(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5762404
(24)【登録日】2015年6月19日
(45)【発行日】2015年8月12日
(54)【発明の名称】マイクロコントローラをプログラミングする方法及び装置
(51)【国際特許分類】
H05B 37/02 20060101AFI20150723BHJP
【FI】
H05B37/02 J
【請求項の数】17
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-516925(P2012-516925)
(86)(22)【出願日】2010年6月21日
(65)【公表番号】特表2012-531702(P2012-531702A)
(43)【公表日】2012年12月10日
(86)【国際出願番号】IB2010052788
(87)【国際公開番号】WO2010150169
(87)【国際公開日】20101229
【審査請求日】2013年6月20日
(31)【優先権主張番号】09163617.5
(32)【優先日】2009年6月24日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(72)【発明者】
【氏名】ウェルナルス,ヨハネス ペトリュス
(72)【発明者】
【氏名】マイル,フィクトル
【審査官】
杉浦 貴之
(56)【参考文献】
【文献】
特開2003−208989(JP,A)
【文献】
特表2002−511727(JP,A)
【文献】
国際公開第2009/040718(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 37/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
AC電圧源からAC電圧電源線を介して消費装置にデータを送信する方法であって、
所定の基本周波数でAC電圧を生成する段階、
周波数変調を用いて前記基本周波数を変調し、変調周波数で前記AC電圧を生成する段階、
前記変調周波数を用いて生成したAC電圧により前記消費装置に前記データを送信する段階、
を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記消費装置は光源のためのドライバである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
1ビットの情報は、前記AC電圧とゼロ電圧とが交差する2つのゼロ交差の間の時間間隔に対応し、
前記基本周波数は、前記2つのゼロ交差の間で一定に保たれ、
前記基本周波数の値は、前記時間間隔の始めに選択される、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記2つのゼロ交差は、連続するゼロ交差である、
ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記基本周波数は、デ―タ・ビットの2つの可能な値を示す少なくとも2つの可能な周波数値のセットから選択され、
前記方法は、
(a)前記基本周波数の前記可能な周波数値のセットは、如何なる情報も送信されていないことを示す少なくとも1つの周波数値を有する、
(b)2つの可能な周波数値の間の比は、1.1よりも常に高い、
のうちの1又は複数の特徴を有する請求項3に記載の方法。
【請求項6】
各ゼロ交差で、前記基本周波数の値は、次のゼロ交差までの前記時間間隔の間に少なくとも1ビットの情報を送信するために、少なくとも2つの周波数値のセットから選択される、
ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記方法は、
少なくとも3つの異なる電源周波数、つまり公称周波数(fn)、該公称周波数(fn)より大きい第1のデータ周波数(f1)及び該公称周波数(fn)より大きく且つ該第1のデータ周波数(f1)より大きい第2のデータ周波数(f2)で定める段階;
を有し、
f1/fn≧1.1且つf2/f1≧1.1であり、
前記方法は、
−通常動作中、公称周波数(fn)で正弦波電源電圧を供給する段階;
−第1のゼロ交差と第2のゼロ交差との間のゼロ交差の数はゼロに等しく、第1の値を有するデータ・ビットを送信するために、該第1のゼロ交差から該第2のゼロ交差まで、前記第1のデータ周波数(f1)で正弦波電源電圧を供給する段階;
−第1のゼロ交差と第2のゼロ交差との間のセロ交差の数はゼロに等しく、第2の値を有するデータ・ビットを送信するために、該第1のゼロ交差から該第2のゼロ交差まで、前記第2のデータ周波数(f2)で正弦波電源電圧を供給する段階;
