(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5762894
(24)【登録日】2015年6月19日
(45)【発行日】2015年8月12日
(54)【発明の名称】伝動用ベルト
(51)【国際特許分類】
F16G 5/16 20060101AFI20150723BHJP
【FI】
F16G5/16 G
【請求項の数】12
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2011-194649(P2011-194649)
(22)【出願日】2011年9月7日
(65)【公開番号】特開2012-233565(P2012-233565A)
(43)【公開日】2012年11月29日
【審査請求日】2014年1月31日
(31)【優先権主張番号】特願2011-95942(P2011-95942)
(32)【優先日】2011年4月22日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006068
【氏名又は名称】三ツ星ベルト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】特許業務法人梶・須原特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】河原 一智
(72)【発明者】
【氏名】伊東 武彦
【審査官】
中村 大輔
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−133551(JP,A)
【文献】
実開平06−069490(JP,U)
【文献】
特開2010−230147(JP,A)
【文献】
特開2010−249313(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16G 5/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2本のセンターベルトと、これらのセンターベルトの長手方向に沿って一定の隙間を開けて配列された複数のブロックとを有し、これらの各ブロックは、上ビーム部と下ビーム部をベルト幅方向の中央部でピラー部によって連結されるとともに、前記上下ビーム部とピラー部とによって囲まれた一対の嵌合溝が設けられ、前記センターベルトは前記嵌合溝に挿入されて、前記各ブロックのベルト長手方向位置を固定し、前記ブロックがプーリのV溝対向面に挟持された状態で、プーリに巻き掛けられて使用される伝動用ベルトにおいて、前記センターベルトの外周側に、前記各ブロックの上ビーム部間の隙間へ歯状に突出し、隙間の両側の上ビーム部に当接する上歯部を設け、前記ブロック間の間隙は、前記ブロックの長手方向厚みの1/3〜5倍に設定され、前記センターベルトの下面側の部分には、前記下ビームとの間に空間が形成されていることを特徴とする伝動用ベルト。
【請求項2】
前記センターベルトの外側端面を、前記各ブロックの外側端面に対してベルト幅方向外側に突出させた請求項1に記載の伝動用ベルト。
【請求項3】
前記各ブロックの前記上ビーム部の少なくとも上部の外側端面を、前記センターベルトが前記プーリのV溝対向面で押圧されて弾性変形したときに、前記V溝対向面と接触しないように、前記センターベルトの外側端面よりも後退させた請求項2に記載の伝動用ベルト。
【請求項4】
2本のセンターベルトと、これらのセンターベルトの長手方向に沿って一定の隙間を開けて配列された複数のブロックとを有し、これらの各ブロックは、上ビーム部と下ビーム部をベルト幅方向の中央部でピラー部によって連結されるとともに、前記上下ビーム部とピラー部とによって囲まれた一対の嵌合溝が設けられ、前記センターベルトは前記嵌合溝に挿入されて、前記各ブロックのベルト長手方向位置を固定し、前記ブロックがプーリのV溝対向面に挟持された状態で、プーリに巻き掛けられて使用される伝動用ベルトにおいて、前記センターベルトの外周側に、前記各ブロックの上ビーム部間の隙間へ歯状に突出し、隙間の両側の上ビーム部に当接する上歯部を設け、前記各ブロックのベルト幅方向の中央部に、前記2本のセンターベルト間の空間を埋めるように、前記ピラー部から互いに対向して突出する対向突出部を設けたことを特徴とする伝動用ベルト。
【請求項5】
前記対向突出部を前記各ブロックの前記上ビーム部の少なくとも一部にも連ねて設け、前記上歯部が前記プーリのV溝対向面と接触する外側端面と、前記上ビーム部に連ねた対向突出部の側面と接触する内側端面とを有する請求項4に記載の伝動用ベルト。
【請求項6】
