【実施例】
【0021】
まず、本実施例に係る遊技場システムのシステム構成について説明する。
図1は、本実施例に係る遊技場システムのシステム構成を示す図である。同図に示すように、この遊技場システムでは、複数の遊技機20と、各遊技機20にそれぞれ対応して設けられた台間カード処理機10と、カード管理装置40と、会員管理装置50と、景品管理装置60と、島端計数機80と、精算機90とが通信回線100を介して接続されている。なお、複数の遊技機20及び台間カード処理機10は、島コントローラ30を介して通信回線100に接続されて遊技島を形成する。また、景品管理装置60にはリーダライタ70及び特殊景品払出装置75が接続されて景品カウンタに設置される。
【0022】
遊技機20は、パチンコ玉を遊技領域に打ち込んで遊技客がパチンコ遊技を行うパチンコ機等の装置である。台間カード処理機10は、遊技機20に対する玉貸し処理、遊技機20で獲得したパチンコ玉の計数処理、計数したパチンコ玉を持玉として再投出する処理、貯玉の再プレイ処理などを行う装置である。
【0023】
この台間カード処理機10には、遊技客が獲得した玉数を計数する各台計数機が設けられている。この各台計数機で計数された玉数は、持玉数として台間カード処理機10内部のメモリに記憶される。遊技客が所定の持玉払出操作を行うと、この持玉数から所定数が減算処理されるとともに、所定数の玉がノズルを介して遊技機20の上皿に投出される。
【0024】
また、遊技客が、所定のカード返却操作を行うと、台間カード処理機10内部のメモリに記憶した持玉数がカードに記憶されるとともに、該カードのカードID及び持玉数がカード管理装置40に通知され、その後にカードが排出される。このため、遊技客は、このカードを他の遊技機20に併設された台間カード処理機10に挿入して持玉払出操作を行うことで、他の遊技機で遊技を行うことができる。また、現金で遊技を開始する遊技客のために、台間カード処理機10には予め複数枚の一般カードが収納されている。
【0025】
島コントローラ30は、遊技島に設けられた一群の遊技機20及び台間カード処理機10を束ねる中継装置である。カード管理装置40は、カードのプリペイド価値及び持玉数等をカード情報として管理する管理装置である。このカード情報は、プリペイド価値及び持玉数がカードIDに対応付けられた情報である。
【0026】
カード管理装置40は、台間カード処理機10からカードID及び持玉数を含む更新依頼を受信したならばカード情報を更新し、台間カード処理機10からカードIDを含む問合せ依頼を受信したならば、該カードIDに対応するプリペイド価値及び持玉数を台間カード処理機10に通知する。また、カード管理装置40は、景品管理装置60からカードIDを受信したならば、このカードIDに対応する持玉数を景品管理装置60に対して通知する。さらに、精算機90からカードIDを受信したならば、このカードIDに対応するプリペイド価値を精算機90に対して通知する。
【0027】
会員管理装置50は、遊技店に会員登録された会員の会員データを管理する管理装置である。具体的には、会員に対して発行した会員カードIDに対応づけて、会員の氏名及び住所等の会員データ並びに貯玉データ等を管理する。
【0028】
景品管理装置60は、遊技店内の景品交換カウンタに併設された景品交換用の端末装置であり、計数玉、貯玉及び持玉の景品交換処理を行う。具体的には、景品管理装置60は、景品の選択操作を受け付ける毎に、該景品の交換に必要な必要玉数を計数玉、貯玉又は持玉から減算処理する。また、特殊景品選択ボタンが押下操作されたならば、残りの玉数から交換可能な特殊景品の個数を算定し、算定した個数の特殊景品を選択して、対応する玉数を減算処理する。
【0029】
この景品管理装置60には、リーダライタ70及び特殊景品払出装置75が接続されている。リーダライタ70は、カードの挿入を受け付けた際に、該カードのカードIDを読み取る装置である。特殊景品払出装置75は、景品管理装置60からの指示に応答して、特殊景品を払い出す装置である。
【0030】
ここで、この景品管理装置60は、一般景品及び特殊景品が選択された後に、獲得遊技媒体数の追加若しくは新たな一般景品の選択を行う場合に、店員による景品交換効率の低下並びに店員の人的労力を効率良く低減するための対策が講じられている。具体的には、景品交換処理により玉数を減算処理した後に所定の操作がなされた場合に、特殊景品の選択を取り消して、特殊景品の景品交換に要する交換玉数を加算処理する。
【0031】
