特許第5762856号(P5762856)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5762856-電流センサ 図000002
  • 特許5762856-電流センサ 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5762856
(24)【登録日】2015年6月19日
(45)【発行日】2015年8月12日
(54)【発明の名称】電流センサ
(51)【国際特許分類】
   G01R 15/20 20060101AFI20150723BHJP
【FI】
   G01R15/20 C
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2011-147113(P2011-147113)
(22)【出願日】2011年7月1日
(65)【公開番号】特開2013-15358(P2013-15358A)
(43)【公開日】2013年1月24日
【審査請求日】2014年2月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100071526
【弁理士】
【氏名又は名称】平田 忠雄
(74)【代理人】
【識別番号】100128211
【弁理士】
【氏名又は名称】野見山 孝
(72)【発明者】
【氏名】村木 均至
(72)【発明者】
【氏名】上野 洋
【審査官】 菅藤 政明
(56)【参考文献】
【文献】 特開平6−258350(JP,A)
【文献】 特開2011−53061(JP,A)
【文献】 特開2009−210405(JP,A)
【文献】 特開平4−320971(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 15/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁場を検出して検出信号を出力し、複数の端子を有する磁気センサICと、
前記磁気センサICとコアが一体化され、側面にセンサユニット側支持部を有するセンサユニットと、
前記センサユニットと電気的に接続する複数の配線、及び前記複数の配線が露出する開口を有する本体と、
前記センサユニットが設置される前記本体の設置面から、前記開口を挟んで対向するように突出して形成され前記センサユニット側支持部と結合することにより前記センサユニットを支持する支持部と、
前記センサユニットが前記支持部に支持された状態において、前記センサユニットの前記複数の端子と前記本体の前記複数の配線とが前記開口内で重なり合う部分を結合して形成された結合部と、
を備えた電流センサ。
【請求項2】
前記センサユニットは、前記本体に複数設置され、
前記支持部及び前記開口は、前記センサユニット毎に複数設けられる請求項に記載の電流センサ。
【請求項3】
前記本体は、前記複数の配線と電気的に接続するコネクタ部を備える請求項に記載の電流センサ。
【請求項4】
前記配線は、リードフレームである請求項に記載の電流センサ。
【請求項5】
前記接合部は、前記センサユニットの前記複数の端子と前記本体の前記複数の配線の両者が溶融して結合したナゲットである請求項4に記載の電流センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電流センサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、検出対象の電流に基づいて発生する磁束を収束させるコアと、コアにより収束された磁束の量に応じた電気信号を出力するホール素子と、ホール素子が設けられた回路基板と、を備えた電流センサが知られている。(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
この回路基板には、さらに、ホール素子の出力信号を増幅する増幅回路と、コンデンサ、ツェナーダイオード等から構成された保護素子と、が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−19586号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年の車両は、駆動系のハイブリッド化に伴い、半導体装置を流れる電流の電流値が増大する傾向にある。この電流値の増大に伴って、半導体装置の発熱量が増大するため、半導体装置の耐熱性の向上が課題となっている。一方、耐熱性が高い高鉛はんだを回路基板の配線と電子部品との結合に用いる場合、半導体装置の発熱量が増えるに従い、部材間の熱膨張差に伴う熱歪が大きくなり、その歪みを高鉛はんだが吸収するため、熱疲労寿命が急激に低下する問題があった。また、欧州におけるRoHS指令により、鉛を含むはんだの使用が禁止されていることもあり、半導体装置の製造において、はんだによる結合以外の結合方法を用いる必要がある。さらに、従来の電流センサは、検出対象が複数になれば、複数の電流センサを基板に取り付けられるよう基板の回路設計等をやり直す必要がある。
【0006】
