(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
緑茶葉から抽出された緑茶抽出液を主成分とする緑茶飲料は、それ自体が外観上茶色を呈しており、視覚上清涼感に欠けるという難点があり、さらに加温保存や長期保存により、色調が変化するという問題がある。PETボトルなどの透明容器の方が好まれる現在においては、何らかの形で十分な解決が図られるのが望ましい。
【0006】
本発明の課題は、加温保存や長期保存した場合にも色調や風味が安定である飲料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、色差計の明度と彩度を特定範囲に調整した緑茶飲料が視覚上清涼感を有し、かつ、保存に対する色調の安定性を有することを見出した。この明度と彩度を特定範囲に調整した緑茶飲料に、アスコルビン酸類と苦味を有するアミノ酸として知られているバリンを特定量含有させると、驚くべきことに、色調及び風味の保存安定性が高まるとの知見を得、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、これに限定されるものではないが、本発明は以下を包含する。
(1) 以下の条件を満たす、容器詰緑茶飲料:
(i)100〜800ppmの濃度のアスコルビン酸類(A)を含有する;
(ii)1〜200ppmの濃度のバリン(B1);
(iii)色差計による明度(L
*)が75≦L
*≦95である;
(iv)色差計による及び彩度(C
*)が15≦C
*≦25である。
(2) 6ppm未満の濃度のメチオニン(B2)を含有する、(1)に記載の飲料。
(3) 2.0〜18mg/100mLの濃度のリン酸(D)を含有する、(1)又は(2)に記載の飲料。
(4) さらに3〜100ppbのリナロール(F1)を含有する、(3)に記載の飲料。
(5) 2.8〜10ppbの濃度のリナロール(F1)及び0.2〜1.0ppbの濃度のフェニルアセトアルデヒド(F2)を含有する、(1)又は(2)に記載の飲料。
(6) さらに総量が10ppm以上100ppm以下となるラフィノース(G1)及びスタキオース(G2)を含有する、(1)又は(2)に記載の飲料。
【0009】
一つの態様において、本発明は、以下の態様を包含する。
(1)100〜800ppmの濃度のアスコルビン酸類と、1〜200ppmの濃度のバリンとを含有し、色差計による明度(L
*)及び彩度(C
*)が以下を満たす、容器詰緑茶飲料:
(i)75≦L
*≦95;
(ii)15≦C
*≦25。
(2)緑茶の抽出液に、緑色植物粉砕物を配合して得られたものである、(1)に記載の容器詰緑茶飲料。
(3)緑色植物粉砕物が、緑茶葉の粉砕物である、(2)に記載の容器詰緑茶飲料。
(4)バリンが、緑茶葉の抽出物として配合されたものである、(1)〜(3)のいずれかに記載の緑茶飲料。
【0010】
一つの態様において、本発明は、以下の態様を包含する。
(1) 100〜800ppmの濃度のアスコルビン酸類と、0.5〜6ppmの濃度のメチオニンとを含有し、色差形による明度(L
*)及び彩度(C
*)が以下を満たす、容器詰緑茶飲料:
(i)75≦L
*≦95;
(ii)15≦C
*≦25。
(2) 緑茶の抽出液に、緑色植物粉砕物を配合して得られたものである、(1)記載の容器詰緑茶飲料。
(3) 緑色植物粉砕物が、緑茶葉の粉砕物である、(2)に記載の容器詰緑茶飲料。
【0011】
別の態様において、本発明は、以下の態様を包含する。
(1) 2.0〜18mg/100mLの濃度のリン酸を含有し、色差形による明度(L
*)及び彩度(C
*)が以下を満たす、容器詰緑茶飲料:
(i) 75≦L
*≦95;
(ii)15≦C
*≦25。
(2) 3〜100ppbの濃度のリナロールを含有する、(1)記載の容器詰緑茶飲料。
【0012】
別の態様において、本発明は、以下の態様を包含する。
(1) 0.2〜1.0ppbの濃度のフェニルアセトアルデヒドと、2.8〜10ppbの濃度のリナロールとを含有し、色差形による明度(L
*)及び彩度(C
*)が以下を満たす、容器詰緑茶飲料:
(i)75≦L
*≦95;
(ii)15≦C
*≦25。
【0013】
別の態様において、本発明は、以下の態様を包含する。
(1) ラフィノース及びスタキオースを含有し、その合計量が10ppm以上であり、色差形による明度(L
*)及び彩度(C
*)が以下を満たす、容器詰緑茶飲料:
(i) 75≦L
*≦95;
(ii)15≦C
*≦25。
