【実施例1】
【0014】
図1乃至
図5は本発明に係る食品製造装置用の搬送機械の一例を示す図である。本発明に係る食品製造装置用の搬送機械は、
図1乃至
図5に示すように、煎餅などの菓子類等の軽食品の食品生地を一つの工程(例えば加熱乾燥工程)から他の工程(例えばねかし工程)へ搬送するための一種の金網ベルトコンベヤである。軽食品としては、煎餅などの菓子類等が挙げられるが、この煎餅に限定されず、本発明の形態では、煎餅を用いた場合について説明する。
【0015】
本発明に係る食品製造装置用の搬送機械1は、駆動ローラ2と従動ローラ3とに掛け渡されて循環走行する無端状の金網ベルト4上に食品生地を載せて搬送する食品製造装置用の搬送機械であって、前記駆動ローラ2の周面に、前記掛け渡された金網ベルト4の網目に噛み合って当該金網ベルト4を走行させる歯6を設け、前記食品生地を載せて走行するキャリア側ベルト4aの下方に、そのキャリア側ベルト4aが接触してキャリア側ベルト4aのたわみを防止するたわみ防止部材7を設けたことを特徴とする。
【0016】
食品製造装置用の搬送機械1は、例えば、細長の略矩形状の底板11が支持された4つの脚部材12に両側板13、13を介して取り付けられている。各脚部材12の下部には、それぞれストッパ付のキャスター16が取り付けられ、搬送機械1が移動可能になっている。また、各脚部材12の下部には、アジャストボルト17がそれぞれ設けられ、各脚部材12はそれぞれ個別にその垂直方向の高さを調節することができる。また、4つの脚部材12のうちの2つはそれぞれ対向しており、これら対向する脚部材12の下方が連結材19によってそれぞれ連結されている。
【0017】
側板13は、細長の矩形状に形成されている。側板13の上下の端部は、対向する側板13とは反対側に延びるフランジ部13a、13bが形成されている。すなわち、側板13は、コ字状(略コ字状を含む。)に形成されている。側板13の下方のフランジ部13aの前端部の近傍及び後端部の近傍がボルトとナットとにより脚部材12の上部に着脱可能に取り付けられている。
【0018】
各側板13の前端部及び後端部のいずれか一方、例えば後端部(金網ベルト4の走行方向後方側の端部)の上部には、側板13の長手方向に延びる従動ローラ取付部材14が取り付けられている。各従動ローラ取付部材14の下方には、ベアリング31がそれぞれ設けられている。これらベアリング31、31間に従動シャフト32が設けられ、この従動シャフト32の両端部がベアリング31、31によって回転可能に軸支されている。従動シャフトに32には、1つ又は複数、図示例では5つの従動ローラ3が取り付けられている。5つの従動ローラ3は、例えば、金網ベルト4の両端部近傍に2つと、その中央部に1つと、その中央部と両端部近傍の中間部にそれぞれ1つずつ配置されている。なお、従動ローラ3の個数及び配置位置は、図示例に限定されない。また、従動ローラ3の軸方向の長さも特に限定されない。また、ベアリング31、従動シャフト32及び従動ローラ3は、従動ローラ取付部材14に設けられているが、側板13に設けるようにしてもよい。
【0019】
各側板13、13の前端部及び後端部のいずれか他方、例えば前端部(金網ベルト4の走行方向前方側の端部)には、ベアリング21、21がそれぞれ設けられている。これらベアリング21、21間に駆動シャフト22が設けられ、この駆動シャフト22の両端部がベアリング21、21によって回転可能に軸支されている。駆動シャフト22の一方の端部は、ベアリング21からさらに外方に延びて形成されており、この一方の端部には、駆動シャフト22を回転駆動させる回転駆動装置50例えばモータ(図示せず)のシャフトに回転可能に接続されている。回転駆動装置50は、駆動シャフト22を回転駆動させることができれば特に限定されない。
【0020】
駆動シャフト22には、1つ又は複数、図示例では7つの駆動ローラ2が取り付けられている。7つの駆動ローラ2は、例えば、金網ベルト4の両端部近傍に2つと、それら2つの間に残りの5つが等間隔にそれぞれ配置されている。なお、駆動ローラ2の個数及び配置位置は、図示例に限定されない。また、駆動ローラ2の軸方向の長さも特に限定されない。
【0021】
