(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来、粉体あるいは粒体からなる被計量物を袋等の容器に充填する装置として、パッカースケールと呼ばれる計量装置がある。
【0003】
このような計量装置では、ロードセルに支持された計量ホッパへ被計量物が上方から供給されて、その被計量物の重量が計量される。この計量ホッパへの被計量物の供給は、計量ホッパの上方に配設された供給装置から被計量物が排出されることにより行われる。供給装置から排出される被計量物は自重により落下して計量ホッパへ供給される。そして計量装置の制御器では、供給装置から被計量物が排出された後、所定時間(tw)経過後にロードセルの出力信号に基づいて計量ホッパ内の被計量物の重量を算出するようにしている。ここで、上記所定時間twは、被計量物が供給されてからロードセルの出力信号が安定するために要する時間、すなわち計量安定待ち時間である。
【0004】
このような計量装置における供給装置では、上下方向に長い筒体と、筒体の下端の開口部を開閉するカットゲートとを有し、被計量物が充填された筒体の下端の開口部をカットゲートによって開閉することにより、筒体内の被計量物が落下して計量ホッパへ供給されるように構成されている。
【0005】
例えば、特許文献1、2には、カットゲートの直下に配置された計量ホッパを3〜4個のロードセルで吊り下げ支持するようにした構成が記載されている。また、特許文献3には、1個のロードセルで計量ホッパの側面を片持ち支持した構成が記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のような計量装置において、計量ホッパの排出ゲートの駆動部品(軸受部、リンク機構置)及びロードセル等から生じる異物(摩耗粉等)が被計量物へ混入しないようにすることが重要である。
【0008】
また、計量装置においては、計量精度及び生産性の向上を図ることが重要である。生産性を向上させるためには、計量時間を短縮しなければならない。ここで、計量時間とは、前述の計量安定待ち時間と、計量安定待ち時間経過直後の重量算出時間との合計である。重量算出時間は、計量安定待ち時間経過直後のロードセルの出力信号に基づいて計量ホッパ内の被計量物の重量を算出するために要する時間である。この時間は極めて短時間であり、計量時間のうちの大部分が計量安定待ち時間によって占められる。
【0009】
特許文献1、2の構成では、計量ホッパの排出ゲートの駆動部品及びロードセル等から生じる異物が被計量物へ混入しないようにすることについては考慮されていない。また、特許文献1、2の構成では、計量ホッパを吊り下げ支持しているロードセルは、計量ホッパの上方のカットゲートより高い位置に支持されているため、ロードセルと計量ホッパとを連結する連結部分が非常に長くなっている。このように連結部分が長いと、被計量物の落下時の衝撃による計量ホッパの振動(揺れ)が大きくなり、その振動が静まるのに長い時間を要し、計量安定待ち時間及び計量時間を短縮することができない。
【0010】
また、特許文献3の構成では、1個のロードセルで計量ホッパの側面を片持ち支持しているため、被計量物の落下時の衝撃による計量ホッパの振動(揺れ)が大きくなり、その振動が静まるのに長い時間を要し、計量安定待ち時間及び計量時間を短縮することができない。また、例えば大量(大きな重量)の被計量物を1個のロードセルで計量すると、高容量のロードセルを用いなければならないため、計量精度の向上を図る上で、好ましくない。また、特許文献3の構成では、ロードセルと、計量ホッパの排出ゲートのリンク機構及び駆動装置とが、それぞれ、ホッパ本体に対して異なる側方に配置されているため、無駄な空間が多くなり、計量装置全体のコンパクト化を図る上で好ましくない。
【0011】
また、特許文献1〜3のいずれの場合も、上述のように計量安定待ち時間が長くなるため、強制的に計量時間を短く設定して生産性を向上させようとすれば、計量精度が低下することになる。
【0012】
