特許第5762436号(P5762436)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アルカテル−ルーセントの特許一覧

<>
  • 特許5762436-ハンドオーバ制御 図000002
  • 特許5762436-ハンドオーバ制御 図000003
  • 特許5762436-ハンドオーバ制御 図000004
  • 特許5762436-ハンドオーバ制御 図000005
  • 特許5762436-ハンドオーバ制御 図000006
  • 特許5762436-ハンドオーバ制御 図000007
  • 特許5762436-ハンドオーバ制御 図000008
  • 特許5762436-ハンドオーバ制御 図000009
  • 特許5762436-ハンドオーバ制御 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5762436
(24)【登録日】2015年6月19日
(45)【発行日】2015年8月12日
(54)【発明の名称】ハンドオーバ制御
(51)【国際特許分類】
   H04W 36/08 20090101AFI20150723BHJP
   H04W 36/38 20090101ALI20150723BHJP
   H04W 84/10 20090101ALI20150723BHJP
【FI】
   H04W36/08
   H04W36/38
   H04W84/10
【請求項の数】13
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2012-542385(P2012-542385)
(86)(22)【出願日】2010年12月1日
(65)【公表番号】特表2013-513325(P2013-513325A)
(43)【公表日】2013年4月18日
(86)【国際出願番号】EP2010007286
(87)【国際公開番号】WO2011069612
(87)【国際公開日】20110616
【審査請求日】2012年7月31日
(31)【優先権主張番号】09360052.6
(32)【優先日】2009年12月7日
(33)【優先権主張国】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】391030332
【氏名又は名称】アルカテル−ルーセント
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(72)【発明者】
【氏名】サミュエル,ルイス,グウィン
(72)【発明者】
【氏名】クラウセン,ホルガー
(72)【発明者】
【氏名】ホ,レスター,ティー.,ダブリュ.
(72)【発明者】
【氏名】シャヒド,マレク
【審査官】 青木 健
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2008/088592(WO,A1)
【文献】 国際公開第2009/049032(WO,A1)
【文献】 特表2011−502378(JP,A)
【文献】 特開平8−37680(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 − 99/00
H04B 7/24 − 7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレス電気通信ネットワークにおいてユーザ装置のためのフェムト基地局ハンドオーバ・ターゲットを識別する方法であって、 フェムト基地局によってサーブされる地理的地域へのユーザ装置エントリの表示を受信するステップと、 ユーザ装置エントリの前記受信された表示から生成されるユーザ装置エントリ情報を記憶するステップと、 検出されたフェムト基地局をハンドオーバ・ターゲットとして識別するユーザ装置からのインジケータを受信するステップと、 入っているユーザ装置を有するこれらのフェムト基地局をハンドオーバ・ターゲットとして識別するために前記インジケータを前記ユーザ装置エントリ情報に対して相互に関連付けるステップと
を備える方法であり、
ユーザ装置からの前記インジケータは、一次スクランブリング・コードを備え、また前記方法は、前記一次スクランブリング・コードに対応する仮想セルを備えるフェムト基地局の組を識別するステップをさらに備え、
ユーザ装置エントリの前記表示は、フェムト基地局によって検出される増大された無線ノイズ・フロアの表示を備える、方法
【請求項2】
前記記憶されたユーザ装置エントリ情報は、ユーザ装置エントリを報告するこれらのフェムト基地局のリストを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
フェムト基地局によってサーブされる地理的地域へのユーザ装置エントリの表示を受信する前記ステップと、 ユーザ装置エントリの前記受信された表示から生成されるユーザ装置エントリ情報を記憶する前記ステップとは、定期的に反復される、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
ハンドオーバ・ターゲットとして識別されるこれらのフェムト基地局に対してハンドオーバ準備メッセージを送信するステップをさらに備える、請求項1乃至のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
コンピュータの上で実行されるときに、請求項1乃至のいずれか1項に記載の方法ステップを実行するように動作可能なコンピュータ・プログラム。
【請求項6】
ワイヤレス電気通信ネットワークにおいてユーザ装置のためのフェムト基地局ハンドオーバ・ターゲットを識別するように動作可能なフェムト・ゲートウェイであって、 フェムト基地局によってサーブされる地理的地域へのユーザ装置エントリの表示を受信するように動作可能なユーザ装置エントリ受信ロジックと、 ユーザ装置エントリの前記受信された表示から生成されるユーザ装置エントリ情報を記憶するように動作可能なユーザ装置エントリ・ストレージ・ロジックと、 検出されたフェムト基地局をハンドオーバ・ターゲットとして識別するユーザ装置からのインジケータを受信するように動作可能なハンドオーバ・ターゲット受信ロジックと、 入っているユーザ装置を有するこれらのフェムト基地局をハンドオーバ・ターゲットとして識別するために前記インジケータを前記ユーザ装置エントリ情報に対して相互に関連付けるように動作可能なハンドオーバ相関ロジックとを備えるフェムト・ゲートウェイであり、
ユーザ装置からの前記インジケータは、一次スクランブリング・コードを備え、また前記フェムト・ゲートウェイは、前記一次スクランブリング・コードに対応する仮想セルを備えるフェムト基地局の組を識別するように動作可能な識別ロジックをさらに備え、
ユーザ装置エントリの前記表示は、フェムト基地局によって検出される増大された無線ノイズ・フロアの表示を備える、フェムト・ゲートウェイ
【請求項7】
ワイヤレス電気通信ネットワークにおいてフェムト・ゲートウェイに対してフェムト基地局によってサーブされる地理的地域へのユーザ装置のエントリを識別する方法であって、 前記フェムト基地局と、前記ユーザ装置との間の周囲の無線状態を表す測定可能な特性の表示を受信するステップと、 前記フェムト基地局と、前記ユーザ装置との間の現在の無線状態を表す測定可能な特性の表示を受信するステップと、 あらかじめ決定されたユーザ装置エントリ条件が、満たされているかどうかを決定するために、現在の無線状態の前記表示を周囲の無線状態の前記表示と比較するステップと、 前記ユーザ装置エントリ・トリガー条件が、満たされている場合に、ユーザ装置エントリの表示を前記フェムト・ゲートウェイに対して送信するステップとを備える方法。
【請求項8】
無線状態の前記特性は、前記フェムト基地局によって検出される無線ノイズ・フロアの表示を備える、請求項に記載の方法。
【請求項9】
周囲の無線状態の表示特性を受信するステップは、現在の無線状態を表す表示を定期的に受信するステップと、現在の無線状態を表す一連の前記表示を記憶するステップと、現在の無線状態を表す前記一連の前記表示から周囲の無線状態の前記表示特性を計算するステップとをさらに備える、請求項または請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記フェムト基地局と、前記ユーザ装置との間の周囲の無線状態を表す測定可能な特性の表示を受信する前記ステップと、 前記フェムト基地局と、前記ユーザ装置との間の現在の無線状態を表す測定可能な特性の表示を受信する前記ステップと、 あらかじめ決定されたユーザ装置エントリ条件が、満たされているかどうかを決定するために、現在の無線状態の前記表示を周囲の無線状態の前記表示と比較する前記ステップとは、定期的に反復される、請求項乃至のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記ユーザ装置エントリ・トリガー条件が、満たされていない場合に、非ユーザ装置エントリの表示を前記フェムト・ゲートウェイに対して送信するステップをさらに備える、請求項乃至10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
コンピュータの上で実行されるときに、請求項乃至11のいずれか1項に記載の方法ステップを実行するように動作可能なコンピュータ・プログラム。
