【実施例】
【0054】
実施例1
廃糖蜜の2−ループ クロマトグラフィーSMB分離−残渣を含む部分(PARTS)
本方法の装置は、直列に結合された6本のカラム、供給ポンプ、再循環ポンプ、溶離水ポンプ、熱交換器、外来の液体のための流れ制御手段、並びに、種々のプロセスの流れのための入口及び生成物バルブを含んでいた。全てのカラムの高さは4mであり、直径は5.15mであった。SMBシステムの総樹脂体積は、6×83.3m
3=500m
3であった。カラム1は、各々2mの、2つの部分1a及び1bから構成されていた。カラムはNa
+形における強酸性ゲル形の陽イオン交換樹脂(ダウ 樹脂)で充填されていた。樹脂のジビニルベンゼン含量は、6.5%であり、樹脂の平均ビーズ径は、0.35mmであった。
分離の前に、糖蜜は、フィルター補助として珪藻土を使用してプレコート濾過された。オンライン(on−line)希釈が粘度が高い糖蜜のために使用された。供給物は以下で示されるように構成され、それによりパーセンテージが、乾燥物質の質量に基づいて示された。
【表1】
【0055】
分画は、以下に示されるような15−工程のSMBシーケンスを手段とする米国特許第6093326号明細書に従って行われた。分離の目的は、その中に含まれるスクロース及びベタインを分離することであった。供給物及び溶離液は80℃の温度で使用され、イオン交換水が溶離液として使用された。
工程1:供給溶液1.5m
3が流速160m
3/hで最初のカラム中へ供給され、再循環フラクションが最終カラム(カラム6)から収集された。
工程2:供給溶液5.0m
3が流速160m
3/hで最初のカラム中へ供給され、ベタインフラクションが4番目のカラムから収集された。同時に、溶離液4.9m
3が流速161m
3/hで5番目のカラム中へ供給され、再循環フラクションが最終カラム(カラム6)から収集された。
工程1及び2において、カラム1からの残余のフラクション(PART1)の1部分5.1m
3を、溶離液置換物として作用させるため及びカラム1,2及び5からの残余のフラクションにおいて、続く1ないし3シーケンス中より後に、システムから取り除くために、カラム2に移動された。対照の実行において、残余のR1がカラム1の底部から収集された。
【0056】
工程3:供給溶液3.0m
3が流速160m
3/hで最初のカラム中へ供給され、残余のフラクション(R4)が4番目のカラムから収集された。同時に、PART1の3m
3がカラム1からカラム2へ移動された。同時に、溶離液3m
3が流速164m
3/hで5番目のカラム中へ供給され、再循環フラクションが最終カラムから収集された。
工程4:供給物5.6m
3が流速94m
3/hで最初のカラム中へ供給され、残余のフラクション(R1)が同じカラムから収集された。同時に、溶離水10m
3が流速166m
3/hで2番目のカラム中へ供給され、残余のフラクション(R4)が4番目のカラムから収集された。同様に、同時に、溶離液12.7m
3が流速222m
3/hで5番目のカラム中へ供給され、スクロースフラクションが最終カラムから収集された。
工程5:供給物5.6m
3が流速91m
3/hで最初のカラム中へ供給され、残余のフラ
クション(R1)が同じカラムから収集された。同時に、溶離液11.8m
3が流速189m
3/hで2番目のカラム中へ供給され、スクロースフラクションが最終カラムから収集された。
工程6:溶離液8.8m
3が流速140m
3/hで最初のカラム中へ供給され、スクロースフラクションが最終カラムから収集された。
工程7:13m
3が、カラム1,2及び3で形成される、カラムループ内で、流速180m
3/hで循環された。同時に、5.4m
3が、カラム4,5及び6で形成される、カラムループ内で、流速72m
3/hで循環された。
工程8:8.4m
3が、カラム1,2及び3で形成される、カラムループ内で、流速180m
3/hで循環された。同時に、溶離水4m
3が流速85m
