特許第5762710号(P5762710)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5762710
(24)【登録日】2015年6月19日
(45)【発行日】2015年8月12日
(54)【発明の名称】インクジェット記録方法
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/01 20060101AFI20150723BHJP
   B41M 5/00 20060101ALI20150723BHJP
【FI】
   B41J2/01 109
   B41M5/00 A
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2010-217242(P2010-217242)
(22)【出願日】2010年9月28日
(65)【公開番号】特開2012-71469(P2012-71469A)
(43)【公開日】2012年4月12日
【審査請求日】2013年9月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000107907
【氏名又は名称】セーレン株式会社
(72)【発明者】
【氏名】河村 正
(72)【発明者】
【氏名】川口 和穂
【審査官】 小宮山 文男
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−052513(JP,A)
【文献】 特開平05−154420(JP,A)
【文献】 特開2007−152809(JP,A)
【文献】 特開2008−080629(JP,A)
【文献】 特開2010−167334(JP,A)
【文献】 特開平07−040525(JP,A)
【文献】 特開平07−275781(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01−2/215
B41M 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
立体形状の記録媒体にインクジェット記録を行うインクジェット記録方法であって、
インクジェット記録装置と記録面変更装置との間を循環して前記記録媒体を搬送する搬送装置に、第一の面を記録ヘッドに対向するように載せ置く工程と、
前記記録媒体の第一の面の記録面の高さに応じて前記インクジェット記録装置の記録ヘッドの高さを調整して、第一の面に記録を行う工程と、
前記記録媒体の第二の面が記録ヘッドに対向するように前記記録面変更装置により前記記録媒体の向きを変更する工程と、
前記記録媒体の第二の面の記録面の高さに応じて前記インクジェット記録装置の記録ヘッドの高さを調整して、第二の面に記録を行う工程と、が順に実行されるインクジェット記録方法であって、
前記第一の面は、前記記録媒体の記録面高さが最も高い面である
ことを特徴とするインクジェット記録方法。
【請求項2】
前記記録媒体の向きを変更する工程にて、前記第一の面が搬送方向の下流側となるように記録媒体の向きを変更することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録方法。
【請求項3】
前記インクジェット記録にて使用されるインクが、紫外線硬化型インクであることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェット記録システム及びインクジェット記録方法に関する。
【背景技術】
【0002】
記録媒体へ記録する装置として、インクジェット方式の記録装置(インクジェット記録装置)が知られている。インクジェット記録装置は、インクジェット記録ヘッドのインク吐出口から微小なインクを記録媒体に対して吐出して柄模様などの記録を行うもので、記録媒体から離間した状態で記録動作を行うことができることから、様々な材質の記録媒体に記録することが可能で、幅広い用途に使用されている。
【0003】
従来、ブロック状の記録媒体の表面に画像を形成する技術が提案されている。例えば特許文献1には、コンクリート製の母材と、該母材の表面に形成した文字,記号,図案,模様等の化粧層とからなる化粧コンクリート成形体が開示されている。コンクリートブロックのような立体的な形状の記録媒体は、その用途に応じて一方の面だけでなく、複数の面に対しても記録を行う要求が高まっているが、これを効率的に実現するシステムは未だ得られていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−327455号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、立体的な形状の記録媒体の、複数の面に対して効率的にインクジェット方式により記録するインクジェット記録システム及びインクジェット記録方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るインクジェット記録方法は、
