【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様は、ワイヤレス電気通信ネットワークにおいてユーザ装置のためのフェムト基地局ハンドオーバ・ターゲットを識別する方法を提供しており、本方法は、フェムト基地局によってサーブされる地理的地域へのユーザ装置エントリの表示を受信するステップと、ユーザ装置エントリの受信された表示から生成されるユーザ装置エントリ情報を記憶するステップと、検出されたフェムト基地局をハンドオーバ・ターゲットとして識別するユーザ装置からのインジケータを受信するステップと、入っているユーザ装置を有するこれらのフェムト基地局をハンドオーバ・ターゲットとして識別するためにインジケータをユーザ装置エントリ情報に対して相互に関連付けるステップとを備える。
【0007】
第1の態様は、フェムト・セルの展開を伴う1つの問題が、フェムト基地局に割り付けられ得る一次スクランブリング・コード(primary scrambling codes)の数が限られ、また一般的に、6個の異なる使用可能な一次スクランブリング・コードと、16個の異なる使用可能な一次スクランブリング・コードとの間にあるようになることであることを認識する。一次スクランブリング・コードの選択は、一般的に、それらの近くで使用される他の一次スクランブリング・コードの測定値に基づいて、フェムト基地局それら自体によって自動的に構成されることになる。それゆえに、典型的なフェムト・セル展開においては、これらの一次スクランブリング・コードは、大いに再利用される必要があることになり、またこれは、次に、より詳細に説明されるように、マクロ基地局からフェムト基地局への、またはフェムト基地局の間のコールのハンドオーバについての問題を提示する。ユーザ装置は、その確立された信号の品質が、低下することが分かるので、ユーザ装置は、他の基地局を探索することができ、また隣接するフェムト基地局が、ずっと良い品質の信号を提供し、またそれゆえに、可能性のあるハンドオーバ・ターゲットであることを示す測定報告を生成することができる。したがって、そのターゲット・フェムト基地局に対するハンドオーバが、必要とされることを示すために、コア・ネットワークを経由してターゲット・フェムト基地局と通信しようと試みる必要性が存在することになる。測定報告は、それを識別する助けをする、その一次スクランブリング・コードなど、フェムト基地局ハンドオーバ・ターゲットの際立った特徴を含むことができる。しかしながら、フェムト基地局の数が、増大するにつれて、同じ際立った特徴を有するフェムト基地局の数が、増大し、それらのおのおのは、それゆえに、可能性のあるハンドオーバ・ターゲットとして準備される必要があることになる可能性が高い。しかしながら、そのようなアプローチは、非常にリソースを無駄にしてしまい、また展開されたフェムト基地局とユーザ装置との数が増大するにつれて、すぐに、管理できなくなってしまう可能性があることが、理解されるであろう。
【0008】
ユーザ装置エントリ・イベントを報告しているこれらのフェムト基地局を識別すること、およびユーザ装置測定報告によって提供される際立った特徴とその情報を相互に関連付けることにより、可能性のあるハンドオーバ・ターゲットとしてそれらを準備するために、信号が送信されることになる相手のフェムト基地局の数をかなり減少させることが可能である。例えば、信号が、送信されることになる相手のフェムト基地局の数を単一の固有のフェムト基地局にまで減少させることが可能なこともある。
【0009】
一実施形態においては、ユーザ装置からのインジケータは、一次スクランブリング・コードを備え、また本方法は、一次スクランブリング・コードに対応する仮想セルを備える1組のフェムト基地局を識別するステップをさらに備える。したがって、ユーザ装置によって識別される一次スクランブリング・コードの使用は、既存のネットワーク機能の再使用を可能にすることが、理解されるであろう。
【0010】
一実施形態においては、ユーザ装置エントリの表示は、フェムト基地局によって検出される増大された無線ノイズ・フロア(radio noise floor)の表示を備える。
【0011】
アクティブなユーザ装置が、フェムト基地局によってサーブされる地理的地域に入るときに、ユーザ装置と、フェムト基地局とによって経験される無線状態は、様々な変化を経験する。例えば、知覚された無線干渉の可能性が、増大することになることが、理解されるであろう。干渉の増大は、フェムト基地局によって検出される無線ノイズ・フロアにおける増大をもたらす可能性が高い。
【0012】
一実施形態においては、ユーザ装置エントリの表示は、送信データにおける増大されたエラー・レートについてのユーザ装置からの表示を備える。例えば、ブロック・エラー・レート、ビット・エラー・レート、または信号対雑音比の減少を含めて、干渉を示す任意の測定可能な特性を使用して、フェムト基地局によってサーブされるエリアへのアクティブなユーザ装置の可能なエントリを識別することができることが、理解されるであろう。