前記センターベルトのベルトピッチラインよりも外側にある前記対向突出部の対向面を、外周側に向かって後退するテーパ面または曲面で形成した請求項5に記載の伝動用ベルト。
【請求項7】
前記対向突出部を前記各ブロックの前記下ビーム部の少なくとも一部にも連ねて設け、前記センターベルトのベルトピッチラインよりも内側にある前記対向突出部の対向面を、内周側に向かって後退するテーパ面または曲面で形成した請求項4乃至6のいずれかに記載の伝動用ベルト。
【請求項8】
前記センターベルトの内周側に、前記各ブロックの下ビーム部間の隙間へ歯状に突出する下歯部を設け、前記下歯部が前記プーリのV溝対向面と接触する外側端面と、前記下ビーム部に連ねた対向突出部の側面と接触する内側端面とを有する請求項7に記載の伝動用ベルト。
【請求項9】
前記下歯部に、ベルトの曲げ性をよくするベルト幅方向に延びる少なくとも1つの凹溝を設けた請求項8に記載の伝動用ベルト。
【請求項10】
前記センターベルトの内周面に、前記各ブロックの下ビーム部間の隙間でベルト幅方向に延びる少なくとも1つの凹溝を設けた請求項1乃至7のいずれかに記載の伝動用ベルト。
【請求項11】
前記上歯部に、ベルトの曲げ性をよくするベルト幅方向に延びる少なくとも1つの凹溝を設けた請求項1乃至10のいずれかに記載の伝動用ベルト。
【請求項12】
前記各ブロック間の隙間を、前記ブロックのベルト長手方向厚みの1/3〜5倍とした請求項4乃至11のいずれかに記載の伝動用ベルト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2本のセンターベルトの長手方向に沿って複数のブロックを一定の隙間を開けて配列した伝動用ベルトに関する。
【背景技術】
【0002】
ベルト式無段変速装置等に用いられる伝動用ベルトには、2本のセンターベルトの長手方向に沿って複数のブロックを一定の隙間を開けて配列したものがある(例えば、特許文献1参照)。センターベルトは、ベルト長手方向の張力を受ける役割を果たし、ゴム等の母材に心線を埋設したものが多い。一方、ブロックは伝動用ベルトが巻き掛けられるプーリのV溝対向面に挟持され、V溝対向面からの面圧を受ける役割を果たし、金属材料や樹脂材料等で形成されている。近年は、金属材料に比べて軽量で、ゴムに比べて比較的硬質の樹脂材料で形成したものが多い。
【0003】
ベルト式無段変速装置では、プーリのV溝の幅が連続的に変更可能とされ、各ブロックの外側端面を変更されたV溝の幅に応じた上下方向(プーリの半径方向)位置でV溝対向面に接触させることにより、変速比を無段階で変えるようになっている。
【0004】
図10に示すように、上述した伝動用ベルト1のブロック10は、上ビーム部11と下ビーム部12をベルト幅方向の中央部でピラー部13によって連結し、上下ビーム部11、12とピラー部13とによって囲まれた一対の嵌合溝14に、各センターベルト2を挿入固定したものである。ブロック10の上ビーム部11は、伝動用ベルト1がプーリに巻き掛けられたときに、長手方向に湾曲するセンターベルト2よりもプーリ外径側に位置し、下ビーム部12はセンターベルト2よりもプーリ内径側に位置する。各ブロック10の外側端面10bは、プーリのV溝対向面と接触するように、センターベルト2の外側端面2aよりも突出するように形成されている。
【0005】
図11に示すように、前記プーリ内径側に位置する下ビーム部12は、プーリへの巻き掛け部で伝動用ベルト1がプーリ内径側へ湾曲したときに互いに干渉しないように、プーリ内径側となる下側に行くほど肉厚が漸減するように形成されている。一方、プーリ外径側に位置する上ビーム部11は、上下方向に等しい肉厚で形成されている。また、センターベルト2の上下面には、それぞれ幅方向に延びる凹溝3a、3bがベルト長手方向に所定のピッチで設けられており、各ブロック10の嵌合溝14の上下面に設けられたベルト幅方向に延びる凸条15a、15bが係合されて、各ブロック10がベルト長手方向位置に固定される。通常、センターベルト2の下面の凹溝3bは、緩やかな凹湾曲面の断面とされ、これと係合する嵌合溝14の下面に設けられた下ビーム部12の凸条15bは、緩やかな凸湾曲面の断面とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−230147号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載された従来の伝動用ベルトは、ベルト長手方向に小さい隙間を開けて配列されたブロックが、ベルト走行時にがたつきを生じやすい。このため、ブロックのがたつきによって、嵌合部でブロックとセンターベルトとが擦れ合い、センターベルトが摩耗して耐久寿命が短くなる問題がある。また、ブロックのがたつきによる異音が発生したり、ブロックがベルト長手方向へ傾斜する斜行が発生したりする問題もある。