立体形状の記録媒体にインクジェット記録を行うインクジェット記録方法であって、インクジェット記録装置と記録面変更装置との間を循環して前記記録媒体を搬送する搬送装置に、第一の面を記録ヘッドに対向するように載せ置く工程と、前記記録媒体の第一の面の記録面の高さに応じて前記インクジェット記録装置の記録ヘッドの高さを調整して、第一の面に記録を行う工程と、前記記録媒体の第二の面が記録ヘッドに対向するように前記記録面変更装置により前記記録媒体の向きを変更する工程と、前記記録媒体の第二の面の記録面の高さに応じて前記インクジェット記録装置の記録ヘッドの高さを調整して、第二の面に記録を行う工程と、が順に実行されるインクジェット記録方法であって、前記第一の面は、前記記録媒体の記録面高さが最も高い面であることを特徴とする。
さらに、前記記録媒体の向きを変更する工程にて、前記第一の面が搬送方向の下流側となるように記録媒体の向きを変更することを特徴とする。
さらに、前記インクジェット記録にて使用されるインクが、紫外線硬化型インクであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、立体的な形状の記録媒体の、複数の面に対して効率的にインクジェット方式により記録するインクジェット記録システム及びインクジェット記録方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】インクジェット記録システムの概略構成図
図2】記録媒体の面の定義を説明する図
図3】C面記録後にA面を記録する場合のインクジェット記録システムの概略構成図
図4】退避部を設けた場合のインクジェット記録システムの概略構成図
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明を反映した上記課題解決手段を実施するための形態について、図面を用いて以下に詳細に説明する。上記課題解決手段は以下に記載の構成に限定されるものではなく、同一の技術的思想において種々の構成を採用することができる。
【0011】
図1は本実施形態に関する概略構成図である。インクジェット記録システム1は、記録媒体60に柄模様などを記録するインクジェット記録装置10、記録媒体60に吐出されたインクを乾燥する乾燥装置20、記録媒体60の記録面を変更する記録面変更装置30、記録媒体を搬送する各搬送装置(記録部搬送装置41、記録面変更部搬送装置43、搬送部間搬送装置42、44)、および記録媒体60の位置調整を行う位置決め装置50を備えている。
【0012】
インクジェット記録装置10は、記録部搬送装置41に対向した位置に配置される記録ヘッド110を備え、画像データにしたがい、記録ヘッド110に形成されたノズルからインクを吐出する。記録ヘッド110は記録媒体60の記録面の高さに応じて昇降駆動手段(図示しない)によって昇降されて上下の位置(高さ)が調整可能に設けられている。例えば、基準となる原点を原点センサなどで認識し、原点からステッピングモーターなどの位置決め制御機能を利用して、所望の位置へ記録ヘッドを上下させる。インクジェット記録装置10は、記録媒体60の搬送方向に対して直交する方向に記録ヘッドを設置したライン型記録装置である。
【0013】
乾燥装置20は、インクジェット記録装置10で記録媒体60に記録ヘッドから吐出されたインクを乾燥させる。インクジェット記録装置10にて紫外線硬化型インクを吐出する場合、乾燥装置20は紫外線照射装置であり、紫外線照射器120を備え、紫外線照射器120からインクを硬化させる紫外線を照射し、インクを乾燥させる。紫外線照射器120は記録媒体60の記録面の高さに応じて昇降駆動手段(図示しない)によって昇降されて上下の位置(高さ)が調整可能に設けられている。
【0014】
記録面変更装置30は、インクジェット記録装置10において立体的な形状の記録媒体60の一方の面に記録を行った後、次に記録を行う面が上側となるように(記録ヘッドに対向するように)記録媒体60の向きを変更する。記録媒体60の向きを変更する手段としては特に限定するものではなく、例えば公知の90度反転機や180度反転機、ターンテーブルなどを組み合わせて用いればよい。また、ロボットアームのような移載装置を利用して、記録媒体60を掴んで持ち上げた後、向きを変更して再度載せ置くような方法でも構わない。
【0015】
搬送装置は、記録部搬送装置41、記録面変更部搬送装置43、搬送部間搬送装置42、44からなり、搬送装置の上面に載せ置いた記録媒体60が、記録部搬送装置41、搬送部間搬送装置42、記録面変更部搬送装置43、搬送部間搬送装置44を順に乗り継いで搬送されるような構成となっている。各搬送装置は、周回ベルトコンベアやローラーコンベアのような回転体により構成され、材料や速度は求められる性能や機能に応じて設定することができる。また、それぞれの搬送装置は求められる性能や機能に応じて分割した構造とすることができる。さらに、搬送部間搬送装置42、44はロボットアームのような移載装置であってもよい。
【0016】
位置決め装置50は、搬送中もしくは搬送を一時停止し記録媒体60の位置調整を行う。位置調整部材を搬送方向の直交方向に移動させ記録媒体60に当接させて、記録媒体60を所定の位置に移動させる。
【0017】