【0013】
一実施形態においては、ユーザ装置エントリの表示は、増大された受信されたフェムト基地局ブロードキャスト・チャネル信号強度についてのユーザ装置からの表示を備える。
【0014】
ユーザ装置が、フェムト基地局に近づくにつれて、そのフェムト基地局からの受信ブロードキャスト信号の強度は、増大することになることが、理解されるであろう。その増大をフェムト・セルに対するユーザ装置エントリのインジケータとして使用することが可能である。
【0015】
一実施形態においては、記憶されたユーザ装置エントリ情報は、ユーザ装置エントリを報告するこれらのフェムト基地局のリストを備える。
【0016】
一実施形態においては、フェムト基地局によってサーブされる地理的地域へのユーザ装置エントリの表示を受信するステップと、ユーザ装置エントリの受信された表示から生成される、ユーザ装置エントリ情報を記憶するステップとが、定期的に反復される。
【0017】
定期的にこれらのステップを反復することは、ネットワークにおける変化が、検出されることを可能にする。フェムト・セルへのユーザ装置の最近のエントリを示すようにセットされるフラグは、ユーザ装置が、最近にフェムト・セルに入っていることがもはや検出されないときに、アップデートされることが可能である。アクティブなハンドオーバのためのターゲットを決定する際に、ユーザ装置エントリの最近の発生だけが、特定の関連性を有することが、理解されるであろう。上記でリストアップされるこれらのステップの定期的な反復は、記憶されたユーザ装置エントリ情報が、ユーザ装置エントリを最近になって報告しているこれらのフェムト基地局だけを反映するようにアップデートされることを可能にすることができる。
【0018】
一実施形態においては、本方法は、ハンドオーバ・ターゲットとして識別されるこれらのフェムト基地局に対してハンドオーバ準備メッセージを送信するステップをさらに備える。それに応じて、ひとたびハンドオーバ・ターゲットの組が識別された後に、ハンドオーバ準備メッセージは、これらの識別されたハンドオーバ・ターゲットだけに対して送信されることが可能であり、それによってネットワークを通しての不必要な信号を最小にする。
【0019】
第2の態様は、コンピュータの上で実行されるときに、第1の態様の方法ステップを実行するように動作可能なコンピュータ・プログラム・プロダクトを提供する。
【0020】
第3の態様は、ワイヤレス電気通信ネットワークにおいてユーザ装置のためのフェムト基地局ハンドオーバ・ターゲットを識別するように動作可能なフェムト・ゲートウェイを提供しており、フェムト・ゲートウェイは、フェムト基地局によってサーブされる地理的地域へのユーザ装置エントリの表示を受信するように動作可能なユーザ装置エントリ受信ロジック(user equipment entry reception logic)と、ユーザ装置エントリの受信された表示から生成されるユーザ装置エントリ情報を記憶するように動作可能なユーザ装置エントリ・ストレージ・ロジック(user equipment entry storage logic)と、検出されたフェムト基地局をハンドオーバ・ターゲットとして識別するユーザ装置からのインジケータを受信するように動作可能なハンドオーバ・ターゲット受信ロジック(handover target reception logic)と、入っているユーザ装置を有するこれらのフェムト基地局をハンドオーバ・ターゲットとして識別するためにインジケータをユーザ装置エントリ情報に対して相互に関連付けるように動作可能なハンドオーバ相関ロジック(handover correlation logic)とを備える。
【0021】
一実施形態においては、ユーザ装置からのインジケータは、一次スクランブリング・コードを備えており、ハンドオーバ・ターゲット受信ロジックは、さらに、一次スクランブリング・コードに対応する仮想セルを備えるフェムト基地局の組を識別するように動作可能である。
【0022】
一実施形態においては、ユーザ装置エントリの表示は、フェムト基地局によって検出される増大された無線ノイズ・フロアの表示を備える。
【0023】
一実施形態においては、ユーザ装置エントリの表示は、送信データにおける増大されたエラー・レートについてのユーザ装置からの表示を備える。
【0024】
一実施形態においては、ユーザ装置エントリの表示は、増大された受信されたフェムト基地局ブロードキャスト・チャネル信号強度についてのユーザ装置からの表示を備える。
【0025】
一実施形態においては、記憶されたユーザ装置エントリ情報は、ユーザ装置エントリを報告するこれらのフェムト基地局のリストを備える。
【0026】
一実施形態においては、フェムト・ゲートウェイは、フェムト基地局によってサーブされる地理的地域へのユーザ装置エントリの表示を受信するステップと、ユーザ装置エントリの受信された表示から生成されるユーザ装置エントリ情報を記憶するステップとを反復するように動作可能な反復ロジック(repetition logic)をさらに備える。