従って、本発明の目的は、仕様変更時の対応が容易となる電流センサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、磁場を検出して検出信号を出力し、複数の端子を有する磁気センサICと、磁気センサICとコアが一体化され、側面にセンサユニット側支持部を有するセンサユニットと、センサユニットと電気的に接続する複数の配線、及び複数の配線が露出する開口を有する本体と、センサユニットが設置される本体の設置面から、開口を挟んで対向するように突出して形成されセンサユニット側支持部と結合することによりセンサユニットを支持する支持部と、センサユニットが支持部に支持された状態において、センサユニットの複数の端子と本体の複数の配線とが開口内で重なり合う部分を結合して形成された結合部と、を備えた電流センサを提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、仕様変更時の対応を容易とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1(a)は、実施の形態に係る電流センサの斜視図であり、(b)は、電流センサの上面図であり、(c)〜(e)は、開口に露出したリードフレームとセンサユニットの端子との接続を説明するための模式図である。
図2図2(a)は、実施の形態に係るセンサユニットの斜視図であり、(b)は、センサユニットのコアの斜視図であり、(c)は、センサユニットの磁気センサICの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施の形態の要約)
実施の形態に係る電流センサは、磁場を検出して検出信号を出力し、複数の端子を有する磁気センサICと、磁気センサICとコアが一体化されたセンサユニットと、センサユニットと電気的に接続する複数の配線を有する本体と、本体に設けられ、センサユニットを支持する支持部と、を備える。
【0011】
この電流センサは、センサユニットと配線を、基板を介さずに接続するので、仕様変更時の対応が容易となる。
【0012】
[実施の形態]
(電流センサ1の構成)
図1(a)は、実施の形態に係る電流センサの斜視図であり、(b)は、電流センサの上面図であり、(c)〜(e)は、開口に露出したリードフレームとセンサユニットの端子との接続を説明するための模式図である。図1(b)は、センサユニットを取り外した状態の上面図である。また、図1(c)〜(e)は、各開口の上面図である。なお、実施の形態に係る各図において、部品と部品との比率は、実際の比率とは異なる場合がある。
【0013】
電流センサ1は、一例として、車両のモータ及びバッテリ等に流れる電流の大きさを検出するために用いられる。本実施の形態に係る電流センサ1は、車両のモータに流れる電流を検出するものとする。
【0014】
本実施の形態に係る電流センサ1は、図1(a)及び(b)に示すように、主に、磁場を検出して検出信号を出力し、複数の端子を有する後述する磁気センサIC(Integrated Circuit)と、磁気センサICと後述するコアが一体化されたセンサユニット4〜センサユニット6と、センサユニット4〜センサユニット6と電気的に接続する複数の配線としてのリードフレーム70〜リードフレーム74を有する本体2と、本体2に設けられ、センサユニット4を支持する支持部22と、を備える。なお、本実施の形態では、電流センサ1は、車両のモータに流れる電流を検出するため、3つのセンサユニット4〜センサユニット6を搭載しているが、これに限定されず、センサユニットが1つであっても、3つより多くても良い。
【0015】
・本体2の構成
本体2は、例えば、図1(a)及び(b)に示すように、細長い板形状となる基部20と、基部20の設置面21の長手方向の辺から突出する支持部22〜支持部24と、基部20の短手方向の一方端部に設けられたコネクタ部3と、を備えて概略構成されている。なお、本体2は、回路基板であっても良い。
【0016】
基部20は、例えば、リードフレーム70〜リードフレーム74を一体化したものであり、溶融樹脂を射出成形するインサート成形により、外形が矩形状となるように形成される。この溶融樹脂は、例えば、絶縁性及び耐湿性に優れる材料が好ましく、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂等が用いられる。なお、コネクタ部3は、本体2と一体に形成されても良いし、別に形成されて本体2に取り付けても良い。
【0017】
また、この基部20には、例えば、図1(b)に示すように、センサユニット4〜センサユニット6の設置位置に合わせて開口220、開口230及び開口240が形成されている。
【0018】
開口220には、例えば、図1(b)及び(c)に示すように、基部20の短手方向に細長い矩形状を有し、リードフレーム70、リードフレーム71及びリードフレーム74が露出している。開口220には、例えば、センサユニット4の端子42〜端子44が挿入される。このリードフレーム70、リードフレーム71及びリードフレーム74は、例えば、センサユニット4の端子42〜端子44の間隔に応じた間隔で並んでいる。なお、開口220は、センサユニット4の本体40が嵌り込むような形状であっても良い。
