(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記所定の伝送規格は、HD−SDI(High Definition Serial Digital Interface)である、請求項1記載の通信システム。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、同一または相当する部分には、同一の参照符号を付して、その説明を繰り返さない。
【0016】
[第1の実施形態]
(構成)
図1は、本発明の第1の実施形態の通信システムの構成を表わす図である。
【0017】
図1を参照して、この通信システム1は、送信装置2と、受信装置3とを備える。
送信装置2および受信装置3は、たとえば、店舗内の離れた場所に配置される。
【0018】
送信装置2は、第1のデータ供給源6と、第2のデータ供給源7と、第1のスイッチ11と、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)エンコードIC8と、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplex:直交周波数分割多重)変調器9と、RF回路10と、アンテナ12とを備える。
【0019】
第1のデータ供給源6は、テレビ4での視聴のためのビデオデータおよびオーディオデータ、および制御データを出力する。第1のデータ供給源6は、秘匿データを伝送するときには、オーディオデータを出力しない。
【0020】
第1のデータ供給源6は、これらのデータに対してHDMI規格によって予め定められた値の識別子を付けて出力する。たとえば、第1のデータ供給源6は、オーディオを伝送するためのフレームに、オーディオデータであることを表わす予め定められた値の識別子を付与する。また、第1のデータ供給源6は、ビデオデータに対してもビデオデータであることを表わす予め定められた値の識別子を付与する。また、第1のデータ供給源6は、各フレームの先頭に対して、予め定められた値の識別子、および行の先頭に対して予め定められた値の識別子を付与する。
【0021】
第2のデータ供給源7は、秘匿を要するデータを出力する。本実施の形態では、第2のデータ供給源7は、秘匿を要するデータとしてサイネージコンテンツデータを出力する。サイネージコンテンツデータは、電子広告のためのデータであり、画像データおよび/または音声データを含む。本実施の形態では、サイネージコンテンツデータが、画像データを含むものとして説明する。
【0022】
第2のデータ供給源7は、第1のデータ供給源6から出力されるオーディオデータの識別子のビット位置と同一のビット位置に、オーディオフレームであることを表わす値以外の値を付与する。たとえば、第2のデータ供給源7は、オーディオフレームの識別子の値がHDMI規格によって「0xYYY」と定められている場合に、「0xYYY」以外の値の識別子を付与する。
【0023】
第1のスイッチ11は、オーディオデータを伝送するときに、HDMIエンコードIC8と第1のデータ供給源6とを接続する。第1のスイッチ11は、秘匿を要するデータを伝送するときに、HDMIエンコードIC8と第2のデータ供給源7とを接続する。
【0024】
HDMIエンコードIC8は、第1のデータ供給源6から出力されるビデオデータおよび制御データとともに、第1のデータ供給源6から出力されるオーディオデータおよび第2の供給源から出力される秘匿データのいずれかをTDMS(Transition Minimized Differential Signaling)方式の信号であるHDMI信号に変換する。HDMI信号は、差動のシリアル信号であり、かつ広帯域の信号である。
【0025】
OFDM変調器9は、HDMIエンコードIC8から出力されるHDMI信号をOFDM信号に変換する。
【0026】
RF回路10は、OFDM信号を無線処理する。具体的には、RF回路10は、無線周波数帯にアップコンバートするアップコンバータ、アップコンバートされた信号を増幅する電力増幅回路、増幅された信号のうち所望帯域の信号成分のみを通過させてアンテナ12へ出力するバンドパスフィルタなどを含む。
【0027】
アンテナ12は、無線信号を送信する。
受信装置3は、アンテナ13と、RF回路15と、OFDM復調器14と、2分配器64と、HDMIデコードIC16と、判別部17と、第2のスイッチ20と、テレビ4と、STB(Set Top Box)5とを備える。
【0028】
アンテナ13は、無線信号(RF信号)を受信する。
RF回路15は、アンテナ13から出力されるRF信号を無線処理する。具体的には、RF回路15は、アンテナ13から出力されるRF信号のうち所望帯域の信号成分のみを通過させるバンドパスフィルタ、RF信号を増幅する低雑音増幅回路、RF信号をダウンコンバートするダウンコンバータなどを含む。
【0029】
OFDM復調器14は、RF回路15から出力されるOFDM信号を復調して、復調後のHDMI信号を2分配器64へ出力する。
【0030】
2分配器64は、OFDM復調器14からのHDMI信号を分配して、HDMIデコードIC16と、第2のスイッチ20の端子Bへ出力する。
【0031】
HDMIデコードIC16は、HDMI信号をデコードして、ビデオデータ、制御データとともに、オーディオおよびサイネージコンテンツデータのいずれかを抽出する。
【0032】
STB5は、HDMIデコードIC16でサイネージコンテンツデータが抽出された場合に、サイネージコンテンツデータを含む専用のHDMI信号を生成する。