を有する請求項3に記載の方法。
【請求項8】
消費装置からAC電圧電源線を介してAC電圧源にデータを送信する方法であって、
前記電圧源から電流を引き出す段階、
前記電圧源から引き出された電流の振幅を変調し、振幅変調された電流を生成する段階、
前記振幅変調された電流を用いて前記電圧源に前記データを送信する段階、
を有することを特徴とする方法。
【請求項9】
前記消費装置は光源のためのドライバである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記変調する段階は、電流パルスを有しない少なくとも1つの時間期間を生成する段階を有する、
ことを特徴とする請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
前記変調する段階は、前記AC電圧源から出力されるAC電圧とゼロ電圧とが交差する2つの連続するゼロ交差の間の時間間隔の間に、電流に高周波数方形波ブロック信号を乗算する段階を有する、
ことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
AC電圧源と消費装置との間のAC電圧電源線を介した2方向通信のための方法であって、前記方法は、
請求項1乃至7の何れか一項に記載の方法を用いて前記AC電圧源から前記消費装置へデータを送信し、一方で同時に、請求項8乃至11の何れか一項に記載の方法を用いて前記消費装置から前記AC電圧源へデータを送信する段階、
を有する方法。
【請求項13】
電子ドライバ内の制御部をプログラミングするプログラミング装置であって、
当該プログラミング装置は、
前記電子ドライバに電力を供給するのに適したAC電源電圧を生成する制御可能な電圧源、
前記電圧源を制御するプログラミング制御部、
を有し、
前記プログラミング装置は、前記電子ドライバに電力を供給し且つ前記電子ドライバにデータを送信するために、請求項1に記載の方法を実行するようにされる、
ことを特徴とするプログラミング装置。
【請求項14】
前記電圧源から引き出された電流を検知する電流センサ、
を更に有し、
前記電流センサは、前記プログラミング制御部の検知入力に結合された出力を有し、
前記プログラミング制御部は、前記電流センサの出力信号から振幅変調された情報を復調するようにされる、
ことを特徴とする請求項13に記載のプログラミング装置。
【請求項15】
電子ドライバであって、
請求項13に記載のプログラミング装置から周波数変調された電源電圧を受信する入力端子、
を有し、
前記電子ドライバは:
−内部電源線に接続された電源入力端子を有し、データ入力端子を有する制御部;
−前記変調されたデータに相当する信号を前記変調された電源電圧から引き出すために、前記内部電源線に結合された引き出す手段;
を有し、
前記引き出す手段は、前記制御部の前記データ入力端子に結合された出力を有する、
ことを特徴とする電子ドライバ。
【請求項16】
前記引き出す手段は、抵抗性分圧器を有し、
前記制御部は、入力信号を変調するために、自身の入力で前記信号をサンプリングするようプログラミングされる、
ことを特徴とする請求項15に記載の電子ドライバ。
【請求項17】
前記電子ドライバの出力端子に結合された負荷、
を有し、
前記制御部は、前記入力端子から引き出された電流を制御するようにされ、
前記制御部は、請求項8に記載の方法を実行するようにされ、
前記制御部は、前記電源電圧と同期して電流パルスを生成するようにされる、
ことを特徴とする請求項15に記載の電子ドライバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、マイクロコントローラ又は同様のもの等に含まれる制御装置を有する電源により電力を供給される機器に関する。
【0002】
特定の実施形態では、本発明は、例えばLED又はガス放電ランプのような光源を駆動するドライバに関する。以下では、本発明は、特にこのようなドライバについて説明されるが、本発明の要点は多くの他の状況に適用されうることに留意すべきである。
【背景技術】
【0003】