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、計量精度の向上を図ることができるとともに、計量ホッパの排出ゲートの駆動部品及びロードセルから生じる異物が被計量物へ混入するのを防止することができ、さらに装置全体のコンパクト化を図ることができる計量装置を提供することを目的としている。また、本発明は、計量安定待ち時間及び計量時間を短縮し、生産性の向上を図ることができる計量装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本発明のある形態(aspect)に係る計量装置は、上方から落下して供給される被計量物を一時保持した後、下方へ排出する計量ホッパと、前記計量ホッパを吊り下げ支持する第1〜第4のロードセルと、前記ロードセルの出力信号に基づいて前記計量ホッパ内の被計量物の重量を算出する重量算出手段とを備え、前記計量ホッパは、平面視において方形である角筒状のホッパ本体と、前記ホッパ本体の底部をなし、前記底部が2つに分割されてなる第1及び第2排出ゲートと、平面視において前記第1及び第2排出ゲートの並び方向と平行な前記ホッパ本体の側面に固定され、前記第1及び第2排出ゲートを開閉駆動する駆動装置と、前記第1排出ゲートに固定され前記駆動装置へとつながる第1ゲート回動軸と、前記第2排出ゲートに固定され前記駆動装置へとつながる第2ゲート回動軸と、前記第1排出ゲートから離れて、前記第1ゲート回動軸の一端側及び他端側に設けられ前記第1ゲート回動軸を回動自在に支持する第1及び第2軸受部と、前記第2排出ゲートから離れて、前記第2ゲート回動軸の一端側及び他端側に設けられ前記第2ゲート回動軸を回動自在に支持する第3及び第4軸受部と、各々、前記ホッパ本体に固定され、平面視において方形の頂点に配置されて前記第1〜第4のロードセルに吊り下げられる第1〜第4の吊り部とを有するように構成され、前記計量ホッパ及び前記第1〜第4のロードセルが配置される領域を、前記ホッパ本体と前記第1及び第2排出ゲートとが配置される第1の領域と、前記第1の領域を間に挟んで前記第1の領域の一方側の領域及び他方側の領域となる第2の領域及び第3の領域とに区画するとともに、複数の貫通孔が形成された隔壁をさらに備え、前記第2の領域には、前記駆動装置、前記第1軸受部、前記第3軸受部、前記第1及び第2の吊り部及び前記第1及び第2のロードセルが配置されており、前記第3の領域には、前記第2軸受部、前記第4軸受部、前記第3及び第4の吊り部及び前記第3及び第4のロードセルが配置されており、前記隔壁に形成された各貫通孔には、前記第1ゲート回動軸及び前記第2ゲート回動軸が非接触状態で貫通するよう構成されている。
【0014】
この構成によれば、被計量物が供給されるホッパ本体が配置される第1の領域とは隔壁によって区画された第2の領域に、駆動装置、第1軸受部、第3軸受部、及び第1、第2のロードセル等が配置され、上記第1の領域とは隔壁によって区画された第3の領域に、第2軸受部、第4軸受部、及び第3、第4のロードセル等が配置されているため、駆動装置及び第1〜第4軸受部等の排出ゲートの駆動部品及びロードセルから生じる異物が被計量物へ混入するのを防止することができる。
【0015】
また、ホッパ本体が配置される第1の領域を間に挟むように第2の領域と第3の領域とが設けられ、駆動装置、第1軸受部及び第3軸受部が配置される第2の領域に第1及び第2のロードセルが配置されるとともに、第2軸受部及び第4軸受部が配置される第3の領域に第3及び第4のロードセルが配置されているため、装置全体のコンパクト化を図ることができる。また、4個のロードセルによって計量ホッパが吊り下げ支持されているため、各ロードセルに小容量のものを用いて、計量精度の向上を図ることが可能である。
【0016】
また、本発明の他の形態に係る計量装置は、上方から落下して供給される被計量物を一時保持した後、下方へ排出する計量ホッパと、前記計量ホッパを吊り下げ支持する第1〜第4のロードセルと、前記ロードセルの出力信号に基づいて前記計量ホッパ内の被計量物の重量を算出する重量算出手段とを備え、前記計量ホッパは、平面視において方形である角筒状のホッパ本体と、前記ホッパ本体の底部をなし、前記底部が2つに分割されてなる第1及び第2排出ゲートと、平面視において前記第1及び第2排出ゲートの並び方向と平行な前記ホッパ本体の2つの異なる側面に固定され、それぞれ協働して前記第1及び第2排出ゲートを開閉駆動する第1及び第2駆動装置と、前記第1排出ゲートに固定され、一端が前記第1駆動装置へとつながり他端が前記第2駆動装置へとつながる第1ゲート回動軸と、前記第2排出ゲートに固定され、一端が前記第1駆動装置へとつながり他端が前記第2駆動装置へとつながる第2ゲート回動軸と、前記第1排出ゲートから離れて、前記第1ゲート回動軸の一端側及び他端側に設けられ前記第1ゲート回動軸を回動自在に支持する第1及び第2軸受部と、前記第2排出ゲートから離れて、前記第2ゲート回動軸の一端側及び他端側に設けられ前記第2ゲート回動軸を回動自在に支持する第3及び第4軸受部と、各々、前記ホッパ本体に固定され、平面視において方形の頂点に配置されて前記第1〜第4のロードセルに吊り下げられる第1〜第4の吊り部とを有するように構成され、前記計量ホッパ及び前記第1〜第4のロードセルが配置される領域を、前記ホッパ本体と前記第1及び第2排出ゲートとが配置される第1の領域と、前記第1の領域を間に挟んで前記第1の領域の一方側の領域及び他方側の領域となる第2の領域及び第3の領域とに区画するとともに、複数の貫通孔が形成された隔壁をさらに備え、前記第2の領域には、前記第1駆動装置、前記第1軸受部、前記第3軸受部、前記第1及び第2の吊り部及び前記第1及び第2のロードセルが配置されており、前記第3の領域には、前記第2駆動装置、前記第2軸受部、前記第4軸受部、前記第3及び第4の吊り部及び前記第3及び第4のロードセルが配置されており、前記隔壁に形成された各貫通孔には、前記第1ゲート回動軸及び前記第2ゲート回動軸が非接触状態で貫通するよう構成されている。
【0017】
この構成によれば、被計量物が供給されるホッパ本体が配置される第1の領域とは隔壁によって区画された第2の領域に、第1駆動装置、第1軸受部、第3軸受部、及び第1、第2のロードセル等が配置され、上記第1の領域とは隔壁によって区画された第3の領域に、第2駆動装置、第2軸受部、第4軸受部、及び第3、第4のロードセル等が配置されているため、第1、第2駆動装置及び第1〜第4軸受部等の排出ゲートの駆動部品及びロードセルから生じる異物が被計量物へ混入するのを防止することができる。
【0018】
また、ホッパ本体が配置される第1の領域を間に挟むように第2の領域と第3の領域とが設けられ、第1駆動装置、第1軸受部及び第3軸受部が配置される第2の領域に第1及び第2のロードセルが配置されるとともに、第2駆動装置、第2軸受部及び第4軸受部が配置される第3の領域に第3及び第4のロードセルが配置されているため、装置全体のコンパクト化を図ることができる。また、4個のロードセルによって計量ホッパが吊り下げ支持されているため、各ロードセルに小容量のものを用いて、計量精度の向上を図ることが可能である。
【0019】
さらに、第1ゲート回動軸及び第2ゲート回動軸のそれぞれの一端が第1駆動装置につながれ、それぞれの他端が第2駆動装置につながれて、第1排出ゲート及び第2排出ゲートの各々が第1及び第2の2つの駆動装置によって開閉駆動されるように構成されている。すなわち、第1ゲート回動軸及び第2ゲート回動軸には、それぞれ両端から回動力が加えられることにより、いずれか一端のみから回動力が加えられる場合に比べ、それぞれの軸自体にねじれが生じることがなく、第1及び第2排出ゲートの開閉動作を確実かつ高速に行うことができる。
【0020】
また、上記の計量装置において、前記ロードセルは、前記吊り部の直上で、かつ前記ホッパ本体の上端と実質同じ高さの位置に配置されていてもよい。
【0021】
この構成によれば、計量ホッパの上方のカットゲートより高い位置に支持されたロードセルで計量ホッパを吊り下げ支持するようにした従来の構成に比べて、ロードセルと計量ホッパとを連結する部分の長さが短いため、被計量物の落下時の衝撃による計量ホッパの振動(揺れ)が小さく、その振動を短時間で終息させることができ、計量安定待ち時間及び計量時間を短縮し、生産性の向上を図ることができる。
【0022】
また、前記計量ホッパの直上に配設された供給装置をさらに備え、前記供給装置は、上下方向に延在するように設けられ、内部に被計量物が充填される筒体と、前記筒体の下端の開口部の開閉に用いられ、前記開口部を開いたときに前記筒体内に充填されている被計量物を前記開口部から前記計量ホッパへ連続して落下させ、前記開口部を閉じるときに前記連続して落下している被計量物の流れを横断するようにして断ち切って前記開口部を閉じるためのカットゲートとを有するように構成され、前記ロードセルは、前記吊り部の直上で、かつ前記カットゲートの上端より低い位置に配置されていてもよい。