【請求項13】
ワイヤレス電気通信ネットワークにおいてフェムト・ゲートウェイに対してフェムト基地局によってサーブされる地理的地域へのユーザ装置のエントリを識別するように動作可能なフェムト基地局であって、 前記フェムト基地局と、前記ユーザ装置との間の周囲の無線状態を表す測定可能な特性の表示を受信するように動作可能な周囲無線状態受信ロジックと、 前記フェムト基地局と、前記ユーザ装置との間の現在の無線状態を表す測定可能な特性の表示を受信するように動作可能な現在無線状態受信ロジックと、 あらかじめ決定されたユーザ装置エントリ条件が、満たされているかどうかを決定するために現在の無線状態の前記表示を周囲の無線状態の前記表示と比較するように動作可能な無線状態比較ロジックと、 前記ユーザ装置エントリ・トリガー条件が、満たされている場合に、ユーザ装置エントリの表示を前記フェムト・ゲートウェイに対して送信するように動作可能な伝送ロジックとを備えるフェムト基地局。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤレス通信ネットワークにおいてユーザ装置のためのフェムト基地局ハンドオーバ・ターゲット(femto base station handover taragets)を識別する方法、コンピュータ・プログラム・プロダクト(computer program product)、フェムト基地局ゲートウェイと、フェムト基地局によってサーブされる地理的地域へのユーザ装置のエントリを識別する方法、コンピュータ・プログラム・プロダクト、およびフェムト基地局とに関する。
【背景技術】
【0002】
ワイヤレス電気通信ネットワークが、知られている。セルラー・システムにおいては、無線カバレッジが、地理的地域の領域ごとに提供される。これらの領域は、セルとして知られている。基地局は、各セルの中に位置して、無線カバレッジを提供する。伝統的な基地局は、比較的大きな地理的地域において、カバレッジを提供しており、また、それらのセルは、多くの場合に、マクロ・セルと称される。マクロ・セルの内部に、より小さなサイズのセルを提供することが可能である。マクロ・セルよりも小さいセルは、時には、マイクロ・セル、ピコ・セル、またはフェムト・セルと称される。しかしながら、この文書全体を通して、フェムト・セルという用語は、総称的に、マクロ・セルよりも小さいセルのために使用される。フェムト・セル(時にはホーム・セルと称される)を確立する1つのやり方は、マクロ・セルのカバレッジ・エリアの内部に比較的限られた範囲を有するカバレッジを提供するフェムト基地局(またはホーム基地局)を提供することである。フェムト基地局の伝送パワーは、比較的低く、またそれゆえに、各フェムト・セルは、マクロ・セルのカバレッジ・エリアに比べて小さなカバレッジ・エリアを提供し、また、例えば、オフィス、または家をカバーする。
【0003】
マクロ・セルによって提供される通信カバレッジが、貧弱である場合の、あるいはユーザが、コア・ネットワークと通信する、フェムト基地局によって局所的に提供される代替的な通信リンクを使用したいと思う場合の、そのようなフェムト・セルが、提供されることが可能である。例えば、ユーザが、前から存在している通信リンクを有する場合の、またユーザが、コア・ネットワークと通信する、マクロ・セル・ネットワーク・プロバイダによって提供されるリンクに優先して、そのリンクを利用したいと思う場合の、そのような状況が、生じる可能性がある。
【0004】
最小限のサービスの中断を伴う、エンド・ユーザに対する高レベルのサービスを維持するために、ユーザ装置が位置するマクロ・セルからフェムト基地局へとユーザ装置をハンドオーバすることが必要である可能性がある。同様に、1つのフェムト基地局から別のフェムト基地局へとユーザ装置をハンドオーバすることも必要である可能性がある。しかしながら、一般的に、1つの制御装置の下でネットワークの内部に展開され得る何万ものフェムト基地局が、存在する可能性がある。これは、どのフェムト基地局に対してユーザ装置をハンドオーバすべきかを識別する問題を提示する。
【0005】
したがって、ハンドオーバが、効率的に起こることを可能にする改善された技法を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様は、ワイヤレス電気通信ネットワークにおいてユーザ装置のためのフェムト基地局ハンドオーバ・ターゲットを識別する方法を提供しており、本方法は、フェムト基地局によってサーブされる地理的地域へのユーザ装置エントリの表示を受信するステップと、ユーザ装置エントリの受信された表示から生成されるユーザ装置エントリ情報を記憶するステップと、検出されたフェムト基地局をハンドオーバ・ターゲットとして識別するユーザ装置からのインジケータを受信するステップと、入っているユーザ装置を有するこれらのフェムト基地局をハンドオーバ・ターゲットとして識別するためにインジケータをユーザ装置エントリ情報に対して相互に関連付けるステップとを備える。
【0007】
第1の態様は、フェムト・セルの展開を伴う1つの問題が、フェムト基地局に割り付けられ得る一次スクランブリング・コード(primary scrambling codes)の数が限られ、また一般的に、6個の異なる使用可能な一次スクランブリング・コードと、16個の異なる使用可能な一次スクランブリング・コードとの間にあるようになることであることを認識する。一次スクランブリング・コードの選択は、一般的に、それらの近くで使用される他の一次スクランブリング・コードの測定値に基づいて、フェムト基地局それら自体によって自動的に構成されることになる。それゆえに、典型的なフェムト・セル展開においては、これらの一次スクランブリング・コードは、大いに再利用される必要があることになり、またこれは、次に、より詳細に説明されるように、マクロ基地局からフェムト基地局への、またはフェムト基地局の間のコールのハンドオーバについての問題を提示する。ユーザ装置は、その確立された信号の品質が、低下することが分かるので、ユーザ装置は、他の基地局を探索することができ、また隣接するフェムト基地局が、ずっと良い品質の信号を提供し、またそれゆえに、可能性のあるハンドオーバ・ターゲットであることを示す測定報告を生成することができる。したがって、そのターゲット・フェムト基地局に対するハンドオーバが、必要とされることを示すために、コア・ネットワークを経由してターゲット・フェムト基地局と通信しようと試みる必要性が存在することになる。測定報告は、それを識別する助けをする、その一次スクランブリング・コードなど、フェムト基地局ハンドオーバ・ターゲットの際立った特徴を含むことができる。しかしながら、フェムト基地局の数が、増大するにつれて、同じ際立った特徴を有するフェムト基地局の数が、増大し、それらのおのおのは、それゆえに、可能性のあるハンドオーバ・ターゲットとして準備される必要があることになる可能性が高い。しかしながら、そのようなアプローチは、非常にリソースを無駄にしてしまい、また展開されたフェムト基地局とユーザ装置との数が増大するにつれて、すぐに、管理できなくなってしまう可能性があることが、理解されるであろう。
【0008】
ユーザ装置エントリ・イベントを報告しているこれらのフェムト基地局を識別すること、およびユーザ装置測定報告によって提供される際立った特徴とその情報を相互に関連付けることにより、可能性のあるハンドオーバ・ターゲットとしてそれらを準備するために、信号が送信されることになる相手のフェムト基地局の数をかなり減少させることが可能である。例えば、信号が、送信されることになる相手のフェムト基地局の数を単一の固有のフェムト基地局にまで減少させることが可能なこともある。
【0009】
一実施形態においては、ユーザ装置からのインジケータは、一次スクランブリング・コードを備え、また本方法は、一次スクランブリング・コードに対応する仮想セルを備える1組のフェムト基地局を識別するステップをさらに備える。したがって、ユーザ装置によって識別される一次スクランブリング・コードの使用は、既存のネットワーク機能の再使用を可能にすることが、理解されるであろう。
【0010】
一実施形態においては、ユーザ装置エントリの表示は、フェムト基地局によって検出される増大された無線ノイズ・フロア(radio noise floor)の表示を備える。
【0011】
アクティブなユーザ装置が、フェムト基地局によってサーブされる地理的地域に入るときに、ユーザ装置と、フェムト基地局とによって経験される無線状態は、様々な変化を経験する。例えば、知覚された無線干渉の可能性が、増大することになることが、理解されるであろう。干渉の増大は、フェムト基地局によって検出される無線ノイズ・フロアにおける増大をもたらす可能性が高い。
【0012】
一実施形態においては、ユーザ装置エントリの表示は、送信データにおける増大されたエラー・レートについてのユーザ装置からの表示を備える。例えば、ブロック・エラー・レート、ビット・エラー・レート、または信号対雑音比の減少を含めて、干渉を示す任意の測定可能な特性を使用して、フェムト基地局によってサーブされるエリアへのアクティブなユーザ装置の可能なエントリを識別することができることが、理解されるであろう。
【0013】
一実施形態においては、ユーザ装置エントリの表示は、増大された受信されたフェムト基地局ブロードキャスト・チャネル信号強度についてのユーザ装置からの表示を備える。