図1は、光源2を駆動する電子ドライバ1を示す概略的なブロック図である。ドライバは電源から給電されている。特に、ドライバ1は、電源に接続するための入力端子3、4、及びランプ2に接続するための出力端子8、9を有する。当業者に知られているように、このような電子ドライバの幾つかの実施が可能である。このようなドライバは広く知られているので、ドライバの正確な設計は本発明の実施に関係なく、ドライバの設計の詳細な説明は本願明細書では省略される。しかしながら、基本的に、ドライバ1は該ドライバの動作を制御する制御装置10を有する。また、このような制御部は、プログラミングされることが可能である(つまり、ソフトウェア及び/又はメモリに格納されたパラメータの変更が可能である)。制御装置は、例えばCPU、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ等として実施されてもよく、以下では単に制御部として表される。
【0004】
ドライバ1が正確に機能するように、制御部10は設定され及び調整されるべきである。これは、通常製造者の試験設備内で行われる。設定及び調整の過程は、人間により行われてもよいが、コンピュータ(PC、ラップトップ)で実行するソフトウェア・アプリケーションとして実施されうる調整機器により行われてもよい。何れの場合の過程も、制御部に向かう及び制御部から戻ってくるデータの通信を必要とする。
【0005】
制御部10が未だドライバ内に組み込まれていないならば、制御部との通信は比較的容易である。しかしながら、制御部が内蔵状態になると、制御部と通信することは一層困難になる。外部から制御部にアクセスすることを可能にするためには、特別なピンを用いて制御部に物理的に接触することが必要であり、及び/又はドライバ1に別個のコネクタを設ける必要があってよい。しかしながら、これらの解決策は比較的コストがかかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第98/21803号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、上述の問題のための解決策を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
制御部へ向かう通信チャネルの必要性が基本的にドライバの製造段階でのみ必要であることを考慮すると、本発明の特別な目的は、ドライバの可能な限り少ない変更で、制御部と通信する簡易且つ安価な方法を提供することである。
【0009】
一態様では、本発明は、周波数の操作可能なAC電圧を提供できる制御可能な電源を提供する。特許文献1は、全国的にエネルギ消費システムを制御するために、幹線電源の周波数が操作されるシステムを記載している。このシステムは、1つの個別の電子ドライバを設定するのに適していないことが明らかである。可能な周波数変化は、最低限しかなく、信号の期間は非常に長くビット当たり数秒程度である。
【0010】
第2の態様では、本発明は、このような制御可能な電源を備えられた試験設備を提供する。該設備では、「操作可能な」幹線を有するドライバに電力を供給することが可能である。つまりAC電源電圧の周波数が変調される。周波数の変調はデータ転送の可能性を提供することが当業者に明らかである。
【0011】
第3の態様では、本発明は、周波数変調された幹線を復調可能なドライバを提供する。 第4の態様では、本発明は、電圧源から電力を受信する装置へ該電圧源から情報をダウンロードする方法を提供する。
【0012】
更に望ましくは、制御部は、特別な通信線を必要とせずに、プログラミング装置と逆方向の通信が可能である。従って、第5の態様では、本発明は、電圧源から引き出された電流を変調するように設計された制御部を有する電子ドライバを提供する。
【0013】
第6の態様では、本発明は、変調された電流を検出する電流センサを有する試験設備を提供する。
【0014】
第7の態様では、本発明は、電圧源から電力を受信する装置から該電圧源へ情報をアップロードする方法を提供する。
【0015】
第8の態様では、本発明は、電源線を介した2方向通信のための方法を提供する。
【0016】
更なる有利な詳細は、従属請求項で言及される。
【0017】
本発明の上述の及び他の態様、特徴及び利点は、図を参照して1又は複数の好適な実施形態の以下の記載を通じ更に説明される。図中の同一の参照符号は同一又は類似の部分を示す。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】電源から電力を供給される電子ドライバを示す概略的なブロック図である。
【
図2】電子ドライバのためのプログラミング装置を概略的に示す。
【
図3】プログラミング装置の出力電圧を時間の関数として示すグラフである。
【
図4】本発明による電子ドライバを説明するブロック図である。
【