3/hで最終カラム(カラム6)中へ供給され、ベタインフラクションが5番目のカラムから収集された。
工程8において、カラム2からの残余のフラクション(PART2)の1部分4.2m
3が、溶離液置換物として作用させるため及びカラム4及び6からの残余のフラクションにおいて、続く1ないし3シーケンス中より後に、システムから取り除くために、カラム3に移動された。
【0057】
工程9:溶離水5.5m
3が流速175m
3/hで3番目のカラム中へ供給され、残余のフラクション(R2)が2番目のカラムから収集された。同時に、溶離液5.1m
3が流速180m
3/hで最終カラム中へ供給され、残余のフラクションが5番目のカラムから収集された。
工程10:溶離水8.3m
3が流速167m
3/hで最初のカラム中へ供給され、残余のフラクション(R2)が2番目のカラムから収集された。同時に、溶離液7.0m
3が流速140m
3/hで3番目のカラム中へ供給され、ベタインフラクションが同じカラムから収集された。同様に、同時に、溶離液8.1m
3が流速163m
3/hで最終カラム中へ供給され、残余のフラクション(R5)が5番目のカラムから収集された。
工程11:溶離水19.5m
3が流速172m
3/hで最初のカラム中へ供給され、ベタインフラクションが2番目のカラムから収集された。同時に、20.0m
3が、カラム4,5及び6で形成される、カラムループ内で、流速181m
3/hで循環された。
工程12:7.5m
3が、カラム1b、2及び3で形成される、カラムループ内で、流速186m
3/hで循環された。同時に、7.0m
3が、カラム4,5及び6で形成される、カラムループ内で、流速172m
3/hで循環された。
工程12において、カラム3からの残余のフラクション(PART3)の1部分12.3m
3を、溶離液置換物として作用させるため及び次の1ないし3シーケンス中より後に、システムから取り除くために、カラム1/下方部分(カラム1b)に移動された。
【0058】
工程13:2.0m
3が、カラム1b,2及び3で形成される、カラムループ内で、流速186m
3/hで循環された。同時に、溶離水2.0m
3が流速140m
3/hで4番目のカラム中へ供給され、ベタインフラクションが6番目のカラムから収集された。
工程14:溶離水14.5m
3が流速140m
3/hで4番目のカラム中へ供給され、残余のフラクション(R3)が3番目のカラムから収集された。
工程14において、カラム6からの残余のフラクション(PART6)の1部分14.5m
3を、溶離液置換物として作用させるため及び工程9及び10におけるカラム2及び5からの残余のフラクション及び工程2における再循環フラクションにおいて、続く1ないし3シーケンス中より後に、システムから取り除くために、カラム1bに移動させた。
工程15:21.6m
3が、カラム1,2及び3で形成される、カラムループ内で、流速178m
3/hで循環させた。同時に、24.5m
3が、カラム4,5及び6で形成される、カラムループ内で、流速200m
3/hで循環させた。
【0059】
システムの平衡の後、以下のフラクションがシステムから抜き取られた:カラム1、2、3、4及び5から残余のフラクション、最終カラムから再循環フラクション、最終カラ
ムからスクロース生成物フラクション及びカラム3、4、5及び6からベタイン生成物フラクション。再循環フラクションは、糖蜜の供給濃度に対する希釈のために使用された。合わせたフラクションのためのHPLC分析を含む結果を、以下の表E1−2に示した。試験の実行において、カラム1からの残余のフラクションの1部分である、PART1の5.1m
3を工程2及び3において、2番目のカラムに導入した。カラム2から、カラム2からの残余のフラクションの1部分である、PART2の4.2m
3を工程8において、3番目のカラムに導入した。カラム3から、カラム3からの残余のフラクションの1部分である、PART3の3.3m