これら駆動ローラ2と従動ローラ3との間に金網ベルト4が掛け渡されている。金網ベルト4は、
図8に示すように、エンドレスの無端状の網目41を有するベルトである。金網ベルト4としては、特に限定されず、例えば、右巻き螺旋材43と左巻き螺旋材44と屈曲線材45とを組み合わせて構成されているもの等が挙げられる。螺旋材43、44及び屈曲線材45の材質は、例えば、煎餅の製造工程に耐え得るものであれば特に限定されず、例えば、ステンレス、亜鉛引き線材等が挙げられる。
【0022】
駆動ローラ2の周面には、
図2、
図4、
図7及び
図8に示すように、掛け渡された金網ベルト4の網目41に噛み合って金網ベルト4を循環走行させる歯6が設けられている。この歯6は実施例ではとくに
図8に示されたように、いずれも螺旋材43の上側に、つまり、屈曲線材45の上側に位置する部分43aの下側に位置して表面に突出しないように構成されており、屈曲線材45の側と係合している。歯6の形状は、金網ベルト4の網目41に噛み合えば特に限定されず、例えば、断面略台形、断面略矩形状等に形成されている。歯6は、金網ベルト4の網目41に噛み合って金網ベルト4を循環走行させることができれば、個数及び配置位置は特に限定されない。歯6は、例えば、
図7に示すように、駆動ローラ2の周面にその周方向に所定の間隔を空けて複数設けられていると共に、駆動ローラ2の軸方向に所定の間隔を空けて3列設けられている。駆動ローラ2の周方向の歯6の間隔は、例えば、金網ベルトの長手方向の網目41の間隔の2倍(略2倍を含む。)の寸法である。また、駆動ローラ2の軸方向の歯6の間隔は、金網ベルトの幅方向の網目41の間隔の寸法と同じである。
【0023】
歯6が設けられている駆動ローラ2(歯付駆動ローラ20ということがある。)は、7つの駆動ローラ2の全てに用いられていてもよいし、7つの駆動ローラ2のうちの任意の駆動ローラ2に用いられていてもよい。例えば、歯付駆動ローラ20は、7つの駆動ローラ2のうち両側の2つと、その両側の駆動ローラ2から1つおいた2つの計4つ用いられていてもよい。さらに、駆動ローラ2を全体として1本とし、この駆動ローラの外周に全体に渡るか、或は部分的に歯を設けても良い。
【0024】
また、従動ローラ3の周面にも、歯付駆動ローラ20と同様に歯6を設けて、歯付従動ローラ30としてもよい。歯付従動ローラ30は、5つの従動ローラ3の全てに用いられていてもよいし、5つの従動ローラ3のうちの任意の従動ローラ3に用いられていてもよい。例えば、歯付従動ローラ30は、5つの従動ローラ3のうち両側の2つと中央部の1つの計3つ用いられていてもよい。さらに、従動ローラ3を全体として1本とし、この従動ローラの外周に全体に渡るか、或は部分的に歯を設けても良い。
【0025】
両側板13、13間には、
図2、
図3、
図5及び
図6に示すように、たわみ防止部材7が設けられている。たわみ防止部材7は、キャリア側ベルト4aのたわみを防止できれば特に限定されない。たわみ防止部材7は、例えば、両側板13、13間を連結する連結部材71に取り付けられている。
【0026】
連結部材71は、金網ベルト4の走行方向と直交する方向に延びて形成されている。連結部材71は、例えば、断面円形、断面矩形等の棒状に形成されている。連結部材71の両端部が両側板13、13の対向する面(内面ということがある。)に当接して、両側板13、13の外面(その内面とは反対の面)からボルト、ネジ、ビス等の固定部材により両側板13、13に取り付けられている。連結部材71は、キャリア側ベルト4aの下面の近傍に設けられている。連結部材71は、図示例では4つ設けられているが、たわみ防止部材7がたわむことなく支持できれば、その数及び配置位置は特に限定されない。連結部材71の上部にたわみ防止部材7が取り付けられている。
【0027】