島端計数機80は、遊技島端等に設けられ、遊技客が獲得した玉数を計数し、計数値をカードに関連付けるか、レシートへ印字して発行する。この島端計数機80は、主に、各台計数機を有していない台間カード処理機に併設された遊技機20において獲得されたパチンコ玉を計数する際に利用される。精算機90は、プリペイド価値が対応付けられたカードが挿入されると、このカードのカードIDをカード管理装置40に送信し、該カードに対応するプリペイド価値を取得し、取得したプリペイド価値に相当する現金の払出を行う。
【0032】
次に、
図1に示した景品管理装置60及びリーダライタ70の外観構成について説明する。
図2は、
図1に示した景品管理装置60及びリーダライタ70の外観構成を示す図である。同図(a)には正面上方(景品カウンタの店員側)から見た景品管理装置60の斜視図を示し、同図(b)には景品管理装置60及びリーダライタ70の背面図(景品カウンタの遊技客側)を示している。
【0033】
図2(a)に示すように、景品管理装置60の前面には、店側表示部61、操作部62、レシート発行部63及びバーコードリーダ67が設けられている。ここでは、説明の便宜上図示省略したが、電源スイッチやメモリカード差込口なども設けられる。
【0034】
店員は、島端計数機80で発行されたレシートを遊技客から受け取ったならば、バーコードリーダ67でレシートに印字されたバーコードを読み取り、遊技客が獲得した玉数を特定する。また、リーダライタ70のカード挿入口73にカードが挿入された場合には、該カードに記憶された玉数を読み出して、遊技客が獲得した玉数を特定する。その後、特定した玉数を特殊景品又は一般景品に景品交換することになる。
【0035】
店側表示部61は、操作者である遊技店の店員用の表示部(兼、操作部)であり、タッチパネルカラー液晶ディスプレイ等からなる。この店側表示部61には、景品交換内容や操作ガイダンスなどが表示される。操作部62は、テンキー、専用キー及びモードキー等の複数のキーからなり、景品交換操作入力などを行う際に使用される。この操作部62には、特殊景品の自動選択を指示する特殊景品選択ボタンが含まれる。
【0036】
レシート発行部63は、登録リスト及び集計リスト等の各種レシートを発行処理する発行部であり、感熱式プリンタ等からなる。バーコードリーダ67は、レシートに印字されたバーコードを読み取って、情報内容を特定する。
【0037】
図2(b)に示すように、景品管理装置60の背面には、遊技客用の客側表示部64が設けられている。この客側表示部64は、蛍光表示管やタッチパネルカラー液晶ディスプレイ等からなる。遊技客は、この客側表示部64の表示内容を確認することにより、カードに対応付けられる現在玉数や端玉数を確認することができる。
【0038】
また、この景品管理装置60にはリーダライタ70が接続されている。このリーダライタ70には、表示操作部71、かざし部72、カード挿入口73及び扉カギ74が設けられている。表示操作部71は、タッチパネルカラー液晶ディスプレイ等からなり、カードの読み取り状況等が表示される。なお、会員カードの場合には、この表示操作部71を用いて暗証番号が入力される。かざし部72は、非接触ICカード又はICチップ内蔵の携帯電話機との間で非接触でデータの授受を行うためのかざし部である。カード挿入口73は、会員カード及び一般カードを挿入する挿入口である。
【0039】
次に、
図1に示した景品管理装置60の内部構成について説明する。
図3は、
図1に示した景品管理装置60の内部構成を示す図である。同図に示すように、この景品管理装置60は、リーダライタ70及び特殊景品払出装置75に接続されている。
【0040】
景品管理装置60は、すでに説明した店側表示部61、操作部62、レシート発行部63及び客側表示部64と、記憶部65と、制御部66と、通信部68とを有する。通信部68は、景品管理装置60がリーダライタ70及び特殊景品払出装置75と通信するためのインタフェース部である。また、通信回線100を介して他の機器と通信できる。記憶部65は、フラッシュメモリ又はハードディスク装置等からなる記憶デバイスであり、景品交換データ65a及び選択済景品データ65bを記憶する。
【0041】
景品交換データ65aは、特殊景品及び一般景品の景品コードごとに景品交換に要する交換玉数を対応づけたテーブルである。具体的には、
図4に示すように、この景品交換データ65aは、景品コード、景品種別、景品名、価格及び交換玉数を対応付けたデータである。この景品交換データは、景品マスタデータと呼ばれることもある。