【0014】
ユーザ装置が、フェムト基地局に近づくにつれて、そのフェムト基地局からの受信ブロードキャスト信号の強度は、増大することになることが、理解されるであろう。その増大をフェムト・セルに対するユーザ装置エントリのインジケータとして使用することが可能である。
【0015】
一実施形態においては、記憶されたユーザ装置エントリ情報は、ユーザ装置エントリを報告するこれらのフェムト基地局のリストを備える。
【0016】
一実施形態においては、フェムト基地局によってサーブされる地理的地域へのユーザ装置エントリの表示を受信するステップと、ユーザ装置エントリの受信された表示から生成される、ユーザ装置エントリ情報を記憶するステップとが、定期的に反復される。
【0017】
定期的にこれらのステップを反復することは、ネットワークにおける変化が、検出されることを可能にする。フェムト・セルへのユーザ装置の最近のエントリを示すようにセットされるフラグは、ユーザ装置が、最近にフェムト・セルに入っていることがもはや検出されないときに、アップデートされることが可能である。アクティブなハンドオーバのためのターゲットを決定する際に、ユーザ装置エントリの最近の発生だけが、特定の関連性を有することが、理解されるであろう。上記でリストアップされるこれらのステップの定期的な反復は、記憶されたユーザ装置エントリ情報が、ユーザ装置エントリを最近になって報告しているこれらのフェムト基地局だけを反映するようにアップデートされることを可能にすることができる。
【0018】
一実施形態においては、本方法は、ハンドオーバ・ターゲットとして識別されるこれらのフェムト基地局に対してハンドオーバ準備メッセージを送信するステップをさらに備える。それに応じて、ひとたびハンドオーバ・ターゲットの組が識別された後に、ハンドオーバ準備メッセージは、これらの識別されたハンドオーバ・ターゲットだけに対して送信されることが可能であり、それによってネットワークを通しての不必要な信号を最小にする。
【0019】
第2の態様は、コンピュータの上で実行されるときに、第1の態様の方法ステップを実行するように動作可能なコンピュータ・プログラム・プロダクトを提供する。
【0020】
第3の態様は、ワイヤレス電気通信ネットワークにおいてユーザ装置のためのフェムト基地局ハンドオーバ・ターゲットを識別するように動作可能なフェムト・ゲートウェイを提供しており、フェムト・ゲートウェイは、フェムト基地局によってサーブされる地理的地域へのユーザ装置エントリの表示を受信するように動作可能なユーザ装置エントリ受信ロジック(user equipment entry reception logic)と、ユーザ装置エントリの受信された表示から生成されるユーザ装置エントリ情報を記憶するように動作可能なユーザ装置エントリ・ストレージ・ロジック(user equipment entry storage logic)と、検出されたフェムト基地局をハンドオーバ・ターゲットとして識別するユーザ装置からのインジケータを受信するように動作可能なハンドオーバ・ターゲット受信ロジック(handover target reception logic)と、入っているユーザ装置を有するこれらのフェムト基地局をハンドオーバ・ターゲットとして識別するためにインジケータをユーザ装置エントリ情報に対して相互に関連付けるように動作可能なハンドオーバ相関ロジック(handover correlation logic)とを備える。
【0021】
一実施形態においては、ユーザ装置からのインジケータは、一次スクランブリング・コードを備えており、ハンドオーバ・ターゲット受信ロジックは、さらに、一次スクランブリング・コードに対応する仮想セルを備えるフェムト基地局の組を識別するように動作可能である。
【0022】
一実施形態においては、ユーザ装置エントリの表示は、フェムト基地局によって検出される増大された無線ノイズ・フロアの表示を備える。
【0023】
一実施形態においては、ユーザ装置エントリの表示は、送信データにおける増大されたエラー・レートについてのユーザ装置からの表示を備える。
【0024】
一実施形態においては、ユーザ装置エントリの表示は、増大された受信されたフェムト基地局ブロードキャスト・チャネル信号強度についてのユーザ装置からの表示を備える。
【0025】
一実施形態においては、記憶されたユーザ装置エントリ情報は、ユーザ装置エントリを報告するこれらのフェムト基地局のリストを備える。
【0026】
一実施形態においては、フェムト・ゲートウェイは、フェムト基地局によってサーブされる地理的地域へのユーザ装置エントリの表示を受信するステップと、ユーザ装置エントリの受信された表示から生成されるユーザ装置エントリ情報を記憶するステップとを反復するように動作可能な反復ロジック(repetition logic)をさらに備える。
【0027】
一実施形態においては、フェムト・ゲートウェイは、ハンドオーバ・ターゲットとして識別されるこれらのフェムト基地局に対してハンドオーバ準備メッセージを送信するように動作可能な伝送ロジック(transmission logic)をさらに備える。
【0028】
第4の態様は、ワイヤレス電気通信ネットワークにおいて、フェムト・ゲートウェイに対してフェムト基地局によってサーブされる地理的地域へのユーザ装置のエントリを識別する方法を提供しており、前記方法は、前記フェムト基地局と、前記ユーザ装置との間の周囲の無線状態を表す測定可能な特性の表示を受信するステップと、前記フェムト基地局と、前記ユーザ装置との間の現在の無線状態を表す測定可能な特性の表示を受信するステップと、あらかじめ決定されたユーザ装置エントリ条件が、満たされているかどうかを決定するために、現在の無線状態の前記表示を周囲の無線状態の前記表示と比較するステップと、前記ユーザ装置エントリ・トリガー条件が、満たされている場合に、ユーザ装置エントリの表示を前記フェムト・ゲートウェイに対して送信するステップとを備える。
【0029】
第4の態様は、フェムト基地局と、ユーザ装置との間の無線状態が、ユーザ装置と、基地局とのうちのいずれか一方によって最も感度良く測定され得ることを認識する。特に、基地局は、ユーザ装置と、基地局との間で経験される無線状態を示す様々な特性を検出し、また測定するように動作可能である可能性が高い。周囲の無線状態を絶えず監視すること、および/または計算することにより、その無線状態に対する変化は、効果的に監視されることが可能である。それゆえに、アクティブなユーザ装置が、フェムト基地局によってサーブされる領域に入るときに、ユーザ装置と、フェムト基地局との両方によって経験される無線状態は、変化することになることが、理解されるであろう。適切なトリガー判断基準が設定されると仮定すると、エントリの結果として生じる変化を使用して、フェムト・セルへのユーザ装置のエントリを識別することができる。トリガー条件は、測定可能な特性の正味の値に関連している可能性があり、あるいは変化の測定されたレートなど、測定値の時間導関数(time derivatives)に関連している可能性がある。さらに、トリガー条件は、満たされている正味の値と、導関数の値との組合せに基づいたものとすることができる。しきい値トリガー条件は、マクロ・システムが、ハンドオーバを開始する前に、フェムト基地局が、可能性のあるユーザ装置エントリについてゲートウェイに通知することができるのに十分低く設定される必要があるが、その同じしきい値は、あまりにも低くしてはならず、それによってあまりにも多い誤判定(false positives)を防止することが、理解されるであろう。
【0030】
一実施形態においては、無線状態の特性は、フェムト基地局によって検出される無線ノイズ・フロアの表示を備える。
【0031】
マクロ・セルと同じ周波数の上で動作するフェムト基地局の地理的カバレッジ・エリアに入るアクティブなモバイル端末は、フェムト・セルのノイズ・フロアを効果的に増大させる新しい干渉源としてフェムト基地局によって見られることになる。ユーザが、フェムト基地局を使用しようと意図する場合、フェムト・セルの性質のために、ノイズ・フロアのそのような発生は、持続する可能性が高い。それゆえに、フェムト基地局は、ノイズ・フロアの上昇に基づいてトリガー・ポイントを設定するように、またそれによってハンドオーバ・イベントの可能性の増大をマクロ・システムに信号で伝えるように、動作可能とすることができる。
【0032】
本技法は、マクロ周波数が、フェムト・オーバーレイ・キャリア周波数(femto overlay carrier frequency)に対して異なる非同一チャネルの場合に拡張されることが可能でありそのような構成は、単に、フェムト基地局が、マクロ・アンダーレイ周波数(macro underlay frequency)についての知識を有することを必要とする。その情報は、フェムト基地局自動コンフィギュレーション・プロセス中に提供され、またアップデートされ続ける。次いで、基地局は、例えば、フェムト・セルにおけるスニファー能力を使用することにより、アンダーレイ周波数ノイズ・フロアの測定を実行する能力を有する必要がある。干渉を示す他の測定可能な特性が、測定されたノイズ・フロアの代わりに使用されることが可能であり、例えば、ビット・エラー・レート、ブロック・エラー・レート、または信号対雑音比の低下を使用することを可能にすることができることが、さらに理解されるであろう。また受信ブロードキャスト・チャネル信号強度をフェムト・セルに対するユーザ装置エントリのインジケータとして使用することも可能とすることができる。ユーザ装置が、フェムト基地局により近くなるにつれて、受信される信号の強度は、増大する可能性が高いことが、理解されるであろう。
