(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5762648
(24)【登録日】2015年6月19日
(45)【発行日】2015年8月12日
(54)【発明の名称】複数の車両を空港の地上においてナビゲートする方法、及び、複数の車両を空港の地上においてナビゲートするシステム
(51)【国際特許分類】
G05D 1/02 20060101AFI20150723BHJP
B64F 1/22 20060101ALI20150723BHJP
【FI】
G05D1/02 S
B64F1/22
【請求項の数】30
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2014-552734(P2014-552734)
(86)(22)【出願日】2013年1月18日
(65)【公表番号】特表2015-505287(P2015-505287A)
(43)【公表日】2015年2月19日
(86)【国際出願番号】IB2013050476
(87)【国際公開番号】WO2013108224
(87)【国際公開日】20130725
【審査請求日】2014年7月22日
(31)【優先権主張番号】13/352,755
(32)【優先日】2012年1月18日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】511053632
【氏名又は名称】ボンバルディア トランスポーテイション ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】ヴェンカタスブラマニアン,サチャ・ヴァギースウォー
【審査官】
稲垣 浩司
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第06600992(US,B1)
【文献】
国際公開第2009/045580(WO,A1)
【文献】
仏国特許出願公開第2675919(FR,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/02
B64F 1/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
単数若しくは複数のスタンドアロンタグ、単数若しくは複数のタグ推進航空機、又は、それらの組み合わせ、からなる複数の車両を空港の地上においてナビゲートする方法であって、
(a)各車両の周りに仮想安全ゾーンを電子的に定義する工程、
(b)前記複数の車両の周りに定義された前記仮想安全ゾーンに基づき、空港の地上において各車両の移動を電子的に制御する工程、そして、
(c)一つの仮想安全ゾーンの少なくとも一つの寸法を、当該仮想安全ゾーンに関連する車両がスタンドアロンタグからタグ推進航空機へ、又はその逆に変化することを前記タグのコントローラに接続されるとともに前記タグが航空機に接続又は接続解除されたことを検出するように構成されたセンサが検出することに基づき、電子的に再定義する工程、
を有する方法。
【請求項2】
タグ推進航空機からなる各車両は、タグ仮想安全ゾーンを有するタグを航空機に機械的に接続して、工程(a)の電子的に定義された仮想安全ゾーンをその周りに有する前記車両を形成することによって形成される請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記空港の単数又は複数のアセットの周りに仮想安全ゾーンを電子的に定義する工程を更に有し、ここで、工程(b)は、空港の前記単数又は複数のアセットの周りに定義された前記仮想安全ゾーンに基づいて当該空港の地上において各車両の移動を電子的に制御する工程を更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記空港の各アセットは、建物、構造体、フェンス、壁、ゲート、又は、これらの組み合わせ、の一つを含む請求項3に記載の方法。
【請求項5】
車両の周りに定義された少なくとも一つの仮想安全ゾーンの少なくとも一つの寸法は、前記車両の速度に基づいて変化する請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記工程(b)は、二つ以上の車両の仮想安全ゾーンの重複を避けるために各車両の移動を電子的に制御する工程を含む請求項1に記載の方法。
【請求項7】
(d)二つの車両の前記仮想安全ゾーンが重複することを電子的に判定する工程、及び
(e)工程(d)に応答して、物理的衝突を回避するために前記重複する仮想安全ゾーンを有する前記車両を電子的に制御する工程、
を更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記工程(b)は、前記複数の車両の、位置データ及び/又は移動データに基づいて、中央制御ロケーションから、前記複数の車両の移動を電子制御する工程を含む請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記工程(b)は、中央制御ロケーションから受け取った、少なくとも一つの他の車両の位置データ及び/又は移動データに基づいて、各車両がその移動を電子制御する工程を含む請求項1に記載の方法。
【請求項10】
各仮想安全ゾーンは、同じ寸法を有するか、又は、
各車両の周りの前記仮想安全ゾーンの少なくとも一つの寸法は、前記車両の少なくとも一つの寸法に基づく請求項1に記載の方法。
【請求項11】
各仮想安全ゾーンは、前記車両周りの二次元仮想空間として電子的に定義される請求項1に記載の方法。
【請求項12】
各車両周りの前記仮想安全ゾーンは、前記車両の移動とともに電子的に移動する請求項11に記載の方法。
【請求項13】
単数若しくは複数のスタンドアロンタグ、単数若しくは複数のタグ推進航空機、又は、それらの組み合わせ、からなる複数の車両を空港の地上においてナビゲートする方法であって、
(a)複数の車両の各々の周りに仮想安全ゾーンを電子的に定義する工程、
(b)空港の地上において各車両の位置及び/又は移動を電子的にモニタする工程、
(c)二つ以上の仮想安全ゾーンの重複を回避するべく、工程(b)における各車両の前記電子的にモニタされた位置及び/又は移動に基づいて、前記空港の地上において前記複数の車両の移動を制御する工程、そして、
(d)一つの仮想安全ゾーンの少なくとも一つの寸法を、当該仮想安全ゾーンに関連する車両がスタンドアロンタグからタグ推進航空機へ、又はその逆に変化することを前記タグのコントローラに接続されるとともに前記タグが航空機に接続又は接続解除されたことを検出するように構成されたセンサが検出することに基づき、電子的に再定義する工程、
を有する方法。
【請求項14】
前記工程(a)は、前記空港のアセットの周りに仮想安全ゾーンを電子的に定義する工程を含み、そして
前記工程(c)は、前記空港の前記アセットの周りに前記電子定義された仮想安全ゾーンに基づいて、前記空港の地上において前記複数の車両の移動を制御する工程を含む請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記空港の前記アセットは、建物、構造体、フェンス、壁、ゲート、又は、これらの組み合わせ、を含む請求項14に記載の方法。
【請求項16】
車両の周りに定義された少なくとも一つの仮想安全ゾーンの少なくとも一つの寸法は、前記車両の速度に基づいて変化する請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記工程(c)は、
前記複数の車両の移動が中央ロケーションから制御される、又は、