【0042】
景品コードは、景品を一意に識別する識別情報である。景品種別は、現金で買い取られることを想定した特殊景品であることを示す「特殊」と一般の景品であることを示す「一般」のいずれかの値をとる。景品名は景品の名称であり、価格は景品の価格である。そして、交換玉数は該景品との交換に必要な玉数を示す。
【0043】
図4に示した例では、景品コード「0001」には、景品種別「特殊」、景品名「大景品」、価格「5000」及び交換玉数「1250」が対応付けられている。また、景品コード「0002」には、景品種別「特殊」、景品名「中景品」、価格「1000」及び交換玉数「250」が対応付けられている。そして、景品コード「0003」には、景品種別「特殊」、景品名「小景品」、価格「500」及び交換玉数「125」が対応付けられている。
【0044】
また、景品コード「0004」には、景品種別「一般」、景品名「CD(Compact Disc)」、価格「1600」及び交換玉数「400」が対応付けられている。景品コード「0005」には、景品種別「一般」、景品名「雑貨」、価格「560」及び交換玉数「140」が対応付けられている。景品コード「0006」には、景品種別「一般」、景品名「タバコ」、価格「400」及び交換玉数「100」が対応付けられている。景品コード「0007」には、景品種別「一般」、景品名「菓子」、価格「300」及び交換玉数「75」が対応付けられている。
【0045】
選択済景品データ65bは、選択された景品の景品コードと、景品名と、価格と、交換玉数と、選択された個数と、交換玉数に個数を乗じた登録数と、取消対象フラグとを対応付けたデータである。この選択済景品データ65bの詳細については後述する。
【0046】
制御部66は、景品管理装置60を全体制御する制御部であり、景品管理部66a、景品選択処理部66b、獲得玉数更新部66c及び景品払出指示部66dを有する。景品管理部66aは、記憶部65に記憶した景品交換データ65aを用いて景品管理装置60の取扱対象となる特殊景品、一般景品の交換玉数等を管理する管理部である。なお、景品交換データ65aに景品の在庫データを登録すれば、この景品管理部66aにより景品の在庫管理を行うこともできる。
【0047】
景品選択処理部66bは、景品の選択処理を行う処理部であり、一般景品選択部66b1、特殊景品自動選択部66b2及び選択取消部66b3を有する。一般景品選択部66b1は、景品交換対象となる一般景品を選択して、選択済景品データ65bに登録する処理部である。一般景品の選択は、一般景品に付されたバーコードをバーコードリーダ67により読み取ることで行ってもよいし、操作部62から店員による選択操作を受け付けることで行なってもよい。
【0048】
特殊景品自動選択部66b2は、獲得玉数の範囲内で景品交換対象となる特殊景品を自動選択し、選択した特殊景品を選択済景品データ65bに登録する処理部である。特殊景品の選択は、操作部62に設けた特殊景品選択ボタンが押下操作された場合に実行する。
【0049】
獲得玉数更新部66cは、一般景品選択部66b1により一般景品が選択される度に、選択された一般景品の交換玉数を景品交換データ65aに基づいて特定し、特定した交換玉数を獲得玉数から減算処理して獲得玉数を更新する。また、獲得玉数更新部66cは、特殊景品自動選択部66b2により自動選択された特殊景品の景品交換の交換玉数を景品交換データ65aに基づいて特定し、特定した交換玉数をそれぞれ獲得玉数から減算処理して獲得玉数を更新する。
【0050】
選択取消部66b3は、獲得玉数更新部により獲得玉数が減算処理された後に、所定の操作がなされた場合に、特殊景品自動選択部66b2により自動選択された特殊景品を含む景品の選択を取り消す処理部である。獲得玉数更新部66cは、選択取消部66b3により選択が取り消された景品の交換玉数を獲得玉数に加算処理して獲得玉数を更新する。
【0051】
景品払出指示部66dは、特殊景品自動選択部66b2により選択された特殊景品の種類と個数を特殊景品払出装置75に出力して、特殊景品の払出を指示する処理部である。具体的には、特殊景品自動選択部66b2は、選択した特殊景品の種類及び個数を選択済景品データ65bに登録しているので、景品払出指示部66dは、選択済景品データ65bから特殊景品に関する情報を読み出して、特殊景品払出装置75に送信する。
【0052】
次に、選択済景品データ65bについて具体的に説明する。
図5は、
図3に示した選択済景品データ65bについて説明する説明図である。
図5(a)は、一般景品選択部66b1が景品コード「0005」の雑貨を1個登録した状態を示している。例えば、バーコードリーダ67によって景品から景品コード「0005」を読み取った場合には、景品コード「0005」に対応する景品名、価格及び交換玉数を景品交換データ65aから読み出して選択済景品データ65bに登録する。登録数の項目は、交換玉数に個数を乗じた値であるので、
図5(a)の例では交換玉数「140」に個数「1」を乗じた「140」が登録数となる。
【0053】
取消対象フラグは、該登録内容が選択取消部66b3による取り消しの対象となるか否かを示すフラグであり、フラグの値が「1」の場合に選択取消部66b3による取り消しの対象となり、フラグの値が「0」の場合には選択取消部66b3による取り消しの対象にはならない。
図5(a)では、景品コード「0005」の景品に対して取消対象フラグを「0」としている。
【0054】
図5(b)は、一般景品選択部66b1による一般景品の登録後に、特殊景品自動選択部66b2が特殊景品の登録を行なった状態を示している。
図5(b)では、景品コード「0005」の一般景品に加えて、景品コード「0001」の大景品8個と、景品コード「0002」の中景品3個が登録されている。大景品の登録数は交換玉数「1250」に個数「8」を乗じた「10000」であり、中景品の登録数は交換玉数「250」に個数「3」を乗じた「750」である。また、特殊景品である大景品及び中景品については、取消対象フラグは「1」をセットする。
【0055】
図5(c)は、特殊景品自動選択部66b2による特殊景品の登録後に、一般景品選択部66b1が景品コード「0007」の菓子を1個登録した状態を示している。このように特殊景品の選択後、特殊景品の交換玉数に満たない端玉は、特殊景品よりも交換玉数の少ない菓子やタバコなどに交換される。端玉と交換される景品は、遊技客にとって重要度が低いので、取消対象フラグには「1」をセットする。
【0056】
図5(d)は、選択取消部66b3による取り消しを行なった状態を示している。選択取消部66b3は、取消対象フラグが「1」である景品を取り消すので、
図5(c)に示した大景品、中景品及び菓子の選択が取り消され、取消対象フラグが「0」の雑貨が選択済景品データ65bに残っている。
【0057】
図5(e)は、選択取消部66b3による取り消しの後に一般景品を登録した状態を示している。
図5(e)では、景品コード「0005」の雑貨に追加して、景品コード「0004」のCD4個を登録している。景品コード「0004」のCD4個の登録数は、交換玉数「400」に個数「4」を乗じた「1600」である。また、取消対象フラグは「0」をセットする。
【0058】
このように一般景品を追加して選択した後、特殊景品の自動選択を行なうと
図5(f)の状態となる。具体的には、景品コード「0005」及び景品コード「0004」の一般景品に加えて、景品コード「0001」の大景品7個と、景品コード「0002」の中景品2個が登録されている。大景品の登録数は交換玉数「1250」に個数「7」を乗じた「8750」であり、中景品の登録数は交換玉数「250」に個数「2」を乗じた「500」である。また、特殊景品である大景品及び中景品については、取消対象フラグは「1」をセットする。
【0059】
次に、特殊景品の選択後に獲得玉数を追加する場合の具体例について説明する。
図6は、特殊景品の選択後に獲得玉数を追加する場合の具体例について説明するための説明図である。
図6(a)は、11000玉の獲得玉数が対応付けられたレシートを読み取った状態における店側表示部61の表示画面例である。
図6(a)では、獲得玉数の総数と残数がともに「11000」である。一般景品及び特殊景品は選択されていないが、大景品、中景品、小景品については、景品名、登録数、個数の表示領域を設けている。なお、景品名表示は、「大景品」の代わりにその価格である「¥5000」を表示し、「中景品」の代わりにその価格である「¥1000」を表示し、「小景品」の代わりにその価格である「¥500」を表示している。「読込」は、読み込んだレシート及び(持玉)カードの枚数(ここでは、1枚)を示す。
【0060】
図6(b)は、
図6(a)に示した状態から一般景品を選択した場合における店側表示部61の表示画面例である。
図6(b)では、雑貨を1個選択しており、その登録数は140である。このため、獲得玉数の残数は、総数の11000玉から140玉を減算した10860玉となっている。なお、景品名の表示は、景品名「雑貨 560」を表示している。