【0033】
一実施形態においては、周囲の無線状態についての表示特性を受信するステップは、現在の無線状態を表す表示を定期的に受信するステップと、現在の無線状態を表す一連の表示を記憶するステップと、現在の無線状態を表す一連の前記表示から周囲の無線状態の表示特性を計算するステップとをさらに備える。
【0034】
それに応じて、フェムト基地局は、一連の時間間隔の上で現在の無線状態を監視することにより周囲の無線状態を計算するように動作可能とすることができる。そのような平均化は、周囲の無線状態が、正確に表されることを保証する。
【0035】
一実施形態においては、フェムト基地局と、ユーザ装置との間の周囲の無線状態を表す測定可能な特性の表示を受信するステップと、フェムト基地局と、ユーザ装置との間の現在の無線状態を表す測定可能な特性の表示を受信するステップと、あらかじめ決定されたユーザ装置エントリ条件が満たされているかどうかを決定するために、現在の無線状態の表示を周囲の無線状態の表示と比較するステップとが、定期的に反復される。
【0036】
これらのステップを定期的に反復することは、さらなるユーザ装置の後続のエントリが、フェムト・ゲートウェイに正式に通知されることを保証する。さらに、それは、ひとたびアクティブなユーザ装置が、フェムト基地局によってサーブされる領域に入った後に、周囲の無線状態が、再計算されること、およびほとんどの関連のある情報が、フェムト・ゲートウェイに対して送信されることを保証する。
【0037】
一実施形態においては、本方法は、ユーザ装置エントリ・トリガー条件が、満たされていない場合に、非ユーザ装置エントリ(non−user equipment entry)についての表示をフェムト・ゲートウェイに対して送信するステップをさらに備える。
【0038】
それに応じて、フェムト・ゲートウェイにおいてセットされるフラグは、フェムト・ゲートウェイそれ自体において取られるアクションによってタイム・アウトされるのではなくて、アクティブなやり方でクリアされることが可能である。
【0039】
第5の態様は、コンピュータの上で実行されるときに、第4の態様の方法ステップを実行するように動作可能なコンピュータ・プログラム・プロダクトを提供する。
【0040】
第6の態様は、ワイヤレス電気通信ネットワークにおいてフェムト・ゲートウェイに対してフェムト基地局によってサーブされる地理的地域へのユーザ装置のエントリを識別するように動作可能なフェムト基地局を提供しており、フェムト基地局は、フェムト基地局と、ユーザ装置との間の周囲の無線状態を表す測定可能な特性の表示を受信するように動作可能な周囲無線状態受信ロジック(ambient radio condition reception logic)と、フェムト基地局と、ユーザ装置との間の現在の無線状態を表す測定可能な特性の表示を受信するように動作可能な現在無線状態受信ロジック(current radio condition reception logic)と、あらかじめ決定されたユーザ装置エントリ条件が、満たされているかどうかを決定するために現在の無線状態の表示を周囲の無線状態の表示と比較するように動作可能な無線状態比較ロジック(radio condition comparison logic)と、前記ユーザ装置エントリ・トリガー条件が、満たされている場合に、ユーザ装置エントリの表示をフェムト・ゲートウェイに対して送信するように動作可能な伝送ロジックとを備える。
【0041】
一実施形態においては、無線状態の特性は、フェムト基地局によって検出される無線ノイズ・フロアの表示を備える。
【0042】
一実施形態においては、周囲無線状態ロジックは、さらに、現在の無線状態を表す表示を定期的に受信するように、現在の無線状態を表す一連の表示を記憶するように、また現在の無線状態を表す一連の表示から周囲の無線状態の表示特性を計算するように、動作可能である。
【0043】
一実施形態においては、フェムト基地局は、フェムト基地局と、ユーザ装置との間の周囲の無線状態を表す測定可能な特性の表示を受信するステップと、フェムト基地局と、ユーザ装置との間の現在の無線状態を表す測定可能な特性の表示を受信するステップと、あらかじめ決定されたユーザ装置エントリ条件が、満たされているかどうかを決定するために、現在の無線状態の表示を周囲の無線状態の前記表示と比較するステップとを定期的に反復するように動作可能な反復ロジックをさらに備える。
【0044】
一実施形態においては、伝送ロジックは、さらに、ユーザ装置エントリ・トリガー条件が、満たされていない場合に、非ユーザ装置エントリの表示をフェムト・ゲートウェイに対して送信するように動作可能である。
【0045】
さらなる特定の、また好ましい態様は、添付の独立請求項および従属請求項において設定される。従属請求項の特徴は、必要に応じて、また特許請求の範囲において明示的に設定されるこれら以外の組合せの形で、独立請求項の特徴と組み合わされることが可能である。
【0046】
本発明の実施形態は、次に添付の図面を参照して、さらに説明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1】一実施形態による電気通信ネットワークの主要なコンポーネントを示す図である。
図2図1に示される1つのマクロ・セルの内部の一般的な展開を示す図である。
図3図1の電気通信ネットワークにおいて使用するためのフェムト基地局のコンポーネントを概略的に示す図である。
図4図1の電気通信ネットワークにおいて使用するためのフェムト基地局の一実施形態によって実行される主要な処理ステップを示す図である。
図5図1の電気通信ネットワークにおいて使用するためのフェムト基地局によって実行される処理ステップの特定の実施形態を示す図である。
図6図1の電気通信ネットワークにおいて使用するためのフェムト・ゲートウェイのコンポーネントを概略的に示す図である。
図7図1の電気通信ネットワークにおいて使用するためのフェムト・ゲートウェイによって実行される主要な処理ステップを示す図である。
図8図1の電気通信ネットワークにおいて使用するためのフェムト・ゲートウェイによって実行される処理ステップの特定の実施形態を示す図である。
図9】一実施形態による無線状態トリガー条件を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
図1は、一実施形態によるワイヤレス通信ネットワーク10を一般的に示すものである。ユーザ装置34は、ワイヤレス通信ネットワーク10を通してローミングする。それぞれのマクロ・セル24をサポートする基地局22が、設けられる。ユーザ装置34に対して広域のカバレッジを提供するために地理的に分散された、いくつかのそのような基地局が設けられる。ユーザ装置34が、基地局22によってサポートされるマクロ・セル24の内部にある場合、そのときには通信が、関連する無線リンクの上でユーザ装置34と、基地局22との間で確立されることが可能である。各基地局は、一般的にいくつかのセクタをサポートする。一般的に、基地局の内部の異なるアンテナは、関連するセクタをサポートする。それに応じて、各基地局は、複数のアンテナを有し、またそれらの異なるアンテナを通して送信される信号は、セクタ化されたアプローチを提供するように電子的に重み付けされる。図1は、典型的な通信システムにおいて存在することができる、全部の数のユーザ装置と、基地局とのうちの小さなサブセットを示すものであることが理解されるであろう。
【0049】
基地局のクラスタのオペレーションは、無線ネットワーク制御装置170によって管理される。無線ネットワーク制御装置170は、バックホール通信リンク(backhaul communications link)160の上で基地局22と通信することにより、ワイヤレス通信ネットワーク10のオペレーションを制御する。ネットワーク制御装置170はまた、それらのそれぞれの無線リンクを経由してユーザ装置34と通信して、ワイヤレス通信ネットワーク10を効率的に管理する。
【0050】
無線ネットワーク制御装置170は、基地局によってサポートされるセルの間の地理的関係についての情報を含む近隣リストを保持する。さらに、無線ネットワーク制御装置170は、ワイヤレス通信ネットワーク10の内部のユーザ装置のロケーションについての情報を提供するロケーション情報を保持する。無線ネットワーク制御装置170は、回路交換網とパケット交換網とを経由してトラフィックを経路指定するように動作可能である。それゆえに、無線ネットワーク制御装置170が、通信することができる相手のモバイル交換センター250が、設けられる。モバイル交換センター250は、そのときに、公衆交換電話網(public switched telephone network)(PSTN)210などの回路交換網と通信する。同様に、ネットワーク制御装置170は、オペレータIPネットワーク215を経由してサービング汎用パケット無線サービス・サポート・ノード(serving general packet radio service support nodes)(SGSN)220と、ゲートウェイ汎用パケット無線サポート・ノード(gateway general packet radio support node)(GGSN)180と通信する。GGSNは、そのときに、例えば、インターネットなどのパケット交換コア(packet−switch core)190と通信する。