図5】電源から引き出される電流を時間の関数として示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図2は、電子ドライバのためのプログラミング装置100を概略的に示す。プログラミング装置100は、プログラム制御装置20及び通常の幹線の代わりに電子ランプ・ドライバのために電源電圧Vsを供給するのに適した電圧源30を有する。従って、例えば、電圧源は、プログラミング装置100の出力端子108、109に接続される出力端子38、39で、約330Vの大きさを有する交流電圧を供給可能である。ランプ・ドライバ(又はこの電圧を受信する他の装置)の入力段では、入力電圧は先ず例えばダイオード・ブリッジにより整流され、当業者に明らかなようにランプ・ドライバ(又は他の装置)の適正な機能はAC入力電圧の周波数に殆ど又は全く依存しない。共通の電源及び特に通常の幹線では、この電源周波数は実質的に一定(つまり、欧州では50Hz)である。本発明の特定の態様は、データをランプ・ドライバ(又は他の装置)へ転送するために電源電圧周波数が変調されることである。この目的のために、電圧源30は制御入力31を有し、プログラム制御装置20は制御入力31に結合された制御出力21を有し、電圧源30は自身の制御入力31で受信した制御信号に従って自身の出力周波数を設定するように設計される。
【0020】
周波数変調は、当業者に知られているように多くの方法で実行され、本発明を実施するとき、基本的に全ての変調方式が適用されうる。しかしながら、本発明は、
図3を参照して説明される非常に簡単な変調方式も提案する。この方式では、電圧源30は、3つの異なる動作状態で動作しうる。これらの状態は異なる出力周波数により互いに区別される。第1の状態は、通常状態として示され、如何なるデータも転送されない。この状態では、出力電圧は第1の周波数、例えば50Hzを有する。第2の状態は、第1のデータ状態として示され、第1の値(例えば「1」)を有する1ビットのデータが転送される。この状態では、出力電圧は第1の周波数と明らかに区別可能な第2の周波数、例えば125Hzを有する。第3の状態は、第2のデータ状態として示され、第2の値(例えば「0」)を有する1ビットのデータが転送される。この状態では、出力電圧は、第1及び第2の周波数と明らかに区別可能な第3の周波数、例えば250Hzを有する。
【0021】
通信を目的として、共通の同一の長さの連続的な時間フレームを定めること、及び時間フレーム当たりの出力周波数を設定することが可能である。しかしながら、これはタイミング及び同期を必要とする。単純な実施形態では、データ・ユニットの長さは、ゼロ交差で開始しゼロ交差で終了する期間として、場合によっては間に所定数のゼロ交差を有する期間として定められる。従って、データ・ユニットは、360°の電圧信号に対応する時間期間を有してもよい。しかし、現在の好適な実施形態では、データ・ユニットは180°の電圧信号に対応する。これは、大きなデータ・レートを提供するだけでなく、デコードが容易であるという利点も提供する。
【0022】
図3は、例である状況において、出力電圧Vsを時間の関数として示すグラフである。最初に、プログラム制御装置20は如何なるデータも送信しない。電圧源30に対するプログラム制御装置20の制御信号Vcは、第1の値を有し、電圧源30を第1の状態で動作させ、出力電圧Vsが第1の周波数、例えば50Hzを有するようにする。時間t0で、プログラム制御装置20がデータを送信したいと仮定する。プログラム制御装置20は、データ・ビット「1」を示す第2の値を有する電圧源30のための制御信号Vcを生成する。それに応答して、電圧源30は、時間t1で次のゼロ交差で開始するのだが、第2の状態への遷移を行う。第2の状態では、電圧源30は第2の周波数、例えば125Hzで出力電圧Vsを生成する。電圧源30は、時間t2の次のゼロ交差まで、第2の状態のままである。従って、出力電圧Vsは第2の周波数で半周期又は180°の位相を示す。これは、本例では、時間t1及びt2の2つのゼロ交差の間の間隔が4msに等しいことを意味する。時間t2の後、電圧源30は、プログラム制御装置20からの次のコマンドに従う準備ができている。
【0023】
送信されるべきデータは、制御信号Vcの第3の値により示される第2のビット「0」を有すると仮定する。それに応答して、電圧源30は、時間t2のゼロ交差で開始して、第3の状態への遷移を行う。第3の状態では、電圧源30は第3の周波数、例えば250Hzで出力電圧Vsを生成する。電圧源30は、次のゼロ交差まで、第2の状態のままである。従って、出力電圧Vsは第3の周波数で半周期又は180°の位相を示す。これは、本例では、2つのゼロ交差の間の間隔が2msに等しいことを意味する。
【0024】