(2) ラフィノース及びスタキオースが、緑茶の抽出液にとして配合されたものである、(1)記載の容器詰緑茶飲料。
【発明の効果】
【0014】
本発明によると、視覚上も風味上も清涼感を有し、風味及び色調の保存安定性が良好な緑茶飲料が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(アスコルビン酸類)
本発明の容器詰緑茶飲料は、長期保存中の色調安定化を目的として、アスコルビン酸類(本明細書中、(A)とも表記する)を配合する。本発明でいうアスコルビン酸類とは、アスコルビン酸、その異性体、それらの誘導体及びそれらの塩の中の1種又は2種以上をいう。本発明のアスコルビン酸類としては、飲料へ配合できるものであればいずれのものも用いることができる。具体的には、アスコルビン酸;エリソルビン酸等のアスコルビン酸の異性体;アスコルビン酸2,6−ジパルミテート、アスコルビン酸6-ステアレート、アスコルビン酸−2リン酸ナトリウム、アスコルビン酸−2硫酸2ナトリウム、アスコルビン酸2-グルコシド、アスコルビン酸グルコサミン、L-デヒドロアスコルビン酸、アスコルビン酸6-パルミテート、テトライソパルミチン酸L-アスコルビン、テトラ2−ヘキシルデカン酸アスコルビル、リン酸L-アスコルビルマグネシウム等のアスコルビン酸の異性体の誘導体;及びナトリウム、カリウム等のアルカリ金属との塩;カルシウム、マグネシウム、バリウム等のアルカリ土類金属との塩;アルギニン、リジン等の塩基性アミノ酸塩;アンモニウム塩、トリシクロヘキシルアンモニウム塩等のアンモニウム塩;モノイソプロパノールアミン塩、ジイソプロパノールアミン塩、トリイソプロパノールアミン塩等のアルカノールアミン塩等のアスコルビン酸及びその誘導体の塩が例示できる。なかでも、アスコルビン酸、エリソルビン酸及びこれらの塩、更に好ましくはアスコルビン酸ナトリウム、及びエリソルビン酸ナトリウムが好適に用いられる。
【0016】
保存安定化に必要はアスコルビン酸類の配合量は、容器詰飲料中、100〜800ppm、好ましくは150〜700ppm、より好ましくは200〜600ppm程度である。
【0017】
(バリン)
本発明の緑茶飲料は、上記アスコルビン酸類の他に、遊離アミノ酸としてのバリン(本明細書中、(B1)とも表記する)を含有する。
【0018】
本発明において使用されるバリンとしては、市販品、合成品、その他製法に関係なく食用可能なものを使用できる。またD体、L体およびDL体のいずれも使用可能であるが、L体のものが最も好ましく使用できる。具体的には、醗酵法や合成法で製造されたL−バリンが例示できる。
【0019】
また、L−バリンを含有する植物体や植物抽出物をそのまま又は精製(粗精製を含む)して用いることもできる。L−バリンを含有する植物体としては、緑茶葉の粉砕物を例示できる。また、植物抽出物としては、緑茶葉の抽出物を好適に例示できる。緑茶葉の粉砕物や緑茶葉の抽出として添加した場合には、添加剤(酸化防止剤を除く)を使用することなく、茶由来の成分だけの自然な美味しさを有する茶飲料が簡便に製造することができるという利点もある。
【0020】
通常、緑茶葉の抽出物には、テアニン、グルタミン酸、アスパラギン酸、メチオニン等のアミノ酸が多く含まれるが、バリンの含有量は少ない。したがって、緑茶葉の抽出物を用いる場合は、緑茶葉に物理的又は化学的処理を施して、バリンの濃度を高める処理を行うのが好ましい。具体的には、バリンを含む水溶液に原料となる緑茶葉を含浸させ、この含浸処理した緑茶葉を火入れ乾燥する処理が挙げられる(特開2012−183064号公報参照)。本発明のバリンが、バリンを含む水溶液に原料の緑茶葉を含浸させ、この含浸処理した緑茶葉を100〜200℃の温度で火入れ乾燥して得られる緑茶葉の抽出物として配合される態様は、本発明の好適な態様の一つである。このバリンを含浸して火入れ乾燥処理を行った緑茶葉の抽出物を用いると、本発明の緑茶飲料に、火香(こうばしい香り)が付与され、さらに風味安定性を有する緑茶飲料となる。
【0021】
本発明の緑茶飲料には、飲料全体に対して1.0〜200ppm、好ましくは3.0〜100ppm、より好ましくは5.0〜50ppmの濃度のバリンを含有する。バリンの量を上記範囲の量とすると、色調や風味の安定性が格段に向上する。特定量のバリンの存在により、飲料中のアスコルビン酸類の安定性が向上するものと推測される。
【0022】
また、バリンを配合することにより、保存安定性ばかりでなく、加熱殺菌処理を経て製造される容器詰緑茶飲料の風味上の清涼感も向上する。これは、加熱殺菌処理に伴う不快な加熱臭の発生をバリンが抑制する、或いは加熱臭を有効にマスキングする効果を奏するためと推測される。