【0051】
図2において、より詳細に示されるように、(時にはホーム基地局と称される)いくつかのフェムト・セル基地局30が、設けられており、これらのフェムト・セル基地局のおのおのは、関連するフェムト・セル基地局が内部にインストールされる建物の近くでフェムト・セル32(またはホーム・セル)を提供する。フェムト・セル32は、これらの建物の近くでユーザのためのローカル通信カバレッジを提供する。各フェムト・セル基地局30は、フェムト・セル制御装置/ゲートウェイ230を経由してネットワーク10と通信する。ハンドオーバ・イベントまたはキャンピング・イベントは、ユーザ装置34が、フェムト基地局30が範囲内にあることを示す測定報告をマクロ基地局22に対して提供するときに、基地局22と、フェムト・セル基地局30との間で開始される。フェムト・セル基地局30は、一般的に、ユーザのブロードバンド・インターネット接続36(ADSL、ケーブル、イーサネットなど)をバックホールとして利用する。
【0052】
フェムト・セル基地局30は、これらのフェムト基地局が、RNC、SGSN、GGSNおよびMSCの機能を提供することができる居住環境または企業環境において高いセルラー・サービス品質を提供する、低パワーの、低コストの、ユーザ展開された基地局である。複雑な、また非常に信頼できる基地局が、ネットワーク所有者によって決定される戦略的なロケーションに対して展開される現在のマクロ・セル・アプローチとは対照的に、フェムト・セル基地局30は、顧客によってローカルに設けられる。そのようなフェムト・セル基地局30は、サービス品質が低い可能性があるマクロ・ネットワークのエリアにローカル・カバレッジを提供する。それゆえに、フェムト・セル基地局30は、ネットワーク・オペレータの場合には困難であるエリアにおいて改善されたサービス品質を提供する。フェムト基地局30のコストを低減させ、またマクロ・セルの内部の他のユーザ装置についての、フェムト・セル32の複雑さおよび干渉の効果を低減させるために、フェムト・セル基地局30の伝送パワーは、比較的に低いものになっていて、フェムト・セル32のサイズを数十メートルまたはそれより小さい範囲へと制限する。フェムト・セル基地局30は、簡単なプラグ・アンド・プレイ展開を可能にする、広範囲に及ぶ自動コンフィギュレーション能力と自己最適化能力とを有する。したがって、それらは、それら自体を既存のマクロ・セルラー・ワイヤレス・ネットワーク(macro cellular wireless network)10へと自動的に統合するように設計される。さらに、マクロ・セルラー・ネットワークの内部の何らかのアクセス・ポイントは、コア・ネットワークによって伝統的に提供される何らかの機能を含んでいる。
【0053】
各フェムト基地局30は、一般的に、どのユーザ装置34が、そのフェムト基地局30にアクセスすることができるかを制御する機能を有することになる。クローズド・アクセスのフェムト基地局は、そのフェムト基地局に登録されているように(例えば、ユーザ装置の国際移動電話加入者識別番号(International Mobile Subscriber Identity)(IMSI)を使用して)示されているこれらのユーザ装置に対するアクセスを可能にするだけになるのに対して、オープン・アクセスのフェムト基地局は、すべてのユーザ装置に対するアクセスを可能にする。
【0054】
フェムト基地局30に対して割り付けられ得る一次スクランブリング・コードの数は、限られている。多数の実装においては、使用可能な一次スクランブリング・コードの数は、20よりも少なくなり、また最も一般的には、6と16との間にあるであろう。しかしながら、使用可能な一次スクランブリング・コードの総数は、実装ごとに変化することになり、またこれらの例証的な数よりも多くても、または少なくてもよい。これらの一次スクランブリング・コードは、一般的に、使用される周囲の一次スクランブリング・コードの測定値に基づいてフェムト基地局30によって自動−構成されている。それゆえに、典型的なフェムト基地局展開においては、一次スクランブリング・コードが、大きく再使用される必要がある可能性があり、これは、多数のフェムト基地局30が、マクロ・セル24のカバレッジ・エリアの内部の同じ一次スクランブリング・コードを使用している可能性があることを意味する。
【0055】
どのようにであっても、もっと詳細にそれらの実施形態を説明する前に、簡単な概説が、次に提供されることになる。フェムト基地局30に対するハンドオーバを実行するときに、そのターゲット・フェムト基地局(ユーザ装置が、ハンドオフされる必要がある相手の基地局)をできる限り正確に識別しようと試みることが、必要である。理想的な実装においては、各フェムト基地局30は、一意的に識別可能になるであろう。しかしながら、たとえネットワーク10において展開されるあらゆるフェムト基地局30を一意的に識別することが可能であったとしても、現在では、ユーザ装置34が、そのような固有の識別情報を検出することを、またはそのハンドオーバが起こることを可能にするようにその情報をネットワーク10を通してフェムト制御装置/ゲートウェイ230(これは、フェムト基地局のための無線ネットワーク制御装置としての機能を果たす)へと逆に通信することを可能にする準備は、存在していない。したがって、ユーザ装置34と、マクロ基地局22と、フェムト制御装置/ゲートウェイ230に対して介在するインフラストラクチャとについての既存の機能は、ターゲット・フェムト基地局が、識別されることを可能にするやり方で利用される必要がある。
【0056】
しかしながら、様々な既存の機能は、ターゲット・フェムト基地局30に対するハンドオーバを識別し、容易にする助けをするために強化され得る2Gネットワークと、3Gネットワークとの両方の中に存在する。その強化された機能は、いつユーザ装置34が、ネットワーク10の内部のフェムト基地局30にアタッチされるかを示す信号情報を利用する。
【0057】
フェムト基地局は、既存のマクロ・セル・レイヤの内部のカバレッジのサブレイヤを生成するように振る舞うことが、理解されるであろう。
【0058】
典型的なネットワーク10において、ユーザ装置は、各基地局のPSCの表示を含む、基地局(マクロとフェムトとの両方)からの信号を受信する。各基地局から受信される前記PSCを含むパイロット信号の相対的強度は、候補セルのリストを生成するために利用されるので、PSCは、ハンドオーバまたは移動性の目的のために候補セルを識別するために、ユーザ装置によって利用される。ユーザ装置によってRNCに対して報告して戻されるPSCはまた、同じドメインの内部のセルを同じ無線制御装置によって制御される他のセルとして識別するために、RNCにより省略表現(shorthand)として使用される。一般的に、ユーザ装置は、その全体の中の受信ブロードキャスト・チャネルを復号するようにではなくて、受信スクランブリング・コードをRNCに対して報告して戻すように動作可能である。簡単なPSCを報告して戻すことは、ユーザ装置のバッテリ寿命の何らかのレベルの保存を可能にする。
【0059】
1つのマクロ・セル24によってサーブされる地理的地域の内部に位置する多数のフェムト・セルが、存在し得ることが、理解されるであろう。これは、スクランブリング・コードだけを経由してアクティブなハンドオーバのためのターゲット・フェムト・セルを識別するときに、潜在的な問題を引き起こす。マクロ・セルの地理的ドメインの内部のフェムト・セルの数は、全体のシステム10が使用可能であったスクランブリング・コードの範囲よりも潜在的に多い可能性がある。フェムト基地局によって提供されるサブレイヤのために十分な数のスクランブリング・コードを有するという問題は、フェムト・サブレイヤの使用のために限られた数のスクランブリング・コードを分離することにより緩和されることが可能である。これらの限られたスクランブリング・コードは、フェムト・セルを提供する多数のフェムト基地局の間で再使用されることが可能である。その方法を使用することにより、同じスクランブリング・コードを有する(時には同じカラーを有すると称される)非常に多数のフェムト・セルは、マクロ・レイヤに対して単一の「仮想」セルとして見えることができるようになる。
【0060】
マクロ基地局からフェムト基地局へのユーザ装置のアクティブなハンドオーバを実行するために、ネットワーク10は、仮想セルを識別するように、また識別された仮想セルの構成を作り出すフェムト基地局のおのおのに対して関連のある信号プロシージャを渡すように動作可能である必要がある。そのようなアプローチは、信号の不必要な複製をもたらす可能性があることが、理解されるであろう。フェムト・セルの大規模システムにおいては、そのような追加の信号は、ネットワーク問題を引き起こす可能性がある。
【0061】
ユーザ装置34と、フェムト基地局30とによる現在測定されたパラメータの利用を利用して、アクティブなハンドオーバのために信号で伝えるフェムト基地局をよりインテリジェントに選択することができる。ネットワークは、アクティブなハンドオーバのためのターゲット・フェムト・セルを正確に識別する確率を増大させることができる。