【0008】
また、従来の伝動用ベルトは、各ブロック間のベルト長手方向での隙間が小さいので、プーリへの巻き掛け部でプーリ内径側へ湾曲したときに、センターベルト下面側で各ブロックの下ビーム部の凸条間に挟まれる部分が、両側のブロックの下ビーム部によって大きな圧縮変形を受け、プーリから抜け出るときに伸張されるように、圧縮、伸張変形を繰り返す。このように圧縮、伸張変形を繰り返す下面側の部分では、センターベルトのゴムに添加されるカーボンブラック等の添加剤との内部摩擦等によって局所的に温度が上昇する。このような局所的な温度上昇が生じると、この部分のゴムが硬化して亀裂が発生したり、へたりが生じたりして、センターベルトが早期に破断する恐れがある。また、ブロックのがたつきによって、その嵌合部のセンターベルトの内周面に摩耗が生じ、センターベルトの破断を早くする。
【0009】
そこで、本発明の第1の課題は、ベルト走行時のブロックのがたつきをなくすことであり、第2の課題は、センターベルトの下面側の部分での局部的な発熱を防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明は、2本のセンターベルトと、これらのセンターベルトの長手方向に沿って一定の隙間を開けて配列された複数のブロックとを有し、これらの各ブロックは、上ビーム部と下ビーム部をベルト幅方向の中央部でピラー部によって連結されるとともに、前記上下ビーム部とピラー部とによって囲まれた一対の嵌合溝が設けられ、前記センターベルトは前記嵌合溝に挿入されて、前記各ブロックのベルト長手方向位置を固定し、前記ブロックがプーリのV溝対向面に挟持された状態で、プーリに巻き掛けられて使用される伝動用ベルトにおいて、前記センターベルトの外周側に、前記各ブロックの上ビーム部間の隙間へ歯状に突出し、隙間の両側の上ビーム部に当接する上歯部を設け
、前記ブロック間の間隙は、前記ブロックの長手方向厚みの1/3〜5倍に設定され、前記センターベルトの下面側の部分には、前記下ビームとの間に空間が形成されている構成を採用した。
【0011】
すなわち、センターベルトの外周側に、各ブロックの上ビーム部間の隙間へ歯状に突出し、隙間の両側の上ビーム部に当接する上歯部を設けることにより、ベルト走行時におけるブロックのがたつきをなくして、嵌合部でのブロックとの擦れ合い摩耗によるセンターベルトの耐久寿命の低下、異音の発生、およびブロックがベルト長手方向へ傾斜する斜行の発生を防止できるようにした。この上歯部は、ブロックの振動を吸収するダンパの役割も果たす。
また、伝動用ベルトがプーリに巻き掛けられてプーリ内径側へ湾曲するときの下ビーム部の凸条の圧縮方向変位に対する圧縮ひずみを小さくすることができ、プーリから抜け出るときの伸張変形との繰り返しによる局部的な発熱量を少なくすることができる。
【0012】
前記センターベルトの外側端面を、前記各ブロックの外側端面に対してベルト幅方向外側に突出させることにより、ゴム等で形成されたセンターベルトは、樹脂等で形成されたブロックよりも摩擦係数が大きいので、V溝対向面との面圧を低くしてもプーリとのスリップを防止して、良好な動力伝達性能を確保することができる。V溝対向面との面圧を低くすれば、ブロックの外側端面の摩耗を抑制できるとともに、ベルト走行時のブロックの斜行も抑制することができ、延いては、ブロックの嵌合溝のピラー部側面と接触するセンターベルトの内側端面の摩耗や損傷を防止することもできる。
【0013】
前記各ブロックの前記上ビーム部の少なくとも上部の外側端面を、前記センターベルトが前記プーリのV溝対向面で押圧されて弾性変形したときに、前記V溝対向面と接触しないように、前記センターベルトの外側端面よりも後退させることにより、V溝対向面からの側圧によって上ビーム部の両端部が中央部よりも上側に変位するように下向きの弓状に変形するのを防止することができる。このような弓状変形が生じると、ベルトがプーリから抜け出て弓状変形が元に戻るときに異音が発生しやすくなる。特に、ブロック間の間隔を拡げて高負荷で使用する場合は、各ブロックの上ビーム部にV溝対向面から大きな側圧が作用するため、大きな弓状変形が生じやすくなる。なお、下ビーム部はV溝対向面から側圧を受けても、センターベルトから下向きの力を受けるので、このような弓状変形はあまり生じない。
【0014】