たわみ防止部材7の取付は、特に限定されず、例えば、連結部材71の上部に矩形状の取付部72を溶接等により固定し、この取付部72に取り付けるようにしてもよい。この場合、たわみ防止部材7は、例えば、コ字状に形成され、このコ字状の内側(両側部の間)に取付部72が挿入されるように取付部72に取り付けられている。たわみ防止部材7は、摩擦抵抗が低い低摩擦抵抗材で形成されていることが好ましい。低摩擦抵抗材としては、摩擦抵抗が低い材料であれば特に限定されず、例えば、ポリエチレンを主原料としたもの(作新工業株式会社製、商品名:ニューライト)等が挙げられる。なお、たわみ防止部材7は、全体が低摩擦抵抗材で形成されているが、金網ベルト4が接触する個所に低摩擦抵抗材が設けられていれば、その他は他の部材で構成するようにしてもよい。また、たわみ防止部材7の形状は、コ字状に限定されるものではなく、他の形状、例えば、断面円形、断面楕円形、断面矩形、断面三角形等どのような形状に形成してもよい。
【0028】
たわみ防止部材7は、金網ベルト4の走行方向に延びて形成されている。たわみ防止部材7は、両端部が従動ローラ3及び駆動ローラ2の近傍に位置される寸法の長さに形成されている。このたわみ防止部材7は、両端部が従動ローラ3及び駆動ローラ2の近傍に位置されていれば、寸法の短いたわみ防止部材7を複数連結したり連結部材71の取付部72にそれぞれ取り付けたりして形成するようにしてもよい。また、たわみ防止部材7は、走行する金網ベルト4の両端部近傍に2列と、その金網ベルト4の中央部の計3列設けられているが、キャリア側ベルト4aのたわみを防止することができれば、その数及び配置位置は特に限定されない。
【0029】
また、両側板13、13間には、リターン側ベルト4bを案内する案内ローラ81が設けられている。この案内ローラ81は、両側板13、13に回転可能に軸支されている。案内ローラ81のリターン側ベルト4bが接するローラ部81aの長さは、例えば、そのリターン側ベルト4bの幅より短い、好ましくは若干短い寸法で形成されている。案内ローラ81の個数及び配置位置は、特に限定されないが、例えば、駆動ローラ2の近傍、リターン側ベルト4bの略中央部、従動ローラ3よりの3箇所であることが好ましい。
【0030】
また、両側板13、13の上方のフランジ部(上フランジ部13bということがある。)には、キャリア側ベルト4a上に載せられた食品生地をキャリア側ベルト4aの両側部近傍よりその中央部側に案内するガイド部材9が設けられている。ガイド部材9は、キャリア側ベルト4aの上方の全域に設けてもよいが、キャリア側ベルト4aに食品生地が載せられる載置位置に設けられていれば特に限定されず、例えば、その載置位置、すなわち、従動ローラ3側のキャリア側ベルト4aの上方からキャリア側ベルト4aの走行方向の中央部寄りまでに設けられている。
【0031】
ガイド部材9は、例えば、上フランジ部13bに取り付けられる取付部91と、その取付部91に取り付けられるガイド部92とからなる。取付部91は、平板状に形成され、金網ベルト4の走行方向と略直交する方向に延びるように、一端部が上フランジ部13bにボルト、ネジ、ビス等の固定部材で取り付けられている。取付部91の他端部である先端部は、上方(キャリア側ベルト4aの面に対して直交する方向)に折り曲げられてフランジ部として形成されている。この取付部91の先端部、特に先端部の折り曲がってる個所は、金網ベルト4が接触しても金網ベルト4に傷等がつかないようにヘミング加工が行われていることが好ましい。取付部91は、多少湾曲等させて形成されていてもよい。取付部91は、キャリア側ベルト4aとの間に隙間が形成されていることが好ましく、この隙間は、食品生地が取付部とキャリア側ベルト4aとの間に侵入することがない寸法で形成されていることが好ましい。取付部91の取付位置及び個数は、特に限定されず、図示するように、従動ローラ3よりとキャリア側ベルト4aの走行方向の中央部よりの2箇所でもよい。
【0032】
ガイド部92は、細長の平板状に形成され、実質的にガイド部材9を構成するものである。ガイド部92は、その2箇所が取付部91にビス等で取り付けられ、2つのガイド部92が互いに対向するようになっている。ガイド部92の上端部は、側板13側に90°(略90°を含む。)に折り曲げられている。
【0033】
次に、本発明に係る食品製造装置用の搬送機械1の作用を説明する。
【0034】