【0062】
とりわけ、カバレッジ32のエリアをサポートするフェムト基地局は、それらの特定の地理的ロケーションにおける周囲の無線ノイズ・フロアを測定するように動作可能である。フェムト基地局30のカバレッジ・エリアに入るアクティブなユーザ装置は、フェムト・セルの測定された無線ノイズ・フロアを効果的に増大させる新しい無線干渉源としてフェムト基地局によって見られることになる。フェムト・セルによって提供されるカバレッジ・エリアは小さく、またフェムト・セルは、それに応じて展開されるので、フェムト基地局のサービスを使用したいと思うユーザ装置は、放浪する(nomadic)ユーザ、または静止したユーザである可能性が高く、また無線ノイズ・フロアにおける上昇は、ユーザ装置がフェムト・セルの内部に留まる間、持続している可能性が高い。フェムト基地局は、測定された無線ノイズ・フロアの上昇に基づいてトリガー・ポイントを設定するように動作可能とすることができる。ノイズ・フロアの上昇を使用して、アクティブなハンドオーバ・イベントの増大された可能性をネットワークに対して信号で伝えることができる。
【0063】
例えば、フェムト基地局が、ノイズ・フロアにおける上昇を検出する場合、フェムト基地局は、フェムト・ゲートウェイがフラグをセットするように、フェムト・ゲートウェイ230と通信することができる。ユーザ装置34が、フェムト基地局30によってサーブされるフェムト・セル32に入る場合、ユーザ装置は、そのフェムト基地局から一次スクランブリング・コードを受信することになる。ユーザ装置34は、それが既にアタッチされているマクロ基地局に対してその測定値を送信する。その基地局は、一次スクランブリング・コードをRNC170に対して中継する。RNC170は、一次スクランブリング・コードが、それがサーブする、クラスタの中の基地局の一次スクランブリング・コードではないことを認識する。それが、ネットワーク10に問い合わせを行い、また受信されたPSCが、フェムト・セル・ゲートウェイ230によってサーブされることを「調べる」。RNC170は、フェムト・セル・ゲートウェイ230を仮想RNCとして見る。アクティブなハンドオーバを完了したいと思うマクロ・システムは、受信PSCによって識別される仮想マクロ・セルに対して信号を送信する。この信号は、フェムト・ゲートウェイ230に到着する。フェムト・ゲートウェイ230は、ノイズ・フロア上昇フラグのセット(noise floor rise flag set)を報告したこれらのフェムト基地局30に対してアクティブなハンドオーバ信号を単に転送するように動作可能とすることができる。
【0064】
このようにして、ターゲット・ハンドオーバ・フェムト・セルに関する不確実性と、その結果としての無関係な信号の増大が、緩和され得ることが、理解されるであろう。
【0065】
測定された無線ノイズ・フロアは、しきい値トリガーの適切な選択によって利用されることが可能である。それらのしきい値は、フェムト基地局が、マクロ・システムがフェムト・セルに対するアクティブなハンドオーバ・プロシージャを開始する前に、可能性のあるハンドオーバについてフェムト・ゲートウェイに通知するように、十分に低く設定される必要があり、そうでなければ、マクロ・レベルからフェムト・レベルへのハンドオーバは、失敗するであろう。同時に、しきい値が、あまりにも低すぎてはならないこと、あるいはユーザ装置が、フェムト・セルを通過するが、フェムト・セルに留まらないことがあまりにも多くの誤判定をもたらすことになることが、理解されるであろう。
【0066】
同一チャネル(co−channel)の場合に、ユーザ装置34のフェムト・セル32に対するエントリは、無線干渉の新しいソースとして見られ、また無線ノイズ・フロアにおける結果として生じる上昇を引き起こす。技法は、非同一チャネル(non co−channel)の場合に拡張され得る(すなわち、マクロが、フェムト・オーバーレイとは異なるキャリア周波数を基礎とする(underlay))ことが、理解されるであろう。このシナリオは、フェムト基地局が、マクロ・アンダーレイ周波数の知識を有することを必要とする。そのような情報は、初期のフェムト基地局の自動コンフィギュレーション・プロセス中にHNMSによって提供され、またアップデートされ続けることが可能である。非同一チャネルの場合はまた、フェムト基地局が、アンダーレイ周波数のノイズ・フロアの測定を実行する能力を有することを必要とする。
【0067】
一実施形態においては、フェムト・セルにおけるノイズ・フロアにおける局所的上昇は、フェムト・セルに対してハンドオーバされるユーザ装置の可能性が存在することを示す、フェムト・ゲートウェイに対するインジケータとして使用される。この可能性は、フェムト・ゲートウェイに対して信号で伝えられる。シグナリング・イベントは、マクロ・セルラー・ネットワークから受信されているアクティブなハンドオーバ・シグナリング・イベント・メッセージを予期してフェムト・ゲートウェイにおいてセットされているノイズ・フロア・フラグをもたらす。フェムト・セルに入るユーザ装置を示す任意の測定可能な特性は、無線ノイズ・フロアにおける上昇と、例えば、ブロック・エラー・レートの増大、ビット・エラー・レートの増大、またはユーザ装置におけるフェムト基地局からの受信ブロードキャスト・チャネル強度の強度における上昇と、類似したやり方で利用され得ることが理解されるであろう。
【0068】
アクティブなユーザ装置が、フェムト基地局30によってサーブされる地理的領域に入るときに、測定されたノイズ・フロアにおける増大が存在する可能性が高いことが、理解されるであろう。
【0069】
したがって、フェムト制御装置/ゲートウェイ230は、何らかのインテリジェンスを使用して、ユーザ装置34がハンドオーバしたいと思い、またそれゆえにそのフェムト基地局に対してハンドオーバ要求を転送することができる最も可能性の高いフェムト基地局を決定することができる。
【0070】
それに応じて、ハンドオーバのためのターゲット基地局の数は、かなり低減されることが可能であり、それによってハンドオーバが、正常に完了することになる可能性を改善し、また意図されたハンドオーバ・ターゲット以外の基地局を準備するリソースの不必要な使用を低減させることが分かる。
【0071】
図1の電気通信ネットワークにおいて使用するためのフェムト基地局の一実施形態のオペレーションが、次に図3から5に関連してより詳細に説明されることになる。
【0072】
図3は、図1の電気通信ネットワークにおいて使用するためのフェムト基地局の一実施形態を概略的に示すものである。図3のフェムト基地局30は、受信アンテナ300と、伝送装置310と、フェムト基地局制御装置320とを備える。フェムト基地局制御装置320は、現在無線状態受信ロジック330と、周囲無線状態受信ロジック340と、無線状態比較ロジック350と、フラグ伝送実装ロジック360とをさらに備える。
【0073】
受信アンテナ300は、無線信号を受信するように動作可能である。受信アンテナ300は、一般の無線信号を受信するが、またフェムト・ゲートウェイ230からの、またユーザ装置34からの特定の無線信号も受信する。伝送装置310は、ユーザ装置34に対する、またフェムト・セル制御装置230に対する信号を送信するように動作可能である。
【0074】
受信アンテナ300は、現在無線状態受信ロジック330、および周囲無線状態受信ロジック340と通信するように動作可能である。周囲無線状態受信ロジック340は、周囲の無線状態を決定するために、ある期間の上で現在の無線状態を平均化するように動作可能であることが、理解されるであろう。
【0075】
現在無線状態受信ロジック330と、周囲無線状態受信ロジック340との両方は、無線状態比較ロジック350と通信するように動作可能である。無線状態比較ロジック350は、次には伝送アンテナ310と通信するフラグ伝送実装ロジック360と通信するように動作可能である。フェムト基地局30のオペレーションは、さらに、図4の処理ステップに関連して説明されることになる。
【0076】
図4は、図3のフェムト基地局の主要な処理ステップを示すものである。フェムト基地局30によってサーブされる地理的領域に対するユーザ装置エントリを識別する主要な処理ステップは、方法400として概略的に示される。現在無線状態受信ロジック330は、方法400におけるステップ410として示される現在の無線状態の表示を受信するように動作可能である。周囲無線状態受信ロジック340は、方法400におけるステップ420として示されるように、周囲の無線状態の表示を受信するように動作可能である。無線状態比較ロジック350は、現在の無線状態の表示と、周囲の無線状態の表示とを受信し、現在の無線状態を周囲の無線状態と、またあらかじめ決定されたユーザ装置エントリ・トリガー判断基準に対して比較して、ユーザ装置が、フェムト基地局30によってサーブされる地理的地域に入っている可能性が高いかどうかを決定する。あらかじめ決定された判断基準に対する比較のそのステップは、方法400のステップ430によって示される。ユーザ装置エントリ判断基準が、無線状態比較ロジック350によって満たされていることが決定される場合、フェムト基地局30は、フェムト・ゲートウェイ230に対してユーザ装置エントリの表示を送信するように動作可能である。ユーザ装置のエントリを示すフラグの伝送のそのステップは、方法400におけるステップ440として示され、また伝送実装ロジック360と、伝送装置310とによって実行される。