本発明は、2本のセンターベルトと、これらのセンターベルトの長手方向に沿って一定の隙間を開けて配列された複数のブロックとを有し、これらの各ブロックは、上ビーム部と下ビーム部をベルト幅方向の中央部でピラー部によって連結されるとともに、前記上下ビーム部とピラー部とによって囲まれた一対の嵌合溝が設けられ、前記センターベルトは前記嵌合溝に挿入されて、前記各ブロックのベルト長手方向位置を固定し、前記ブロックがプーリのV溝対向面に挟持された状態で、プーリに巻き掛けられて使用される伝動用ベルトにおいて、前記センターベルトの外周側に、前記各ブロックの上ビーム部間の隙間へ歯状に突出し、隙間の両側の上ビーム部に当接する上歯部を設け、前記各ブロックのベルト幅方向の中央部に、前記2本のセンターベルト間の空間を埋めるように、前記ピラー部から互いに対向して突出する対向突出部を設けた構成にした。
前記各ブロックのベルト幅方向の中央部に、前記2本のセンターベルト間の空間を埋めるように、前記ピラー部から互いに対向して突出する対向突出部を設けることにより、ブロックの外側端面が摩耗してセンターベルトの外側端面がV溝対向面と接触する場合や、センターベルトの外側端面を最初からV溝対向面と接触させた場合に、センターベルトがV溝対向面から受ける押圧力を、嵌合溝のピラー部側面の他に、これらの対向突出部の側面で受けるようにし、嵌合溝のピラー部側面で受けられる局所的な押圧力を緩和して、センターベルトの寿命を延長することができる。
【0015】
前記対向突出部を前記各ブロックの前記上ビーム部の少なくとも一部にも連ねて設け、前記上歯部が前記プーリのV溝対向面と接触する外側端面と、前記上ビーム部に連ねた対向突出部の側面と接触する内側端面とを有するようにすることにより、摩擦係数の大きいセンターベルトがV溝対向面と接触する領域を拡げて、動力伝達性能をさらに向上できるとともに、上歯部がV溝対向面から受ける押圧力を対向突出部の側面で受けて、嵌合溝のピラー部側面で受けられる局所的な押圧力をさらに緩和することができる。
【0016】
前記センターベルトのベルトピッチラインよりも外側にある前記対向突出部の対向面を、外周側に向かって後退するテーパ面または曲面で形成することにより、ベルトがプーリから抜け出るときにプーリ外径側へ逆湾曲しても、ベルトピッチラインよりも外側にある対向突出部の対向面同士が強く接触するのを防止することができる。
【0017】
前記対向突出部を前記各ブロックの前記下ビーム部の少なくとも一部にも連ねて設け、前記センターベルトのベルトピッチラインよりも内側にある前記対向突出部の対向面を、内周側に向かって後退するテーパ面または曲面で形成することにより、ベルトがプーリに巻き掛けられるときに、スムーズにプーリ内径側へ湾曲させることができる。
【0018】
前記センターベルトの内周側に、前記各ブロックの下ビーム部間の隙間へ歯状に突出する下歯部を設け、前記下歯部が前記プーリのV溝対向面と接触する外側端面と、前記下ビーム部に連ねた対向突出部の側面と接触する内側端面とを有するようにすることにより、摩擦係数の大きいセンターベルトがV溝対向面と接触する領域をさらに拡げて、動力伝達性能をさらに向上できるとともに、下歯部がV溝対向面から受ける押圧力を対向突出部の側面で受けて、嵌合溝のピラー部側面で受けられる局所的な押圧力をさらに緩和することができる。
【0019】
前記下歯部に、ベルトの曲げ性をよくするベルト幅方向に延びる少なくとも1つの凹溝を設けることにより、ベルトがプーリへの巻き掛け部でプーリ内径側へ湾曲したときに、下歯部が両側のブロックの下ビーム部から受ける圧縮変形を凹溝で逃がして緩和することができる。また、凹溝を設けることにより、ベルトの曲げ剛性が小さくなって、ベルトの屈曲疲労性も向上する。
【0020】
前記センターベルトの内周面に、前記各ブロックの下ビーム部間の隙間でベルト幅方向に延びる少なくとも1つの凹溝を設けることによっても、センターベルト下面側で各ブロックの下ビーム部の凸条間に挟まれる部分が両側のブロックの下ビーム部から受ける圧縮変形を凹溝で逃がして緩和し、センターベルト下面側での局所的な温度上昇を防止することができる。また、凹溝を設けることにより、ベルトの曲げ剛性が小さくなって、ベルトの屈曲疲労性も向上する。
【0021】
前記上歯部に、ベルトの曲げ性をよくするベルト幅方向に延びる少なくとも1つの凹溝を設けることにより、ベルトがプーリから抜け出るときにプーリ外径側へ逆湾曲したときに、上歯部が両側のブロックの上ビーム部から受ける圧縮変形を凹溝で逃がして緩和することができる。この凹溝もベルトの曲げ剛性を小さくして、ベルトがプーリに巻き掛けられて繰り返し曲げられるときの屈曲疲労性を向上させる。
【0022】