【0019】
開口230には、例えば、図1(b)及び(c)に示すように、基部20の短手方向に細長い矩形状を有し、リードフレーム70、リードフレーム71及びリードフレーム73が露出している。開口230には、例えば、センサユニット5の端子52〜端子54が挿入される。このリードフレーム70、リードフレーム71及びリードフレーム73は、例えば、センサユニット5の端子52〜端子54の間隔に応じた間隔で並んでいる。なお、開口230は、センサユニット5の本体50が嵌り込むような形状であっても良い。
【0020】
開口240には、例えば、図1(b)及び(c)に示すように、基部20の短手方向に細長い矩形状を有し、リードフレーム70、リードフレーム71及びリードフレーム72が露出している。開口240には、例えば、センサユニット6の端子62〜端子64が挿入される。このリードフレーム70、リードフレーム71及びリードフレーム72は、例えば、センサユニット6の端子62〜端子64の間隔に応じた間隔で並んでいる。なお、開口240は、センサユニット6の本体60が嵌り込むような形状であっても良い。
【0021】
また、支持部22〜支持部24は、例えば、センサユニット4〜センサユニット6が設置される設置面21から突出して形成されている。なお、支持部22〜支持部24は、例えば、基部20と一体として形成される構成でも良いし、別々に形成され、ねじ又は接着剤等により取り付けられる構成でも良い。
【0022】
支持部22は、例えば、基部20から突出する凸部22a及び凸部22cが、開口220を挟んで対向するように形成されている。この凸部22aの側面には、例えば、開口22bが形成されている。また、凸部22cの側面には、例えば、開口22dが形成されている。センサユニット4がこの凸部22a及び凸部22cの間に挿入されると、開口22bには、例えば、センサユニット4の側面に設けられたセンサユニット支持部としての爪部41aが嵌り込んで結合し、センサユニット4と支持部22に支持される。また、開口22dには、例えば、センサユニット4の当該側面の反対側の側面に設けられた爪部41bが嵌り込んで結合し、センサユニット4と支持部22に支持される。従って、支持部22は、センサユニット4の爪部41a及び爪部41bが開口22b及び開口22dに嵌り込むことで、センサユニット4を支持する。
【0023】
支持部23は、例えば、基部20から突出する凸部23a及び凸部23cが、開口230を挟んで対向するように形成されている。この凸部23aの側面には、例えば、開口23bが形成されている。また、凸部23cの側面には、例えば、開口23dが形成されている。センサユニット5がこの凸部23a及び凸部23cの間に挿入されると、開口23bには、例えば、センサユニット5の側面に設けられた爪部51aが嵌り込んで結合し、センサユニット5と支持部23に支持される。また、開口23dには、例えば、センサユニット5の当該側面の反対側の側面に設けられた爪部(図示せず)が嵌り込んで結合し、センサユニット5と支持部23に支持される。従って、支持部23は、センサユニット5の爪部が開口23b及び開口23dに嵌り込むことで、センサユニット5を支持する。
【0024】
支持部24は、例えば、基部20から突出する凸部24a及び凸部24cが、開口240を挟んで対向するように形成されている。この凸部24aの側面には、例えば、開口24bが形成されている。また、凸部24cの側面には、例えば、開口24dが形成されている。センサユニット6がこの凸部24a及び凸部24cの間に挿入されると、開口24bには、例えば、センサユニット6の側面に設けられた爪部61aが嵌り込んで結合し、センサユニット6と支持部24に支持される。また、開口24dには、例えば、センサユニット6の当該側面の反対側の側面に設けられた爪部(図示せず)が嵌り込んで結合し、センサユニット6と支持部24に支持される。従って、支持部24は、センサユニット6の爪部が開口24b及び開口24dに嵌り込むことで、センサユニット6を支持する。
【0025】
・コネクタ部3の構成
コネクタ部3は、例えば、一方端部にコネクタ開口31が形成された箱形状を有し、端子32〜端子36を備えている。この端子32〜端子36は、例えば、円柱形状を有している。他方端部は、例えば、接続部300を介して端子32〜端子36とリードフレーム70〜リードフレーム74とが電気的に接続している。
【0026】
具体的には、リードフレーム70は、例えば、接続部300を介して端子32と電気的に接続されている。リードフレーム71は、例えば、接続部300を介して端子33と電気的に接続されている。リードフレーム72は、例えば、接続部300を介して端子34と電気的に接続されている。リードフレーム73は、例えば、接続部300を介して端子35と電気的に接続されている。リードフレーム74は、例えば、接続部300を介して端子36と電気的に接続されている。なお、端子32〜端子36は、例えば、リードフレームにかえて回路基板上に設けられたパターン配線に電気的に接続されても良い。