3を工程12及び13において、カラム1の後半に導入した。カラム6から、カラム6からの残余のフラクションの1部分である、PART6の14.5m
3を工程14において、最初のカラムに導入した。W/F(供給物に対する水、体積/体積(vol/vol))比は4.5ないし4.0に減少した。
【表2】
【0060】
これらのフラクションから計算された総収率は、スクロース91.1%及びベタイン92.2%であった。参照の実行において、全ての残渣はシステムから取り出され、W/F(供給物に対する溶離水、vol/vol)比は4.5であった。
これらの新しい工程は、スクロース又はベタインフラクションの収率又は純度を低下させることなく、残余のフラクションの乾燥物質を上昇させる幾つかのシーケンスの後にバランスが達成される、再循環された乾燥物質のための内的なループを創造する。
種々の部分(PARTS)の化合物が完結するカラム及び工程の計算は、PART化合物(=残余の化合物)の前方が31.2%BVの維持体積を有すると仮定することでなされた。バンドのブロード化も同じように経験的に考慮に入れられた。SMBシステムにおけるPART化合物の移動は、溶離液としての水が、溶離液置換溶液(PART)により置き換えられる工程をはじめとして、カラムからカラムへ、工程ごとに、カラム空隙からカラムに導入される体積を差し引くことにより、計算された。この方法は、残余の化合物のプロファイル前方移動にとって非常に正確である。プロファイルのテーリングは推量であり、ある程度のテーリングが明白であるが、スクロース及びベタインフラクションを悪化させないことが、この実施例により証明された。
【0061】
実施例2
廃糖蜜の2−プロファイル クロマトグラフィーSMB分離−残渣を含む部分(PARTS)
本方法の装置は、直列に結合された4本のカラム、供給ポンプ、再循環ポンプ、溶離水ポンプ、熱交換器、外来の液体のための流れ制御手段、並びに、種々のプロセスの流れのための入口及び生成物バルブを含んでいた。全てのカラムの高さは5.5mであり、直径は5.1mであった。総樹脂床の体積は、4×110m
3=440m
3であった。全てのカラムは、各々の高さが2.75mの、2つの部分から構成されていた。カラムはNa
+形
における強酸性ゲル形の陽イオン交換樹脂(樹脂の1部はバイエル(Bayer)により及び1部はフィネックス オイ(Finex Oy)により製造された)で充填されていた。樹脂のジビニルベンゼン含量は、6.5%であり、樹脂の平均ビーズ径は、0.35mmであった。
分離の前に、糖蜜は、フィルター補助として珪藻土を使用してプレコート濾過された。オンライン(on−line)希釈が粘度が高い糖蜜のために使用された。供給物は以下で示されるように構成され、それによりパーセンテージが、乾燥物質の質量に基づいて示された。
【表3】
【0062】
分画は、以下に示されるような16−工程のSMBシーケンスを手段とする米国特許第6224776号明細書に従って行われた。分離の目的は、その中に含まれるスクロース及びベタインを分離及び回収することであった。供給物及び溶離液は80℃の温度で使用され、イオン交換水が溶離液として使用された。溶離水の1部分は、シーケンス中に、種々の段階における幾つかの工程において、幾つかの工程からの残余のフラクションの部分で、PART X(カラムXから持ち出される)と呼ばれる部分で置き換えられた。部分(PARTS)は、主にイオン性の成分、例えば、無機塩、有機酸及びアミノ酸を含み、表中、“その他”として言及された。
【0063】
工程1:供給溶液10m
3が流速70m
3/hで最初のカラム中へ供給され、再循環フラクションが最終カラム(カラム4)から収集された。
工程2:供給溶液4.8m
3が流速75m
3/hで最初のカラム中へ供給され、残余のフラクション(R1)が同じカラムから収集された。PART4の成分の1部分はR1中で取り除かれるだろう。同時に、溶離水3.5m
3が流速50m
3/hで2番目のカラム中へ供給され、スクロースフラクションが最終カラムから収集された。