各車両の移動が、中央ロケーションから受け取った少なくとも一つの他の車両の位置及び/又は移動に基づいて制御される、
ことを含む請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記工程(b)は、中央ロケーションから電子的にモニタリングすることを含む請求項13に記載の方法。
【請求項19】
(e)二つの仮想安全ゾーンが重複することに応答して、これら二つの重複する仮想安全ゾーンが非重複状態となるように、これら二つの仮想安全ゾーンに関連する前記二つの車両が移動することを更に含む請求項13に記載の方法。
【請求項20】
各仮想安全ゾーンは、同じ寸法を有するか、又は、
各車両の周りの前記仮想安全ゾーンの少なくとも一つの寸法は、前記車両の少なくとも一つの寸法に基づく請求項13に記載の方法。
【請求項21】
単数若しくは複数のスタンドアロンタグ、単数若しくは複数のタグ推進航空機、又はこれらの組み合わせ、からなる複数の車両を空港の地上においてナビゲートするシステムであって、以下を有する:
複数の車両、これらはそれぞれ位置レシーバ、無線トランシーバ、前記位置レシーバによって出力された位置データを前記無線トランシーバによって無線送信させるように構成されたコントローラを有し、そして、
各車両の前記無線トランシーバによって無線送信された位置データを受信するように構成された中央コントローラ、ここで、前記複数の車両のそれぞれの移動は、前記複数の車両から前記中央コントローラによって受信された前記無線送信位置データと、各車両の周りに電子的に定義された仮想安全ゾーン、とに基づいて、前記中央コントローラ及び/又は前記車両のコントローラによって制御される、ここで、一つの仮想安全ゾーンの少なくとも一つの寸法は、当該仮想安全ゾーンに関連する車両がスタンドアロンタグからタグ推進航空機へ、又はその逆に変化することを前記タグのコントローラに接続されるとともに前記タグが航空機に接続又は接続解除されたことを検出するように構成されたセンサが検出することに基づき、電子的に再定義される。
【請求項22】
前記複数の車両のそれぞれの移動は、更に、前記空港の単数又は複数のアセットの周りに電子的に定義される仮想安全ゾーンに基づいて、制御される請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
各アセットは、建物、構造体、フェンス、壁、ゲート、又は、これらの組み合わせ、を含む請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
車両周りに定義された少なくとも一つの仮想安全ゾーンの少なくとも一つの寸法は、前記車両の速度に基づいて変化する請求項21に記載のシステム。
【請求項25】
各車両周りの前記仮想安全ゾーンは、前記中央コントローラによって電子的に定義又は再定義される請求項21に記載のシステム。
【請求項26】
各車両の前記コントローラは、当該車両の周りの前記仮想安全ゾーンを電子的に定義又は再定義して、当該仮想安全ゾーンに関する情報を前記無線トランシーバによって送信させ、そして
前記中央コントローラは、前記車両の前記無線トランシーバによって無線送信された前記仮想安全ゾーンデータを受信可能である請求項21に記載のシステム。
【請求項27】
各仮想安全ゾーンは、前記車両周りの二次元空間によって表わされる請求項21に記載のシステム。
【請求項28】
各車両周りの前記仮想安全ゾーンの少なくとも一つの寸法は、前記車両の少なくとも一つの寸法に基づく請求項21に記載のシステム。
【請求項29】
前記複数の車両のそれぞれの前記移動は、二つ以上の仮想安全ゾーンの重複を回避するように制御される請求項21に記載のシステム。
【請求項30】
前記複数の車両のそれぞれの前記移動は、二つの仮想安全ゾーンが重複することに応答して、これら重複仮想安全ゾーンに関連する二つの車両が移動して前記二つの仮想安全ゾーンが非重複状態となるように制御される請求項21に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空港での航空機の地上ハンドリング、詳しくは、航空機のゲートから離陸まで、及び/又は、着陸、ゲート到着時の制御された自動移動に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、航空輸送は複雑なロジスティック演算である。それは、複数のシステムの、それらの内のいくつかとその他との間の相互の特定のシーケンスでの相互作用に関わる。航空旅行の課題は搭乗客がドアを出た瞬間から始まる。新しい厄介なセキュリティ規制により、搭乗客は、早く空港に到着し、旅行に持って行く鞄の数をますます減らして、より長い時間(より長い待ち時間を含む)旅することを求められる。国際便の搭乗客では、複数のトランジットポイントを通過し、複数のセキュリティチエックが必要とされることからその課題は更に困難になる。
【0003】
航空旅行の困難に遭遇するのは搭乗客だけではなく、航空会社オペレータ、空港のオペレータ、そして作業の各段階、及び段階間に関わる多数の人々も同様である。
【0004】
航空機の地上ハンドリングは、通常、(ゲートへ、及びゲートからの)航空機誘導、ケータリングサービス、航空機メンテナンスサービス、及び燃料補給、を含む。飛行中の航空機の作動は既に最適化されているが、航空機が地上にある間の最適化はいまだに求められている。今日、航空会社は、より多くの飛行時間を得るべく、ターンアラウンドタイムをスピードアップしようとしている。しかしながら、航空会社があまりコントロールすることのできない一つの領域が残っている。それは、タキシング時間である。
【0005】
現在、航空機が離陸のためにゲートを離れると、地上ハンドリングサービスが、手動で、タグとヒューマンインターフェースとを使用してその航空機を誘導滑走路へと案内する。この作業は、空港の地上側サポート人員と地上トラフィック制御センタとの密なコンタク
トを取りながら行われる。航空会社と空港にとって、航空機は飛行中にのみ収入を生みだすので、航空機を迅速に飛行状態にもってゆくことが最も肝要である。しかしながら、現実には、出発便が誘導滑走路上でかなりの時間を費やし、貴重な燃料を燃やし、地上トラフィックコントローラ、パイロット、及び搭乗客にストレスを与えることが多い。
【0006】
さらに、滑走路へ、及び滑走路からの誘導滑走中に、エンジンの回転数を頻繁に上下させることによるその他の影響として、(a)燃料消費の増大、(b)収入を生み出す作業に対する利用度の減少をもたらすエンジン使用の増大、(c)周囲の航空機及び人員に対する異物による潜在的ダメージ、並びに(d)空港内及びその周辺での騒音レベルの増加がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、空港、航空会社及び搭乗客のリソース及び作業コストを最適化しつつ、上述した問題点を解決する、改善された自動化地上ハンドリングのシステム及び方法が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、単数若しくは複数のスタンドアロンタグ、単数若しくは複数のタグ推進航空機、又はそれらの組み合わせ、からなる複数の車両を空港の地上においてナビゲートする方法である。本方法は、(a)各車両の周りに仮想安全ゾーンを電子的に定義する工程
、(b)前記複数の車両の周りに定義された前記仮想安全ゾーンに基づき、空港の地上において各車両の移動を電子的に制御する工程、
そして、(c)一つの仮想安全ゾーンの少なくとも一つの寸法を、当該仮想安全ゾーンに関連する車両がスタンドアロンタグからタグ推進航空機へ、又はその逆に変化することを前記タグのコントローラに接続されたセンサが検出することに基づき、電子的に再定義する工程、を有する。
