(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5762384
(24)【登録日】2015年6月19日
(45)【発行日】2015年8月12日
(54)【発明の名称】箱型真空乾燥機
(51)【国際特許分類】
F26B 5/04 20060101AFI20150723BHJP
F26B 25/12 20060101ALI20150723BHJP
【FI】
F26B5/04
F26B25/12 B
【請求項の数】1
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-257042(P2012-257042)
(22)【出願日】2012年11月26日
(65)【公開番号】特開2014-105889(P2014-105889A)
(43)【公開日】2014年6月9日
【審査請求日】2013年10月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000226312
【氏名又は名称】日空工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001553
【氏名又は名称】アセンド特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】石上 裕
(72)【発明者】
【氏名】今野 晴敏
【審査官】
土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】
特開2004−150781(JP,A)
【文献】
特開2006−263285(JP,A)
【文献】
特開2008−289544(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F26B 5/04
F26B 25/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を有する密閉容器と、該密閉容器の開口を開閉する扉と、該扉を揺動可能に支持する揺動手段と、密閉容器内の雰囲気を排気するポンプとを備える箱型真空乾燥機であって、
前記揺動手段が、扉を支持するためのアームと、密閉容器の側壁の外面とアームとを連結し、密閉容器に対してアームを鉛直軸回りに揺動可能とする第1ヒンジと、アームと扉の側縁とを連結し、アームに対して扉を鉛直軸回りに揺動可能とする第2ヒンジと、第2ヒンジによって扉が閉方向に揺動してアームに対する扉の角度が所定の角度となる時に第2ヒンジによる揺動を規制してアームに対する扉の角度を所定の角度で維持するとともに、その規制を自在に解除できるロック機構と、第2ヒンジによって閉位置の扉が開方向に揺動するのを制限するストッパーとを有し、
前記第2ヒンジは、前記扉の側縁のうちで前記第1ヒンジに近い方の側縁と連結されることを特徴とする箱型真空乾燥機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開口を有する密閉容器と、密閉容器の開口を開閉する扉と、その扉を揺動可能に支持する揺動手段とを備えた箱型真空乾燥機に関する。詳しくは、扉の開閉に要するスペースを大幅に削減できる箱型真空乾燥機に関する。
【背景技術】
【0002】
被処理材を真空下で加熱して乾燥させる際に箱型真空乾燥機が利用される。その箱型真空乾燥機として、棚式の箱型真空乾燥機がある。
【0003】
図1は、従来の棚式箱型真空乾燥機を示す模式図であり、同図(a)は上面図、同図(b)は側面図である。同図に示す箱型真空乾燥機10は、開口を有する密閉容器20と、密閉容器20の開口を開閉するための2枚の扉30と、それらの扉30を開位置から閉位置まで揺動可能に支持する揺動手段(ヒンジ機構50)と、密閉容器20が設置されるベッド24とを備える。ここで、「閉位置」とは、扉を閉じた状態で扉が存在すべき位置を意味する。また、「開位置」とは、扉を開けた際に扉が揺動できる限界の位置を意味し、「開位置」は、一般的に、被処理材の出し入れが開口からスムーズに行えるように扉の開口の前方に扉が存在しない位置に適宜設定される。
【0004】