2シークエンス前の工程7においてカラム1に移動されるPART4の1部分は、カラム1からの残余のフラクション(R1)として工程2において抜き取られた。PART4の残りは、以下の工程において以下の残余のフラクション(R1、R2、R3及びR4)中に抜き取られた。
工程3:供給溶液9.2m
3が流速60m
3/hで最初のカラム中へ供給され、残余のフラクション(R1)が同じカラムから収集された。同時に、溶離水13.5m
3が流速75m
3/hで2番目のカラム中へ供給され、残余のフラクション(R3)が3番目のカラムから収集された。PART2の成分はR3中に取り除かれるだろう。同様に、同時に、溶離水22.5m
3が流速120m
3/hで最終カラム中へ供給され、スクロースフラクションが同じカラムから収集された。
R3はPART2の7.8m
3を含み、工程9及び12において、カラム3に導入されるより2シーケンス遅れて、工程3において抜き取られるだろう。
工程4:溶離水9.8m
3が流速95m
3/hで4番目のカラム中へ供給され、残余のフラクション(R1)が最初のカラムから収集された。同時に、溶離水8.4m
3が流速85m
3/hで2番目のカラム中へ供給され、残余のフラクション(R3)が3番目のカラムから収集された。
工程5:9.0m
3が、全てのカラムで形成される、カラムループ内で、流速110m
3
/hで循環された。
カラム1中のPART2−1及びPART2−2は、工程9におけるPART2−1及び工程12におけるPART2−2の導入の後、続くシーケンスにおける工程5において、1つのPART2に広げられた。
【0064】
工程6:溶離水29m
3が流速115m
3/hで最初のカラム中へ供給され、ベタインフラクションが4番目のカラムから収集された。
工程7:溶離水8m
3が流速110m
3/hで3番目のカラム中へ供給され、残余のフラクション(R2)が2番目のカラムから収集された。同時に、PART4の8m
3(R4の1部分)が、溶離水と置き換えるためのPARTとして、カラム4からカラム1に移動された。
工程8:溶離水4.7m
3が流速100m
3/hで3番目のカラム中へ供給され、残余のフラクション(R4)が4番目のカラムから収集された。カラム1及び2は次の工程を待つ。
工程9:溶離水3m
3が流速100m
3/hで最初のカラム中へ供給され、残余のフラクション(R4)が4番目のカラムから収集され、全てのカラムは互いに直列に結合された。同時に、PART2−1 3m
3(R2の1部分)が、溶離液置換物として、カラム3に移動された。
工程10:溶離水9.5m
3が流速105m
3/hで最初のカラム中へ供給され、残余のフラクション(R2)が2番目のカラムから収集された。同時に、8.3m
3が流速75m
3/hで3番目のカラム中へ供給され、残余のフラクションが4番目のカラムから収集された。
工程11:溶離水1.2m
3が流速110m
3/hで3番目のカラム中へ供給され、残余のフラクション(R2)が2番目のカラムから収集された。
工程12:27.5m
3が、全てのカラムで形成される、カラムループ内で、流速120m
3/hで循環された。同時に、PART2−2の3m
3(R2の1部分)が、溶離液置換物として、カラム2からカラム3に移動された。
【0065】
システムの平衡の後、以下のフラクションがシステムから抜き取られた:カラム1(R1)、2(R2)、3(R3)、4(R4)から残余のフラクション、最終カラムからスクロース前方の再循環フラクション、最終カラムからスクロース生成物フラクション及び最終カラムからベタイン生成物フラクション。スクロース前方の再循環フラクションは、供給物の濃度を調整するために糖蜜の希釈のために使用された。合わせたフラクションのためのHPLC分析を含む結果を、以下の表E2−2に示した。試験の実行において、カラム4からのPART4の8m
3を工程7において最初のカラムに導入し、2番目のカラムからのPART2(PART2−1及びPART2−2)の6m