【0023】
(色調)
本発明の緑茶飲料は、その色調に特徴を有する。本発明者らの検討によると、緑茶飲料の色調の変化は、彩度(C
*)と関係が深く、15≦C
*≦25(好ましくは15≦C
*≦23、より好ましくは15≦C
*≦21)を満たす緑茶飲料が、液色の色調安定性を有することを見出した。ここで、本発明における彩度(C
*)とは、色彩の飽和度、すなわち色の鮮やかさの感覚を意味し、0〜100の範囲(値が小さいとくすんだ色、値が大きいと鮮やかな色)で表わされる値である。彩度(C
*)は、色差計でL
*値、a
*値、b
*値を測定し、この値を用いた下記式から算出できる。
式:C
*=(a
*2+b
*2)
1/2
上記C
*値の範囲の緑茶飲料の中でも、明度(L
*)が75≦L
*≦95(好ましくは75≦L
*≦90)を満たす緑茶飲料は、見た目にも清涼感を有する緑茶飲料である。L
*が75未満の緑茶飲料は、その色合いからしっかりとした重たい味を連想し、清涼感を想起し難い。ここで、明度(L
*)とは、色の明るさの感覚を意味し、0〜100の範囲(0:黒色、100:白色)で表わされる値である。
【0024】
特定量のアスコルビン酸類とバリンとを含有し、上記の明度(L
*)及び彩度(C
*)に調整された本発明の緑茶飲料は、容器詰緑茶飲料としても色調が自然である。そして、その清涼感を有する自然な色調は、加温保存や長期保存を行った場合にも維持される。
【0025】
本発明の色調(75≦L
*≦95、15≦C
*≦25)を満たす緑茶飲料は、当業者であれば、茶葉の種類や茶葉の加工方法などを適宜選択して用いることで容易に製造することができる。例えば、緑茶葉から抽出された緑茶抽出液に、緑色植物粉砕物をL
*値及びC
*値が所望の値になるよう配合する方法が挙げられる。緑色植物粉砕物としては、濃い緑色を有する植物の粉砕物を用いるのが好ましく、具体的には、緑茶葉の粉砕物を用いるのが好ましい。緑茶葉の粉砕物としては、抹茶や粉茶のようは茶葉組織を有するものであれば、その粒子形状及び大きさは特に制限されないが、飲料製造中の操作性や分散性等の観点から平均粒子径で1〜100μm程度、好ましくは5〜50μm程度の粒度のものを用いるのが好ましい。粉砕物の原料となる緑茶葉は、Camellia属の茶樹の葉、茎等から不発酵の製茶工程によって製造される緑茶葉であり、一般に不発酵茶として分類されるものであれば特に制限はなく、樹種や部位等や製法の非本質的相違によって限定されず、煎茶、玉露、展茶、かぶせ茶等の様々な緑茶葉から適宜選択して単独又は複数種を組み合わせて利用することができる。
【0026】
(その他成分)
バリン(B1)の起源となる緑茶抽出物には、微量ではあるがメチオニン(本明細書中、(B2)とも表記する)が含まれる。本発明者らの検討によると、メチオニンの存在は、本発明におけるバリンの効果を阻害することを見出した。したがって、本発明の茶飲料中のメチオニン含量が少なくなるように、茶抽出物の茶葉を選択したり、抽出条件を調整したりするのが好ましい。具体的には、茶飲料全体に対するメチオニン含量が、6ppm未満、好ましくは5ppm未満、4ppm未満の濃度のメチオニンとなるように調整するのがよい。また、微量のメチオニンの存在は飲料中のアスコルビン酸類の安定性付与に寄与すると考えられることから、メチオニンの下限値は0ではなく、0.5ppm以上、好ましくは0.6ppm以上、より好ましくは0.7ppm以上程度とする。メチオニンの量が上記範囲内であれば、色調や風味の安定性が格段に向上するが、メチオニンが6ppmを超えると、含硫アミノ酸であるメチオニンの特異な臭味が強くなり清涼感を損なうことになる。
【0027】
以上より、本発明の好適な態様の一つとして、以下の条件を満たす容器詰緑茶飲料が例示される:
(i)100〜800ppmの濃度のアスコルビン酸類(A)を含有する;
(ii)1〜200ppmの濃度のバリン(B1)及び6ppm未満の濃度のメチオニン(B2)を含有する;
(iii)色差計による明度(L
*)が75≦L
*≦95である;
(iv)色差計による及び彩度(C
*)が15≦C
*≦25である。
【0028】