【0009】
タグ推進航空機からなる各車両は、タグ仮想安全ゾーンを有するタグを航空機に機械的に接続して、工程(a)の電子的に定義された仮想安全ゾーンをその周りに有する前記車両を形成することによって形成することができる。
【0010】
前記方法は、前記空港の単数又は複数のアセット(資産)の周りに仮想安全ゾーンを電子的に定義する工程を更に含むことができ、ここで、前記工程(b)は、空港の前記単数又は複数のアセットの周りに定義された前記仮想安全ゾーンに基づいて当該空港の地上において各車両の移動を電子的に制御する工程を更に含む。前記空港の各アセットは、以下、建物、構造体、フェンス、壁、ゲート、又は、これらの組み合わせの一つを含むことができる。
【0011】
車両の周りに定義された少なくとも一つの仮想安全ゾーンの少なくとも一つの寸法は、前記車両の速度に基づいて変化可能である。
【0012】
工程(b)は、二つ以上の車両の仮想安全ゾーンの重複を避けるために各車両の移動を電子的に制御する工程を含むことができる。
【0013】
前記方法は、(
d)二つの車両の前記仮想安全ゾーンが重複することを電子的に判定する工程と、(
e)工程(
d)に応答して、物理的衝突を回避するために前記重複する仮想安全ゾーンを有する前記車両を電子的に制御する工程、とを更に含むことができる。
【0014】
工程(b)は、前記複数の車両の、位置データ及び/又は移動データに基づいて、中央制御ロケーションから、前記複数の車両の移動を電子制御する工程を含むことができる。
【0015】
工程(b)は、中央制御ロケーションから受け取った、少なくとも一つの他の車両の位置データ及び/又は移動データに基づいて、各車両がその移動を電子制御する工程を含むことができる。
【0016】
各仮想安全ゾーンは、同じ寸法を有するものとすることができる。あるいは、各車両の周りの前記仮想安全ゾーンの少なくとも一つの寸法を、前記車両の少なくとも一つの寸法に基づくものとすることも可能である。
【0017】
各仮想安全ゾーンは、前記車両周りの二次元仮想空間として電子的に定義することができる。
【0018】
各車両周りの前記仮想安全ゾーンは、前記車両の移動とともに電子的に移動可能である。
【0019】
また、本発明は、単数若しくは複数のスタンドアロンタグ、単数若しくは複数のタグ推進航空機、又はそれらの組み合わせ、からなる複数の車両を空港の地上においてナビゲートする方法である。本方法は、(a)複数の車両の各々の周りに仮想安全ゾーンを電子的に定義する工程、(b)空港の地上において各車両の位置及び/又は移動を電子的にモニタする工程
、(c)二つ以上の仮想安全ゾーンの重複を回避するべく、工程(b)における各車両の前記電子的にモニタされた位置及び/又は移動に基づいて、前記空港の地上において前記複数の車両の移動を制御する工程、
そして、(d)一つの仮想安全ゾーンの少なくとも一つの寸法を、当該仮想安全ゾーンに関連する車両がスタンドアロンタグからタグ推進航空機へ、又はその逆に変化することを前記タグのコントローラに接続されたセンサが検出することに基づき、電子的に再定義する工程、を有する。
【0020】
工程(a)は、前記空港のアセットの周りに仮想安全ゾーンを電子的に定義する工程を含むことができる。工程(c)は、前記空港の前記アセットの周りに前記電子定義された仮想安全ゾーンに基づいて、前記空港の地上において前記複数の車両の移動を制御する工程を含むことができる。前記空港の前記アセットは、建物、構造体、フェンス、壁、ゲート、又は、これらの組み合わせ、を含むことができる。
【0021】
車両の周りに定義された少なくとも一つの仮想安全ゾーンの少なくとも一つのサイズは、前記車両の速度に基づいて変化可能である。
【0022】
工程(c)は、前記複数の車両の移動が中央ロケーションから制御される、又は、各車両の移動が、中央ロケーションから受け取られた少なくとも一つの他の車両の位置及び/又は移動に基づいて制御される、ことを含むことができる。
【0023】
工程(b)は、中央ロケーションから電子的にモニタリングすることを含むことができる。
【0024】
前記方法は、(
e)二つの仮想安全ゾーンが重複することに応答して、これら二つの仮想安全ゾーンが非重複状態となるように、これら二つの仮想安全ゾーンに関連する前記二つの車両が移動することを更に含むことができる。
【0025】
各仮想安全ゾーンは、同じ寸法を有するものとすることができる。あるいは、各車両の周りの前記仮想安全ゾーンの少なくとも一つの寸法を、前記車両の少なくとも一つの寸法に基づくものとすることも可能である。
【0026】
最後に、本発明は、単数若しくは複数のスタンドアロンタグ、単数若しくは複数のタグ推進航空機、又はそれらの組み合わせ、からなる複数の車両を空港の地上においてナビゲートするシステムである。本システムは以下を有する:複数の車両、これらはそれぞれ位置レシーバ、無線トランシーバ、前記位置レシーバによって出力された位置データを前記無線トランシーバによって無線送信させるように構成されたコントローラを有し、そして、各車両の前記無線トランシーバによって無線送信された位置データを受信するように構成された中央コントローラ、ここで、前記複数の車両のそれぞれの移動は、前記複数の車両から前記中央コントローラによって受信された前記無線送信位置データと、各車両の周りに電子的に定義された仮想安全ゾーン、とに基づいて、前記中央コントローラ及び/又は前記車両のコントローラによって制御される
、ここで、一つの仮想安全ゾーンの少なくとも一つの寸法は、当該仮想安全ゾーンに関連する車両がスタンドアロンタグからタグ推進航空機へ、又はその逆に変化することを前記タグのコントローラに接続されたセンサが検出することに基づき、電子的に再定義される。
【0027】
前記複数の車両のそれぞれの前記移動は、更に、前記空港の単数又は複数のアセットの周りに電子的に定義される仮想安全ゾーンに基づいて、に制御することができる。各アセットは、建物、構造体、フェンス、壁、ゲート、又は、これらの組み合わせ、を含むことができる。
【0028】
車両周りに定義された少なくとも一つの仮想安全ゾーンの少なくとも一つの寸法は、前記車両の速度に基づいて変化可能である。
【0029】
各車両周りの前記仮想安全ゾーンは、前記中央コントローラによって電子的に定義
又は再定義可能である。
【0030】
更に、又は、それに代えて、各車両の前記コントローラは、当該車両の周りの前記仮想安全ゾーンを電子的に定義
又は再定義して、当該仮想安全ゾーンに関する情報を前記無線トランシーバによって送信させることができる。前記中央コントローラは、前記車両の前記無線トランシーバによって無線送信された前記仮想安全ゾーンデータを受信可能である。
【0031】
各仮想安全ゾーンは、前記車両周りの二次元空間によって表すことができる。
【0032】
各車両周りの前記仮想安全ゾーンの少なくとも一つの寸法は、前記車両の少なくとも一つの寸法に基づくものとすることができる。
【0033】
前記複数の車両のそれぞれの前記移動は、二つ以上の仮想安全ゾーンの重複を回避するように制御される。
【0034】
前記複数の車両のそれぞれの前記移動は、二つの仮想安全ゾーンが重複することに応答して、これら重複仮想安全ゾーンに関連する二つの車両が移動して前記二つの仮想安全ゾーンが非重複状態となるように制御される。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】
図1は、中央制御システム(たとえば、中央タワー)と、それらの周りに仮想安全ゾーンを有する多数のタグ−航空機コンビネーションとを有する空港レイアウトの一例である。
【
図2】