3を工程9及び12において、3番目のカラムに導入した。W/F(供給物に対する水、体積/体積(vol/vol))比は6.0ないし5.1に減少した。カラム2及び4からの分離プロファイル及び流出フラクションを
図1及び2に示した。
【表4】
【0066】
これらのフラクションから計算された総収率は、スクロース90.5%及びベタイン97.1%であった。参照の実行において、全ての残渣はシステムから取り出され、W/F(供給物に対する溶離水、vol/vol)比は6.0であった。部分(PARTS)の循環を使用することにより、溶離水の量は対照と比べて15%まで削減された。
これらの新しい工程は、スクロース又はベタインフラクションの収率又は純度を低下させることなく、残余のフラクションの乾燥物質を上昇させる幾つかのシーケンスの後にバランスが達成される、再循環された乾燥物質のための内的なループを創造する。
種々の部分(PARTS)(=残余のフラクションの1部分)の化合物が完結する位置(カラム)及び工程の計算は、PART化合物(=残余の化合物)の前方が34.5%BVの空隙を有すると仮定することでなされた。バンドのブロード化も経験的に考慮に入れられた。SMBシステムにおけるPART化合物の移動は、溶離液が、PART溶液により置き換えられる工程をはじめとして、カラムからカラムへ、工程ごとに、カラム空隙からカラムに導入される体積を差し引くことにより、計算された。この方法は、残余の化合物のプロファイル前方移動にとって非常に正確である。プロファイルのテーリングは推量であり、ある程度のテーリングが明白であるが、スクロース及びベタインフラクションを悪化させないことが、この実施例により証明された。
【0067】
実施例3
廃糖蜜のクロマトグラフィーSMB分離−ベタイン含有部分(PARTS)
本方法の装置は、直列に結合された3本のカラム、供給ポンプ、再循環ポンプ、溶離水ポンプ、熱交換器、外来の液体のための流れ制御手段、並びに、種々のプロセスの流れのための入口及び生成物バルブを含んでいた。装置はまた、溶離液置換タンク、ポンプ、ライン(lines)、流れ制御手段及び溶離水置換物として使用されるフラクションのためのバルブも含んでいた。全てのカラムの高さは5.0mであり、直径は0.111mであった。システムの総樹脂体積は、3×48.4L=145.2Lであった。カラムはNa
+形における強酸性ゲル形の陽イオン交換樹脂(フィネックス(Finex)により製造された)で充填されていた。樹脂のジビニルベンゼン含量は、5.5%であり、樹脂の平均ビーズ径は、0.33mmであった。
分離の前に、廃糖蜜は、イオン交換水で60質量%に希釈され、DSに基づき炭酸ナトリウム1.5%が添加された。溶液はその後、NaOHを用いて約pH9.7のpHにpH調整され、60℃に加熱され、混合の15時間の間に、40℃に冷却された。その後、廃糖蜜は、フィルター補助として珪藻土を使用してプレコート濾過された。プレコート量は、1kg/m
2であり、物体供給量は、DSに基づき0.5%であり、温度は60℃であった。最終のpH調整はHClを用いてpH8.6にされた。
分離試験のために、廃糖蜜は、更に78質量%まで蒸発させ、5μm袋フィルターを通
して濾過された。試験中、供給乾燥物質は、カラムに供給する前に、78質量%の廃糖蜜を分離タンク中に収集された再循環フラクションと混合することにより調整された。供給物は以下で示されるように構成され、それによりパーセンテージが、乾燥物質の質量に基づいて示された。
【表5】
【0068】
分画は、形成された分離プロファイルを逐次的疑似移動床(SMB)システムの樹脂床を通って2回循環し及び以下に示されるような17−工程のSMBシーケンスを使用することにより、米国特許第6896811号明細書中に記載される特定の方法様式を使用することにより、逐次的疑似移動床(SMB)の手段で行われた。分離の目的は、その中に含まれるスクロース及びベタインを分離することであった。供給物及び溶離液は80℃の温度で使用され、イオン交換水が溶離水として使用された。