本発明の立体形状の記録媒体60としては、コンクリート、ガラス、セラミックスなどの脆性材料、プラスチック類、木材および金属類などが適用される。本発明でいう「立体形状」とは、4面以上の面を持つ多面体であって、多角すい、多角柱(立方体、直方体などを含む)などを含む。本発明のインクジェット記録システムであれば、記録媒体60の複数の面に柄模様などを記録することができる。ただし、記録媒体60が多角すいなど、搬送装置に載せ置いたときに記録面を水平に保つことが難しい記録媒体60である場合には、記録面を水平に保つことができるよう記録媒体60を安定させるアタッチメント(敷板)などを用いる。
【0018】
本発明のインクジェット記録方法について、記録媒体60が略直方体のコンクリートブロックであって、A面、B面、C面(後述する)を記録する場合を例に、説明する。
【0019】
ここで、記録媒体60(コンクリートブロック)の面の定義について図2を用いて説明する。コンクリートブロックの各辺をa、b、c(a<b<c)とするとき、辺bcからなる一方の面をA面、辺bcからなるもう一方の面(A面の裏側の面)をB面、辺abからなる一方の面をC面とする。コンクリートブロックは練り混ぜられた材料を成型機の型に入れ、振動し、加圧して成型される。このとき、コンクリートブロックが型に接していた面を「型取り面」と呼ぶ。図2の場合において、A面、B面、C面は、型取り面である。型取り面は平坦な面に接して成型されているため、位置決めの際に型取り面を基準として位置調整を行う。
【0020】
まず図1のように、記録媒体60のC面が上側になるようにして(記録ヘッドに対向するようにして)搬送部間搬送装置44上に載せ置く。記録媒体60の記録面に対してインクが吐出されるが、記録媒体60に着弾するまでにインクの液滴から分離したインクや、記録媒体60の端部に余白を設けることなく記録を行う縁なし記録を行う場合にインクを記録媒体の記録面のサイズよりも広い記録領域に吐出して記録媒体60外へはみ出したインクが霧状のインクミストとなって空気中を浮遊することがある。記録媒体60の記録面の高さhが高くなるほど、記録媒体60の記録面以外の側面にインクミストによる汚れが付着しやすくなるため、上記のように記録面の高さhが最も高いC面から記録を行う。先にC面を記録することでA面やB面にインクミストによる汚れが付着したとしても、後工程でA面やB面に記録を行うことで汚れを目立たなくすることができる。
【0021】
搬送部間搬送装置44上に載せ置かれた記録媒体60は記録部搬送装置41方向に搬送される。搬送部間搬送装置44の搬送方向下流側端部に到達した記録媒体60は、押出装置など(図示しない)により記録部搬送装置41方向に押し出されて乗り継ぎ、位置決め装置50に搬送される。位置決め装置50は、位置調整部材を搬送方向の直交方向に移動させ記録媒体60の型取り面であるA面またはB面に当接させて、記録媒体60を所定の位置に移動させて記録媒体の位置の調整を行う。
【0022】
記録媒体60は記録部搬送装置41によりインクジェット記録装置10へと搬送される。インクジェット記録装置10は、対向した位置に搬送された記録媒体60の記録面の高さhに応じて、記録ヘッド110を昇降させて上下の位置(高さ)を調整してC面を記録するのに適切な位置に設定し、画像データにしたがい、記録ヘッド110に形成されたノズルからインクを吐出する。記録ヘッド110の上下の位置(高さ)の設定については、予め計測した記録媒体60の記録面の高さhから昇降駆動手段を駆動させて設定してもよいし、高さ検出センサを用いて記録媒体60の記録面の高さhを検知し、それに応じて昇降駆動手段を駆動させて設定してもよい。インクジェット記録装置10はライン型インクジェット記録装置であり、記録媒体60が搬送されている状態でインクジェット記録を実施する。
【0023】
搬送された記録媒体60の位置を正確に検出するために、位置検出センサを使用することができる。例えば、記録媒体60の搬送方向下流側端面部分を位置検出センサにより検出することで記録媒体60の通過を搬送方向側方より検知する。検出方式については特に限定されることはなく、記録媒体に対する光や音波、磁力、機械的接触などによる検出センサを用いることが可能であるが、検出の正確さを求める上では、光を用いた検出方法が好ましい。また、これらの検出方法の他、検出位置の正確さや検出速度が満足される範囲で、画像認識技術を利用した記録媒体通過のタイミング検出を適用してもよい。
【0024】
C面に柄模様などが記録された記録媒体60は記録部搬送装置41により乾燥装置20へと搬送され、乾燥される。使用するインクが紫外線硬化型インクであり、乾燥装置20が紫外線照射装置であると、紫外線の照射により瞬時にインクが硬化するため、記録媒体60の記録面をすぐに変更する場合でも(例えば、記録した面をすぐに反転させて搬送装置面に接するように載せ置く場合においても)、記録面を保護できるという点で好ましい。紫外線硬化型インクは、乾燥後、様々な記録媒体への定着効果が高く、耐久性を確保できるという点においても好ましく用いられる。乾燥装置20は、対向した位置に搬送された記録媒体60の記録面の高さhに応じて、紫外線照射器120を昇降させて上下の位置(高さ)を調整してC面に吐出されたインクを乾燥させるのに適切な位置に設定し、乾燥する。紫外線照射器120の上下の位置(高さ)の設定については、記録ヘッド110の設定方法と同様である。
【0025】