図2は、航空機の4つの車輪に接続された外部タグの側面図である。
【
図3】
図3は、
図2のタグの内部コンポーネントのブロック図である。
【
図4】
図4は、各タグ−航空機コンビネーション周りの仮想安全ゾーンを有する、
図1に図示の一対のタグ−航空機コンビネーションの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、添付図面を参照して本発明について説明する。これら図面において類似の参照番号が類似の部材に対応している。
【0037】
図1及び2を参照すると、空港ターミナルゲート5とアクティブ滑走路2との間で航空機1の移動を制御するための方法及びシステムは、航空機タグ3(以後、「タグ」と称する)と、空港の地上において、各スタンドアロンタグ、及びタグ推進航空機又はタグ牽引航空機(タグ−航空機コンビネーション、としても知られる)の移動を調整するための中央制御システム4とを有する。
【0038】
図3と、引き続き
図1及び2とを参照すると、各タグ3は、モータコントローラ10の制御によって作動する単数又は複数のガス又は電気駆動式モータ8を備え、前記コントローラ10は、タグコントローラ12によって出力されるコマンドに応答してタグ3を所望状態で推進させるべく駆動モータ8を制御する。タグ3は、更に、タグ3の所望のステアリングを行うべくタグコントローラ12の制御下で作動するステアリングコントローラ14を有する。
【0039】
タグ3は、更に、タグコントローラ12に接続された無線トランシーバ16を有する。無線トランシーバ16は、到来無線信号をタグコントローラ12によって処理可能なデータに変換することができ、更に、タグコントローラ12によって無線トランシーバ16に対して出力されたデータを無線信号に変換することができる。最後に、タグ3は、タグコントローラ12に接続されて、当該タグ3のロケーション又は位置に関する情報をタグコントローラ12に提供する位置レシーバ18を有する。
【0040】
前記位置レシーバ18は、タグ3の位置特定を、単数又は複数の任意の形態で行うことができる。例えば、位置レシーバ18は、以下のうちの単数又は複数を含むことができる。タグコントローラ12に対してタグの位置に関するGPSデータを出力する世界測位システム(GPS)レシーバ、単数若しくは複数の他のタグ若しくはタグ−航空機コンビネーションの位置に関するLIDARデータを出力する光検出測距(LIDAR)システム、前記空港の地上若しくはその周囲の無線送信器からこれら単数若しくは複数の無線レシーバ19によって受信された無線信号を三角測量する単数若しくは複数の無線レシーバ19、前記空港の滑走路及び/若しくは誘導滑走路に埋設された単数若しくは複数の電流搬送ワイヤ若しくは磁気式位置センサを検出するための電磁レシーバ、並びに/又は、前記空港の滑走路及び/若しくは誘導滑走路の表面上若しくはそれに埋設された単数若しくは複数のRFトランスミッタ(すなわちRFIDタグ)を検出するRFレシーバ。
【0041】
位置レシーバ18がいかにしてタグ3のロケーションを測定するかに関わらず、この位置レシーバ18によってタグコントローラ12に対して出力された位置に関するデータが、無線トランシーバ16に提供され、当該トランシーバはこの位置情報を公知の方法で無線伝送する。
【0042】
図1に戻って、中央制御システム4は、無線トランシーバ20と中央コントローラ22とを有する。中央コントローラ22の制御下で、無線トランシーバ20は、各タグ3の無線トランシーバ16と無線通信することができる。例えば、中央コントローラ22の制御下で、無線トランシーバ20は、空港の地上において、任意の公知の適切及び/又は所望の形態で、タグ3−1の無線トランシーバ16との無線通信を確立することができ、タグ3−2の無線トランシーバ16との無線通信を確立することができ、タグ3−3の無線トランシーバ16との無線通信を確立することができ、このように空港の地上の、各タグ3−1,3−2,3−3などとの無線通信を、任意の適当及び/又は望ましい方法で確立することができる。
【0043】
無線トランシーバ20と各タグ3の無線トランシーバ16との間に確立された無線リンクを介して、タグ3の位置レシーバ18によって入手された当該タグ3の位置及び/又は移動に関する情報を中央コントローラ22に送ることができ、コントローラ22は、この情報を後述するような形態で利用して、空港の地上の各スタンドアロンタグ、又はタグ−航空機コンビネーションの移動を制御又は容易にする。
【0044】
各タグ3は、好ましくは、航空機を比較的高速に移動させることが可能な、完全自動式、遠隔制御可能な、無人のタグである。本発明での利用に適切なタグ3の具体例は、イスラエル航空産業からTaxiBotの商標で入手可能なもの、Wheeltug PLCからWheeltugの商標で入手可能なもの、を含む。米国においてTaxiBotはイスラエル航空産業の登録商標(登録番号No.3927464)であり、Wheeltugは、Borealis Technical Limited Corporation,ジブラルタルの登録商標(登録番号No.3543694)である。
【0045】
前記TaxiBotタグは、幅広及び幅狭本体の飛行機又は航空機が、常時完全なパイロット制御に留まり、地上車両ドライバに対するすべての危険を取り除いた状態で、それらのエンジンを使用することなく、ゲート及び滑走路へ、及びゲート及び滑走路から誘導移動することを許容するべく遠隔制御可能なロボット型トラクタである。前記Wheeltugタグは、その航空機又は飛行機のエンジン又はタグを使用することなく、航空機又は飛行機を後進及び前進誘導移動するべく遠隔制御可能な航空機又は飛行機の単数又は複数の車輪に設けられた単数又は複数のモータを有する。本発明を説明する目的で、タグ3の各例は、
図2における航空機1に接続されて図示されているタグ3のように、牽引される航空機に接続可能な遠隔制御されるトラクタであると仮定する。但し、本発明はこの構成に限定されるものではなく、単数又は複数の航空機が上述したWheeltugシステムのように航空機の単数又は複数の車輪にタグの機能を組み込むことが可能である。
【0046】
図4と引き続き
図1〜3とを参照すると、空港の地上においてスタンドアロンタグ及びタグ牽引航空機(別名、タグ−航空機コンビネーション)をナビゲートするためのシステムは、複数のスタンドアロンタグ3−1〜3−5を含む。スタンドアロンタグ3を航空機1に接続することによって、タグ−航空機コンビネーション(3,1)が形成される。三つのタグ−航空機コンビネーション(3−1,1−1),(3−2,1−2),(3−3,1−3)が
図1に図示されている。
【0047】
各スタンドアロンタグ3は、位置レシーバ18、無線トランシーバ16、ステアリングコントローラ14、及び、前記無線トランシーバ16に、位置レシーバ18によって出力されたデータ、又は、位置レシーバ18によって出力されたデータからタグコントローラ12によって生成されたデータを無線通信させるタグコントローラ12を有する。この無線伝送されるデータは、前記スタンドアロンタグ3又は当該タグ3を含む前記タグ−航空機コンビネーションの位置及び/又は移動に関する情報を含むことができる。
【0048】
中央コントローラ22は、中央制御システム4の無線トランシーバ20を介して各タグ3の無線トランシーバ16によって無線伝送されるデータを受けることができる。次に、各スタンドアロンタグ3及び各タグ−航空機コンビネーション(3,1)の移動が、各タグ−航空機コンビネーション(3,1)及び各スタンドアロンタグ3の周りに定義された仮想安全ゾーン24及び26に基づいて、空港の地上において、スタンドアロンタグ3及びタグ−航空機コンビネーション(3,1)から中央コントローラ22によって受信された無線伝送データに基づいて制御される。