本発明者らは、さらに閾値以下のリン酸(本明細書中、(D)とも表記する)を配合することにより、淡い色合いを有する淡色茶の香気を選択的にエンハンスでき、風味の保存安定性が向上することを見出している。具体的には、緑茶独特の清々しい青葉香をエンハンスされることにより、加熱殺菌臭がマスキングされ、保存中の香気の消失や変質が抑制される。ここで、清々しい青葉香とは、リナロール、リナロールオキシド、ゲラニオール、フェニルアセトアルデヒドの少なくとも1以上の香気成分を意味する。リナロール、リナロールオキシド、ゲラニオール及びフェニルアセトアルデヒドの少なくとも1成分を含むことが好ましく、これら全ての成分を含むことがより好ましい。特に、リナロールを3〜100ppbを含有する態様は、本発明の好ましい態様の一つである。
【0029】
リン酸を配合した場合にも、本発明の茶飲料の20℃におけるpHを、5.0〜7.0、好ましくはpH5.5〜7.0、より好ましくはpH5.5〜6.5に調整することが重要である。上記の範囲のpHとすることによって、本発明の効果である清々しい青葉香が選択的にエンハンスされる。
【0030】
本発明の緑茶飲料中のリン酸の総量は、2.0〜18mg/100mLであるが、好ましくは2.5〜5mg/100mLである。リン酸の総量が18mg/100mL以上であると、リン酸の酸味が青葉香のエンハンス作用を阻害することがある。また、2.0mg/100mL未満では、本発明の期待するエンハンス作用が得られない。
【0031】
リン酸としては、市販品、合成品、その他製法に関係なく食用可能なものを使用できる。また、リン酸を含有する植物体や植物抽出物をそのまま又は精製(粗精製を含む)して用いることもできる。リン酸は、煎茶よりも玉露に多いといわれている(茶研報 No.93, p26-33 (2002)非特許文献1参照)。本発明の飲料中のリン酸には、これら茶抽出物由来のものが含まれる。
【0032】
以上より、本発明の好適な態様の一つとして、以下の条件を満たす容器詰緑茶飲料が例示される:
(i)100〜800ppmの濃度のアスコルビン酸類(A)を含有する;
(ii)1〜200ppmの濃度のバリン(B1)を含有する;
(iii)2.0〜18mg/100mLのリン酸(D)を含有する;
(iv)色差計による明度(L
*)が75≦L
*≦95である;
(v)色差計による及び彩度(C
*)が15≦C
*≦25である。
【0033】
より好ましくは、
(i)100〜800ppmの濃度のアスコルビン酸類(A)を含有する;
(ii)1〜200ppmの濃度のバリン(B1)を含有する;
(iii)2.0〜18mg/100mLのリン酸(D)を含有する;
(iv)3〜100ppbのリナロール(F1)を含有する;
(v)色差計による明度(L
*)が75≦L
*≦95である;
(vi)色差計による及び彩度(C
*)が15≦C
*≦25である。
【0034】
一方、本発明者らは、レトルト殺菌等の加熱処理により、緑茶飲料、特に淡色の緑茶飲料の良質な香気香味が消失又は変化することに対し、極微量のリナロール(Linalool)(F1)とフェニルアセトアルデヒド(phenylacetaldehyde)(F2)を特定濃度で含有させることにより、茶が持つ香気を違和感なく増強することができ、淡色茶飲料の風味及び色調の保存安定性が向上できることを見出している。具体的には、閾値以下の濃度のリナロール(F1=2.8〜10ppb)と閾値以下のフェニルアセトアルデヒド(F2=0.2〜1.0ppb)である。特に、これらの含有割合(重量比)が、(F1)/(F2)=5〜50、好ましくは9〜25となるように含有させることにより、茶飲料の香り(口に含んだ時に口腔内に広がる香り(香り立ち)、喉越しに残る香り(含み香))、味(コク)、嗜好性(味と香りのバランス)が良好になる。これらがこの範囲にある緑茶飲料は、豊かな甘香があり、甘味と旨味のコクを知覚できる緑茶飲料となる。(F1)/(F2)が小さすぎると新鮮さに欠け、逆に(F1)/(F2)が大きすぎると花香ばかりが強調され、茶飲料として違和感が生じることがある。
【0035】
リナロール(F1)とフェニルアセトアルデヒド(F2)は、緑茶抽出物の形態で茶飲料に配合することが好ましい。緑茶抽出物の形態とすることで、より自然な味わいとすることができる。尚、茶飲料中の香気成分量は、質量分析計付きガスクロマトグラフィー(GC/MS)を使用して定量することができる。
【0036】
この特定量のリナロールとフェニルアセトアルデヒドとを含有する茶飲料において、上述のリン酸を含有させることにより、相加的又は相乗的に低カテキン茶飲料の香気香味をエンハンスすることができる。この場合の茶飲料中の好ましいリン酸含量は、2.0〜15mg/100mL、より好ましくは2.5〜5mg/100mLである。
【0037】
以上より、本発明の好適な態様の一つとして、以下の条件を満たす容器詰緑茶飲料が例示される:
(i)100〜800ppmの濃度のアスコルビン酸類(A)を含有する;
(ii)1〜200ppmの濃度のバリン(B1)を含有する;
(iii)2.8〜10ppbの濃度のリナロール(F1)及び0.2〜1.0ppbの濃度のフェニルアセトアルデヒド(F2)を含有する;
(iv)色差計による明度(L
*)が75≦L
*≦95である;
(v)色差計による及び彩度(C
*)が15≦C
*≦25である。
【0038】
より好ましくは、
(i)100〜800ppmの濃度のアスコルビン酸類(A)を含有する;
(ii)1〜200ppmの濃度のバリン(B1)を含有する;
(iii)2.0〜15mg/100mLのリン酸(D)を含有する;
(iv)2.8〜10ppbの濃度のリナロール(F1)及び0.2〜1.0ppbの濃度のフェニルアセトアルデヒド(F2)を含有する;
(v)色差計による明度(L
*)が75≦L
*≦95である;
(vi)色差計による及び彩度(C
*)が15≦C
*≦25である。
【0039】
一般に、茶飲料中に含まれる糖類は加熱殺菌時の加熱や長期保存により、メイラード反応を生じて褐変化することが知られている。本発明のような淡い色合いを有する淡色茶では、その色味の変化が特に顕著となる。この問題に対し、本発明者らは、特定のオリゴ糖を特定濃度で淡色茶飲料に配合することで、風味及び色調の保存安定性が向上できることを見出している。具体的には、
下記式(1)
【0041】
で表わされる三糖であるラフィノース(本明細書中、(G1)とも表記する)と、下記式(2)
【0043】
で表わされる四糖であるスタキオース(本明細書中、(G2)とも表記する)とを含有し、これらラフィノースとスタキオースの重量の合計((G1)+(G2))が10ppm以上、好ましくは15ppm以上、より好ましくは20ppm以上、特に好ましくは30ppm以上であり、上限は100ppm程度の茶飲料が、淡色茶飲料の風味及び色調を維持し、さらに飲用性(drinkability)を高めた茶飲料となる。ここで、本明細書における「飲用性」とは、1回の飲用時で飲み干される飲料の容量を意味し、飲用性が高められた飲料とは、喉の渇きを癒すため一気に大量をゴクゴク飲むことができる、すなわち茶飲料を大量に飲んでも飲み飽きずにまだ美味しく飲める性質のことをいう。大量とは、具体的には、成人男性1回当たりの飲用量が350mL〜2000mL、好ましくは500mL〜1000mLをいう。
【0044】
以上より、本発明の好適な態様の一つとして、以下の条件を満たす容器詰緑茶飲料が例示される:
(i)100〜800ppmの濃度のアスコルビン酸類(A)を含有する;
(ii)1〜200ppmの濃度のバリン(B1)を含有する;
(iii)総量が10ppm以上100ppm以下となるラフィノース(G1)及びスタキオース(G2)を含有する;
(iv)色差形による明度(L
*)が75≦L
*≦95である;
(v)色差計による及び彩度(C
*)が15≦C
*≦25である。
【0045】
(容器詰緑茶飲料)
本発明の容器詰緑茶飲料は、例えば以下の工程:
(i)緑茶葉に抽出処理を施して緑茶抽出液を得る工程、
(ii)緑茶抽出液に、アスコルビン酸類(A)及びバリン(B1)を配合する工程、
(iii)明度及び彩度の調整された調合液を得る工程、
(iv)該調合液を加熱殺菌処理する工程、及び
(v)容器に充填する工程、
を含む製造方法により得ることができる。
【0046】
緑茶飲料の主成分となる緑茶抽出液に用いる緑茶葉としては、Camellia属、例えばC. sinensis、C. assamica、やぶきた種及びそれらの雑種から得られる茶葉から製茶された緑茶葉(煎茶、番茶、玉露、てん茶、釜炒り茶など)を適宜選択して単独又は複数種を組み合わせて使用することができる。抽出には、水や熱水、抽出助剤を添加した水溶液が用いられる。抽出温度に特に制限はないが、本発明の緑茶飲料の視覚上、風味上の清涼感を効果的に発現させるために、低温(60℃以下、好ましくは10〜60℃程度、より好ましくは15〜55℃程度)で行うのが好ましい。
【0047】
本発明の飲料に使用される容器は、一般の飲料と同様にプラスチックボトル(PETボトル)、金属缶、金属箔やプラスチックフィルムと複合された紙容器、瓶などの通常の形態で提供することができるが、特に、本発明の効果を顕著に知覚できる透明容器を用いることが好ましい。
【0048】