工程1:供給溶液2.8Lが流速50L/hで最初のカラム中へ供給され、スクロース再循環フラクションが最終カラム(カラム3)から収集された。
工程2:供給溶液10.4Lが流速38L/hで最初のカラム中へ供給され、残余のフラクション(R1)が同じカラムから収集された。同時に、溶離水8.7Lが流速79L/hで2番目のカラム中へ供給され、再循環フラクションが最終カラム(カラム3)から収集された。
工程3:最初のカラムからの残余のフラクション(R1)の収集が続けられた。同時に、溶離水11.0Lが流速79L/hで2番目のカラム中へ供給され、スクロースフラクションが最終カラム(カラム3)から収集された。
工程4:供給溶液6.0Lが流速55L/hで最初のカラム中へ供給され、スクロースフラクションが最終カラムから収集された。
工程5:7.6Lが、全てのカラムで形成される、カラムループ内で、流速60L/hで循環された。
工程6:溶離水4.9Lが流速60L/hで3番目のカラム中へ供給され、残余のフラクション(R2)が2番目のカラムから収集された。
工程7:溶離水16.8Lが流速70L/hで3番目のカラム中へ供給され、
最初に、ベタイン−含有PART(B1)2.0L、その後、ベタインフラクション10.8L、及び最後に、ベタイン−含有PART(B2)4.0Lが最終カラムから収集された。PARTフラクションB1及びB2は同じタンク中に収集され、後に工程10において溶離液置換物として使用された。
【0069】
工程8:17.3Lが、全てのカラムで形成される、カラムループ内で、流速60L/hで循環された。該循環は、溶離水の置換物としてのPART(R)としてカラム3からの残余のフラクションの1部分を使用するために、対照試験より多い4L続けられた。PART(R)成分(塩、有機酸等)の前方の移動は、30%BVの維持体積を使用することにより計算される。
工程9:溶離水10.6Lが流速60L/hで最初のカラム中へ供給され、残余のフラクション(R3)が3番目のカラムから収集された。
工程10:タンクからのベタイン−含有PART(B1+B2)6.0Lが流速60L/hで溶離水置換物として最初のカラム中へ供給され、3番目のカラムからの残余のフラクションの収集が続けられた。
計算:目的は、糖蜜供給物の希釈のために使用されるべき、スクロース再循環フラクションにおける工程1及び2におけるカラム3からのPART(B1+B2)の化合物を、次のシーケンスの後半に、抜き取ることであった。
ベタインの維持体積は、床体積(BV)の66%であった。工程10におけるPART(B1+B2)のベタインは、96L(=0.66×145.21L)が、カラムにおいてPART(B1+B2)のベタインを前方に移動するために使用された時、カラム3の底部からの溶出が開始された。目的の体積は、スクロース再循環フラクションが収集される間に、工程1及び2における次のシーケンスにおいて到達された。
工程11:16.8Lが、全てのカラムで形成される、カラムループ内で、流速70L/hで循環された。
工程12:ループが開放され、溶離水7.6Lが流速65L/hで2番目のカラム中へ供給され、残余のフラクション(R1)が最初のカラムから収集された。
工程13:13.3Lが、全てのカラムで形成される、カラムループ内で、流速60L/hで循環された。
工程14:溶離水12.5Lが流速60L/hで3番目のカラム中へ供給され、残余のフラクション(R2)が2番目のカラムから収集された。
工程15:13.2Lが、全てのカラムで形成される、カラムループ内で、流速65L/hで循環された。
工程16:溶離水15.0Lが流速65L/hで最初のカラム中へ供給され、残余のフラクション(R3)が3番目のカラムから収集された。
工程17:10.7Lが、全てのカラムで形成される、カラムループ内で、流速65L/hで循環された。
【0070】