【0049】
各仮想安全ゾーン24及び26は、各タグ−航空機コンビネーション又はスタンドアロンタグの周りのコンピュータ定義された二次元仮想空間である。例えば、
図4に図示されているように、安全ゾーン24−1は、タグ−航空機コンビネーション(3−1,1−1)周りに電子的に定義された仮想二次元空間とすることができる。同様に、安全ゾーン24−2は、タグ−航空機コンビネーション(3−2,1−2)周りに電子的に定義された仮想二次元空間とすることができる。安全ゾーン26−1及び26−2は、それぞれ、前記タグが航空機に接続されていないスタンドアロンタグである場合に、タグ3−1及び3−2周りに電子的に定義された仮想二次元空間とすることができる。
【0050】
図4において、安全ゾーン24−1及び24−2の寸法は、安全ゾーン26−1及び26−2の寸法よりも大きいものとして図示されている。しかしながら、本発明はそのような構成に限定されるものではなく、安全ゾーン24−1及び安全ゾーン24−2の寸法は、安全ゾーン26−1及び安全ゾーン26−2の寸法と同じであってもよい。但し、好ましくは、各安全ゾーンの寸法は、当該安全ゾーンによって包囲される物体のサイズに関連する。例えば、各スタンドアロンタグ3は、安全ゾーン、たとえば、当該スタンドアロンタグ3を含むタグ−航空機コンビネーション(3−1)周りに定義される安全ゾーンよりも小さな安全ゾーン26−1、たとえば、タグ3とより大きな寸法を有する航空機とによって形成されるタグ−航空機コンビネーション(3,1)よりも小さな安全ゾーン24−1、たとえば、仮想安全ゾーン24−2、を有するものとすることができる。言い換えると、好ましくは、各安全ゾーン24及び26は、当該安全ゾーンによって包囲される単数又は複数の物体に対応する寸法とすることができる。例えば、タグ3−2が比較的大きな航空機1−2、たとえば、タグ−航空機コンビネーション(3−2,1−2)を牽引している場合、当該コンビネーションを包囲する前記仮想ゾーン24−2は、比較的小さな航空機1−1、たとえば、タグ−航空機コンビネーション(3−1,1−1)を牽引しているタグ3−1周りの仮想安全ゾーン24−1よりも大きなものとすることができる。更に、各タグ−航空機コンビネーション(3,1)周りの安全ゾーンは、スタンドアロンタグ3周りの安全ゾーンよりも大きなものとすることができる。更に、各スタンドアロンタグ周りの仮想安全ゾーン及び/又は各タグ−航空機コンビネーション周りの仮想安全ゾーンは、当該タグ及び/又はタグ−航空機コンビネーションの速度に基づくものとすることができる。例えば、タグ3又はタグ−航空機コンビネーション(3,1)が、比較的低速で移動している場合、その周りの仮想安全ゾーンの寸法は、前記タグ3又はタグ−航空機コンビネーション(3,1)が、比較的高速で移動している場合よりも小さなものとすることができる。換言すると、単数又は複数の仮想安全ゾーンのサイズは、より高速で移動する車両(タグ又はタグ−航空機コンビネーション)は低速で移動している車両よりも停止するのに長い時間を必要とするという理解のもとに、必要に応じて、スタンドアロンタグ又はタグ−航空機コンビネーションの速度に応じて変化することができる。
【0051】
なお、各コンピュータ定義された仮想安全ゾーン24及び26は、タグコントローラ12のメモリ及び/又は中央コントローラ22のメモリの中にある、対応するタグ−航空機コンビネーション又はスタンドアロンタグの周りの物理空間を電子的に表したものである。各仮想安全ゾーン24及び26の寸法は、対応するタグ−航空機コンビネーション又はスタンドアロンタグのタグコントローラ12、又は、中央コントローラ22によって設定することができる。
【0052】
各仮想安全ゾーン24及び26の形状は、任意の二次元形状として選択することができる。例えば、各仮想安全ゾーン、たとえば、24−1,24−2,26−1及び26−2は、(
図4に図示されているような)矩形、円形24−1’,24−2’,26−1’,26−2’、楕円形、又は、任意のその他の適切な及び/若しくは所望の形状とすることができる。さらに、異なる仮想安全ゾーンが異なる形状を有するものとすることもできる。
【0053】
各仮想安全ゾーン24及び26は、同じ寸法を有するものとすることができる。あるいは、少なくとも一つの仮想安全ゾーン24又は26の少なくとも一つの寸法を、タグ−航空機コンビネーションの少なくとも一つの寸法、又はスタンドアロンタグの少なくとも一つの寸法に基づくものとすることができる。例えば、
図4に図示されているように、航空機1−1の長さと幅は、航空機1−2の長さと幅よりも小さい。したがって、タグ−航空機コンビネーション(3−1,1−1)に関連する安全ゾーン24−1は、タグ−航空機コンビネーション(3−2,1−2)に関連する安全ゾーン24−2よりも小さな寸法を有するものとすることができる。同様に、スタンドアロンタグ3−1及び3−2に関連する安全ゾーン26−1及び26−2は、安全ゾーン24−1及び24−2よりも小さな寸法を有するものとすることができる。但し、各安全ゾーン26,26の寸法を、同じもの、又は、当業者にとって望ましいとされる異なったものとすることも考えられるので、本発明は上記構成に限定されるものではない。
【0054】
各安全ゾーンの寸法は、当該安全ゾーンに関連するタグコントローラ12、中央コントローラ22、又はこれら両方の互いの組み合わせによって、適切に設定することが可能である。例えば、タグ3のタグコントローラ12を、当該タグ3がスタンドアロンタグとして、あるいは、タグ−航空機コンビネーションのタグとして作動していることを、たとえば、タグコントローラ12に接続されて当該タグ3が航空機1に接続又は接続解除されたことを検出するように構成されたセンサ(図示せず)によって認識するようにプログラミングすることができる。
【0055】
各タグ−航空機コンビネーション(3,1)及び/又は各スタンドアロンタグ3周りに仮想安全ゾーン24及び26が電子的に(必要に応じて)定義されると、空港の地上におけるその仮想安全ゾーンを、電子的にモニタリングするとともに、空港の地上のすべてのタグ−航空機コンビネーション(3,1)及びすべてのスタンドアロンタグ3の、電子的にモニタリングされた位置及び/又は移動に基づいて制御し、二つ以上の安全ゾーンの重複を回避するべく、各タグ−航空機コンビネーション及び各スタンドアロンタグの位置レシーバ18によって出力される位置データに基づいて決定することができる。オプションとして、建物、構造体、フェンス、壁、ゲート、又はこれらの組み合わせ等の、空港の単数又は複数のアセットのそれぞれ周りに、仮想安全ゾーンを電子的に定義して、空港の地上における単数若しくは複数のスタンドアロンタグ3、単数若しくは複数のタグ−航空機コンビネーション(3,1)、又は、これらの組み合わせの移動を、そのアセット周りに定義された仮想安全ゾーンに基づくものとすることも可能である。次に、
図4に図示されている仮想安全ゾーン24−1,24−2に焦点を絞って説明する。但し、本発明はこれに限定されるものではなく、以下に記載される概念は、任意の車両又はアセット周りの仮想安全ゾーンに適用可能である。
【0056】
第1実施例において、各タグ−航空機コンビネーション及び各スタンドアロンタグの移動は、中央制御システム4から制御することができる。第2実施例においては、各タグ−航空機コンビネーション及び各スタンドアロンタグが、中央制御システム4から受け取った単数若しくは複数の他のタグ−航空機コンビネーション及び/若しくは単数若しくは複数のスタンドアロンタグの位置及び/又は移動に基づいて、それ自身の移動を制御する。