加熱殺菌処理は、例えば、金属缶のように容器に充填後、加熱殺菌できる場合にあっては食品衛生法に定められた殺菌条件で行う。PETボトル、紙容器のようにレトルト殺菌できないものについては、予め上記と同等の殺菌条件、例えばプレート式熱交換器などで高温短時間殺菌後、一定の温度まで冷却して容器に充填する等の方法が採用される。
【実施例】
【0049】
以下、実験例及び実施例を示して本発明の詳細を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0050】
試験例
市販のPETボトル入り緑茶飲料について、色差計(Spectro Color Meter SE2000(日本電色工業(株))でL
*値、a
*値、b
*値を測定し、彩度(C
*=(a
*2+b
*2)
1/2)を算出した。また、この市販の緑茶飲料を55℃で2週間保管し、保管後の色調(L
*値、a
*値、b
*値、C
*値)を測定し、保存前後における彩度の差(ΔC
*)値を算出した。55℃で2週間の保管は、長期保存(常温10ヶ月相当)の加速試験を意味するが、加温保存のモデルでもある。
【0051】
結果を表1に示す。彩度の変化(ΔC
*)が3以上ある茶飲料は、目視による観察でもその色調の変化が確認された。15≦C
*≦25の緑茶飲料は、ΔC
*が小さく、加温保存や長期保存安定性を有することが判明した。
【0052】
【表1】
【0053】
実施例1
市販のPETボトル入り緑茶飲料(試験例の市販飲料B)を水で約2.7倍に希釈し、さらに緑茶葉粉砕物(平均粒子径が10μmの抹茶)を4mg/100mlの割合で添加して、緑茶飲料とした(No.1)。これに、L−バリン(味の素ヘルシーサプライ株式会社)及びを添加して、バリン濃度の異なる緑茶飲料を得た(No.2〜7)。加熱殺菌して容器詰緑茶飲料を製造した後、これら飲料中のアミノ酸(バリン、メチオニン)濃度及びアスコルビン酸濃度を測定した。分析方法は以下のとおり。
【0054】
(アミノ酸の測定)
試料となる茶飲料をフィルター(0.45μm)でろ過し、HPLC分析に供した。HPLCの分析条件は以下のとおり。
・HPLC装置:Waters アミノ酸分析装置2695
・カラム:AccQ-Tagカラム(3.9mm×150mm)
・カラム温度:40℃
・移動相A:AccQ-TagA(pH5.8)
・移動相B:アセトニトリル
・移動層C:水/メタノール=9/1
・検出:EX250nm EM395nm Gain100
・注入量:5μL
・グラジエントプログラム:
時間(分) 流速(ml/min) %A %B %C
0 1 100 0 0
1 1 99 1 0
16 1 97 3 0
25 1 94 6 0
35 1 86 14 0
40 1 86 14 0
50 1 82 18 0
51 1 0 60 40
54 1 100 0 0
75 1 0 60 40
110 0 0 60 40
・標準物質:アミノ酸(バリン、メチオニン)
(官能評価)
パネラー5名による清涼感についての飲用試験を行った。ここで、清涼感を有する飲料とは、淡い液色を有し、苦味や渋味や臭味がなく、一気に大量をゴクゴク飲むことができる(「飲用性が高い」ともいう)のに適した感覚の飲料をいう。評価基準は以下のとおり。
[評価基準]
1:優れる、2:良好、3:標準、4:良くない、5:悪いとし、最も多い評価で表わした。
【0055】
また、調製した各種飲料を37℃で4週間保存した場合における色調を目視で、風味を飲用試験で評価した。評価は、5名のパネラーで、5℃で4週間保存した場合を対照として、○:対照と同程度、△:対照と比べて僅かに変化がある、×:対照と比べて明らかに変化があるとし、最も多い評価で表わした。
【0056】
さらに、製造直後の風味と色調及び風味の保存試験の結果から、パネラーの合意により総合評価を行った。
[総合評価]
◎:とても好ましい、○:好ましい、△:ふつう、×:好ましくない
(評価結果)
結果を表2に示す。飲料全体に対して100〜800ppmの濃度のアスコルビン酸類(A)と、1〜200ppm(好ましくは5〜190ppm)の濃度のバリン(B1)とを含有し、色差計による明度(L
*)及び彩度(C
*)が、75≦L
*≦95、15≦C
*≦25を満たす緑茶飲料(No.2〜7)は、加熱臭がなく、視覚上も風味上も清涼感を有する好ましい緑茶飲料であった。
【0057】
明度(L
*)及び彩度(C
*)が75≦L
*≦95、15≦C
*≦25に調整された緑茶飲料は、色調において優れた保存安定性を有することが示唆された。また、バリンを1〜200ppm(好ましくは5〜190ppm)程度含有する緑茶飲料は製造直後の清涼感を維持した飲料であった。
【0058】
【表2】
【0059】
