明に係る4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体組成物(X11、X21)は、OA機器・産業機械・自動車・鉄道・船舶・防振マット、防振ダンパーなどの建材・内装材・オーディオ機器、エアコンや洗濯機などの家電製品などの制振材、防振材、防音材または遮音材、制振鋼板、マウスガード・スポーツ用プロテクター・介護用プロテクター・衝撃吸収マットなどの衝撃吸収材、粘着フィルム、プロテクトフィルム粘着層などの粘着材、制振シート、表面保護フィルム、半導体工程用保護フィルムなどのフィルム・シート、ポリオレフィン改質材・エラストマー改質材・ホットメルト接着剤改質材・イージーピール改質材、発泡改質材などの改質材に好適である。
【0310】
(7)本発明に係る4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体組成物(X12、X22)は、ポリプロピレン改質材、ポリ4−メチル−1−ペンテン改質材、柔軟性改質材、透明化改質材、グリップ材、包装用フィルム、通気性フィルム、医療用チューブ、産業用チューブ、食品容器、耐熱容器、医療用容器、アニマルケージ、理化学実験器具、不織布、離型フィルムに好適である。
【0311】
(8)本発明の4-メチル-1-ペンテン共重合体組成物(Y)に対する用途を説明する。4−メチル−1−ペンテン共重合体組成物(Y)は、軽量、柔軟性または剛性、制振性、応力吸収性、応力緩和性、耐衝撃性、機械特性、靭性、防音性、カット性、高破壊電圧、ガス透過性、耐キンク性、耐寒性、伸縮性、クリープ特性、粘着性、柔軟改質性、成形時のベタつきのない等に優れることから、上記に記載の用途に好適に使用することが出来る。
【実施例】
【0312】
本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。なお、本発明において各物性は以下のようにして評価した。
【0313】
〔極限粘度[η]〕
極限粘度[η]は,デカリン溶媒を用いて135℃で測定した。
【0314】
〔組成およびB値〕
ポリマー中の4−メチル−1−ペンテンおよびα−オレフィン含量、非共役ポリエンの定量化は、13C−NMRにより測定した。
【0315】
日本電子(株)製ECP500型核磁気共鳴装置を用い、溶媒としてオルトジクロロベンゼン/重ベンゼン(80/20容量%)混合溶媒,試料濃度55mg/0.6mL、測定温度120℃、観測核は13C(125MHz)、シーケンスはシングルパルスプロトンデカップリング、パルス幅は4.7μ秒(45°パルス)、繰り返し時間は5.5秒、積算回数は1万回以上、27.50ppmをケミカルシフトの基準値として測定した。
【0316】
B値は、13C−NMRスペクトルより、プロピレン主鎖ααメチンI(28.7ppm)および4−メチル−1−ペンテン主鎖ααメチンIPM(31.8ppm)、主鎖ααメチレンI(44.5ppm)のそれぞれのピーク強度を用いて以下の式から算出した。
【0317】
(B値)={IPM/(2×I×I)}
〔融点(Tm)〕
ポリマーの融点(Tm)は,セイコーインスツルメンツ社製DSC220C装置で示差走査熱量計(DSC)により測定した。重合から得られた試料7〜12mgをアルミニウムパン中に密封し,室温から10℃/分で200℃まで加熱した。その試料を,完全融解させるために200℃で5分間保持し,次いで10℃/分で−50℃まで冷却した。−50℃で5分間置いた後,その試料を10℃/分で200℃まで2度目に加熱した。この2度目の加熱試験でのピーク温度を,融点(Tm)として採用した。
【0318】
〔分子量(Mw、Mn)、分子量分布(Mw/Mn)〕
ポリマーの分子量は、液体クロマトグラフ(Waters製ALC/GPC 150−C plus型、示唆屈折計検出器一体型)を用い、カラムとして東ソー株式会社製GMH6−HT×2本およびGMH6−HTL×2本を直列接続した。移動相媒体はo-ジクロロベンゼンを用い、流速1.0ml/分、140℃で測定を行った。得られたクロマトグラムを公知の方法によって、標準ポリスチレンサンプルを使用した検量線を用いて解析することで、Mw、MnおよびMw/Mn値を算出した。
【0319】
〔酢酸メチル抽出量〕
ポリマーをソックスレー抽出器に採取し、酢酸メチル下で加熱還流を行い、還流前後のポリマー量を秤量して、抽出量(重量%)を算出した。
【0320】
〔各種測定用プレスシートの作製〕
200℃に設定した神藤金属工業社製油圧式熱プレス機を用い、10MPaの圧力でシート成形した。0.5〜3mm厚のシート(スペーサー形状;240×240×2mm厚の板に80×80×0.5〜3mm、4個取り)の場合、余熱を5〜7分程度とし、10MPaで1〜2分間加圧した後、20℃に設定した別の神藤金属工業社製油圧式熱プレス機を用い、10MPaで圧縮し、5分程度冷却して測定用試料を作成した。熱板として、5mm厚の真鍮板を用いた。得られたサンプルを用いて、各種物性評価を行った。
【0321】
〔ショアー硬度測定〕
JIS K6253に準拠して、厚さ3mmのプレスシートを用いてショアー硬度計により測定した。ショアー硬度計は、A硬度計またはD硬度計を用いた。さらに測定直後と測定15秒後の値の変化率ΔHSを以下のようにして求めた。
【0322】
ΔHS=(押針接触開始直後のショアーA硬度値 − 押針接触開始から15秒後のショアーA硬度値)。
【0323】
ΔHS=(押針接触開始直後のショアーD硬度値 − 押針接触開始から15秒後のショアーD硬度値)。
【0324】
〔動的粘弾性試験〕
厚さ3mmのプレスシートを作成し、さらに動的粘弾性測定に必要な45mm×10mm×3mmの短冊片を切り出した。ANTONPaar社製MCR301を用いて、10rad/sの周波数で−70〜180℃までの動的粘弾性の温度依存性を測定し、ガラス転移温度に起因する損失正接(tanδ)のピーク温度とその値を測定した。
【0325】
〔耐磨耗性評価〕
耐摩耗性評価は、学振磨耗後のグロス変化率(%)にて測定した。
【0326】
東洋精機製学振磨耗装置を用いて、厚さ2mmのプレスシートを用いて45R、SUS製の磨耗圧子1000gの先端を綿帆布(#10番)に覆い、これを23℃、往復回数100回、往復速度33回/min、ストローク100mmでシートを磨耗させ、その前後のグロス変化率ΔGを以下のようにして求めた。
【0327】
ΔG={(磨耗前のグロス − 磨耗後のグロス)/磨耗前のグロス}×100
〔引張弾性率(YM)、引張破断伸(EL)、引張降伏応力(YS)、引張破断点応力(TS)〕
引張特性である引張弾性率(YM)、引張破断点伸(EL)、引張降伏点応力(YS)および、引張破断点応力(TS)の評価は、上記の方法で得られた1mm厚プレスシートから打ち抜いたJISK7113の2号型試験片1/2を評価用試料とし、23℃の雰囲気下で引張速度30mm/minで実施した。
【0328】
〔引張永久歪(PS)〕
引張永久歪(PS)の評価は、上記の方法で得られた1mm厚プレスシートから打ち抜いたJISK7113の2号型試験片1/2を評価用試料とし、引張速度30mm/minで伸長率100%とした試験片のチャック間距離を測定した。その試験片を23度の雰囲気下で10分間保持し、開放10分後の試験片のチャック間距離を測定し、その差から求めた。
【0329】
〔TMA測定による軟化温度〕
JIS K7196に準拠し、厚さ1mmの試験片を用いて、昇温速度5℃/minで1.8mmφの平面圧子に2Kgf/cmの圧力をかけ、TMA曲線より、軟化温度(℃)を求めた。
【0330】
〔内部ヘイズ(%)〕
厚さ1mmプレスシートを試験片として用いて、日本電色工業(株)製のデジタル濁度計「NDH−20D」にて測定した。
【0331】
〔MFR〕
結晶性オレフィン樹脂(BB)のMFRは、JIS K−6721に準拠して230℃で2.16kgの荷重にて測定した。
【0332】
α-オレフィン共重合体(CC)のMFRはJIS K−6721に準拠して、エチレン・α−オレフィン共重合体、ブテン・α−オレフィン共重合体は190℃で2.16kg、プロピレン・α−オレフィン共重合体は230℃で2.16kgの荷重にて測定した。
【0333】
〔密度〕
密度は、ASTM D 1505(水中置換法)に従って、ALFA MIRAGE社電子比重計MD−300Sを用い、水中と空気中で測定された各試料の重量から算出した。
【0334】
〔反発弾性率〕
厚さ6mmのプレスシートを作成し、室温25℃または40℃下で、JIS K6400に準拠して460mmの高さから16.310gの剛体球を落下させた際の跳ね返り高さを測定した。落下させた高さに対しての跳ね返り高さの比を反発弾性率として求めた。
【0335】
〔実施例1〕
充分窒素置換した容量1.5リットルの攪拌翼付SUS製オートクレーブに、23℃で4−メチル−1−ペンテンを750ml装入した。このオートクレーブに、トリイソブチルアルミニウム(TIBAl)の1.0ミリモル/mlトルエン溶液を0.75ml装入し攪拌機を回した。次に、オートクレーブを内温30℃まで加熱し、全圧が0.74MPaGとなるようにプロピレンで加圧した。続いて、予め調製しておいた、メチルアルミノキサンをAl換算で1ミリモル、ジフェニルメチレン(1−エチル−3−t−ブチル−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−フルオレニル)ジルコニウムジクロリドを0.005ミリモルの量で含むトルエン溶液0.34mlのトルエン溶液を窒素でオートクレーブに圧入し、重合を開始した。その後60分間、オートクレーブを内温60℃になるように温度調整した。重合開始60分後、オートクレーブにメタノール5mlを窒素で圧入し重合を停止し、オートクレーブを大気圧まで脱圧した。反応溶液にアセトンを攪拌しながら注いだ。得られた溶媒を含むゴム状の重合体を130℃、減圧下で12時間乾燥した。
【0336】
得られたポリマーは56.3gで、ポリマー中のプロピレン含量は、75.3mol%であった。ポリマーのTmは観察されず、極限粘度[η]は1.5dl/gであった。GPCから得られた分子量分布は、Mw=287000、Mn=144000、Mw/Mn=2.0であった。酢酸メチル抽出量は0.6重量%であった。YMは1MPa、ΔHSは14、tanδの最大値は3.5(最大となる際の温度:6℃)であった。得られたポリマーの物性を表1に示す。
【0337】
〔実施例2〕
充分窒素置換した容量1.5リットルの攪拌翼付SUS製オートクレーブに、23℃で4−メチル−1−ペンテン(4MP1)を750ml装入した。このオートクレーブに、トリイソブチルアルミニウム(TIBAl)の1.0ミリモル/mlトルエン溶液を0.75ml装入し、攪拌機を回した。次に、オートクレーブを内温30℃まで加熱し、全圧が0.68MPaGとなるようにプロピレンで加圧した。続いて、予め調製しておいた、メチルアルミノキサンをAl換算で1ミリモル、ジフェニルメチレン(1−メチル−3−t−ブチル−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−フルオレニル)ジルコニウムジクロリドを0.005ミリモルの量で含むトルエン溶液0.34mlを窒素でオートクレーブに圧入し、重合を開始した。その後60分間、オートクレーブを内温60℃になるように温度調整した。重合開始60分後、オートクレーブにメタノール5mlを窒素で圧入し重合を停止し、オートクレーブを大気圧まで脱圧した。反応溶液にアセトンを攪拌しながら注いだ。得られた溶媒を含むゴム状の重合体を130℃、減圧下で12時間乾燥した。
【0338】