【0023】
この構成によれば、計量ホッパの上方のカットゲートより高い位置に支持されたロードセルで計量ホッパを吊り下げ支持するようにした従来の構成に比べて、ロードセルと計量ホッパとを連結する部分の長さが短いため、被計量物の落下時の衝撃による計量ホッパの振動(揺れ)が小さく、その振動を短時間で終息させることができ、計量安定待ち時間及び計量時間を短縮し、生産性の向上を図ることができる。
【0024】
また、本発明のさらに他の形態に係る計量装置は、上方から落下して供給される被計量物を一時保持した後、下方へ排出する計量ホッパと、前記計量ホッパを吊り下げ支持する第1〜第4のロードセルと、前記ロードセルの出力信号に基づいて前記計量ホッパ内の被計量物の重量を算出する重量算出手段と、前記計量ホッパの直上に配設された供給装置とを備え、前記供給装置は、上下方向に延在するように設けられ、内部に被計量物が充填される筒体と、前記筒体の下端の開口部の開閉に用いられ、前記開口部を開いたときに前記筒体内に充填されている被計量物を前記開口部から前記計量ホッパへ連続して落下させ、前記開口部を閉じるときに前記連続して落下している被計量物の流れを横断するようにして断ち切って前記開口部を閉じるためのカットゲートとを有するように構成され、前記計量ホッパは、平面視において方形である角筒状のホッパ本体と、前記ホッパ本体の底部をなし、前記底部が2つに分割されてなる第1及び第2排出ゲートと、各々、前記ホッパ本体に固定され、平面視において方形の頂点に配置されて前記第1〜第4のロードセルに吊り下げられる第1〜第4の吊り部とを有するように構成され、前記ロードセルは、前記吊り部の直上で、かつ前記カットゲートの上端より低い位置に配置されている。
【0025】
この構成によれば、計量ホッパの上方のカットゲートより高い位置に支持されたロードセルで計量ホッパを吊り下げ支持するようにした従来の構成に比べて、ロードセルと計量ホッパとを連結する部分の長さが短いため、被計量物の落下時の衝撃による計量ホッパの振動(揺れ)が小さく、その振動を短時間で終息させることができ、計量安定待ち時間及び計量時間を短縮し、生産性の向上を図ることができる。また、4個のロードセルによって計量ホッパが吊り下げ支持されているため、各ロードセルに小容量のものを用いて、計量精度の向上を図ることが可能である。
【発明の効果】
【0026】
本発明は、以上に説明した構成を有し、計量精度の向上を図ることができるとともに、計量ホッパの排出ゲートの駆動部品及びロードセルから生じる異物が被計量物へ混入するのを防止することができ、さらに装置全体のコンパクト化を図ることができる計量装置を提供することができるという効果を奏する。また、計量安定待ち時間及び計量時間を短縮し、生産性の向上を図ることができる計量装置を提供することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下では全ての図面を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。また、本発明は、以下の実施形態に限定されない。
【0029】
(実施形態)
図1(a)は、本発明の実施形態の一構成例の計量装置を正面から見た概略模式図であり、
図1(b)は、同計量装置を側方から見た概略模式図である。また、
図1(c)は、同計量装置の主要部を上方から見た概略平面図である。なお、以下では、説明の便宜上、例えば
図1(c)に示すように、「前」、「後」、「左」及び「右」を決めている。そして、前後あるいは左右に配設された同等の機能を有する構成要素については同一符号を付しているものもある。
【0030】
この計量装置は、計量ホッパ1と、計量ホッパ1を吊り下げ支持する4個のロードセルLC1、LC2、LC3、LC4と、制御器2(
図3参照)とを備えている。ロードセルLC1〜LC4は、それぞれロードセル載置台19に適宜の固定手段によって固定されている。
【0031】
さらに、この計量装置では、計量ホッパ1の直上に、例えば
図1(b)に示すような、計量ホッパ1へ被計量物を供給する供給装置61が配設されている。本例では、供給装置61も計量装置に含まれるものとするが、これに限られない。被計量物としては、粉体(洗剤、肥料等)あるいは粒体(樹脂ペレット、穀物、飼料等)等である。