【0027】
電流センサ1は、一例として、このコネクタ部3を介して車両のECU(Electronic Control Unit)と電気的に接続されている。
【0028】
・センサユニット4〜センサユニット6の構成
図2(a)は、実施の形態に係るセンサユニットの斜視図であり、(b)は、センサユニットのコアの斜視図であり、(c)は、センサユニットの磁気センサICの斜視図である。以下において、センサユニットの構成は、例えば、センサユニット4〜センサユニット6が同じ構成であることから、主に、センサユニット4を例に取って説明する。
【0029】
センサユニット4は、例えば、図2(a)〜(c)に示すように、検出対象である電流に基づいて発生する磁場の磁束を収束するコア400と、コア400が収束した磁束に応じて検出信号を出力する磁気センサIC410と、を備えて概略構成されている。センサユニット4の本体40は、例えば、コア400の開口403に磁気センサIC410が挿入された状態で、コア400と磁気センサIC410を一体化したものであり、溶融樹脂を射出成形するインサート成形により、外形が矩形状となるように形成される。この溶融樹脂は、例えば、絶縁性及び耐湿性に優れる材料が好ましく、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂等が用いられる。
【0030】
この本体40の側面には、例えば、図2(a)に示すように、爪部41aが形成されている。この爪部41aが形成された側面の反対の側面には、この爪部41aと同形状となる爪部41bが形成されている。
【0031】
この爪部41a及び爪部41bは、例えば、三角柱の長手方向の一方の側面と本体40の側面とが対向し、さらに、三角柱の長手方向が図2(a)の紙面の横方向となるように本体40に形成される。この爪部41a及び爪部41bは、例えば、図2(a)の紙面の下側から上側にかけて、横方向の断面の面積が大きくなっている。従って、センサユニット4が支持部22に挿入されると、この爪部41aの下側が凸部22aの側面に、また、爪部41bの下側が凸部22cの側面に接触する。センサユニット4が設置面21方向に押し込まれるにつれて、凸部22aと凸部22cの間隔が爪部41a及び爪部41bに押されて広がる。広がることにより、爪部41aが凸部22aの開口22bに嵌まり込み、爪部41bが凸部22cの開口22dに嵌まり込んで、センサユニット4は支持部22に支持される。
【0032】
このセンサユニット4の支持部22への挿入により、例えば、図1(c)に示すように、センサユニット4の端子42は、リードフレーム74と接触するように重なり合い、端子43は、リードフレーム71と接触するように重なり合い、端子44は、リードフレーム70と接触するように重なり合う。この重なり合った部分を溶接することにより、例えば、図1(c)に示すように、端子42とリードフレーム74が重なり合う部分に結合部420が形成され、端子43とリードフレーム71が重なり合う部分に結合部430が形成され、端子44とリードフレーム70が重なり合う部分に結合部440が形成される。この結合部420、結合部430及び結合部440は、溶接により、端子とリードフレームの両者が溶融して結合したナゲットが形成された部分である。なお、この溶接は、センサユニットを支持部に取り付けた状態で、設置面21の反対側の面から行われる。
【0033】
また、センサユニット5の支持部23への挿入により、例えば、図1(d)に示すように、センサユニット5の端子52は、リードフレーム73と接触するように重なり合い、端子53は、リードフレーム71と接触するように重なり合い、端子54は、リードフレーム70と接触するように重なり合う。この重なり合った部分を溶接することにより、例えば、図1(d)に示すように、端子52とリードフレーム73が重なり合う部分に結合部520が形成され、端子53とリードフレーム71が重なり合う部分に結合部530が形成され、端子54とリードフレーム70が重なり合う部分に結合部540が形成される。
【0034】
また、センサユニット6の支持部24への挿入により、例えば、図1(e)に示すように、センサユニット6の端子62は、リードフレーム72と接触するように重なり合い、端子63は、リードフレーム71と接触するように重なり合い、端子64は、リードフレーム70と接触するように重なり合う。この重なり合った部分を溶接することにより、例えば、図1(e)に示すように、端子62とリードフレーム72が重なり合う部分に結合部620が形成され、端子63とリードフレーム71が重なり合う部分に結合部630が形成され、端子64とリードフレーム70が重なり合う部分に結合部640が形成される。
【0035】
磁気センサIC410は、例えば、ホール素子、MR素子(Magneto Resistive Device)等の磁場の強さに応じた検出信号を出力する素子を備えている。本実施の形態に係る磁気センサIC410は、一例として、ホール素子を備えている。
【0036】