【0027】
一実施形態においては、フェムト・ゲートウェイは、ハンドオーバ・ターゲットとして識別されるこれらのフェムト基地局に対してハンドオーバ準備メッセージを送信するように動作可能な伝送ロジック(transmission logic)をさらに備える。
【0028】
第4の態様は、ワイヤレス電気通信ネットワークにおいて、フェムト・ゲートウェイに対してフェムト基地局によってサーブされる地理的地域へのユーザ装置のエントリを識別する方法を提供しており、前記方法は、前記フェムト基地局と、前記ユーザ装置との間の周囲の無線状態を表す測定可能な特性の表示を受信するステップと、前記フェムト基地局と、前記ユーザ装置との間の現在の無線状態を表す測定可能な特性の表示を受信するステップと、あらかじめ決定されたユーザ装置エントリ条件が、満たされているかどうかを決定するために、現在の無線状態の前記表示を周囲の無線状態の前記表示と比較するステップと、前記ユーザ装置エントリ・トリガー条件が、満たされている場合に、ユーザ装置エントリの表示を前記フェムト・ゲートウェイに対して送信するステップとを備える。
【0029】
第4の態様は、フェムト基地局と、ユーザ装置との間の無線状態が、ユーザ装置と、基地局とのうちのいずれか一方によって最も感度良く測定され得ることを認識する。特に、基地局は、ユーザ装置と、基地局との間で経験される無線状態を示す様々な特性を検出し、また測定するように動作可能である可能性が高い。周囲の無線状態を絶えず監視すること、および/または計算することにより、その無線状態に対する変化は、効果的に監視されることが可能である。それゆえに、アクティブなユーザ装置が、フェムト基地局によってサーブされる領域に入るときに、ユーザ装置と、フェムト基地局との両方によって経験される無線状態は、変化することになることが、理解されるであろう。適切なトリガー判断基準が設定されると仮定すると、エントリの結果として生じる変化を使用して、フェムト・セルへのユーザ装置のエントリを識別することができる。トリガー条件は、測定可能な特性の正味の値に関連している可能性があり、あるいは変化の測定されたレートなど、測定値の時間導関数(time derivatives)に関連している可能性がある。さらに、トリガー条件は、満たされている正味の値と、導関数の値との組合せに基づいたものとすることができる。しきい値トリガー条件は、マクロ・システムが、ハンドオーバを開始する前に、フェムト基地局が、可能性のあるユーザ装置エントリについてゲートウェイに通知することができるのに十分低く設定される必要があるが、その同じしきい値は、あまりにも低くしてはならず、それによってあまりにも多い誤判定(false positives)を防止することが、理解されるであろう。
【0030】
一実施形態においては、無線状態の特性は、フェムト基地局によって検出される無線ノイズ・フロアの表示を備える。
【0031】
マクロ・セルと同じ周波数の上で動作するフェムト基地局の地理的カバレッジ・エリアに入るアクティブなモバイル端末は、フェムト・セルのノイズ・フロアを効果的に増大させる新しい干渉源としてフェムト基地局によって見られることになる。ユーザが、フェムト基地局を使用しようと意図する場合、フェムト・セルの性質のために、ノイズ・フロアのそのような発生は、持続する可能性が高い。それゆえに、フェムト基地局は、ノイズ・フロアの上昇に基づいてトリガー・ポイントを設定するように、またそれによってハンドオーバ・イベントの可能性の増大をマクロ・システムに信号で伝えるように、動作可能とすることができる。
【0032】
本技法は、マクロ周波数が、フェムト・オーバーレイ・キャリア周波数(femto overlay carrier frequency)に対して異なる非同一チャネルの場合に拡張されることが可能でありそのような構成は、単に、フェムト基地局が、マクロ・アンダーレイ周波数(macro underlay frequency)についての知識を有することを必要とする。その情報は、フェムト基地局自動コンフィギュレーション・プロセス中に提供され、またアップデートされ続ける。次いで、基地局は、例えば、フェムト・セルにおけるスニファー能力を使用することにより、アンダーレイ周波数ノイズ・フロアの測定を実行する能力を有する必要がある。干渉を示す他の測定可能な特性が、測定されたノイズ・フロアの代わりに使用されることが可能であり、例えば、ビット・エラー・レート、ブロック・エラー・レート、または信号対雑音比の低下を使用することを可能にすることができることが、さらに理解されるであろう。また受信ブロードキャスト・チャネル信号強度をフェムト・セルに対するユーザ装置エントリのインジケータとして使用することも可能とすることができる。ユーザ装置が、フェムト基地局により近くなるにつれて、受信される信号の強度は、増大する可能性が高いことが、理解されるであろう。
【0033】