実施例2
実施例1のNo.4の淡色茶飲料に、L−メチオニン(味の素ヘルシーサプライ株式会社)を添加して、メチオニン濃度の異なる緑茶飲料を得た(No.8〜10)。これらの飲料を加熱殺菌した後、パネラー5名で実施例1と同様に、成分分析及び飲用試験を行った。
【0060】
結果を表3に示す。メチオニンを添加すると、バリンによる淡色茶飲料の清涼感向上作用が阻害される傾向にあることがわかった。清涼感についてNo.4飲料と比較すると、No.9の飲料は、パネラー5人中3人が大差ないと答えたが、No.10の飲料では、パネラー全員がNo.4よりも明らかに清涼感に欠けると答えた。これより、バリンを特定濃度含有する淡色茶飲料では、メチオニン濃度を6ppm未満(好ましくは5ppm未満)に調整するのがよいことが示唆された。
【0061】
【表3】
【0062】
実施例3
(1)バリン高含有茶葉の製造
特開2012−183064号公報の実施例2に記載の方法で、バリン高含有茶葉を製造した。まず、アミノ酸を高濃度に含有する茶抽出物を製造した。攪拌機付き密閉容器に10gの緑茶葉(火入れ度:中)を封入し、40℃のイオン交換水を180mL加え、緑茶葉を浸漬させた。そこにプロテアーゼ製剤(三菱化学フーズ社「コクラーゼ・P」)を0.2g添加し、40℃に保持したまま16時間攪拌を行い、酵素処理を行った。その後、得られた酵素処理液を90℃で10分加熱して酵素を失活させ、酵素抽出液を得た。この抽出液のアミノ酸組成を実施例1のHPLC条件で分析した結果を表4に示す。この抽出液を表4の17種のアミノ酸濃度の合計が1%になるよう、減圧濃縮してバリン含有緑茶濃縮液を調製した。
【0063】
【表4】
【0064】
未火入れの緑茶葉(荒茶;3番茶、やぶきた)に対し、重量比で茶葉:バリン含有緑茶濃縮液が1:0.2となるように噴霧、攪拌して含浸させた後、以下の条件で火入れ乾燥を行い、バリン高含有茶葉を得た。
・火入れ機 : 寺田製作所、TR-10
・ドラム温度 : 200℃
・ドラム回転数: 12rpm
・火入れ時間 : 15〜20分
・火入れ温度 : 150℃
(2)容器詰緑茶飲料の製造
上記(1)で得られたバリン高含有茶葉と煎茶(一番茶)を任意の割合で混合し、バリン含量の異なる3種類の混合茶葉を得た。混合茶葉の重量に対して、約30倍量の水(40℃)で抽出処理を行った。これに、緑茶葉粉砕物(平均粒子径が10μmの抹茶)を6mg/100mlと、アスコルビン酸350ppmを添加して、pH調整剤を用いてpHを6.4に調整した後、配加熱殺菌し、500mLずつをPETボトルに充填して、容器詰緑茶飲料を製造した(No.11〜14)。得られた緑茶飲料について、実施例1と同様に評価した。
【0065】
結果を表5に示す。飲料全体に対して100〜800ppmの濃度のアスコルビン酸類(A)と、1〜50ppmのバリン(B1)とを含有し、色差計による明度(L
*)及び彩度(C
*)が、75≦L
*≦95、15≦C
*≦25を満たす緑茶飲料は、加熱臭がなく、視覚上も風味上も清涼感を有する好ましい緑茶飲料であった。特に、バリン(B1)の濃度が5〜50ppmで、かつメチオニン(B2)の濃度が0.5ppm以上6ppm未満である緑茶飲料は、製造直後の清涼感を有する風味及び色調の保存安定性にも優れていた。
【0066】
【表5】
【0067】
実施例4
市販のPETボトル入り緑茶飲料(試験例の市販飲料F)に緑茶葉粉砕物(平均粒子径が10μmの抹茶)を5mg/100mlの割合で添加して、緑茶飲料とした(No.15)。これに、リン酸を種々の濃度で添加して、緑茶飲料を得た(No.16〜20)。加熱殺菌して容器詰緑茶飲料を製造した後、これら飲料中のアミノ酸(バリン、メチオニン)濃度及びアスコルビン酸濃度を実施例1と同様に定量した。また、飲料中のリン酸濃度、香気成分(リナロール及びフェニルアセトアルデヒド)の濃度を以下の方法により分析した。
【0068】
(リン酸濃度の測定)
飲料中のリン酸の定量は、Agilent社のキャピラリー電気泳動システム(HPCE)を用いて実施した。
【0069】
(香気成分の測定)
茶飲料中の香気成分分析にあたっては質量分析計付きガスクロマトグラフィー(GC/MS)を使用し、定量は標準添加法を用いた。前処理にはSBSE(Stir Bar Sorptive Extraction)法を採用し、Twister(Stir Bar にpolydimethylsiloxaneをコーティングしたもの;GERSTEL社製)による攪拌吸着で成分を濃縮した。分析試料は、試料量:50ml、吸着温度:25℃(室温)、吸着時間:120分で調整した。分析条件は以下のとおり。