【0057】
前記第1実施例において、各タグ−航空機コンビネーション及び各スタンドアロンタグの移動が中央制御システム4から制御される場合、そのタグコントローラ12の制御下において、タグ3の位置レシーバ18から受け取ったデータから得られた又は決定された各タグ3(すなわち、スタンドアロンタグ又はタグ−航空機コンビネーションのタグ)の位置及び/又は移動は、タグ3の無線トランシーバ16を介して、中央コントローラ22による処理のために、中央制御システム4の無線トランシーバ20に送られる。好ましくは、この位置データ及び/又は移動データの伝送は、中央コントローラ22が、前記タグ3又は、当該タグ3を含むタグ−航空機(3,1)コンビネーションの実質的にリアルタイムの制御を行うことを可能にするために十分な速度で行われる。
【0058】
空港の地上における各タグ−航空機(3,1)コンビネーション及び各スタンドアロンタグ3の位置データ及び/又は移動データに基づいて、中央コントローラ22は、二つ以上の安全ゾーンの重複を回避するべく、前記タグ−航空機コンビネーション及びスタンドアロンタグの移動を制御することができる。例えば、
図1及び
図4に図示の、安全ゾーン24−1及び24−2それぞれに関連するタグ−航空機コンビネーション(3−1,1−1)及び(3−2,1−2)を参照すると、中央コントローラ22は、これらのタグ−航空機コンビネーション(3−1,1−1)及び(3−2,1−2)の移動を、安全ゾーン24−1及び24−2の重複を避けるように、(移動コマンドによって)制御することができる。好ましくは、中央コントローラ22は、互いに近接する安全ゾーン間の最少安全距離Dを維持する。
【0059】
二つ(又はそれ以上)の安全ゾーン24及び/又は26が重複することに応答して、中央コントローラ22は、これらの重複する安全ゾーン24及び/又は26に関連するタグ(単数若しくは複数のスタンドアロンタグ及び/又は単数若しくは複数のタグ−航空機コンビネーションの組み合わせであっても)を、前記安全ゾーン24及び/又は26が重複しなくなる状態へと制御することができる。より具体的には、無線トランシーバ20によって、中央コントローラ22は、対応の無線トランシーバ16を介して各タグ3コントローラ12に対して移動コマンドを送ることができ、また、安全ゾーンの重複を回避するため、又は解消するために、空港の地上における各スタンドアロンタグ及びタグ−航空機コンビネーションの移動の実質的にリアルタイムの制御を実行するべく、タグ3の位置及び/又は移動に関する情報を受け取ることができる。
【0060】
好ましくは、中央コントローラ22は、そのメモリ内に、各スタンドアロンタグ及び各タグ−航空機コンビネーションから受け取った、タグの位置、移動、又はこれらの両方に基づいて、空港の地上における、各スタンドアロンタグ及び各タグ−航空機コンビネーションのタグの、位置及び/又は移動の実質的にリアルタイムの仮想マップを保持するこができ、空港の空港ターミナルゲート5及び滑走路2の間で、たとえば
図1に図示されているように、空港の地上における、その安全かつ効果的な移動を容易にするように、このデータと、各タグ−航空機コンビネーション及び各スタンドアロンタグ周りに定義された仮想安全ゾーン24及び26とに基づいて、各スタンドアロンタグ及び各タグ−航空機コンビネーションの移動を制御することができる。各タグ−航空機コンビネーション(3,1)とその安全ゾーン24及び各スタンドアロンタグ3とその安全ゾーン26は、前記仮想マップ上でアイコンとしてあらわすことができる。好ましくは、各タグ−航空機コンビネーション周りの安全ゾーン24は、前記空港の地上の前記仮想マップ上のそのタグ−航空機コンビネーションのアイコンのサイズによって表される。したがって、たとえば、
図4において安全ゾーン24−1は安全ゾーン24−2よりも小さいので、前記仮想マップ中の安全ゾーン24−1に関連するタグ−航空機コンビネーションのアイコンは、仮想マップ中の安全ゾーン24−2に関連するタグ−航空機コンビネーションのアイコンよりも小さいものとすることができる。中央コントローラ22は、オプションとして、当該中央コントローラ22のメモリ内にある、空港の地上の前記仮想マップの仮想表示上に、各スタンドアロンタグ3及び各タグ−航空機コンビネーション(3,1)のための別々のアイコンを視覚表示するためのディスプレイを備えることが可能である。
【0061】
好ましくは、各スタンドアロンタグ又は各タグ−航空機コンビネーションのタグは、中央コントローラ22から、対応のタグコントローラ12がそれを解釈してタグコントローラがその(単数又は複数の)モータコントローラ10及びステアリングコントローラ14に送って、それが所定のロケーションに到達するまで、スタンドアロンタグ又はタグ−航空機コンビネーションの移動を容易にするコマンド信号へと変換するデータを受け取る。この所定のロケーションに到達する前に、各スタンドアロンタグ又はタグ−航空機コンビネーションのタグは、中央コントローラ22から、現在のセットのインストラクションの完結時において対応のタグコントローラ12によって実行可能な後続のインストラクションを受け取ることができる。各スタンドアロンタグ又はタグ−航空機コンビネーションのタグは、中央コントローラ22から、当該タグが、空港の地上の単数又は複数の所望のロケーションへと移動することを可能にする十分なインストラクションを受け取るように構成することが考えられる。そして、所望のロケーションへの移動の完了後、中央コントローラ22から他の移動インストラクションが無い場合、前記スタンドアロンタグ又はタグ−航空機コンビネーションのタグは、移動を停止し、中央コントローラ22からの更なる移動インストラクションを待つ。但し、本発明はこれに限定されるものではなく、航空の地上におけるそれらの連続移動を容易にするべく、中央コントローラ22から、各スタンドアロンタグ又はタグ−航空機コンビネーションのタグへ多くの連続した移動インストラクションを伝送することも可能である。もちろん、タグへの到着インストラクションは、対応のタグコントローラ12が、現在実行中の、又は、安全の目的でタグコントローラによる実行のための待ち行列にある任意のインストラクションをオーバーライドする緊急インストラクションとして認識するコードを含むことが可能である。
【0062】
各スタンドアロンタグ又はタグ−航空機コンビネーションのタグの固有制御を容易にするために、各タグには固有のタグアドレスが割り当てられる。その固有のタグアドレスによって、各タグ、即ち、スタンドアロンタグ又はタグ−航空機コンビネーションのタグは、中央コントローラ22との無線通信リンクを確立することができ、これによって、中央コントローラ22は、この固有のタグアドレスを利用して各タグに個々にアドレス指定することができる。固有のタグアドレスの使用は、各スタンドアロンタグ又はタグ−航空機コンビネーションのタグと中央コントローラ22との確実な通信を容易にするための、ここに記載される実施例すべてに共通である。
【0063】
オプションとして、各タグ3は、空港の地上における当該タグの位置の仮想マップを含むことができ、ここで、前記仮想マップは、前記タグのための一次案内座標を提供することができる。前記タグは、前記仮想マップ上におけるその位置を参照するため、又は、車輪のスリップ、車輪の摩耗等の様々な要因による蓄積された位置誤差を除去するための任意の追加の位置測定を利用することができる。さらに、前記タグ3は、ルートプランナ(図示せず)との協働で、前記仮想マップを参照することができる。例えば、前記ルートプランナは、タグが、原点から目的地へナビゲートすることを可能にするより具体的な情報を提供する。
