(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5762573
(24)【登録日】2015年6月19日
(45)【発行日】2015年8月12日
(54)【発明の名称】予圧制御装置を有する圧力制御弁を備える可変容量形潤滑油ポンプ
(51)【国際特許分類】
F04C 2/344 20060101AFI20150723BHJP
F04C 14/22 20060101ALI20150723BHJP
F04C 14/24 20060101ALI20150723BHJP
【FI】
F04C2/344 331C
F04C2/344 311
F04C2/344 331Z
F04C14/22 D
F04C14/24 B
【請求項の数】7
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-554797(P2013-554797)
(86)(22)【出願日】2011年2月21日
(65)【公表番号】特表2014-506655(P2014-506655A)
(43)【公表日】2014年3月17日
(86)【国際出願番号】EP2011052490
(87)【国際公開番号】WO2012113437
(87)【国際公開日】20120830
【審査請求日】2013年10月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】311013845
【氏名又は名称】ピールブルグ パンプ テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Pierburg Pump Technology GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】カリミーネ クーネオ
【審査官】
松浦 久夫
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第02740256(US,A)
【文献】
特開昭56−143384(JP,A)
【文献】
国際公開第2010/146087(WO,A2)
【文献】
国際公開第2005/026553(WO,A1)
【文献】
特開昭60−078143(JP,A)
【文献】
米国特許第04292805(US,A)
【文献】
特開平10−067332(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04C 2/344
F04C 14/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関(70)に連結され、かつ該内燃機関(70)により駆動される、加圧潤滑油を該内燃機関(70)に送るための可変容量形潤滑油ポンプ(10)であって、
該可変容量形潤滑油ポンプ(10)は、
移動可能な制御リング(12)内で回転する、半径方向に摺動可能なベーン(14)を有するポンプロータ(13)と、
前記加圧潤滑油の吐出圧力を制御するための圧力制御システムであって、前記制御リング(12)を高吐出量方向に押すための第1の圧力制御室(25)と、ポンプ出口ポート(21)を前記第1の圧力制御室(25)に接続する第1の圧力導管(82,87)と、前記第1の圧力制御室(25)の圧力を制御する圧力制御弁(60)とを含む、前記圧力制御システムと、を備え、
前記圧力制御弁(60)は、
該圧力制御弁(60)のシリンダ壁(65)の制御ポート(66)を開閉するための制御プランジャ(64)であって、前記制御ポート(66)は前記第1の圧力制御室(25)の出口ポートに接続されている前記制御プランジャ(64)と、
ポンプ出口圧力が作用し、かつ前記制御プランジャ(64)に接続される入力圧力プランジャ(62)と、
前記ポンプ出口圧力に抗して前記制御プランジャ(64)を閉鎖位置に予圧する制御ばね(68)と、を有する、
可変容量形潤滑油ポンプ(10)において、
前記制御ばね(68)の前記予圧を制御するための予圧制御装置(30)を備えていて、
該予圧制御装置(30)は、
予圧シリンダ(31)内を軸方向に移動し、かつ前記制御ばね(68)の基部を支持する予圧プランジャ(42)と、
加圧潤滑油を前記予圧シリンダ(31)に提供するための予圧シリンダ入口(34)と、
前記予圧シリンダ(31)内の潤滑油圧力を制御するための予圧制御弁(38)と、を含み、
予圧制御吐出導管(40)により潤滑油タンク(50)に接続される予圧シリンダ出口(36)が設けられ、前記予圧制御弁(38)は、前記予圧制御吐出導管(40)に設けられることを特徴とする、可変容量形潤滑油ポンプ(10)。
【請求項2】
前記ポンプ出口ポート(21)と前記予圧シリンダ入口(34)との間に予圧制御供給導管(32)が設けられ、該予圧制御供給導管(32)に絞り弁(33)が設けられる、請求項1記載の可変容量形潤滑油ポンプ(10)。