以上は全てのデータ・ビットに対して続けられる。図は、プログラム制御装置20が時間t3で準備され、電源30が第1の状態で動作し続け、10msに等しいゼロ交差間の時間間隔を有することを示す。1つのデータ・ビットの長さは、n*180°に対応してもよいことが明らかである。ここでnは任意の実数である。
【0025】
使用される周波数は必ずしも非常に正確にされる必要がないことが明らかである。例えば上述の例では、5ms又はそれより長い時間間隔に対応する100Hz又はそれより低い範囲の周波数は「如何なるデータもない」ことを示してもよく、時間間隔5ms乃至2.5msの間の時間間隔に対応する100Hz乃至200Hzの間の範囲の周波数はデータ「1」を示してもよく、2.5ms又はそれより長い時間間隔に対応する200Hz及びそれより高い範囲の周波数はデータ「0」を示してもよい。
【0026】
更に、データ・レートを増大させるために、2つより多くの異なるデータ周波数を用いることが可能である。例えば、4つの可能なデータ周波数から選択して用いることは、2つのデータ・ビットを同時に送信することを可能にする。
【0027】
図4は、
図1に相当するブロック図であり、本発明による電子ドライバ200を示す。
図4は、ドライバ200がプログラミング装置100の電圧源30により供給される電源電圧Vsを受信することを示している。ドライバ200は、整流器210、例えばダイオード・ブリッジを有する。整流器210は、ドライバ入力端子3、4に接続されAC電源電圧Vsを受信する入力端子211、212、及びドライバ200内で電源線205、206に接続された出力端子218、219を有する。制御部10は、場合によっては周波数成分を除去する平滑フィルタ(示されない)の後で整流された電源電圧を受信する前記電源線205、206に接続された電源端子15、16を有する。
【0028】
制御部10は殆どの共通制御部にとって標準的であるアナログ・データ入力11を有するとする。整流された電源電圧に相当する測定信号は、このアナログ・データ入力11に供給される。この測定信号は、電源線205、206の間に接続された2つの抵抗器221、222の直列構成により構成された抵抗性分圧器により提供される。制御部10は、適切なソフトウェア・プログラミングにより、自身の入力11で適切な高いサンプリング周波数で信号をサンプリングするよう、及びこの情報を処理して、例えば先ずゼロ交差間の時間間隔を導き出すことにより電源電圧により伝達されるデータを得るよう設計される。換言すると、制御部10は、周波数変調された電源電圧を復調するよう設計される。更に、制御部10は、当業者に明らかなように、このように受信されたデータを処理して自身の設定及び/又は構成を適応させるよう設計される。
【0029】
代替として、例えば制御部が如何なるアナログ・データ入力も有さない場合には、ドライバ200は追加データ・処理ユニットを有し、該追加データ・処理ユニットがアナログ入力で整流された幹線を受信し、データ・ビットを導き出し及びデータ・ビットを制御部のデジタル入力に供給することが可能である。しかし、これは追加のハードウェア構成要素を必要とするので一層高価である。一方で、上述の好適な実施形態は、制御部のソフトウェアで簡単に実施されうるという利点を有する。
【0030】
本発明の1つの可能な実施形態では、制御部10のプログラミングは、制約がない、つまり確認応答のようなフィードバックを有さない。好適な実施形態では、制御部10はプログラミング装置100への逆方向通信、及び電源線を用いることが可能である。通信は、単純な確認応答を含んでもよいが、状態報告又は現在の設定のリストを含んでもよい。如何なる場合も、電子ドライバ200は通信設備を有するべきである。
【0031】
勿論、電子ドライバ200は特定の高周波数の通信信号を電源電圧Vsに重畳させる装置を設けられることが可能である。このような信号は、プログラミング装置100により受信され処理されうる。しかしながら、これは複雑でありコストがかかる。これを回避するため、本発明は、制御部10のソフトウェアで実施されることが可能であるという魅力を有する解決策を提案する。この実施では、電子ドライバ200の出力8、9は適切な負荷、例えばランプ2に接続され、従って電子ドライバ200は出力電流を供給しその結果としてプログラミング装置から入力電流を引き出し、一方で更に制御部10がこの入力電流を変調するよう設計される。ドライバの入力電流のこの変調を検出できるように、プログラミング装置100は、電流センサ40を設けられてもよい。電流センサ40は、プログラミング装置の出力108、109に供給される出力電流を検知し、プログラム制御装置20の電流検知入力24に測定信号を供給する。プログラム制御装置20は、電流センサ40からの測定信号を処理して、制御部10により伝達されたデータを引き出すよう設計される(ソフトウェアでありうる)ことが、当業者に明らかである。