磁気センサIC410の本体411は、一例として、ホール素子、磁気センサIC410から出力される検出信号の増幅等の処理を行う処理回路、及び端子42〜端子44と共にエポキシ樹脂等を用いて封止されて形成される。
【0037】
端子42〜端子44は、例えば、アルミニウム、銅等の導電性を有する金属材料、又は、真鍮等の合金材料を用いて形成される。また、端子42〜端子44は、例えば、その表面に、錫、ニッケル、金、銀等の金属材料を用いたメッキ処理が施されていても良い。この端子42〜端子44は、例えば、板形状を有するが、これに限定されず、円柱形状等であっても良い。
【0038】
端子42〜端子44は、例えば、その先端がクランク形状におよそ90度曲げられている。この曲げられた部分が、本体2の開口220に露出するリードフレーム70、リードフレーム71及びリードフレーム74と接触するように構成されている。
【0039】
端子42は、例えば、リードフレーム74、接続部300及び端子36を介して車両のECUに検出信号を出力する。
【0040】
端子43は、例えば、端子33、接続部300及びリードフレーム71を介して電圧が供給される。
【0041】
端子44は、例えば、リードフレーム70、接続部300及び端子32を介して車両の接地回路と電気的に接続される。
【0042】
また、センサユニット5の端子52は、例えば、リードフレーム73、接続部300及び端子35を介して車両のECUに検出信号を出力する。
【0043】
センサユニット5の端子53は、例えば、端子33、接続部300及びリードフレーム71を介して電圧が供給される。
【0044】
センサユニット5の端子54は、例えば、リードフレーム70、接続部300及び端子32を介して車両の接地回路と電気的に接続される。
【0045】
また、センサユニット6の端子62は、例えば、リードフレーム72、接続部300及び端子34を介して車両のECUに検出信号を出力する。
【0046】
センサユニット6の端子63は、例えば、端子33、接続部300及びリードフレーム71を介して電圧が供給される。
【0047】
センサユニット6の端子64は、例えば、リードフレーム70、接続部300及び端子32を介して車両の接地回路と電気的に接続される。
【0048】
つまり、センサユニット4の端子43、センサユニット5の端子53、及びセンサユニット6の端子63は、例えば、共通のリードフレーム71と電気的に接続される。また、センサユニット4の端子44、センサユニット5の端子54、及びセンサユニット6の端子64は、例えば、共通のリードフレーム70と電気的に接続される。
【0049】
コア400は、例えば、板形状を有する複数の板状コアが重ねられたものである。コア400は、例えば、パーマロイ、電磁鋼板、フェライト等の軟磁性体材料を用いて形成される。
【0050】
また、コア400は、例えば、図2(b)に示すように、リング形状となる側面を正面とすると、リングの一部が欠けた形状を有する。その欠けた部分の端部401と端部402により、例えば、開口403が形成されている。磁気センサIC410は、この開口403に挿入される。この挿入は、磁気センサIC410のホール素子が配置される領域が端部401と端部402とに挟まれるように行われる。そして、センサユニット4は、例えば、このコア400と磁気センサIC410の位置関係を保持したまま、インサート成形される。
【0051】
・リードフレーム70〜リードフレーム74の構成
リードフレーム70〜リードフレーム74は、例えば、細長い板形状に形成されている。また、リードフレーム70〜リードフレーム74は、例えば、アルミニウム、銅等の導電性を有する金属材料、又は、真鍮等の合金材料を用いて形成される。なお、リードフレーム70〜リードフレーム74は、例えば、その表面に、錫、ニッケル、金、銀等の金属材料を用いたメッキ処理が施されていても良い。なお、リードフレーム70〜リードフレーム74は、例えば、直線形状に形成されることが好ましい。リードフレーム70〜リードフレーム74を直線形状とすることにより、電流センサ1の構成が簡単となり、製造コストを抑制することが可能となる。
【0052】
リードフレーム70は、例えば、図1(b)に示すように、直線形状となるように構成されている。リードフレーム70は、例えば、コネクタ部3の接続部300を介して端子32と電気的に接続されている。また、リードフレーム70は、例えば、開口220、開口230及び開口240に露出している。
【0053】
リードフレーム71は、例えば、図1(b)に示すように、直線形状となるように構成されている。リードフレーム71は、例えば、コネクタ部3の接続部300を介して端子33と電気的に接続されている。また、リードフレーム71は、例えば、開口220、開口230及び開口240に露出している。
【0054】
リードフレーム72は、例えば、図1(b)及び(e)に示すように、センサユニット6と接続されるため、開口240に露出するように、直線形状の部分と、クランク形状の部分と、とを組み合わせて構成されている。リードフレーム72は、例えば、コネクタ部3の接続部300を介して端子34と電気的に接続されている。