【0064】
タグが電気駆動モータの制御下で作動する場合、前記タグは、当該タグの作動中に前記電気駆動モータ8によって利用される電気エネルギの貯蔵のために、バッテリ、コンデンサ等の蓄電手段を更に備えることができる。所望の場合、前記タグは、前記蓄電手段への無接触式電気エネルギ伝送のための手段も備えることができる。そのような構成を利用することによって、タグに対して時間制限無しの作動を提供しつつ、タグ上での燃料貯蔵に関連する内在的な危険が回避される。そのような構成は、新しい航空施設用に適しているかもしれないが、既存の空港の改良も可能である。
【0065】
好ましくは、各タグ3は、必要に応じて、航空機に対する自動化された接続及び接続解除が可能である。オプションとして、前記接続及び接続解除は、航空機に搭乗しているパイロットとの関連で処理することができる。更に別のオプションにおいて、パイロットに対して、たとえば、そのタグが航空機を不適切な場所へと牽引している等の緊急状況のような任意の時点において、タグを接続解除できる能力を持たせることができる。オプションとして、パイロットがタグを航空機から接続解除することによって、静止モードとなり、すべてのスタンドアロンタグ及び/又はタグ−航空機コンビネーションが、その緊急状態が解決するまでは、停止状態となるように構成することも可能である。
【0066】
各タグ(すなわち、スタンドアロンタグ又はタグ−航空機コンビネーションのタグ)が、少なくとも一つの他のスタンドアロンタグ又はタグ−航空機コンビネーションの位置データ及び/又は移動データに基づいて、その移動を制御する前記第2実施例において、各スタンドアロンタグ又は各タグ−航空機コンビネーション(3,1)のタグは、その無線トランシーバ16と中央制御システム4の無線トランシーバ20とを介して、その位置データ及び/又は移動データを、中央コントローラ22に送る。次に、適当なタイミングで、中央コントローラ22は、各スタンドアロンタグ及び各タグ−航空機コンビネーションのタグの無線トランシーバ16に、(無線トランシーバ20を介して)、少なくとも一つの他のスタンドアロンタグ又はタグ−航空機コンビネーションの位置データ及び/又は移動データを送る。例えば、各タグ3−1〜3−5は、そのそれぞれの無線トランシーバ16を介して、それ自身(タグ3−4及び3−5)とそのタグ−航空機コンビネーション(3−1,1−1),(3−2,1−2)及び(3−3,1−3)の、位置データ及び/又は移動データを無線トランシーバ20を介して中央コントローラ22に送信する。適当なタイミングで、中央コントローラ22は、少なくとも一つの他のスタンドアロンタグ又はタグ−航空機コンビネーションの、位置データ及び/又は移動データを各スタンドアロンタグ及び各タグ−航空機コンビネーションに送る。例えば、適当なタイミングで、中央コントローラ22は、タグ−航空機コンビネーション(3−1,1−1)に対して、スタンドアロンタグ3−4及び3−5とタグ−航空機コンビネーション(3−2,1−2)及び(3−3,1−3)の位置データ及び/又は移動データとを送る。これにより、各スタンドアロンタグ及び各タグ−航空機コンビネーション(3,1)のタグのタグコントローラ12に対して、(その位置レシーバ18を介して)、その位置データ及び/又は移動データが、少なくとも一つの他のスタンドアロンタグ又はタグ−航空機コンビネーションの、位置データ及び/又は移動データとともに利用可能となる。好ましくは、中央コントローラ22は、各スタンドアロンタグ又は各タグ−航空機コンビネーションのタグに対して、空港の地上のべてのスタンドアロンタグ及びタグ−航空機コンビネーションの、位置データ及び/又は移動データを送る。
【0067】
各スタンドアロンタグ又はタグ−航空機コンビネーションのタグがいかにして空港の地上の単数、複数又は全部のスタンドアロンタグ及びタグ−航空機コンビネーションの、位置データ及び/又は移動データを入手するかに関わらず、この第2実施例においては、各スタンドアロンタグ及び各タグ−航空機コンビネーションは、(そのタグを介して)単数、複数又は全部のスタンドアロンタグ及びタグ−航空機コンビネーションの、位置データ及び/又は移動データ、特に、それらの周りに電子的に定義された前記仮想安全ゾーンに基づいて、それ自身の移動を制御することができる。より具体的には、各スタンドアロンタグ及び各タグ−航空機コンビネーションのタグは、空港の地上のすべてのスタンドアロンタグ及びタグ−航空機コンビネーションの位置及び/又は移動とそれらの安全ゾーン26及び24の、それ自身の仮想マップを保持することができる。この情報に基づいて、各スタンドアロンタグ及び各タグ−航空機コンビネーションは、二つ以上の安全ゾーン24及び/又は26の重複を避けるように、空港の地上において移動することが可能となる。二つ以上の安全ゾーンが重複する場合、これらの重複する安全ゾーンに関連するタグは、二つの安全ゾーン24及び/又は26が重複しなくなるように移動するべく、たとえば、中央コントローラ22を介して、プログラミング又は制御することができる。
【0068】
第1及び第2実施例の上記説明は、スタンドアロンタグとタグ−航空機コンビネーションとの組み合わせが空港の地上で移動しているということを前提としていた。但し、本発明はこれに限定されるものではない。なぜなら、本発明は、タグ−航空機コンビネーションの移動無しのスタンドアロンタグの制御された移動、又は、空港の地上での、スタンドアロンタグの移動無しの、タグ−航空機コンビネーションの移動に適用可能であると考えられるからである。したがって、空港の地上でのスタンドアロンタグとタグ−航空機コンビネーションとの組み合わせの制御された移動に関する上記説明は、本発明を限定するものではない。
【0069】
好ましくは、空港の地上でのスタンドアロンタグとタグ−航空機コンビネーションの、位置及び/又は移動は、空港の地上のすべてのスタンドアロンタグとタグ−航空機コンビネーションの安全で効率的な移動を容易にするように、各スタンドアロンタグ及び各タグ−航空機コンビネーションのタグに通信することができる。好ましくは、空港の地上での各タグ−航空機コンビネーションの位置及び/又は移動と安全ゾーン24は、他のタグ及び/又はタグ−航空機コンビネーションの移動と協調した、空港の地上における前記タグ−航空機コンビネーションの安全で効率的な移動を容易にするべく、対応のタグコントローラ12のメモリ内の前記仮想マップ上にて実質的にリアルタイムで更新することが可能である。同様に、空港の地上での各スタンドアロンタグ3の位置及び/又は移動とその安全ゾーン26は、他のタグ及び/又はタグ−航空機コンビネーションの移動と協調した、空港の地上における前記タグ−航空機コンビネーションの安全で効率的な移動を容易にするべく、対応のタグコントローラ12のメモリ内の前記仮想マップ上にて実質的にリアルタイムで更新することが可能である。
【0070】
この第2実施例において、各安全ゾーンは、中央コントローラ22によって、又は、対応のタグコントローラ12によって、対応のタグ−航空機コンビネーション又はスタンドアロンタグ周りに電子的に定義することができる。タグ−航空機コンビネーション又はスタンドアロンタグ周りの安全ゾーンが、対応のタグコントローラ12によって定義される場合、この安全ゾーンに関する情報は、対応のタグの無線トランシーバ16と中央制御システム4の無線トランシーバ20とを介して中央コントローラ22に無線送信することができる。
【0071】