同図に示す箱型真空乾燥機10の揺動手段は、ヒンジ機構50である。そのヒンジ機構50は、ボルト(図示なし)によって密閉容器20の側壁の外面に固定された容器側連結部51と、溶接によって扉30の側縁に固定された扉側連結部52と、揺動中心となるピン53とで構成される。ピン53は扉側連結部52に固定され、そのピン53を容器側連結部51が揺動可能に支持する。これにより、揺動手段のヒンジ機構50によって扉30が開位置から閉位置まで揺動可能な状態で、密閉容器20の側壁が扉30に連結される。
【0005】
同図に示す揺動手段のヒンジ機構50は、扉30が開位置を超えて揺動するのを制限するため、ストッパー54(同図(a)参照、同図(b)では図示なし)が設けられている。同図に示す2枚の扉30は、いずれも閉位置に位置し、2枚の扉30のうちで右側の扉30(同図(a)では下側に位置する扉)の開位置を同図(a)に想像線で示す。
【0006】
また、同図に示す箱型真空乾燥機は、密閉容器20と扉30とを密着させるために閉位置の扉20を密閉容器30に押し付ける押し付け機構(図示なし)と、密閉容器20内の雰囲気を排気するポンプ(図示なし)と、被処理材が配置されたトレー(図示なし)を載置するために密閉容器20内に配設された複数の棚21とを備える。複数の棚21は、それぞれ内部に加熱用熱媒体(例えば温水や蒸気)が流通する構造となっており、同図に示す箱型真空乾燥機は、棚21に加熱用熱媒体を供給する配管22と、棚21の内部を流通した加熱用熱媒体を排出する配管23とを備える。
【0007】
このような構成の箱型真空乾燥機を用いた乾燥処理は、例えば、以下の手順により行うことができる。
(1)扉30を揺動させて開位置とした状態で被処理材を配置したトレーを棚21に載置した後、扉30を揺動させて閉位置に戻す。
(2)閉位置の扉30を押し付け機構(図示なし)によって密閉容器20に密着させた後、密閉容器20内の雰囲気をポンプ(図示なし)によって排気して減圧または真空とする。
(3)その状態で、棚21に加熱用熱媒体を流通させ、その伝熱・輻射によって被処理材を間接加熱して昇温させることにより、被処理材を乾燥させる。
【0008】
このような手順で乾燥処理が行われる箱型真空乾燥機は、真空下で加熱することから、低温にもかかわらず含水率を極めて低く抑えることができ、熱に弱い被処理材や酸化を嫌う被処理材の乾燥に好適である。
【0009】
箱型真空乾燥機に関して従来から種々の提案がなされており、例えば、特許文献1がある。特許文献1では、棚式の箱型真空乾燥機において、複数の棚を扉と組み合わせて床から支持するとともに、真空槽を台車構造として移動可能とすることが提案されている。これにより、台車構造の真空槽を移動させれば、複数の棚を真空槽から取り出すことができ、箱型真空乾燥機のメンテナンス性を向上できるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2004−150781号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
前述の通り、被処理材を真空下で加熱して乾燥させる際に箱型真空乾燥機が利用される。従来の箱型真空乾燥機では、ヒンジ機構の揺動手段によって扉を揺動可能に支持する場合がある。従来のヒンジ機構の揺動手段では、扉を開閉するため、具体的には、閉位置の扉を開位置まで揺動させるとともに開位置の扉を閉位置まで揺動させるため、一定のスペースを確保する必要がある。前記
図1に示す箱型真空乾燥機では、扉を開閉するため、密閉容器の開口から距離L内の領域に他の設備を設置等することができず、密閉容器の開口から距離L分のスペースを確保する必要がある。
【0012】
しかし、箱型真空乾燥機を設置する際、様々な制約によって上記距離Lを確保できない場合がある。このため、箱型真空乾燥機では、扉を開閉するために必要なスペースを削減することが望まれていた。
【0013】
前記特許文献1では、扉を開閉するために必要なスペースを削減することについて、検討されていない。