得られたポリマーは45.9gで、ポリマー中のプロピレン含量は、68.9mol%であった。ポリマーのTmは観察されず、極限粘度[η]は1.47dl/gであった。GPCから得られた分子量分布は、Mw=310000、Mn=155000、Mw/Mn=2.0であった。酢酸メチル抽出量は0.2重量%であった。YMは1MPa、ΔHSは24、tanδの最大値は3.2(最大となる際の温度:11℃)であった。得られたポリマーの物性を表1に示す。
〔実施例3〕
重合器内の全圧が0.35MPaGになるようにプロピレンで加圧した以外は、実施例2と同様に重合を行った。
【0339】
得られたポリマーは46.9gで、ポリマー中のプロピレン含量は、52.7mol%であった。ポリマーのTmは観察されず、極限粘度[η]=1.41dl/gであった。GPCから得られた分子量分布は、Mw=285000、Mn=143000、Mw/Mn=2.0であった。酢酸メチル抽出量は0.2重量%であった。YMは3MPa、ΔHSは38、tanδの最大値は3.4(最大となる際の温度:19℃)であった。得られたポリマーの物性を表1に示す。
【0340】
〔実施例4〕
重合器内の全圧が0.20MPaGになるようにプロピレンで加圧した以外は、実施例1と同様に重合を行った。
【0341】
得られたポリマーは35.5gで、ポリマー中のプロピレン含量は、40.0mol%であった。ポリマーのTmは観察されず、極限粘度[η]=1.4dl/gであった。GPCから得られた分子量は、Mw=272000、Mn=131000、Mw/Mn=2.1であった。酢酸メチル抽出量は0.3重量%であった。YMは15MPa、ΔHSは39、tanδの最大値は3.0(最大となる際の温度:24℃)であった。得られたポリマーの物性を表1に示す。
〔実施例5〕
重合器内の全圧が0.15MPaGになるようにプロピレンで加圧した以外は、実施例2と同様に重合を行った。
【0342】
得られたポリマーは46.9gで、ポリマー中のプロピレン含量は、38.0mol%であった。ポリマーのTmは観察されず、極限粘度[η]=1.44dl/gであった。GPCから得られた分子量分布は、Mw=295000、Mn=142000、Mw/Mn=2.09であった。酢酸メチル抽出量は0.2重量%であった。YMは80MPa、ΔHSは40、tanδの最大値は2.8(最大となる際の温度:25℃)であった。得られたポリマーの物性を表1に示す。
〔実施例6〕
重合器内の全圧が0.15MPaGになるようにプロピレンで加圧し、重合温度を60℃とした以外は、実施例2と同様に重合を行った。
【0343】
得られたポリマーは24.0gで、ポリマー中のプロピレン含量は、29.1mol%であった。ポリマーのTmは観察されず、極限粘度[η]=1.31dl/gであった。GPCから得られた分子量は、Mw=257000、Mn=124000、Mw/Mn=2.08であった。酢酸メチル抽出量は0.2重量%であった。YMは176MPa、ΔHSは24、tanδの最大値は2.5(最大となる際の温度:26℃)であった。得られたポリマーの物性を表1に示す。
【0344】
〔実施例7〕
重合器内の全圧が0.13MPaGになるようにプロピレンで加圧し、重合温度を60℃とした以外は、実施例1と同様に重合を行った。
【0345】
得られたポリマーは22.6gで、ポリマー中のプロピレン含量は、28.1mol%であった。ポリマーのTmは観察されず、極限粘度[η]=1.39dl/gであった。GPCから得られた分子量は、Mw=290000、Mn=138000、Mw/Mn=2.10であった。酢酸メチル抽出量は0.4重量%であった。YMは72MPa、ΔHSは31、tanδの最大値は2.2(最大となる際の温度:30℃)であった。得られたポリマーの物性を表1に示す。
【0346】
〔実施例8〕
重合器内に4−メチル−1−ペンテン100mlと、n−ヘキサン650mlを装入し、全圧が0.68MPaGになるようにプロピレンで加圧し、重合温度を60℃とした以外は、実施例4と同様に重合を行った。
【0347】
得られたポリマーは35.3gで、ポリマー中のプロピレン含量は、88.0mol%であった。ポリマーのTmは観察されず、極限粘度[η]=1.61dl/gであった。GPCから得られた分子量は、Mw=320000、Mn=153000、Mw/Mn=2.09であった。YMは33MPa、ΔHSは29、tanδの最大値は0.7(最大となる際の温度:6℃)であった。得られたポリマーの物性を表1に示す。
【0348】
〔実施例9〕
(1−メチル−3−t−ブチル−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−フルオレニル)ジルコニウムジクロリドの代わりに、ジ−p−クロロフェニレン(シクロペンタジエニル)(1,1,4,4,7,7,10,10−オクタメチル−1,2,3,4,7,8,9,10−オクタヒドロジベンズ(b,h)−フルオレニル)ジルコニウムジクロリドを用い、重合温度を60℃とした以外は、実施例2と同様に重合を行った。
【0349】
得られたポリマーは17.5gで、ポリマー中のプロピレン含量は、67.2mol%であった。ポリマーのTmは観察されず、極限粘度[η]は1.01dl/gであった。GPCから得られた分子量分布は、Mw=210000、Mn=104000、Mw/Mn=2.02であった。YMは1MPa、ΔHSは36、tanδの最大値は2.6(最大となる際の温度:20℃)であった。得られたポリマーの物性を表1に示す。
【0350】
〔実施例10〕
充分窒素置換した容量1.5リットルの攪拌翼付SUS製オートクレーブに、23℃で4−メチル−1−ペンテンを750ml装入した。このオートクレーブに、トリイソブチルアルミニウム(TIBAl)の1.0ミリモル/mlトルエン溶液を0.75ml装入し攪拌機を回した。次に、オートクレーブを内温60℃まで加熱し、全圧が0.15MPaGとなるようにエチレンで加圧した。続いて、予め調製しておいた、メチルアルミノキサンをAl換算で1.5ミリモル、ジ−p−クロロフェニレン(シクロペンタジエニル)(1,1,4,4,7,7,10,10−オクタメチル−1,2,3,4,7,8,9,10−オクタヒドロジベンズ(b,h)−フルオレニル)ジルコニウムジクロリドを0.005ミリモルの量で含むトルエン溶液0.1mlを窒素でオートクレーブに圧入し、重合を開始した。その後30分間、オートクレーブを内温60℃になるように温度調整した。重合開始30分後、オートクレーブにメタノール5mlを窒素で圧入し重合を停止し、オートクレーブを大気圧まで脱圧した。反応溶液にアセトンを攪拌しながら注いだ。得られた溶媒を含むゴム状の重合体を130℃、減圧下で12時間乾燥した。
【0351】
得られたポリマーは24.8gで、ポリマー中のエチレン含量は、21.0mol%であった。ポリマーのTmは観察されず、極限粘度[η]は1.0dl/gであった。GPCから得られた分子量は、Mw=205000、Mn=103000、Mw/Mn=1.99であった。YMは1MPa、ΔHSは20、tanδの最大値は0.7(最大となる際の温度:23℃)であった。得られたポリマーの物性を表1に示す。
【0352】
〔実施例11〕
重合器内の全圧が0.68MPaGになるようにエチレンで加圧した以外は、実施例10と同様に重合を行った。
【0353】
得られたポリマーは24.8gで、ポリマー中のエチレン含量は、35.0mol%であった。ポリマーのTmは観察されず、極限粘度[η]は1.7dl/gであった。GPCから得られた分子量はMw=335000、Mn=157000、Mw/Mn=2.13であった。YMは0.3MPa、ΔHSは30、tanδの最大値は2.7(最大となる際の温度:2℃)であった。得られたポリマーの物性を表1に示す。
【0354】
〔実施例12〕
充分窒素置換した容量1.5リットルの攪拌翼付SUS製オートクレーブに、23℃で4−メチル−1−ペンテンを750ml装入した。このオートクレーブに、トリイソブチルアルミニウム(TIBAl)の1.0ミリモル/mlトルエン溶液を0.75ml装入し攪拌機を回した。次に、ブテン−1を180g圧入した。オートクレーブを内温60℃まで加熱し、続いて予め調製しておいた、メチルアルミノキサンをAl換算で1ミリモル、ジフェニルメチレン(1−メチル−3−t−ブチル−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−フルオレニル)ジルコニウムジクロリドを0.01ミリモルの量で含むトルエン溶液0.75mlを窒素でオートクレーブに圧入し、重合を開始した。その後40分間、オートクレーブを内温60℃になるように温度調整した。重合開始40分後、オートクレーブにメタノール5mlを窒素で圧入し重合を停止し、オートクレーブを大気圧まで脱圧した。反応溶液にアセトンを攪拌しながら注いだ。得られた溶媒を含むゴム状の重合体を130℃、減圧下で12時間乾燥した。
【0355】
得られたポリマーは59.4gで、ポリマー中のブテン含量は、42.0mol%であった。ポリマーのTmは観察されず、極限粘度[η]は1.41dl/gであった。GPCから得られた分子量分布は、Mw=290000、Mn=145000、Mw/Mn=2.0であった。YMは140MPa、ΔHSは16、tanδの最大値は0.6(最大となる際の温度:5℃)であった。得られたポリマーの物性を表1に示す。
【0356】
〔実施例13〕
充分窒素置換した容量1.5リットルの攪拌翼付SUS製オートクレーブに、23℃で4−メチル−1−ペンテンを750mlと5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)を4.5ml装入した。このオートクレーブに、トリイソブチルアルミニウム(TIBAl)の1.0ミリモル/mlトルエン溶液を0.75ml装入し攪拌機を回した。次に、オートクレーブを内温60℃まで加熱し、全圧が0.63MPaGとなるようにエチレンで加圧した。続いて、予め調製しておいた、(C65)3CB(C65)4を0.020ミリモル、ジ−p−クロロフェニレン(シクロペンタジエニル)(1、1、4、4、7、7、10、10−オクタメチル−1、2、3、4、7、8、9、10−オクタヒドロジベンズ(b、h)−フルオレニル)ジルコニウムジクロリドを0.005ミリモルの量で含むトルエン溶液0.34mlを窒素でオートクレーブに圧入し、重合を開始した。その後30分間、オートクレーブを内温が60℃になるように温度調整した。重合開始30分後、オートクレーブにメタノール5mlを窒素で圧入し重合を停止し、オートクレーブを大気圧まで脱圧した。反応溶液にアセトンを攪拌しながら注いだ。得られた溶媒を含むゴム状の重合体を80℃、減圧下で12時間乾燥した。
【0357】
得られたポリマーは26.0gで、ポリマー中のエチレン含量は、53.4mol%、ENB含量は1.6mol%であった。ポリマーのTmは観察されず、極限粘度[η]は1.29dl/gであった。GPCから得られた分子量分布は、Mw=270000、Mn=123000、Mw/Mn=2.2であった。YMは1MPa、ΔHSは22、tanδの最大値は2.8(最大となる際の温度:−16℃)であった。得られたポリマーの物性を表1に示す。
【0358】
〔比較例1〕
充分窒素置換した容量1.5リットルの攪拌翼付SUS製オートクレーブに、23℃で4−メチル−1−ペンテンを750ml、装入した。このオートクレーブに、トリエチルアルミニウム(TEA)の1.0ミリモル/mlトルエン溶液を0.94ml装入し、水素ガス240Nmlを導入して攪拌機を回した。次に、オートクレーブを内温60℃まで加熱し、全圧が0.43MPaGとなるようにプロピレンで加圧した。続いて、特開2008−144155号公報を基に調整した固体状チタン触媒を0.013ミリモルの量で含むトルエン溶液を4.7ml窒素でオートクレーブに圧入し、重合を開始した。その後60分間、オートクレーブを内温が60℃になるように温度調整した。重合開始60分後、オートクレーブにメタノール5mlを窒素で圧入し重合を停止し、オートクレーブを大気圧まで脱圧した。反応溶液にアセトンを攪拌しながら注いだ。得られた溶媒を含むゴム状の重合体を130℃、減圧下で12時間乾燥した。