中央コントローラ22は、各スタンドアロンタグ及び各タグ−航空機コンビネーションのタグの無線トランシーバ16によって無線送信される安全ゾーンデータを受信し、少なくともそれを保存することができる。適当なタイミングで、中央コントローラ22は、各スタンドアロンタグ及び各タグ−航空機コンビネーションに関する安全ゾーンデータを、すべてのスタンドアロンタグ及びタグ−航空機コンビネーションに送ることができる。例えば、中央コントローラ22は、各スタンドアロンタグ及び各タグ−航空機コンビネーションの安全ゾーンデータに関する情報を、それが、すべてのスタンドアロンタグ及びすべてのタグ−航空機コンビネーションの位置データ及び/又は移動データを送信するのと同時に、各スタンドアロンタグ及び各タグ−航空機コンビネーションのタグの安全ゾーンに関する情報をすべてのスタンドアロンタグ及びタグ−航空機コンビネーションに送ることができる。所望の場合、中央コントローラ22は、不必要なデータの送信を避けるために、それから受け取られた安全ゾーンデータの、各スタンドアロンタグ又は各タグ−航空機コンビネーションのタグへの送信を保留することができる。
【0072】
以上から理解できるように、本発明は、空港の地上においてスタンドアロンタグ及び/又はタグ−航空機コンビネーションをナビゲートするシステム及び方法である。前記システムにおいて、単数若しくは複数のスタンドアロンタグ及び/又は単数若しくは複数のタグ−航空機コンビネーションからなる複数の車両が設けられ、ここで、各車両は、位置レシーバと、無線トランシーバと、前記位置レシーバによって出力された位置データを前記無線トランシーバによって送信させるように構成されたコントローラとを有する。中央コントローラは、各車両の前記無線トランシーバによって無線送信される前記位置データを受信するように構成されている。前記複数の車両のそれぞれの移動は、これら複数の車両から前記中央コントローラによって受け取られた前記無線送信位置データと、前記複数の車両の周りに定義される仮想安全ゾーンとに基づいて、前記中央コントローラ、前記車両の前記コントローラ、又は、これらの両方の組み合わせ、によって制御される。
【0073】
各車両の前記安全ゾーンは、前記中央コントローラ又は前記車両の前記コントローラによって電子的に定義可能な仮想安全ゾーンである。
【0074】
各車両の位置データ及び/又は移動データが、その移動に応答して、電子的にモニタリング可能であり、前記複数の車両の移動は、二つ以上の安全ゾーンの重複を回避するように、各車両の、前記電子的にモニタリングされる位置データ及び/又は移動データに基づいて制御することができる。
【0075】
もし二つ以上の仮想安全ゾーンが重複していると電子的に判断されたならば、これら二つ以上の仮想安全ゾーンに関連する車両を、これら車両間の物理的接触を回避するべく、制御又は操作することができる。更に、あるいは、それに代えて、二つ以上の仮想安全ゾーンを、それら二つの安全ゾーンが非重複になる状態へと移動するべく制御することができる。
【0076】
好ましくは、各車両の位置及び/又は移動の仮想マップが作成され、中央コントローラ22のメモリ、各コントローラ12のメモリ、又はこれらの両方中に維持される。好ましくは、この仮想マップは、最後の更新以降の、空港の地上の各車両の位置及び/又は移動を反映するべく実質的にリアルタイムで更新される。但し、本発明はこれに限定されるものではなく、各車両の移動を、空港の地上の車両の安全で効果的な移動を容易にしつつ、安全ゾーンの重複を回避する、中央コントローラ22、各コントローラ12、又はこれらの両方の中の適当なアルゴリズムによって管理することも可能である。
【0077】
各車両の位置及び/又は移動は、任意の適切若しくは望ましい方法及び/又は時間フレームで前記仮想マップ上で更新することができる。
【0078】
前記仮想マップは、適切な場合及び/又は所望の場合、中央コントローラ22のメモリ、各コントローラ12のメモリ、又はこれらの両方中に駐在することができる。中央コントローラ22が各車両の移動を制御する前記第1実施例において、中央コントローラ22は、無線トランシーバ20と車両の無線トランシーバ16との間の無線送信によって、空港の地上の車両の移動を制御する。好ましくは、各車両は、その位置及び/又は移動に関する情報を、中央コントローラ22が空港の地上の各車両の移動の実質的にリアルタイムな制御を行うために十分なレートで更新する。
【0079】
スタンドアロンタグ又はタグ−航空機コンビネーションからなる各車両が空港の地上におけるそれ自身の移動を制御する前記第2実施例において、前記移動は、中央コントローラ22によって提供される、空港の地上の単数若しくは複数のスタンドアロンタグ及び/又は単数若しくは複数のタグ−航空機コンビネーションからなる車両の、すべての位置及び/又は移動の仮想マップに対する更新に基づいて制御される。各車両のコントローラ12のメモリに前記仮想マップが駐在することを可能にするために、各車両は、その位置レシーバ18によって受信されたデータから得られる、又は、導出される、その位置及び/又は移動に関する情報を、中央コントローラ22に送り、当該コントローラ22は、前記コントローラ12内に駐在する仮想マップとの一体化のためにこのデータを統合する。一実施例において、各コントローラ12内に駐在する単数若しくは複数のタグ及び/又は単数若しくは複数のタグ−航空機コンビネーションからなる車両を表すアイコンを備える仮想マップを、空港の地上の各車両の安全な移動を行うべく適当なタイミングで、中央コントローラ22によって新たな仮想マップと置き換えることが可能である。また、あるいはそれに代えて、中央コントローラ22は、単純に、空港の地上の各コントローラ12のメモリに既に駐在する仮想マップを、空港の地上の単数又は複数のタグ及び/又は単数又は複数のタグ−航空機コンビネーションからなる車両のすべての位置及び/又は移動に関する更新情報によって単純に更新することができる。中央コントローラ22によって供給される各新規仮想マップ、又は、空港の地上のすべての車両の位置及び/又は移動に関する前記更新情報に基づき、各コントローラ12は、各新規仮想マップ又は更新仮想マップを参照して、二つ以上の安全ゾーンの重複を避けるように、空港の地上周りのその車両の安全で効果的な移動を容易にすることができる。
【0080】
好ましくは、空港の地上の作動中タグのすべての位置が実質的にリアルタイムで追跡される。各作動中タグは、各他のタグの相対位置を知らないかもしれない。しかしながら、中央コントローラ22は、タグが航空機に接続されているか否かに関わらず、空港の地上のタグの相対位置を得ることができ、それによって、中央コントローラ22は、各タグを、始点と目的地との間で安全に誘導することができる。例えば、タグ3の始点は、当該タグの保持ロケーションであってよく、前記目的地は航空機が既に駐車されている特定のゲート位置であってよい。別の例において、前記始点はゲートロケーションであってよく、前記目的地は、離陸のための主滑走路のエントリポイントであってよい。更に別の例において、前記始点は主滑走路からの出口ポイントであってよく、前記目的地はゲートロケーションとすることができる。同様に、タグを、空港の地上の任意のロケーションから、空港の地上の別のロケーションへと移動させることができる。なお、前記タグ及び別実施例は、始点と目的地との間で他の機器を搬送するためにも利用可能である。非限定的な具体例としては、小荷物用列車及びカート、燃料車、並びに、飛行場領域レーダ移動航空機ロケーションとメンテナンス格納庫との間での航空機の輸送が含まれる。
【0081】
以上、本発明を具体的実施例を参照して説明した。上記詳細説明を読み理解することによって他者は明白な改
変に想到するであろう。本発明は、それらが添付の請求項の範囲、又は、それらの均等物に含まれる限りにおいて、そのよう
な改変のすべてを含むものと意図される。