TDS 条件 (Thermo Desorption System, 加熱脱着装置)
・装置:GERSTEL TDS
・脱着温度. 35℃(1min)〜250℃(60℃/min, 5min hold)
・注入口温度. -90℃〜250℃ (10℃/sec, 5min hold)
GC/MS条件
・装置:Agilent GC 6890, MSD 5973N
・カラム Inert Cap pure-WAX (30m×0.25mm I.D., Film 0.25μm)
・カラム温度 40℃(5min)〜260℃(10℃/min, 13min hold)
・Splitless 5min
・カラム流量:1.2mL/min
・トランスファーライン温度.:260℃
・イオン源温度:230℃
・四重極温度:150℃
・定量に用いたイオン:フェニルアセトアルデヒド m/z=91
(官能評価)
パネラー5名により、清涼感および香気の強さ(香り立ち、含み香)についての飲用試験を行った。また、実施例1と同様に保存安定性についても評価した。
【0070】
(評価結果)
結果を表6に示す。緑茶飲料中のリン酸の総量が、リン酸を2.5〜18mg/100mL(好ましくは2.5〜5.0mg/100mL)含有する緑茶飲料は、加熱臭がなく、緑茶独特の青葉のような清々しい香りを香り立ちと含み香で強く知覚できる飲料であった。この緑茶飲料について、パネラー全員が、淡い液色を有し、苦味や渋味や臭味がなく、一気に大量をゴクゴク飲むことができるのに適した、視覚上も風味上も清涼感であると答えた。一方、リン酸が20mg/100mL以上になると酸味が強く、清々しい青葉香は感じられなかった。
【0071】
【表6】
【0072】
実施例5
実施例4で製造したNo.17の緑茶飲料に、2.2〜107.2ppbのリナロールを滴下し、香味への影響について検討した(No.21〜23)。評価は5名の専門パネラーにより、○:No.17飲料より良い、△:No.17飲料と同程度、×:No.17飲料より悪いとし、最も多い評価で表わした。
【0073】
結果を表7に示す。リナロールが3〜100ppbとなる範囲では、香りが増強され、残香(喉越しに残る香り)や含み香が強く知覚でき、より一層清涼感が向上した。
【0074】
【表7】
【0075】
実施例6
実施例4で製造したNo.15の緑茶飲料(対照)に、フェニルアセトアルデヒドを添加し、フェニルアセトアルデヒド含量の異なる緑茶飲料(No.24〜26)を調製し、香味への影響について検討した。評価は5名の専門パネラーにより、○:No.15飲料より良い、△:No.15飲料と同程度、×:No.15飲料より悪いとし、最も多い評価で表わした。
【0076】
結果を表8に示す。フェニルアセトアルデヒドが0.2〜1.0ppbとなる範囲では、茶が持つ香気を違和感なく増強することができ、より一層清涼感が向上した。
【0077】
【表8】
【0078】
実施例7
実施例6のNo.26の緑茶飲料に、リナロールを添加し、リナロール含量の異なる緑茶飲料(No.27〜30)を調製し、香味への影響について検討した。評価は実施例6と同様に、No.15飲料と比較して行った。結果を表9に示す。2.8〜10ppbの濃度のリナロール(F1)及び0.2〜1.0ppbの濃度のフェニルアセトアルデヒド(F2)を含有する緑茶飲料は、見た目にも飲用しても清涼感に優れた飲料であった。また、リナロール(F1)とフェニルアセトアルデヒド(F2)の含有割合((F1)/(F2))が5〜20の範囲にある緑茶飲料は、常温で長期保存してもその清涼感のある色調及び風味が維持されていた。
【0079】
【表9】
【0080】
実施例8
実施例4で製造したNo.15の緑茶飲料(対照;7.0ppmのラフィノースと2.8ppmのスタキオースを含有)に、ピートオリゴ糖(ラフィノース98%以上、ニチエー株式会社)を添加して、実施例1と同様に加熱殺菌して、オリゴ糖組成及び濃度の異なる容器詰緑茶飲料を調製した(No.31〜33)。これらの茶飲料について、パネラー5名により清涼感の評価を行った。評価は、◎:対照より極めて好ましい、○:対照より好ましい、△:対照と同程度、×:対照より好ましくないとし、最も多い評価で表わした。
【0081】
表10に結果を示す。飲料中のラフィノース及びスタキオース含量が、10ppm以上100ppm以下となる茶飲料は、飲料自体に異味を伴うことなく、淡色茶飲料の清涼感を維持しながら、含み香やコクを増強することができ、飲用性が高まった。
【0082】
【表10】