【0359】
得られたポリマーは77.1gで、ポリマー中のプロピレン含量は、85.0mol%であった。ポリマーのTmは146.1℃、極限粘度[η]は1.16dl/gであった。Mw/Mnは6.7、YMは153MPa、ΔHSは7、tanδの最大値は0.5(最大となる際の温度:8℃)であった。得られたポリマーの物性を表1に示す。
【0360】
ショアーA硬度の変化率およびtanδのピーク値から応力吸収性に劣っていることが分かる。
【0361】
〔比較例2〕
特開2008−144155号公報に記載の実施例5を参照にして4−メチル−1−ペンテン・1−ヘキセン共重合体を得た。
【0362】
ポリマー中のヘキセン含量は45.6mol%であり、ポリマーのTmは165℃、極限粘度[η]は2.3dl/g、酢酸メチル抽出量は1.5重量%、YMは153MPa、ΔHSは11、tanδの最大値は0.3(最大となる際の温度:1℃)であった。得られたポリマーの物性を表1に示す。
【0363】
酢酸メチル抽出量から成形性に、tanδのピーク値から応力吸収性に劣っていることが分かる。
【0364】
〔比較例3〕
市販されているポリ4−メチル−1−ペンテン(三井化学社製、TPX RT−18)を用いた。物性を表1に示す。機械特性から柔軟性に劣っていることが分かる。
【0365】
〔比較例4〕
市販されているポリ4−メチル−1−ペンテン(三井化学社製、TPX MX−002)を用いた。物性を表1に示す。tanδのピーク値から応力吸収性に劣っていることが分かる。
【0366】
〔比較例5〕
市販されているエチレン・プロピレン・α−オレフィン(4MP1以外のα-オレフィン)共重合体(三井化学社製、タフマーA4085)を用いた。物性を表1に示す。機械特性から柔軟性に、tanδのピーク値から応力吸収性に劣っていることが分かる。
【0367】
〔比較例6〕
市販されている水素添加スチレン・ブタジエン・スチレン共重合体(旭化成株式会社、タフテックH1041)を用いた。物性を表1に示す。
【0368】
ショアーA硬度の変化率、tanδのピーク値から応力吸収性に劣っていることが分かる。
【0369】
【表1-1】
【0370】
【表1-2】
【0371】
〔実施例14〕
実施例2で得られた4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体83重量部と、ヤスハラケミカル(株)社製テルペン系水素添加樹脂クリアロンP−125 17重量部を配合した。さらに、該組成物100重量部に対してチバ・ジャパン(株)社製ヒンダードフェノール系酸化防止剤Irganox1010を1000ppm、リン系加工熱安定剤Irgafos168を1000ppm、日油(株)社製カルシウムステアレートを500ppm配合した。その後、東洋精機社製ラボプラストミル(2軸バッチ式溶融混練装置)を用い、設定温度200℃で、樹脂仕込み量40g(装置バッチ容積=60cm3)、50rpm、5分間溶融混練後、取り出し20℃設定の冷却プレスでシートとし、これを適当な大きさに切断して測定用試料とした。また、該試料を用いてプレスシートを作成して、物性を測定した。各種測定結果を表2に示す。
【0372】
ショアーA硬度の変化値ΔHSが大きいことから応力吸収性に、tanδのピーク値(tanδ値:2.8、最大温度:20℃)から応力吸収性に優れていることが分かる。
【0373】
〔実施例15〕
実施例5で得られた4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体83重量部と、ヤスハラケミカル(株)社製テルペン系水素添加樹脂クリアロンP−125 17重量部を配合した。さらに、該組成物100重量部に対してチバ・ジャパン(株)社製ヒンダードフェノール系酸化防止剤Irganox1010を1000ppm、リン系加工熱安定剤Irgafos168を1000ppm、日油(株)社製カルシウムステアレートを500ppm配合した。その後、東洋精機社製ラボプラストミル(2軸バッチ式溶融混練装置)を用い、設定温度200℃で、樹脂仕込み量40g(装置バッチ容積=60cm3)、50rpm、5分間溶融混練後、取り出し20℃設定の冷却プレスでシートとし、これを適当な大きさに切断して測定用試料とした。また、該試料を用いてプレスシートを作成して、物性を測定した。各種測定結果を表2に示す。
【0374】
ショアーA硬度の変化値ΔHS(=20)が大きいことから応力吸収性に、tanδのピーク値(tanδ値:2.6、最大温度:28℃)から応力吸収性に優れていることが分かる。
【0375】
〔実施例16〕
実施例5で得られた4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体60重量部と、旭化成(株)社製水添スチレン系熱可塑性エラストマータフテックH1041を40重量部配合した。さらに、該組成物100重量部に対してチバ・ジャパン(株)社製ヒンダードフェノール系酸化防止剤Irganox1010を1000ppm、リン系加工熱安定剤Irgafos168を1000ppm、日油(株)社製カルシウムステアレートを500ppm配合した。その後、東洋精機社製ラボプラストミル(2軸バッチ式溶融混練装置)を用い、設定温度200℃で、樹脂仕込み量40g(装置バッチ容積=60cm3)、50rpm、5分間溶融混練後、取り出し20℃設定の冷却プレスでシートとし、これを適当な大きさに切断して測定用試料とした。また、該試料を用いてプレスシートを作成して、物性を測定した。各種測定結果を表2に示す。
【0376】
ショアーA硬度の変化値ΔHS(=22)が大きいことから応力吸収性に、tanδのピーク値(tanδ値:0.8、最大温度:22℃)から応力吸収性に優れていることが分かる。
【0377】
〔実施例17〕
実施例5で得られた4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体80重量部と、出光興産社製プロセスオイルPW−100 20重量部を配合した。さらに、該組成物100重量部に対してチバ・ジャパン(株)社製ヒンダードフェノール系酸化防止剤Irganox1010を1000ppm、リン系加工熱安定剤Irgafos168を1000ppm、日油(株)社製カルシウムステアレートを500ppm配合した。その後、東洋精機社製ラボプラストミル(2軸バッチ式溶融混練装置)を用い、設定温度200℃で、樹脂仕込み量40g(装置バッチ容積=60cm3)、50rpm、5分間溶融混練後、取り出し20℃設定の冷却プレスでシートとし、これを適当な大きさに切断して測定用試料とした。また、該試料を用いてプレスシートを作成して、物性を測定した。各種測定結果を表2に示す。
【0378】
ショアーA硬度の変化値ΔHSが大きいことから応力吸収性に、tanδのピーク値(tanδ値:3.3、最大温度:7℃)から応力吸収性に優れていることが分かる。
【0379】
〔実施例18〕
実施例5で得られた4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体60重量部と、出光興産社製プロセスオイルPW−100 40重量部を配合した。さらに、該組成物100重量部に対してチバ・ジャパン(株)社製ヒンダードフェノール系酸化防止剤Irganox1010を1000ppm、リン系加工熱安定剤Irgafos168を1000ppm、日油(株)社製カルシウムステアレートを500ppm配合した。その後、東洋精機社製ラボプラストミル(2軸バッチ式溶融混練装置)を用い、設定温度200℃で、樹脂仕込み量40g(装置バッチ容積=60cm3)、50rpm、5分間溶融混練後、取り出し20℃設定の冷却プレスでシートとし、これを適当な大きさに切断して測定用試料とした。また、該試料を用いてプレスシートを作成して、物性を測定した。各種測定結果を表2に示す。
【0380】
ショアーA硬度の変化値ΔHSが大きいことから応力吸収性に、tanδのピーク値(tanδ値:2.8、最大温度:−11℃)から応力吸収性に優れていることが分かる。
【0381】
【表2】
【0382】
〔実施例19〕
実施例2で得られた4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体20重量部と、(株)プライムポリマー社製ポリプロピレンF107P 80重量部を配合した。さらに、該組成物100重量部に対して、チバ・ジャパン(株)社製ヒンダードフェノール系酸化防止剤Irganox1010を1000ppm、リン系加工熱安定剤Irgafos168を1000ppm、日油(株)社製カルシウムステアレートを500ppm配合した。その後、東洋精機社製ラボプラストミル(2軸バッチ式溶融混練装置)を用い、設定温度200℃で、樹脂仕込み量40g(装置バッチ容積=60cm3)、50rpm、5分間溶融混練後、取り出し20℃設定の冷却プレスでシートとし、これを適当な大きさに切断して測定用試料とした。また、該試料を用いてプレスシートを作成して、物性を測定した。各種測定結果を表3に示す。
【0383】
伸びが大きいことから改質性、グロス変化率から磨耗性、軟化温度から耐熱性に優れていることが分かる。また透明性も損なわれていないことがわかる。
【0384】
〔実施例20〕
実施例2で得られた4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体40重量部と、(株)プライムポリマー社製ポリプロピレンF107P 60重量部を配合した。さらに、該組成物100重量部に対して、チバ・ジャパン(株)社製ヒンダードフェノール系酸化防止剤Irganox1010を1000ppm、リン系加工熱安定剤Irgafos168を1000ppm、日油(株)社製カルシウムステアレートを500ppm配合した。その後、東洋精機社製ラボプラストミル(2軸バッチ式溶融混練装置)を用い、設定温度200℃で、樹脂仕込み量40g(装置バッチ容積=60cm3)、50rpm、5分間溶融混練後、取り出し20℃設定の冷却プレスでシートとし、これを適当な大きさに切断して測定用試料とした。また、該試料を用いてプレスシートを作成して、物性を測定した。各種測定結果を表3に示す。
【0385】
伸びが大きいことから改質性、グロス変化率から磨耗性、軟化温度から耐熱性に優れていることが分かる。
【0386】
〔実施例21〕
実施例5で得られた4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体20重量部と、(株)プライムポリマー社製ポリプロピレンF107P 80重量部を配合した。さらに、該組成物100重量部に対して、チバ・ジャパン(株)社製ヒンダードフェノール系酸化防止剤Irganox1010を1000ppm、リン系加工熱安定剤Irgafos168を1000ppm、日油(株)社製カルシウムステアレートを500ppm配合した。その後、東洋精機社製ラボプラストミル(2軸バッチ式溶融混練装置)を用い、設定温度200℃で、樹脂仕込み量40g(装置バッチ容積=60cm3)、50rpm、5分間溶融混練後、取り出し20℃設定の冷却プレスでシートとし、これを適当な大きさに切断して測定用試料とした。また、該試料を用いてプレスシートを作成して、物性を測定した。各種測定結果を表3に示す。
【0387】
伸びが大きいことから改質性、グロス変化率から磨耗性、軟化温度から耐熱性に優れていることが分かる。
【0388】
〔実施例22〕
実施例2で得られた4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体20重量部と、ポリ4−メチル−1−ペンテン(三井化学株式会社製、TPX RT−18、単独重合体)80重量部を配合した。さらに、該組成物100重量部に対して、チバ・ジャパン(株)社製ヒンダードフェノール系酸化防止剤Irganox1010を1000ppm、リン系加工熱安定剤Irgafos168を1000ppm、日油(株)社製カルシウムステアレートを500ppm配合した。その後、東洋精機社製ラボプラストミル(2軸バッチ式溶融混練装置)を用い、設定温度260℃で、樹脂仕込み量40g(装置バッチ容積=60cm3)、50rpm、5分間溶融混練後、取り出し20℃設定の冷却プレスでシートとし、これを適当な大きさに切断して測定用試料とした。また、該試料を用いてプレスシートを作成して、物性を測定した。各種測定結果を表3に示す。
【0389】
伸びが大きいことから改質性、グロス変化率から磨耗性、軟化温度から耐熱性に優れていることが分かる。
【0390】
〔実施例23〕
実施例5で得られた4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体20重量部と、ポリ4−メチル−1−ペンテン(三井化学株式会社製、TPX RT−18)80重量部を配合した。さらに、該組成物100重量部に対して、チバ・ジャパン(株)社製ヒンダードフェノール系酸化防止剤Irganox1010を1000ppm、リン系加工熱安定剤Irgafos168を1000ppm、日油(株)社製カルシウムステアレートを500ppm配合した。その後、東洋精機社製ラボプラストミル(2軸バッチ式溶融混練装置)を用い、設定温度260℃で、樹脂仕込み量40g(装置バッチ容積=60cm3)、50rpm、5分間溶融混練後、取り出し20℃設定の冷却プレスでシートとし、これを適当な大きさに切断して測定用試料とした。また、該試料を用いてプレスシートを作成して、物性を測定した。各種測定結果を表3に示す。
【0391】
伸びが大きいことから改質性、グロス変化率から磨耗性、軟化温度から耐熱性に優れていることが分かる。また透明性も損なわれていないことがわかる。
【0392】
〔実施例24〕
実施例5で得られた4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体40重量部と、ポリ4−メチル−1−ペンテン(三井化学株式会社製、TPX RT−18)60重量部を配合した。さらに、該組成物100重量部に対して、チバ・ジャパン(株)社製ヒンダードフェノール系酸化防止剤Irganox1010を1000ppm、リン系加工熱安定剤Irgafos168を1000ppm、日油(株)社製カルシウムステアレートを500ppm配合した。その後、東洋精機社製ラボプラストミル(2軸バッチ式溶融混練装置)を用い、設定温度260℃で、樹脂仕込み量40g(装置バッチ容積=60cm3)、50rpm、5分間溶融混練後、取り出し20℃設定の冷却プレスでシートとし、これを適当な大きさに切断して測定用試料とした。また、該試料を用いてプレスシートを作成して、物性を測定した。各種測定結果を表3に示す。
【0393】
伸びが大きいことから改質性、グロス変化率から磨耗性、軟化温度から耐熱性に優れていることが分かる。また透明性も損なわれていないことがわかる。
【0394】
〔比較例7〕
比較例5に示したエチレン・α−オレフィン共重合体20重量部と、(株)プライムポリマー社製ポリプロピレンF107P 80重量部を配合した。さらに、該組成物100重量部に対して、チバ・ジャパン(株)社製ヒンダードフェノール系酸化防止剤Irganox1010を1000ppm、リン系加工熱安定剤Irgafos168を1000ppm、日油(株)社製カルシウムステアレートを500ppm配合した。その後、東洋精機社製ラボプラストミル(2軸バッチ式溶融混練装置)を用い、設定温度200℃で、樹脂仕込み量40g(装置バッチ容積=60cm3)、50rpm、5分間溶融混練後、取り出し20℃設定の冷却プレスでシートとし、これを適当な大きさに切断して測定用試料とした。また、該試料を用いてプレスシートを作成して、物性を測定した。各種測定結果を表3に示す。
【0395】
実施例に比べてグロス変化率が高く、透明性も損なわれていることがわかる。
【0396】
〔比較例8〕
比較例5に示したエチレン・α−オレフィン共重合体20重量部と、ポリ4−メチル−1−ペンテン(三井化学株式会社製、TPX RT−18)80重量部を配合した。さらに、該組成物100重量部に対して、チバ・ジャパン(株)社製ヒンダードフェノール系酸化防止剤Irganox1010を1000ppm、リン系加工熱安定剤Irgafos168を1000ppm、日油(株)社製カルシウムステアレートを500ppm配合した。その後、東洋精機社製ラボプラストミル(2軸バッチ式溶融混練装置)を用い、設定温度260℃で、樹脂仕込み量40g(装置バッチ容積=60cm3)、50rpm、5分間溶融混練後、取り出し20℃設定の冷却プレスでシートとし、これを適当な大きさに切断して測定用試料とした。また、該試料を用いてプレスシートを作成して、物性を測定した。各種測定結果を表3に示す。
【0397】
実施例に比べてグロス変化率が高く、透明性も低く、伸びも劣ることがわかる。
【0398】
【表3】
【0399】
〔実施例25〕
実施例1で得られた4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体90重量部と、(株)プライムポリマー社製ポリプロピレンF107P 10重量部を配合した。さらに、該組成物100重量部に対して、チバ・ジャパン(株)社製ヒンダードフェノール系酸化防止剤Irganox1010を1000ppm、リン系加工熱安定剤Irgafos168を1000ppm、日油(株)社製カルシウムステアレートを500ppm配合した。その後、東洋精機社製ラボプラストミル(2軸バッチ式溶融混練装置)を用い、設定温度200℃で、樹脂仕込み量40g(装置バッチ容積=60cm3)、50rpm、5分間溶融混練後、取り出し20℃設定の冷却プレスでシートとし、これを適当な大きさに切断して測定用試料とした。また、該試料を用いてプレスシートを作成して、物性を測定した。各種測定結果を表4に示す。
【0400】
ショアーA硬度の変化率(ΔHS=13)が大きく、tanδのピーク値(tanδ値:1.7、最大温度:6.4℃)が高いことから、応力吸収性に優れることがわかる。
【0401】
〔実施例26〕
実施例1で得られた4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体70重量部と、(株)プライムポリマー社製ポリプロピレンF107P 30重量部を配合した。さらに、該組成物100重量部に対して、チバ・ジャパン(株)社製ヒンダードフェノール系酸化防止剤Irganox1010を1000ppm、リン系加工熱安定剤Irgafos168を1000ppm、日油(株)社製カルシウムステアレートを500ppm配合した。その後、東洋精機社製ラボプラストミル(2軸バッチ式溶融混練装置)を用い、設定温度200℃で、樹脂仕込み量40g(装置バッチ容積=60cm3)、50rpm、5分間溶融混練後、取り出し20℃設定の冷却プレスでシートとし、これを適当な大きさに切断して測定用試料とした。また、該試料を用いてプレスシートを作成して、物性を測定した。各種測定結果を表4に示す。
【0402】
ショアーA硬度の変化率(ΔHS=8)が大きく、tanδのピーク値(tanδ値:0.9、最大温度:6.6℃)が高いことから、応力吸収性に優れることがわかる。
【0403】
〔実施例27〕
実施例1で得られた4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体80重量部と、(株)プライムポリマー社製プライムTPO M2606 20重量部を配合した。さらに、該組成物100重量部に対して、チバ・ジャパン(株)社製ヒンダードフェノール系酸化防止剤Irganox1010を1000ppm、リン系加工熱安定剤Irgafos168を1000ppm、日油(株)社製カルシウムステアレートを500ppm配合した。その後、東洋精機社製ラボプラストミル(2軸バッチ式溶融混練装置)を用い、設定温度200℃で、樹脂仕込み量40g(装置バッチ容積=60cm3)、50rpm、5分間溶融混練後、取り出し20℃設定の冷却プレスでシートとし、これを適当な大きさに切断して測定用試料とした。また、該試料を用いてプレスシートを作成して、物性を測定した。各種測定結果を表4に示す。
【0404】
ショアーA硬度の変化率(ΔHS=15)が大きく、tanδのピーク値(tanδ値:1.7、最大温度:6.3℃)が高いことから、応力吸収性に優れることがわかる。
【0405】
〔実施例28〕
実施例1で得られた4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体60重量部と、(株)プライムポリマー社製プライムTPO M2606 40重量部を配合した。さらに、該組成物100重量部に対して、チバ・ジャパン(株)社製ヒンダードフェノール系酸化防止剤Irganox1010を1000ppm、リン系加工熱安定剤Irgafos168を1000ppm、日油(株)社製カルシウムステアレートを500ppm配合した。その後、東洋精機社製ラボプラストミル(2軸バッチ式溶融混練装置)を用い、設定温度200℃で、樹脂仕込み量40g(装置バッチ容積=60cm3)、50rpm、5分間溶融混練後、取り出し20℃設定の冷却プレスでシートとし、これを適当な大きさに切断して測定用試料とした。また、該試料を用いてプレスシートを作成して、物性を測定した。各種測定結果を表4に示す。
【0406】
ショアーA硬度の変化率(ΔHS=10)が大きく、tanδのピーク値(tanδ値:1.0、最大温度:8.8℃)が高いことから、応力吸収性に優れることがわかる。
【0407】
〔実施例29〕
実施例1で得られた4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体70重量部と、三井化学(株)社製タフマーXM7070 30重量部を配合した。さらに、該組成物100重量部に対して、チバ・ジャパン(株)社製ヒンダードフェノール系酸化防止剤Irganox1010を1000ppm、リン系加工熱安定剤Irgafos168を1000ppm、日油(株)社製カルシウムステアレートを500ppm配合した。その後、東洋精機社製ラボプラストミル(2軸バッチ式溶融混練装置)を用い、設定温度200℃で、樹脂仕込み量40g(装置バッチ容積=60cm3)、50rpm、5分間溶融混練後、取り出し20℃設定の冷却プレスでシートとし、これを適当な大きさに切断して測定用試料とした。また、該試料を用いてプレスシートを作成して、物性を測定した。各種測定結果を表4に示す。
【0408】
ショアーA硬度の変化率(ΔHS=15)が大きく、tanδのピーク値(tanδ値:1.1、最大温度:6.4℃)が高いことから、応力吸収性に優れることがわかる。
【0409】
〔実施例30〕