【0014】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、扉の開閉に要するスペースを大幅に削減できる箱型真空乾燥機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の要旨は、以下の通りである。
【0016】
開口を有する密閉容器と、該密閉容器の開口を開閉する扉と、該扉を揺動可能に支持する揺動手段と、密閉容器内の雰囲気を排気するポンプとを備える箱型真空乾燥機であって、前記揺動手段が、扉を支持するためのアームと、密閉容器の側壁の外面とアームとを連結し、密閉容器に対してアームを鉛直軸回りに揺動可能とする第1ヒンジと、アームと扉の側縁とを連結し、アームに対して扉を鉛直軸回りに揺動可能とする第2ヒンジと、第2ヒンジによって扉が閉方向に揺動してアームに対する扉の角度が所定の角度となる時に第2ヒンジによる揺動を規制してアームに対する扉の角度を所定の角度で維持するとともに、その規制を自在に解除できるロック機構と
、第2ヒンジによって閉位置の扉が開方向に揺動するのを制限するストッパーとを有
し、前記第2ヒンジは、前記扉の側縁のうちで前記第1ヒンジに近い方の側縁と連結されることを特徴とする箱型真空乾燥機。
【発明の効果】
【0018】
本発明の箱型真空乾燥機は、揺動手段がアーム、第1ヒンジおよび第2ヒンジを有することから、第2ヒンジと扉の先端(第1ヒンジと連結されていない側の側縁)との距離を短くした状態で扉を揺動できる。これにより、扉を揺動して開閉させるために必要な距離を大幅に削減できる。また、揺動手段がロック機構を有するので、扉を揺動して開閉させるための操作を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】従来の棚式箱型真空乾燥機を示す模式図であり、同図(a)は上面図、同図(b)は側面図である。
【
図2】本発明の箱型真空乾燥機の構成例を模式的に示す上面図であり、同図(a)は扉が閉位置にある状態、同図(b)は扉が揺動する際にロック機構が作動する位置にある状態をそれぞれ示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本発明の箱型真空乾燥機について、下記
図2に示す構成例を参照しながら説明する。
【0021】
図2は、本発明の箱型真空乾燥機の構成例を模式的に示す上面図であり、同図(a)は扉が閉位置にある状態、同図(b)は扉が揺動する際にロック機構が作動する位置にある状態をそれぞれ示す。同図に示す箱型真空乾燥機10は、前記
図1に示す箱型真空乾燥機において揺動手段を変更したものである。
【0022】
同図に示す箱型真空乾燥機の揺動手段は、扉を支持するためのL字型のアーム70と、密閉容器20に対してアーム70を鉛直軸回りに揺動可能とする第1ヒンジ60と、アーム70に対して扉30を鉛直軸回りに揺動可能とする第2ヒンジ80と、所定条件で第2ヒンジ80による揺動を規制してアーム70に対する扉30の角度を一定に維持するとともに、その規制を自在に解除できるロック機構とを有する。
【0023】
同図に示す第1ヒンジ60は、密閉容器20の側壁にボルト(図示なし)により固定された容器側連結部61と、第1ピン62と、アーム70とで構成される。第1ピン62はアーム70の端部に固定され、容器側連結部61が第1ピン62をその軸を鉛直にした状態で揺動可能に保持する。これにより、密閉容器20の側壁の外面とアーム70とが連結されるとともに、密閉容器20に対してアーム70が鉛直軸回りに揺動可能となる。
【0024】
同図に示す第2ヒンジ80は、アーム70と、第2ピン82と、扉30の側縁に溶接により固定された扉側連結部81とで構成される。第2ピン82は第1ピンと反対側のアーム70の端部に固定され、その第2ピン82に扉側連結部81が揺動可能に配設される。これにより、アーム70と扉30の側縁が連結されるとともに、アーム70に対して扉30が鉛直軸回りに揺動可能となる。
【0025】
このように本発明の箱型真空乾燥機は、揺動手段が第1ヒンジ60および第2ヒンジ80によって揺動可能とした状態でアーム70を介して扉30の側縁を支持する。
【0026】