システムの平衡の後、以下のフラクションがシステムから抜き取られた:全てのカラムから2つの残余のフラクション、3番目のカラムから溶離液置換物として使用するためのベタイン−含有PARTフラクションB1及びB2、3番目のカラムから再循環フラクション、3番目のカラムからスクロース生成物フラクション及び3番目のカラムからベタイン生成物フラクション。合わせた残渣、再循環、スクロース、ベタイン及びPARTフラクションのためのHPLC分析を含む結果を、以下の表に示した。
【表6】
【0071】
これらのフラクションから計算された総収率は、スクロース97.2%及びベタイン8
9.3%であった。分離のための水/供給物(vol/vol)W/F比は4.5であった。実験において、ベタインフラクション中のベタイン含量は、ベタイン含有PARTフラクション(B1+B2)からスクロース再循環フラクションへベタインを循環し及び供給溶液に戻すことにより、増加された。合わせた残余のフラクションの濃度は、工程8及び11において分離システム内で残渣の最初の部分を循環することにより増加した。ベタイン及びベタイン含有PARTフラクションの循環を伴わない対照の実行において、ベタインの収率は73.1%であり、ベタイン含量はベタインフラクション中DSに基づき79.5%であり、合わせた残余のフラクションの体積は73.7Lであり、分離W/F(vol/vol)比は4.9であった。実験において使用された新しい溶離液の減少は、対照の実行と比べて9%であった。
【0072】
実施例4
廃糖蜜のクロマトグラフィーSMB分離−ベタイン含有部分(PARTS)
本方法の装置、SMBカラム、樹脂及び廃糖蜜の前処理は、実施例3におけるものと同様であった。試験における供給物は以下で示されるように構成され、それによりパーセンテージが、乾燥物質の質量に基づいて示された。
【表7】
【0073】
分画は、形成された分離プロファイルを逐次的疑似移動床(SMB)システムの樹脂床を通って2回循環し及び以下に示されるような16−工程のSMBシーケンスを使用することにより、米国特許第6896811号明細書中に記載される特定の方法様式を使用することにより、逐次的疑似移動床(SMB)の手段で行われた。分離の目的は、その中に含まれるスクロース及びベタインを分離することであった。供給物及び溶離液は80℃の温度で使用され、イオン交換水が溶離水として使用された。
【0074】
工程1:供給溶液2.8Lが流速50L/hで最初のカラム中へ供給され、スクロース再循環フラクションが最終カラム(カラム3)から収集された。
工程2:供給溶液10.4Lが流速33L/hで最初のカラム中へ供給され、最初に、ベタイン−含有PART(B1+R1)4.0L、その後、残余のフラクション6.4Lが同じカラムから収集された。同時に、溶離水19.4Lが流速79L/hで2番目のカラム中へ供給され、最初に、再循環フラクション8.7L、その後、スクロース再循環フラクション10.7Lが最終カラムから収集された。
工程3:供給溶液6.0Lが流速55L/hで最初のカラム中へ供給され、スクロースフラクションが最終カラムから収集された。
工程4:7.6Lが、全てのカラムで形成される、カラムループ内で、流速60L/hで循環された。
工程5:溶離水4.5Lが流速60L/hで3番目のカラム中へ供給され、残余のフラクションが2番目のカラムから収集された。
工程6:溶離水14.8Lが流速70L/hで3番目のカラム中へ供給され、
最初に、ベタイン−含有PART(B2)2.0L、その後、ベタインフラクション10
.8L、及び最後に、ベタイン−含有PART(B3)2.0Lが最終カラムから収集された。PARTフラクションは別のタンク中に収集され、溶離液置換物として使用された。
工程7:17.3Lが、全てのカラムで形成される、カラムループ内で、流速65L/hで循環された。該循環は、溶離水の置換物として濃度を薄める際にPART(R3)としてカラム3からの残余のフラクションの1部分を使用するために、対照試験より多い4L続けられた。PART(R3)成分(塩、有機酸等)の前方の移動は、30%BVの維持体積を使用することにより計算される。