【0061】
図6(c)は、
図6(b)に示した状態から特殊景品の自動選択と端玉の景品選択を行なった場合における店側表示部61の表示画面例である。特殊景品の自動選択は、
図6(b)の残数10860玉から特殊景品の最適な組み合わせを選択する。この結果、大景品8個及び中景品3個が選択される。また、特殊景品の選択後に端玉を交換する景品として一般景品である菓子1個とが選択されている。
【0062】
大景品8個の登録数は10000であり、中景品3個の登録数は750である。また、菓子1個の登録数は75である。これらの登録数を減算した残数は35玉となる。また、特殊景品の合計額を「交換」項目として表示している。
図6(c)に示した状態では、交換は43000円分となる。特殊景品の最適な組み合わせとは、この「交換」の項目が最大となる特殊景品の組み合わせである。
【0063】
図6(d)は、
図6(c)に示した状態から選択取消部66b3による取消処理を行なった場合における店側表示部61の表示画面例である。
図6(d)では、
図5(c)に示した大景品、中景品及び菓子の選択が取り消され、雑貨が選択済景品データ65bに残っている。したがって、
図6(c)の表示画面は、
図6(b)の表示画面と同一となる。
【0064】
図6(e)は、
図6(d)に示した状態から獲得玉数の追加を行なった場合における店側表示部61の表示画面例である。このような獲得玉数の追加は、レシートの新規読取りや、合算する貯玉データの指定によって行なわれる。
図6(e)では、1000玉を追加しているので、獲得玉数の総数は12000玉である。また、雑貨についての選択は維持されているため、雑貨の登録数である140玉を総数から減算した11860玉が残数となる。また、「読込」枚数が「2枚」に更新される。
【0065】
図6(f)は、
図6(e)に示した状態から特殊景品の自動選択を行なった場合における店側表示部61の表示画面例である。
図6(e)の残数11860玉から特殊景品の最適な組み合わせを選択すると、大景品9個及び中景品2個が選択される。
【0066】
大景品9個の登録数は11250であり、中景品2個の登録数は500である。これらの登録数を減算した残数は110玉となる。また、特殊景品の合計額である「交換」は47000円分となる。なお、残数110玉の端玉を用いてさらに一般景品の選択を行なってもよい。
【0067】
このように、特殊景品と端玉に対応する一般景品とを選択的に取り消して、取り消した景品の交換玉数を獲得玉数に加算した上で獲得玉数を追加し、特殊景品の自動選択を再実行することで、獲得玉数の追加を行う場合に、店員による景品交換効率の低下並びに店員の人的労力を低減することができる。
【0068】
例えば、遊技客が獲得した獲得玉数から景品交換可能な特殊景品を自動的に算定した後に、遊技客から新たなレシートを提示された場合であっても、あらかじめ選択していた遊技客が望む一般景品をキャンセルすることなく、獲得玉数を追加し、最適な特殊景品の選択を行なうことができるので、一般景品の選択を再度実行する必要がなくなるためである。
【0069】
当該取引の中で特殊景品の自動選択が行われていたことを条件に、
図6(c)の状態で新たな計数レシート(例:1000玉)を追加読取りした場合に、特殊景品の再計算(選択取り消し及び再選択)を自動で内部処理し、
図6(f)に移るようにしてもよい。特殊景品の自動選択が行われていない場合は、
図6(e)の状態で待機し、次の指示(一般景品の選択、特殊景品の自動選択)を待つ。
【0070】
次に、特殊景品の選択後に一般景品を追加する場合の具体例について説明する。
図7は、特殊景品の選択後に一般景品を追加する場合の具体例について説明するための説明図である。
図7(a)、
図7(b)、
図7(c)及び
図7(d)については、
図6(a)、
図6(b)、
図6(c)及び
図6(d)と同様であるので説明を省略し、
図7(e)から説明を行なう。
【0071】
図7(e)は、
図7(d)に示した状態から一般景品の追加を行なった場合における店側表示部61の表示画面例である。このような一般景品の追加は、残数よりも交換玉数の多い一般景品を選択することで行なわれる。
図7(e)では、CD4個を追加している。CDの交換玉数は400玉であるので、CD4個の登録数は1600玉となる。また、CD登録後の残数は
図7(d)の残数10860玉から1600玉を減算した9260玉となる。
【0072】
図7(f)は、
図7(e)に示した状態から特殊景品の自動選択を行なった場合における店側表示部61の表示画面例である。