【0032】
電流変調に関する限り、制御部10は、負荷2に供給されるべき瞬間的な電流の大きさを決定する制御信号Scを供給する出力19を有することに留意すべきである。標準的には、電子ドライバ200は、この制御信号を受信し更なる電流制御を引き受ける力率較正器230を有する。このような力率較正器はそれ自体知られているので、更なる説明はここでは必要ない。以下の議論のため、制御信号Scは、通常、一定の平均電流レベルを示す一定値を有する信号であるとする。
【0033】
電流変調は、望ましくは振幅変調である。振幅変調は、当業者に知られているように多くの方法で実行され、本発明を実施するとき、基本的に全ての変調方式が適用されうる。しかしながら、本発明は、
図5を参照して説明される非常に簡単な変調方式も提案する。この方式では、変調は、十分に高い抑制周波数、例えば500Hzで電流を抑制することを含む。これは、500Hzの方形波の乗算と考えられてもよい。情報の各ビットは、電源電圧の2分の1周期、つまり2つの連続するゼロ交差の間の期間に対応する。ビット毎に、高周波数抑制信号は、存在したりしなかったりする。これは、容易に認識可能な1つのデータ・ビットに対する2つの異なる値に対応する。
【0034】
図5は、電圧源30から引き出された電流を時間の関数として示すグラフである。説明のための例として、プログラミング装置100は電子ドライバ200にデータを送信していないとする。従って電流は50Hzの公称周波数を有する。電流のゼロ交差は、t0、t1、t2、t3等で示される。連続するゼロ交差の間の時間間隔は、時間フレームとして示される。t0乃至t3の間の時間フレームで、制御部10はプログラミング装置100に如何なるデータも送信していない。従って電流波形は乱されていない。t3乃至t4の間の時間フレームでは、制御部10は電流パルスを生成することにより1ビットの情報(「0」)を送信している。このビットは、開始ビットとして解釈され、所定のビット数のシーケンスを開始する。t4乃至t5の間の時間フレームでは、制御部10は電流パルスを生成しないことにより1つのデータ・ビット(「1」)を送信している。一方でt5乃至t6の間の時間フレームでは、制御部10は電流パルスを生成することにより、1つのデータ・ビット(「0」)を送信している。
【0035】
纏めると、本発明は、電子ドライバ200内の制御部10をプログラミングするプログラミング装置100を提供する。プログラミング装置100は、電圧源30を制御するために、オフグリッドで電子ドライバ200及びプログラミング制御部20に電力を供給するのに適したAC電源電圧を生成する制御可能な電源30を有する。プログラミング装置100は、電子ドライバ200に電力を供給するため及び電子ドライバ200にプログラミング・データを送信するために、電源周波数を変調するように設計される。
【0036】
本発明は図面及び上述の説明で詳細に説明されたが、このような図面及び説明は説明及び例であり、本発明を限定するものではないことが当業者に明らかである。本発明は、開示された実施形態に限定されず、むしろ特許請求の範囲に定められた本発明の保護範囲の中で幾つかの変形及び変更が可能である。
【0037】
開示された実施例の他の変形は、図面、詳細な説明、及び請求項を読むことにより、当業者に理解され請求項に記載された発明を実施する際に実施されうる。請求項の中の用語「有する」は他の要素又は段階を排除しない。単数を表す語は複数を排除しない。単一のプロセッサ又は他の部分は、請求項に記載された複数の要素の機能を満たしてもよい。特定の手段が相互に異なる従属請求項で引用されることは、これら手段の組み合わせが効果的に利用できないことを示すものではない。請求項の如何なる参照符号も、本発明の範囲を制限しない。
【0038】
以上では、本発明は、本発明による装置の機能ブロックを図示するブロック図を参照して本願明細書に説明された。当該機能ブロックの1つ以上はハードウェアで実施されてもよく、当該機能ブロックの機能は個々のハードウェア構成要素により実行され、当該機能ブロックの1つ以上は代案としてソフトウェアで実施されてもよく、従って当該機能ブロックの機能はコンピュータ・プログラム又はマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタルシグナルプロセッサ等のようなプログラム可能な装置の1つ以上のプログラム行により実行されることが理解されるべきである。