【0032】
この供給装置61は、鉛直方向(上下方向)に立設する円筒状の筒体62と、この筒体62の下端の開口部62aを開閉するための一対のカットゲート63c、63dとを備えている。筒体62には、上方から供給される被計量物がその内部に充填される。カットゲート63c、63dは、回動軸63a、63bに固定されており、この回動軸63a、63bがそれぞれ、例えばACサーボモータ(図示せず)の駆動力を用いて回動することにより、開閉動作するように構成されている。すなわち、カットゲート63c、63dはそれぞれ、矢印c、dの方向に回動されることにより開いた状態となり、この開いた状態のときに、筒体62内に充填されている被計量物を下端開口部62aから連続して落下させ、計量ホッパ1へ供給する。また、カットゲート63c、63dは、開いた状態から、それぞれ矢印c、dとは逆方向に回動されることにより閉じた状態(図示された状態)となる。すなわち、カットゲート63c、63dは、その底部が円弧を描くように揺動し、開いた状態から閉じた状態となるときには、底部が筒体62内から自重落下する被計量物の流れを両側から横断するようにして断ち切って、下端開口部62aを閉じる(下端開口部62aに蓋をする)。
【0033】
また、計量ホッパ1の下方には、例えば、計量ホッパ1から排出される被計量物を受けて、包装機(図示せず)へ供給するためのファネル20が配設されている。
【0034】
計量ホッパ1は、平面視において方形である角筒状のホッパ本体11と、ホッパ本体11の下端の開口部を開閉する一対の排出ゲート12a、12bと、排出ゲート12a、12bの開閉動作を行わせるロータリアクチュエータ21a、21bとを有している。
【0035】
ホッパ本体11には、その前後の側壁の外側に取付け板連結部14a、14bが適宜の固定手段により固定され、各取付け板連結部14a、14bに取付け板15が適宜の固定手段により固定され、さらに各取付け板15にL型取付け板16が固定されている。L型取付け板16は水平面部分16aと垂直面部分16bとを有し、垂直面部分16bが取付け板15に例えば溶接等により固定されている。
【0036】
ここで、一対の排出ゲート(第1、第2排出ゲート)12a、12bのホッパ本体11への取付け構造について説明する。排出ゲート12a、12bはそれぞれ第1、第2ゲート回動軸27a、27bに適宜の固定手段29により固定され、公知のトグル機構を用いたリンク部を介してロータリアクチュエータ21a、21bに連結されている。具体的には、右側の第1ゲート回動軸27aは、前後の取付け板15の所定位置に取り付けられた第1、第2軸受部28A、28Bによって両側の端部が回動自在に支持されている。左側の第2ゲート回動軸27bは、前後の取付け板15の所定位置に取り付けられた第3、第4軸受部28C、28Dによって両側の端部が回動自在に支持されている。第1〜第4軸受部28A〜28Dはそれぞれベアリングで構成され、排出ゲート12a、12bはそれぞれ矩形の板状の部材で構成されている。
【0037】
前後の取付け板15は前述のように、取付け板連結部14a、14bを介してホッパ本体11に固定されている。また、第1、第2駆動装置を構成する2つのロータリアクチュエータ21a、21bは前後の取付け板15に固定されている。そして、ロータリアクチュエータ21a、21bのそれぞれの回転軸22にはアーム部23の中央部が固定されている。アーム部23の両側の端部には、それぞれ連結棒24の一端が回動自在に取り付けられ、連結棒24の他端には、連結部材25の上端が回動自在に取り付けられている。連結部材25の下端には、例えばボルト等(図示せず)によって第1、第2ゲート回動軸27a、27bを挟持した一対の挟持部材26が固定されている。ここでは、連結部材25は、一対の挟持部材26のうちの上側の挟持部材26と一体的に形成されている。
【0038】
以上の構成により、
図1(a)に示す前側のロータリアクチュエータ21aの回転軸22が例えば左回りに所定角度回動することにより、上記リンク部を介して各ゲート回動軸27a、27bが回動し、それにより、排出ゲート12a、12bが矢印a、bの方向へ回動して排出ゲート12a、12bが開かれる。排出ゲート12a、12bが閉じられる場合は、逆の動作が行われる。なお、前側と後側の2つのロータリアクチュエータ21a、21bは、制御器2(