【請求項3】
前記圧力制御弁(60)のシリンダ壁(65)および前記予圧シリンダ(31)は、1つの一体型の弁ハウジング(90)の一部である、請求項1又は2記載の可変容量形潤滑油ポンプ(10)。
【請求項4】
前記弁ハウジング(90)において、前記制御プランジャ(64)と前記予圧プランジャ(42)との間に通気ポート(46)が設けられる、請求項3記載の可変容量形潤滑油ポンプ(10)。
【請求項5】
前記予圧プランジャ(42)の遠位側には、該予圧プランジャ(42)が、前記予圧シリンダ出口(36)が設けられる予圧シリンダ前端壁(92)から常に最低限の距離を置いて離れるためのオフセットノーズ(45)が設けられる、請求項1から4までのいずれか1項記載の可変容量形潤滑油ポンプ(10)。
【請求項6】
前記予圧プランジャ(42)には、該予圧プランジャ(42)の近位側において、ばねガイドスリーブ(43)が設けられる、請求項1から5までのいずれか1項記載の可変容量形潤滑油ポンプ(10)。
【請求項7】
前記予圧シリンダ(31)の直径は、前記制御弁のシリンダ壁(65)の直径よりも大きく、前記予圧シリンダ(31)と前記制御弁のシリンダ壁(65)との間の段部は、前記予圧プランジャ(42)のためのストップリング(41)を画定している、請求項1から6までのいずれか1項記載の可変容量形潤滑油ポンプ(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関用の加圧潤滑油を提供するための可変容量形潤滑油ポンプに関する。
【0002】
メカニカルポンプは、半径方向に移動可能な制御リング内で回転する、半径方向に摺動可能なベーンを有するポンプロータを備え、制御リングは、第1の制御室により、高吐出量方向に押される。ポンプは、ポンプ出口ポートにおける加圧潤滑油の吐出圧力を制御するための圧力制御システムを備える。ポンプには、ポンプ出口ポートを第1の制御室に接続する第1の圧力導管が設けられる。ポンプには、第1の圧力制御室の圧力を制御する圧力制御弁も設けられる。
【0003】
従来技術の可変容量形潤滑油ポンプは、国際公開第2005/026553号から周知である。圧力制御弁は、ポンプロータの回転速度から独立して、ポンプによって提供される加圧潤滑油の圧力をほぼ一定レベルに保つ。これは、制御弁の圧力制御ポートを開閉し、それにより、ポンプの圧力制御室が、潤滑油タンクの大気圧に接続されるまたは潤滑油タンクの大気圧から分離されることによって達成される。しかし、エンジンの潤滑油圧力要求は一定ではなく、例えば、潤滑油温度およびエンジンの回転速度といった、いくつかのエンジンの作動条件に依存する。
【0004】
本発明は、ポンプから出る加圧潤滑油に2つのレベルの呼び(公称)圧力を提供する単純な制御システムを有する可変容量形潤滑油ポンプを提供することを目的とする。
【0005】
この目的は、請求項1の特徴を有する可変容量形潤滑油ベーンポンプにより達成される。
【0006】
可変容量形潤滑油ポンプには、移動可能な制御リング内で回転する、半径方向に摺動可能なベーンを有するポンプロータが設けられる。ポンプには、制御リングを高吐出量方向に押すための第1の圧力制御室が設けられる。第1の圧力制御室は、第1の圧力導管によりポンプ出口ポートに接続される。第1の圧力制御室の圧力を制御するための圧力制御弁は、制御プランジャと、入力圧力プランジャと、制御ばねとを備える。制御プランジャは、制御弁のシリンダ壁の制御ポートを開閉する。制御ポートは、制御室の出口ポートに接続される。
【0007】
制御プランジャが制御ポートを閉塞および閉鎖すると、第1の圧力制御室の圧力が増加し、それによって制御リングが高吐出量方向に押される。制御プランジャが、圧力制御弁の制御ポートを閉鎖しないとき、第1の圧力制御室の圧力は、ほぼ大気圧まで下がり、それによって制御リングが低吐出量方向に移動することができる。
【0008】
制御プランジャの位置は、ポンプ出口圧力が作用する入力圧力プランジャに向けられるポンプの潤滑油吐出圧力により決められる。入力圧力プランジャは、制御プランジャに直接接続される。入力圧力プランジャに作用するポンプ出口圧力に抗して制御プランジャを閉鎖位置に予圧する制御ばねが提供される。制御ばねのばね力および入力圧力プランジャに作用するポンプ出口圧力は、制御プランジャを平衡位置に強制的に配置する。
【0009】
ポンプには、制御ばねの予圧を制御するための予圧制御装置が設けられる。予圧制御装置は、予圧プランジャと、予圧シリンダ入口と、予圧制御弁とを備える。予圧プランジャは、制御プランジャのばね予荷重が2つの値の間で変化できるように、予圧シリンダ内を軸方向に移動し、かつ制御ばねの基部を支持する。予圧プランジャは、予圧シリンダ内に軸方向に配置され、シリンダには、ポンプ出口ポートの加圧潤滑油であり得る加圧潤滑油が提供される。予圧制御弁は、予圧プランジャが、高呼び圧力位置でもある高予圧位置に移動するように、予圧シリンダに加圧潤滑油の圧力を作用させることができる。あるいは、予圧制御弁は、予圧プランジャが、低呼び圧力位置である低予圧位置に移動しかつその位置を維持するように、予圧シリンダ内にほぼ大気圧程度の圧力を提供することができる。