駆動ローラ2(歯付駆動ローラ20を含む。)と従動ローラ3(歯付従動ローラ30を含む。)とに無端状の金網ベルト4を掛け渡す。このとき、金網ベルト4の網目41に、歯付駆動ローラ20の歯6を噛み合わせると共に、歯付従動ローラ30の歯6を噛み合わせる。回転駆動装置50を駆動させて駆動シャフト22を回転駆動させると、駆動ローラ2(歯付駆動ローラ20を含む。)が回転駆動して、歯付駆動ローラ20の歯6が金網ベルト4の網目41に噛み合って金網ベルト4が循環走行する。このように、金網ベルト4が走行すると、金網ベルト4の網目41に噛み合った歯6を介して歯付従動ローラ30が回転する。これにより、従動シャフト32が回転して歯付従動ローラ30を含む従動ローラ3が回転するので、金網ベルト4は、片寄りが起こることなく循環走行することになる。
【0035】
金網ベルト4を走行させながら、キャリア側ベルト4a上に食品生地を載せる。すなわち、食品生地は、従動ローラ3の近傍からキャリア側ベルト4a上に載せられ、従動ローラ3の近傍から駆動ローラ2方向に搬送される。このとき、ガイド部材9によって食品生地はキャリア側ベルト4aの両側部近傍よりその中央部側に案内されるので、食品生地がキャリア側ベルト4aから落ちることなく食品生地の搬送を行える。
【0036】
また、食品生地を搬送するとき、キャリア側ベルト4aの下面がたわみ防止部材7に接触してキャリア側ベルト4aがたわむことなく走行するので、金網ベルト4を食品生地の搬送に使用することができる。
【0037】
したがって、本発明に係る食品製造装置用の搬送機械1は、駆動ローラ2の歯6に直接金網ベルト4が噛み合って走行するために、エンドレスチェーンを必要としないので、小型化及び大幅なコストダウンを図れると共に、たわみ防止部材7によって金網ベルト4がたわむことがないので、食品生地の搬送を安定して行える。
【0038】
また、たわみ防止部材7が金網ベルト4の走行方向に沿って設けられていると、食品生地の搬送を安定に行えることになる。すなわち、例えば、たわみ防止部材7が金網ベルト4の幅方向に設けられていると、たわみ防止部材7の間では金網ベルト4がたわむために、たわみ防止部材7の個所だけ金網ベルト4が上方に位置されるので、その個所を食品生地が通過する際に食品生地が例えば金網ベルト4の幅方向に移動したりすることもある。つまり、極端に言うと、キャリア側ベルト4aは波打って走行することになり、安定して食品生地の搬送を行えないことがある。これに対して、たわみ防止部材7が金網ベルト4の走行方向に沿って設けられていると、走行するキャリア側ベルト4aは、波打って走行することがほとんどないので、食品生地の搬送を安定に行える。特に、食品生地が煎餅である場合に、乾燥工程、焼成工程、味付け工程の搬送の際に食品生地がベルト上を移動すると、食品生地の乾燥や焼成がむらになることがあり得るが、その心配も要らない。よって、本発明に係る食品製造装置用の搬送機械1は、特に煎餅などの菓子類を製造する食品製造装置の搬送機械として有用なものである。
【実施例3】
【0040】
図10及び
図11は本発明に係る食品製造装置の一例を示す図である。この食品製造装置は、
図10及び
図11に示すように、本発明に係る搬送機械を備えた
熱風乾燥装置100である。本発明に係る食品製造装置としては、
熱風乾燥装置100に限定されない。
【0041】
熱風乾燥装置100は、長い箱型を呈した熱風乾燥室101を有する。熱風乾燥室101は、周囲を断熱材で覆われていると共に、長さが例えば80mから200mという長大なもので、図面は大幅に長さを省略して図示している。熱風乾燥室101内部には多数の加熱用ヒーター102と多数の熱風攪拌用ファン103が略全長に渡って設置されており、同じく内部容積のほとんどを使用して、無端状の金網ベルト104、104…が全長に渡って複数段設けられている。各段の金網ベルト104はそれぞれ駆動ローラ105と従動ローラ106に掛け渡されて循環走行する。最上段の金網ベルト104のみは、熱風乾燥室101の一端部に形成された入口より外部へ導出され、型抜き装置の搬送コンベヤ107の下側に設置した従動ローラ106に掛け渡されており、搬送コンベヤ107から食品生地がその金網ベルト104上に搬送されるようになっている。
【0042】