図3参照)により制御されており、排出ゲート12a、12bを同時に開くあるいは閉じるように同期して駆動される。
【0039】
また、
図1(c)に示すように、左右の隔壁56、57と前後の内側の隔壁53、54とで区画された第1の領域(空間)Pに、ホッパ本体11が配置されている。また、左右の隔壁56、57と前方の外側及び内側の隔壁52、53とで区画された第2の領域(空間)Qには、排出ゲート12a、12bの駆動部品である前側のロータリアクチュエータ21a及びそれにつながるリンク部材(23〜26)及び第1、第3軸受部28A,28Cと、ロードセルLC1,LC2及びそれに吊り下げられる吊り部17等が配置されている。左右の隔壁56、57と後方の内側及び外側の隔壁54、55とで区画された第3の領域(空間)Rには、排出ゲート12a、12bの駆動部品である後側のロータリアクチュエータ21b及びそれにつながるリンク部材(23〜26)及び第2、第4軸受部28B,28Dと、ロードセルLC3,LC4及びそれに吊り下げられる吊り部17等が配置されている。また、ホッパ本体11の前後の隔壁53、54には、左右の第1、第2ゲート回動軸27a、27bがそれぞれ非接触状態で貫通する貫通孔H1〜H4と、取付け板連結部14a、14bがそれぞれ非接触状態で貫通する貫通孔H5、H6とが設けられている。なお、前後2つの外側の隔壁52、55の一部は、着脱可能なカバー部材58によって構成されている。
【0040】
次に、計量ホッパ1は4個のロードセルLC1〜LC4によって吊り下げ支持されているが、この支持構造について説明する。
【0041】
図1(c)に示されるように、前側の2個のロードセルLC1、LC2は、平面視において、方形のホッパ本体11の四隅の外側の近傍の第2の領域Qに配置され、後側の2個のロードセルLC3、LC4は、平面視において、方形のホッパ本体11の四隅の外側の近傍の第3の領域Rに配置されている。
【0042】
各々のロードセルLC1〜LC4によるホッパ本体11の吊り下げ支持構造は同様であるので、ここでは、1つのロードセルLC1について、
図2(a)〜
図2(c)を参照して説明する。
図2(a)は、計量装置を正面から見たときのロードセルLC1の取付け構造を示す図であり、
図2(b)は、同ロードセルLC1を矢印e方向から見た概略模式図であり、
図2(c)は、同ロードセルLC1を上方から見た概略平面図である。
【0043】
ロードセルLC1は、ロードセル台座42に固定されている。ロードセル台座42は、基礎部42aとストッパ取付け部42bと設置部42cとを有し、それらが一体的に構成されている。設置部42cにロードセルLC1がボルト等によって固定され、ストッパ取付け部42bに過負荷防止用のストッパ43が取り付けられている。
【0044】
ロードセル台座42は、ロードセル載置台19にボルト等の固定手段(図示せず)によって固定され、ロードセル載置台19は、アングル部材31及び垂直部材32を介して水平板51に固定されている。例えば、水平板51とアングル部材31と垂直部材32とは溶接によって固定され、2つの垂直部材32の下端にロードセル載置台19がボルト等によって固定されている。水平板51は、
図1(a)、(b)に示すように、隔壁52〜54に支持され、ホッパ本体11の上方部分が開口されている。
【0045】
なお、ロードセルLC1がロードセル台座42上に固定されたロードセルユニットを用い、このロードセルユニットをロードセル載置台19に固定するようにしてもよい。
【0046】
各ロードセルLC1の一端の荷重印加部41には吊り下げ部材18が取り付けられている。この吊り下げ部材18には、上下に2つの貫通穴18a、18bが設けられている。上の貫通穴18aがロードセルLC1の荷重印加部41に引っ掛けられることにより、ロードセルLC1に吊り下げ部材18が取り付けられている。下の貫通穴18bに吊り部17の上部が引っ掛けられている。
【0047】