【0010】
この予圧制御装置の概念および構成は、単純であり、かつ高い信頼性および長い機械的寿命を保証する。
【0011】
原則として、予圧制御弁は、ポンプ出口ポートと予圧シリンダ入口との間に設けることができ、予圧シリンダ出口は、絞り弁を介して大気圧に接続される。好ましくは、予圧シリンダ出口は、予圧制御吐出導管により潤滑油タンクに接続され、かつ予圧制御弁は、予圧制御弁が予圧シリンダ出口と大気圧との間に設けられるように、予圧制御吐出導管に設けられる。好ましくは、絞り弁は、ポンプ出口ポートを予圧シリンダ入口に接続する予圧制御供給導管に設けられる。
【0012】
好ましい実施の形態では、制御弁のシリンダ壁および予圧シリンダは、1つの一体型の弁ハウジングの一部である。これによって、ポンプおよび特に予圧制御装置を含む圧力制御弁の製造および組み立てが単純かつ費用効果的になる。
【0013】
好ましくは、通気ポートは、制御プランジャと予圧プランジャとの軸方向の間で弁ハウジングに設けられる。通気ポートは、通気ポートが、制御プランジャおよび予圧プランジャにより決して閉塞または閉鎖されることがないように、制御プランジャおよび予圧プランジャの移動範囲外の位置に配置される。通気ポートによって、制御プランジャと、予圧プランジャと、弁ハウジングとの間のキャビティの変化が可能になる。好ましくは、通気ポートは、潤滑油タンクに接続される。
【0014】
好ましい実施の形態では、予圧プランジャの軸方向遠位側に、予圧プランジャが予圧シリンダ前端壁から常に最低限の距離を置いて離れるためのオフセットノーズが設けられる。この装置は、予圧プランジャの平面な前端と平面なシリンダ前端壁との直接的な接触を防ぐ。予圧シリンダ出口が、好ましくはシリンダ前端壁に設けられるので、予圧プランジャのオフセットノーズは、予圧シリンダ出口の閉塞を防ぐ。
【0015】
好ましくは、予圧プランジャには、予圧プランジャの近位側において、ばねガイドスリーブが設けられる。制御ばねの基部は、ばねガイドスリーブにより半径方向に支持され、それによって、予圧プランジャにおいて制御ばねの基部が滑るのを防ぐ。
【0016】
好ましい実施の形態では、予圧シリンダの直径は、制御弁のシリンダ壁の直径よりも大きく、それらの間の段部が、予圧プランジャのためのストップリングを画定する。
【0017】
以下では、本発明の実施の形態を、図面を参照にして詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】可変容量形ベーンポンプと制御弁とを備える潤滑油ポンプシステムを示す図である。
【0019】
図1は、内燃機関70に加圧潤滑油を供給するためのポンプシステム100の一部としての可変容量形潤滑油ポンプ10の概略図である。ポンプ10は、内燃機関70により機械的に直接的に駆動され、かつ半径方向に並進的に移動可能な制御リング12を収容するキャビティ16を有するポンプハウジング11を備えている。
【0020】
制御リング12は、半径方向に摺動可能な多数のベーン14が設けられたポンプロータ13を囲み、ベーン14は、移動可能な制御リング12内で回転している。ポンプハウジング11は、2つのポンプ側壁15により閉じられている。そのうち1つは図面には示されていない。ポンプ側壁15、ベーン14、ポンプロータ13および制御リング12は、5つの回転するポンプ室17を画定している。側壁15のうちの1つには、ポンプ室入口開口部18と、ポンプ室出口開口部19とが設けられている。
【0021】
制御リング12には、部分的に第1の圧力制御室25に収容された第1の制御リングプランジャ24と、第1の圧力制御室25とは反対側の、第2の制御室23に部分的に収容された第2の制御リングプランジャ22とが配設されている。プランジャ22,24は、断面が角柱状である。制御リング12およびプランジャ22,24は、1つの一体部分である。
【0022】
第1の圧力制御室25内の予荷重ばね28は、第1のプランジャ24に押力を与える。各制御室25,23は、ポンプハウジング11により画定されている。また、ポンプハウジング11は、潤滑油タンク50から潤滑油を吸い込むためのポンプ入口ポート20と、内燃機関70に吐出圧力をもって潤滑油を供給するためのポンプ出口ポート21とを備えている。内燃機関供給導管80は、ポンプ出口ポート21から内燃機関70に延びており、内燃機関70に加圧潤滑油を供給する。
【0023】