ここで、本発明の箱型真空乾燥機では、第1ヒンジ60または第2ヒンジ80による揺動において、閉位置の扉30が密閉容器20の開口を超えることなく開口から遠ざかる方向を「開方向」とし、閉位置の扉30が密閉容器20の開口を超えて開口から遠ざかる方向を「閉方向」とする。同図(a)に第1ヒンジ60の開方向および閉方向をアーム70の両側に配置した矢印で示すとともに、第2ヒンジ80の開方向および閉方向を扉30の両側に配置した矢印で示す。同図に示す矢印には、開方向を示す矢印にハッチングを施し、閉方向を示す矢印にクロスハッチングを施す。
【0027】
同図に示す揺動手段のロック機構は、アーム70の表面であって扉側連結部81との接触面に配設されたアーム側穴91と、扉側連結部81の表面であってアーム70との接触面に配設された扉側穴92と、アーム側穴91に挿入されて上下動可能な状態で保持されているロック用のピン(図示なし)と、ピン(図示なし)を押し上げるリフト機構(図示なし)とで構成される。
【0028】
アーム側穴91と扉側穴92とは、第2ヒンジ80の揺動軸(第2ピン82の軸)からの距離が同じであるので、第2ヒンジ80によってアーム70に対して扉30が閉方向に揺動するとアーム側穴91の軸と扉側穴92の軸の位置が一致する時がある。この時、アーム側穴91に上下動可能な状態で保持されているピン(図示なし)が落下し、ピンの下部が扉側穴92に存在するとともにピンの上部がアーム側穴91に存在する状態となる。これにより、第2ヒンジ80によってアームに対して扉が30揺動するのが規制され、アーム70に対する扉30の角度がアーム側穴91の軸と扉側穴92の軸の位置が一致する角度で維持される。
【0029】
一方、ロック機構による規制の解除は、リフト機構(図示なし)で落下したピン(図示なし)を押し上げて扉側穴92から排出し、ピンをアーム側穴91のみに位置させることにより実現される。このように同図に示すロック機構は、第2ヒンジ80によって扉30が揺動してアーム70に対して扉30が所定の角度となる時に第2ヒンジ80による揺動を規制してアーム70に対する扉30の位置を所定の角度で維持するとともに、その規制を自在に解除できる。
【0030】
このような構成例を採用できる本発明の箱型真空乾燥機について、閉位置の扉を開位置まで揺動させる操作およびその際の揺動手段の動作を説明する。
【0031】
最初に、同図(a)に示すような閉位置の扉30を操作し、密閉容器20の開口と略平行な状態を維持しつつ扉30を揺動機構により支持される側縁側に移動させる。これにより、第1ヒンジ60によって密閉容器20に対してアーム70が開方向に揺動するとともに、第2ヒンジ80によってアーム70に対して扉30が閉方向に揺動する。やがて、同図(b)の右側扉30のようにアーム側穴91の軸と扉側穴92の軸の位置が一致し、その時にロック機構が動作することにより第2ヒンジ80の揺動が規制されてアーム70に対する扉30の角度が維持される。
【0032】
続いて、扉30を操作し、第1ヒンジ60によって密閉容器20に対してアームを開方向に揺動させると、それに伴って第2ヒンジ80によるアーム70に対する揺動が規制された扉30も揺動する。やがて、同図(b)に想像線で示す右側扉30のように扉30が閉位置に到達する。
【0033】
このように動作する揺動手段を備えた本発明の箱型真空乾燥機は、揺動手段が上述のアーム70、第1ヒンジ60および第2ヒンジ80を有する。これにより、閉位置の扉を開位置まで揺動させる際の初期に第1ヒンジ60によってアーム70を開方向に揺動させるとともに、第2ヒンジ80によって扉30を閉方向に揺動させることができる。これに伴って第2ヒンジ80の揺動中心と扉30の先端(第1ヒンジと連結されていない側の側縁)との距離が短くなる。その結果、閉位置の扉を開位置まで揺動させるために必要な距離Lを大幅に削減できる。
【0034】
同図(a)に示す従来の箱型真空乾燥機と比較すると、同図(b)に示す本発明の箱型真空乾燥機は、扉を閉位置から開位置まで揺動させるために確保する必要がある距離Lを約45%削減できる。
【0035】