吊り部17は、その下部がL型取付け板16の水平面部分16aに設けられた貫通穴を貫通し、ナット等の適宜の固定手段によってL型取付け板16の水平面部分16aに固定されている。各L型取付け板16は、前述のように、取付け板15及び取付け板連結部14a、14bを介してホッパ本体11に固定されている。すなわち、各ロードセルLC1〜LC4に対応する各吊り部17は、L型取付け板16、取付け板15及び取付け板連結部14a、14bを介してホッパ本体11に固定されている。この4個の吊り部17は、平面視において方形の頂点に位置するように設けられ、各吊り部17の直上に各ロードセルLC1〜LC4が配置されている。すなわち、4個の吊り部17及び4個のロードセルLC1〜LC4の荷重印加部41は、平面視において、ホッパ本体11の方形(第1の方形)の各辺と平行な辺からなる方形(第2の方形)の頂点に配置されている。
【0048】
上記の構成により、ホッパ本体11は4個のロードセルLC1〜LC4によって吊り下げ支持される。また、ここでは、各ロードセルLC1〜LC4の吊り下げ部材18をできるだけ短くするために、ロードセル台座42のストッパ取付け部42bの下方に切欠き部44を設け、この切欠き部44を吊り部17の上端部を配置するスペースにしている。このように、吊り下げ部材18をできるだけ短くすることによっても、ロードセルLC1〜LC4と計量ホッパ1とを連結する部分の長さを短くし、被計量物の落下時の衝撃による計量ホッパ1の振動(揺れ)を小さくし、ロードセルの出力信号の安定に要する時間(計量安定待ち時間)の短縮を図っている。
【0049】
図3は、本実施形態の計量装置の制御系統の概略を示すブロック図である。
【0050】
制御器2は、例えばマイクロコントローラ等によって構成され、CPUと、RAM及びROM等のメモリとを有している。制御器2は、CPUがメモリに記憶されている実行プログラムを実行することにより、ここでは供給装置61を含む本計量装置の制御を行い、重量算出手段としても機能する。なお、制御器2は、集中制御する単独の制御装置によって構成されていてもよいし、互いに協働して分散制御する複数の制御装置によって構成されていてもよい。
【0051】
制御器2には、計量ホッパ1を支持するロードセルLC1〜LC4からの出力信号が周知の信号処理回路(アンプ、A/D変換器等;図示せず)を経て入力され、それらの出力信号に基づいて制御器2は計量ホッパ1に保持されている被計量物の重量を算出する。ここで、言うまでもなく、4個のロードセルLC1〜LC4の各出力信号が示す値の合計値が計量ホッパ1に保持されている被計量物の重量に対応する。
【0052】
制御器2は、駆動回路(図示せず)を介して例えばACサーボモータを制御することによりカットゲート63c、63dの開閉動作を制御する(すなわち供給装置61を制御する)。また、駆動回路(図示せず)を介してロータリアクチュエータ21a、21bを制御することにより排出ゲート12a、12bの開閉動作を制御する。
【0053】
例えば、制御器2は、予め設定された第1の所定時間の間、カットゲート63c、63dを開いて供給装置61から被計量物を排出させた後、ロードセルLC1〜LC4の出力信号に基づいて計量ホッパ1内の被計量物の重量を算出する。その後、所定のタイミングで(例えば、包装機から排出許可信号を入力した時)、予め設定された第2の所定時間の間、排出ゲート12a、12bを開いて計量ホッパ1から被計量物を排出させる。この排出された被計量物は、例えばファネル20を介して包装機へ供給される。以上の動作が、制御器2の制御によって繰り返し行われる。
【0054】
本実施形態では、被計量物が供給されるホッパ本体11が配置される第1の領域Pとは隔壁53によって区画された第2の領域Qに、ロータリアクチュエータ21a、第1軸受部28A、第3軸受部28C、及びロードセルLC1,LC2等が配置され、上記第1の領域Pとは隔壁54によって区画された第3の領域Rに、ロータリアクチュエータ21b、第2軸受部28B、第4軸受部28D、及びロードセルLC3,LC4等が配置されているため、ロータリアクチュエータ21a、21b及び第1〜第4軸受部28A〜28D等の排出ゲート12a、12bの駆動部品及びロードセルLC1〜LC4から生じる異物が被計量物へ混入するのを防止することができる。
【0055】