図7(e)の残数9260玉から特殊景品の最適な組み合わせを選択すると、大景品7個及び中景品2個が選択される。
【0073】
大景品7個の登録数は8750であり、中景品2個の登録数は500である。これらの登録数を減算した残数は10玉となる。また、特殊景品の合計額である「交換」は37000円分となる。
【0074】
このように、特殊景品と端玉に対応する一般景品とを選択的に取り消して、取り消した景品の交換玉数を獲得玉数に加算した上で一般景品を追加し、特殊景品の自動選択を再実行することで、一般景品の追加を行う場合に、店員による景品交換効率の低下並びに店員の人的労力を低減することができる。
【0075】
例えば、獲得玉数から特殊景品及び一般景品が選択された後に、遊技客から「新たな一般景品を加えて欲しい」と要望された場合であっても、あらかじめ選択していた遊技客が望む一般景品をキャンセルすることなく、一般景品を追加し、最適な特殊景品の選択を行なうことができるので、あらかじめ選択していた一般景品の選択を再度実行する必要がなくなるためである。
【0076】
また、特殊景品の自動選択が行われた
図7(c)の状態で新たな一般景品を追加された場合に「特殊景品を減らして、この景品を選択しますか?」などの確認画面を表示するとともに、「OK」又は「キャンセル」を選択可能な操作ボタンを表示し、「OK」ボタンが押下操作された場合に
図7(f)に移るようにしてもよい。
【0077】
次に、
図3に示した景品管理装置60の処理手順について説明する。
図8は、
図3に示した景品管理装置60の処理手順を示すフローチャートである。同図に示すように、景品管理装置60は、まずバーコードリーダ67によりレシートを読み取り、バーコードに対応付けられた獲得玉数を特定する(ステップS101)。なお、ここではレシートを読み取る場合を例示したが、リーダライタ70によりカードが挿入された場合には、カードに対応付けられた獲得玉数を特定することとなる。なお、会員カードを受け付けて、当該会員の貯玉数を特定してもよい。
【0078】
ステップS101の後、一般景品が選択されたならば(S102;Yes)、一般景品選択部66b1は、選択された一般景品を選択済景品データ65bに登録し(ステップS103)、取消対象フラグに「0」をセットする。また、獲得玉数更新部66cは、登録された一般景品の交換玉数と個数に基づいて獲得玉数の減算処理を行なう(ステップS105)。減算処理の終了後、景品管理装置60は一般景品の選択(ステップS102)に移行する。
【0079】
一般景品が選択されない場合には(S102;No)、景品管理装置60は、特殊景品選択ボタンの押下操作により特殊景品の自動選択が指示されたか否かを判定する(ステップS106)。特殊景品の自動選択が指示されたならば(ステップS106;Yes)、特殊景品自動選択部66b2が特殊景品自動選択処理を実行し(ステップS107)、特殊景品の取消対象フラグに「1」をセットする(ステップS108)。
【0080】
ステップS108の後又は特殊景品の自動選択が指示されていない場合には(ステップS106;No)、景品管理装置60は、端玉が残っているか否かを判定する(ステップS109)。この判定では、景品交換データ65aに登録された最小の交換玉数よりも残数が多い場合に端玉が残っていると判定する。
【0081】
端玉が残っているならば(ステップS109;Yes)、一般景品選択部66b1は、一般景品の選択を受け付けて(ステップS110;Yes)、選択された一般景品を選択済景品データ65bに登録し(ステップS111)、取消対象フラグに「1」をセットする(ステップS112)。また、獲得玉数更新部66cは、登録された一般景品の交換玉数と個数に基づいて獲得玉数の減算処理を行なう(ステップS113)。減算処理の終了後、景品管理装置60は端玉が残っているか否かの判定(ステップS109)に移行する。
【0082】
端玉が残っていない場合には(ステップS109;No)、景品管理装置60は、バーコードリーダ67により追加のレシートが読み取られたか否かを判定する(ステップS114)。なお、ここでは追加のレシートを読み取る場合を例示したが、リーダライタ70によりカードが挿入された場合には、カードに対応付けられた獲得玉数を追加することとなる。
【0083】
レシートが追加されたならば(ステップS114;Yes)、景品管理装置60は、獲得玉数追加処理を実行する(ステップS115)。獲得玉数追加処理の後又はレシートが追加されない場合には(ステップS114;No)、景品管理装置60は、一般景品の追加を指示する操作入力が行なわれたか否かを判定する(ステップS116)。この一般景品の追加指示は、例えば操作部62に設けた一般景品追加ボタンの押下操作により入力する。