前記各ブロック間の隙間を、ブロックのベルト長手方向厚みの1/3〜5倍、好ましくは1/2〜3倍とすることにより、センターベルトの下面側で下ビーム部の凸条間に挟まれる部分のベルト長手方向寸法を大きくして、下ビーム部の凸条の圧縮方向変位に対する凸条間に挟まれる部分の圧縮ひずみを小さくするようにし、センターベルト下面側での局部的な発熱を防止することができる。各ブロック間の隙間を、ブロックのベルト長手方向厚みの1/3〜5倍としたのは、1/3未満では、凸条間に挟まれる部分の圧縮ひずみを十分に小さくすることができず、5倍を超えると、ブロックの配列個数が少なくなって、高負荷の用途に適用できなくなるからである。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係る伝動用ベルトは、センターベルトの上面に、各ブロックの上ビーム部間の隙間へ歯状に突出する上歯部を設け、これらの上歯部を隙間の両側の上ビーム部に当接させるようにしたので、ベルト走行時におけるブロックのがたつきをなくして、嵌合部でのブロックとの擦れ合い摩耗によるセンターベルトの耐久寿命の低下、異音の発生、およびブロックがベルト長手方向へ傾斜する斜行の発生を防止することができる。この上歯部は、ブロックの振動を吸収するダンパの役割も果たす。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】(a)、(b)は、本発明に係る実施形態の伝動用ベルトを採用したベルト式無段変速装置を示す一部省略断面図
【
図5】(a)、(b)、(c)は、それぞれ
図4の変形例を示す断面図
【
図7】(a)、(b)は、それぞれ
図6の変形例を示す断面図
【
図9】(a)、(b)は、それぞれ
図8の変形例を示す断面図
【
図10】従来の伝動用ベルトを示す一部切欠き斜視図
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面に基づき、本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明に係る伝動用ベルト1を採用したベルト式無段変速装置30を示す。このベルト式無段変速装置30は、駆動プーリ31と従動プーリ32に伝動用ベルト1を巻き掛けて、変速比を無段階で変化させるものである。各プーリ31、32は、軸方向に固定された固定プーリ片31a、32aと、軸方向に移動可能とされた可動プーリ片31b、32bとからなり、これらの固定プーリ片31a、32aと可動プーリ片31b、32bで形成されるプーリ31、32のV溝の幅を連続的に変更できるようになっている。
【0026】
前記伝動用ベルト1は、幅方向両端面が各プーリ31、32のV溝対向面と傾斜が合致するテーパ面で形成され、変更されたV溝の幅に応じて、V溝対向面の任意の上下方向位置に嵌まり込む。例えば、
図1(a)に示す状態から、
図1(b)に示すように、駆動プーリ31のV溝の幅を狭く、従動プーリ32のV溝の幅を広くした状態に変更すると、伝動用ベルト1は、駆動プーリ31側ではV溝の上方へ、従動プーリ32側ではV溝の下方へ移動し、各プーリ31、32への巻き掛け半径が連続的に変化して、変速比が無段階で変えられる。
【0027】
図2および
図3に示すように、前記伝動用ベルト1は、平行な2本の無端状のセンターベルト2の長手方向に沿って、複数の板状のブロック10を一定の隙間Sを開けて配列したものである。各ブロック10は、上ビーム部11と下ビーム部12をベルト幅方向の中央部でピラー部13によって連結し、上下のビーム部11,12とピラー部13によって囲まれた左右一対の嵌合溝14を設けたものであり、互いに同一の形状とされている。各センターベルト2は、各ブロック10の各嵌合溝14にベルト幅方向の左右両側から挿入固定され、各ブロック10が2本のセンターベルト2と一体化されている。伝動用ベルト1が各プーリ31、32に巻き掛けられたときに、各ブロック10の上ビーム部11はセンターベルト2よりもプーリ外径側に位置し、下ビーム部12はセンターベルト2よりもプーリ内径側に位置する。
【0028】
図2および
図4に示すように、前記各センターベルト2の外周面と内周面には、それぞれベルト幅方向に延びる凹溝3a、3bがベルト長手方向に所定のピッチで設けられ、各ブロック10の嵌合溝14の上下面には、それぞれベルト幅方向に延びる凸条15a、15bが設けられている。これらの凹溝3a、3bに各凸条15a、15bを係合させることにより、各ブロック10がベルト長手方向に沿って所定ピッチで固定される。センターベルト2の内周面の凹溝3bは、断面が緩やかな凹湾曲面とされ、これと係合する嵌合溝14の凸条15bは、断面が緩やかな凸湾曲面とされている。
【0029】
また、前記各ブロック10の下ビーム部12は、プーリ内径側となる下側に行くほど肉厚が漸減するように形成され、プーリ外径側に位置する上ビーム部11は、上下方向に一定の肉厚で形成されている。なお、この伝動用ベルト1は、後述するように、各ブロック10間の隙間Sが広く形成され、プーリ31、32への巻き掛け部でセンターベルト2がプーリ内径側へ湾曲しても、各ブロック10の下ビーム部12同士が干渉する恐れはないので、下ビーム部12も上下方向に一定の肉厚で形成してもよい。