【0077】
図5は、図1の電気通信ネットワークにおいて使用するためのフェムト基地局によって実行される処理ステップの特定の一実施形態を示すものである。図5に示される主要な処理ステップは、方法500を構成しており、またフェムト基地局30におけるノイズ・フロアの測定に基づいた特定の一実施形態に関する。この実施形態においては、フェムト基地局30は、ノイズ・フロアを測定するように動作可能である。このステップは、ステップ510として示される。次いで、フェムト基地局は、測定されたノイズ・フロアが、あらかじめ決定されたしきい値の上にあるかどうかを決定するように動作し、またそのステップは、520として示される。基地局が、ノイズ・フロアが、あらかじめ決定されたしきい値の上にあることを、すなわち、トリガー判断基準が、満たされていることを決定する場合、基地局は、ステップ530において示されるようにノイズ・フロアしきい値を再計算するように(すなわち、周囲のノイズ・フロアを再計算するように)も、またフェムト基地局ゲートウェイに対して「フラグ・セット(flag set)」メッセージを送信するようにも動作可能である。そのステップは、ステップ540に示される。
【0078】
ひとたびステップ520から540が完了された後に、フェムト基地局は、ノイズ・フロアを定期的に再測定するようにタイマーをリセット(またはセット)するように動作可能である。タイマーをリセットするステップは、ステップ550として示される。ステップ520において、測定されたノイズ・フロアが、それらのしきい値の上にない(すなわち、ユーザ装置エンジン判断基準が満たされていない)ことが決定される場合、基地局は、タイマーが満了しているかどうかをチェックするように動作可能である。タイマーが満了しているかどうかをチェックするステップは、ステップ560に示される。タイマーが満了している場合、そのときには基地局は、ステップ570においてノイズ・フロアしきい値をリセットするように、またオプションとしてフェムト・ゲートウェイ230に対して「フラグ・セット」メッセージを送信するように動作可能である。オプションとしてのステップは、580として示される。タイマーが、ステップ560において満了していない場合、そのときには基地局は、タイマーが満了するまで待つように、また次いでステップ510においてノイズ・フロアを再測定するように動作可能である。
【0079】
図1の電気通信ネットワークにおいて使用するためのフェムト・ゲートウェイの一実施形態のオペレーションは、次に図6〜8に関して、より詳細に説明されることになる。
【0080】
図6は、図1の電気通信ネットワークにおいて使用するためのフェムト・ゲートウェイ230の一実施形態を概略的に示すものである。図6のフェムト・ゲートウェイは、受信装置600と、伝送装置610と、ゲートウェイ制御装置620とを備える。フェムト・ゲートウェイは、フェムト基地局30にリンクされる。
【0081】
受信装置600は、コア・ネットワークから、またフェムト基地局30から信号を受信するように動作可能である。さらに、伝送装置610は、フェムト基地局30と、またコア・ネットワークと通信するように動作可能である。
【0082】
フェムト・ゲートウェイ制御装置620は、ユーザ装置エントリ受信ロジック630と、ユーザ装置エントリ・ストレージ・ロジック640と、ハンドオーバ・ターゲット受信ロジック650と、ハンドオーバ相関ロジック660と、ハンドオーバ実装ロジック670とをさらに備える。
【0083】
受信装置は、ユーザ装置エントリ受信ロジック630、およびハンドオーバ・ターゲット受信ロジック650と通信するように動作可能である。ユーザ装置エントリ受信ロジック630は、ユーザ装置エントリ・ストレージ・ロジック640と通信する。ユーザ装置エントリ・ストレージ・ロジック640と、ハンドオーバ・ターゲット受信ロジック650とは、両方ともにハンドオーバ相関ロジック660と通信するように動作可能である。ハンドオーバ相関ロジック660は、次には伝送装置610と通信するハンドオーバ実装ロジック670と通信する。フェムト・ゲートウェイ230のオペレーションは、さらに、図7の処理ステップに関して説明されることになる。
【0084】
図7は、図1による電気通信ネットワークにおいて使用されるようなフェムト・ゲートウェイ230の主要な処理ステップを示すものである。転送ターゲットのハンドリングを識別する主要な処理ステップは、方法700として示される。
【0085】
フェムト・ゲートウェイ230は、フェムト基地局30からユーザ装置エントリの表示を受信する。その信号は、受信装置600によって受信され、次いでユーザ装置エントリ受信ロジック630に渡される。そのステップは、このようにして図7によって示される方法700のステップ710に示される。フェムト・ゲートウェイは、関連のある受信されたユーザ装置エントリ情報を記憶する機能を果たす。ストレージの動作は、ステップ720として示される。
【0086】
フェムト基地局によって送信されるユーザ装置エントリの表示は、ユーザ装置エントリ・ストレージ・ロジック640に記憶される。フェムト・ゲートウェイ230の受信装置600はまた、ユーザ装置によって検出されるフェムト基地局のインジケータを受信するように動作可能である。そのステップは、ステップ730として示される。検出されたフェムト基地局のインジケータは、ユーザ装置に起源を発し、また特にコア・ネットワークからのハンドオーバ・メッセージとしてフェムト・ゲートウェイに到着する可能性が高いことが理解されるであろう。ユーザ装置は、マクロ基地局に対して送信されるリストの中でフェムト基地局からの受信信号をリストアップすることにより、可能性のあるハンドオーバについてのフェムト基地局を効果的に識別していることになる。
【0087】
フェムト・ゲートウェイ230は、ステップ740によって示されるように、基地局インジケータと、記憶されたユーザ装置エントリ情報とを相互に関連付ける機能を果たす。フェムト・ゲートウェイ230は、コア・ネットワークがハンドオーバしたいと思う相手のこれらのフェムト基地局と、ユーザ装置がそれらのフェムト基地局自体によってサーブされる地理的領域に最近になって入っているこれらのフェムト基地局とを識別するように動作可能であることが、理解されるであろう。これらの2つの情報を相互に関連付けることにより、フェムト・ゲートウェイ230は、識別されたターゲット・ハンドオーバ基地局の数を最も可能性の高い基地局だけに制限し、またそれによってシステムの内部の不必要な信号を制限することができる。相互に関連付けることにより識別するステップは、ステップ750として示される。ひとたびハンドオーバ・ターゲットが、ステップ750において識別された後に、ハンドオーバ実装ロジック670と、伝送装置610とは、関連のあるフェムト基地局に対するハンドオーバ制御メッセージの送信をもたらすように動作可能であることが、理解されるであろう。
【0088】
図8は、図1に示されるような電気通信ネットワークにおいて使用するためのフェムト・ゲートウェイによって実行される処理ステップの特定の一実施形態を示すものである。特に、図8の処理ステップは、(図5に関連して説明されるように)フェムト基地局30によって送信されるノイズ・フロア・フラグを利用するプロセス800を示している。
【0089】
図8に示される方法800においては、フェムト・ゲートウェイ230は、ステップ810においてメッセージを受信する。次いで、フェムト・ゲートウェイは、ステップ820において、それがフェムト基地局からのメッセージであるかどうかを決定する。フェムト基地局から受信されたメッセージとして識別され、またそのメッセージがフラグに関連している場合、そのときにはフェムト・ゲートウェイは、メッセージが、ノイズ・フロア・フラグのセッティングを指示するかどうかを決定するように動作可能である。決定するそのステップは、ステップ830である。メッセージが、ノイズ・フロア・フラグをセットする場合には、フェムト・ゲートウェイ230は、ステップ840において示されるように特定の基地局に対してマッピングする仮想セルにおけるフラグをセットする機能を果たす。次いで、ゲートウェイは、ステップ850においてフラグ・タイマーを開始し、このフラグ・タイマーは、そのフラグが保持される必要があるかどうかをチェックするように動作する。
【0090】
ステップ830において、メッセージが、ノイズ・フロア・フラグをセットするものでないことが決定される場合、そのときにはフェムト・ゲートウェイ230は、ノイズ・フロア・フラグをクリアするように(ステップ840に示されるように)動作可能とすることができる。フェムト・ゲートウェイは、ステップ850において示されるように特定のフェムト基地局識別情報にマッピングする仮想セルの中のフラグをクリアするように、またステップ860において示されるようにステップ850で設定される関連のあるタイマーを停止するように動作可能とすることができる。それがそうであることを決定する場合には、「クリア・フラグ」メッセージが、ステップ840において受信されている。
【0091】