また、ホッパ本体11が配置される第1の領域Pを間に挟むように第2の領域Qと第3の領域Rとが設けられ、ロータリアクチュエータ21a、第1軸受部28A及び第3軸受部28Cが配置される第2の領域QにロードセルLC1,LC2が配置されるとともに、ロータリアクチュエータ21b、第2軸受部28B、第4軸受部28Dが配置される第3の領域RにロードセルLC3,LC4が配置されているため、装置全体のコンパクト化を図ることができる。また、4個のロードセルLC1〜LC4によって計量ホッパ1が吊り下げ支持されているため、各ロードセルLC1〜LC4に小容量のものを用いて、計量精度の向上を図ることが可能である。
【0056】
さらに、第1ゲート回動軸27a及び第2ゲート回動軸27bのそれぞれの一端が一方のロータリアクチュエータ21aにつながれ、それぞれの他端が他方のロータリアクチュエータ21bにつながれて、2つの排出ゲート12a、12bの各々が2つのロータリアクチュエータ21a、21bによって開閉駆動されるように構成されている。すなわち、第1ゲート回動軸27a及び第2ゲート回動軸27bには、それぞれ両端から回動力が加えられることにより、いずれか一端のみから回動力が加えられる場合に比べ、それぞれの軸自体にねじれが生じることがなく、2つの排出ゲート12a、12bの開閉動作を確実かつ高速に行うことができるという効果が得られる。なお、2つのゲート回動軸27a、27bを1つのロータリアクチュエータのみで開閉駆動するように構成してもよいが、本実施形態のように2つのロータリアクチュエータ21a、21bを設けることにより、前述の効果が得られる。特に大量の被計量物が計量ホッパ1に供給される場合には、本実施形態のように2つのロータリアクチュエータ21a、21bを設けることが好ましい。
【0057】
また、本実施形態では、4つの吊り部17の高さ方向の取付け位置がホッパ本体11の中程の位置となるようにし、各ロードセルLC1〜LC4を、吊り部17の直上で、かつ供給装置61のカットゲート63c、63dの上端より低い位置に配置することにより、計量ホッパの上方のカットゲートより高い位置に支持されたロードセルで計量ホッパを吊り下げ支持するようにした従来の構成に比べて、ロードセルLC1〜LC4と計量ホッパ1とを連結する部分の長さが短いため、被計量物の落下時の衝撃による計量ホッパ1の振動(揺れ)が小さく、その振動を短時間で終息させることができ、計量安定待ち時間及び計量時間を短縮し、生産性の向上を図ることができる。さらに、本実施形態で例示しているように、各ロードセルLC1〜LC4を、ホッパ本体11の上端と略同じ高さ(実質同じ高さ)の位置、言い換えれば供給装置61の筒体62の下端の開口部62aと略同じ高さ(実質同じ高さ)の位置に配置することにより、ロードセルLC1〜LC4と計量ホッパ1とを連結する部分の長さを非常に短くすることができるため、被計量物の落下時の衝撃による計量ホッパ1の振動(揺れ)が非常に小さくなり、その振動をより短時間で終息させる(静める)ことができ、計量安定待ち時間及び計量時間をより短縮し、生産性のより向上を図ることができる。
【0058】
また、本実施形態の一構成例では、4個のロードセルLC1〜LC4を、
図1(c)に示すように、ロードセルLC1〜LC4の長手方向が左右方向となるように配置することにより、第2、第3の領域Q、Rを狭い領域にでき、計量装置全体のよりコンパクト化を図ることができる。
【0059】
また、本実施形態の一構成例では、4個のロードセルLC1〜LC4を、
図1(c)に示すように、ロードセルLC1〜LC4の長手方向が左右方向となるように配置したが、この配置に限られるものではない。
図4は、本実施形態において、4個のロードセルの水平方向の配置を示す他の例である。この場合、平面視において、計量ホッパ1の重心Gを中心とする放射状に4個のロードセルLC1〜LC4が配置されている。すなわち、平面視において、各ロードセルLC1〜LC4の長手方向が荷重印加部41(
図2)と計量ホッパ1の重心Gとを結ぶ直線方向と一致するように配置されている。この場合、前述の場合よりも計量ホッパ1の揺れを小さくでき、計量安定待ち時間及び計量時間をさらに短縮することが可能になる。一方、
図1(c)に示すように、ロードセルLC1〜LC4を配置した方が、第2、第3の領域Q、Rを狭くでき、計量装置全体のコンパクト化を図る点では有利である。
【0060】
なお、本実施形態では、ロードセルLC1〜LC4に、ベンディングタイプのロードセルを用いたが、これに限られるものではなく、他のタイプのロードセルを用いてもよい。