実施例2で得られた4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体80重量部と、(株)プライムポリマー社製ポリプロピレンF107P 20重量部を配合した。さらに、該組成物100重量部に対して、チバ・ジャパン(株)社製ヒンダードフェノール系酸化防止剤Irganox1010を1000ppm、リン系加工熱安定剤Irgafos168を1000ppm、日油(株)社製カルシウムステアレートを500ppm配合した。その後、東洋精機社製ラボプラストミル(2軸バッチ式溶融混練装置)を用い、設定温度200℃で、樹脂仕込み量40g(装置バッチ容積=60cm3)、50rpm、5分間溶融混練後、取り出し20℃設定の冷却プレスでシートとし、これを適当な大きさに切断して測定用試料とした。また、該試料を用いてプレスシートを作成して、物性を測定した。各種測定結果を表4に示す。
【0410】
ショアーA硬度の変化率(ΔHS=17)が大きく、tanδのピーク値(tanδ値:1.1、最大温度:10℃)が高いことから、応力吸収性に優れることがわかる。
【0411】
〔実施例31〕
実施例3で得られた4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体80重量部と、ポリ4−メチル−1−ペンテン(三井化学株式会社製、TPX RT−18)20重量部を配合した。さらに、該組成物100重量部に対して、チバ・ジャパン(株)社製ヒンダードフェノール系酸化防止剤Irganox1010を1000ppm、リン系加工熱安定剤Irgafos168を1000ppm、日油(株)社製カルシウムステアレートを500ppm配合した。その後、東洋精機社製ラボプラストミル(2軸バッチ式溶融混練装置)を用い、設定温度260℃で、樹脂仕込み量40g(装置バッチ容積=60cm3)、50rpm、5分間溶融混練後、取り出し20℃設定の冷却プレスでシートとし、これを適当な大きさに切断して測定用試料とした。また、該試料を用いてプレスシートを作成して、物性を測定した。各種測定結果を表4に示す。
【0412】
ショアーA硬度の変化率(ΔHS=21)が大きく、tanδのピーク値(tanδ値:1.7、最大温度:12℃)が高いことから、応力吸収性に優れることがわかる。
【0413】
〔実施例32〕
実施例5で得られた4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体80重量部と、(株)プライムポリマー社製ポリプロピレンF107P 20重量部を配合した。さらに、該組成物100重量部に対して、チバ・ジャパン(株)社製ヒンダードフェノール系酸化防止剤Irganox1010を1000ppm、リン系加工熱安定剤Irgafos168を1000ppm、日油(株)社製カルシウムステアレートを500ppm配合した。その後、東洋精機社製ラボプラストミル(2軸バッチ式溶融混練装置)を用い、設定温度200℃で、樹脂仕込み量40g(装置バッチ容積=60cm3)、50rpm、5分間溶融混練後、取り出し20℃設定の冷却プレスでシートとし、これを適当な大きさに切断して測定用試料とした。また、該試料を用いてプレスシートを作成して、物性を測定した。各種測定結果を表4に示す。
【0414】
ショアーA硬度の変化率(ΔHS=24)が大きく、tanδのピーク値(tanδ値:1.9、最大温度:25℃)が高いことから、応力吸収性に優れることがわかる。
【0415】
〔実施例33〕
実施例5で得られた4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体80重量部と、ポリ4−メチル−1−ペンテン(三井化学株式会社製、TPX RT−18)20重量部を配合した。さらに、該組成物100重量部に対して、チバ・ジャパン(株)社製ヒンダードフェノール系酸化防止剤Irganox1010を1000ppm、リン系加工熱安定剤Irgafos168を1000ppm、日油(株)社製カルシウムステアレートを500ppm配合した。その後、東洋精機社製ラボプラストミル(2軸バッチ式溶融混練装置)を用い、設定温度260℃で、樹脂仕込み量40g(装置バッチ容積=60cm3)、50rpm、5分間溶融混練後、取り出し20℃設定の冷却プレスでシートとし、これを適当な大きさに切断して測定用試料とした。また、該試料を用いてプレスシートを作成して、物性を測定した。各種測定結果を表4に示す。
【0416】
ショアーA硬度の変化率(ΔHS=20)が大きく、tanδのピーク値(tanδ値:1.5、最大温度:25℃)が高いことから、応力吸収性に優れることがわかる。
【0417】
〔実施例34〕
実施例1で得られた4−メチル−1−ペンテン・α-オレフィン共重合体65重量部と、(株)クラレ社製水素添加スチレン・イソプレン・スチレン共重合体ハイブラー5127 35重量部を配合した。さらに、得られた混合物に対してチバ・ジャパン(株)社製ヒンダードフェノール系酸化防止剤Irganox1010を1000ppm、リン系加工熱安定剤Irgafos168を1000ppm、日油(株)社製カルシウムステアレートを500ppm配合した。これらを、東洋精機社製ラボプラストミル(2軸バッチ式溶融混練装置)を用い、設定温度200℃で、樹脂仕込み量40g(装置バッチ容積=60cm3)、50rpm、5分間の条件下で溶融混練した後、取り出し20℃設定の冷却プレスで冷却し、これを適当な大きさに切断して測定用試料とした。また、該試料を用いてプレスシートを作成して、物性を測定した。各種測定結果を表4に示す。
【0418】
ショアーA硬度の変化率(ΔHS=20)が大きく、tanδのピーク値(tanδ値:1.2、最大温度:16℃)が高いことから、応力吸収性に優れることがわかる。
【0419】
〔実施例35〕
実施例1で得られた4−メチル−1−ペンテン・α-オレフィン共重合体20重量部と、(株)クラレ社製水素添加スチレン・イソプレン・スチレン共重合体ハイブラー5127 80重量部を配合した。さらに、得られた混合物に対してチバ・ジャパン(株)社製ヒンダードフェノール系酸化防止剤Irganox1010を1000ppm、リン系加工熱安定剤Irgafos168を1000ppm、日油(株)社製カルシウムステアレートを500ppm配合した。これらを、東洋精機社製ラボプラストミル(2軸バッチ式溶融混練装置)を用い、設定温度200℃で、樹脂仕込み量40g(装置バッチ容積=60cm3)、50rpm、5分間の条件下で溶融混練した後、取り出し20℃設定の冷却プレスで冷却し、これを適当な大きさに切断して測定用試料とした。また、該試料を用いてプレスシートを作成して、物性を測定した。各種測定結果を表4に示す。
【0420】
ショアーA硬度の変化率(ΔHS=22)が大きく、tanδのピーク値(tanδ値:1.3、最大温度:19℃)が高いことから、応力吸収性に優れることがわかる。
【0421】
〔実施例36〕
実施例4で得られた4−メチル−1−ペンテン・α-オレフィン共重合体65重量部と、(株)クラレ社製水素添加スチレン・イソプレン・スチレン共重合体ハイブラー5127 35重量部を配合した。さらに、得られた混合物に対してチバ・ジャパン(株)社製ヒンダードフェノール系酸化防止剤Irganox1010を1000ppm、リン系加工熱安定剤Irgafos168を1000ppm、日油(株)社製カルシウムステアレートを500ppm配合した。これらを、東洋精機社製ラボプラストミル(2軸バッチ式溶融混練装置)を用い、設定温度200℃で、樹脂仕込み量40g(装置バッチ容積=60cm3)、50rpm、5分間の条件下で溶融混練した後、取り出し20℃設定の冷却プレスで冷却し、これを適当な大きさに切断して測定用試料とした。また、該試料を用いてプレスシートを作成して、物性を測定した。各種測定結果を表4に示す。
【0422】
ショアーA硬度の変化率(ΔHS=39)が大きく、tanδのピーク値(tanδ値:2.2、最大温度:24℃)が高いことから、応力吸収性に優れることがわかる。
【0423】
〔実施例37〕
実施例4で得られた4−メチル−1−ペンテン・α-オレフィン共重合体20重量部と、(株)クラレ社製水素添加スチレン・イソプレン・スチレン共重合体ハイブラー5127 80重量部を配合した。さらに、得られた混合物に対してチバ・ジャパン(株)社製ヒンダードフェノール系酸化防止剤Irganox1010を1000ppm、リン系加工熱安定剤Irgafos168を1000ppm、日油(株)社製カルシウムステアレートを500ppm配合した。これらを、東洋精機社製ラボプラストミル(2軸バッチ式溶融混練装置)を用い、設定温度200℃で、樹脂仕込み量40g(装置バッチ容積=60cm3)、50rpm、5分間の条件下で溶融混練した後、取り出し20℃設定の冷却プレスで冷却し、これを適当な大きさに切断して測定用試料とした。また、該試料を用いてプレスシートを作成して、物性を測定した。各種測定結果を表4に示す。
【0424】
ショアーA硬度の変化率(ΔHS=26)が大きく、tanδのピーク値(tanδ値:1.2、最大温度:21℃)が高いことから、応力吸収性に優れることがわかる。
【0425】
〔実施例38〕
実施例4で得られた4−メチル−1−ペンテン・α-オレフィン共重合体80重量部と、三井化学(株)社製ポリ1−ブテン(タフマーBL P5000)20重量部を配合した。さらに、得られた混合物に対してチバ・ジャパン(株)社製ヒンダードフェノール系酸化防止剤Irganox1010を1000ppm、リン系加工熱安定剤Irgafos168を1000ppm、日油(株)社製カルシウムステアレートを500ppm配合した。これらを、東洋精機社製ラボプラストミル(2軸バッチ式溶融混練装置)を用い、設定温度200℃で、樹脂仕込み量40g(装置バッチ容積=60cm3)、50rpm、5分間の条件下で溶融混練した後、取り出し20℃設定の冷却プレスで冷却し、これを適当な大きさに切断して測定用試料とした。また、該試料を用いてプレスシートを作成して、物性を測定した。各種測定結果を表4に示す。
【0426】
ショアーA硬度の変化率(ΔHS=26)が大きく、tanδのピーク値(tanδ値:1.4、最大温度:19℃)が高いことから、応力吸収性に優れることがわかる。
【0427】
〔実施例39〕
実施例4で得られた4−メチル−1−ペンテン・α-オレフィン共重合体90重量部と、三井化学(株)社製ポリ1−ブテン(タフマーBL P5000)10重量部を配合した。さらに、得られた混合物に対してチバ・ジャパン(株)社製ヒンダードフェノール系酸化防止剤Irganox1010を1000ppm、リン系加工熱安定剤Irgafos168を1000ppm、日油(株)社製カルシウムステアレートを500ppm配合した。これらを、東洋精機社製ラボプラストミル(2軸バッチ式溶融混練装置)を用い、設定温度200℃で、樹脂仕込み量40g(装置バッチ容積=60cm3)、50rpm、5分間の条件下で溶融混練した後、取り出し20℃設定の冷却プレスで冷却し、これを適当な大きさに切断して測定用試料とした。また、該試料を用いてプレスシートを作成して、物性を測定した。各種測定結果を表4に示す。
【0428】
ショアーA硬度の変化率(ΔHS=35)が大きく、tanδのピーク値(tanδ値:1.9、最大温度:20℃)が高いことから、応力吸収性に優れることがわかる。
【0429】
〔実施例40〕
実施例3で得られた4−メチル−1−ペンテン・α-オレフィン共重合体90重量部と、三井化学(株)社製ポリ1−ブテン(タフマーBL P5000)10重量部を配合した。さらに、得られた混合物に対してチバ・ジャパン(株)社製ヒンダードフェノール系酸化防止剤Irganox1010を1000ppm、リン系加工熱安定剤Irgafos168を1000ppm、日油(株)社製カルシウムステアレートを500ppm配合した。これらを、東洋精機社製ラボプラストミル(2軸バッチ式溶融混練装置)を用い、設定温度200℃で、樹脂仕込み量40g(装置バッチ容積=60cm3)、50rpm、5分間の条件下で溶融混練した後、取り出し20℃設定の冷却プレスで冷却し、これを適当な大きさに切断して測定用試料とした。また、該試料を用いてプレスシートを作成して、物性を測定した。各種測定結果を表4に示す。