その従動ローラ106の近傍であって、この従動ローラ106に掛け渡された金網ベルト104のリターン側ベルト104bの下方には、離型剤塗布装置120が設けられている。離型剤塗布装置120は、リターン側ベルト104bの食品生地が載せられる表面に離型剤を塗布するものである。この離型剤塗布装置120は、リターン側ベルト104bの表面に離型剤を塗布できれば特に限定されるものではない。
【0043】
各金網ベルト104の駆動ローラ105(それは左右交互に配置されているが)の外周には、上段の金網ベルト104から次段の金網ベルト104に食品生地を順次移送する次段移送装置108が設けられている。次段移送装置108は、例えばキャンパス布製の移送エンドレスベルト109を金網ベルト104に弱圧接させることによって、金網ベルト104と移送エンドレスベルト109の間に食品生地を挟んで上段の金網ベルト104上から次段の金網ベルト104上へ移送させるように構成されている。
【0044】
熱風乾燥室101の他端部側つまり入口とは反対側の次段移送装置108の近傍には、該次段移送装置108の脱着を行う脱着装置110が取り付けられている。脱着装置110は、熱風乾燥室101内を重力方向上下方向に移動して任意の次段移送装置108の脱着を行うように構成されている。脱着装置110を設けた側の次段移送装置108を取り付けた駆動ローラ105の下側には、食品生地を熱風乾燥室101より外へ取り出す食品生地取出コンベヤ111が設けられている。このように、脱着装置110及び食品生地取出コンベヤ111を設けることにより、任意の金網ベルト104上から食品生地取出コンベヤ111を介して食品生地を取り出すことができる。
【0045】
金網ベルト104は、前述した金網ベルト4と同じものである。この金網ベルト104は、
熱風乾燥装置100に使用される場合には、長さが長くなり、例えば、80mから200mと寸法が長いものである。すなわち、金網ベルト104は、
図8に示すように、エンドレスの無端状の網目41を有するベルトである。金網ベルト104としては、特に限定されず、例えば、右巻き螺旋材43と左巻き螺旋材44と屈曲線材45とを組み合わせて構成されているもの等が挙げられる。螺旋材43、44及び屈曲線材45の材質は、例えば、煎餅の製造工程に耐え得るものであれば特に限定されず、例えば、ステンレス、亜鉛引き線材等が挙げられる。
【0046】
駆動ローラ105及び従動ローラ106は、前述した駆動ローラ及び従動ローラと同じものである。すなわち、駆動ローラ105は、
図11に示したように、例えば、4つの歯付駆動ローラ20と3つの駆動ローラ2(歯が付いていない駆動ローラ)の計7つからなる。また、従動ローラ106は、例えば、3つの歯付従動ローラ30と2つの従動ローラ3(歯が付いていない駆動ローラ)の計5つからなる。尚、この駆動ローラ105と従動ローラ106は、全体として歯を設けた1本の歯付ローラとしても良い。
【0047】
熱風乾燥室101内のキャリア側ベルト104aの下方には、例えば
図11及び
図12に示すように、キャリア側ベルト104aのたわみを防止するために棒材で構成したたわみ防止部材170がそれぞれ設けられている。たわみ防止部材170は、金網ベルト104の幅方向に延びて形成され、両端部が熱風乾燥室101内の例えば機枠175等に取り付けられている。たわみ防止部材170は、耐熱材料、例えば、ステンレス鋼が用いられる。キャリア側ベルト104aのたわみを防止できればその形状は特に限定されず、例えば、
図13(a)に示すように台形、
図13(b)に示すように円形、
図13(c)に示すように矩形等の棒状に形成されている。たわみ防止部材170の間隔は、キャリア側ベルト104aのたわみを防止できれば特に限定されないが、好ましくは4m〜6mである。
【0048】
たわみ防止部材170は、
図11に示すように、キャリア側ベルト104aの走行方向に対して直交する方向(略傾交する方向を含む。)に配置されていてもよいが、その直交する方向(直交方向ということがある。)に対して傾斜されていることが好ましい。この傾斜は、傾斜方向が同じではなく、1つおきに傾斜が同じになっていることが好ましい。すなわち、たわみ防止部材170は、隣接するたわみ防止部材170とは反対側に傾斜するように配置されていることが好ましい。このたわみ防止部材170の傾斜角度は、特に限定されないが、好ましくは直交方向に対して5°〜15°、とくに好ましくは直交方向に対して5°である。たわみ防止部材170の傾斜角度が5°未満であると、ベルトの片寄りを抑制する効果が少なく、たわみ防止部材170の傾斜角度が15°を越えると、かえってベルトの片寄りを抑制することができなくなる。