【0030】
前記センターベルト2は、心線4がスパイラル状に埋設されたゴム層5と、ゴム層5の上下両面を被覆するカバー帆布(図示省略)とからなる。心線4としては、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アラミド繊維、ガラス繊維等からなるロープや、スチールワイヤ等が用いられる。心線4の替わりに、上記の繊維からなる織布や編布、または金属薄板等を埋設してもよい。ゴム層5は、クロロプレンゴム、天然ゴム、ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、水素化ニトリルゴム等の単一材もしくはこれらを適宜ブレンドしたゴム、またはポリウレタンゴムで形成される。
【0031】
前記カバー帆布は、ベルト走行時にゴム層5がブロック10との摩擦により摩耗するのを防止するためのものであり、平織り、綾織り又は朱子織り等の織布で形成される。その繊維材料としては、アラミド繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維等が用いられる。なお、ブロック10とセンターベルト2の擦れによる摩耗を防止する観点では、耐摩耗性に優れるアラミド繊維が好ましいが、後述する上歯部6をセンターベルト2に設けることにより、ブロック10のがたつきを小さくしているので、アラミド繊維に比べて耐摩耗性の劣るナイロン繊維を使用することもできる。また、ナイロン繊維はアラミド繊維に比べて伸縮性がよいので、後述する上歯部6や下歯部8の形状に正確に沿わせることができる。
【0032】
また、前記ブロック10は、センターベルト2よりも硬質の樹脂材料で形成され、補強材と摩擦低減材が配合されている。硬質の樹脂材料としては、液晶樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、メタアクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド(PAI)樹脂、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、ポリイミド(PI)樹脂、ポリエーテルスルフォン(PES)樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂等の合成樹脂が挙げられ、これらの中でも、熱可塑性樹脂であるポリアミド樹脂が好ましい。また、合成樹脂の代わりに、JIS‐A硬度90°以上の硬質ゴムや硬質ポリウレタンを用いてもよい。
【0033】
前記補強材としては、アラミド繊維、炭素繊維、ガラス繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維などの繊維状補強材や、酸化亜鉛ウィスカ、チタン酸カリウムウィスカ等のウィスカ状補強材が挙げられる。これらの補強材を配合することによって、ブロック10の曲げ剛性等の強度を高めることができる。また、摩擦低減材としては、ポリ4フッ化エチレン(PTFE)、ポリフッ化エチレンプロピレンエーテル(PFPE)等のフッ素樹脂や、二硫化モリブデン、グラファイト等が挙げられる。このような摩擦低減材を配合することにより、ブロック10とプーリ31、32との間の摩擦係数を低減して、ブロック10の摩耗を抑制できるとともに、嵌合溝14でのセンターベルト2との摩擦係数も低減して、センターベルト2の摩耗も抑制し、センターベルト2の寿命を延長することができる。
【0034】
図3および
図4に示すように、前記各ブロック10間の隙間Sは、ブロック10のベルト長手方向厚みTと等しく形成されている。したがって、前記下ビーム部12の凸条15b間に挟まれるセンターベルト2の下面側の部分のベルト長手方向寸法を従来よりも大きくして、伝動用ベルト1がプーリ31、32に巻き掛けられてプーリ内径側へ湾曲するときの下ビーム部12の凸条15bの圧縮方向変位に対する圧縮ひずみを小さくすることができ、プーリ31、32から抜け出るときの伸張変形との繰り返しによる局部的な発熱量を少なくすることができる。なお、隙間Sは、ブロック10の厚みTの1/3〜5倍、好ましくは1/2〜3倍の範囲に設定するとよい。
【0035】
前記センターベルト2の外周面には、各ブロック10間の隙間へ歯状に突出し、両側の上ビーム部11に当接する上歯部6が設けられている。上歯部6はセンターベルト2の幅方向全域に設けられ、その高さは上ビーム部11と同じ高さに形成されている。したがって、ベルト走行時のブロック10のがたつきをなくすことができ、嵌合溝14でのブロック10との擦れ合い摩耗によるセンターベルト2の寿命の低下、異音の発生、およびブロック10がベルト長手方向へ傾斜する斜行の発生を防止することができる。この上歯部6は、ブロック10の振動を吸収するダンパの役割も果たす。