【0430】
ショアーA硬度の変化率(ΔHS=32)が大きく、tanδのピーク値(tanδ値:1.8、最大温度:19℃)が高いことから、応力吸収性に優れることがわかる。
【0431】
〔実施例41〕
実施例4で得られた4−メチル−1−ペンテン・α-オレフィン共重合体90重量部と、(株)プライムポリマー社製ポリプロピレンE−200GP 10重量部を配合した。さらに、得られた混合物に対してチバ・ジャパン(株)社製ヒンダードフェノール系酸化防止剤Irganox1010を1000ppm、リン系加工熱安定剤Irgafos168を1000ppm、日油(株)社製カルシウムステアレートを500ppm配合した。これらを、東洋精機社製ラボプラストミル(2軸バッチ式溶融混練装置)を用い、設定温度200℃で、樹脂仕込み量40g(装置バッチ容積=60cm3)、50rpm、5分間の条件下で溶融混練した後、取り出し20℃設定の冷却プレスで冷却し、これを適当な大きさに切断して測定用試料とした。また、該試料を用いてプレスシートを作成して、物性を測定した。各種測定結果を表4に示す。
【0432】
ショアーA硬度の変化率(ΔHS=37)が大きく、tanδのピーク値(tanδ値:2.5、最大温度:22℃)が高いことから、応力吸収性に優れることがわかる。
【0433】
〔実施例42〕
実施例4で得られた4−メチル−1−ペンテン・α-オレフィン共重合体90重量部と、三井化学(株)社製ポリ1−ブテン共重合体 BL2481 10重量部を配合した。さらに、得られた混合物に対してチバ・ジャパン(株)社製ヒンダードフェノール系酸化防止剤Irganox1010を1000ppm、リン系加工熱安定剤Irgafos168を1000ppm、日油(株)社製カルシウムステアレートを500ppm配合した。これらを、東洋精機社製ラボプラストミル(2軸バッチ式溶融混練装置)を用い、設定温度200℃で、樹脂仕込み量40g(装置バッチ容積=60cm3)、50rpm、5分間の条件下で溶融混練した後、取り出し20℃設定の冷却プレスで冷却し、これを適当な大きさに切断して測定用試料とした。また、該試料を用いてプレスシートを作成して、物性を測定した。各種測定結果を表4に示す。
【0434】
ショアーA硬度の変化率(ΔHS=33)が大きく、tanδのピーク値(tanδ値:1.4、最大温度:20℃)が高いことから、応力吸収性に優れることがわかる。
【0435】
〔実施例43〕
実施例4で得られた4−メチル−1−ペンテン・α-オレフィン共重合体90重量部と、三井化学(株)社製タフマーXM7070 10重量部を配合した。さらに、得られた混合物に対してチバ・ジャパン(株)社製ヒンダードフェノール系酸化防止剤Irganox1010を1000ppm、リン系加工熱安定剤Irgafos168を1000ppm、日油(株)社製カルシウムステアレートを500ppm配合した。これらを、東洋精機社製ラボプラストミル(2軸バッチ式溶融混練装置)を用い、設定温度200℃で、樹脂仕込み量40g(装置バッチ容積=60cm3)、50rpm、5分間の条件下で溶融混練した後、取り出し20℃設定の冷却プレスで冷却し、これを適当な大きさに切断して測定用試料とした。また、該試料を用いてプレスシートを作成して、物性を測定した。各種測定結果を表4に示す。
【0436】
ショアーA硬度の変化率(ΔHS=33)が大きく、tanδのピーク値(tanδ値:2.4、最大温度:21℃)が高いことから、応力吸収性に優れることがわかる。
【0437】
〔比較例2〕
参考までに、比較例2も表4に示す。
【0438】
【表4-1】
【0439】
【表4-2】
【0440】
〔実施例44〕
実施例1で得られた4−メチル−1−ペンテン・α-オレフィン共重合体15重量部と、エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン三元共重合体[商品名:三井EPT3072EM、三井化学(株)製]140重量部に対して、加硫促進助剤として酸化亜鉛2種(商品名;酸化亜鉛2種、ハクスイテック株式会社製)を5重量部、加工助剤としてステアリン酸を1重量部、軟化剤として「ダイアナプロセスオイル PW−380」(商品名;出光興産株式会社製)を47重量部、カーボンブラック(商品名;シーストG116 東海カーボン株式会社製)を80重量部混練した。混練条件は、ローター回転数が50rpm、フローティングウェイト圧力が3kg/cm2、混練時間が5分間で行い、混練排出温度は145℃であった。次いで、上記配合物が温度40℃となったことを確認した後、14インチロールを用いて上記配合物に加硫促進剤として「サンセラーPZ」(商品名;三新化学工業株式会社製)を1.5重量部、加硫促進剤として「サンセラーTT」(商品名;三新化学工業株式会社製)を1.5重量部、加硫促進剤としてとして「サンセラーM」(商品名;三新化学工業株式会社製)を0.5重量部、加硫剤としてイオウを0.75重量部混練した。混練条件は、ロール温度を前ロール/後ロール=65℃/50℃、ロール回転数を前ロール/後ロール=13rpm/11.5rpm、ロール間隙を5mmとして混練時間8分間で分出しした。次に、この配合物からプレス成形機を用いて170℃で10分間加硫を行って、厚み2mmのゴムシートを調製して物性を測定した。各種測定結果を表5に示す。
【0441】
〔実施例45〕
実施例1で得られた4−メチル−1−ペンテン・α-オレフィン共重合体30重量部にした以外は実施例44と同様の操作を行い、厚み2mmのゴムシートを調製して物性を測定した。各種測定結果を表5に示す。
【0442】
〔実施例46〕
実施例4で得られた4−メチル−1−ペンテン・α-オレフィン共重合体15重量部にした以外は実施例44と同様の操作を行い、厚み2mmのゴムシートを調製して物性を測定した。各種測定結果を表5に示す。
【0443】
〔実施例47〕
実施例4で得られた4−メチル−1−ペンテン・α-オレフィン共重合体30重量部にした以外は実施例44と同様の操作を行い、厚み2mmのゴムシートを調製して物性を測定した。各種測定結果を表5に示す。
【0444】
〔比較例9〕
4−メチル−1−ペンテン・α-オレフィン共重合体を含有させなかった以外は実施例44と同様の操作を行い、厚み2mmのゴムシートを調製して物性を測定した。各種測定結果を表5に示す。
【0445】
【表5】
【0446】
〔重合例(AA−1)〕
充分窒素置換した容量1.5リットルの攪拌翼付SUS製オートクレーブに、23℃で4−メチル−1−ペンテンを750ml装入した。このオートクレーブに、トリイソブチルアルミニウム(TIBAl)の1.0ミリモル/mlトルエン溶液を0.75ml装入し攪拌機を回した。次に、オートクレーブを内温30℃まで加熱し、全圧が0.74MPaGとなるようにプロピレンで加圧した。続いて、予め調製しておいた、メチルアルミノキサンをAl換算で1ミリモル、ジフェニルメチレン(1−エチル−3−t−ブチル−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−フルオレニル)ジルコニウムジクロリドを0.005ミリモルの量で含むトルエン溶液0.34mlのトルエン溶液を窒素でオートクレーブに圧入し、重合を開始した。その後60分間、オートクレーブを内温60℃になるように温度調整した。重合開始60分後、オートクレーブにメタノール5mlを窒素で圧入し重合を停止し、オートクレーブを大気圧まで脱圧した。反応溶液にアセトンを攪拌しながら注いだ。得られた溶媒を含むゴム状の重合体を130℃、減圧下で12時間乾燥した。
【0447】
得られたポリマーは56.3gで、ポリマー中のプロピレン含量は、40.4重量%であった。ポリマーのTmは観察されず、極限粘度[η]は1.5dl/gであった。GPCから得られた分子量分布は、Mw=287000、Mn=144000、Mw/Mn=2.0、ΔHS=14であった。得られたポリマーの物性を表6に示す。
【0448】
〔重合例(AA−2)〕
充分窒素置換した容量1.5リットルの攪拌翼付SUS製オートクレーブに、23℃で4−メチル−1−ペンテンを750ml装入した。このオートクレーブに、トリイソブチルアルミニウム(TIBAl)の1.0ミリモル/mlトルエン溶液を0.75ml装入し攪拌機を回した。次に、オートクレーブを内温30℃まで加熱し、全圧が0.68MPaGとなるようにプロピレンで加圧した。続いて、予め調製しておいた、メチルアルミノキサンをAl換算で1ミリモル、ジフェニルメチレン(1−メチル−3−t−ブチル−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−フルオレニル)ジルコニウムジクロリドを0.005ミリモルの量で含むトルエン溶液0.34mlを窒素でオートクレーブに圧入し、重合を開始した。その後60分間、オートクレーブを内温60℃になるように温度調整した。重合開始60分後、オートクレーブにメタノール5mlを窒素で圧入し重合を停止し、オートクレーブを大気圧まで脱圧した。反応溶液にアセトンを攪拌しながら注いだ。得られた溶媒を含むゴム状の重合体を130℃、減圧下で12時間乾燥した。
【0449】
得られたポリマーは45.9gで、ポリマー中の4−メチル−1−ペンテン含量は、47.4重量%であった。ポリマーのTmは観察されず、極限粘度[η]は1.47dl/gであった。GPCから得られた分子量分布は、Mw=310000、Mn=155000、Mw/Mn=2.0、ΔHS=24であった。得られたポリマーの物性を表6に示す。
【0450】
〔重合例(AA−3)〕
重合器内の全圧が0.35MPaGになるようにプロピレンで加圧した以外は、重合例AA−2と同様に重合を行った。
【0451】
得られたポリマーは46.9gで、ポリマー中の4−メチル−1−ペンテン含量は、64.0重量%であった。ポリマーのTmは観察されず、極限粘度[η]=1.41dl/gであった。GPCから得られた分子量分布は、Mw=285000、Mn=143000、Mw/Mn=2.0、ΔHS=38であった。得られたポリマーの物性を表6に示す。
【0452】
〔重合例(AA−4)〕
重合器内の全圧が0.15MPaGになるようにプロピレンで加圧した以外は、重合例AA−2と同様に重合を行った。
【0453】
得られたポリマーは46.9gで、ポリマー中の4−メチル−1−ペンテン含量は、76.6重量%であった。ポリマーのTmは観察されず、極限粘度[η]=1.44dl/gであった。GPCから得られた分子量分布は、Mw=295000、Mn=142000、Mw/Mn=2.09、ΔHS=40であった。得られたポリマーの物性を表6に示す。
【0454】
〔重合例(AA−5)〕
重合器内の全圧が0.15MPaGになるようにプロピレンで加圧し、重合温度を60℃とした以外は、重合例AA−2と同様に重合を行った。
【0455】
得られたポリマーは24.0gで、ポリマー中の4−メチル−1−ペンテン含量は、83.0重量%であった。ポリマーのTmは観察されず、極限粘度[η]=1.31dl/gであった。GPCから得られた分子量は、Mw=257000、Mn=124000、Mw/Mn=2.08、ΔHS=24であった。得られたポリマーの物性を表6に示す。
【0456】
【表6】
【0457】
〔結晶性オレフィン樹脂(BB−1)〕
市販されているポリプロピレン(プライムポリマー社製、F107P)を用いた。ポリマーの物性を表7に示す。
【0458】
〔結晶性オレフィン樹脂(BB−2)〕