【0055】
リードフレーム73は、例えば、図1(b)及び(d)に示すように、センサユニット5と接続されるため、開口230に露出するように、直線形状の部分と、クランク形状の部分と、とを組み合わせて構成されている。リードフレーム73は、例えば、コネクタ部3の接続部300を介して端子35と電気的に接続されている。
【0056】
リードフレーム74は、例えば、図1(b)及び(c)に示すように、センサユニット4と接続されるため、開口220に露出するように、直線形状の部分と、クランク形状の部分と、とを組み合わせて構成されている。リードフレーム74は、例えば、コネクタ部3の接続部300を介して端子36と電気的に接続されている。
【0057】
ここで、電流センサ1は、一例として、車両に搭載される三相モータのU相の電流I、V相の電流I、及びW相の電流Iの電流値を測定するものである。具体的には、電流センサ1は、例えば、U相の電流をセンサユニット4で測定し、V相の電流をセンサユニット5で測定し、W相の電流をセンサユニット6で測定するように構成されている。なお、この三相モータとは、例えば、ハイブリッド車両等の駆動源として用いられるものであり、120°ずつ位相が異なるU相の電流I、V相の電流I、及びW相の電流Iが流れる。
【0058】
(実施の形態の効果)
本実施の形態に係る電流センサ1は、コアと磁気センサICを一体としたセンサユニットを容易に取り付けることができるので、センサユニットの仕様の変更等に柔軟に対応することができる。例えば、センサユニット4は、コア400と磁気センサIC410とを一体として形成される。磁気センサIC410又はコア400の仕様が変更された場合であっても、センサユニットの外形を同じ形状とすることにより、容易に本体2に取り付けることが可能となる。また、電流センサ1は、センサユニットが変更されても、リードフレーム70〜リードフレーム74を取り付けるセンサユニットに合わせて加工する必要がないので、電流センサ1の構成が簡単となり、製造コストを抑制することができる。
【0059】
本実施の形態に係る電流センサ1は、センサユニットの外形と端子の位置を共通化することにより、さまざまな仕様に容易に対応することが可能である。また、電流センサ1の構造が簡単であることから、電流センサ1の信頼性が高くなる。さらに、センサユニットを共通化することにより、電流センサの仕様に合わせてセンサユニットを製造する必要がなくなることから、センサユニットの生産量が増え、電流センサ1の製造コストを下げることが可能となる。
【0060】
本実施の形態に係る電流センサ1は、センサユニット4〜センサユニット6とリードフレーム70〜リードフレーム74とを溶接により電気的に接続するので、はんだを用いて回路基板にセンサユニットを取り付ける場合と比べて、耐熱性を向上させることができる。回路基板にセンサユニットを取り付ける場合、例えば、回路基板の配線、はんだ、及びセンサユニットの端子の材料が異なるため、その熱膨張差が大きくなる。そして、この熱膨張の差に起因する熱歪により、電流センサが故障する場合がある。しかし、本実施の形態に係る電流センサ1は、はんだではなく、溶接によりセンサユニット4〜センサユニット6とリードフレーム70〜リードフレーム74とを電気的に接続するので、耐熱性は、センサユニットの端子とリードフレームの材料の耐熱性に依存する。センサユニットの端子とリードフレームの熱膨張差は、はんだを用いる場合と比べて小さいので、電流センサ1の耐熱性が向上することとなる。
【0061】
以上、本発明のいくつかの実施の形態を説明したが、これらの実施の形態は、一例に過ぎず、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。これら新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更等を行うことができる。また、これら実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない。さらに、これら実施の形態は、発明の範囲及び要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0062】
1…電流センサ、2…本体、3…コネクタ部、4〜6…センサユニット、20…基部、21…設置面、22…支持部、22a…凸部、22b…開口、22c…凸部、22d…開口、23…支持部、23a…凸部、23b…開口、23c…凸部、23d…開口、24…支持部、24a…凸部、24b…開口、24c…凸部、24d…開口、31…コネクタ開口、32〜36…端子、40…本体、41a…爪部、41b…爪部、42〜44…端子、50…本体、51a…爪部、52〜54…端子、60…本体、61a…爪部、62〜64…端子、70〜74…リードフレーム、220、230、240…開口、300…接続部、400…コア、401、402…端部、403…開口、410…磁気センサIC、411…本体、420、430、440…結合部、520、530、540…結合部、620、630、640…結合部
図1
図2