一実施形態においては、周囲の無線状態についての表示特性を受信するステップは、現在の無線状態を表す表示を定期的に受信するステップと、現在の無線状態を表す一連の表示を記憶するステップと、現在の無線状態を表す一連の前記表示から周囲の無線状態の表示特性を計算するステップとをさらに備える。
【0034】
それに応じて、フェムト基地局は、一連の時間間隔の上で現在の無線状態を監視することにより周囲の無線状態を計算するように動作可能とすることができる。そのような平均化は、周囲の無線状態が、正確に表されることを保証する。
【0035】
一実施形態においては、フェムト基地局と、ユーザ装置との間の周囲の無線状態を表す測定可能な特性の表示を受信するステップと、フェムト基地局と、ユーザ装置との間の現在の無線状態を表す測定可能な特性の表示を受信するステップと、あらかじめ決定されたユーザ装置エントリ条件が満たされているかどうかを決定するために、現在の無線状態の表示を周囲の無線状態の表示と比較するステップとが、定期的に反復される。
【0036】
これらのステップを定期的に反復することは、さらなるユーザ装置の後続のエントリが、フェムト・ゲートウェイに正式に通知されることを保証する。さらに、それは、ひとたびアクティブなユーザ装置が、フェムト基地局によってサーブされる領域に入った後に、周囲の無線状態が、再計算されること、およびほとんどの関連のある情報が、フェムト・ゲートウェイに対して送信されることを保証する。
【0037】
一実施形態においては、本方法は、ユーザ装置エントリ・トリガー条件が、満たされていない場合に、非ユーザ装置エントリ(non−user equipment entry)についての表示をフェムト・ゲートウェイに対して送信するステップをさらに備える。
【0038】
それに応じて、フェムト・ゲートウェイにおいてセットされるフラグは、フェムト・ゲートウェイそれ自体において取られるアクションによってタイム・アウトされるのではなくて、アクティブなやり方でクリアされることが可能である。
【0039】
第5の態様は、コンピュータの上で実行されるときに、第4の態様の方法ステップを実行するように動作可能なコンピュータ・プログラム・プロダクトを提供する。
【0040】
第6の態様は、ワイヤレス電気通信ネットワークにおいてフェムト・ゲートウェイに対してフェムト基地局によってサーブされる地理的地域へのユーザ装置のエントリを識別するように動作可能なフェムト基地局を提供しており、フェムト基地局は、フェムト基地局と、ユーザ装置との間の周囲の無線状態を表す測定可能な特性の表示を受信するように動作可能な周囲無線状態受信ロジック(ambient radio condition reception logic)と、フェムト基地局と、ユーザ装置との間の現在の無線状態を表す測定可能な特性の表示を受信するように動作可能な現在無線状態受信ロジック(current radio condition reception logic)と、あらかじめ決定されたユーザ装置エントリ条件が、満たされているかどうかを決定するために現在の無線状態の表示を周囲の無線状態の表示と比較するように動作可能な無線状態比較ロジック(radio condition comparison logic)と、前記ユーザ装置エントリ・トリガー条件が、満たされている場合に、ユーザ装置エントリの表示をフェムト・ゲートウェイに対して送信するように動作可能な伝送ロジックとを備える。
【0041】
一実施形態においては、無線状態の特性は、フェムト基地局によって検出される無線ノイズ・フロアの表示を備える。
【0042】
一実施形態においては、周囲無線状態ロジックは、さらに、現在の無線状態を表す表示を定期的に受信するように、現在の無線状態を表す一連の表示を記憶するように、また現在の無線状態を表す一連の表示から周囲の無線状態の表示特性を計算するように、動作可能である。
【0043】
一実施形態においては、フェムト基地局は、フェムト基地局と、ユーザ装置との間の周囲の無線状態を表す測定可能な特性の表示を受信するステップと、フェムト基地局と、ユーザ装置との間の現在の無線状態を表す測定可能な特性の表示を受信するステップと、あらかじめ決定されたユーザ装置エントリ条件が、満たされているかどうかを決定するために、現在の無線状態の表示を周囲の無線状態の前記表示と比較するステップとを定期的に反復するように動作可能な反復ロジックをさらに備える。
【0044】
一実施形態においては、伝送ロジックは、さらに、ユーザ装置エントリ・トリガー条件が、満たされていない場合に、非ユーザ装置エントリの表示をフェムト・ゲートウェイに対して送信するように動作可能である。
【0045】
さらなる特定の、また好ましい態様は、添付の独立請求項および従属請求項において設定される。従属請求項の特徴は、必要に応じて、また特許請求の範囲において明示的に設定されるこれら以外の組合せの形で、独立請求項の特徴と組み合わされることが可能である。
【0046】
本発明の実施形態は、次に添付の図面を参照して、さらに説明されるであろう。