【0049】
また、熱風乾燥室101内のリターン側ベルト104bの下方には、リターン側ベルト104bを案内する案内ローラ178が設けられている。この案内ローラ178は、リターン側ベルト104bの走行方向に対して直交する方向(略直交する方向を含む。)に延びて形成されている。案内ローラ178は、リターン側ベルト104bを案内できれば特に限定されない。また、案内ローラ178の間隔は、特に限定されないが、リターン側ベルト104bがたわむことなく案内し得る任意の間隔であることが好ましい。
【0050】
このように、本発明に係る食品製造装置である
熱風乾燥装置100を構成しても、小型化及び大幅なコストダウンを図れると共に食品生地の搬送を安定して行えることになる。
【0051】
すなわち、駆動ローラ105を回転駆動させると、歯付駆動ローラ20の歯6が金網ベルト104の網目41に噛み合って金網ベルト104が循環走行する。このように、金網ベルト104を走行させながら、キャリア側ベルト104a上に食品生地を載せると、食品生地は熱風乾燥室101内を搬送されつつ加熱用ヒーター102と熱風攪拌用ファン103とによって乾燥処理される。熱風乾燥室101内等に配置されている金網ベルト104は、長さが例えば80mから200mまでと長くなっても、キャリア側ベルト104aの下方にたわみ防止部材170が設けられているので、キャリア側ベルト104aはたわむくことなく食品生地の搬送を行える。
【0052】
また、金網ベルト104は、長さが例えば80mから200mまでと長くなると、片寄ることもあるがその片寄りを抑制することができる。すなわち、たわみ防止部材170は、直交方向に対して例えば5°傾斜されていると共に、この傾斜が隣接するたわみ防止部材170とは反対側に傾斜するように配置されているので、キャリア側ベルト104aはたわみ防止部材170の傾斜によってそのたわみが抑制されることになる。
【0053】
したがって、本発明に係る
熱風乾燥装置100は、駆動ローラ105の歯6に直接金網ベルト104が噛み合って走行するために、エンドレスチェーンを必要としないので、小型化及び大幅なコストダウンを図れると共に、たわみ防止部材170によって金網ベルト104がたわむことないと共に片寄ることが抑制されるので、食品生地の搬送を安定して行える。
【実施例4】
【0054】
図14及び
図15は、この発明に係る搬送機械を他の食品製造装置としての米菓の焼成装置に用いた場合を示す。
【0055】
図面によれば、無端状の金網ベルト180は、歯181a付きの駆動ローラ181と同じく歯182a付きの従動ローラ182の間に懸架され、キャリア側ベルト180aの部分が焼成釜183内を貫通している。キャリア側ベルト180aの上面にはとくに
図15に示したように、複数の米菓生地180b・・・が整列載置されている。
【0056】
キャリア側ベルト180aの下面には、機枠187が取り付けられたたわみ防止用の棒材188が当該キャリア側ベルト180aと交わる方向に斜設して設けられている。
【0057】
尚、指示記号184のものは、例えば予熱ガス釜、指示記号185のものは、色付け釜であり、いずれもその内部を金網ベルト180のキャリア側ベルト180aが貫通している。指示記号186a、186b、186c、186d、186eは加熱手段としてのガスバーナーであり、焼成釜183へ接続されている。尚、この加熱手段は一例であり、他にも電気、炭火等を用いて加熱焼成することができる。
【0058】
このように構成すると、
図14に示したように金網ベルト180上に載置されて焼成釜183内を通過する米菓生地は両端部の物を含めて均一に加熱され、所謂焼きムラが生ずることはないという効果を奏し得る。
【0059】
以上の説明から解るように、たわみ防止部材7、案内ローラ81、たわみ防止部材170、案内ローラ178、及びたわみ防止部材188などは、各金網ベルト4、104、及び180のたわみ防止手段を構成している。