ポンプ出口ポート21における潤滑油吐出圧力は、圧力導管81を介して第2の制御室23に伝えられる。加えて、ポンプ出口ポート21から出る潤滑油は、導管82,87を介して、かつ潤滑油が流れると調整された圧力降下が発生する圧力絞り弁67を通じて、第1の圧力制御室25に伝えられる。
【0024】
ポンプ出口ポート21は、導管82,88によって、圧力制御弁60の入力圧力ポート61にも接続されている。圧力制御弁60は、制御リング12の半径方向位置を調節することによって、内燃機関70の回転速度とは独立して、ポンプ出口ポート21における出口圧力を一定の呼び圧力値に保っている。制御リング12の半径方向位置は、第1の制御室25の圧力を制御することにより制御されている。
【0025】
圧力制御弁60は、制御ばね68の基部として機能する予圧プランジャ42の位置を変化させることによって、2つの異なる呼び圧力値を制御することができる。制御弁60には、2つの異なる機能部分、すなわち圧力制御装置94と予圧制御装置30とを備える1つの一体型の弁ハウジング90が設けられている。弁ハウジング90には、圧力制御装置94を収容する小径の圧力制御シリンダ壁65および予圧プランジャ42を収容する大径の予圧シリンダ31という、異なる直径を有する2つの異なる円筒状部分が設けられている。予圧シリンダ31と圧力制御シリンダ壁65との間の移行部は、半径方向のリング状の面を有する環状のストップリング41によって達成されている。
【0026】
シリンダ壁65内の圧力制御装置94は、1つの一体部分である。その1つの一体部分は、軸方向に移動可能であり、入力圧力プランジャ62と、制御プランジャ64と、入力圧力プランジャ62を制御プランジャ64に接続するプランジャ軸63とからなる。入力圧力プランジャ62には、入力圧力ポート61を介して、ポンプ吐出圧力が作用されている。入力圧力プランジャ62を圧するポンプ吐出圧力は、制御プランジャ64を軸方向に押す制御ばね68のばね力に抗して作用している。
【0027】
圧力制御装置94は、シリンダ壁65の制御ポート66を開閉することによって、導管83を介して、第1の制御室25の吐出を制御している。制御プランジャ64は、閉鎖位置においては制御ポート66を閉鎖し、開放位置においては制御ポート66を開放する。制御プランジャ64の開放位置においては、制御室25の潤滑油は、導管83と、制御ポート66と、制御弁吐出ポート97と、吐出導管84とを介して、潤滑油タンク50に排出することができる。
【0028】
制御ばね68の基部は、予圧シリンダ31内で軸方向に移動可能な予圧プランジャ42により支持されている。予圧プランジャ42は、2つの軸方向位置の間、すなわち制御ばね68が圧縮される高吐出圧力位置と制御ばね68が伸張される低吐出圧力位置との間で切り替えることができる。
【0029】
予圧プランジャ42には、円筒状プランジャ本体44が設けられている。円筒状プランジャ本体44には、プランジャ本体44の軸方向遠位側におけるオフセットノーズ45と、プランジャ本体44の近位側における円筒状ばねガイドスリーブ43とが設けられている。オフセットノーズ45は、予圧シリンダ31の前端壁92に対して、プランジャ本体44の最低限の距離を保証している。この最低限の距離は、入口34および出口36がプランジャ本体44により決して閉塞または閉鎖され得ないことを保証する。円筒状ばねガイドスリーブ43は、制御ばね68が予圧プランジャ42とストップリング41との間で詰まることがないように、プランジャ本体44において制御ばね68の基部をセンタリングしている。ばねガイドスリーブ43の外径は、シリンダ壁65の内径よりも小さい。予圧プランジャ42の軸方向運動は、一方の側では前端壁92により制限されており、他方の側ではストップリング41により制限されている。
【0030】
予圧シリンダ出口36は、予圧制御吐出導管40により潤滑油タンク50に接続されており、予圧制御弁38は、予圧制御吐出導管40に設けられている。予圧シリンダ入口34は、予圧制御供給導管32を介してポンプ出口ポート21に接続されており、絞り弁33は、予圧制御供給導管32に設けられている。予圧制御弁38が閉じているとき、ポンプ吐出圧力を有する潤滑油は、予圧プランジャ42を高吐出圧力位置まで押し上げる。予圧制御弁38が開いているとき、予圧シリンダ31内の潤滑油は潤滑油タンク50に吐出され、それによって、
図2に示されるように、予圧プランジャ42は、低吐出圧力位置に移動する。予圧制御弁38はソレノイド弁であり、例えば、潤滑油温度およびエンジン温度等に応じて呼び吐出圧力を適合させる、デジタルエンジン制御装置(図示せず)により制御されている。
【0031】
シリンダ壁65には、通気導管48を介して潤滑油タンク50に接続されている通気ポート46が設けられており、これによって、制御プランジャ64と予圧プランジャ42との間のキャビティ内の圧力が、常にほぼ大気圧程度になっている。