市販されているポリプロピレン(プライムポリマー社製、F327)を用いた。ポリマーの物性を表7に示す。
【0459】
〔結晶性オレフィン樹脂(BB−3)〕
充分に窒素置換した内容量500mlのガラス製オートクレーブにトルエン250mlを装入し、プロピレンを150リットル/時間の量で流通させ、25℃で20分間保持させておいた。一方、充分に窒素置換した内容量30mlの枝付きフラスコにマグネチックスターラーを入れ、これにメチルアルミノキサンのトルエン溶液(Al=1.53mol/l)を5.00mmol、次いでジベンジルメチレン(シクロペンタジエニル) (3,6-ジ-tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリドのトルエン溶液5.0μmolを加え、20分間攪拌した。この溶液を、プロピレンを流通させておいたガラス製オートクレーブのトルエンに加え、重合を開始した。プロピレンガスを150L/時間の量で連続的に供給し、常圧下、25℃で45分間重合を行った後、少量のメタノールを添加し重合を停止した。ポリマー溶液を大過剰のメタノールに加え、ポリマーを析出させ80℃で12時間、減圧乾燥を行った結果、ポリマー2.38gが得られた。得られたポリマーの物性を表7に示す。
【0460】
〔結晶性オレフィン樹脂(BB−4)〕
市販されているポリプロピレン(プライムポリマー社製、B241)を用いた。ポリマーの物性を表7に示す。
【0461】
〔結晶性オレフィン樹脂(BB−5)〕
市販されているポリプロピレン(プライムポリマー社製、E−200GP)を用いた。ポリマーの物性を表7に示す。
【0462】
【表7】
【0463】
〔α−オレフィン共重合体(CC−1)〕
充分に窒素置換した1000mlの重合装置に、1834mlの乾燥ヘキサン、1−オクテン1144gとトリイソブチルアルミニウム(1.0mmol)を常温で仕込んだ後、重合装置内温を80℃に昇温し、エチレンで、系内圧力を0.75MPaに調整した。次いで、ビス(p−トリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(1,1,4,4,7,7,10,10−オクタメチル−1,2,3,4,7,8,9,10−オクタヒドロジベンズ(b,h)−フルオレニル)ジルコニウムジクロリドを0.003mmolと、アルミニウム換算で0.15mmolのメチルアルミノキサン(東ソー・ファインケム社製)を接触させたトルエン溶液を重合器内に添加し、内温80℃、系内圧力を0.75MPaにエチレンで保ちながら60分間重合し、20mlのメタノールを添加し重合を停止した。脱圧後、4Lのメタノール中で重合溶液からポリマーを析出し、真空下130℃、12時間乾燥した。得られたポリマーは、75.0gであった。得られたポリマーの物性を表8に示す。
【0464】
〔α−オレフィン共重合体(CC−2)〕
充分に窒素置換した4000mlの重合装置に、1834mlの乾燥ヘキサン、トリイソブチルアルミニウム(1.0mmol)を常温で仕込んだ後、重合装置内温を80℃に昇温し、プロピレンで0.35MPaになるように昇圧した後にエチレンで、系内圧力を0.75MPaに調整した。次いで、ビス(p−トリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(1,1,4,4,7,7,10,10−オクタメチル−1,2,3,4,7,8,9,10−オクタヒドロジベンズ(b,h)−フルオレニル)ジルコニウムジクロリドを0.00015mmolと、アルミニウム換算で0.075mmolのメチルアルミノキサン(東ソー・ファインケム社製)を接触させたトルエン溶液を重合器内に添加し、内温80℃、系内圧力を0.75MPaにエチレンで保ちながら60分間重合し、20mlのメタノールを添加し重合を停止した。脱圧後、4Lのメタノール中で重合溶液からポリマーを析出し、真空下130℃、12時間乾燥した。得られたポリマーは、89.2gであった。得られたポリマーの物性を表8に示す。
【0465】
〔α−オレフィン共重合体(CC−3)〕
充分に窒素置換した4000mlの重合装置に、1834mlの乾燥ヘキサン、1−ブテン90gとトリイソブチルアルミニウム(1.0mmol)を常温で仕込んだ後、重合装置内温を80℃に昇温し、エチレンで、系内圧力を0.75MPaに調整した。次いで、ビス(p−トリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(1,1,4,4,7,7,10,10−オクタメチル−1,2,3,4,7,8,9,10−オクタヒドロジベンズ(b,h)−フルオレニル)ジルコニウムジクロリドを0.00015mmolと、アルミニウム換算で0.075mmolのメチルアルミノキサン(東ソー・ファインケム社製)を接触させたトルエン溶液を重合器内に添加し、内温80℃、系内圧力を0.75MPaにエチレンで保ちながら60分間重合し、20mlのメタノールを添加し重合を停止した。脱圧後、4Lのメタノール中で重合溶液からポリマーを析出し、真空下130℃、12時間乾燥した。得られたポリマーは、49.0gであった。得られたポリマーの物性を表8に示す。
【0466】
〔α−オレフィン共重合体(CC−4)〕
充分に窒素置換した4000mlの重合装置に、1834mlの乾燥ヘキサン、1−ブテン120gとトリイソブチルアルミニウム(1.0mmol)を常温で仕込んだ後、重合装置内温を60℃に昇温し、プロピレンで系内の圧力を0.56MPaになるように加圧した後に、エチレンで、系内圧力を0.75MPaに調整した。次いで、ジフェニルメチレン(3-tert-ブチル-5-メチル−シクロペンタジエニル)(2,7-ジ-tert-ブチル−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド0.001mmolとアルミニウム換算で0.3mmolのメチルアルミノキサン(東ソー・ファインケム社製)を接触させたトルエン溶液を重合器内に添加し、内温60℃、系内圧力を0.75MPaにエチレンで保ちながら20分間重合し、20mlのメタノールを添加し重合を停止した。脱圧後、4Lのメタノール中で重合溶液からポリマーを析出し、真空下130℃、12時間乾燥した。得られたポリマーは、102.5gであった。得られたポリマーの物性を表8に示す。
【0467】
〔α−オレフィン共重合体(CC−5)〕
充分に窒素置換した4000mlの重合装置に、1834mlの乾燥ヘキサン、1−ブテン110gとトリイソブチルアルミニウム(1.0mmol)を常温で仕込んだ後、重合装置内温を55℃に昇温し、プロピレンで系内の圧力を0.56MPaになるように加圧した後に、エチレンで、系内圧力を0.75MPaに調整した。次いで、ジフェニルメチレン(3-tert-ブチル-5-メチル−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−tert−ブチル−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド0.001mmolとアルミニウム換算で0.3mmolのメチルアルミノキサン(東ソー・ファインケム社製)を接触させたトルエン溶液を重合器内に添加し、内温55℃、系内圧力を0.75MPaにエチレンで保ちながら25分間重合し、20mlのメタノールを添加し重合を停止した。脱圧後、4Lのメタノール中で重合溶液からポリマーを析出し、真空下130℃、12時間乾燥した。得られたポリマーは、120.2gであった。得られたポリマーの物性を表8に示す。
【0468】
〔α−オレフィン共重合体(CC−6)〕
充分に窒素置換した2000mlの重合装置に、775mlの乾燥ヘキサン、1−ブテン135gとトリイソブチルアルミニウム(1.0mmol)を常温で仕込んだ後、重合装置内温を50℃に昇温し、プロピレンで0.7MPaに加圧した。次いで、ジメチルメチレン(3−tert−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル)フルオレニルジルコニウムジクロライド0.002mmolとアルミニウム換算で0.6mmolのメチルアルミノキサン(東ソー・ファインケム社製)を接触させたトルエン溶液を重合器内に添加し、内温50℃、プロピレン圧0.7MPaを保ちながら30分間重合し、20mlのメタノールを添加し重合を停止した。脱圧後、2Lのメタノール中で重合溶液からポリマーを析出し、真空下130℃、12時間乾燥した。得られたポリマーは、45.3gであった。得られたポリマーについて測定した物性を表8に示す。
【0469】
〔α−オレフィン共重合体(CC−7)〕
充分に窒素置換した2000mlの重合装置に、775mlの乾燥ヘキサン、1−ブテン300gとトリエチルアルミニウム(1.0mmol)を常温で仕込んだ後、水素ガス240Nmlを導入して重合装置内温を60℃に昇温し、プロピレンで0.7MPaに加圧した。次いで、調整した固体状チタン触媒を0.013ミリモルのトルエン溶液を重合器内に添加し、内温50℃、プロピレン圧0.7MPaを保ちながら30分間重合し、20mlのメタノールを添加し重合を停止した。脱圧後、2Lのメタノール中で重合溶液からポリマーを析出し、真空下130℃、12時間乾燥した。得られたポリマーは、65.3gであった。得られたポリマーについて測定した物性を表8に示す。
【0470】
【表8】
【0471】
〔実施例Y-1〕
4-メチル-1-ペンテン共重合体(AA−1)70重量部と、結晶性オレフィン樹脂(BB−4)20重量部と、オレフィン系共重合体(CC−3)10重量部を配合する。さらに、該組成物100重量部に対して、チバ・ジャパン(株)社製ヒンダードフェノール系酸化防止剤Irganox1010を1000ppm、リン系加工熱安定剤Irgafos168を1000ppm、日油(株)社製カルシウムステアレートを500ppm配合する。その後、東洋精機社製ラボプラストミル(2軸バッチ式溶融混練装置)を用い、設定温度200℃で、樹脂仕込み量40g(装置バッチ容積=60cm3)を、50rpm、5分間溶融混練後、取り出し20℃設定の冷却プレスでシートにし、これを適当な大きさに切断して測定用試料を作成した。また、該試料を用いてプレスシートを作成して、物性を測定した。各種物性の測定結果を表9に示す。
【0472】
機械物性から強度が、反発弾性率から応力吸収性が、それぞれ向上していることがわかる。
【0473】
〔実施例Y-2〕
4-メチル-1-ペンテン共重合体(AA−1)60重量部と、結晶性オレフィン樹脂(BB−4)20重量部と、オレフィン系共重合体(CC−3)20重量部を配合する。さらに、該組成物100重量部に対して、チバ・ジャパン(株)社製ヒンダードフェノール系酸化防止剤Irganox1010を1000ppm、リン系加工熱安定剤Irgafos168を1000ppm、日油(株)社製カルシウムステアレートを500ppm配合する。その後、東洋精機社製ラボプラストミル(2軸バッチ式溶融混練装置)を用い、設定温度200℃で、樹脂仕込み量40g(装置バッチ容積=60cm3)を、50rpm、5分間溶融混練後、取り出し20℃設定の冷却プレスでシートにし、これを適当な大きさに切断して測定用試料を作成した。また、該試料を用いてプレスシートを作成して、物性を測定した。各種物性の測定結果を表9に示す。
【0474】
機械物性から強度が、反発弾性率から応力吸収性が、それぞれ向上していることがわかる。
【0475】
〔実施例Y-3〕