【0036】
また、
図4に示すように、前記センターベルト2の内周面には、各ブロック10の下ビーム部12間の隙間でベルト幅方向に延びる凹溝7aが設けられている。この凹溝7aの断面は、下ビーム部12間の隙間の広い領域で緩やかに湾曲する凹湾曲面で形成されている。凹溝7aは、伝動用ベルト1がプーリ31、32への巻き掛け部でプーリ内径側へ湾曲したときに、センターベルト2の下面側で下ビーム部12の凸条15b間に挟まれる部分が、両側の下ビーム部12から受ける圧縮変形を逃がして緩和する役割をする。また、凹溝7aは、センターベルト2の曲げ剛性を小さくして、センターベルト2の屈曲疲労性も向上させる。なお、凹溝7aは、下ビーム部12間の各隙間で、2箇所以上に設けてもよい。
【0037】
図5(a)、(b)、(c)は、それぞれ
図4の変形例を示す。
図5(a)の変形例は、上歯部6の高さを上ビーム部11の高さの約半分としたものである。
図5(b)、(c)の変形例は、いずれもセンターベルト2の内周面に、各ブロック10の下ビーム部12間の隙間へ歯状に突出する下歯部8を設け、上歯部6と下歯部8に、それぞれ下ビーム部12間の隙間の中央部でベルト幅方向に延びる凹溝7b、7cを設けたものである。
図5(b)の変形例の下歯部8は、下側に行くにつれて厚みが曲面状に漸減する湾曲形状とされ、
図5(c)の変形例の下歯部8は、下側に行くにつれて厚みがテーパ状に漸減する多角形状とされており、下歯部8の高さは、いずれも下ビーム部12と同じ高さに形成されている。なお、上歯部6と下歯部8の高さは特に限定されることはなく、好ましくは、後述するブロック10の対向突出部10aの高さに応じて設定するとよい。
【0038】
また、
図5(b)、(c)の変形例における上歯部6の凹溝7bは、伝動用ベルト1がプーリ31、32から抜け出る際にプーリ外径側へ逆湾曲したときに、上歯部6が両側の上ビーム部11から受ける圧縮変形を逃がして緩和する役割をし、下歯部8の凹溝7cは、伝動用ベルト1がプーリ31、32への巻き掛け部でプーリ内径側へ湾曲したときに、下歯部8が両側の下ビーム部12から受ける圧縮変形を逃がして緩和する役割をする。これらの凹溝7b、7cも、センターベルト2の曲げ剛性を小さくして、センターベルト2の屈曲疲労性を向上させる。なお、これらの凹溝7b、7cも、各上歯部6や各下歯部8の2箇所以上に設けてもよい。また、凹溝7b、7cは両方とも設けることが好ましいが、上歯部6の凹溝7bは省略してもよい。
【0039】
図3および
図6に示すように、前記各ブロック10のベルト幅方向の中央部には、2本のセンターベルト2間の空間を埋めるように、互いに対向して突出する対向突出部10aが設けられている。この対向突出部10aは、ピラー部13のほかに、上ビーム部11の全域と下ビーム部12の一部に連ねて設けられており、センターベルト2の内側端面が、上歯部6を含めて、対向突出部10aの側面と接触するようになっている。したがって、後述するように、上歯部6を含む各センターベルト2の外側端面2aをプーリ31、32のV溝対向面と接触させても、センターベルト2がV溝対向面から受ける押圧力を、嵌合溝14のピラー部13側面の他に、これらの対向突出部10aの側面で受けることができ、ピラー部13側面で受けられていた局所的な押圧力を緩和して、センターベルト2の寿命を延長することができる。また、対向突出部10aの側面で受けられるセンターベルト2の上歯部6は、対向突出部10aからの反力によってプーリ31、32側へ押し付けられるので、その外側端面2aをV溝対向面と強く接触させ、伝動用ベルト1の動力伝達性能をさらに向上させることができる。
【0040】
前記センターベルト2の心線4の位置であるベルトピッチラインM上での、対向突出部10aの対向面間の間隔D1は0〜0.3mmとされ、ベルトピッチラインMよりも外側にある対向面は、外周側に向かって後退するテーパ面で形成されており、その外側端での対向面間の間隔D2は0.6mm以下とされている。したがって、伝動用ベルト1がプーリ31、32から抜け出るときにプーリ外径側へ逆湾曲しても、対向突出部10aの上側の対向面同士が強く接触することはない。また、ベルトピッチラインMよりも内側にある対向面は、内周側に向かって後退する曲面で形成されており、伝動用ベルト1がプーリ31、32に巻き掛けられるときに、スムーズにプーリ内径側へ湾曲させることができる。
【0041】
図7(a)、(b)は、それぞれ
図6の変形例を示す。