【0033】
判別部17は、HDMIデコードIC16でデコードされたデータに含まれる所定のビット位置、すなわち、HDMI規格によればオーディオデータの識別子が含まれるビット位置の識別子の値を参照して、受信したデータがオーディオデータを含むか、秘匿データを含むかを判別する。
【0034】
判別部17は、受信したデータがオーディオデータを含むと判定したときには、第2のスイッチ20の端子Aと端子Bとの間をオンにして、2分配器64から出力されるHDMI信号をテレビ4のHDMIデコードIC18へ供給させる。
【0035】
判別部17は、受信したデータが秘匿データを含むと判定したときには、第2のスイッチ20の端子Aと端子Cとの間をオンにして、STB5から出力されるサイネージコンテンツデータを含む専用のHDMI信号をテレビ4のHDMIデコードIC18へ供給させる。
【0036】
テレビ4に含まれるHDMIデコードIC18は、第2のスイッチ20の端子Aから出力されるHDMI信号を復号して、ビデオデータ、制御データ、オーディオデータ、サイネージコンテンツデータを抽出して、これらのデータをテレビ4の視聴に供する。
【0037】
(動作)
図2は、第1の実施形態の通信システムの動作手順を表わすフローチャートである。
【0038】
図2を参照して、まず、第1のデータ供給源6は、テレビ4での視聴のためのビデオデータおよび制御データを出力する(ステップS100)。
【0039】
サイネージコンテンツデータを伝送しないときには(ステップS101でNO)、第1のデータ供給源6は、オーディオデータを出力する(ステップS103)。
【0040】
サイネージコンテンツデータを伝送するときには(ステップS101でYES)、第2のデータ供給源7は、オーディオデータの識別子の値と異なる値の識別子を含むサイネージコンテンツデータを出力する(ステップS102)。
【0041】
HDMIエンコードIC8は、サイネージコンテンツデータを伝送する場合には、ビデオデータ、制御データ、およびサイネージコンテンツデータをエンコードして、HDMI信号を生成する。HDMIエンコードIC8は、サイネージコンテンツデータを伝送しない場合には、ビデオデータ、制御データ、およびオーディオデータをエンコードして、HDMI信号を生成する(ステップS104)。
【0042】
OFDM変調器9は、HDMIエンコードIC8から出力されるHDMI信号をOFDM信号に変換する(ステップS105)。
【0043】
RF回路10は、OFDM信号を無線処理する(ステップS106)。
アンテナ12は、無線信号を送信する(ステップS107)。
【0044】
アンテナ13は、無線信号を受信する(ステップS108)。
RF回路15は、受信した無線信号を無線処理する(ステップS109)。
【0045】
OFDM復調器14は、OFDM信号を復調して、HDMIデコードIC16に出力する(ステップS110)。
【0046】
HDMIデコードIC16は、HDMI信号をデコードして、ビデオデータ、制御データとともに、オーディオデータおよびサイネージコンテンツデータのいずれかを抽出する(ステップS111)。
【0047】
判別部17は、HDMIデコードIC16でデコードされたデータに含まれる所定のビット位置の識別子の値を参照して、受信したデータがオーディオデータを含むか、サイネージコンテンツデータを含むかを判別する。判別部17は、受信したデータがオーディオデータを含むと判定したときには(ステップS112でYES)、第2のスイッチ20の端子Aと端子Bとの間をオンにする(ステップS113)。テレビ4に含まれるHDMIデコードIC18は、2分配器64から出力されるHDMI信号をデコードして、ビデオデータ、制御データ、オーディオデータを抽出する(ステップS114)。
【0048】
テレビ4は、デコードされたビデオデータおよびオーディオデータを視聴のためにスクリーン、スピーカに出力する(ステップS115)。
【0049】
判別部17は、受信したデータが秘匿データを含むと判定したときには(ステップS112でNO)、第2のスイッチ20の端子Aと端子Cとの間をオンにする(ステップS116)。STB5は、HDMIデコードIC16で抽出されたサイネージコンテンツデータを含む専用のHDMI信号を生成する(ステップS117)。テレビ4に含まれるHDMIデコードIC18は、STB5
から出力される専用のHDMI信号をデコードして、サイネージコンテンツデータを抽出する(ステップS118)。
【0050】
テレビ4は、デコードされたサイネージコンテンツデータを視聴のためにスクリーン、スピーカに出力する(ステップS119)。
【0051】
以上のように、本実施の形態によれば、伝送規格に基づいてデータを伝送する経路を用いて、秘匿性を要するデータが伝送規格に基づくデータであるように偽装して送信するので、不正なアクセス者によって秘匿性の高いデータを伝送していることが発見されにくい。また、本実施の形態に
よれば、伝送規格に基づく市販のHDMIエンコードIC8およびHDMIデコードIC16をそのまま用いることができる。
【0052】
なお、本実施の形態では、送信装置から受信装置へは無線でデータが伝送されるものとしたが、有線、たとえば同軸ケーブルや光ファイバでデータを伝送することとしてもよい。
【0053】
[第2の実施形態]
(構成)
図3は、本発明の第2の実施形態の通信システムの構成を表わす図である。
【0054】
この通信システム61が、