また、本発明の箱型真空乾燥機は、揺動手段が上述のロック機構を有する。これにより、第1ヒンジ60によってアーム70を開方向に揺動させるとともに第2ヒンジ80によって扉30を閉方向に揺動させ、第2ヒンジ80と扉30の先端との距離が短くなった状態を維持できる。このため、その後の扉の操作、すなわち、第1ヒンジ60によってアーム70を開方向に揺動させるための扉の操作の際に、第2ヒンジ80によってアーム70に対して扉30が揺動することがない。したがって、本発明の箱型真空乾燥機は、閉位置の扉を開位置まで揺動させる操作を容易に行うことができ、例えば、片手で開閉操作することも可能となる。
【0036】
上記説明では、閉位置の扉を開位置に揺動させる操作およびその際の動作を例に説明した。一方、開位置の扉を閉位置に揺動させる操作は、逆の順序で閉位置の扉を開位置に揺動させる操作を行えば良く、開位置の扉を閉位置に揺動する際の動作は、扉を閉位置から開位置に揺動する際の動作と逆の順序となる。
【0037】
具体的には、同図(b)に想像線で示す右側扉30のような閉位置の扉30を操作し、第1ヒンジ60によって密閉容器20に対してアーム70を閉方向に揺動させ、それに伴って第2ヒンジ80によるアーム70に対する揺動が規制された扉30も揺動する。やがて、同図(b)に示す右側扉30のように、扉30と密閉容器20の開口が略平行な状態となる。
【0038】
続いて、ロック機構が有するリフト機構(図示なし)を操作し、第2ヒンジ80によるアーム70に対する扉30の揺動の規制を解除する。この状態で、扉30を第2ヒンジ80に連結されていない側縁側に移動するように操作すると、第1ヒンジ60によって密閉容器20に対してアーム70が閉方向に揺動するとともに、第2ヒンジ80によってアーム70に対して扉30が開方向に揺動する。やがて、扉30が閉位置に到達して同図(a)に示すような状態となる。
【0039】
このように開位置の扉が閉位置まで揺動する際も、本発明の箱型真空乾燥機は、揺動手段がアーム70、第1ヒンジ60および第2ヒンジ80を有することから、揺動のために必要な距離Lを大幅に削減できる。また、揺動手段がロック機構を有するので、閉位置の扉を開位置まで揺動させる操作を容易に行うことができる。
【0040】
本発明の箱型真空乾燥機では、第2ヒンジ80と扉30の先端との距離を短くすることによって扉30の開閉のために必要な距離Lを短くする観点から、ロック機構が第2ヒンジ80による揺動を規制する角度を可能な限り大きくするのが好ましい。ただし、ロック機構が第2ヒンジ80による揺動を規制する角度を大きくするのには、前記
図2に示すような構成例ではアーム70と扉30の干渉等から、限界がある点に留意する必要がある。
【0041】
本発明の箱型真空乾燥機は、揺動手段が、さらに、第2ヒンジ80によって閉位置の扉が開方向に揺動するのを制限する第2ストッパー83を有するのが好ましい。これにより、扉を開閉する際に誤操作を防止できるとともに、操作がより容易となる。
【0042】
本発明の箱型真空乾燥機は、揺動手段が、さらに、第1ヒンジ60によって扉30が開位置を超えて揺動するのを制限する第1ストッパー63を有するのが好ましい。これにより、扉を開位置で停止できるとともに、扉30やアーム70が密閉容器20の側壁と衝突するのを防止できる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明の箱型真空乾燥機によれば、前述の通り、扉を揺動して開閉させるために必要な距離を大幅に削減できるとともに、その操作を容易に行うことができる。このような本発明の箱型真空乾燥機は、医薬品や食品、化学工業薬品、電子材料等の乾燥処理に有効に利用することができる。
【符号の説明】
【0044】
10:箱型真空乾燥機、 20:密閉容器、 21:棚、
22:加熱用熱媒体の供給用配管、 23:加熱用熱媒体の排出用配管、
24:ベッド、 30:扉、 50:ヒンジ機構、 51:容器側連結部、
52:扉側連結部、 53:ヒンジ機構のピン、 54:ヒンジ機構のストッパー、
60:第1ヒンジ、 61:容器側連結部、 62:第1ピン、
63:第1ストッパー、 70:アーム、 80:第2ヒンジ、
81:扉側連結部、 82:第2ピン、 83:第2ストッパー、
91:アーム側穴、 92:扉側穴