次にステップ820に戻ると、フェムト・ゲートウェイが、制御メッセージを受信し、またそれが、フェムト基地局から受信されるメッセージでないことを決定している場合、ゲートウェイは、メッセージが、コア・ネットワークから受信されるシグナリング・メッセージであるかどうかを決定するように動作可能である。そのステップは、ステップ870として示される。メッセージが、コア・ネットワークからのシグナリング・メッセージである場合、そのときにはフェムト・ゲートウェイは、シグナリング・メッセージが、ハンドオーバ要求メッセージであるかどうかを決定するように動作する。そのステップは、880として示される。それが、ハンドオーバ・メッセージではない場合、プロセスは、簡単に、図8によって示されるように再び開始される。ハンドオーバ・メッセージであることが決定される場合、フェムト・ゲートウェイは、そのハンドオーバ要求を仮想セルに対してマッピングするように動作可能であり、またコア・ネットワークから提供されるユーザ装置IDと、一次スクランブリング・コードとを調べることにより、それを行う。仮想セルに対してマッピングするステップは、ステップ890として示される。
【0092】
ステップ900において、フェムト・ゲートウェイは、ステップ890において完了される仮想セル・カラーに対するマッピングをノイズ・フロアにおける増大を示すフラグをセットしているこれらのフェムト基地局(およびそれゆえにこれらのフェムト基地局によってサーブされる地理的地域への最近のユーザ・エントリ)と比較し、またノイズ・フロア・フラグをセットしている仮想セルの中のこれらのフェムト基地局に対してだけハンドオーバ・メッセージを中継する。
【0093】
ステップ810においてゲートウェイによって受信される内向きメッセージが、フェムト基地局から受信される制御メッセージでも、コア・ネットワークからのシグナリング・メッセージでもない場合、そのときにはフェムト・ゲートウェイ230は、ステップ910に応じて動作し、またステップ850において設定されるタイマーが今のところ満了しているかどうかを決定する。タイマーが、満了していない場合、プロセスは、再び開始される。タイマーが、満了している場合、基地局は、ステップ930によって示されるように、仮想セルの中のフラグをクリアするように動作する。
【0094】
クリアリング・オペレーションにより、最近になって入ったユーザ装置を有するこれらのフェムト基地局だけが、フラグを保持することができるようになることが、理解されるであろう。さらに、システムが、フェムト基地局によってサーブされる特定の地理的地域に対する一連のユーザ装置エントリを認識する必要がある場合、フラグ・クリアリング・オペレーションが、これを容易にすることが、理解されるであろう。例えば、基地局30によってサーブされる地理的領域への第1のアクティブなユーザ装置のエントリは、ノイズ・フロアしきい値トリガー条件230が、満たされるようにさせ、またその結果としてフラグが、設定されるようにさせることになる。そのユーザ装置が、アクティブのままに留まり、またフェムト・セル32の中に留まる場合、周辺のノイズ・フロアは、再計算されることになり、また最終的にはフラグは、クリアされることになる。第2のアクティブなユーザ装置が、同じ地理的領域に入る場合、ノイズ・フロア・フラグをリセットする必要があり、またトリガー条件は、新しく計算された周囲のノイズ・フロアとの比較によって行われる。
【0095】
図9は、無線状態トリガー・イベントの特定の一例を示すものである。この場合には、トリガー・イベントは、フェムト基地局によって測定されるノイズ・フロアにおける増大である。図9のグラフは、アクティブなユーザ装置が、その特定のフェムト基地局によってサーブされる地理的領域へ入るときのフェムト基地局における測定されたノイズ・フロアを示すものである。Aにおいて、フェムト基地局は、かなりフラットな周囲のノイズ・フロアを経験している。Bにおいて、アクティブなモバイルが、フェムト基地局に近づき、またフェムト・セルに入る。Cにおいて、フェムト基地局は、測定されるノイズ・フロアが、「設定された」しきい値に関連する条件の組に到達していることを認識する。アクティブなユーザ装置が、フェムト・セルに入っていることを示す条件が、満たされている。Cにおいて、ノイズ・フロアにおける上昇は、フェムト・ゲートウェイに対して送信されるべき「フラグ・セット」信号をトリガーする。Dにおいて、新しいかなり安定した周囲のノイズ・フロアが設定されていることが分かり、全般的なノイズにおけるこの増大は、フェムト・セルによって捕捉されているアクティブなモバイルに起因している。最終的には、フェムト・ゲートウェイにおいて実装される定期的なチェックは、そのセットされたフラグをクリアすることになる。ノイズ・フロアが、そのプロセスの前にレベル「E」を下回る場合、「クリア・フラグ」メッセージが、フェムト・ゲートウェイに対して送信されることが可能である。
【0096】
当業者なら、様々な上記に説明された方法のステップが、プログラムされたコンピュータによって実行され得ることを簡単に認識するであろう。本明細書において、いくつかの実施形態はまた、プログラム・ストレージ・デバイス、例えば、デジタル・データ・ストレージ媒体を包含するように意図され、このプログラム・ストレージ・デバイスは、マシン読取り可能またはコンピュータ読取り可能であり、また命令のマシン実行可能プログラムまたはコンピュータ実行可能プログラムを符号化し、そこで前記命令は、前記の上記の説明された方法のステップの一部または全部を実行する。プログラム・ストレージ・デバイスは、例えば、デジタル・メモリ、磁気ディスクや磁気テープなどの磁気ストレージ媒体、ハード・ドライブ、または光学的に読取り可能なデジタル・データ・ストレージ媒体とすることができる。それらの実施形態はまた、上記に説明された方法の前記ステップを実行するようにプログラムされるコンピュータを包含するようにも意図される。
【0097】
「プロセッサ」または「ロジック」としてラベル付けされる任意の機能ブロックを含めて、図面に示される様々な要素の機能は、専用のハードウェア、ならびに適切なソフトウェアに関連した、ソフトウェアを実行することができるハードウェアの使用を通して提供されることが可能である。プロセッサによって提供されるときに、それらの機能は、単一の専用のプロセッサにより、単一の共用のプロセッサにより、または複数の個別のプロセッサにより提供され、それらのプロセッサのうちのいくつかは共用されることが可能である。さらに、用語「プロセッサ」または「制御装置」または「ロジック」の明示的な使用は、ソフトウェアを実行することができるハードウェアだけを排他的に意味するように解釈されるべきではなく、また限定することなく、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor)(DSP)ハードウェアと、ネットワーク・プロセッサと、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit)(ASIC)と、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(field programmable gate array)(FPGA)と、ソフトウェアを記憶するためのリード・オンリー・メモリ(read only memory)(ROM)と、ランダム・アクセス・メモリ(random access memory)(RAM)と、不揮発性ストレージとを暗黙のうちに含むことができる。他のハードウェア、従来および/またはカスタムのものもまた、含まれていてもよい。同様に、図面の中に示される任意のスイッチは、概念的なものにすぎない。それらの機能は、プログラム・ロジックのオペレーションを通して、専用のロジックを通して、プログラム制御と専用のロジックとの相互作用を通して、または手動によってさえも、実行されることが可能であり、特定の技法は、文脈からより詳細に理解されるように実装者によって選択可能である。
【0098】
本明細書における任意のブロック図は、本発明の原理を実施する例示の回路の概念図を表すことが、当業者によって理解されるべきである。同様に、任意のフロー・チャート、流れ図、状態遷移図、擬似コードなどが、そのようなコンピュータまたはプロセッサが、明示的に示されているか否かにかかわらず、コンピュータ読取り可能媒体において実質的に表され、またコンピュータまたはプロセッサによってそのように実行されることが可能である様々なプロセスを表すことが、理解されるであろう。
【0099】
説明と図面とは、単に本発明の原理を示しているにすぎない。したがって、当業者は、本明細書において明示的に説明され、または示されてはいないけれど、本発明の原理を実施し、またその精神および範囲の内部に含まれる様々な構成を工夫することができるようになることが、理解されるであろう。さらに、本明細書において列挙されるすべての例は、基本的に、当技術を推進するために本発明者(単数または複数)によって寄与される本発明の原理と概念とを理解する際に読者を助ける教育上の目的のためにすぎないように明示的に意図され、またそのような具体的に列挙された例および状態だけに限定することのないものとして解釈されるべきである。さらに、本発明の原理、態様および実施形態、ならびにその特定の例を列挙する、本明細書におけるすべての記述は、その同等物を包含するようにも意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9