図1の通信システム1と相違する点は、OFDM変調器9およびRF回路10の代りに、HDMI
トランシーバ64を備え、OFDM復調器14およびRF回路15の代りに、HDMI
トランシーバ53を備える点である。
【0055】
HDMI
トランシーバ64は、HDMIエンコードIC8から出力されるHDMI信号をHDMIケーブル54へ出力する。
【0056】
HDMI
トランシーバ53は、HDMIケーブル54からHDMI信号を受信して、HDMIデコードIC16へ出力する。
【0057】
(動作)
図4は、第2の実施形態の通信システムの動作手順を表わすフローチャートである。
【0058】
図4を参照して、このフローチャートが、
図2のフローチャートと相違する点は、
図4のフローチャートが、ステップS105〜S107の代りに、ステップS207を含み、ステップS108〜S110の代りに、ステップS210を含む点である。
【0059】
ステップS207において、HDMI
トランシーバ64は、HDMIエンコードIC8から出力されるHDMI信号をHDMIケーブル54へ出力する。
【0060】
ステップS210において、HDMI
トランシーバ53は、HDMIケーブル54からHDMI信号を受信して、HDMIデコードIC16へ出力する。
【0061】
以上のように、第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、不正なアクセス者によって秘匿性の高いデータを伝送していることが発見されにくくすることができるとともに、伝送規格に基づく市販のHDMIエンコードIC8およびHDMIデコードIC16をそのまま用いることができる。
【0062】
[第3の実施形態]
(構成)
図5は、本発明の第3の実施形態の通信システムの構成を表わす図である。
【0063】
本実施の形態の通信システムは、1つの送信装置2と、複数の受信装置3_1〜3_Nとを備える。
【0064】
送信装置1および1台の受信装置3_i(i=1〜N)は、
図1に示したものと同様である。
【0065】
本実施の形態では、送信データに宛先を含めることによって、特定の受信装置へ、ビデオデータ、オーディオデータ、またはサイネージコンテンツデータを送ることができる。また、宛先をブロードキャストアドレスとすることによって、すべての受信装置へ、同一のビデオデータ、オーディオデータ、またはサイネージコンテンツデータを送ることもできる。
【0066】
以上のように、第3の実施形態によれば、第1の実施形態および第2の実施形態と同様に、不正なアクセス者によって秘匿性の高いデータを伝送していることが発見されにくくすることができるとともに、伝送規格に基づく市販のHDMIエンコードIC8およびHDMIデコードIC16をそのまま用いることができる。
【0067】
(変形例)
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではない。たとえば、以下のような変形例も含まれる。
【0068】
(1) 伝送規格
本発明の実施形態では、伝送規格としてHDMIを用いた場合について説明したが、これに限定されるものではない。たとえば、HD−SDI(High Definition Serial Digital Interface)、SD−SDI(Standard Definition Serial Digital Interface)、あるいは、3G−SDIなどの伝送規格であってもよい。
【0069】
(2) 秘匿を要するデータ
本発明の実施形態では、秘匿を要するデータがサイネージコンテンツデータの場合について説明したが、これに限定されるものではない。たとえば、音声データや、館内自主放送用データでもよい。また、制御用データ(チャネル切替など)や、Adobe Flashを使用して作られたアニメーションであるフラッシュアニメーションのデータなどであってもよい。
【0070】
(3) データの判別
本発明の実施形態では、秘匿を要するサイネージコンテンツデータをオーディオデータの代わりに送信し、かつオーディオデータを定める識別子の値をオーディオデータと異なる値とすることによって、受信側で伝送されたデータがオーディオデータであるか、サイネージコンテンツデータであるかを判別することにしたが、これに限定されるものではない。
【0071】
サイネージコンテンツデータをHDMI規格で定められる制御データまたはビデオデータの代わりに送信し、かつ制御データまたはビデオデータを定める識別子の値を制御データまたはビデオデータと異なる値とすることによって、受信側で伝送されたデータがビデオデータまたは制御データであるか、サイネージコンテンツデータであるかを判別することとしてもよい。
【0072】
また、タイミングの同期をとるための不定データの区間に、サイネージコンテンツデータとともに、サイネージコンテンツデータであることを表わす識別子を埋め込むものとしてもよい。
【0073】
(4) 冗長符号
第2のデータ供給源は、秘匿を要するデータに、誤り訂正のための冗長符号を付与することとしてもよい。
【0074】
(5) ビデオデータなどの送信
本発明の実施形態では、秘匿を要するデータであるサイネージコンテンツデータを送信するときには、サイネージコンテンツデータとともに、オーディオデータ以外のデータ、すなわちビデオデータおよび制御データも送信することとしたが、これに限定するものではない。サイネージコンテンツデータを送信するときには、ビデオデータおよび制御データとしてダミーのデータを送るものとしてもよい。