図7(a)の変形例は、対向突出部10aを、上ビーム部11と下ビーム部12の一部に連ねて設けたもの、
図7(b)の変形例は、対向突出部10aを、上ビーム部11と下ビーム部12の全域に連ねて設けたものである。
図7(b)の変形例では、センターベルト2の下面に、
図5(b)、(c)に示した下ビーム部12と同じ高さの下歯部8が設けられ、センターベルト2の内側端面が、上歯部6のほかに下歯部8でも対向突出部10aの側面と接触するようになっている。したがって、嵌合溝14のピラー部13側面で受けられていた局所的な押圧力をさらに緩和できるとともに、下歯部8の外側端面2aもV溝対向面と強く接触させて、伝動用ベルト1の動力伝達性能をさらに一層向上させることができる。なお、上歯部6と下歯部8の高さは、対向突出部10aの高さと同じかそれよりも低く形成され、好ましくは、対向突出部10aの高さと同じとするのが好ましい。
【0042】
図3および
図8に示すように、前記上歯部6を含む各センターベルト2の外側端面2aは、プーリ31、32のV溝対向面と接触するように、各ブロック10の外側端面10bよりもわずかに突出するように形成されている。この突出量は0.1〜0.5mmに設定されており、伝動用ベルト1がV溝対向面に挟持され、センターベルト2がV溝対向面で押圧されて弾性変形したときに、各ブロック10の外側端面10bもV溝対向面と接触するようになっている。したがって、センターベルト2の外側端面2aは摩擦係数が大きいので、V溝対向面との面圧を低くしてもスリップを防止して、良好な動力伝達性能を確保することができる。このようにV溝対向面との面圧を低くすれば、ブロック10の外側端面10bの摩耗を抑制できるとともに、ベルト走行時のブロック10の斜行も抑制することができ、延いては、ブロック10の嵌合溝14のピラー部13側面と接触するセンターベルト2の内側端面の摩耗や損傷も防止することができる。
【0043】
また、
図2および
図8に示すように、前記対向突出部10aの対向面には、X状に交叉する複数の交叉溝16が形成されており、互いに接触したときのブロック10の相対滑りを防止できるようになっている。この対向面の形態は、相対滑りを防止できるものであればよく、例えば、面粗度を粗くしたものであってもよい。
【0044】
図9(a)、(b)は、それぞれ
図8の変形例を示す。
図9(a)の変形例は、前記各ブロック10の上ビーム部11の外側端面11a全部を、センターベルト2がプーリ31、32のV溝対向面で押圧されて弾性変形したときに、V溝対向面と接触しない後退量d1だけセンターベルト2の外側端面2aよりも後退させたものであり、
図9(b)の変形例は、上ビーム部11のセンターベルト2が嵌合される下部を除く外側端面11aの上部のみを、同様に、V溝対向面と接触しない後退量d1だけセンターベルト2の外側端面2aよりも後退させたものである。
【0045】
前記V溝対向面と接触しない後退量d1は0.5〜1.0mmに設定されている。後退量d1が0.5mm未満では、センターベルト2の外側端面2aが圧縮変形したときに上ビーム部11の外側端面11aとV溝対向面とが接触して異音が生じたりする恐れがあり、1.0mmを超えると、センターベルト2の外側端面2aが極度に圧縮変形されるため、ひずみが大きくなってベルトの伝達性能が低下する恐れがある。なお、下ビーム部12の外側端面12aのセンターベルト2の外側端面2aからの後退量d2は、
図8に示した実施形態のものと同様に、0.1〜0.5mmに設定されている。また、これらの変形例では、上ビーム部11および下ビーム部12のV溝対向面との合計接触面積S1は、センターベルト2とV溝対向面の接触面積S2よりも小さく設定され、かつ、合計接触面積S1の90%以上が、ピッチラインの下側の下ビーム部12の接触面積で占められている。
【0046】
上述した実施形態では、センターベルトの上歯部を幅方向全域に設けたが、上歯部はセンターベルト幅方向の一部の領域に設けることもできる。
【0047】
また、上述した実施形態では、ブロックの対向突出部を、ピラー部から上ビーム部と下ビーム部の両方に連ねて設けたが、ピラー部と上ビーム部のみに連ねて設けることもでき、ピラー部のみに設けることもできる。
【符号の説明】
【0048】
1 伝動用ベルト
2 センターベルト
2a 外側端面
3a、3b 凹溝
4 心線
5 ゴム層
6 上歯部
7a、7b、7c 凹溝
8 下歯部
10 ブロック
10a 対向突出部
10b 外側端面
11 上ビーム部
12 下ビーム部
11a、12a 外側端面
13 ピラー部
14 嵌合溝
15a、15b 凸条
16 交叉溝
30 ベルト式無段変速装置
31,32 プーリ
31a,32a 固定プーリ片
31b,32b 可動プーリ片