【0084】
一般景品を追加する場合には(ステップS116;Yes)、景品管理装置60は、一般景品追加処理を実行する(ステップS117)。一般景品追加処理の後又は一般景品が追加されない場合には(ステップS116;No)、景品管理装置60は、景品交換を確定するか否かを判定する(ステップS118)。この景品交換の確定は、例えば操作部62に設けた確定ボタンの押下操作により判定する。
【0085】
景品交換を確定しない場合には(ステップS118;No)、景品管理装置60は、ステップS114に移行する。一方、景品交換を確定したならば(ステップS118;Yes)、景品払出指示部66dが特殊景品払出装置75に特殊景品の払い出しを指示して(ステップS119)、処理を終了する。
【0086】
次に、
図8に示した特殊景品自動選択処理の具体例について説明する。
図9は、
図8に示した特殊景品自動選択処理の処理手順を示すフローチャートである。特殊景品自動選択処理が開始されると、特殊景品自動選択部66b2は、獲得玉数の残数が大景品の交換玉数である1250玉以上であるか否かを判定する(ステップS201)。
【0087】
残数が1250玉以上であるならば(ステップS201;Yes)、獲得玉数更新部66cが残数を1250玉減算処理して更新し(ステップS202)、特殊景品自動選択部66b2は、選択済景品データ65bの大景品の個数を1増加させて(ステップS203)、ステップS201に移行する。なお、選択済景品データ65bに大景品が未登録であるならば、特殊景品自動選択部66b2は、大景品1個を選択済景品データ65bに登録する。
【0088】
残数が1250玉未満であるならば(ステップS201;No)、特殊景品自動選択部66b2は、獲得玉数の残数が中景品の交換玉数である250玉以上であるか否かを判定する(ステップS204)。残数が250玉以上であるならば(ステップS204;Yes)、獲得玉数更新部66cが残数を250玉減算処理して更新し(ステップS205)、特殊景品自動選択部66b2は、選択済景品データ65bの中景品の個数を1増加させて(ステップS206)、ステップS204に移行する。なお、選択済景品データ65bに中景品が未登録であるならば、特殊景品自動選択部66b2は、中景品1個を選択済景品データ65bに登録する。
【0089】
残数が250玉未満であるならば(ステップS204;No)、特殊景品自動選択部66b2は、獲得玉数の残数が小景品の交換玉数である125玉以上であるか否かを判定する(ステップS207)。残数が125玉以上であるならば(ステップS207;Yes)、獲得玉数更新部66cが残数を125玉減算処理して更新し(ステップS208)、特殊景品自動選択部66b2は、選択済景品データ65bの小景品の個数を1増加させて(ステップS209)、ステップS207に移行する。なお、選択済景品データ65bに小景品が未登録であるならば、特殊景品自動選択部66b2は、小景品1個を選択済景品データ65bに登録する。
【0090】
残数が125玉未満であるならば(ステップS207;No)、特殊景品自動選択部66b2は、特殊景品自動選択処理を終了する。なお、
図9に示した特殊景品自動選択処理はあくまで一例であり、特殊景品の合計額が最大となる組み合わせを求める任意のアルゴリズムを用いることができる。
【0091】
次に、
図8に示した獲得玉数追加処理の具体例について説明する。
図10は、
図8に示した獲得玉数追加処理の処理手順を示すフローチャートである。獲得玉数追加処理が開始されると、選択取消部66b3は、選択済景品データ65bに取消対象フラグが1の景品があるか否かを判定する(ステップS301)。
【0092】
取消対象フラグが1の景品があるならば(ステップS301;Yes)、選択取消部66b3は、取消対象フラグが1の景品を選択し(ステップS302)、選択した景品の登録を選択済景品データ65bから削除する(ステップS303)。また、獲得玉数更新部66cは、削除された景品の交換玉数と個数に基づいて獲得玉数の加算処理を行なう(ステップS304)。ステップS304の終了後はステップS301に移行する。
【0093】
取消対象フラグが1の景品がないならば(ステップS301;No)、景品管理装置60は、追加されたレシートに対応する玉数を加算し(ステップS305)、特殊景品自動選択処理を実行する(ステップS306)。この特殊景品自動選択処理は、