吐出されたインクが乾燥された記録媒体60は、記録部搬送装置41の搬送方向下流側端部へ到達すると押出装置など(図示しない)により搬送部間搬送装置42方向に押し出され、記録部搬送装置41から搬送部間搬送装置42への乗り継ぎと同様にして記録面変更部搬送装置43へと乗り継ぎ、記録面変更装置30へと搬送される。搬送部間搬送装置42、44は、記録部搬送装置41と記録面変更部搬送装置43の間を図4のようにしてつなぐような形態であってもよく、搬送部間搬送装置はロボットアームのような移載装置であることが好ましい。この場合、記録部搬送装置41の搬送方向下流側端部まで搬送された記録媒体60はロボットアームのような移載装置によって、つかんで持ち上げられ記録面変更部搬送装置43の搬送方向上流側端部に載せ置かれる。
【0026】
図3に示すように、記録面変更装置30において、C面が上側となっていた記録媒体60を、A面が上側となるように記録媒体60の向きを変更して、記録面を変更する。このとき、C面が搬送方向の下流側となるようにする。こうすることで、記録媒体60のA面がインクジェット記録装置10において記録される際に、C面が搬送方向の上流側となるため、記録済みのC面が次のA面を記録する際のインクミストによる汚れの影響を受け難くなる。記録媒体60の向きを変更する方法としては特に限定するものではなく、例えば、記録媒体のC面が上側となっている図3の状態から90度反転機を用いて搬送方向に対して垂直方向になるように倒した後ターンテーブルを用いてC面が搬送方向の下流側となるように向きを変更する。90度反転機やターンテーブルの組み合わせ方法については特に限定しない。
【0027】
A面が上側になるように記録面が変更された記録媒体60は、記録面変更部搬送装置43の搬送方向下流側端部へ到達すると押出装置(図示しない)により搬送部間搬送装置44方向に押し出されて乗り継ぐ。続いて記録部搬送装置41に乗り継ぎ、上記のような位置決め、記録、乾燥、を繰り返す。A面を記録する際の位置決めについては、位置決め装置50が位置調整部材を搬送方向の直交方向に移動させ記録媒体60の型取り面に当接させて、記録媒体60を所定の位置に移動させて記録媒体の位置の調整を行う。A面の記録動作、乾燥についてはC面の場合と同様に行う。
【0028】
記録媒体60が記録する面の数だけ乾燥装置20を通過することになるため、インクジェット記録装置10にて紫外線硬化型インクを吐出し、乾燥装置20が紫外線照射装置であるとき、既に記録、乾燥されたC面には紫外線が照射されず、C面が変質するおそれがないため、好ましい。また、紫外線照射装置は乾燥のための装置を小型化できる。
【0029】
C面およびA面が記録、乾燥された記録媒体60は、記録面変更装置30へと搬送され、B面が上側となるように記録面を変更する。A面を記録する場合と同様にして、記録動作の際にC面が搬送方向の上流側となるようにする。記録媒体60の向きを変更する手段としては特に限定するものではなく、例えば記録媒体のA面が上側となっている状態から180度反転機を用いて搬送方向に対して垂直方向になるように倒した後ターンテーブルを用いてC面が搬送方向の下流側となるように向きを変更する。180度反転機やターンテーブルの組み合わせ方法については特に限定しない。B面の記録動作、乾燥については、A面およびC面の場合と同様に行う。A面、B面、C面の記録が完了したら、搬送部間搬送装置42から記録媒体60を取り出す。
【0030】
本発明のインクジェット記録システムにおいて、循環して搬送する記録媒体60の数を制御するため、一時的に記録媒体60を載せ置き、保管しておく機構を設けてもよい。例えば、図4のように、搬送部間搬送装置44に退避部70を配置して、搬送部間搬送装置44からロボットアームのような移載装置(図示しない)により退避部70に記録媒体60を退避させる。記録部搬送装置41への新規の記録媒体60の投入が完了あるいは区切りがついた段階で退避部70から移載装置により搬送部間搬送装置44へ記録媒体60を載せ置くことで、継続して記録動作をさせることができる。また、退避部70は記録変更部搬送装置43の延長上に設けてもよい。
【0031】
上記では、略直方体のコンクリートブロックの、3面に対して記録する場合について説明したが、これに限定されることはなく、記録する面の数に応じて上記のシステムを用いて記録媒体60を循環させ、複数の面に対して記録を行うことができる。
【0032】
また上記では、インクジェット記録装置10がライン型である場合について説明したが、記録部10が走査型であっても構わない。なお、走査型のインクジェット記録装置は、記録媒体60への画像の記録に際し、一旦記録媒体を停止させた後に、記録ヘッドを、記録媒体60の搬送方向に対して直交する方向に移動させながら記録を行い、記録部搬送装置41を搬送方向に搬送制御して、記録ヘッドを移動させて次の記録動作を行なう。このような記録及び搬送制御を繰り返すことで記録媒体60の表面に柄模様などを記録することができる。
【符号の説明】
【0033】
1 インクジェット記録システム
10 インクジェット記録装置
20 乾燥装置
30 記録面変更装置
41 記録部搬送装置
42、44 搬送部間搬送装置
43 記録面変更部搬送装置
50 位置決め装置
60 記録媒体
70 退避部
110 記録ヘッド
120 紫外線照射器
図1
図2
図3
図4