4-メチル-1-ペンテン共重合体(AA−1)70重量部と、結晶性オレフィン樹脂(BB−5)10重量部と、オレフィン系共重合体(CC−6)20重量部を配合する。さらに、該組成物100重量部に対して、チバ・ジャパン(株)社製ヒンダードフェノール系酸化防止剤Irganox1010を1000ppm、リン系加工熱安定剤Irgafos168を1000ppm、日油(株)社製カルシウムステアレートを500ppm配合する。その後、東洋精機社製ラボプラストミル(2軸バッチ式溶融混練装置)を用い、設定温度200℃で、樹脂仕込み量40g(装置バッチ容積=60cm3)を、50rpm、5分間溶融混練後、取り出し20℃設定の冷却プレスでシートにし、これを適当な大きさに切断して測定用試料を作成した。また、該試料を用いてプレスシートを作成して、物性を測定した。各種物性の測定結果を表9に示す。
【0476】
機械物性から強度が、反発弾性率から応力吸収性が、それぞれ向上していることがわかる。
【0477】
〔実施例Y-4〕
4-メチル-1-ペンテン共重合体(AA−1)70重量部と、結晶性オレフィン樹脂(BB−5)20重量部と、オレフィン系共重合体(CC−6)10重量部を配合する。さらに、該組成物100重量部に対して、チバ・ジャパン(株)社製ヒンダードフェノール系酸化防止剤Irganox1010を1000ppm、リン系加工熱安定剤Irgafos168を1000ppm、日油(株)社製カルシウムステアレートを500ppm配合する。その後、東洋精機社製ラボプラストミル(2軸バッチ式溶融混練装置)を用い、設定温度200℃で、樹脂仕込み量40g(装置バッチ容積=60cm3)を、50rpm、5分間溶融混練後、取り出し20℃設定の冷却プレスでシートにし、これを適当な大きさに切断して測定用試料を作成した。また、該試料を用いてプレスシートを作成して、物性を測定した。各種物性の測定結果を表9に示す。
【0478】
機械物性から強度が、反発弾性率から応力吸収性が、それぞれ向上していることがわかる。
【0479】
〔実施例Y-5〕
4-メチル-1-ペンテン共重合体(AA−1)70重量部と、結晶性オレフィン樹脂(BB−5)20重量部と、オレフィン系共重合体(CC−7)10重量部を配合する。さらに、該組成物100重量部に対して、チバ・ジャパン(株)社製ヒンダードフェノール系酸化防止剤Irganox1010を1000ppm、リン系加工熱安定剤Irgafos168を1000ppm、日油(株)社製カルシウムステアレートを500ppm配合する。その後、東洋精機社製ラボプラストミル(2軸バッチ式溶融混練装置)を用い、設定温度200℃で、樹脂仕込み量40g(装置バッチ容積=60cm3)を、50rpm、5分間溶融混練後、取り出し20℃設定の冷却プレスでシートにし、これを適当な大きさに切断して測定用試料を作成した。また、該試料を用いてプレスシートを作成して、物性を測定した。各種物性の測定結果を表9に示す。
【0480】
機械物性から強度が、反発弾性率から応力吸収性が、それぞれ向上していることがわかる。
【0481】
〔実施例Y-6〕
4-メチル-1-ペンテン共重合体(AA−2)70重量部と、結晶性オレフィン樹脂(BB−1)20重量部と、オレフィン系共重合体(CC−3)10重量部を配合する。さらに、該組成物100重量部に対して、チバ・ジャパン(株)社製ヒンダードフェノール系酸化防止剤Irganox1010を1000ppm、リン系加工熱安定剤Irgafos168を1000ppm、日油(株)社製カルシウムステアレートを500ppm配合する。その後、東洋精機社製ラボプラストミル(2軸バッチ式溶融混練装置)を用い、設定温度200℃で、樹脂仕込み量40g(装置バッチ容積=60cm3)を、50rpm、5分間溶融混練後、取り出し20℃設定の冷却プレスでシートにし、これを適当な大きさに切断して測定用試料を作成した。また、該試料を用いてプレスシートを作成して、物性を測定した。各種物性の測定結果を表9に示す。
【0482】
機械物性から強度が、反発弾性率から応力吸収性が、それぞれ向上していることがわかる。
【0483】
〔実施例Y-7〕
4-メチル-1-ペンテン共重合体(AA−3)80重量部と、結晶性オレフィン樹脂(BB−2)4重量部と、オレフィン系共重合体(CC−4)16重量部を配合する。さらに、該組成物100重量部に対して、チバ・ジャパン(株)社製ヒンダードフェノール系酸化防止剤Irganox1010を1000ppm、リン系加工熱安定剤Irgafos168を1000ppm、日油(株)社製カルシウムステアレートを500ppm配合する。その後、東洋精機社製ラボプラストミル(2軸バッチ式溶融混練装置)を用い、設定温度200℃で、樹脂仕込み量40g(装置バッチ容積=60cm3)を、50rpm、5分間溶融混練後、取り出し20℃設定の冷却プレスでシートとし、これを適当な大きさに切断して測定用試料とした。また、該試料を用いてプレスシートを作成して、物性を測定した。各種物性の測定結果を表9に示す。
【0484】
機械物性から強度が、反発弾性率から応力吸収性が、それぞれ向上していることがわかる。
【0485】
〔実施例Y-8〕
4-メチル-1-ペンテン共重合体(AA−6)60重量部と、結晶性オレフィン樹脂(BB−2)8重量部と、オレフィン系共重合体(CC−4)32重量部を配合する。さらに、該組成物100重量部に対して、チバ・ジャパン(株)社製ヒンダードフェノール系酸化防止剤Irganox1010を1000ppm、リン系加工熱安定剤Irgafos168を1000ppm、日油(株)社製カルシウムステアレートを500ppm配合する。その後、東洋精機社製ラボプラストミル(2軸バッチ式溶融混練装置)を用い、設定温度200℃で、樹脂仕込み量40g(装置バッチ容積=60cm3)を、50rpm、5分間溶融混練後、取り出し20℃設定の冷却プレスでシートにし、これを適当な大きさに切断して測定用試料を作成した。また、該試料を用いてプレスシートを作成して、物性を測定した。各種物性の測定結果を表9に示す。
【0486】
機械物性から強度が、反発弾性率から応力吸収性が、それぞれ向上していることがわかる。
【0487】
〔実施例Y-9〕
4-メチル-1-ペンテン共重合体(AA−4)80重量部と、結晶性オレフィン樹脂(BB−3)3重量部と、オレフィン系共重合体(CC−5)17重量部を配合する。さらに、該組成物100重量部に対して、チバ・ジャパン(株)社製ヒンダードフェノール系酸化防止剤Irganox1010を1000ppm、リン系加工熱安定剤Irgafos168を1000ppm、日油(株)社製カルシウムステアレートを500ppm配合する。その後、東洋精機社製ラボプラストミル(2軸バッチ式溶融混練装置)を用い、設定温度200℃で、樹脂仕込み量40g(装置バッチ容積=60cm3)を、50rpm、5分間溶融混練後、取り出し20℃設定の冷却プレスでシートにし、これを適当な大きさに切断するなどして測定用試料を作成した。また、該試料を用いてプレスシートを作成して、物性を測定した。各種物性の測定結果を表9に示す。
【0488】
機械物性から強度が、反発弾性率から応力吸収性が向上していることがわかる。
【0489】
〔実施例Y-10〕
4-メチル-1-ペンテン共重合体(AA−4)60重量部と、結晶性オレフィン樹脂(BB−3)6重量部と、オレフィン系共重合体(CC−5)34重量部を配合する。さらに、該組成物100重量部に対して、チバ・ジャパン(株)社製ヒンダードフェノール系酸化防止剤Irganox1010を1000ppm、リン系加工熱安定剤Irgafos168を1000ppm、日油(株)社製カルシウムステアレートを500ppm配合する。その後、東洋精機社製ラボプラストミル(2軸バッチ式溶融混練装置)を用い、設定温度200℃で、樹脂仕込み量40g(装置バッチ容積=60cm3)を、50rpm、5分間溶融混練後、取り出し20℃設定の冷却プレスでシートにし、これを適当な大きさに切断して測定用試料を作成した。また、該試料を用いてプレスシートを作成して、物性を測定した。各種物性の測定結果を表9に示す。
【0490】
機械物性から強度が、反発弾性率から応力吸収性が、それぞれ向上していることがわかる。
【0491】
〔実施例Y-11〕
4-メチル-1-ペンテン共重合体(AA−4)60重量部と、結晶性オレフィン樹脂(BB−3)6重量部と、オレフィン系共重合体(CC−5)34重量部を配合する。さらに、該組成物100重量部に対して、チバ・ジャパン(株)社製ヒンダードフェノール系酸化防止剤Irganox1010を1000ppm、リン系加工熱安定剤Irgafos168を1000ppm、日油(株)社製カルシウムステアレートを500ppm配合する。その後、東洋精機社製ラボプラストミル(2軸バッチ式溶融混練装置)を用い、設定温度200℃で、樹脂仕込み量40g(装置バッチ容積=60cm3)を、50rpm、5分間溶融混練後、取り出し20℃設定の冷却プレスでシートにし、これを適当な大きさに切断して測定用試料を作成した。また、該試料を用いてプレスシートを作成して、物性を測定した。各種物性の測定結果を表9に示す。
【0492】
機械物性から強度が、反発弾性率から応力吸収性が向上していることがわかる。
【0493】
〔参考例y-1〕
4-メチル-1-ペンテン共重合体(AA−2)10重量部と、結晶性オレフィン樹脂(BB−2)80重量部と、オレフィン系共重合体(CC−1)10重量部を配合する。さらに、該組成物100重量部に対して、チバ・ジャパン(株)社製ヒンダードフェノール系酸化防止剤Irganox1010を1000ppm、リン系加工熱安定剤Irgafos168を1000ppm、日油(株)社製カルシウムステアレートを500ppm配合する。その後、東洋精機社製ラボプラストミル(2軸バッチ式溶融混練装置)を用い、設定温度200℃で、樹脂仕込み量40g(装置バッチ容積=60cm3)を、50rpm、5分間溶融混練後、取り出し20℃設定の冷却プレスでシートにし、これを適当な大きさに切断して測定用試料を作成した。また、該試料を用いてプレスシートを作成して、物性を測定した。各種物性の測定結果を表9に示す。
【0494】
〔比較例y-2〕
結晶性オレフィン樹脂(BB−1)70重量部と、オレフィン系共重合体(CC−1)30重量部を配合する。さらに、該組成物100重量部に対して、チバ・ジャパン(株)社製ヒンダードフェノール系酸化防止剤Irganox1010を1000ppm、リン系加工熱安定剤Irgafos168を1000ppm、日油(株)社製カルシウムステアレートを500ppm配合する。その後、東洋精機社製ラボプラストミル(2軸バッチ式溶融混練装置)を用い、設定温度200℃で、樹脂仕込み量40g(装置バッチ容積=60cm3)、50rpm、5分間溶融混練後、取り出し20℃設定の冷却プレスでシートにし、これを適当な大きさに切断して測定用試料を作成した。また、該試料を用いてプレスシートを作成して、物性を測定した。各種物性の測定結果を表9に示す。
【0495】
機械物性から強度が、反発弾性率から応力吸収性が、それぞれ劣っていることが分かる。
【0496】
〔参考例y-3〕
4-メチル-1-ペンテン共重合体(AA−1)40重量部と、結晶性オレフィン樹脂(BB−1)60重量部を配合する。さらに、該組成物100重量部に対して、チバ・ジャパン(株)社製ヒンダードフェノール系酸化防止剤Irganox1010を1000ppm、リン系加工熱安定剤Irgafos168を1000ppm、日油(株)社製カルシウムステアレートを500ppm配合する。その後、東洋精機社製ラボプラストミル(2軸バッチ式溶融混練装置)を用い、設定温度200℃で、樹脂仕込み量40g(装置バッチ容積=60cm3)を、50rpm、5分間溶融混練後、取り出し20℃設定の冷却プレスでシートにし、これを適当な大きさに切断して測定用試料を作成した。また、該試料を用いてプレスシートを作成して、物性を測定した。各種物性の測定結果を表9に示す。
【0497】
【表9-1】
【0498】
【表9-2】