図9に示した処理と同様である。ステップS306の後、特殊景品自動選択部66b2は特殊景品の取消対象フラグに「1」をセットし(ステップS307)、獲得玉数追加処理を終了する。
【0094】
次に、
図8に示した一般景品追加処理の具体例について説明する。
図11は、
図8に示した一般景品追加処理の処理手順を示すフローチャートである。一般景品追加処理が開始されると、選択取消部66b3は、選択済景品データ65bに取消対象フラグが1の景品があるか否かを判定する(ステップS401)。
【0095】
取消対象フラグが1の景品があるならば(ステップS401;Yes)、選択取消部66b3は、取消対象フラグが1の景品を選択し(ステップS402)、選択した景品の登録を選択済景品データ65bから削除する(ステップS403)。また、獲得玉数更新部66cは、削除された景品の交換玉数と個数に基づいて獲得玉数の加算処理を行なう(ステップS404)。ステップS404の終了後はステップS401に移行する。
【0096】
取消対象フラグが1の景品がないならば(ステップS401;No)、一般景品選択部66b1は、追加された一般景品を選択済景品データ65bに登録し(ステップS405)、取消対象フラグに「0」をセットする(ステップS406)。また、獲得玉数更新部66cは、登録された一般景品の交換玉数と個数に基づいて獲得玉数の減算処理を行なう(ステップS407)。
【0097】
減算処理の終了後、特殊景品自動選択部66b2が特殊景品自動選択処理を実行する(ステップS408)。この特殊景品自動選択処理は、
図9に示した処理と同様である。ステップS408の後、特殊景品自動選択部66b2は特殊景品の取消対象フラグに「1」をセットし(ステップS409)、一般景品追加処理を終了する。
【0098】
なお、自動で取り消すことができる商品が無い、或いは足りない場合は、遊技客の意志を確認したうえで、取り消しフラグが「0」の景品を取り消し、或いは景品の追加の取りやめを行う。
【0099】
上述してきたように、本実施例では、一般景品選択部66b1が景品交換対象となる一般景品を選択して獲得玉数更新部66cが対応する獲得玉数を減算し、特殊景品自動選択部66b2が獲得玉数の範囲内で景品交換対象となる特殊景品を自動選択して獲得玉数更新部66cが対応する獲得玉数を減算した後に、所定の操作がなされた場合に、特殊景品自動選択部66b2により自動選択された特殊景品の選択を取り消すよう構成したので、獲得玉数の追加若しくは新たな一般景品の選択を行う場合に、店員による景品交換効率の低下並びに店員の人的労力を効率良く低減することができる。
【0100】
また、獲得玉数の追加又は一般景品の選択を所定の操作とすることで、獲得玉数の追加若しくは新たな一般景品の選択を行なう操作によって特殊景品の選択を自動的に取り消すことができる。
【0101】
また、特殊景品自動選択部66b2が獲得玉数の範囲内で景品交換対象となる特殊景品を自動選択して獲得玉数更新部66cが対応する獲得玉数を減算した後に選択された一般景品については、特殊景品と同様に取消対象フラグを「1」とし、所定の操作がなされた場合に取り消しの対象としたので、端玉から選択された景品を取り消して、最適な特殊景品の組合せを選択可能である。
【0102】
また、特殊景品や端玉から選択された一般景品を取り消して対応する交換玉数を加算処理して獲得玉数を更新した後、該更新された前記獲得玉数の範囲内で景品交換対象となる特殊景品を自動選択するので、獲得玉数や一般景品を追加した後、最適な特殊景品の組合せの組み合わせを自動的に選択することができる。
【0103】
なお、上記実施例では、パチンコ玉を例に説明を行なったが、本発明はこれに限定されるものではなく、メダルなど任意の遊技媒体を景品に交換する場合に適用することができる。
【0104】
また、上記実施例では、選択済景品データ65bに取消対象フラグを設け、取消対象フラグが「1」の景品の選択を取り消す場合を例に説明を行なったが、例えば選択済の一般景品をメモリなどに退避したあと、選択済景品データ65bに登録された景品を全て取り消し、メモリに退避した一般景品を再登録した後に獲得玉数や一般景品の追加を行なうように構成してもよい。
【0105】
また、特殊景品を自動選択した後に、一般景品の追加が行われた場合に、全ての特殊景品の選択を取り消すのではなく、当該一般景品と同等の価値を有する一部の特殊景品を獲得玉数に戻したうえで、一般景品の選択を受け付けるようにしてもよい。