【0075】
工程8:溶離水7.5Lが流速65L/hで最初のカラム中へ供給され、残余のフラクションが3番目のカラムから収集された。
工程9:ベタイン及び残余の成分を含むPART(B1+R1、B2、B3、B4+R3)11.0Lが流速60L/hで溶離水置換物として最初のカラム中へ供給され、3番目のカラムからの残余のフラクションの収集が続けられた。部分(PARTS)中の成分の移動の計算は、前の実施例におけるものと同様の方法で行われた。
工程10:16.8Lが、全てのカラムで形成される、カラムループ内で、流速70L/hで循環された。
工程11:溶離水4.1Lが流速65L/hで2番目のカラム中へ供給され、残余のフラクションが最初のカラムから収集された。
工程12:13.3Lが、全てのカラムで形成される、カラムループ内で、流速60L/hで循環された。
工程13:溶離水15.0Lが流速60L/hで3番目のカラム中へ供給され、残余のフラクションが2番目のカラムから収集された。
工程14:13.2Lが、全てのカラムで形成される、カラムループ内で、流速70L/hで循環された。
工程15:溶離水15.0Lが流速65L/hで最初のカラム中へ供給され、
最初に、ベタイン−含有PART(B4+R3)3.0L、その後、残余のフラクション12.0Lが3番目のカラムから収集された。PART(B4+R3)フラクションは別のタンク中に収集され、工程9において、溶離液置換物として使用された。
工程16:10.7Lが、全てのカラムで形成される、カラムループ内で、流速65L/hで循環された。
【0076】
システムの平衡の後、以下のフラクションがシステムから抜き取られた:全てのカラムから2つの残余のフラクション、最初の及び最終カラムから溶離液置換物として使用されるベタイン−含有PARTフラクション、最終カラムから再循環フラクション、最終カラムからスクロース生成物フラクション及び最終カラムからベタイン生成物フラクション。
合わせた残渣、再循環、スクロース、ベタイン及びPARTフラクションのためのHPLC分析を含む結果を、以下の表に示した。
【表8】
【0077】
これらのフラクションから計算された総収率は、スクロース96.9%及びベタイン88.4%であった。分離のためのW/F比(vol/vol)は4.2であった。実験において、ベタインフラクション中の濃度及びベタイン含量は、ベタイン含有PARTフラクション(4つの異なるPARTSとして)から再循環フラクションへベタインを循環し及び供給溶液に戻して循環することにより、増加された。実験において、残余のフラクションの濃度は、残余の成分をPARTフラクションから残余のフラクションへ循環することにより、増加した。残余のフラクションは、残余の成分の最初の部分を、工程7及び10において、分離システムの内部で循環させることにより更に濃縮された。ベタイン及び残渣を含有するPARTフラクションの取得及び再循環を伴わない対照の分離方法において、ベタインフラクション中のベタインの収率は73.1%のみであり、ベタイン含量はDSに基づき79.5%であり、合わせた残余の体積は73.7Lであり、分離W/F比は4.9であった。
部分(PARTS)の循環を使用することによる溶離液の量は、対照の実行と比べて18%削減された。
工業的スケールにおいて、部分(PARTS)のための別の仲介のタンクは、同じ供給糖蜜を用いる幾つかのSMBシステム操作に供給され得る。PARTフラクション中に存在する成分が、所望の生成物又は残余のフラクションの中に抜き取られ得る限りにおいて、異なる分離から収集されたPARTフラクションを使用することも可能である。例えば、他のベタイン糖蜜分離からのベタイン−含有の残余のフラクションは、PARTフラクションとしてここで使用され得る。
技術の進展として、発明の概念が種々の手段において実施され得ることは、当業者には自明である。本発明及びその態様は、上記の実施例に限定されるものでなく、請求の範囲内において変り得る。